JP4739459B1 - 揚げ物用衣材 - Google Patents

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Abstract

【課題】揚げ物用衣材として好適な新規な油脂加工澱粉の提供。
【解決手段】(i)オキシ塩化リンを用いて処理されたリン酸架橋澱粉、(ii)油脂および/または食用油脂類縁物質、ならびに(iii)大豆粉砕物を混合し、得られた混合物を加熱処理することによって製造される油脂加工澱粉であって、0.010〜0.035質量%のリンを含有する、油脂加工澱粉。
【選択図】なし

Description

発明の背景
技術分野
本発明は、揚げ物用衣材として用いられる油脂加工澱粉に関するものである。
背景技術
従来、揚げ物の製造においては、グルテンの少ない小麦粉を主体とし、食感を改善する目的で、各種の蛋白質類、澱粉質類、乳化剤、卵および重曹などを添加し、また、必要に応じて適当量の水を加えてバッターとしている。
しかし、小麦粉を主体とした従来のバッターでは、加水した場合、いわゆるママ粉状の塊が発生したりして、バッターとしての適当な粘度(30〜40質量%濃度でクリーム状になるような物性)を得ることは難しく、さらに、適当な粘度となった後も、経時的に固形物が沈殿するような現象が発生し、バッターとして適当でない状態となる欠点があった。
また、調理した場合には種と衣との決着性が悪く、剥がれやすいことにより商品として見た目が悪く、商品価値を著しく損なうなどの問題が生じていた。一方、食感面においては、サクッとしたクリスピーな食感が好まれ、このクリスピー感を経時的に保つことが商業的には必須であるが、従来の小麦粉主体のバッター粉では、べとつき等の欠点が生じ、十分なクリスピー感は得られない。
これらの点を解決するために、澱粉ベースのバッターを製造する種々の技術が提案されている。このような技術としては、穀粉などの澱粉に食用油脂を添加して混合し、この混合物を加熱処理して得られる油脂加工澱粉を用いる方法が挙げられる(特許文献1および特許文献2)。さらに、このような油脂加工澱粉の製造に用いる澱粉として、架橋処理を施した澱粉を用いることが提案されている(特許文献3および特許文献4)。さらに、上記のような油脂加工澱粉の製造において、加熱処理前に澱粉と大豆粉砕物を混合することが提案されている(特許文献5および特許文献6)。
特開昭61−285956号公報 特開平11−98969号公報 特開2002−218920号公報 特開2004−113236号公報 特開平4−51854号公報 特開2007−29021号公報
本発明者らは、油脂加工澱粉の製造において、オキシ塩化リンを用いて処理されたリン酸架橋澱粉に大豆粉砕物を添加したものを調製し、所定の範囲の量のリンを含有させることにより、揚げ物用衣材として好適な特性を有する油脂加工澱粉が得られることを見出した。本発明はこの知見に基づくものである。
従って、本発明の目的は、揚げ物用衣材として好適な新規な油脂加工澱粉を提供することにある。
そして、本発明による油脂加工澱粉は、(i)オキシ塩化リンを用いて処理されたリン酸架橋澱粉、(ii)油脂および/または食用油脂類縁物質、ならびに(iii)大豆粉砕物を混合し、得られた混合物を加熱処理することによって製造される油脂加工澱粉であって、0.010〜0.035質量%のリンを含有するものである。
本発明による油脂加工澱粉は、揚げ物用衣材として、特に打ち粉またはバッターに好適に用いることができる。この揚げ物用衣材を用いて得られる揚げ物(特にフライ)は、衣と具材の結着性に優れるとともに、サクサクとしてクリスピーな良好な食感を有する。本発明による油脂加工澱粉は、いかやエビなどの海産物や加熱済み肉など、通常の衣と結着しづらい具材に対して特に有効である。
発明の具体的説明
本発明による油脂加工澱粉は、(a)(i)オキシ塩化リンを用いて処理されたリン酸架橋澱粉、(ii)油脂および/または食用油脂類縁物質、および(iii)大豆粉砕物を混合する工程、ならびに(b)工程(a)で得られた混合物を加熱処理する工程、を含む方法によって製造されるものである。
本発明に用いられるリン酸架橋澱粉は、澱粉に対して、オキシ塩化リンを用いるリン酸架橋処理を施したものである。ここで用いられる澱粉は、食用に用いられる通常の澱粉であればよいが、好ましくはコーンスターチ、タピオカおよび米澱粉からなる群から選択される少なくとも一種の澱粉とされ、より好ましくはタピオカとされる。タピオカが最も好ましい理由としては、安価で安定供給が可能であることが挙げられる。オキシ塩化リンを用いたリン酸架橋処理は、当技術分野において公知の方法により行うことができ、その具体的な方法は特に制限されない。本発明の好ましい実施態様によれば、オキシ塩化リンを用いたリン酸架橋処理は、アルカリ性に調整された澱粉懸濁液にオキシ塩化リンを添加して攪拌することによって行われる。本発明に用いられるオキシ塩化リンを用いて処理されたリン酸架橋澱粉は、さらに、アセチル化、ヒドロキシプロピル化およびリン酸化から選ばれるいずれか一種の化学的処理と併用されたものであってもよく、漂泊処理、酵素処理、酸処理、アルカリ処理、アルカリ加熱処理、湿熱処理、温水処理、ボールミル処理、増粘多糖類コーティング加熱処理、α化処理などから選ばれるいずれか一種以上の物理的処理が併用されたものであってもよく、前記化学的処理のいずれか一種と前記物理的処理のいずれか一種以上が併用されたものであってもよい。本発明の好ましい実施態様によれば、これらの追加の化学的処理および物理的処理は併用されない。
本発明に用いられる油脂は、食用の植物油脂や動物油脂など、当技術分野において公知の様々な油脂であってよいが、好ましくはサフラワー油またはエゴマ油とされる。また、本発明に用いられる食用油脂類縁物質とは、油脂加工澱粉の製造において、油脂と同様に作用することが知られているあらゆる物質を意味する。このような物質は、当業者であれば適宜選択することができる。食用油脂類縁物質の具体例としては、例えば、硬化油、分別油、脂肪酸モノグリセリド、レシチン、シュガーエステルなどの乳化剤等が挙げられる。
本発明に用いられる大豆粉砕物は、大豆を微粉砕して得られる粉末(いわゆる生大豆粉)が最も安価で好ましいが、大豆の粉末化の前もしくは後において、外皮の除去、粒径の調整、脱臭処理、乾燥処理、pH調整、酵素失活などの処理を行ったものであってもよい。さらに、これらの材料から抽出されたタンパク質を主成分とする粉末であってもよい。
オキシ塩化リンを用いて処理されたリン酸架橋澱粉と油脂および/または食用油脂類縁物質との混合比は特に制限されるものではなく、当業者であれば、油脂加工澱粉の製造において通常用いられる混合比の範囲から適宜選択することができる。本発明の好ましい実施態様によれば、油脂および/または食用油脂類縁物質の配合量は、オキシ塩化リンを用いて処理されたリン酸架橋澱粉の0.01〜0.8質量%、より好ましくは0.05〜0.2質量%とされる。
オキシ塩化リンを用いて処理されたリン酸架橋澱粉と大豆粉砕物との混合比は特に制限されるものではなく、当業者であれば適宜選択することができる。本発明の好ましい実施態様によれば、大豆粉砕物の配合量は、オキシ塩化リンを用いて処理されたリン酸架橋澱粉の0.5〜1.4質量%、より好ましくは0.8〜1.2質量%とされる。
上記混合物には、オキシ塩化リンを用いて処理されたリン酸架橋澱粉、油脂および/または食用油脂類縁物質、および大豆粉砕物に加えて、必要に応じて他の成分を混合してもよい。このような他の成分としては、クエン酸三ナトリウムなどのアルカリ剤、水等が挙げられる。
オキシ塩化リンを用いて処理されたリン酸架橋澱粉、油脂および/または食用油脂類縁物質、および大豆粉砕物を混合して得られた混合物の加熱処理は、通気乾燥機、流動層乾燥機、棚段式乾燥機、回転式乾燥機などを用いて行うことができる。加熱処理の具体的な条件は特に制限されないが、当業者であれば、得られた加工澱粉の性質を評価しながら適切に設定することが可能である。本発明の一つの実施態様によれば、加熱処理の条件は、40〜90℃、好ましくは約65℃で、7〜21日間とされる。本発明の他の実施態様によれば、加熱処理の条件は、105〜155℃、好ましくは約130℃で、60〜200分間、好ましくは90〜150分間とされる。
本発明による油脂加工澱粉は、油脂加工澱粉の全体の重量に対して0.010〜0.035質量%、好ましくは0.012〜0.025質量%、より好ましくは0.013〜0.02質量%のリンを含有するものである。このようなリン含量は、本発明の効果を十分に発揮し、また、過剰なリンによるその効果の阻害を防ぐ上で好ましいものである。ここで、澱粉中のリン含有量は、当技術分野において公知の方法により測定することができ、その具体的な方法は特に制限されない。このような方法としては、例えば、本明細書の実施例において用いられている方法が挙げられる。
本発明による油脂加工澱粉は、揚げ物用衣材として、そのまま打ち粉やまぶし粉として使用することができ、あるいは水溶きしてバッターとして使用することができる。さらに、本発明による油脂加工澱粉は、市販されているミックス粉などに添加しても使用することができる。よって、本発明によれば、本発明による油脂加工澱粉を含んでなる揚げ物用衣材またはバッターが提供される。
本発明による揚げ物用衣材およびバッターは、様々な揚げ物食品の製造に用いることができる。よって、本発明によれば、本発明による揚げ物用衣材またはバッターを含んでなる揚げ物食品が提供される。
本発明における「揚げ物食品」とは、上記の揚げ物用衣材を用いて製造された、から揚げ、天ぷら、竜田揚げ、豚カツ、牛カツ、メンチカツ、クリームコロッケ、エビフライ、イカリング、フリッターなどをいう。ここで用いられる揚げ物食品の具材は特に制限されず、一般に揚げ物食品に使用される野菜類、魚介類、肉類、卵類などが使用できる。また、本発明による揚げ物食品は、衣を付けた後、冷凍し、所望時に油ちょうするものであってもよいし、あるいは、油ちょう後、冷凍し、電子レンジなどで再加熱するいわゆる冷凍揚げ物食品であってもよい。
本発明による揚げ物用衣材およびバッターは、そのまま揚げ物食品の製造に用いてもよいし、あるいは、必要に応じて通常の揚げ物食品の衣材に使用されている材料を混合して用いてもよい。通常の揚げ物食品の衣材に使用されている材料は、穀粉、上新粉、増粘多糖類、膨張剤、蛋白質、澱粉分解物および還元物、色素、調味料、ビタミンE、食塩などが挙げられ、必要に応じて適宜用いることができる。
以下の例に基づいて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。
調製例1:各種架橋油脂加工澱粉の調製
架橋油脂加工澱粉として、下記表1に示す試料1〜24を調製した。具体的な実験手順は、以下の通りとした。
Figure 0004739459
リン酸架橋澱粉の調製
300kgの未加工タピオカに水を加えて40(w/v)%濃度の澱粉懸濁液を調製し、硫酸ナトリウムを6kg添加した後、3(w/v)%濃度の水酸化ナトリウムを添加してpH11に調整した。これに、オキシ塩化リンを、それぞれ0.05kg(試料1および試料10)、0.1kg(試料2および試料11)、0.3kg(試料3、試料4、試料12、試料15、試料17および試料19)、0.6kg(試料5、試料13、試料16、試料18および試料20)、0.75kg(試料6および試料14)添加した。その後、60分間攪拌を維持することにより、リン酸架橋反応を行った。次いで、9(w/v)%濃度の塩酸を加えてpH5に調整することにより、リン酸架橋反応を終了した。次いで、5倍量の水で希釈し、脱水、乾燥して、試料1〜6および試料10〜20のリン酸架橋タピオカ250kgをそれぞれ得た。
また、300kgの未加工タピオカに水を加えて40(w/v)%濃度の澱粉懸濁液を調製し、塩化カルシウムを1.5kg添加した後、3(w/v)%濃度の水酸化ナトリウムを添加してpH11に調整した。これに、トリメタリン酸ナトリウムを、それぞれ0.6kg(試料7)、1.5kg(試料8)添加した。その後、60分間攪拌を維持することにより、リン酸架橋反応を行った。次いで、9(w/v)%濃度の塩酸を加えてpH5に調整することにより、リン酸架橋反応を終了した。次いで、5倍量の水で希釈し、脱水、乾燥して、試料7および試料8のリン酸架橋タピオカ250kgをそれぞれ得た。
また、300kgの未加工コーンスターチ(試料21および試料22)もしくは未加工米澱粉(試料23および試料24)に水を加えて40(w/v)%濃度の澱粉懸濁液を調製し、硫酸ナトリウムを6kg添加した後、3(w/v)%濃度の水酸化ナトリウムを添加してpH11に調整した。これに、オキシ塩化リンを、それぞれ0.3kg添加した。その後、60分間攪拌を維持することにより、リン酸架橋反応を行った。次いで、9(w/v)%濃度の塩酸を加えてpH5に調整することにより、リン酸架橋反応を終了した。次いで、5倍量の水で希釈し、脱水、乾燥して、試料21および試料22のリン酸架橋コーンスターチおよび試料23および試料24のリン酸架橋米澱粉250kgをそれぞれ得た。
アセチル化アジピン酸架橋澱粉の調製
300kgの未加工タピオカに水を加えて40(w/v)%濃度の澱粉懸濁液を調製し、3(w/v)%濃度の水酸化ナトリウムを添加してpH9に調整した。これに、無水酢酸25kgにアジピン酸0.36kgを溶解して調整した溶液を180分間かけて添加しつつ、3(w/v)%濃度の水酸化ナトリウムを添加することでpH8〜9を維持して攪拌し、アセチル化アジピン酸架橋反応を行った。次いで、9(w/v)%濃度の塩酸を加えてpH5に調整することにより、アセチル化アジピン酸架橋反応を終了した。次いで、5倍量の水で希釈し、脱水、乾燥して、試料9のアセチル化アジピン酸架橋タピオカ250kgを得た。
油脂加工澱粉の調製
試料1〜3、試料5〜9、試料21および試料23について、100kgの澱粉に、水10kg、大豆粉砕物1kgおよびエゴマ油0.1kgを加えて、ミキサーで均一に攪拌混合した。次いで、得られた粉体を、回転式乾燥機を用いて130℃で120分間加熱することにより、大豆粉砕物を含有する油脂加工澱粉を得た。
また、試料3について、100kgの澱粉に、水10kg、大豆粉砕物1kgおよびサフラワー油0.1kgを加えて、ミキサーで均一に攪拌混合した。次いで、得られた粉体を、回転式乾燥機を用いて130℃で120分間加熱することにより、大豆粉砕物を含有する油脂加工澱粉を得た。
また、試料15および試料16について、100kgの澱粉に、水10kgおよびエゴマ油0.1kgを加えて、ミキサーで均一に攪拌混合した。次いで、得られた粉体を、回転式乾燥機を用いて130℃で120分間加熱することにより、大豆粉砕物を含有しない油脂加工澱粉を得た。
また、試料10〜14、試料22および試料24について、100kgの澱粉に、水10kg、大豆粉砕物1kgおよびエゴマ油0.1kgを加えて、ミキサーで均一に攪拌混合した。次いで、得られた粉体を、棚段式乾燥機を用いて40℃で加熱することにより粉体の水分を10%程度に調整した後、20kgを包装単位とする紙袋で包装した。次いで、これらを65℃に保たれた倉庫内で14日間保管し、大豆粉砕物を含有する油脂加工澱粉を得た。
また、試料17および試料18について、100kgの澱粉に、水10kgおよびエゴマ油0.1kgを加えて、ミキサーで均一に攪拌混合した。次いで、得られた粉体を、棚段式乾燥機を用いて40℃で加熱することにより粉体の水分を10%程度に調整した後、20kgを包装単位とする紙袋で包装した。次いで、これらを65℃に保たれた倉庫内で14日間保管し、大豆粉砕物を含有しない油脂加工澱粉を得た。
リン酸含量測定法
リン酸架橋澱粉のそれぞれについて、約10gを精密に量り、蒸発皿に入れ、酢酸亜鉛試液10mlを試料に均一になるように加えた。ホットプレート上で注意しながら蒸発乾固し、温度を上げて炭化させた。その後、炭化した試料を電気炉に入れ、炭化物がなくなるまで、550℃で1〜2時間加熱した。冷却後、水15mlを加え、器壁を硝酸(1→3)5mlで洗い込んだ。得られた液体を加熱して沸騰させ、冷却後、200mlのメスフラスコに移し、蒸発皿を水20mlずつで3回洗い、洗液を合わせ、水を加えて200mlとした。得られた液体から、Pとして1.5mgを超えない一定量V(ml)を正確に量り採り、100mlのメスフラスコに入れ、硝酸(1→3)10ml、バナジン酸試液10mlおよび加工デンプン用モリブデン酸アンモニウム試液10mlを十分に混和しながら加え、水を加えて正確に100mlとし、10分間放置した後、これを検液とした。これとは別に、リン酸一カリウム標準液10mlを正確に量り、水を加えて正確に100mlとした。この液体0.5、1、5、10および15mlを正確に量り、それぞれ100mlのメスフラスコに入れ,それぞれのフラスコに、硝酸(1→3)10ml、バナジン酸試液10mlおよび加工デンプン用モリブデン酸アンモニウム試液10mlを十分に混和しながら加え、水を加えて正確に100mlとし、10分間放置した後、これを標準液とした。硝酸(1→3)10ml、バナジン酸試液10mlおよび加工デンプン用モリブデン酸アンモニウム試液10mlを十分に混和し、そこに水を加えて正確に100mlとし、10分間放置した後、これを対照液とした。検液および標準液の460nmにおける吸光度を測定し、得られた検量線から検液中のリン濃度を求め、次式によりリンの含量を求めた。
Figure 0004739459
実施例1:未加熱の豚ロース肉を用いたトンカツの評価
フライ食品の具材として未加熱の豚ロース肉を用いた。トリミングした未加熱の豚ロース肉を10mm厚にスライスし、予め凍結しておき、使用する直前に表面部分のみを温風にて解凍した。バッターは、各澱粉試料100部に対し、増粘多糖類1.2部と氷冷水250部を加えて均一に攪拌混合することで調製した。豚ロース肉にバッターを対肉28質量%となるように付着させ、パン粉付けして凍結した。冷凍保存後、大豆白絞油を用いて、175℃で6分間フライし、トンカツを調製した。トンカツはフライの3分間後にカットし、120分間後に目視による肉と衣の結着性評価と、試食による衣の食感評価を実施した。
Figure 0004739459
表2から明らかなように、試料2〜5、試料11〜13および試料21〜24をバッターに用いたトンカツは、他の試料をバッターに用いた場合と比較して、肉と衣の結着性および衣の食感の双方において顕著に優れていた。
実施例2:未加熱のエビを用いたエビフライの評価
フライ食品の具材として未加熱のエビを用いた。筋を伸ばしたエビを予めチルド保存してから使用した。バッターは、各澱粉試料100部に対し、増粘多糖類1.2部と氷冷水250部を加えて均一に攪拌混合することで調製した。エビの尾以外の部分にバッターを対エビ28質量%となるように付着させ、パン粉付けして凍結した。冷凍保存後、大豆白絞油を用いて、175℃で3分間フライし、エビフライを調製した。エビフライは、フライの3分間後にカットし、120分間後に目視によるエビと衣の結着性評価と、試食による衣の食感評価を実施した。
Figure 0004739459
表3から明らかなように、試料2〜5、試料11〜13および試料21〜24をバッターに用いたエビフライは、他の試料をバッターに用いた場合と比較して、エビと衣の結着性および衣の食感の双方において顕著に優れていた。
実施例3:加熱済み豚ロース肉を用いたトンカツの評価
フライ食品の具材として加熱済みの豚ロース肉を用いた。トリミングした未加熱の豚ロース肉を10mm厚にスライスし、予め凍結した。次いで、85℃のスチーム処理にて肉の中心温度が70℃になるまで加熱を行った後、放冷したものを使用した。バッターは、各澱粉試料100部に対し、増粘多糖類1.2部と氷冷水250部を加えて均一に攪拌混合することで調製した。豚ロース肉にバッターを対肉28質量%となるように付着させ、パン粉付けして凍結した。冷凍保存後、大豆白絞油を用いて、175℃で6分間フライし、トンカツを調製した。トンカツはフライの3分間後にカットし、120分間後に目視による肉と衣の結着性評価と、試食による衣の食感評価を実施した。
Figure 0004739459
表4から明らかなように、試料2〜5、試料11〜13および試料21〜24をバッターに用いたトンカツは、他の試料をバッターに用いた場合と比較して、肉と衣の結着性および衣の食感の双方において顕著に優れていた。

Claims (7)

  1. (i)オキシ塩化リンを用いて処理されたリン酸架橋澱粉、(ii)油脂および/または硬化油、分別油、脂肪酸モノグリセリド、レシチン、およびシュガーエステルからなる群から選択される食用油脂類縁物質、ならびに(iii)大豆粉砕物を混合し、得られた混合物を加熱処理することによって製造される油脂加工澱粉であって、0.012〜0.025質量%のリンを含有する、油脂加工澱粉。
  2. 前記澱粉が、コーンスターチ、タピオカおよび米澱粉からなる群から選択される少なくとも一種の澱粉である、請求項1に記載の油脂加工澱粉。
  3. 油脂加工澱粉を製造する方法であって、
    (a)(i)オキシ塩化リンを用いて処理されたリン酸架橋澱粉、(ii)油脂および/または硬化油、分別油、脂肪酸モノグリセリド、レシチン、およびシュガーエステルからなる群から選択される食用油脂類縁物質、および(iii)大豆粉砕物を混合する工程、ならびに
    (b)工程(a)で得られた混合物を加熱処理する工程
    を含んでおり、得られる油脂加工澱粉が0.012〜0.025質量%のリンを含有するものである、方法。
  4. 前記澱粉が、コーンスターチ、タピオカおよび米澱粉からなる群から選択される少なくとも一種の澱粉である、請求項3に記載の方法。
  5. 請求項1または2に記載の油脂加工澱粉を含んでなる、揚げ物用衣材。
  6. 請求項1または2に記載の油脂加工澱粉を含んでなる、バッター。
  7. 請求項5に記載の揚げ物用衣材または請求項6に記載のバッターを含んでなる、揚げ物食品。
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