JPH08173073A - 揚げ物用衣材 - Google Patents
揚げ物用衣材Info
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- JPH08173073A JPH08173073A JP6334758A JP33475894A JPH08173073A JP H08173073 A JPH08173073 A JP H08173073A JP 6334758 A JP6334758 A JP 6334758A JP 33475894 A JP33475894 A JP 33475894A JP H08173073 A JPH08173073 A JP H08173073A
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Abstract
が5:95〜85:15、好ましくは10:90〜70:30の混合澱
粉に、食用油脂を混合澱粉に対して 0.005〜10%添加
し、加熱処理して得られる油脂コーティング澱粉を含む
揚げ物用衣材。 【効果】 加水してバッターとして用いて揚げ物を調理
したときに、種と称される畜肉類、魚介類、野菜類、コ
ロッケ等の被揚げ物と衣との結着がきわめて良好で、食
感面でも優れている揚げ物が得られる。
Description
て用いて、揚げ物を調理したときに種と称される畜肉
類、魚介類、野菜類、コロッケ等の被揚げ物と衣との結
着がきわめて良好で、食感面でも優れている揚げ物用衣
材に関するものである。
少ない小麦粉を主体とし、食感を改善する目的で、各種
の蛋白質類、澱粉質類、乳化剤、卵及び重曹などを添加
し、また必要に応じてこれにバッターとしての適当な粘
度を与える目的で、天然ガム類、増粘剤等を加えた後、
適当量の水を加えてバッターとしている。しかしなが
ら、小麦粉を主体とした従来の衣材では、加水した場
合、いわゆるママ粉状の固まりが発生したりしてバッタ
ーとしての適度の粘度(40%濃度にてクリーム状になる
ごとくの)を得ることは難しく、更に適当な粘度となっ
た後も経時的に固形物が沈澱するような現象が発生し、
バッターとして適当でない状態となる欠点があった。又
調理した場合には種と衣との結着性が悪く、種と衣とが
剥がれ易いことにより商品として見た目が悪く、商品価
値を著しく損なう等の問題が発生していた。一方、食感
面においてはサクッとしたクリスピーな食感が好まれ、
このクリスピー感が経時的に保たれることが商業的には
望まれている。
技術が提案されている。例えば、α化もち米粉を用いて
さっぱりした食感とし、かつバッター液の粘度を安定化
する技術(特公平4−49386号)、生損傷澱粉を用
いてさっぱりとしたフライを作成する技術(特公平4−
49387号)、α化米粉とロースト小麦粉を用いてバ
ッター液の粘度安定性とカリッとした食感を得る技術
(特開平4−11858号)、澱粉に食用蛋白と食用油
脂を混合し加水して乾燥させた食品素材を小麦粉に10〜
70重量部加えてバッターとして、種と衣の結着性と食感
を改良する技術(特開平1−320962号)などがあ
る。
い澱粉ベースのバッターとしては、40重量%濃度のスラ
リー粘度が200cps以上である油脂加工澱粉を用いる技術
(特公平5−21542号)や、歩留まりを向上させる
ために油脂加工澱粉とα化澱粉、α化殻粉を添加した技
術(特開昭62−143663号)や、油脂加工澱粉α
化品を用いた技術(特開昭62−195259号)があ
る。また揚げ物の大切なクリスピー感を出すためにハイ
アミロース澱粉をアミラーゼでデキストリン化したもの
を用いる技術(特公昭58−10054号)、ハイアミ
ロース澱粉を糊化し凍結、解凍、乾燥などの処理を行っ
た物を用いる技術(特公昭54−16576号)などが
提唱されている。
の技術に因ってもそれぞれ一長一短があり、バッターと
して必要な粘度を維持することと、種と衣との結着性を
改善する事、さらに食感においてクリスピー感を持続さ
せることのすべてを満足させ得るものではなかった。バ
ッター液の安定性と種と衣の結着性及び食感を改良した
揚げ物用衣材として、もち種とウルチ種澱粉との混合物
又はもち種澱粉単独の油脂加工澱粉を使用した技術(特
公平5−17823号)があるが、クリスピー感の向上
と保持の点では不満足であった。
バッターとして、調理した場合、種と衣との結着性が良
好で、しかも揚げ物とした場合、サクッとしたクリスピ
ー感があり、数時間経過してもこのクリスピー感が維持
される揚げ物用衣材を提供することを目的とする。
達成するために鋭意研究を重ねた結果、ハイアミロース
澱粉とウルチ種澱粉との混合澱粉の油脂コーティング品
からなる衣材が、従来の揚げ物用衣材と比べ、クリスピ
ー感があり維持されることを知得して本発明を完成し
た。したがって本発明の揚げ物用衣材は、ハイアミロー
ス澱粉とウルチ種澱粉の混合澱粉に食用油脂、もしくは
それに抗酸化剤を加えたものを添加し、加熱処理して得
られる油脂コーティング澱粉を含むことを特徴とする。
中のアミロース含量が50%以上であるハイアミロース澱
粉を言う。とうもろこし澱粉、小麦澱粉等、澱粉種とし
ては特に限定されないウルチ種澱粉としては、とうもろ
こし澱粉、小麦澱粉、馬鈴薯澱粉、甘藷澱粉、タピオカ
澱粉、サゴ澱粉、コメ澱粉等の澱粉を一種又は二種以上
使用することができる。本発明の油脂コーティング澱粉
は、使用にあたり、単独での使用のほか、小麦粉、米
粉、コーンフラワーなどの穀粉類と混合して使用するこ
ともできる。
を油脂で被覆し、澱粉表面の物性を変えたものである。
澱粉の油脂コーティング方法は、澱粉と油脂を均一に混
合した後、澱粉と油脂の結合を促進させるために加熱処
理を行う。油脂コーティングされた澱粉は、澱粉表面の
濡れ性が変化する。これは単に澱粉と油脂を混合しただ
けでは得られない性質で、加熱処理によって起こる澱粉
表面の改質である。油脂コーティングの条件としては、
処理すべき混合澱粉に食用油脂、もしくは食用油脂と抗
酸化剤を 0.005〜10.0%、好ましくは0.01%〜 1.0%添
加し、均一になるよう混合した後、通気乾燥機、流動層
乾燥機、棚段式乾燥機、回転式乾燥機で加熱処理する。
乾燥機による加熱処理は、好ましくは熱風加熱する。油
脂コーティングに使用される食用油脂としては、植物油
脂及び動物油脂のいずれも使用できる。油脂によって
は、また、抗酸化剤を併用することで、油脂コーティン
グ澱粉の劣化を防止することができる。抗酸化剤として
は、通常食用油脂に使用されているものを使用すること
ができ、例えばα−、β−、γ−、δ−トコフェロー
ル、アスコルビン酸ステアレートなどを挙げることがで
きる。
ルチ種澱粉の混合澱粉の油脂コーティング澱粉は、次の
2点を特徴に持つ。まず、油脂コーティング澱粉本来の
性質、すなわち表面の濡れ性が変化しバッターとたと
き、フライ時にバッター液、種中の水分が澱粉表面に接
触しにくくなるため、水分はフライ中に効率よく蒸気と
なって出ていく。その結果、余分な水分が衣、種、また
その接触面に残らないために、種と衣がよく結着する。
また、衣にサクッとしたクリスピー感を与え、かつその
クリスピー感が長時間保たれると言う特徴を持つ。
割合は、作業性に問題なければ特に限定されない。しか
し、ハイアミロース澱粉の効果を十分発揮させるために
は、ハイアミロース澱粉が全体(混合澱粉)の10%以上
配合されている澱粉を油脂コーティングするのが好まし
い。ハイアミロース澱粉の配合比が高くなる程、衣にク
リスピー感がでるが、あまり多くなると衣が固くなり口
中で衣と種のバランスが悪くなる。また、ハイアミロー
ス澱粉の配合比が高くなり過ぎた場合にはコスト的にも
高くなり、メリットが少なくなる。したがってハイアミ
ロース澱粉の量としては、全体の5%〜85%、好ましく
は10%〜70%、すなわち、ハイアミロース澱粉とウルチ
種澱粉の配合比が、 5:95〜85:15、好ましくは10:90
〜70:30であるとより効果的である。
発明はこれらの例に限られるものではない。
ーンスターチ1Kg(水分12%)(配合比=8:2)にサ
フラワー油15g(対澱粉 0.3%)を添加し、高速かくは
ん混合機で5分混合し、流動層乾燥機にて 120℃、30分
加熱する。これにより得られた試作品に水を加えて40重
量%の澱粉スラリーとし、この澱粉スラリーの粘度をB
型粘度計にて測定したところ約1000CPS であった(これ
を本発明品1とする)。次に、比較例としてハイアミロ
ース澱粉を用いないで、コーンスターチのみで同様に油
脂コーティングした(これを比較品1とする)。また、
小麦粉 100重量部にハイアミロースコーンスターチを20
重量部加え、これに適当量の水を加えてB型粘度計にて
約1000CPS となるように調製し、これを比較品2(油脂
コーティングしないもの)とした。
1に示す割合で配合し実施例1と同様に油脂コーティン
グを行った。この場合、ハイアミロースコーンスターチ
のみのものの油脂コーティング品を比較品3とした。
ンカツを作成した。各油脂コーティング澱粉及び調製澱
粉のスラリー液をバッター液として、冷凍豚肉に付けて
パン粉付けし 170℃に加熱したサラダ油中にて3分フラ
イした。できたトンカツを比較した場合、本発明品1と
比較品1を用いたものは、豚肉と衣との結着が良好であ
った。これに対して比較品2を用いたものは、肉と衣の
結着が悪く、外観的に商品価値の低いものであった。食
感面においては、比較品1を用いたトンカツは時間の経
過によってクリスピー感が失われていくが、本発明品1
では油切れが良く、クリスピー感が維持された。比較品
2においては、クリスピー感はあるものの豚肉と衣の一
体感が得られなかった。このことは油脂コーティング澱
粉の使用により結着性は向上するが、クリスピーな食感
は得られない(比較品1)。また、ハイアミロース澱粉
の使用によりクリスピー感は得られるが、結着性におい
て劣っていた(比較品2)。したがって本発明品1を用
いた揚げ物の衣は、結着性及び食感の両方において優れ
たものであった。
1と同様にして魚フライを作成し、得られた魚フライに
ついて官能試験を行った。官能試験は10名(男性5
名、女性5名)のパネルによる一対比較法で行った。な
お、比較のために比較品1および3についても同様に試
験を行った。その結果を表−2に示す。
が多くなる程クリスピー感が得られ、さらに数時間経過
の後もそれが維持されているという結果が得られた。し
かし、ハイアミロース澱粉の割合があまり多くなると衣
が固くなり、適度なクリスピー感とは異なるものとな
る。
ハイアミロース澱粉とウルチ種澱粉の混合澱粉の油脂コ
ーティング品をバッターとし用いることにより、クリス
ピー食感を与え且つ長時間それが維持される揚げ物が得
られると言う優れた効果を奏する。
Claims (5)
- 【請求項1】 ハイアミロース澱粉とウルチ種澱粉の混
合澱粉に食用油脂を添加し、加熱処理して得られる油脂
コーティング澱粉を含む揚げ物用衣材。 - 【請求項2】 ハイアミロース澱粉とウルチ種澱粉の配
合比が5:95〜85:15、好ましくは10:90〜70:30であ
る請求項1記載の揚げ物用衣材。 - 【請求項3】 食用油脂の添加量が、処理すべき混合澱
粉に対して 0.005〜10%、好ましくは0.01〜 1.0%であ
る請求項1又は2記載の揚げ物用衣材。 - 【請求項4】 食用油脂が抗酸化剤を含むことを特徴と
する請求項1ないし3のいずれか1項記載の揚げ物用衣
材。 - 【請求項5】 加熱処理が60℃〜 150℃にて、10〜 120
分加熱することを特徴とする請求項1ないし4のいずれ
か1項記載の揚げ物用衣材。
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