JPH1198969A - 油脂コーティング穀粉 - Google Patents

油脂コーティング穀粉

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JPH1198969A
JPH1198969A JP9276603A JP27660397A JPH1198969A JP H1198969 A JPH1198969 A JP H1198969A JP 9276603 A JP9276603 A JP 9276603A JP 27660397 A JP27660397 A JP 27660397A JP H1198969 A JPH1198969 A JP H1198969A
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JP
Japan
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flour
oil
batter
fat
cereal flour
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JP9276603A
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English (en)
Inventor
Kazuhiko Hakamata
一彦 袴田
Yuka Maeda
由香 前田
Taku Nakamura
卓 中村
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Honen Corp
Original Assignee
Honen Corp
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 穀粉に食用油脂を添加し、加温熟成して
なる油脂コーティング穀粉。この際、食用油脂の添加量
は、処理する穀粉に対して0.005〜10重量%、加
温熟成処理は、40〜90℃で1〜14日間、穀粉の粒
度は、60メッシュ(JIS篩)が95%通過である。 【効果】 加水してバッターとして用い揚げ物を調理し
たとき、種と称される畜肉類、魚介類、野菜類の被揚げ
物と衣の結着がきわめて良好で、食感面でも優れている
揚げ物が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、加水してバッター
として用い、揚げ物を調理した際に種と称される畜肉
類、魚介類、野菜類、コロッケ等の被揚げ物と衣との結
着がきわめて良好で、食感面でも優れている揚げ物を製
造することができ、また、製麺、製パン等にも使用でき
る油脂コーティング穀粉に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、揚げ物の製造においては、グルテ
ンの少ない小麦粉を主体とし、食感を改善する目的で、
各種の蛋白質類、澱粉質類、乳化剤、卵および重曹など
を添加し、また、必要に応じて適当量の水を加えてバッ
ターとしている。しかし、小麦粉を主体とした従来のバ
ッターでは、加水した場合、いわゆるママ粉状の塊が発
生したりして、バッターとしての適当な粘度(40重量
%濃度でクリーム状になるような粘度)を得ることは難
しく、さらに、適当な粘度となった後も、経時的に固形
物が沈殿するような現象が発生し、バッターとして適当
でない状態となる欠点があった。
【0003】また、調理した場合には種と衣との決着性
が悪く、剥がれやすいことにより商品として見た目が悪
く、商品価値を著しく損なうなどの問題が生じていた。
一方、食感面においては、サクッとしたクリスピーな食
感が好まれ、このクリスピー感を経時的に保つことが商
業的には必須であるが、従来の小麦粉主体のバッター粉
では、べとつき等の欠点が生じ、十分なクリスピー感は
得られない。
【0004】これらの点を解決するために、従来より種
々の技術が提案されている。小麦粉主体のバッターとし
ては、例えば、α化もち米粉を用いてさっぱりとした食
感とし、かつ、バッター液の粘度を安定化する方法(特
公平4−49386号)、生損傷澱粉を用いてさっぱり
としたフライを作成する方法(特公平4−49387
号)、α化米粉とロースト小麦粉を用いてバッター液の
粘度安定性とカリッとした食感を得る方法(特公平4−
11858号)、澱粉に食用蛋白と食用油脂を混合し加
水して乾燥させた食品素材を、小麦粉に10〜70重量
部加えてバッターとし、種と衣の結着性と食感を改良す
る方法(特開平1−320962号)等が知られてい
る。
【0005】一方、ママ粉の原因となる小麦粉を用いな
い澱粉ベースのバッターとしては、40重量%濃度のス
ラリー粘度が200cps以上である油脂加工澱粉を用
いる方法(特公平5−21542号)、歩留りを向上さ
せるために油脂加工澱粉とα化澱粉、α化穀粉を添加す
る方法(特開昭62−143663号)、油脂加工澱粉
α化品を用いる方法(特開昭62−195259号)等
が知られている。
【0006】さらには、バッターミックスの溶解性や風
味、パンク耐性改善を目的として、穀粉に油脂30〜7
0%および糖類、乳化剤を加え、100〜200℃で焙
焼したバッター粉(特開平9−84541号)等があ
る。しかし、これらの技術によっても、それぞれ一長一
短があり、バッターとして必要な粘度を維持すること
と、種と衣との結着性を改善すること、さらに、食感に
おいてクリスピー感を維持させることのすべてを満足さ
せ得るものではなかった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、穀粉の表面
の性質を変え、加水しバッターとして調理した場合、種
と衣の結着性が良好で、しかも、揚げ物とした場合、ク
リスピーでソフトな食感があり、数時間してもこの食感
が維持される揚げ物用衣材を提供することを目的とす
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記の課題
を解決するために鋭意検討を重ねた結果、穀粉の油脂コ
ーティング品からなる揚げ物用バッターが、従来の揚げ
物用バッターと比べ、クリスピーでソフトな食感を維持
できることを知得し、本発明を完成するに至った。すな
わち、本発明は、穀粉に食用油脂を添加し、加温熟成し
てなることを特徴とする油脂コーティング穀粉である。
【0009】本発明における油脂コーティング穀粉と
は、穀粉粒子表面を油脂で被覆し、穀粉表面の物性を変
えたものである。本発明において穀粉としては、小麦
粉、大麦粉、とうもろこし粉、米粉などが使用できる。
小麦粉としては、薄力粉、中力粉、強力粉のいずれも用
いることができる。これら穀粉は、単独または2種以上
のものを組み合わせて用いることができる。
【0010】コーティングする穀粉粒度としては、60
メッシュ(JIS篩)通過が95%以上であるものが最
適で、これよりも粗い粒度のものでは、バッターとして
用いた場合、食感として不均一な衣となり好ましくな
い。油脂コーティングに使用される食用油脂としては、
あまに油、桐油、サフラワー油、かや油、くるみ油、け
し油、ひまわり油、綿実油、なたね油、大豆油、からし
油、カポック油、米糠油、ごま油、とうもろこし油、落
花生油、オリーブ油、つばき油、茶油、ひまし油、やし
油、パーム油などの植物油脂や、牛脂、魚油、鯨油、豚
油、羊油などの動物油脂が挙げられる。さらに、これら
の原料に、エステル交換したものや、硬化油、分別油を
用いることも可能である。
【0011】穀粉の油脂コーティング方法は、穀粉と油
脂を均一に混合した後、油脂と穀粉の結合を促進させる
ために加温熟成を行う。油脂コーティングの条件として
は、処理すべき穀粉に食用油脂を0.005〜10.0
重量%、好ましくは0.01〜1.0重量%添加し、均
一になるように混合した後、通気乾燥機、流動層乾燥
機、棚段式乾燥機、回転式乾燥機などで、40〜90℃
で1〜14日間加熱熟成する。
【0012】この際、使用する食用油脂の量が10.0
重量%を超えるにしたがって、粉体の流動性が悪くな
り、均一な処理が困難となるのみでなく、加熱処理時に
油分が分離してしまい、処理品が固結して加水時にダマ
が発生するなど、滑らかなバッターとならず、本発明が
意図する効果は得られない。また、食用油脂の量が0.
005重量%未満では、十分な効果を得ることができな
い。
【0013】加温処理に当たって、100℃以上の高温
で加熱、焙焼すると、穀粉粒の損傷によってスラリー性
状は滑らかにならないのであるが、90℃を超える温度
で加温した場合もその傾向があるので、加温熟成は90
℃以下で行うことが必要であり、40〜90℃の比較的
低温で加温熟成すると、穀粉中の澱粉質などを損傷させ
ることなく、油脂コーティング効果が得られる。40℃
未満の温度では熟成日数がかかり、生産性が悪く好まし
くない。
【0014】加温熟成する時間は、加温熟成に応じて、
1〜14日間の範囲で適宜に選定され、この範囲内で熟
成の目的が十分に達成される。油脂コーティングされた
穀粉は、穀粉表面の濡れ性などが変化し、加水してバッ
ターとしたとき滑らかなスラリーとなる。これは、単に
穀粉と油脂を混合しただけでは得られない性質で、加温
熟成によって起こる穀粉表面の改質である。
【0015】本発明の油脂コーティング穀粉が、バッタ
ーとして使用したときに優れた特性を発揮する理由は、
以下の2点にあると推定される。第一に、油脂コーティ
ング穀粉本来の性質、すなわち、表面の濡れ性などが変
化し加水したとき、滑らかで分散性の良好なバッター液
となる。第二に、フライ時にバッター液、種中の水分が
穀粉表面に接触しにくく保水力が弱まり、水分はフライ
中に効率よく蒸気となって出て行く。その結果、余分な
水分が衣、種、またはその接触面に残らないために、種
と衣がよく結着する。
【0016】その結果、衣にサクッとしたクリスピー感
を与えるとともに、ソフトな食感が得られ、かつ、その
結果が長時間保たれるという効果が発現するのである。
また、中種によっては油脂コーティング穀粉単独のみで
なく、必要に応じて、澱粉、乳化剤、食用油脂、増粘多
糖類、蛋白質などを組み合わせて、バッター粉として使
用することもできる。その場合も、油脂コーティング穀
粉の効果が減少することはない。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明を実施例により説明
するが、本発明は、これらの実施例に限定されるもので
はない。
【実施例1〜5】表1に示す条件で、所定の穀粉と食用
油脂を高速攪拌混合機で5分混合し、棚段式乾燥機で加
温熟成した後、室温まで冷却を行った。
【比較例1〜4】表1に示す条件で、所定の穀粉と食用
油脂を高速攪拌混合機で5分混合し、棚段式乾燥機で加
温熟成もしくは加熱処理した後、室温まで冷却を行っ
た。
【0018】
【表1】
【0019】
【使用例】実施例1〜5により得られた穀粉、および比
較例1〜4により得られた穀粉をバッターとして、冷凍
豚肉に付けてパン粉付けし、170℃に加熱したサラダ
油中で3分フライした。そのバッターの性状と豚カツに
ついて、種と衣の結着性、食感を調べた。その結果を表
2に示す。
【0020】
【表2】
【0021】以上の結果より、油脂量に応じて揚げ物に
おけるソフトな食感が増すという結果が得られた。ま
た、穀粉種によっては、外観における色合いや風味など
の差はあるものの、種と衣の結着性や食感には大きな差
はなく、いずれも油脂コーティングの効果が得られた。
一方、油脂量が20重量%以上で処理したり、高温で加
熱・焙焼処理した場合では、本発明の効果は得られてい
ない。
【0022】
【発明の効果】本発明による油脂コーティング穀粉によ
れば、バッターとして用いた場合、分散性が良好で滑ら
かなバッター液が調製でき、フライ食品の種と衣の結着
性が良好で、かつ、クリスピーでソフトな食感を与える
優れた揚げ物が得られる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 穀粉に食用油脂を添加し、加温熟成して
    なることを特徴とする油脂コーティング穀粉。
  2. 【請求項2】 食用油脂の添加量が処理する穀粉に対し
    て0.005〜10重量%であることを特徴とする請求
    項1記載の油脂コーティング穀粉。
  3. 【請求項3】 加温熟成が40〜90℃で1〜14日間
    行われるものであることを特徴とする請求項1または2
    記載の油脂コーティング穀粉。
  4. 【請求項4】 穀粉が60メッシュ(JIS篩)を95
    %通過の粒度のものであることを特徴とする請求項1な
    いし3のいずれかに記載の油脂コーティング穀粉。
JP9276603A 1997-09-25 1997-09-25 油脂コーティング穀粉 Pending JPH1198969A (ja)

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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004113236A (ja) * 2002-09-06 2004-04-15 Nippon Starch Chemical Co Ltd 揚げ物用衣材
JP2007527195A (ja) * 2003-12-12 2007-09-27 モリノ ディ ビジェバノ エッセ.ペー.アー. 穀粉の製造方法
KR100914001B1 (ko) 2009-03-26 2009-08-25 주식회사 유어초이스머천트 찰보리과자용 프리믹스 및 찰보리과자의 제조방법
JP2015133952A (ja) * 2013-12-20 2015-07-27 株式会社日清製粉グループ本社 穀粉組成物
JP2021058115A (ja) * 2019-10-03 2021-04-15 味の素株式会社 衣材の製造方法、竜田揚げの製造方法、および衣材

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