JPH11243891A - 揚げ物用衣材 - Google Patents
揚げ物用衣材Info
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- JPH11243891A JPH11243891A JP10064466A JP6446698A JPH11243891A JP H11243891 A JPH11243891 A JP H11243891A JP 10064466 A JP10064466 A JP 10064466A JP 6446698 A JP6446698 A JP 6446698A JP H11243891 A JPH11243891 A JP H11243891A
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Abstract
圧縮応力が20〜80g/cm2 、水分蒸散速度が0.
12〜0.18%/秒となる油脂コーティング澱粉を含
んでなる揚げ物用衣材である。地下澱粉を50%以上含
んだ原料澱粉に対して、食用油脂0.05〜5重量%、
好ましくは0.1〜0.5重量%を気流中にて均一分散
添加したのち加熱熟成処理したことを特徴とする。 【効果】 加水してバッターとして用いて揚げ物を調理
したとき、種と称される畜肉類、魚介類、野菜類の被揚
げ物と衣の結着がきわめて良好で、食感面でも優れてい
る揚げ物が得られる。
Description
げ、天ぷらなど揚げ物用衣材に関し、揚げ物を調理した
際に種と称される畜肉類、魚介類、野菜類コロッケ等の
被揚げ物と衣との結着がきわめて良好で、食感面でも優
れている揚げ物用衣材に関するものである。
の少ない小麦粉を主体とし、食感を改善する目的で、各
種の蛋白質類、澱粉質類、乳化剤、卵及び重曹等を添加
し、また必要に応じて適当量の水を加えてバッターとし
ている。しかし小麦粉を主体とした従来の衣材では、調
理した場合に、種と衣との結着性が悪く、剥がれやすい
ことにより、得られた揚げ物は商品として見た目が悪
く、商品価値を著しく損なう等の問題が生じていた。ま
た揚げ物は、食感面においてはサクッとしたクリスピー
な食感が好まれ、このクリスピー感を経時的に保つこと
が商業的には望まれているが、小麦粉主体のバッター粉
ではべとつき等の欠点が生じ、十分なクリスピー感が得
られなかった。
々の技術が提案されている。例えば、α化もち米粉を用
いてさっぱりとした食感とし、かつバッター液の粘度を
安定化する方法(特公平4−49386号)、生損傷澱
粉を用いてさっぱりとしたフライを作成する方法(特公
平4−49387号)、α化米粉とロースト小麦粉を用
いてバッター液の粘度安定性とカリッとした食感を得る
方法(特公平4−11858号)、澱粉に食用蛋白と食
用油脂を混合し加水して乾燥させた食品素材を小麦粉に
10〜70重量部加えてバッターとして、種と衣の結着
性と食感を改良する方法(特開平1−320962号)
等が知られている。
ターとしては、40重量%濃度のスラリー粘度が200
cps 以上である油脂加工澱粉を用いる方法(特公平5−
21542号)や、歩留まりを向上させるために油脂加
工澱粉とα化澱粉、α化穀粉を添加した方法(特開昭6
2−143663号)や、油脂加工澱粉α化品を用いた
方法(特開昭62−195259号)等が知られてい
る。
味、パンク耐性改善を目的として穀粉に油脂30〜70
%及び糖類、乳化剤を加えて100〜200℃で焙焼し
たバッター粉を用いる方法(特開平9−84541号)
などがある。
技術によってもそれぞれ一長一短があり、種物に特有の
結着性の問題を改善すること、食感においてソフトでク
リスピーな食感を与えることの両方を満足させ得るもの
ではなく、昨今において求められる多様化した食感に対
応することができなかった。一方、ハイアミロース澱粉
とウルチ種澱粉を混合した油脂コーティング澱粉を用い
る方法(特開平8−173073号)は、非常に有効で
あるが残念ながらややコストが高い等のデメリットがあ
った。
問題点を解決し打ち粉、バッター液として揚げ物調理し
た場合、種と衣の結着性が良好で、しかもソフトでクリ
スピーな食感を呈し、比較的安価で性能の優れた揚げ物
用衣材を提供することを目的とする。
解決するために鋭意検討を重ねた結果、衣材として所定
の特性を備えた油脂コーティング澱粉を用いることで種
と衣との結着性が良好で、ソフトでクリスピーな食感を
呈することを知得して本発明を完成するに至った。すな
わち本発明の揚げ物用衣材は、40重量%濃度に加水調
製した場合、スラリーとならず、半固形状のペースト状
態を呈し、その表面圧縮応力が20〜80g/cm2 で
あり、かつ170℃の油中での水分蒸散速度が0.12
〜0.18%/sec となる特性を有する油脂コーティン
グ澱粉を含むことを特徴とするものである。
は、単に機械的に微量の油脂を澱粉と混合した油脂加工
澱粉と異なり、澱粉を気流中にて均一分散させた状態
で、油脂をスプレー噴霧させることで、澱粉へせん断応
力を与えることなく表面に吸着させたのち加熱熟成させ
ることで澱粉表面を油脂で被覆コーティング加工させた
ものである。なお、原料澱粉に対する食用油脂の添加量
は、0.05〜5重量部、好ましくは0.1〜0.5重
量部である。
を得るためには、原料澱粉として、コーンスターチ、小
麦澱粉、タピオカ澱粉、馬鈴薯澱粉、甘薯澱粉などの澱
粉が使用できるが、そのうちタピオカ、馬鈴薯、甘薯、
緑豆などの地下澱粉を50%以上含むものが望ましく、
更には、これらの澱粉は架橋されていることが好まし
い。
分蒸散速度は以下の方法に従って測定される。 表面圧縮応力:40重量%濃度に加水調製した澱粉ペー
ストを円筒(直径3.5cm−高さ1.0cm)に入
れ、レオメーター(FUDOU RHEOMETER;不動工業(株)
製)で測定する。
調製した澱粉ペースト約40gをミニフライパン(直径
9.6cm)に採り、170℃の油脂中に投入した後、
所定時間(30秒、60秒、90秒、120秒)経過し
てから引き上げて、各々の油中処理後の澱粉ペーストの
水分量を測定し、単位時間当たりの水分変化率を求め、
それを水分蒸散速度(%/秒)とした。
結着性が良く、揚げた後にサクッとしたクリスピー感と
共にソフトな食感を与え得る機能である。本発明におけ
る油脂コーティング澱粉は、40重量%濃度に加水調製
した澱粉の表面圧縮応力が20〜80g/cm2 で、通
常バッターとして使用する1.5倍加水程度の加水量で
は半固形状態となる程に吸水性が高まっている。
グ澱粉をバッター粉に配合させることでクリスピーな食
感を呈すことができる。表面圧縮応力が20g/cm2
以下の油脂コーティング澱粉では吸水性が低すぎるため
にクリスピーな食感が得られず、80g/cm2 以上で
は吸水性が高すぎるためにバッターがうまく種に乗らず
不均一な衣量の揚げ物となってしまう等の欠点がある。
このように吸水性は高いものの、170〜180℃油中
においては、適度に油中水分蒸散速度が速く水抜けが良
好である。しかし油脂コーティング澱粉であっても水分
蒸散速度が速すぎたり(0.18%/秒以上)、遅すぎ
たりする場合(0.12%/秒以下)は、硬い衣食感を
与えたり、逆にヌメリ食感が感じられる結果となる。
〜0.18%/秒)を有する油脂コーティング澱粉をバ
ッターとして用いることで、種物及びバッター液中の余
分な水分が衣と種の間に残らないために種と衣の結着性
が向上する。したがって、高吸水性を持ちかつ適度な水
分蒸散速度を有する油脂コーティング澱粉を揚げ物用衣
材として用いることで、種と衣の結着が良好でかつソフ
トでクリスピーな食感の揚げ物を得ることができる。
れる食用油脂としては、あまに油、桐油、サフラワー
油、かや油、くるみ油、けし油、ひまわり油、綿実油、
なたね油、大豆油、からし油、カポック油、米糠油、ご
ま油、とうもろこし油、落花生油、オリーブ油、つばき
油、茶油、ひまし油、やし油、パーム油などの植物油脂
や、牛脂、魚油、鯨油、豚油、羊油などの動物油脂が挙
げられる。さらに、これらの原料をエステル交換したも
のや、硬化油、分別油を用いることも可能である。
げ物用衣材として、から揚げ、天ぷら、豚カツ、メンチ
カツ、クリームコロッケ、フリッターなどで打ち粉やま
ぶし粉、バッター液として使用でき、さらに中種によっ
ては所定の油脂コーティング澱粉単独のみならず必要に
応じて、通常揚げ物食品の衣材に使用されている材料を
用いることができる。具体的には、小麦粉、コーンフラ
ワー、米粉、α化穀粉などの穀粉、前述の地下澱粉以外
の澱粉、タマリンド種子ガム、キサンタンガム、グァー
ガム、カラギーナンなどの天然ガム、ベーキングパウダ
ー、重炭酸ソーダなどの膨張剤、大豆蛋白、卵白、卵
黄、カゼインなどの蛋白質、澱粉分解物、還元澱粉分解
物などのデキストリン、大豆油、マーガリンなどの油脂
類、レシチン、シュガーエステルなどの乳化剤、βカロ
チン、エンチイエローなどの色素、みりん、醤油、グル
タミン酸ソーダ、核酸系の調味料などが挙げられ、これ
らは必要に応じて適宜用いることができる。その場合も
本発明の油脂コーティング澱粉の効果が減少することは
ない。
するが、本発明はこれらの例に限られるものではない。
す条件で澱粉を流動層乾燥装置を用いて常温下にて均一
分散させた状態で食用油脂をスプレー噴霧し5分混合し
た後、ビニール袋内に詰めて恒温室内で60℃で7日
間、加熱熟成して油脂コーティング澱粉を得た(試料No
1〜6)。これら油脂コーティング澱粉と市販の天ぷら
用小麦粉(試料No7)のそれぞれについて表面圧縮応力
と水分蒸散速度を測定した結果を表1に記載した。
原料澱粉とNo7の小麦粉にそれぞれ2倍量の水を添加、
混合してバッター液を調製した。このバッター液を冷凍
豚肉に均一に付けた後、パン粉付けし180℃に加熱し
たサラダ油中にて4分フライして豚カツを作成した。得
られた豚カツについて種と衣の結着性、食感を調べた。
い豚カツ10点を作成し、フライ後10分経過後にカッ
トしてそれぞれの断面の結着程度を5段階に分けてその
総合点で評価した。 5:全面が結着している。 4:約1/6が剥がれている。 3:約1/3が剥がれている。 2:約1/2が剥がれている。 1:1/2以上剥がれている。
る試食評価で行い、5段階評価の総合点でつけた。 5:ソフトでクリスピー。 4:ややソフトでクリスピー。 3:かわらない。 2:やや柔らかいまたはやや硬い。 1:柔らかいまたは硬い。
点の合計点で判断した。 ○○○:96点以上 ○○ :90〜95点 ○ :80〜89点 △ :60〜79点 × :40〜59点 ×× :39点以下 その結果を表2に示す。
分蒸散速度を有する油脂コーティング澱粉をバッターと
して用いることにより、フライ食品の種と衣の結着性が
良好でかつクリスピーでソフトな食感を与えるという優
れた揚げ物が得られる。
Claims (3)
- 【請求項1】 40重量%濃度に加水・調製した際の澱
粉の表面圧縮応力が20〜80g/cm2 であり、かつ
170℃の油中での水分蒸散速度が、0.12〜0.1
8%/秒となる油脂コーティング澱粉を含有することを
特徴とする揚げ物用衣材。 - 【請求項2】 油脂コーティング澱粉原料として地下澱
粉を用いることを特徴とする請求項1に記載の揚げ物用
衣材。 - 【請求項3】 地下澱粉が架橋されたものである請求項
1又は2記載の揚げ物用衣材。
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