JP7423968B2 - 衣材の製造方法、竜田揚げの製造方法、および衣材 - Google Patents

衣材の製造方法、竜田揚げの製造方法、および衣材 Download PDF

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Description

本発明は、衣材の製造方法、竜田揚げの製造方法、および衣材に関する。
竜田揚げは唐揚げとは異なる独特の外観に特徴があり、特に、白さがある粉吹き感を有していることに特徴がある。竜田揚げは一般的に、味付け処理を施した具材の表面に、片栗粉(馬鈴薯澱粉)を含む粉をまぶした後、油ちょうすることにより製造される。
工業的に竜田揚げを製造する方法として、衣材を付着させた具材を蒸し、凍結処理する方法がある。この方法で製造された製品は、喫食前に油ちょうして、喫食に供される。しかしながら、この方法は、蒸し加熱による衣の食感の悪化(サクサク感の低下、歯切れの悪化、油っぽさの増加)、および竜田揚げ特有の粉吹き感が充分に得られないという課題があった。
また、油で揚げることなく、竜田揚げ様食品を製造する方法として、澱粉と、米粉を20~60重量%含む打粉10重量部に対し、油脂を1~2重量部配合した衣材を付着させた具材を一次蒸しし、該一次蒸しした具材を焼き、次いで二次蒸しすることを特徴とする方法が知られている(特許文献1)。しかしながら、この方法は、衣材を具材に付着させた後、一次蒸し、焼き、二次蒸しの3つの加熱工程が必要であり、加熱工程が煩雑である。
一方、電子レンジなどで再加熱した場合でも、衣がサクサクと軽い食感を有する揚げ物を製造可能な衣材の製造方法として、澱粉と融点40℃以上の高融点油脂と蛋白素材とを含有し、該高融点油脂の含有量が0.1質量%以上、該蛋白素材の含有量が0.1~10質量%である混合物を調製し、該混合物100質量部に水5~35質量部を添加後、該混合物を該混合物の品温が80~210℃となる条件で熱処理する工程を有する、澱粉組成物の製造方法が知られている(特許文献2)。
特開2014-23463号公報 特開2018-171050号公報
本発明の目的は、竜田揚げ特有の白い粉吹き感のある外観を有し、かつ衣のサクサク感および歯切れに優れ、油っぽさの少ない食感を有する、高品質の竜田揚げを工業的に生産しうる手段を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するべく種々検討した結果、米粉と油脂の混合物を加熱することにより衣材を製造し、この衣材を使用することによって、衣の食感の向上(サクサク感および歯切れの向上、油っぽさの改善)に加えて、外観(粉吹き感)の改善効果があることを見出した。
これらの知見に基づき、本発明者らは、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は以下の通りである。
[1] 米粉と油脂の混合物を加熱することを含む、衣材の製造方法。
[2] 米粉がうるち種米粉である[1]に記載の製造方法。
[3] 米粉と油脂の混合割合が米粉1重量部に対して油脂0.1~0.5重量部である[1]または[2]に記載の製造方法。
[4] 加熱前の混合物中の米粉の割合が70~90重量%である[1]~[3]のいずれか1項に記載の製造方法。
[5] 加熱工程における加熱歩留まりが90~98%である[1]~[4]のいずれか1項に記載の製造方法。
[6] 加熱が乾式加熱、マイクロ波加熱または湿式加熱である[1]~[5]のいずれか1項に記載の製造方法。
[7] [1]~[6]のいずれか1項に記載の製造方法で製造した衣材を付着させた具材を加熱することを含む、竜田揚げの製造方法。
[8] 衣材を付着させた具材の加熱が蒸し加熱である[7]に記載の製造方法。
[9] 米粉と油脂の混合物を加熱した焙炒米粉を含む衣材。
[10] 米粉がうるち種米粉である[9]に記載の衣材。
[11] 米粉と油脂の混合割合が米粉1重量部に対して油脂0.1~0.5重量部である[9]または[10]に記載の衣材。
[12] 加熱前の混合物中の米粉の割合が70~90重量%である[9]~[11]のいずれか1項に記載の衣材。
[13] 加熱工程における加熱歩留まりが90~98%である[9]~[12]のいずれか1項に記載の衣材。
[14] 加熱が乾式加熱、マイクロ波加熱または湿式加熱である[9]~[13]のいずれか1項に記載の衣材。
[15] [9]~[14]のいずれか1項に記載の衣材を付着させた具材を加熱することを含む、竜田揚げの製造方法。
[16] 衣材を付着させた具材の加熱が蒸し加熱である[15]に記載の製造方法。
本発明によれば、竜田揚げ特有の白い粉吹き感のある外観を有し、かつ衣のサクサク感および歯切れに優れ、油っぽさの少ない食感を有する、高品質な竜田揚げを製造できる、衣材およびその製造方法を提供することができる。
さらに、本発明によれば、外観および食感に優れる竜田揚げを製造できる、竜田揚げの製造方法を提供することができる。
本発明の衣材の製造方法は、米粉と油脂の混合物を加熱することを含む。
衣材とは、揚げ物用衣材を意味する。好ましくは、竜田揚げ用の衣材である。
米粉は、米を粉にしたものを意味し、米から澱粉のみを精製した米澱粉とは区別される。米粉は、α化していないものが好ましく、うるち種米粉またはもち種米粉のいずれでもよい。うるち種米粉としては、薄力米粉、上新粉、上用粉などが挙げられる。もち種米粉としては、白玉粉、ぎゅうひ粉、餅粉などが挙げられる。外観(粉吹き感)および食感(サクサク感および歯切れがよく、油っぽさが少ない)に優れた竜田揚げが得られる点で、うるち種米粉を使用することが好ましい。
油脂は食用油脂であればよく、例えば、キャノーラ油、大豆油、パーム油、オリーブ油、ごま油、サフラワー油、トウモロコシ油、ヤシ油、米油、落花生油、ヒマワリ油などの植物油脂;牛脂、豚脂、鶏脂、羊脂、魚油、鯨油などの動物油脂などが挙げられる。これらのなかで、常温で液体である油脂が好ましい。また、外観(粉吹き感)および食感(サクサク感および歯切れがよく、油っぽさが少ない)に優れた竜田揚げが得られる点で、植物油脂が好ましく、特にキャノーラ油、大豆油、パーム油、オリーブ油、ごま油が好ましい。
米粉と油脂の混合割合は、粉状の混合物が得られ、外観(粉吹き感)および食感(サクサク感および歯切れがよく、油っぽさが少ない)に優れた竜田揚げが得られる点で、米粉1重量部に対して油脂0.1~0.5重量部が好ましく、0.2~0.5重量部がより好ましく、0.25~0.45重量部がさらに好ましい。
加熱前の混合物中の米粉の割合は、粉状の混合物が得られ、外観(粉吹き感)および食感(サクサク感および歯切れがよく、油っぽさが少ない)に優れた竜田揚げが得られる点で、70~90重量%が好ましく、70~80重量%がさらに好ましい。
衣材は、米粉と油脂を必須の成分として、これらを混合して、加熱することにより製造する。混合の順序は問わないが、例えば、米粉に油脂を添加しながら撹拌し、さらに撹拌することにより、米粉と油脂の混合物を得る。撹拌装置は通常のミキサーを使用することができる。得られた混合物を篩に通してから、加熱処理を行ってもよい。
本発明において、加熱前の食品原料重量に対する加熱後の食品原料重量の比を加熱歩留まりという。
加熱歩留まり(%)=100×加熱後の食品原料重量(g)/加熱前の食品原料重量(g)
米粉と油脂の混合物の加熱工程における加熱歩留まりは、外観(粉吹き感)および食感(サクサク感および歯切れがよく、油っぽさが少ない)に優れた竜田揚げが得られる点で、90~98%が好ましく、90~93%がさらに好ましい。
米粉と油脂の混合物の加熱は、乾式加熱、マイクロ波加熱、湿式加熱等により行うことができる。乾式加熱は、焼き(オーブン、スチームオーブンなど)、炒め(IH・ガス火によるフライパン調理など)などによる加熱方法を、湿式加熱は蒸しによる加熱方法を指す。これらのなかで、外観(粉吹き感)および食感(サクサク感および歯切れがよく、油っぽさが少ない)に優れた竜田揚げが得られる点で、乾式加熱またはマイクロ波加熱が好ましい。加熱温度は、例えば、オーブンの場合は、150~270℃が好ましく、スチームオーブンの場合は、150~230℃が好ましく、蒸しの場合は90~100℃が好ましい。所望の加熱歩留まりになるまで加熱を行う。
本発明の衣材は、米粉と油脂の混合物を加熱した焙炒米粉を必須成分とし、本発明の目的を損なわない範囲で、衣材に通常使用される添加剤、澱粉類等を更に含んでもよい。添加剤としては、例えば、調味料(例、食塩、粉末醤油、糖類、粉末味噌、アミノ酸等)、香辛料、香料、着色料、増粘剤、膨張剤、甘味料、酸味料、pH調整剤、動物性及び植物性由来タンパク質(例、小麦粉、全卵粉、卵黄粉、卵白粉、乳由来タンパク質、大豆由来タンパク質等)、栄養成分(例、ビタミン等)等が挙げられる。澱粉類としては、馬鈴薯澱粉、コーン澱粉、ワキシーコーン澱粉、ハイアミロース澱粉、米澱粉、小麦澱粉、タピオカ澱粉等が挙げられる。澱粉類の含有量は、衣材中に70重量%以下が好ましく、50重量%以下がさらに好ましく、30重量%以下が特に好ましい。
得られた衣材を付着させた具材を加熱することにより、竜田揚げを製造する。
具材は特に限定されず、一般的には肉類(鶏肉、豚肉等)、魚介類(サバ、アジ、イワシ、ブリ、タラ、カツオ、サケ、マグロ、サンマ、コイ、その他の白身魚、赤身魚、クジラ、イカ、タコ、貝類等)、野菜類等が用いられる。
具材はまず調味液に浸漬して下味をつける。調味液は、通常のものでよく、醤油とみりんを合わせたものの外、醤油に砂糖や水あめを加えたものなどを用いることができる。さらに、必要によりしょうがなどを加えることができる。浸漬時間は、通常20分~2時間程度でよい。
調味液で下味をつけた具材に、本発明の衣材を付着させる。衣材の付着方法はトレイなどの容器に衣材を敷き、具材を載せたのち、衣材を具材全体にまぶし付着させる方法、または袋に衣材と具材を入れて、まぶす方法等が挙げられる。設備を用いる場合、パン粉付け機、パウダリングマシン等を使用することができる。衣材の付着量は、竜田揚げの通常の量でよく、一般に具材100重量部に対して7~40重量部である。
衣材を付着させた具材を加熱する。加熱は蒸し加熱、乾式加熱等で行うことができる。加熱歩留まりが良好な点で、蒸し加熱で行うことが好ましい。蒸し加熱の時間と温度は、具材の種類、大きさ等によって異なるが、具材の中心温度が70℃以上になるように設定すればよく、通常90~100℃で2~15分程度である。本発明においては、製造工程において油で揚げることなく竜田揚げを製造してもよい。
こうして製造された竜田揚げは、包装して市場に供給される。供給形態は、冷凍食品、チルド食品等が挙げられるが、品質保持のため、冷凍食品であることが好ましい。また本発明の方法で製造された竜田揚げは、喫食前に、油ちょうしてもよく、スチームコンベクションオーブン、オーブン、電子レンジで加熱してもよい。
例えば、油ちょうする場合には170~180℃の油で2~4分揚げることができる。スチームコンベクションオーブン加熱する場合には、目安は、温度250℃、湿度90%の場合で、12~14分が好ましい。オーブン加熱する場合は、目安は温度270℃で、3~5分が好ましい。
以下に本発明を実施例に従って説明する。なお、本発明は実施例に限定されるものではない。
<試験1>
1.衣材の製造
1)表1に記載の穀物粉78.7重量%と油脂21.3重量%を用いて、油脂を穀物粉に均一に分散させるように混合した。混合手順は次の通り。
秤量した穀物粉(常温)に45秒かけて油脂を入れながら撹拌し、その後、撹拌速度を上げて30秒撹拌した。ゴムベラで底をかきとった後、さらに30秒撹拌した。
2)撹拌後、穀物粉と油脂の混合物を取り出し、メッシュサイズ2mmの篩を通した。
3)篩を通した混合物をフライパンに移し、所定の加熱歩留まり(92%)になるまで、焦げが発生しないように絶えず撹拌・煽りながら加熱した。加熱はPanasonic社製IHヒーター(K2-PH31)を用いて、目盛り5(中火)で行った。
4)所定の加熱歩留まり(92%)に到達したら、バットに移し替え、常温になるまで放冷した。
2.竜田揚げの製造
1)鶏モモ肉を24~28gの大きさにカットした。
2)カットした肉に前記1で製造した衣材を付着させた。
3)衣材を付着させた肉を98℃で8分間蒸した。
4)蒸した食品を急速凍結した。
3.官能評価方法
凍結品を大豆油で175℃、3分間油ちょうして竜田揚げを製造した。得られた竜田揚げの外観(粉吹き感)および食感(サクサク感、歯切れ、油っぽさ)をパネル3名で評価した。官能評価は、比較例1を0点とし、-3~+3点の間で、0.5点刻みで点数付けを行い、平均値をとった。平均値の小数点第二位以下を四捨五入した。
評価基準は、比較例1を0点として、以下の通りである。
粉吹き感
-3:とても弱い
-2:やや弱い
-1:わずかに弱い
0:変わらない
+1:わずかに強い
+2:やや強い
+3:とても強い
サクサク感
-3:とても弱い
-2:やや弱い
-1:わずかに弱い
0:変わらない
+1:わずかに強い
+2:やや強い
+3:とても強い
歯切れ
-3:とても弱い
-2:やや弱い
-1:わずかに弱い
0:変わらない
+1:わずかに強い
+2:やや強い
+3:とても強い
油っぽさ
-3:とても弱い(油っぽさなく良い)
-2:やや弱い
-1:わずかに弱い
0:変わらない
+1:わずかに強い
+2:やや強い
+3:とても強い(べたつく)
結果を表1に示す。
うるち種米粉:商品名「薄力米粉R」、株式会社波里
穀物粉として米粉を使用し、穀物粉と油脂の混合物を加熱することにより製造した本発明の衣材(実施例1)は、外観の粉吹き感と食感(サクサク感、歯切れ、油っぽさ)の改善を両立することが可能であった。
一方、穀物粉として米粉を使用するが、加熱工程のない比較例2の衣材は、全ての項目で本発明の衣材(実施例1)より評価が低かった。穀物粉として小麦粉、各種澱粉、コーンフラワーを使用した比較例3~10の衣材の中で、比較例1と比較して全ての項目で評価が上回るものはなかった。したがって、米粉以外の穀物粉を使用する衣材、および加熱工程のない衣材の中で、外観の粉吹き感と食感の改善を両立できるものはなかった。このことから、外観と食感の両方を改善するためには、米粉と油脂の混合物を加熱する工程が必須であることがわかる。
<試験2>
米粉の種類による効果
表2に記載の穀物粉78.7重量%と油脂21.3重量%を用いて、試験1と同様の方法で衣材および竜田揚げを製造し、官能評価を行った。結果を表2に示す。
使用した米粉の詳細は、以下の通り。
うるち種米粉:商品名「薄力米粉R」、株式会社波里
うるち種米粉:商品名「パウダーライスD」、新潟製粉株式会社
うるち種米粉:商品名「上用粉」、株式会社エプロン
うるち種米粉:商品名「上新粉」、株式会社エプロン
もち種米粉:商品名「白玉粉」、株式会社エプロン
米粉と油脂の混合物を加熱する工程により、外観(粉吹き感)と食感(サクサク感、歯切れ、油っぽさ)の改善を両立することが可能であった。特に、うるち種米粉を使用したときに、外観と食感の改善効果が高い傾向にあった。
<試験3>
加工澱粉との効果の比較
表3に記載の加工澱粉78.7重量%と油脂21.3重量%を用いて、試験1と同様の方法で衣材および竜田揚げを製造し、官能評価を行った。結果を表3に示す。
使用した加工澱粉の詳細は、以下の通り。
リン酸架橋澱粉(馬鈴薯由来):商品名「ねりこみNo.9」、松谷化学工業株式会社
ヒドロキシプロピル化リン酸架橋澱粉(馬鈴薯由来):商品名「ファリネックスVA70X」、松谷化学工業株式会社
酸化澱粉(馬鈴薯由来):商品名「スタビローズK」、松谷化学工業株式会社
リン酸架橋・アルファ化澱粉(馬鈴薯由来):商品名「パセリP」、松谷化学工業株式会社
リン酸架橋澱粉(うるち種米由来):商品名「アドバンススノウP」、上越スターチ株式会社
湿熱処理澱粉(もち種米由来):商品名「モチールHM」、上越スターチ株式会社
酢酸澱粉(うるち種米由来):商品名「かんざんG」、上越スターチ株式会社
馬鈴薯由来、米由来の加工澱粉を用いた場合、外観(粉吹き感)と食感(サクサク感、歯切れ、油っぽさ)の全ての項目で改善効果を有する衣材は得られなかった。
<試験4>
使用する油脂の種類・配合量による効果を比較した。
表4に記載の配合を用いて、試験1と同様の方法により衣材および竜田揚げを製造し、官能評価を行った。結果を表5に示す。
キャノーラ油以外の油脂を使用した場合(実施例6~9)も、外観(粉吹き感)と食感(サクサク感、歯切れ、油っぽさ)の全ての項目で改善効果が得られた。
加熱前の混合物中の米粉と油脂の割合を変化させた場合(実施例6~11)にも、外観(粉吹き感)と食感(サクサク感、歯切れ、油っぽさ)の全ての項目で改善効果が得られ、特に実施例6~9、11で高い効果が得られた。
<試験5>
米粉と油脂の混合物の加熱方法の違いによる効果を比較した。
うるち種米粉(商品名「薄力米粉R」、株式会社波里)78.7重量%とキャノーラ油21.3重量%を用いて、米粉と油脂の混合物の加熱方法以外は試験1と同様の方法により、衣材および竜田揚げを製造し、官能評価を行った。加熱工程は、表6に記載のとおり実施した。結果を表7に示す。
フライパンで焙炒する加熱方法以外に、スチームオーブン、オーブンまたは電子レンジで加熱する方法によっても、外観(粉吹き感)と食感(サクサク感、歯切れ、油っぽさ)の全ての項目で改善効果が得られた。
<試験6>
米粉と油脂の混合物の加熱条件の違いによる効果を比較した。
うるち種米粉(商品名「薄力米粉R」、株式会社波里)78.7重量%とキャノーラ油21.3重量%を用いて、加熱工程以外は試験1と同様の方法により、衣材および竜田揚げを製造し、官能評価を行った。加熱工程は、表8に記載のとおり実施した。結果を表9に示す。
加熱工程における加熱歩留まりを90~92%程度にすることにより、外観(粉吹き感)と食感(サクサク感、歯切れ、油っぽさ)の両方でより高い改善効果が得られた。
<試験7>
表10に記載の配合を用いて、試験1と同様の方法により衣材および竜田揚げを製造し、官能評価を行った(表10中の配合比は重量比を示す)。
ただし、試験区1および2では、竜田揚げ製造時の加熱工程を以下のとおり実施した。衣材を付着させた具材を、90℃で2分一次蒸しした後、オーブンで、200℃で1分40秒焼いた後、180℃で1分40秒焼き、次いで二次蒸しを98℃で4分30秒行った。
試験区2および3は、衣材の配合を米粉100重量部に対して油脂15重量部とした試験区である。
結果を表11に示す。
試験区1
衣材の配合(米粉78.7重量部、油脂21.3重量部)を用いて、加熱処理ありで衣材を製造し、蒸し→焼き→蒸しの加熱条件で竜田揚げを製造した。外観(粉吹き感)、食感(サクサク感、歯切れ、油っぽさ)は実施例1と同等の効果が得られた。
試験区2
衣材の配合(米粉100重量部、油脂15重量部)を用いて、加熱処理ありで衣材を製造し、蒸し→焼き→蒸しの加熱条件で竜田揚げを製造した。粉吹き感、歯切れ、油っぽさは実施例1と同程度であった。
試験区3
衣材の配合(米粉100重量部、油脂15重量部)を用いて、加熱処理ありで衣材を製造し、蒸し工程で竜田揚げを製造した。粉吹き感、歯切れは実施例1よりやや劣るが改善され、サクサク感、油っぽさは実施例1と同等レベルであり、本発明の効果が確認された。
以上の結果から、竜田揚げ製造時の加熱条件を変えた場合も、衣材中の米粉と油脂の配合比を変化させた場合も、外観(粉吹き感)と食感(サクサク感、歯切れ、油っぽさ)の全ての項目で改善効果が得られることが確認された。
本発明によれば、竜田揚げ特有の白い粉吹き感のある外観を有し、かつ衣のサクサク感および歯切れに優れ、油っぽさの少ない食感を有する、高品質な竜田揚げを製造できる、衣材およびその製造方法を提供することができる。
さらに、本発明によれば、外観および食感に優れる竜田揚げを製造できる、竜田揚げの製造方法を提供することができる。

Claims (16)

  1. 米粉と油脂の混合物を、水を加えることなく、乾式加熱またはマイクロ波加熱により加熱することを含む、竜田揚げ用の衣材の製造方法であって、米粉と油脂の混合割合が米粉1重量部に対して油脂0.1~0.5重量部である、製造方法
  2. 米粉がうるち種米粉である請求項1に記載の製造方法。
  3. 米粉と油脂の混合割合が米粉1重量部に対して油脂0.~0.5重量部である請求項1または2に記載の製造方法。
  4. 加熱前の混合物中の米粉の割合が70~90重量%である請求項1~3のいずれか1項に記載の製造方法。
  5. 加熱工程における加熱歩留まりが90~98%である請求項1~4のいずれか1項に記載の製造方法。
  6. 加熱が乾式加熱である請求項1~5のいずれか1項に記載の製造方法。
  7. 請求項1~6のいずれか1項に記載の製造方法で製造した衣材を付着させた具材を加熱することを含む、竜田揚げの製造方法。
  8. 衣材を付着させた具材の加熱が蒸し加熱である請求項7に記載の製造方法。
  9. 米粉と油脂の混合物を、水を加えることなく、乾式加熱またはマイクロ波加熱により加熱した焙炒米粉を含む、竜田揚げ用の衣材であって、米粉と油脂の混合割合が米粉1重量部に対して油脂0.1~0.5重量部である、衣材
  10. 米粉がうるち種米粉である請求項9に記載の衣材。
  11. 米粉と油脂の混合割合が米粉1重量部に対して油脂0.~0.5重量部である請求項9または10に記載の衣材。
  12. 加熱前の混合物中の米粉の割合が70~90重量%である請求項9~11のいずれか1項に記載の衣材。
  13. 加熱工程における加熱歩留まりが90~98%である請求項9~12のいずれか1項に記載の衣材。
  14. 加熱が乾式加熱である請求項9~13のいずれか1項に記載の衣材。
  15. 請求項9~14のいずれか1項に記載の衣材を付着させた具材を加熱することを含む、竜田揚げの製造方法。
  16. 衣材を付着させた具材の加熱が蒸し加熱である請求項15に記載の製造方法。
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