JP2008136445A - 揚げ物用バッター - Google Patents

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Abstract

【課題】油ちょう後の揚げ物を長期間保温器等に保存しても、揚げたてのクリスピーな食感を維持し、しかも食味の良い揚げ物の製造を可能にする揚げ物用バッターを提供すること。
【解決手段】バッター固形成分100重量部に対して、固形成分としてDE5〜45のデキストリンを50〜90重量部の割合で含有するように構成した揚げ物用バッターにより、油ちょう後の揚げ物を長期間保温器等に保存しても、揚げたてのクリスピーな食感を維持し、衣の歯切れが良く、口溶けの良好な揚げ物の製造を可能にし、しかも食味の良い揚げ物の製造を可能にする揚げ物用バッターを提供する。本発明の揚げ物用バッターに用いるデキストリンとしては、難消化性デキストリン及び/又はその還元物を特に好ましいデキストリンとして用いることができる。
【選択図】なし

Description

本発明は、揚げ物に、揚げたてのクリスピーな食感を持続させる揚げ物用のバッターに関し、更に詳しくは油ちょう後、保温器で保存しても揚げたてのクリスピーな食感を持続して保持するフライ衣の製造を可能にするバッターに関する。
フライ、カツレツ、コロッケ、フライドチキンなどの揚げ物は、具材(中種)の表面をパン粉やクラッカー粉やブレッダーミックス粉などの乾燥した粉で層にしてから揚げて製造される食品である。家庭においては、これらの揚げ物は小麦粉などをまぶし、卵を溶いた液にひたしてから、パン粉・クラッカー粉・ブレッダーミックス粉を押し付けるようにまぶして油ちょうする方法で作られているが、大量生産にはむかないことから、産業的には、具材(中種)をバッターに浸漬し、パン粉・クラッカー粉・ブレッダーミックス粉などをまぶしてから油ちょうする方法で製造される。
近年、フライ食品は多種多様な製品が現れ、具材や衣の種類だけにとどまらず、流通形態、販売形態も変化してきている。コンビニエンスストアーやスーパー、ファーストフード店に見られるように注文後すぐに食することができるように、フライ後ホットストッカーなどの保温器に保存するケースも増えている。また、一方で健康志向から新しい機能を付与するために食物繊維入りなどが求められている。
しかし、このようにフライ食品の多種多様な製品の開発と、流通形態、販売形態の変化に呼応して、消費者に常に揚げたての食感を有する揚げ物を提供するという課題も提起されてくる。例えば、上記のように最近の販売形態では、フライ後ホットストッカーなどの保温器に保存するケースが増えている。しかし、保温器での保存温度は50〜70℃に設定されることが多く、3〜4時間保存すると衣のクリスピー感が失われ、歯切れ感が少なくなったり、悪くなったり、硬くなり口溶け感が悪くなったりして、揚げたてのクリスピーな食感を維持できなくなる。したがって、揚げ物の製造、販売に際して、予め販売に供する十分な量の揚げ物を準備しておくことが難しくなる。
従来より揚げ物に、揚げたてのサクサク、カリカリした食感、すなわち、クリスピー感を持たせるために、種々のバッターの改善が行なわれてきている。例えば、バッター用油脂組成物を用いて、食感の改善を行なうものとしては、食用ワックスを用いるもの(特開平7−241178号公報)、粒状、フレーク状とした油脂含有物を用いるもの(特開平9−206015号公報)、水酸基価が150以下の親油性ポリグリセリン脂肪酸エステルを用いるもの(特開2001−45999号公報)、HLBが10以上のポリグリセリン脂肪酸エステルを用いるもの(特開2002−58437号公報)、ショ糖脂肪酸エステル又はポリグリセリン脂肪酸エステル等の油脂組成物を用いるもの(特開2002−112722号公報)、有機酸モノグリセリド及びプロピレングリコール脂肪酸エステルを用いるもの(特開2002−291434号公報)などが開示されている。
更に、タンパク質類や、デンプン類、多糖類等を用いるものとしては、例えば、卵白から得られたタンパク質を用いるもの(特開平5−168430号公報)、コーンフラワー、デンプンを用いるもの(特開平10−4925号公報)、小麦タンパクを用いるもの(特開平10−42815号公報)、水溶性ヘミセルロースのような水溶性多糖類を用いるもの(特開平11−169117号公報)、焼成強力粉、乾燥グルテン、ツェイン等を用いるもの(特開2001−61428号公報)、α化ハイアミロースデンプンのようなハイアミロースデンプンを用いるもの(特開2001−309758号公報;特開2002−207号公報)、α化米粉を用いるもの(特開2001−275598号公報)、脱脂豆乳粉末を用いるもの(特開2002−65194号公報)、α化デンプン、ゼラチン、グアーガム及びキサンタンガムのようなガム類を用いるもの(特開2002−142701号公報)、オクテニルコハク酸デンプン、α化架橋デンプン等を用いるもの(特開2005−81号公報)などが開示されている。
また、従来より揚げ物の食感の改善のためのバッターとして、デキストリンを用いた改善も提案されている。例えば、揚げ種と衣の間にぬめり感のない優れた食感を有するフライ食品を得ることを目的とし、バッターミックス中に蛋白物質20〜50重量%および/またはデキストリン1〜40重量%を含有するバッターミックスが(特開2002−84999号公報)、油ちょう後に常温で保存しても油ちょう直後の好ましい食感を維持することを目的とし、化工澱粉20〜60重量部、デキストリン5〜40重量部および植物性たん白7〜45重量部で構成されるフライ食品用衣材が(特開平9−206016公報)、油切れがよく、油ちょう直後の衣の食感が良好で、この食感の経時的変化が少ないことを目的とし、デキストリンと有機酸モノグリセリド及びショ糖脂肪酸エステルとアルカリ剤とを含むことを特徴とするバッターミックス粉が(特開2004−57041公報)、オーブンで焼いたり、または電子レンジで加熱するのに適したバッターを得ることを目的とし、天然小麦澱粉、デキストリン、米粉を用いることを特徴とするバッター(特表2004−516023公報)などが開示されている。
更に、油ちょう後保存して、マイクロ波調理等の二次調理を施した際に、クリスピーな食感の油ちょう食品を得るためのシクロデキストリンを含むバッター等が開示されている(特開2005−34083号公報)。しかし、これらデキストリンを用いたものは、いずれも保温器で長時間保存することを目的としていないし、特開2002−84999号公報に開示のものでは、デキストリンの使用量1〜40重量%、特開平9−206016号公報に開示のものでデキストリンの使用量5〜40重量%、特開2004−57041号公報に開示のものでもデキストリンの使用量は1〜15質量%、特表2004−57041号公報に開示のものでは10〜35重量%とあり、これらの範囲でデキストリンを用いた揚げ物を保温器で長時間保存すると逆に衣の歯切れ感が悪くなり、曳きを生じたり、乾燥し硬くなってしまうという問題がある。
以上のように、従来より揚げ物に、揚げたてのサクサク、カリカリした食感、すなわち、クリスピー感を持たせるために、種々のバッターの改善が行なわれているが、上記のように最近の販売形態として行なわれている、フライ後ホットストッカーなどの保温器に保存するような場合においても、揚げたてのクリスピーな食感を維持でき、しかも、揚げ物の良好な食味を付与するバッターは開示されていない。
特開平5−168430号公報。 特開平7−241178号公報。 特開平9−206015号公報。 特開平9−206016公報。 特開平10−4925号公報。 特開平10−42815号公報。 特開平11−169117号公報 特開2001−45999号公報。 特開2001−61428号公報。 特開2001−309758号公報。 特開2001−275598号公報。 特開2002−207号公報。 特開2002−58437号公報。 特開2002−65194号公報。 特開2002−84999号公報。 特開2002−112722号公報。 特開2002−142701号公報。 特開2002−291434号公報。 特開2004−57041公報。 特表2004−516023公報。 特開2005−81号公報。 特開2005−34083号公報。
本発明の課題は、油ちょう後の揚げ物を長期間保温器等に保存しても、揚げたてのクリスピーな食感を維持し、衣の歯切れが良く、口溶けの良好な揚げ物の製造を可能にし、しかも食味の良い揚げ物の製造を可能にする揚げ物用バッターを提供することにある。
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意研究する中で、揚げ物用バッターにおいて、特定のDE値(Dextrose Equivalent)のデキストリンを、揚げ物用バッター固形成分のうち、特定の割合で含有するように配合することにより、油ちょう後の揚げ物を長期間保温器等に保存するような状態においても、揚げたてのクリスピーな食感を維持し、衣の歯切れが良く、口溶けの良好な揚げ物の製造を可能にし、しかも食味の良い揚げ物を提供することが可能であることを見い出し、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は、バッター固形成分100重量部に対して、固形成分としてDE5〜45のデキストリンを50〜90重量部の割合で含有するように構成した揚げ物用バッターからなる。
本発明は、特に好ましい態様として、固形成分としてDE10〜40デキストリンを、60〜80重量部の割合で含有するように構成した揚げ物用バッターを包含する。本発明の揚げ物用バッターに用いるデキストリンとしては、難消化性デキストリン及び/又はその還元物を特に好ましいデキストリンとして挙げることができる。
すなわち具体的には本発明は、(1)バッター固形成分100重量部に対して、固形成分としてDE5〜45のデキストリンを50〜90重量部の割合で含有するように構成したことを特徴とする揚げ物用バッターや、(2)固形成分としてDE10〜40のデキストリンを、60〜80重量部の割合で含有するように構成したことを特徴とする上記(1)記載の揚げ物用バッターや、(3)デキストリンが、難消化性デキストリン及び/又はその還元物である上記(1)又は(2)に記載の揚げ物用バッターからなる。
本発明の揚げ物用バッターにより、油ちょう後の揚げ物を長期間保温器等に保存しても、揚げたてのクリスピーな食感を維持し、衣の歯切れが良く、口溶けの良好な揚げ物を製造することが可能となり、しかも食味の良い揚げ物の提供を可能とする。したがって、本発明は、コンビニエンスストアーやスーパー、ファーストフード店に見られるように注文後すぐに食することができるように、フライ後ホットストッカーなどの保温器に保存するような、近年の流通形態、販売形態に対応できる揚げ物を提供し、消費者に常に揚げたての食感を有する揚げ物を提供することを可能とする。
本発明は、バッター固形成分100重量部に対して、固形成分としてDE5〜45のデキストリンを50〜90重量部の割合で含有するように構成した揚げ物用バッター、好ましくは、固形成分としてDE10〜40のデキストリンを、60〜80重量部の割合で含有するように構成した揚げ物用バッター、更には、該デキストリンとして、難消化性デキストリン及び/又はその還元物を用いた揚げ物用バッターからなる。すなわち、本発明は、固形成分として50〜90重量部のDE5〜45のデキストリンとデキストリン以外の固形成分50〜10重量部から構成される揚げ物用バッター、好ましくはDE10〜40のデキストリンを60〜80重量部を、更に好ましくは難消化性デキストリン及び/又はその還元物を60〜80重量部を配合した揚げ物用バッターからなる。
本発明でいう揚げ物とは、具材(中種)をバッターに浸漬し、まぶし粉などをつけて油ちょうする揚げ物を意味し、具体的にはフライ、カツレツ、コロッケ、フライドチキンなどが例示される。具材(中種)としては、エビ、カニ、イカ、貝類、アジ、キス、タイなどの魚介類、鶏肉、豚肉、牛肉などの畜肉類、イモ類、カボチャ、ナス、ピーマン、レンコン、ニンジン、タマネギ、ゴボウなどの野菜類、シイタケなどのキノコ類が利用できる。これらを適度な大きさに裁断する、或いは必要に応じて前処理、例えば魚介類や畜肉類についてはすりつぶし、イモ類については茹でなどの処理後にすりつぶし、必要に応じて野菜類などと組み合わせて小判型、俵型など適当に成形したものなどが利用できる。またまぶし粉としてはパン粉、クラッカー粉、ブレッダーミックス粉、馬鈴薯澱粉など通常使用されているものが用いられる。
本発明で用いるデキストリンは、澱粉を何らかの方法で分解して低分子化にしたもので、その分解の程度が概ねDE5−45程度、好ましくはDE10−40に分解したものを指称する。分解の方法としては一般的に行われている方法を用いることができる。具体的には、(1)澱粉の水懸濁液に澱粉分解酵素(例えば、α−アミラーゼ、β−アミラーゼ、イソメラーゼ、プルラナーゼ、オリゴ糖生成アミラーゼなど)又は酸(例えば、塩酸や蓚酸)を加えて加熱し、澱粉を糊化しながら分解し、更に所定の分解度になるまでそれぞれの最適作用温度で加熱し、或いは酵素又は酸を追加して所定の分解度になるまで加熱してデキストリン化した後、必要に応じて脱色、脱イオンなどの精製をし、濃縮して液状の製品として、又は噴霧乾燥やドラム乾燥して粉体状の製品として得る方法、(2)粉末状の澱粉に希釈した塩酸を微量(例えば、塩酸として0.03−0.15重量%程度)添加し、120−180℃程度で所定のDEになるまで(0.3−1.5時間程度)焙焼する方法、(3)上述の微量の塩酸を添加した澱粉をエクストルーダーで加圧加熱して所定のDEに分解する方法などにより得られる。
また、本発明で用いる難消化性デキストリンは、上記の(2)に順じて製造した焙焼デキストリン、或いは(3)に従って得たデキストリンにアミラーゼを作用させ、精製して得られるもの、或いはこれから難消化性の成分を分画してその濃度を高めたものを指称することができる。
これらのデキストリンを製造する原料澱粉としては特に限定はなく、市販の澱粉、例えば馬鈴薯澱粉、コーンスターチ、小麦澱粉、タピオカ澱粉、ワキシーコーンスターチなどの他、これらのアセチル化澱粉やヒドロキシプロピル澱粉を用いることができる。なお、デキストリンについて述べるDE(Dextrose Equivalent)とは、デキストリンの固形分に対する還元糖(グルコースとして)の割合(質量%)で表す。本発明におけるデキストリンには、それぞれのデキストリンに水素添加した、いわゆる還元デキストリンを包含し、その場合水素添加する前のDEが上述の範囲にあることを要する。
本発明で用いるデキストリン以外の固形成分とは、バッター中の水と油脂およびペースト状の乳化剤以外の成分のことで、一般的に乾燥した時に固体化する炭水化物、蛋白質、調味料などの成分で、所望により揚げ物用のバッターに用いられる成分を称し、具体的には、小麦粉、米粉、コーンフラワー、ハイメイズフラワーなどの穀粉、コーンスターチ、ハイアミローズコーンスターチ、小麦澱粉、米澱粉、馬鈴薯澱粉、タピオカ澱粉などの澱粉類および澱粉類を酸化、架橋、エーテル化、エステル化、α化、湿熱処理、油脂加工などを1種又は2種以上の組合せにて処理をした加工澱粉、本発明で用いるデキストリンのDEの範囲以外の水あめ、砂糖、果糖、ブドウ糖などの糖類、野菜や穀物から分離精製した食物繊維や、レジスタントスターチ、セルロースなどの不溶性の食物繊維類、大豆蛋白、小麦蛋白、乳蛋白、卵などの蛋白、膨張剤、増粘多糖類、粉末の乳化剤などの製剤、各種調味料などが例示できる。なお粉末油脂などの複合材に関してはその成分を分けて考えることとする。すなわち、油脂70%、デキストリン25.0%、カゼインナトリウム4.0%粉末状乳化剤1.0%、から構成される粉末油脂の場合は、30%重量分を固形成分として考える。
また、本発明のバッターは上記固形成分の他、水および、菜種油、パーム、米油、牛脂、豚脂、バター、マーガリンなどの動植物由来の油脂、ペースト状の乳化剤などの製剤などを併用して使用することができる。
本発明は、油ちょう後の揚げ物を長期間保温器で保存しても、クリスピー感があり、衣の歯切れが良く、硬くならず口溶けの良好な揚げ物の製造を可能にするバッターである。かかるバッターとするために、本発明においては、バッター中の固形成分を100重量部としたときにDE5〜45、好ましくはDE10〜40のデキストリンを50〜90重量部、好ましくは60〜80重量部配合する。
かかるDEより小さい場合は、保温器に長時間保存後の衣の曳きが強くなり歯切れの悪い食感となり、大きい場合にはフライ時に衣が崩れやすくなる。また、かかる配合量より少ない場合は、得られる効果が少なく、保温器に長時間保存後の衣の歯切れが悪くなったり、硬くなったり、口どけも悪くなり、多すぎる場合には、フライ時に衣が崩れやすくなったり、保温器に長時間保存後に衣にねちゃつき感が生じる。
更に、本発明の揚げ物用バッターにおいては、デキストリンとして、難消化性デキストリンを使用することで、より好ましい食感の衣を得られるとともに、食物繊維を多く摂取できるフライ食品を製造することができるようになる。さらに難消化性デキストリン以外の固形成分に不溶性の食物繊維を使用することで、より食物繊維量を増やすこともできる。
本発明における揚げ物の製造は、上記のバッターに必要なら食塩などの調味料を添加し、野菜、肉類、魚介類、野菜、イモ類などをベースとし、裁断、加熱、成形などの前処理をした具材(中種)を浸漬して、バッターを付着させた具材(中種)にパン粉、クラッカー粉、馬鈴薯澱粉などのまぶし粉をまぶし、予め160〜200℃に調整しておいた油脂でフライする。フライする時間は具材(中種)の種類によって適宜変更する。油ちょうの終了した揚げ物は、ヒートランプ、赤外線ランプなどの保温器により50〜70℃で2〜4時間、保管する。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明の技術的範囲はこれらの例示に限定されるものではない。以下に参考例、実施例をあげて本発明を更に詳細に説明するが、参考例、実施例で「部」及び「%」とあるのはそれぞれ「重量部」及び「重量%」を表す。
(サンプル1〜7の調製)
タピオカ澱粉を水に分散し、これにα−アミラーゼを加え、加熱して糊化して加水分解し、精製後噴霧乾燥して粉末状にした表1のサンプル1〜4の4種類のデキストリンを得た。なお、α−アミラーゼの添加量と反応時間により分解の程度を変えた。また、コーンスターチを水に分散し、これに蓚酸を加え、加熱して糊化して加水分解し、pHを調整後、精製、噴霧乾燥し粉末状にして表1のサンプル5〜7の3種類のデキストリンを得た。なお、反応時間により分解の程度を変えた。
(実施例1〜6及び比較例1〜3のバッター、及び該バッターを用いたコロッケの調製)
表1で得たデキストリンのサンプル2〜6及び難消化性デキストリン(松谷化学工業社製「ファイバーソル2」)を加工澱粉(松谷化学工業社製「フードスターチNE−1」)、粉末全卵(キューピー社製「粉末全卵No.1」)、キサンタンガム(ADM社製「ノヴァザン80通常品」)と表2の割合で混合したバッターミックス粉に水とサラダ油(日清オイリオ製「日清サラダ油」)を加えて、実施例1〜6のバッターを作った。また同様に小麦粉と粉末全卵で比較例1のバッターを、表1で得たサンプル1及び7のデキストリンを用いて比較例2、3のバッターを作った。あらかじめ皮をむき蒸したジャガイモをつぶし、調味料で味付けし、1個当りの重量が35gで小判状に成形加工したコロッケの中種を作っておき、これを上記実施例1〜6及び比較例1〜3それぞれのバッターに浸漬し、ひきあげ、パン粉をつけ、180℃に調整しておいたサラダ油中で3分間フライしてコロッケとした。
(評価)
得られたコロッケをヒートランプで70℃に保たれたホットストッカーに入れ、4時間後に取り出し、下記の基準で評価した食感を表2に併記した。なお、この実施例及び比較例において、小麦粉は:日清製粉製 「バイオレット」を;粉末全卵は:キューピー社製 「粉末全卵No.1」を;キサンタンガムは:ADM社製 「ノヴァザン80通常品」を;加工澱粉は:松谷化学工業社製 「フードスターチNE‐1」を;サラダ油は:日清オイリオ製 「日清サラダ油」を使用した。
表2における食感は、以下の基準によって、表記した:
<クリスピー感>
◎ クリスピー感が強い
○ クリスピー感がある
△ クリスピー感がやや弱い
× べたついてクリスピー感がない
<歯切れ感>
◎ サクサ感があり、歯切れ感が良い(曳きがまったくない)
○ 歯切れ感がある(曳きが殆どない)
△ 歯切れ感が悪い(曳きが強い)
× 歯切れ感が非常に悪い(曳きが非常に強い)
<ソフト感>
◎非常にソフト
◎ソフト
△やや硬い
×非常に硬い
<口溶け>
◎軽くて口溶けが良い
○やや軽くて口溶けが良い
△やや重くて口溶けが悪い
×重くて口溶けが非常に悪い
(フライドチキンの調製)
表1に示すサンプル5を用いて表3の割合のバッターを作り、フライドチキンを製造した。すなわち1切れ70gの鶏もも肉に表3のバッターにくぐらせクラッカー粉をつけた後、180℃で5分間フライした。得られたフライドチキンを70℃に加温された保温器に4時間保存後、取り出して評価した。なお、実施例9については油脂分70%、デキストリン25%、デキストリン以外の固形分5%から構成される粉末油脂を使用しているため、バッターの固形成分中のデキストリン割合は72.8%になる。評価結果は表3に併記した。なお比較例5はフライ時に衣がパンクし官能検査できなかった。この実施例及び比較例において、粉末油脂は油脂含量70%、DE10のデキストリン25%、カゼインナトリウム4%、粉末乳化剤1%のものを使用した。
(豚カツの調製)
1切れ当たり40gの豚ヒレ肉に、表4のバッターでパン粉の2度づけを行い、衣率が約40%になるように豚カツを作った。すなわち1度目は加水量を対粉350%の薄いバッターにつけた後、微粉パン粉をまぶし、2度目は加水量を対粉230%の濃いバッターにつけ、約3メッシュの生パン粉をつけた。衣率はパン粉をつけた重量に対するついたバッターとパン粉の合計重量の割合である。これらを180℃で3分間フライ後の食物繊維量が豚カツの衣に含まれる割合とヒートランプで4時間保温後の食感の官能検査結果を表4に併記した。なお、この実施例及び比較例において、セルロースは:日本製紙ケミカル製「セルロースパウダー KCフロック」を;レジスタントスターチは:ナショナルスターチ社製「NOVELOSE 260」を;大豆蛋白は:ADM社製「アーコンS」を使用した。

Claims (3)

  1. バッター固形成分100重量部に対して、固形成分としてDE5〜45のデキストリンを50〜90重量部の割合で含有するように構成したことを特徴とする揚げ物用バッター。
  2. 固形成分としてDE10〜40のデキストリンを、60〜80重量部の割合で含有するように構成したことを特徴とする請求項1記載の揚げ物用バッター。
  3. デキストリンが、難消化性デキストリン及び/又はその還元物である請求項1又は2に記載の揚げ物用バッター。
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