JP2022055369A - ブレッダー粉 - Google Patents

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Abstract

【課題】ノンフライ食品に用いる場合においても、油ちょう感、クリスピー感および歯もろさを好ましいものとするとともに油っぽさを抑制することができる衣材を提供する。【解決手段】成分(A)条件(i):澱粉含量が75質量%以上、条件(ii):アミロース含量5質量%以上である澱粉の低分子化澱粉を3質量%以上45質量%以下含み、低分子化澱粉のピーク分子量が3×103以上5×104以下、および条件(iii):25℃における冷水膨潤度が5以上20以下を満たす造粒物;成分(D):コーングリッツおよびコーンフラワーを含む混合物を押出膨化および粉砕してなる造粒物を含む、ブレッダー粉である。【選択図】なし

Description

本発明は、ブレッダー粉に関する。
澱粉を用いて揚げ物の衣材の食感等を改良しようとする技術として、特許文献1および2に記載のものがある。
特許文献1(特開2011-254785号公報)には、サク味に優れ、歯切れがよく、油っぽさが少ない衣を形成することを目的として、揚げ物用衣材が、小麦粉、特定の酸化澱粉、特定の膨潤抑制澱粉を特定の配合比で含むようにすることが記載されており、また、酸化澱粉がアセチル化酸化澱粉であってよいことおよび膨潤抑制澱粉がリン酸架橋澱粉であってよいことが記載されている。
また、特許文献2(特開2003-70437号公報)には、衣用組成物に、馬鈴薯澱粉及びタピオカ澱粉を合計量で35~60質量%、HLBが10以上であるショ糖脂肪酸エステルを0.1~1.0質量%含有させることにより、油ちょう直後の衣の食感が良好で、油ちょう後の時間が経過しても衣の食感及び外観が良好に維持される衣用組成物を提供することができると記載されている。また、同文献には、タピオカ澱粉として、アセチル化タピオカ澱粉、架橋タピオカ澱粉、酸化タピオカ澱粉から選ばれた2種以上を用いた例では、各タピオカ澱粉を単独で用いた例に比べてより衣の食感及び外観が良好であると記載されている。
一方、近年の健康志向の高まりなどから、揚げ物に比べて低脂肪、低カロリーである食品として、油ちょう工程を経ずに得られるノンフライ食品も求められている。
特開2011-254785号公報 特開2003-70437号公報
この点、上記特許文献1および2に記載の衣材について本発明者らが検討したところ、ノンフライ食品に用いる場合においても、油ちょう感、クリスピー感および歯もろさを好ましいものとするとともに油っぽさを抑制するという点で改善の余地があることが明らかになった。
本発明によれば、以下のブレッダー粉、食品の製造方法、および、食品の油ちょう感または歯もろさを向上する方法が提供される。
[1] 以下の成分(A)および(D)を含む、ブレッダー粉。
(A)以下の条件(i)~(iii)を満たす造粒物:
(i)澱粉含量が75質量%以上、
(ii)アミロース含量5質量%以上である澱粉の低分子化澱粉を3質量%以上45質量%以下含み、前記低分子化澱粉のピーク分子量が3×103以上5×104以下、および
(iii)25℃における冷水膨潤度が5以上20以下
(D)コーングリッツおよびコーンフラワーを含む混合物を押出膨化および粉砕してなる造粒物
[2] 前記成分(A)が、以下の条件(iv)かつ(v)をさらに満たす、[1]に記載のブレッダー粉。
(iv)目開き0.5mmの篩の篩下かつ目開き0.075mmの篩の篩上の含有量が、前記成分(A)全体に対して50質量%以上85質量%以下
(v)目開き0.5mmの篩の篩上の含有量が、成分(A)全体に対して30質量%以下
[3] 当該ブレッダー粉中の前記成分(A)の含有量が、ブレッダー粉全体に対して10質量%以上85質量%以下である、[1]または[2]に記載のブレッダー粉。
[4] 当該ブレッダー粉中の前記成分(D)の含有量が、当該ブレッダー粉全体に対して8質量%以上80質量%以下である、[1]乃至[3]いずれか1項に記載のブレッダー粉。
[5] 当該ブレッダー粉中の前記成分(D)の含有量が、前記成分(A)100質量部に対して10質量部以上300質量部以下である、[1]乃至[4]いずれか1項に記載のブレッダー粉。
[6] 前記成分(D)中の前記コーングリッツと前記コーンフラワーの含有量の合計に対する前記コーングリッツの含有量が、70質量%以上99質量%以下である、[1]乃至[5]いずれか1項に記載のブレッダー粉。
[7] 前記成分(D)において、目開き0.5mmの篩の篩下かつ目開き0.075mmの篩の篩上の含有量が、前記成分(D)全体に対して50質量%以上75質量%以下、かつ目開き0.5mmの篩の篩上の含有量が、前記成分(D)全体に対して5質量%以下である、[1]乃至[6]いずれか1項に記載のブレッダー粉。
[8] 以下の成分(C)をさらに含む、[1]乃至[7]いずれか1項に記載のブレッダー粉。
(C)アセチル化酸化澱粉
[9] 当該ブレッダー粉中の前記成分(C)の含有量が、ブレッダー粉全体に対して2質量%以上30質量%以下である、[8]に記載のブレッダー粉。
[10] ノンフライ食品用である、[1]乃至[9]のいずれか1項に記載のブレッダー粉。
[11] バッター液を中具の外側に付着する工程と、
バッター液を中具の外側に付着する前記工程の後、[1]乃至[10]いずれか1項に記載のブレッダー粉を前記中具の外側に付着する工程と、
ブレッダー粉を中具の外側に付着する前記工程の後、前記中具の外側に液油を付着する工程と、
中具の外側に液油を付着する前記工程の後、前記中具を加熱する工程と、を含む、食品の製造方法。
[12] 前記中具を加熱する工程が、過熱水蒸気加熱する工程である、[11]に記載の製造方法。
[13] 前記食品が、ノンフライ食品である、[11]または[12]に記載の製造方法。
[14] 食品を製造するに際し、中具の外側に、バッター液、[1]乃至[10]いずれか1項に記載のブレッダー粉、および、液油をこの順に付着させ、その後、前記中具を加熱することを含む、前記食品の油ちょう感または歯もろさを向上させる方法。
[15] 前記中具を加熱することが、過熱水蒸気加熱である、[14]に記載の製造方法。
[16] 前記食品が、ノンフライ食品である、[14]または[15]に記載の方法。
[17] バッター液を中具の外側に付着する工程と、
バッター液を中具の外側に付着する前記工程の後、[1]乃至[10]いずれか1項に記載のブレッダー粉を前記中具の外側に付着する工程と、
ブレッダー粉を中具の外側に付着する前記工程の後、前記中具を油ちょうする工程と、
を含む食品の製造方法。
[18] 食品を製造するに際し、中具の外側にバッター液、[1]乃至[10]ずれか1項に記載のブレッダー粉をこの順に付着させ、その後前記中具を油ちょうすることを含む、前記食品の歯もろさを向上させる方法。
以上説明したように本発明によれば、ノンフライ食品に用いる場合においても、油ちょう感、クリスピー感および歯もろさを好ましいものとするとともに油っぽさを抑制することができる衣材を提供することができる。
以下、本発明の実施形態について、各成分の具体例を挙げて説明する。なお、各成分はいずれも単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、以下の実施形態において、油ちょう感とは、衣に粉っぽさがなく、フライ調理したような食感のことをいい、一方、油っぽさとは油が口にまとわりつく不快な感じのことをいう。
以下の実施形態において、クリスピー感とは、歯切れがよく、カリカリとして軽い食感のことをいう。
また、以下の実施形態において、歯もろさとは、硬すぎず、サクサクとして口の中で崩れやすい食感のことをいう。
(ブレッダー粉)
本実施形態において、ブレッダー粉は、以下の成分(A)および(D)を含む。
(A)以下の条件(i)~(iii)を満たす造粒物:
(i)澱粉含量が75質量%以上、
(ii)アミロース含量5質量%以上である澱粉の低分子化澱粉を3質量%以上45質量%以下含み、低分子化澱粉のピーク分子量が3×103以上5×104以下、および
(iii)25℃における冷水膨潤度が5以上20以下
(D)コーングリッツおよびコーンフラワーを含む混合物を押出膨化および粉砕してなる造粒物
(成分(A))
成分(A)は、澱粉を主成分としてなる造粒物であって、上述した条件(i)~(iii)を満たす。成分(A)は、その原料成分を造粒してなるものであればよく、たとえば造粒したままの大きさのものであってもよいし、造粒後、粉砕等により所定の大きさに調整されたものであってもよい。成分(A)の大きさの具体例については後述する。
条件(i)について、成分(A)は、ブレッダー粉が適用される食品において、衣の油っぽさを抑制し、油ちょう感、クリスピー感および歯もろさを好ましいものとする観点から、澱粉を75質量%以上含み、好ましくは80質量%以上、さらに好ましくは85質量%以上含む。
また、成分(A)中の澱粉含量の上限に制限はなく、100質量%以下であるが、ブレッダー粉が適用される食品の性状等に応じて99.5質量%以下、99質量%以下等としてもよい。
条件(ii)に関し、成分(A)は、上記澱粉として、アミロース含量5質量%以上の澱粉を原料とする低分子化澱粉を特定の割合で含み、低分子化澱粉として特定の大きさのものが用いられる。すなわち、成分(A)中の澱粉が、アミロース含量5質量%以上の澱粉を原料とする低分子化澱粉を成分(A)中に3質量%以上45質量%以下含み、低分子化澱粉のピーク分子量が3×103以上5×104以下である。
低分子化澱粉のピーク分子量は、バッターが適用される食品の、衣の油っぽさを抑制し、油ちょう感、クリスピー感および歯もろさを好ましいものとする観点から、3×103以上であり、好ましくは8×103以上である。また、同じ観点から、低分子化澱粉のピーク分子量は、5×104以下であり、好ましくは3×104以下であり、さらに好ましくは1.5×104以下である。なお、低分子化澱粉のピーク分子量の測定方法については、実施例の項に記載する。
低分子化澱粉は、その製造安定性に優れる観点から、好ましくは、酸処理澱粉、酸化処理澱粉および酵素処理澱粉からなる群から選択される1種または2種以上であり、より好ましくは酸処理澱粉である。
酸処理澱粉を得る際の酸処理の条件は問わないが、たとえば、以下のように処理することができる。
まず、低分子化澱粉の原料であるアミロース含量5質量%以上の澱粉と水を反応装置に投入する。あるいは水に無機酸をあらかじめ溶解させた酸水と原料の澱粉を反応装置に投入する。酸処理をより安定的におこなう観点からは、反応中の澱粉の全量が水相内に均質に分散した状態、またはスラリー化した状態にあることが望ましい。そのためには、酸処理をおこなう上での澱粉スラリーの濃度を、たとえば10質量%以上50質量%以下、好ましくは20質量%以上40質量%以下の範囲になるように調整する。スラリー濃度が高すぎると、スラリー粘度が上昇し、均一なスラリーの攪拌が難しくなる場合がある。
酸処理に用いられる酸として、具体的には塩酸、硫酸、硝酸などの無機酸が挙げられ、種類、純度などを問わず利用できる。
酸処理反応条件については、たとえば酸処理時の無機酸濃度は、酸処理澱粉を安定的に得る観点から、0.05規定度(N)以上7N以下が好ましく、0.1N以上7N以下がより好ましく、0.5N以上6N以下がさらに好ましい。また、同様の観点から、反応温度は、30℃以上70℃以下が好ましく、35℃以上70℃以下がより好ましく、35℃以上65℃以下がさらに好ましい。反応時間は、同様の観点から、0.5時間以上120時間以下が好ましく、1時間以上72時間以下がより好ましく、1時間以上48時間以下がさらに好ましい。
成分(A)中の低分子化澱粉の含有量は、衣の油っぽさを抑制し、油ちょう感、クリスピー感および歯もろさを好ましいものとする観点から、3質量%以上であり、好ましくは8質量%以上、さらに好ましくは13質量%以上である。
また、同様の観点から、成分(A)中の低分子化澱粉の含有量は、45質量%以下であり、好ましくは35質量%以下、さらに好ましくは25質量%以下である。
また、低分子化澱粉の原料澱粉中のアミロース含量は、衣の油っぽさを抑制し、油ちょう感、クリスピー感および歯もろさを好ましいものとする観点から、5質量%以上であり、好ましくは12質量%以上、さらに好ましくは22質量%以上、さらにより好ましくは40質量%以上、よりいっそう好ましくは45質量%以上、さらにまた好ましくは55質量%以上である。なお、低分子化澱粉の原料澱粉中のアミロース含量の上限に制限はなく、100質量%以下であり、好ましくは90質量%以下である。
低分子化澱粉の原料であるアミロース含量5質量%以上の澱粉として、ハイアミロースコーンスターチ、コーンスターチ、タピオカ澱粉、甘藷澱粉、馬鈴薯澱粉、小麦澱粉、ハイアミロース小麦澱粉、米澱粉、および、これらの原料を化学的、物理的または酵素的に加工した加工澱粉からなる群から選択される1種または2種以上を用いることができる。アミロース含量5質量%以上の澱粉は、好ましくはハイアミロースコーンスターチ、コーンスターチ、および、タピオカ澱粉から選択される1種または2種以上であり、より好ましくはハイアミロースコーンスターチである。ハイアミロースコーンスターチのアミロース含量については、たとえば40質量%以上のものが入手可能である。アミロース含量5質量%以上の澱粉は、より好ましくはアミロース含量が40質量%以上のコーンスターチである。
また、成分(A)は、冷水膨潤度について条件(iii)を満たす。すなわち、成分(A)の25℃における冷水膨潤度は、衣の油っぽさを抑制し、油ちょう感、クリスピー感および歯もろさを好ましいものとする観点から、5以上であり、好ましくは6以上であり、さらに好ましくは6.5以上である。
また、同じ観点から、成分(A)の25℃における冷水膨潤度は20以下であり、好ましくは17以下、さらに好ましくは15以下である。
ここで、成分(A)の冷水膨潤度の測定方法については、実施例の項に記載する。
成分(A)の大きさについては、成分(A)が以下の条件(iv)および(v)の少なくとも1つをさらに満たすことが好ましく、両方を満たすことがより好ましい。
(iv)目開き0.5mmの篩の篩下かつ目開き0.075mmの篩の篩上の含有量が、成分(A)全体に対して50質量%以上85質量%以下
(v)目開き0.5mmの篩の篩上の含有量が、成分(A)全体に対して30質量%以下
まず、条件(iv)については、成分(A)において、目開き0.5mmの篩の篩下かつ目開き0.075mmの篩の篩上の含有量の下限は、衣の油っぽさを抑制し、油ちょう感、クリスピー感および歯もろさを好ましいものとする観点から、成分(A)全体に対して好ましくは50質量%以上であり、より好ましくは60質量%以上、さらに好ましくは65質量%以上であり、また、上限は、100質量%以下であってよく、たとえば98質量%以下、またたとえば95質量%以下であってもよく、好ましくは85質量%以下である。
さらに、条件(v)については、同じ観点から、目開き0.5mmの篩の篩上の含有量は、成分(A)全体に対して好ましくは30質量%以下であり、より好ましくは28質量%以下、さらに好ましくは25質量%以下である。また、目開き0.5mmの篩の篩上の含有量は、成分(A)全体に対して0質量%以上であり、たとえば1質量%以上であってもよい。
本実施形態において、成分(A)は、上記低分子化澱粉以外の澱粉を含む。成分(A)中の低分子化澱粉以外の澱粉成分としては、様々な澱粉を使用することができる。具体的には、用途に応じて一般に市販されている澱粉、たとえば食品用の澱粉であれば、種類を問わないが、コーンスターチ、馬鈴薯澱粉、タピオカ澱粉、小麦澱粉などの澱粉;およびこれらの澱粉を化学的、物理的または酵素的に加工した加工澱粉などから、1種以上を適宜選ぶことができる。成分(A)は、好ましくは、コーンスターチ、小麦澱粉、馬鈴薯澱粉、タピオカ澱粉およびこれらの架橋澱粉からなる群から選択される1種または2種以上の澱粉を含有するのがよい。
また、成分(A)は、澱粉以外の成分を含んでもよい。澱粉以外の成分の具体例としては、色素や炭酸カルシウム、硫酸カルシウムなどの不溶性塩が挙げられる。
成分(A)は、不溶性塩を配合することが好ましく、不溶性塩の配合量は、0.1質量%以上2質量%以下であることがより好ましい。
次に、成分(A)の製造方法を説明する。成分(A)の製造方法は、たとえば、以下の工程を含む。
(低分子化澱粉の調製工程)アミロース含量5質量%以上の澱粉を低分子化処理してピーク分子量が3×103以上5×104以下の低分子化澱粉を得る工程。
(造粒工程)原料に低分子化澱粉を3質量%以上45質量%以下含み、かつ低分子化澱粉と低分子化澱粉以外の澱粉の合計が75質量%以上である、原料を加熱糊化して造粒する工程。
低分子化澱粉の調製工程は、アミロース含量5質量%以上の澱粉を分解して低分子化澱粉とする工程である。ここでいう分解とは、澱粉の低分子化を伴う分解をいい、代表的な分解方法として酸処理や酸化処理、酵素処理による分解が挙げられる。この中でも、分解速度やコスト、分解反応の再現性の観点から、好ましくは酸処理である。
また、造粒工程には、澱粉の造粒に使用されている一般的な方法を用いることができるが、所定の冷水膨潤度とする点で、澱粉の加熱糊化に使用されている一般的な方法を用いることが好ましい。具体的には、ドラムドライヤー、ジェットクッカー、エクストルーダー、スプレードライヤーなどの機械を使用した方法が知られているが、本実施形態において、冷水膨潤度が上述した特定の条件を満たす成分(A)をより確実に得る観点から、エクストルーダーやドラムドライヤーによる加熱糊化が好ましく、エクストルーダーがより好ましい。エクストルーダー処理する場合は通常、澱粉を含む原料に加水して水分含量を10質量%以上60質量%以下程度に調整した後、たとえばバレル温度30℃以上200℃以下、出口温度80℃以上180℃以下、スクリュー回転数100rpm以上1,000rpm以下、熱処理時間5秒以上60秒以下の条件で、加熱膨化させる。
本実施形態において、造粒工程にて加熱糊化して得られた造粒物を、必要に応じて、粉砕し、篩い分けをし、大きさを適宜調整することができる。また、これにより、条件(iv)および(v)の1つ以上を満たす成分(A)を得てもよい。
本実施形態のブレッダー粉によれば、低分子化澱粉を含む造粒物であって、条件(i)~(iii)を満たす成分(A)および後述の成分(D)を含むため、ブレッダー粉が適用された食品において衣の油ちょう感、クリスピー感および歯もろさを好ましいものとするとともに油っぽさを抑制することができる。
ブレッダー粉中の成分(A)の含有量は、衣の油っぽさを抑制し、油ちょう感、クリスピー感および歯もろさを好ましいものとする観点から、ブレッダー粉全体に対して好ましくは10質量%以上であり、より好ましくは20質量%以上、さらに好ましくは30質量%以上、さらにより好ましくは35質量%以上、よりいっそう好ましくは42質量%以上である。
また、同じ観点から、ブレッダー粉中の成分(A)の含有量は、好ましくは85質量%以下であり、より好ましくは75質量%以下、さらに65質量%以下である。
(成分(D))
成分(D)は、コーングリッツおよびコーンフラワーを含む混合物を押出膨化および粉砕してなる造粒物(以下、「コーン造粒物」とも呼ぶ。)である。コーングリッツは、とうもろこしの角質胚乳部の澱粉質をひきわりしたものであればよく、限定するものではない。コーンフラワーは、とうもろこしの粉質胚乳部を粉砕したものであればよく、限定するものではない。
成分(D)において、混合物中のコーングリッツとコーンフラワーの含有量の合計に対するコーングリッツの含有量は、衣の油っぽさを抑制し、油ちょう感、クリスピー感および歯もろさを好ましいものとする観点から、好ましくは70質量%以上であり、より好ましくは80質量%以上、さらに好ましくは85質量%以上である。
また、同じ観点から、混合物中のコーングリッツとコーンフラワーの含有量の合計に対するコーングリッツの含有量は、好ましくは99質量%以下であり、より好ましくは96質量%以下、さらに好ましくは93質量%以下である。
混合物中のコーングリッツとコーンフラワーの含有量の合計に対するコーンフラワーの含有量は、たとえば、混合物に含まれるコーンフラワー以外の成分を除く残部とすることができる。
また、成分(D)の原料である混合物は、効果を損ねない範囲においてコーングリッツおよびコーンフラワー以外の成分を含んでもよい。
成分(D)は、造粒工程を経ることで得ることができる。造粒工程には澱粉の造粒に使用されている一般的な方法を用いることができるが、澱粉の加熱糊化に使用されている一般的な方法を用いることが好ましい。具体的には、ドラムドライヤー、ジェットクッカー、エクストルーダー、スプレードライヤーなどの機械を使用した方法が知られているが、本実施形態においては、エクストルーダーおよびドラムドライヤーによる加熱糊化が好ましく、エクストルーダーがより好ましい。エクストルーダー処理する場合は、通常、澱粉を含む原料に加水して水分含量を10質量%以上60質量%以下に調整した後、たとえば、バレル温度30℃以上200℃以下、出口温度80℃以上180℃以下、スクリュー回転数100rpm以上1,000rpm以下、熱処理時間5秒以上60秒以下の条件で、加熱糊化させる。
本実施形態において、造粒工程にて加熱糊化して得られた造粒物を、必要に応じて、粉砕し、篩い分けをし、大きさを適宜調整することができる。また、これにより、後述する粒度条件を満たす成分(D)を得てもよい。
得られた成分(D)において、目開き0.5mmの篩の篩下かつ目開き0.075mmの篩の篩上の含有量は、衣の油っぽさを抑制し、油ちょう感、クリスピー感および歯もろさを好ましいものとする観点から、成分(D)全体に対して好ましくは50質量%以上であり、より好ましくは55質量%以上であり、また、好ましくは75質量%以下であり、より好ましくは70質量%以下である。
また、同じ観点から、目開き0.5mmの篩の篩上の含有量は、成分(D)全体に対して好ましくは5質量%以下であり、より好ましくは3質量%以下、さらに好ましくは1質量%以下である。また、目開き0.5mmの篩の篩上の含有量は、成分(D)全体に対して0質量%以上であり、たとえば0.1質量%以上であってもよい。
ブレッダー粉中の成分(D)の含有量は、衣の油っぽさを抑制し、油ちょう感、クリスピー感および歯もろさを好ましいものとする観点から、ブレッダー粉全体に対して好ましくは8質量%以上であり、より好ましくは15質量%以上であり、さらに好ましくは20質量%以上、さらにより好ましくは30質量%以上、ことさらに好ましくは45質量%以上である。
また、同じ観点から、ブレッダー粉中の成分(D)の含有量は、ブレッダー粉全体に対して好ましくは80質量%以下であり、より好ましくは75質量%以下、さらに好ましくは65質量%以下である。
また、ブレッダー粉中の成分(D)の含有量は、衣の油っぽさを抑制し、油ちょう感、クリスピー感および歯もろさを好ましいものとする観点から、成分(A)100質量部に対して好ましくは10質量部以上であり、より好ましくは15質量部以上、さらに好ましくは50質量部以上、さらにより好ましくは75質量部以上である。
また、同じ観点から、ブレッダー粉中の成分(D)の含有量は、成分(A)100質量部に対して好ましくは300質量部以下であり、より好ましくは250質量部以下、さらに好ましくは150質量部以下である。
以上により本実施形態のブレッダー粉によれば、低分子化澱粉を含む造粒物であって、条件(i)~(iii)を満たす成分(A)および成分(D)を含むため、ブレッダー粉が適用された食品において衣の油ちょう感、クリスピー感および歯もろさを好ましいものとするとともに油っぽさを抑制することができる。
ブレッダー粉は、成分(A)および(D)のみから構成されてもよいし、他の成分をさらに含んでもよい。
たとえば、ブレッダー粉は、以下の成分(C)をさらに含んでもよい。
(成分(C))
成分(C)は、アセチル化酸化澱粉である。ここで、アセチル化酸化澱粉は、アセチル化処理と酸化処理とがなされた澱粉であって、処理の順番は問わない。また、アセチル化酸化澱粉は、未処理の(生)澱粉にアセチル化処理および酸化処理がなされるとともに、他の加工処理がなされていないことが好ましい。
成分(C)の原料澱粉の由来として、とうもろこし、高アミロースとうもろこし、もちとうもろこし(ワキシーコーン)、米、もち米、小麦、甘藷、馬鈴薯、もち馬鈴薯、キャッサバ、サゴヤシ等が挙げられる。
衣の油っぽさを抑制し、油ちょう感、クリスピー感および歯もろさを好ましいものとする観点から、成分(C)の原料澱粉の由来は、好ましくはキャッサバである。
同様の観点から、成分(C)は、好ましくはアセチル化酸化タピオカ澱粉である。
アセチル化酸化澱粉は、以下の方法で測定されるB型粘度が1500cps以上2000cps以下であることが好ましく、1600cps以上1900cps以下であることがより好ましい。
(B型粘度計による粘度の測定方法)
成分(C)の糊液の粘度の測定方法は、以下の通りである。
(糊液の30℃の粘度の測定)
(1)成分(C)の澱粉試料を、水分計(研精工業株式会社製、電磁水分計:型番MX50)を用いて、130℃で加熱乾燥させて水分測定し、得られた水分値から乾物質量を算出し、乾物換算で50gとなる試料を準備する。
(2)上記試料280gから水分込みの試料量を差し引いた量の蒸留水を試料の入った手鍋に加え、IHコンロ(株式会社東芝製、TOSHIBA MR-20ED)のメモリ2で蒸発水分30gを加熱により飛ばして20%糊液(250g)を作製する。このうち200gを200mLビーカーに移す。
(3)上記(2)のビーカーを、あらかじめ加温しておいたウォーターバスにつけ30℃に加温する。適温に到達後、蒸発分の水分を補正し、糊液を作製する。B型粘度計(東京計器株式会社製、BM型ローター、No.4)にて、60rpmで10回転目の粘度を測定する(糊液の30℃の粘度)。
ブレッダー粉中の成分(C)の含有量は、衣の油っぽさを抑制し、油ちょう感、クリスピー感および歯もろさを好ましいものとする観点から、ブレッダー粉全体に対して好ましくは2質量%以上であり、より好ましくは4質量%以上、さらに好ましくは5質量%以上である。
また、同じ観点から、ブレッダー粉中の成分(C)の含有量は、ブレッダー粉全体に対して好ましくは30質量%以下であり、より好ましくは10質量%以下、さらに好ましくは8質量%以下である。
ブレッダー粉は、上述した成分以外の成分を含んでもよく、かかる成分として、たとえば小麦粉;コーンフラワー等の穀粉、パン粉、上述した成分以外の澱粉からなる群から選択される1種または2種以上が挙げられる。
(成分(E))
成分(E)は、コーンフラワーである。
コーンフラワーは、とうもろこしの粉質胚乳部を粉砕したものであれば限定するものではないが、好ましくは目開き0.15mmの篩の篩下の含有量が90質量%以上100質量%以下の粒度であるものである。
ブレッダー粉中の成分(E)の含有量は、食品の食感のバランスをより好ましいものとする観点から、ブレッダー粉全体に対して好ましくは7質量%以上であり、より好ましくは20質量%以上、さらに好ましくは30質量%以上である。
同じ観点から、ブレッダー粉中の成分(E)の含有量は、ブレッダー粉全体に対して好ましくは60質量%以下であり、より好ましくは50質量%以下、さらに好ましくは40質量%以下である。
次に、ブレッダー粉の製造方法を説明する。本実施形態において、ブレッダー粉は、たとえば、成分(A)および(D)および適宜他の成分を準備し、所定の順序で混合することにより得ることができる。
得られたブレッダー粉は、フライ食品、ノンフライ食品等の食品に用いられ、好ましくはノンフライ食品用である。
(食品およびその製造方法)
本実施形態において、食品は、上述したブレッダー粉を用いて得られ、好ましくはノンフライ食品である。
また、食品の製造方法は、たとえば、以下の工程を含む:
バッター液を中具の外側に付着する工程、
バッター液を中具の外側に付着する工程の後、上述した本実施形態におけるブレッダー粉を中具の外側に付着する工程、
ブレッダー粉を中具の外側に付着する工程の後、中具の外側に液油を付着する工程、および
中具の外側に液油を付着する工程の後、中具を加熱する工程。
中具として、たとえば鶏肉等の肉類;魚、貝、エビ等の魚介類;イモ類等の野菜類;ドーナツ、カステラ、饅頭等の菓子類;かまぼこ等の水練り製品などが挙げられる。
バッター液を中具の外側に付着する工程において、バッター液として、たとえば、フライ食品やノンフライ食品に通常用いられるバッター液を用いることができる。バッター液は、中具の一部を被覆してもよいし、中具全体を被覆してもよい。また、バッター液は、中具の一部に付着してもよいし、中具全体に付着してもよい。
ブレッダー粉を中具の外側に付着する工程において、ブレッダー粉は、中具の一部を被覆してもよいし、中具全体を被覆してもよい。また、ブレッダー粉は、中具の一部に付着してもよいし、中具全体に付着してもよい。
また、中具の外側に液油を付着する工程において、液油として、たとえば、フライ食品やノンフライ食品に通常用いられる液油を用いることができる。
また、作業性の観点から、液油の上昇融点は、好ましくは10℃以下、より好ましくは5℃以下である。液油は、具体的には、菜種油、大豆油、コーン油、紅花油、ごま油、オリーブ油、こめ油、グレープシード油、綿実油、落花生油、パームオレイン油から選ばれる1種または2種以上である。
ここで、液油の上昇融点は、基準油脂分析試験法の3.2.2.2-2013によって測定することができる。
また、液油の付着方法として、たとえば、ブレッダー粉が付着した中具を液油中に浸漬する方法や、ブレッダー粉が付着した中具に液油をスプレー等により噴霧する方法が挙げられる。
加熱する工程は、好ましくは過熱水蒸気加熱であり、たとえば、スチームコンベクションオーブンでの加熱調理である。
また、食品の製造方法は、たとえば、以下の工程を含んでもよい:
バッター液を中具の外側に付着する工程、
バッター液を中具の外側に付着する工程の後、上述した本実施形態におけるブレッダー粉を中具の外側に付着する工程、
ブレッダー粉を中具の外側に付着する工程の後、中具を油ちょうする工程。
かかる製造方法により得られる食品は、具体的にはフライ食品である。また、かかる製造方法においても、中具、バッター液としては、たとえば前述のものを用いることができる。
また、中具を油ちょうする工程において用いられる油脂として、たとえば前述の液油が挙げられる。
上記製造方法によって得られた食品は、前述したブレッダー粉を用いて得られるため、ノンフライ食品とした場合においても、衣の油っぽさが抑制され、油ちょう感、クリスピー感および歯もろさの好ましいものである。
また、本実施形態において、食品の油ちょう感または歯もろさを向上させる方法は、たとえば、食品を製造するに際し、中具の外側に、バッター液、前述した本実施形態におけるブレッダー粉、および、液油をこの順に付着させ、その後、中具を加熱することを含む。ここで、食品は、好ましくはノンフライ食品である。
また、加熱する工程は、好ましくは過熱水蒸気加熱であり、たとえば、スチームコンベクションオーブンでの加熱調理である。
また、食品の歯もろさを向上させる方法は、たとえば、食品を製造するに際し、中具の外側に、バッター液および前述した本実施形態におけるブレッダー粉をこの順に付着させ、その後中具を油ちょうすることを含む。ここで、食品は、具体的にはフライ食品である。
以下に本発明の実施例を示すが、本発明の趣旨はこれらに限定されるものではない。
(原材料)
原材料として、主に以下のものを使用した。
片栗粉:北海道産片栗粉 今津株式会社製
(A)造粒物1:製造例2で得られた造粒物、目開き0.5mmの篩の篩下かつ目開き0.075mmの篩の篩上の含有量77質量%かつ目開き0.5mmの篩の篩上の含有量18質量%、冷水膨潤度10.5
ハイアミロースコーンスターチ:「J-オイルミルズ HS-7」株式会社J-オイルミルズ製、アミロース含量70質量%
コーンスターチ(β澱粉):「J-オイルミルズ コーンスターチY」、株式会社J-オイルミルズ製
(C)アセチル化酸化澱粉:アセチル化酸化タピオカ澱粉、「ジェルコールSP-2」、株式会社J-オイルミルズ製、B型粘度(1750cps)
(D)コーン造粒物:製造例3で得られた造粒物(目開き0.5mmの篩の篩下かつ目開き0.075mmの篩の篩上の含有量67.56質量%かつ目開き0.5mmの篩の篩上の含有量0.17質量%)
(E)コーンフラワー:コーンフラワー(細挽)、加工者:株式会社パイオニア企画、目開き0.15mmの篩の篩下の含有量95質量%
(製造例1)低分子化澱粉の製造
本例では、造粒物1の原料となる低分子化澱粉として酸処理ハイアミロースコーンスターチを製造した。
(酸処理ハイアミロースコーンスターチの製造方法)
ハイアミロースコーンスターチを水に懸濁して35.6%(w/w)スラリーを調製し、50℃に加温した。そこへ、攪拌しながら4.25Nに調製した塩酸水溶液をスラリー質量比で1/9倍量加え反応を開始した。16時間反応後、3%NaOHで中和し、水洗、脱水、乾燥し、酸処理ハイアミロースコーンスターチを得た。
得られた酸処理ハイアミロースコーンスターチのピーク分子量を以下の方法で測定したところ、ピーク分子量は1.2×104であった。
(ピーク分子量の測定方法)
ピーク分子量の測定は、東ソー株式会社製HPLCユニットを使用しておこなった(ポンプDP-8020、RI検出器RS-8021、脱気装置SD-8022)。
(1)試料を粉砕し、JIS-Z8801-1規格の篩で、目開き0.15mm篩下の画分を回収した。この回収画分を移動相に1mg/mLとなるように懸濁し、懸濁液を100℃3分間加熱して完全に溶解した。0.45μmろ過フィルター(ADVANTEC社製、DISMIC-25HP PTFE 0.45μm)を用いてろ過をおこない、ろ液を分析試料とした。
(2)以下の分析条件で分子量を測定した。
カラム:TSKgel α-M(7.8mmφ、30cm)(東ソー株式会社製)2本
流速:0.5mL/min
移動相:5mM NaNO3含有90%(v/v)ジメチルスルホキシド溶液
カラム温度:40℃
分析量:0.2mL
(3)検出器データを、ソフトウェア(マルチステーションGPC-8020modelIIデータ収集ver5.70、東ソー株式会社製)にて収集し、分子量ピークを計算した。
検量線には、分子量既知のプルラン(Shodex Standard P-82、昭和電工株式会社製)を使用した。
(製造例2)造粒物1の製造
β澱粉79質量%、上述の方法で得られた酸処理ハイアミロースコーンスターチ20質量%、および、炭酸カルシウム1質量%を充分に均一になるまで袋内で混合した。2軸エクストルーダー(株式会社幸和工業製KEI-45)を用いて、混合物を加圧加熱処理した。処理条件は、以下の通りである。
原料供給:450g/分
加水:17質量%
バレル温度:原料入口から出口に向かって50℃、70℃および100℃
出口温度:100~110℃
スクリューの回転数250rpm
このようにしてエクストルーダー処理により得られた加熱糊化物を110℃にて乾燥し、水分含量を約10質量%に調整した。
次いで、乾燥した加熱糊化物を、卓上カッター粉砕機で粉砕した後、JIS-Z8801-1規格の篩で篩分けした。篩分けした加熱糊化物を混合し、以下の粒度分布(画分)を有する造粒物1を調製した。
(粒度分布(画分))
目開き0.5mm篩上:18質量%
目開き0.5mm篩下かつ目開き0.25mm篩上:42質量%
目開き0.25mm篩下かつ目開き0.18mm篩上:13質量%
目開き0.18mm篩下かつ目開き0.075mm篩上:22質量%
目開き0.075mm篩下:5質量%
(冷水膨潤度の測定方法)
(1)試料を、水分計(研精工業株式会社、型番MX-50)を用いて、125℃で加熱乾燥させて水分測定し、得られた水分値から乾燥物質量を算出した。
(2)この乾燥物質量換算で試料1gを25℃の水50mLに分散した状態にし、30分間25℃の恒温槽の中でゆるやかに撹拌した後、3000rpmで10分間遠心分離(遠心分離機:日立工機社製、日立卓上遠心機CT6E型;ローター:T4SS型スイングローター;アダプター:50TC×2Sアダプタ)し、沈殿層と上澄層に分けた。
(3)上澄層を取り除き、沈殿層質量を測定し、これをB(g)とした。
(4)沈殿層を乾固(105℃、恒量)したときの質量をC(g)とした。
(5)BをCで割った値を冷水膨潤度とした。
(製造例3)コーン造粒物の製造
コーングリッツ(コーングリッツイエロー、株式会社サニーメイズ製)90質量%およびコーンフラワー(コーンフラワーイエロー、株式会社サニーメイズ製)10質量%を充分に均一になるまで袋内で混合した。2軸エクストルーダー(株式会社幸和工業製KEI-45)を用いて、混合物を加圧加熱処理した。処理条件は、以下の通りである。
原料供給:420g/分
加水:25質量%
バレル温度:原料入口から出口に向かって60℃、100℃および140℃
出口温度:120~140℃
スクリューの回転数250rpm
このようにしてエクストルーダー処理により得られた加熱糊化物を110℃にて乾燥し、水分含量を約10質量%に調整した。
次いで、乾燥した加熱糊化物を、卓上カッター粉砕機で粉砕した後、JIS-Z8801-1規格の篩で篩分けした。篩分けした加熱糊化物を混合し、以下の粒度分布(画分)を有する成分(D)を調製した。
(粒度分布(画分))
目開き0.5mm篩上:0.17質量%
目開き0.5mm篩下かつ目開き0.25mm篩上:0.32質量%
目開き0.25mm篩下かつ目開き0.18mm篩上:2.49質量%
目開き0.18mm篩下かつ目開き0.075mm篩上:64.75質量%
目開き0.075mm篩下:32.27質量%
(実施例1~15、比較例1、2、対照例1および2)
本例では、唐揚げの作製および評価をおこなった。各例のブレッダー粉の配合、唐揚げの作製方法および評価結果を表1に示す。
(唐揚げの製造方法)
1.鶏モモ肉をカットし、約25g/個とした。
2.1.の鶏肉を後述する組成の調味液に60分漬け込み、下味をつけた。
3.から揚げ粉(「から揚げ粉 しょうゆ味」、株式会社神戸物産製)を水で溶いてバッター液を作製した。
4.2.で漬け込み後の鶏肉の調味液を軽く切り、3.のバッター液にいれてよく絡ませた。バッター液の量は、鶏肉に対し6g/個程度とした。
5.表1の配合で成分を混合して各例のブレッダー粉を作製した。
6.5.のブレッダー粉を袋に入れ、その中に、軽く4.のバッター液を切った鶏肉を入れて振り、粉をまぶした。ブレッダー粉の量は、鶏肉に対し6g/個程度とした。
7.液油(Jキャノーラ油、株式会社J-オイルミルズ製)を各例の添加方法にて6.の鶏肉に付着した。浸漬の場合、バッタリング後の鶏肉を、液油中にくぐらせ、油を塗布した敷き網の上に丸く成型して並べた。液油の量は、鶏肉に対し7g/個程度とした。スプレーの場合、2.5g/個とした。油ちょうの場合、液油の添加はおこなわなかった。
8.モードが「コンビ」の例については、スチームコンベクションオーブン(TSCO-6EB、株式会社タニコー製)にて、各例の条件で加熱調理した。モードが不記載の例については、4.5Lの鍋に1.9kgの菜種油(Jキャノーラ油(株式会社J-オイルミルズ製))を張り込み、180℃に加熱した後、各例の条件で油ちょうした。
9.以上の手順により得られたノンフライ唐揚げおよびフライ唐揚げの食感を評価した。評価項目および採点基準を以下に示す。
(調味液の配合:鶏肉1kgに対する量)
原材料 配合量
醤油 100mL
酒 50mL
みりん 50mL
すりおろしにんにく 5g
すりおろししょうが 5g
(食感評価)
3名の専門パネラーが唐揚げ衣の油ちょう感(粉っぽさ)、クリスピー感、歯もろさおよび油っぽさを以下の採点基準で官能評価した。採点は合議にておこない、評点が2点超のものを合格とした。なお、フライ唐揚げについては、油ちょう感(粉っぽさ)の評価は行わなかった。
(油ちょう感(粉っぽさ))
5:フライに近い(粉っぽくない)
4:粉っぽさはあまり感じない
3:やや粉っぽさを感じるが、不快感はない
2:粉っぽさを感じる
1:フライに遠い(とても粉っぽい)
(クリスピー感)
5:とてもカリカリしている
4:カリカリしている
3:ややカリカリしている
2:あまりカリカリしていない
1:全くカリカリしていない
(歯もろさ)
5:とても歯もろい(サクサク)
4:歯もろい
3:やや歯もろい
2:歯もろさがあまり感じられない
1:歯もろさは感じられない(硬い)
(油っぽさ)
5:全く油っぽさを感じない
4:ほとんど油っぽくない
3:少し油っぽいが、不快感はない
2:油っぽく、やや不快感がある
1:とても油っぽい
Figure 2022055369000001
表1より、各実施例では、成分(A)および(D)を組み合わせて用いることにより、各比較例のものに比べて、油ちょう感、クリスピー感および歯もろさに優れるとともに油っぽさが抑制されたノンフライ唐揚げ、ならびに、クリスピー感および歯もろさに優れるとともに油っぽさが抑制されたフライ唐揚げが得られた。

Claims (18)

  1. 以下の成分(A)および(D)を含む、ブレッダー粉。
    (A)以下の条件(i)~(iii)を満たす造粒物:
    (i)澱粉含量が75質量%以上、
    (ii)アミロース含量5質量%以上である澱粉の低分子化澱粉を3質量%以上45質量%以下含み、前記低分子化澱粉のピーク分子量が3×103以上5×104以下、および
    (iii)25℃における冷水膨潤度が5以上20以下
    (D)コーングリッツおよびコーンフラワーを含む混合物を押出膨化および粉砕してなる造粒物
  2. 前記成分(A)が、以下の条件(iv)かつ(v)をさらに満たす、請求項1に記載のブレッダー粉。
    (iv)目開き0.5mmの篩の篩下かつ目開き0.075mmの篩の篩上の含有量が、前記成分(A)全体に対して50質量%以上85質量%以下
    (v)目開き0.5mmの篩の篩上の含有量が、成分(A)全体に対して30質量%以下
  3. 当該ブレッダー粉中の前記成分(A)の含有量が、ブレッダー粉全体に対して10質量%以上85質量%以下である、請求項1または2に記載のブレッダー粉。
  4. 当該ブレッダー粉中の前記成分(D)の含有量が、当該ブレッダー粉全体に対して8質量%以上80質量%以下である、請求項1乃至3いずれか1項に記載のブレッダー粉。
  5. 当該ブレッダー粉中の前記成分(D)の含有量が、前記成分(A)100質量部に対して10質量部以上300質量部以下である、請求項1乃至4いずれか1項に記載のブレッダー粉。
  6. 前記成分(D)中の前記コーングリッツと前記コーンフラワーの含有量の合計に対する前記コーングリッツの含有量が、70質量%以上99質量%以下である、請求項1乃至5いずれか1項に記載のブレッダー粉。
  7. 前記成分(D)において、目開き0.5mmの篩の篩下かつ目開き0.075mmの篩の篩上の含有量が、前記成分(D)全体に対して50質量%以上75質量%以下、かつ目開き0.5mmの篩の篩上の含有量が、前記成分(D)全体に対して5質量%以下である、請求項1乃至6いずれか1項に記載のブレッダー粉。
  8. 以下の成分(C)をさらに含む、請求項1乃至7いずれか1項に記載のブレッダー粉。
    (C)アセチル化酸化澱粉
  9. 当該ブレッダー粉中の前記成分(C)の含有量が、ブレッダー粉全体に対して2質量%以上30質量%以下である、請求項8に記載のブレッダー粉。
  10. ノンフライ食品用である、請求項1乃至9のいずれか1項に記載のブレッダー粉。
  11. バッター液を中具の外側に付着する工程と、
    バッター液を中具の外側に付着する前記工程の後、請求項1乃至10いずれか1項に記載のブレッダー粉を前記中具の外側に付着する工程と、
    ブレッダー粉を中具の外側に付着する前記工程の後、前記中具の外側に液油を付着する工程と、
    中具の外側に液油を付着する前記工程の後、前記中具を加熱する工程と、を含む、食品の製造方法。
  12. 前記中具を加熱する工程が、過熱水蒸気加熱する工程である、請求項11に記載の製造方法。
  13. 前記食品が、ノンフライ食品である、請求項11または12に記載の製造方法。
  14. 食品を製造するに際し、中具の外側に、バッター液、請求項1乃至10いずれか1項に記載のブレッダー粉、および、液油をこの順に付着させ、その後、前記中具を加熱することを含む、前記食品の油ちょう感または歯もろさを向上させる方法。
  15. 前記中具を加熱することが、過熱水蒸気加熱である、請求項14に記載の製造方法。
  16. 前記食品が、ノンフライ食品である、請求項14または15に記載の方法。
  17. バッター液を中具の外側に付着する工程と、
    バッター液を中具の外側に付着する前記工程の後、請求項1乃至10いずれか1項に記載のブレッダー粉を前記中具の外側に付着する工程と、
    ブレッダー粉を中具の外側に付着する前記工程の後、前記中具を油ちょうする工程と、
    を含む食品の製造方法。
  18. 食品を製造するに際し、中具の外側にバッター液、請求項1乃至10いずれか1項に記載のブレッダー粉をこの順に付着させ、その後前記中具を油ちょうすることを含む、前記食品の歯もろさを向上させる方法。
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