JP2018027039A - バッター用ミックス及びバッター液、並びにこれを用いた揚げ物類 - Google Patents

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慎司 福原
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Abstract

【課題】バッター用ミックス粉であって、フライやから揚げに使用でき、とんかつにしたとき肉を過度に硬化させず柔らかさを保ち、さらに衣の軽いさくさくしたクリスピー感を付与でき、職人的な勘所を必要としない、揚げ物バッター用ミックスを提供する。【解決手段】ケール搾汁液の乾燥粉末及び/又はケール葉の乾燥粉末を含有することを特徴とする揚げ物バッター用ミックス。【選択図】図2

Description

本発明は、揚げ物バッター用ミックス、及びバッター液、さらにはこれを用いた揚げ物類に関する。
パン粉を付けたフライ、フリッター、から揚げ、天ぷら等、衣をつけて油で揚げた揚げ物類においては、衣の食感や、形状等の外観が品質として重要である。また、衣は、高温で油ちょうすることによって衣内部の具材が過度に加熱されることを防ぎ、具材を適度の堅さに保つ効果を有する。パン粉を付けたフライの場合は、衣はできるだけ軽いさくさくしたクリスピー感を有し、具材(特に肉を具材とする場合)は、加熱によっても堅くならないことが望まれている。
家庭でフライを製造する場合は、塩・胡椒して調味した肉や魚の切り身に、小麦粉をまぶし、さらに溶き卵にくぐらせた後、パン粉を付けて180℃の油で揚げ(油ちょう)、具材まで熱が伝わったころを見計らって、油から引き上げて、油切りを行う方法が一般的である。このような製法では、具材の柔らかさと衣のクリスピー感は、相反し、肉質の柔らかさを達成すると衣のクリスピー感は低下し、衣のクリスピー感を達成すると肉質が硬くなることがしばしば発生する。特にとんかつのように、厚みのある肉を用いる場合は、肉の適切な加熱と衣の過加熱の抑制には職人的な調理感覚と技術を必要とする。
一方、飲食店や、惣菜店、あるいは冷凍食品としてフライを大量に製造する場合は、前記の工程において、「小麦粉をまぶし、溶き卵にくぐらせる」工程を、バッター液と呼ばれる水又は牛乳などの液体に小麦粉や澱粉を主体としたミックス粉を溶解分散させた粘稠性液にくぐらせることで代替し、調理工程を単純化している。このようなバッター液を用いてフライを製造する場合も、具材の柔らかさと衣のクリスピー感は相反することには変わりない。このような製造工程で用いるバッター液については、種々の提案がなされている。
特許文献1には、パン粉付けフライ食品が、油ちょう後、ポリ袋や容器に詰められ、蒸れ易い環境下に長時間置かれた場合であっても、フライ食品の衣部の食感の劣化を抑制することができるようにするため、小麦粉を50質量%以上、及びデキストリンを10〜40質量%含有し、デキストリンのDEが、10〜30であり、さらにデキストリンにおけるグルコース重合度が100〜1000の画分が、前記デキストリンの質量を基準として10〜40質量%であり、且つデキストリンのヨウ素呈色値が、0.1以上であるバッターミックスが提案されている。このバッターミックスは、3.5倍量の水に分散させて使用される。
特許文献2には、加工澱粉に加えて、乾燥卵白と乾燥卵黄を配合し、乾燥卵白の含有量が35〜60%、卵白1部に対する卵黄の含有量が0.1〜0.5部を配合すると、具材と衣の結着性が良好で、軟らかくジューシーなフライ食品が得られる、バッター液用粉末が提案されている。
特許文献3には、具材の旨みを逃さないために、衣材用ミックスに、トレハロース、ソルビトールおよびマルチトールから選ばれるいずれか一種以上の糖類と、熱処理小麦粉またはα化でん粉とを含有させたバッターミックスが提案されている。
しかし、特許文献1〜3に記載の成分を用いても、フライ食品の衣のクリスピー感と具材の柔らかさについては、未だ満足できるものではなかった。
また、特許文献4には、あらかじめバッターミックス粉にタンパク分解酵素を配合し、これを用いたバッター液に20〜30分肉を漬け込み、これを引き上げた後パン粉を付けて油ちょうすることで具材の柔らかさを保とうとする提案である。この方法によれば、タンパク分解酵素によって肉の繊維が分解されるため、油ちょう後の肉の柔らかさを担保できる。しかし、具材の漬け込み作業という新たな工程が発生するため、家庭では採用できても店舗や食品工場などでは採用しがたいものである。
特開2016−123341号公報 特開2014−082994号公報 特開2011−103839号公報 特開平07−313085号公報
本発明は、バッター用ミックス粉であって、フライやから揚げに使用でき、とんかつなどのフライにしたとき肉を過度に硬化させず柔らかさを保ち、さらに衣の軽いさくさくしたクリスピー感を付与できる揚げ物バッター用ミックスを提供することにある。
本発明者らは、鋭意検討を行った結果、バッターミックスにケール搾汁液の乾燥粉末やケール葉の乾燥粉末を配合することで、フライの衣のクリスピー感を保ちながら、具材である肉の柔らかさとジューシー感が向上することを見出し、本発明を完成させた。
即ち、本発明は、ケール搾汁液の乾燥粉末及び/又はケール葉の乾燥粉末を含有することを特徴とする揚げ物バッター用ミックス及びこれを用いたバッター液、並びにこれを用いた揚げ物類を提供するものである。
本発明は、以下の構成からなる。
(1)ケール搾汁液の乾燥粉末及び/又はケール葉の乾燥粉末を含有することを特徴とする揚げ物バッター用ミックス。
(2)バッター用ミックスの質量を基準として、ケール搾汁液の乾燥粉末及び/又はケール葉の乾燥粉末を10〜20質量%含有する(1)に記載の揚げ物バッター用ミックス。
(3)バッター用ミックスの質量を基準として、小麦粉を50〜70質量%含有する(1)又は(2)に記載の揚げ物バッター用ミックス。
(4)バッター用ミックスの質量を基準としてデキストリンを5〜10質量%含有する(1)〜(3)のいずれかに記載の揚げ物バッター用ミックス。
(5)バッター用ミックスの質量を基準として脱脂粉乳を10〜30質量%含有する(1)〜(4)のいずれかに記載の揚げ物バッター用ミックス。
(6)(1)〜(5)のいずれかに記載のバッターミックスを水又は牛乳類と混合して調製したバッター液。
(7)(6)に記載のバッター液を、具材に付着させた後、パン粉を付けて、直接もしくは冷凍・冷蔵保存後、油ちょうして製造するパン粉付け揚げ物類の製造方法。
(8)パン粉付け揚げ物類であって、フライ食品を構成する衣中にケール搾汁液の乾燥粉末及び/又はケール葉の乾燥粉末を含有することを特徴とする揚げ物類。
本発明のバッター用ミックスを用いることにより、フライにしたとき肉を過度に硬化させず肉質の柔らかさとジューシーさを保ち、さらに衣の軽いさくさくした所謂クリスピー感を付与できる。またフライの衣は鮮やかな緑黄色となり、食欲を増進させる効果がある。
とんかつの官能試験に用いる評価表である。 実施例、比較例のバッターを使用して調理したとんかつを、テンシプレッサーMyBoy2 SYSTEMを用いて測定した咀嚼指標H1の測定結果を示す。 実施例、比較例のバッターを使用して調理したとんかつをテンシプレッサーMyBoy2 SYSTEMを用いて測定した咀嚼指標A1の測定結果を示す。
本発明は、ケール搾汁液の乾燥粉末及び/又はケール葉の乾燥粉末を含有することを特徴とする揚げ物バッター用ミックスに関する。
本発明の揚げ物バッター用ミックスに用いるケール搾汁液の乾燥粉末及び/又はケール葉の乾燥粉末は、食用野菜であるケールの搾汁液を乾燥させた粉末あるいは、ケール葉の乾燥粉末又は、ケール搾汁液の乾燥粉末とケール葉の乾燥粉末の混合物である。
ケール搾汁液の乾燥粉末について説明する。
本発明において使用できるケールは、従来から青汁原料として使用されて来たものであればいずれの品種も使用できる。その代表的な品種としてキッチンケール、ツリーケール、ブッシュケール、マローケール、コラード、カーボロネロ、ゴズィラーナ、ジューシーグリーン、スウィートグリーンおよび緑葉カンランを例示出来る。ケール葉部を収穫し、搾汁を行う。搾汁は、公知の方法を採用できる。一般的には、洗浄→カット→ブランチング→搾汁という工程をへて搾汁液を得る(特許第4825759号参照)。
得られた搾汁液を、さらに凍結乾燥処理を行う。凍結乾燥(FD)の前処理として、公知の濃縮装置、例えば効用缶による減圧濃縮によって、糖度(Brix度)が20度になるよう調整をする。
上述の搾汁濃縮液を凍結乾燥により乾燥化する。
凍結乾燥する場合、第一段階として予備凍結を行う。予備凍結は保管を兼ねて−30℃以下の凍結庫にて実施する。棚にトレイを挿入し、乾燥庫を真空にし、棚加熱により製品へ熱供給する。加熱方法は食品の場合、トレイ搬送との兼ね合いで輻射加熱方法を採用している。発生した水蒸気はトラップで再度氷結して除去する。こうして得られた凍結乾燥物を粗粉砕し、ケール搾汁液の凍結乾燥粉末を製造する。
次に、凍結乾燥物に溶解性を付与するために造粒する。
デキストリンなどのでんぷん分解物を凍結乾燥物に添加混合し、バインダーとして前記のケール搾汁濃縮液または水を添加し造粒することで、溶解性のあるケール搾汁液の粉末を得ることができる。具体的な造粒方法としては、流動層造粒、撹拌造粒、押し出し造粒などが挙げられる。
本発明には、これらの造粒方法に通常用いられている装置を使用することができる。
中でも本発明には、流動層造粒が好ましく用いられる。流動層造粒は、簡便に且つ大量に造粒物を生産できることから好ましい。さらに、流動層造粒によれば、比較的低温で造粒操作を実施することができるのでケールに含まれる栄養素の破壊を抑えることができ、また、嵩密度の低い造粒物が得られ、造粒物の風味や食感をソフトにすることができ、水溶けのよい造粒物が得られることから好ましい。
流動層造粒は、粉体を空気で流動化させながら水又は溶液をスプレーして凝集造粒する方法である。本発明では、この水又は溶液として前記のケール濃縮液を使用することができる。造粒機本体に秤量したデキストリン、ケール搾汁液凍結乾燥粉末などの粉末を、10〜20メッシュの篩にかけた後、投入し、粉体を空気で流動化させながら、バインダー液体である水又はケール搾汁濃縮液をノズルからスプレーして凝集結着させる。かくして得られた造粒物を20〜30メッシュの篩にかけ、ケール搾汁粉末の粒度をそろえて、本発明に使用するケール搾汁液の乾燥粉末とする。
ケール葉の乾燥粉末について説明する。
収穫したケール葉の洗浄→カット→ブランチングまでの工程は前述の搾汁液の製造方法と同様である。ブランチング処理したケール葉を、前述のケール搾汁液乾燥粉末と同様に凍結乾燥により乾燥する。得られた乾燥物をボールミル、ネアミルなどの粉砕装置に用いて粉砕し、これを20メッシュの篩にかけ、ケール葉乾燥粉末の粒度をそろえて、本発明に使用するケール葉の乾燥粉末とする。
上記工程で得られたケール搾汁液の乾燥粉末及び、ケール葉の乾燥粉末は、それぞれ本発明の揚げ物バッター用ミックスの原料として配合することができる。また、ケール搾汁液の乾燥粉末及び、ケール葉の乾燥粉末の両方を混合して、本発明の揚げ物バッター用ミックスに配合することができる。この場合、両者の質量当たりの混合比は、0.1:0.9〜0.9〜0.1とする。なお、両粉末は粉体としての特性が異なるため、両者を混合造粒することで、取り扱いのしやすい溶解性の良い粉末とすることができる。
上記のケール搾汁液の乾燥粉末及び、ケール葉の乾燥粉末の混合物に賦形剤として、でんぷん分解物であるデキストリン、あるいは難消化性デキストリンを加えて、バインダーとして水を用いて造粒することで水分散性の良い添加し造粒することで、ケール搾汁液の乾燥粉末及び、ケール葉の乾燥粉末を含む粉末を得ることができる。具体的な造粒方法としては、流動層造粒、撹拌造粒、押し出し造粒などが挙げられる。
本発明には、これらの造粒方法に通常用いられている装置を使用することができる。
中でも本発明には、流動層造粒が好ましく用いられる。流動層造粒は、簡便に且つ大量に造粒物を生産できることから好ましい。さらに、流動層造粒によれば、比較的低温で造粒操作を実施することができるのでケールに含まれる栄養素の破壊を抑えることができる。また、嵩密度の低い造粒物が得られ、造粒物の風味や食感をソフトにすることができ、さらに水溶けのよい造粒物が得られることから好ましい。
造粒機本体に、秤量したデキストリンやクラスターデキストリンと、ケール搾汁液の乾燥粉末及び、ケール葉の乾燥粉末、加工澱粉や難消化性デキストリン(ファイバーソル#2)などを20メッシュの篩にかけた後、装置内に投入し常法にしたがって造粒を行う。すなわち、粉体を空気で流動化させながら、水をバインダーとしてノズルからスプレーして凝集結着させる。
こうして得られた造粒物を20〜30メッシュの篩にかけて、ケール搾汁液の乾燥粉末及び、ケール葉の乾燥粉末の混合物を含む粉末を製造することができる。
製造された造粒物は、バッター用ミックスの質量を基準として、10〜20質量%を配合する。ケール搾汁液の乾燥粉末及び/又はケール葉の乾燥粉末の配合量が10質量%以下の場合は、肉質を柔らかく保つ効果が弱く、20質量%を超えると、衣の緑色が強くなりすぎ、また加熱により黒味が強くなり美観上好ましくない。
本発明の揚げ物バッター用ミックスは、ケール搾汁液の乾燥粉末及び/又はケール葉の乾燥粉末を含有する点以外は従来の揚げ物バッター用ミックスと同様である。即ち、上記ケール搾汁液の乾燥粉末及び/又はケール葉の乾燥粉末以外に、揚げ物バッター用ミックスに従来用いられている原材料や添加物、例えば、小麦粉、穀粉類、澱粉類、大豆蛋白質、小麦グルテン、卵粉末、脱脂粉乳などの蛋白素材、動植物油脂、粉末油脂などの油脂類、山芋粉、食物繊維、膨張剤、増粘剤、乳化剤、食塩、糖類、甘味料、香辛料、調味料、ビタミン類、ミネラル類、色素、香料、デキストリンなどを適宜含有することができる。
本発明の揚げ物バッター用ミックスには、小麦粉を50〜70質量%、デキストリンを5〜10質量%、脱脂粉乳を10〜30質量%含有することが好ましい。また澱粉類を含有することもできる。特に馬鈴薯澱粉を含有させることにより、衣の口溶けを一層向上させることができる。馬鈴薯澱粉としては、例えば、化工を施していない通常の馬鈴薯澱粉、馬鈴薯澱粉に架橋、エステル化、エーテル化、酸化、α化、アセチル化等の処理を施した化工馬鈴薯澱粉が挙げられる。好ましくは化工馬鈴薯澱粉であり、より好ましくは馬鈴薯澱粉に酸化処理を施した化工澱粉である。
本発明の揚げ物類は、上記した本発明の揚げ物バッター用ミックスを用いて、常法により製造されたものである。本発明において、揚げ物類とは、例えば、天ぷら、フライ、フリッター、唐揚げ、竜田揚げ等の揚げ物類全般を指す。特に本発明の揚げ物バッター用ミックス粉は、パン粉をつけたフライ類、特に上記したようにとんかつの調理に適している。
本発明の揚げ物バッター用ミックスを用いて揚げ物を製造するには、本発明の揚げ物バッター用ミックスに対し、加水調整することで適切なバッター粘度に調整し、適宜具材に打ち粉をふり、該バッター液を付けて揚げればよい。またフライにする場合は、さらに乾燥又は生パン粉を付けて、170〜180℃の油で2分程度揚げることで、衣のクリスピー感のある、肉質のやわらかなジューシー感のあるフライを調理できる。その他の揚げ物類についても常法に従って適用できる。
本発明を具体的に説明するために実施例および比較例を示す。
<参考例>
特許第4825759号に記載の製造方法に従って、デキストリン30.0%(パインフロー;松谷化学製)、ケール葉乾燥粉末20質量%及びケール搾汁液粉末50質量%を含む粉末(以下「ケール粉末」と略記する)を調製した。
<実施例1>
バッター用粉末
上記の参考例のケール粉末及び小麦粉、脱脂粉乳を粉混合し、下記表1の組成のバッター用ミックスを調製した。
Figure 2018027039
<比較例>
比較例として、実施例1のバッター用粉末に含有されているケール粉末を小麦粉及びデキストリンに置換した粉末を調製した。下記表2にこの組成のバッター用ミックスの組成を示す。
Figure 2018027039
<試験例>
上記の実施例1、比較例のバッター用ミックス14質量部に対し、低脂肪乳15質量部を加えて十分撹拌混合してバッター液を調製した。このバッター液を用いて常法に従ってとんかつを調理した。
豚肉は、あらかじめ塩胡椒し、厚さ1cmに調整した重量70gのものを使用した。なお調理は、170℃の揚げ油に投入し、1分間加熱後裏返して2分間加熱し、引き上げて油切りをした。
とんかつ一切れあたりに使用される、又は含まれる衣成分の質量は、下記の表3のとおりである。
Figure 2018027039
<官能評価試験>
(1)評価方法
実施例1、比較例のバッターを使用して調理したとんかつを、12名の官能評価員によって評価を行った。比較例のバッターを使用したとんかつを「P」、実施例1のバッターを使用したとんかつを「Q」、として、調理条件をブラインドにして、Pに対するQの良否の評価をおこなった。評価は、油切り後、速やかに官能評価員に供し、ソースや塩など追加の調味は行わずに、そのまま食してもらった。評価基準は、図1に示した評価表によった。
(2)評価結果
各評価項目について、評価員12名の評点合計を下記の表4に示す。各項目の評点がマイナスの場合は、Pが優れており、評点がプラスの場合はQが優れているとの評価となる。
Figure 2018027039
香りは、P・Qで差はなかった。しかしそれ以外の全ての評価項目は、Qが優れていた。特に肉の硬さ、衣の硬さ(クリスピー感)は、Qが特に優れていた。
この結果から、本発明のバッターは、とんかつの肉質を柔らかくし、衣のクリスピー感を向上させることがわかった。
<テンシプレッサーによる肉質の硬さ測定>
人が食物を食べるとき、咀嚼で感じる食品の、硬い・軟らかい・噛みごたえがある・べとつく・歯にくっつく・ぷりぷり・ぽりぽり・さくさく・つるつると云った触感すなわちテクスチャーを解析するための装置であるテンシプレッサーを用いて物理的に計測を行い、肉の咀嚼感を数値化した。上記の官能評価試験では、Qのとんかつの肉質が軟らかいとの評価であった。これを物理的数値とすることを試みた。
テンシプレッサーMyBoy2 SYSTEM(有限会社タケトモ電機製)を用いて測定を行った。
(1)測定方法
前記のP及びQのとんかつを揚げた後、30分間常温放置した。ついで衣を外し、肉のみの状態とし、これを試料としてテンシプレッサーの1バイト測定法を用いて、H(硬さ)とネバリ抵抗A(噛み応え)を求めた。測定はなお、Hは咀嚼時の噛み切るための抵抗応力の指標であり、Aは、噛み切る際のネバリ応力の指標として当業者では認識されている。すなわちH値が高ければ硬く、低ければ軟らかく、A値が高ければ噛み応えがあり、低ければ噛み応えがないと評価する。
(2)結果
測定結果を図3、図4に示す。H、Aのいずれの指標もQのとんかつの方が小さいことが確認された。すなわち咀嚼時の肉を噛み切る抵抗指標は、いずれも本発明のバッターを使用した場合に小さくなり、官能評価結果に一致した。
<実施例2>
ケール搾汁液凍結乾燥粉末を用いたバッター用粉末
ケール搾汁液凍結乾燥物70質量%、デキストリン(パインフロー)30質量%を、水をバインダーとして流動造粒法によって造粒し、ケール搾汁液凍結乾燥粉末含有粉体を調製した。これを用いて下記の表5の組成からなるバッター用粉末を得た。
Figure 2018027039
<実施例3>
ケール葉凍結乾燥粉末を用いたバッター用粉末
ケール葉凍結乾燥物の粉砕物70質量%、デキストリン(パインフロー)30質量%を、水をバインダーとして流動造粒法によって造粒し、ケール葉乾燥粉末含有粉体を調製した。これを用いて下記の表6の組成からなるバッター用粉末を得た。
Figure 2018027039
実施例2、実施例3のバッター粉末を実施例1のバッター粉末を用いた試験例と同様の条件でバッター液とし、同様にとんかつを調理した。得られたとんかつは、好ましい明るい緑黄色を呈しており、衣のクリスピー感、肉質のジューシー感も実施例1のバッターを用いた場合と同様であった。

Claims (8)

  1. ケール搾汁液の乾燥粉末及び/又はケール葉の乾燥粉末を含有することを特徴とする揚げ物バッター用ミックス。
  2. バッター用ミックスの質量を基準として、ケール搾汁液の乾燥粉末及び/又はケール葉の乾燥粉末を10〜20質量%含有する請求項1に記載の揚げ物バッター用ミックス。
  3. バッター用ミックスの質量を基準として、小麦粉を50〜70質量%含有する請求項1又は2に記載の揚げ物バッター用ミックス。
  4. バッター用ミックスの質量を基準としてデキストリンを5〜10質量%含有する請求項1〜3のいずれかに記載の揚げ物バッター用ミックス。
  5. バッター用ミックスの質量を基準として脱脂粉乳を10〜30質量%含有する請求項1〜4のいずれかに記載の揚げ物バッター用ミックス。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載のバッターミックスを水又は牛乳類と混合して調製したバッター液。
  7. 請求項6に記載のバッター液を、具材に付着させた後、パン粉を付けて、直接もしくは冷凍・冷蔵保存後、油ちょうして製造するパン粉付け揚げ物類の製造方法。
  8. パン粉付け揚げ物類であって、フライ食品を構成する衣中にケール搾汁液の乾燥粉末及び/又はケール葉の乾燥粉末を含有することを特徴とする揚げ物類。
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