JP2012223146A - 揚げ物用ミックス粉および揚げ物食品 - Google Patents

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周一 山口
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Abstract

【課題】吸油量が少なく、食感に優れた揚げ物が得られる揚げ物用ミックス粉及びそれを用いた揚げ物食品を提供する。
【解決手段】沈降積が0.7ml以上、2.0ml以下である架橋澱粉に、無機塩を混合し熱分解した分解処理架橋澱粉が、無水換算15%濃度で測定した加熱粘度で、1000mPa・s以上、20000mPa・s以下(測定温度30℃)であり、その分解処理架橋澱粉が10質量%以上、50質量%以下配合された揚げ物用ミックス粉及びそれを用いた揚げ物食品。
【選択図】なし

Description

本発明は吸油量が少なく、食感に優れた揚げ物が得られる揚げ物用ミックス粉に関する。
従来、揚げ物用ミックス粉としては、グルテンの少ない薄力小麦粉を主体として用い、これに澱粉、膨張剤、蛋白質、乳化剤、色素、調味料などを必要に応じて配合されたものが使用されている。
近年、メタボリック・シンドロームと呼ばれるように、肥満からくるさまざまな成人病に罹患する可能性が高く、問題視されている。
高脂肪含量の食品は高カロリーであり、肥満の原因の一つとなる。そのため、低脂肪含量の食品が求められる。
従来、市販されている天ぷらなどの揚げ物は比較的吸油量が多く、そのため揚げ物の吸油量を少なくするための試みがなされている。
例えば、アルギン酸プロピレングリコールエステルを混合すること(特許文献1)、アルギン酸エステルを混合すること(特許文献2)、乳化剤を混合すること(特許文献3)などが知られている。
特開2010−22245号公報 特開2002−209531号公報 特開平9−74999号公報
従来、市販されている天ぷらなどの揚げ物は比較的吸油量が多く、そのため揚げ物の吸油量を少なくするために、アルギン酸プロピレングリコールエステルを混合すること(特許文献1)、アルギン酸エステルを混合すること(特許文献2)、乳化剤を混合すること(特許文献3)などが行われている。しかし、特許文献1や特許文献2記載のアルギン酸プロピレングリコールエステルやアルギン酸エステルを使用した場合、サクサク感が弱く食感のサクサク感が持続しない。また特許文献3記載の乳化剤を使用した場合は衣が白くなり見た目に違和感がある。また、食感がもろく頼りないという欠点がある。
本発明の目的は、吸油量が少なく、油っこさがなく、サクサク感および口溶けの良好な揚げ物が得られる揚げ物用ミックス粉を提供することである。
本発明者は前記の目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、分解処理架橋澱粉を揚げ物用ミックス粉として使用することで、吸油量が少なく、油っこさがなく、サクサク感および口溶けの良好な揚げ物が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
したがって、本発明は、分解処理架橋澱粉が配合された、油ちょう後の吸油量が少なく食感に優れた揚げ物が得られる揚げ物用ミックス粉であり、さらにはそれを用いた揚げ物食品である。
さらに、配合された分解処理架橋澱粉が、無機塩を混合後熱分解させた架橋澱粉である、揚げ物用ミックス粉である。
また本発明は、分解処理する前の架橋澱粉の沈降積が0.7ml以上、2.0ml以下であり、かつ、分解処理後の架橋澱粉の無水換算15%濃度で測定した加熱粘度が、1000mPa・s以上、20000mPa・s以下(測定温度30℃)である分解処理架橋澱粉を配合した揚げ物用ミックス粉である。
本発明の揚げ物用ミックス粉を使用した揚げ物は吸油量が少なく、食感に油っこさがなく、サクサク感があり口溶けの良い食感を有する。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の架橋澱粉を作成するための澱粉としては、馬鈴薯澱粉、タピオカ澱粉、甘藷澱粉、サゴ澱粉、コーンスターチ、ワキシコーンスターチ、ハイアミロースコーンスターチ、小麦澱粉、粳米澱粉、もち米澱粉などが挙げられる。
本発明の架橋澱粉とは、原料澱粉に架橋剤を使用して処理し、化学的に架橋させた澱粉であり、架橋剤としては、トリメタリン酸ソーダ、トリポリリン酸ソーダ、オキシ塩化リン、エピクロルヒドリンなどが挙げられる。
本発明に使用される分解処理する前の架橋澱粉の架橋処理の程度は、沈降積として検知でき、好ましくは沈降積が0.7ml以上、2.0ml以下の条件を満たすものである。又この条件を満たす限り、架橋処理と他のエーテル化、エステル化、可溶性化などの加工を組み合わせたものを原料として熱分解処理を行ない、本発明と同様の効果を発揮するものは、本発明に包含する。
本発明において、沈降積が0.7ml未満では、架橋度合いが強く、架橋澱粉の膨潤が抑制され、ミックス粉に配合されている小麦粉の食感が強くなるために、食感にサクサク感がなくてひきが強くなり好ましくない。
また、沈降積が2.0mlを超えると、架橋度合が弱く、吸油量の減少に充分な効果が発揮されない。
(沈降積)
本発明における沈降積とは、架橋澱粉の膨潤抑制の度合を測定する方法で、その測定法を以下に述べる。
試料澱粉を無水換算150mg精秤し、試験管に移す。その中へ後述する試験用液15ml正確に加え、よく振とう分散させ、直ちに沸騰水浴中に入れ5分間加熱する。その後、急冷して室温まで冷却した後、再度振とう均一化して10mlメスシリンダーに10ml移し、20℃で18時間静置した際に沈降した部分の容積を沈降積(ml)とする。
<試験用液の調製方法>
塩化亜鉛300g,塩化アンモニウム780g,イオン交換水1875gを加温溶解後冷却し、19ボーメ(15℃)に合わせる。この液10mlを取り、ブロムフェノールブルー液を2滴加え、0.1N−HClで呈色が紫から黄色に変わる点を終点として滴定して塩酸度(塩酸度=HClのファクター×滴定に要したml数)を求める。塩酸度が3.9±0.1になるようにアンモニア水、塩酸を用いて調整する。調整後、再度塩酸度を確認して、最後にろ過して試験用液として用いる。
本発明における無機塩とは、硫酸カルシウム・硫酸ナトリウムなどの硫酸塩、酢酸ナトリウムなどの酢酸塩、炭酸カルシウム・炭酸ナトリウム・炭酸水素ナトリウム・炭酸カリウムなどの炭酸塩、リン酸ナトリウム・リン酸カリウム・リン酸水素ナトリウム・リン酸水素カリウムなどのリン酸塩、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどの水酸化物、塩化ナトリウム・塩化カリウム・塩化カルシウムなどの塩化物、などが挙げられるが、食品に使用する際に残存後の味等を考えた時に、好ましくは塩化物や炭酸塩が望ましい。
本発明における澱粉の分解処理とは、湿式酸処理、乾式酸処理、熱処理、澱粉分解酵素、酸化剤などを使用して、澱粉のグルコシド結合を切断することであり、好ましくは無機塩を添加して加熱した分解処理である。なお、架橋澱粉の加熱処理後の加熱粘度は、澱粉無水換算濃度15%で、1000mPa・s以上、20000mPa・s以下(測定温度30℃)の範囲であることが好ましいが、その理由を以下に述べる。
本発明において、架橋澱粉を分解処理した際、分解初期には粘度が上昇してくる。これは、分解により架橋澱粉の膨潤抑制効果が弱められるため、結果として粘度が上昇する。さらに分解を進めていくと澱粉の分子量が低下し、粘度は再び低下していく。つまり、加熱粘度が1000mPa・s未満になる原因としては、架橋度合が強い場合と、分解が進み過ぎた場合が考えられる。架橋度合が強い場合には、架橋澱粉の膨潤が抑制され、ミックス粉に配合されている小麦粉の食感が強くなるために、食感にサクサク感がなくてひきが強くなり好ましくない。一方、分解が進み過ぎた場合には、吸油量が増加してしまう。
また、20000mPa・sを超える原因としては、架橋度合が弱い場合が考えられる。架橋度合が弱い場合には、吸油量が減少しない上に、サクサク感が出なくなり、食感が悪くなる。
以上の点で、架橋澱粉の加熱処理後の加熱粘度は、澱粉無水換算15%で1000mPa・s以上、20000mPa・s以下(測定温度30℃)の範囲であることが好ましい。
(加熱粘度)
本発明における加熱粘度とは、以下の方法で測定した値である。
澱粉無水換算15%濃度の脱イオン水分散液を調製し、沸騰浴中で攪拌しながら85℃到達まで加熱する。その後攪拌を止め85℃以上で10分間放置する。加熱終了後、冷水浴中で攪拌しながら30℃まで冷却し、蒸発した水分を補正した後、B型粘度計を用いて、30rpmで測定した値を加熱粘度とする。
本発明の分解処理架橋澱粉が配合された揚げ物用ミックス粉は、唐揚げ、天ぷら、豚カツ、牛カツ、ミンチカツ、チキンカツ、クリームコロッケ、フリッター、魚介類のフライなどで、打ち粉、まぶし粉またはバッター液として用いることが出来る。本発明のミックス粉には、必要に応じて本発明に係る分解架橋澱粉に、通常揚げ物食品に用いられる材料を併用することが出来る。具体例としては、穀粉(小麦粉、コーンフラワー、米粉、α化穀粉など)、未変性澱粉(コーンスターチ、小麦澱粉、米澱粉など)、加工澱粉(油脂加工澱粉、次亜塩素酸塩処理澱粉、酸処理澱粉、α化澱粉、乾熱処理澱粉、湿熱処理澱粉、架橋澱粉、エステル化澱粉、エーテル化澱粉、エステル化架橋澱粉、エーテル化架橋澱粉など)、糖質(単糖、二糖類、オリゴ糖、澱粉分解物、還元澱粉分解物など)、天然ガム類(グァーガム、キサンタンガム、タマリンド種子ガム、カラギーナンなど)、膨張剤(ベーキングパウダー、重炭酸ソーダなど)、蛋白質(大豆蛋白、乳蛋白、卵白、卵黄、カゼインなど)、油脂類(大豆油、マーガリンなど)、乳化剤(レシチン、グリセリン脂肪酸エステル、シュガーエステルなど)、色素(β−カロチン、エンチイエローなど)、調味料(みりん、醤油、食塩、グルタミン酸ソーダ、核酸系調味料など)が挙げられる。
本発明において、分解処理架橋澱粉をミックス粉に配合する配合量としては、好ましくは10質量%以上、50質量%以下である。配合量が10質量%未満だとサクサク感が弱くなり吸油率も高くなる。配合量が50質量%を超えると、食感が硬すぎて口溶けが悪くなり吸油率も高くなる。
以下、本発明を実施例により具体的に説明する。
〔実施例1〕
水1200質量部(以下「部」という)に、硫酸ソーダ300部、苛性ソーダ10部を加えて溶解し、攪拌下、原料タピオカ澱粉1000部を添加して調製したスラリーを7点用意し、トリメタリン酸ソーダを0.1〜10部の範囲で、添加量を変えて加え、40℃にて15時間反応した。その後、中和、水洗、脱水、乾燥、精粉して架橋澱粉C1〜C7を得た。C1〜C7および未変性タピオカ澱粉の沈降積を表1に示す。
Figure 2012223146
〔実施例2〕
実施例1で得られた架橋澱粉C1〜C7と未変性のタピオカ澱粉を用いて、澱粉1000部に対し、塩化ナトリウム20部を100部の水に溶かして添加混合後、水分が10%以下になるまで50℃で風乾し、精粉した。その後、加熱分解処理としてエアバスで150℃、4時間加熱して、タピオカ分解処理架橋澱粉HDS1〜8を得た。
HDS1〜8の加熱粘度を表2に示す。また、参考として実施例1で得られた加熱処理を行なっていないC5について、加熱粘度を表2に示す。
Figure 2012223146
<試験例1>
(揚げ玉の作成)
薄力小麦粉80部に、実施例2で得られたHDS1〜8およびC5を20部混合し、それぞれ水115部を加えてバッター液を作った。この液を口径7.5mmの注射器に入れ、175℃の大豆・菜種白絞油(以下、植物油とする)に投入して30秒フライし揚げ玉FB1〜8およびFBC5を得た。また、対照として薄力小麦粉100部に水115部を加えて得られたバッター液で作成した揚げ玉FBFも調製した。以下、得られた揚げ玉を用いて、吸油量を測定し、吸油率と減少率を求めた。試験例1の吸油率の測定結果を表3に示す。なお測定方法は以下の通りである。
<吸油率の測定方法>
三角フラスコに揚げ玉を10g精秤(W1)し、ジエチルエーテル150mlを添加した。スターラーで30分間攪拌した後、揚げ玉を取り除くために、エーテル抽出液をろ紙(東洋ろ紙株式会社製 No.2ろ紙 直径185mm)を用いてろ過した。その後、ろ液を70℃、2時間加熱し、ジエチルエーテルを蒸発させ、残存した油の量を精秤(W2)した。
吸油率は以下の式で求めた。
吸油率=(W2/W1)×100(単位:%)
また、対照のバッター液で作成した揚げ玉FBFで求めた吸油率に対する減少率を以下の式で求めた。
減少率=(1−揚げ玉の吸油率/FBFの吸油率)×100(単位:%)
Figure 2012223146
試験例1の結果より、FB4〜6の吸油率が少なく、特にFB5の吸油率が最も少なく(つまり、減少率が最も大きく)良好であった。
<試験例2>
(エビの天ぷらの作成)
薄力小麦粉80部に、ベーキングパウダー1部と、実施例2で得られたHDS1〜8およびC5を20部混合し、水115部を加えてバッター液を作った。このバッター液を用いて剥きエビを種とし、175℃の植物油で2分間フライして、エビの天ぷらST1〜8およびSTC5を得た。また、対照として薄力小麦粉100部に水115部を加えて得られたバッター液で作成したサンプルSTFを同様に調製した。
以下、これらエビの天ぷらを用いた食感評価を行なった。なお食感評価は、5名のパネラーによる官能評価で「食感のよさ」および「油っこくない程度」を以下に示す5段階で評価を行ない、その平均値を評価とした。さらに、2つの評価を合計した値を「総合評価」とし、以下に示す4段階で評価を行なった。試験例2の結果を表4に示す。
(食感のよさ)
5:サクサク感が強くて口溶けがとても良く、非常に好ましい食感である。
4:適度にサクサク感があり口溶けが良く、好ましい食感である。
3:少しサクサク感がある。
2:サクサク感があまりなく、食感が硬く、ひきがある。
1:サクサク感がほとんどなく、食感が硬すぎて、ひきが強い。
(油っこくない程度)
5:油っこさがほとんど感じられない。
4:油っこさがあまり感じられない。
3:少し油っこさを感じる。
2:油っこい。
1:かなり油っこい。
(合計点および総合評価)
2.0〜4.9 :×
5.0〜6.9 :△
7.0〜8.9 :○
9.0〜10 :◎
Figure 2012223146
試験例2における「食感のよさ」の評価では、ST4、5、6の食感はサクサク感が強く、特にST5の食感はサクサク感が非常に強く、評価も良好であった。また、「油っこくない程度」の評価でも、ST4、5、6の結果が良好であった。合計による総合評価では、ST5の評価が最も良かった。
〔実施例3〕
実施例1で得られた架橋澱粉C5を原料とし、添加する無機塩を、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウムを適宜添加した以外は、実施例2と同様の方法で試作し、分解処理架橋澱粉HDS9〜12およびHDS5を得た。それらの加熱粘度を表5に示す。
Figure 2012223146
<試験例3>
HDS5およびHDS9〜12を用いて、試験例1と同様の方法で揚げ玉FB5およびFB9〜12を作成し、得られた揚げ玉の吸油率および減少率の測定を行なった。結果を表6に示す。
Figure 2012223146
試験例3の結果より、いずれも吸油率が少なく、減少率も高く良好であった。
<試験例4>
HDS5およびHDS9〜12を用いて、試験例2と同様の方法でエビの天ぷらST5およびST9〜12を得て、食感評価を行なった。結果を表7に示す。
Figure 2012223146
試験例4の結果より、いずれも適度にサクサク感がある食感であり、かつ油っこさが少なく良好であった。
〔実施例4〕
馬鈴薯澱粉、コーンスターチ、ワキシコーンスターチを用いて、トリメタリン酸ソーダの添加量を0.2部、0.5部、0.7部とした以外は、実施例1と同様の方法で試作し、架橋澱粉C8〜16を得た。それらの粘度および沈降積を、使用した原料とともに表8に示す。
Figure 2012223146
〔実施例5〕
実施例4で得られた架橋澱粉C8〜16と原料澱粉(PS、CS、WS)を実施例2と同様の方法で試作し、分解処理架橋澱粉HDS13〜24を得た。それらの加熱粘度を表9に示す。
Figure 2012223146
<試験例5>
実施例5で得られたHDS13〜24を用いて、試験例1と同様の方法で揚げ玉(FB13〜24)を作成し、得られた揚げ玉の吸油率および減少率の測定を行なった。結果を表10に示す。
Figure 2012223146
試験例5の結果より、FB15、16、19、20、23、24の吸油率が低く、特にFB16、20、24の吸油率が少なく、良好であった。
<試験例6>
実施例5で得られたHDS13〜24を用いて、試験例2と同様の方法でエビの天ぷらST13〜24を得て、食感評価を行なった。結果を表11に示す。
Figure 2012223146
試験例6の結果より、ST16、20、24が、食感がよく油っこさも少なく良好であった。
〔実施例6〕
実施例1で得られたC4〜C7を用いて、加熱時間を2、4、6時間とした以外は、実施例2と同様の方法で試作を行ない。分解処理架橋澱粉HDS25〜32およびHDS4〜7を得た。それらの加熱粘度を表12に示す。
Figure 2012223146
<試験例7>
実施例6で得られたHDS25〜32およびHDS4〜7を用いて、試験例1と同様の方法で揚げ玉FB25〜32およびFB4〜7を作成し、得られた揚げ玉の吸油率および減少率の測定を行なった。結果を表13に示す。
Figure 2012223146
試験例7の結果より、FB25〜30とFB4〜6の吸油率が低く、特にFB5、27の吸油率が低く良好であった。
<試験例8>
実施例7で得られたHDS25〜32およびHDS4〜7を用いて、試験例2と同様の方法でエビの天ぷらST25〜32およびST4〜7を得て、食感評価を行なった。結果を表14に示す。
Figure 2012223146
試験例8の結果より、食感の評価はST25〜28およびST4、5がサクサク感があり良好であり、油っこさの評価はいずれも良好で、特にST4〜7とST27、29〜32が良好であった。したがって食感と油っこさの両方を加味した場合、ST5、27が良好であり、最も良好であったのはST5であった。
〔実施例7〕
水1200部に、実施例1で得られた架橋澱粉C5を1000部添加したスラリーを2点用意し、硫酸を30部と60部添加して45℃で2、4、6時間反応し湿式酸処理を行なった。その後、中和、水洗、脱水、乾燥、精粉して分解処理架橋澱粉ADS1〜6を得た。それらの加熱粘度を表15に示す。
Figure 2012223146
<試験例9>
実施例7で得られたADS1〜6およびHDS5を用いて、試験例1と同様の方法で揚げ玉FBA1〜6およびFB5を作成し、得られた揚げ玉の吸油率および減少率の測定を行なった。結果を表16に示す。
Figure 2012223146
試験例9の結果より、いずれも少ない吸油量であったが、FB5に比べ少し劣る結果であった。
<試験例10>
実施例7で得られたADS1〜6およびHDS5を用いて、試験例2と同様の方法でエビの天ぷらSTA1〜6およびST5を得て、食感評価を行なった。結果を表17に示す。
Figure 2012223146
試験例10の結果より、STA2〜5が適度にサクサク感がある食感であり、かつ油っこさが少なく良好であったが、ST5に比べ少し劣る結果であった。
〔実施例8〕
実施例1で得られた架橋澱粉C5を1000部に対し塩酸をそれぞれ0.1部、0.2部を100部の水に分散させて添加混合後、エアバスで水分が10%以下になるまで50℃で風乾し精粉した。その後、エアバスにて120℃、1、2、3時間反応し乾式酸処理を行なった。その後、中和、水洗、脱水、乾燥、精粉して分解処理架橋澱粉ADS7〜12を得た。それらの加熱粘度を表18に示す。
Figure 2012223146
<試験例11>
実施例8で得られたADS7〜12およびHDS5を用いて、試験例1と同様の方法で揚げ玉FBA7〜12およびFB5を作成し、得られた揚げ玉の吸油率と減少率の測定を行なった。結果を表19に示す。
Figure 2012223146
試験例11の結果より、いずれも低い吸油率であったが、FB5に比べ少し劣る結果であった。
<試験例12>
実施例8で得られたADS7〜12およびHDS5を用いて、試験例2と同様の方法でエビの天ぷらSTA7〜12およびST5を得て、食感評価を行なった。試験例12の評価結果を表20に示す。
Figure 2012223146
試験例12の結果より、STA8〜12が適度にサクサク感がある食感であり、かつ油っこさが少なく良好であったが、ST5に比べ少し劣る結果であった。
〔実施例9〕
実施例1で得られた架橋澱粉C5を1000部用いて、添加する塩化ナトリウムの量を原料に対し、1部、5部、10部、20部、50部とした以外は、実施例2と同様の方法で試作し(塩化ナトリウム50部のみ150部の水に溶解して添加)、分解処理架橋澱粉HDS33〜36およびHDS5を得た。それらの加熱粘度を表21に示す。
Figure 2012223146
<試験例13>
実施例9で得られたHDS33〜36およびHDS5を用いて、試験例1と同様の方法で揚げ玉FB33〜36およびFB5を作成し、得られた揚げ玉の吸油率および減少率を測定した。結果を表22に示す。
Figure 2012223146
試験例13の結果より、いずれも吸油率が少なく、特にFB5および33〜35が吸油率が低く良好であった。
<試験例14>
実施例9で得られたHDS33〜36およびHDS5を用いて、試験例2と同様の方法でエビの天ぷらST45〜48およびST5を得て、食感評価を行なった。結果を表23に示す。
Figure 2012223146
試験例14の結果より、ST5、34、35が、適度にサクサク感がある食感であり、かつ油っこさが少なく良好であった。
〔実施例10〕
実施例1で得られた架橋澱粉C5を用いて、エアバスで150℃での加熱時間が1、2、3、4、5、6時間とした以外は、実施例2と同様の方法で試作し分解処理架橋澱粉HDS37〜39および5、27、28を得た。それらの加熱粘度を表24に示す。
Figure 2012223146
<試験例15>
実施例10で得られたHDS37〜39および5、27、28を用いて、試験例1と同様の方法で揚げ玉FB37〜39および5、27,28を作成し、得られた揚げ玉の吸油率と減少率の測定を行なった。結果を表25に示す。
Figure 2012223146
試験例15の結果より、FB5および27、37〜39が吸油率が低く良好であった。
<試験例16>
実施例10で得られたHDS37〜39および5、27、28を用いて、試験例2と同様の方法でエビの天ぷらST37〜39および5、27、28を得て、食感評価を行なった。結果を表26に示す。
Figure 2012223146
試験例16の結果より、いずれも食感がよく、油っこさが少なかったが、特にST5、38、39が、適度にサクサク感がある食感であり、かつ油っこさが少なく良好であった。
<試験例17>
実施例2で得られた分解処理架橋澱粉HDS5を用いて、小麦粉に対する置換量を、5、10、20、30、40、50、60、70、80部とした以外は試験例1と同様の方法で揚げ玉FB40〜47、およびFB5を作成し、得られた揚げ玉の吸油率および減少率の測定を行なった。結果を表27に示す。
Figure 2012223146
試験例17の結果より、HDS5の添加量が10部以上、50部以下の揚げ玉が吸油率が低く、良好であった。
<試験例18>
実施例2で得られた分解処理架橋澱粉HDS5を用いて、薄力小麦粉に対する置換量を5、10、20、30、40、50、60、70、80部とした以外は試験例2と同様の方法でエビの天ぷらST40〜47およびST5を得て、食感評価を行った。結果を表28に示す。
Figure 2012223146
試験例18の結果より、HDS5の添加量が10部以上、50部以下のサンプルが、適度にサクサク感がある食感であり、添加量が増えるにつれてサクサク感は強くなった。かつ油っこさが少なく良好であった。添加量が10%未満だとサクサク感が弱く吸油率も高かった。添加量が50%を超えると、食感が硬すぎて口溶けが悪くなり吸油率も高くなった。
<試験例19>
(いもの天ぷらの作成)
タピオカ澱粉と架橋澱粉C5、HDS5、HDS8を用い、試験例2において、剥きエビを輪切りにしたサツマイモとした以外は、試験例2と同様の方法で試験を行ない、芋の天ぷらSPを得て、食感評価を行った。結果を表29に示す。
Figure 2012223146
試験例19の結果よりSP5が芋の天ぷらにおいて、適度にサクサク感がある食感であり、かつ油っこさが少なく良好であった。
<試験例20>
(かき揚げの作成)
タピオカ澱粉と架橋澱粉C5、HDS5、HDS8を用い、試験例2において、剥きエビを玉ねぎと人参とゴボウとし、クッキングシートを用いてバッター液をまぶして揚げた以外は、試験例2と同様の方法で試験を行ない、野菜のかき揚げVTを得て、食感評価を行った。結果を表30に示す。
Figure 2012223146
試験例20の結果よりVT5が野菜のかき揚げにおいて、適度にサクサク感がある食感であり、かつ油っこさが少なく良好であった。
<試験例21>
(鳥のから揚げの作成)
タピオカ澱粉と架橋澱粉C5、HDS5、HDS8を用い、鶏肉片を種とししょう油とみりんと砂糖を溶かした液で下味を付けた後、馬鈴薯澱粉80部に各試料20部を混合した粉を用いて、鶏肉表面に粉をまぶして175℃の植物油で2分フライし、鳥のから揚げFCを得て、食感評価を行った。結果を表31に示す。
Figure 2012223146
試験例21の結果よりFC5が鳥のから揚げにおいて、サクサク感が強い食感であり、かつ油っこさが少なく良好であった。

Claims (4)

  1. 油ちょう後の食品の吸油量を少なくするために、分解処理架橋澱粉が10質量%以上、50質量%以下配合されたことを特徴とする揚げ物用ミックス粉。
  2. 分解処理架橋澱粉が、無機塩を混合し熱分解させた架橋澱粉である、請求項1に記載の揚げ物用ミックス粉。
  3. 分解処理する前の架橋澱粉の沈降積が0.7ml以上、2.0ml以下であり、かつ、分解処理した架橋澱粉が、無水換算15%濃度で測定した加熱粘度で、1000mPa・s以上、20000mPa・s以下(測定温度30℃)である、請求項1または2に記載の揚げ物用ミックス粉。
  4. 請求項1ないし3に記載の揚げ物用ミックス粉を用いた揚げ物食品。
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