JP2007110945A - γ−オリザノール含有揚げ衣用食品添加剤 - Google Patents

γ−オリザノール含有揚げ衣用食品添加剤 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、サクサクした食感が経時的にも維持される揚げ衣用添加剤を提供すること。
【解決手段】γ−オリザノールを含有することを特徴とする揚げ衣用食品添加剤。
【選択図】なし

Description

本発明は、から揚げ、天ぷら又はフライ等の揚げ物食品に関し、衣のさくさくした食感の揚げ物食品を容易に得ることができ、かつこの食感を長時間持続させることのできる揚げ衣用食品添加剤及び揚げ衣組成物に関する。
から揚げ、天ぷら、フライ等の揚げ物食品は、通常、野菜、魚介、肉等の具材の周囲に、小麦粉等の穀粉や澱粉を主原料とする衣材料を付着させるか、又は衣材料に対して加水して得られるスラリー状のバッターを具材に衣として付着させるかした後、これを高温に熱した油で揚げることにより調理される。このような揚げ物は、揚げ衣内の具材自体のジューシー感のある美味さのみならず、衣の見た目の色調、形状、具への付着状態、さらには、衣のサクサクとした口当り、歯触り等の食感にも厳しい商品性が要求されている。さらに、この食感が長時間維持されることが望まれる。このような要求を満足させ、しかも揚げた直後の良好な食感を保持させるための衣材料が知られている。
このような衣材料としては、例えばサクサクした食感と品質保持性の改善を目的とする、全脂大豆粉を小麦粉主体の穀粉に所定割合で配合する揚げ物用の衣組成物(特許文献1参照)、衣のサクサク感と具材のジューシー感の両方を備える品質を得ることのできる、大豆蛋白を含む植物蛋白又は乳蛋白を含有するフライ食品用品質改良材(特許文献2参照)、時間が経過しても衣の食感と外観を維持できるようにすることを目的とする、粉末大豆蛋白、粉末卵白、粉末卵黄、粉末油脂、さらには、食品添加物である膨張剤及び増粘多糖類等を含み得る揚げ物用衣材(特許文献3参照)、ラクチトールやエリスリトールを含有した揚げ物用衣材料(特許文献4参照)、揚げ物用衣材に架橋タピオカ澱粉及び/又は架橋馬鈴薯澱粉である油脂加工澱粉と地上澱粉(例えばワキシーコーンスターチ又はハイアミロースコーンスターチ)を原料とする油脂加工澱粉とを含有させる揚げ物用衣材(特許文献5参照)、等が知られている。
また、揚げ種(具材)のジューシー感を維持するため、例えば、ショ糖脂肪酸エステルやプロピレングリコール脂肪酸エステル、レシチンから選ばれる乳化剤を用いる唐揚げ粉が知られており(特許文献6参照)、この技術によれば、食肉等の揚げ種(具材)が柔らかく、唐揚げ粉の揚げ種(具材)への付着が良好となる旨が記載されている。さらに、揚げ物食品の冷凍保存時において品質を維持し、冷凍保存後においても食品の柔らかさ、風味等が維持されるハーブ含有冷凍揚げ物、およびその冷凍揚げ物用衣材が知られている(特許文献7参照)。しかし、ハーブは特有の匂いを有するので、個人的な好き嫌いがある。
しかし、揚げたてでさくっとした食感を得ることができ、さらに常温、冷蔵又は冷凍のいずれの保存後においても揚げたての衣の食感を保持でき好き嫌いなく使用され得る揚げ衣組成物は、未だ満足すべきものがない。
一方、γ−オリザノールは、米糠油から単離されたフェルラ酸エステルの混合物である。γ−オリザノールは、高脂血症の改善(非特許文献1参照)、湿疹や皮膚炎の改善(非特許文献2参照)、心身症における過敏性大腸炎や慢性胃炎の改善効果(非特許文献3参照)が知られている。また、γ−オリザノールは、抗酸化作用を示し、油の酸化を抑制すること等が知られている(非特許文献4参照)。また、γ−オリザノールを含有するフライ用油脂が提供されている(特許文献8参照)。このフライ用油脂は、フライ直後及び保存下において、フライ食品の衣をサクサクとした食感にし、かつそのサクサク感を維持することができる。しかし、揚げ衣組成物にγ−オリザノールを含有する旨についての言及はない。
特開平2−39865号公報 特開2002−142702号公報 特開平7−67565号公報 特開2000−300198号公報 特開2005−204502号公報 特開平6−237723号公報 特開2002−360200号公報 特開2001−197862号公報 老年医学、1981年、第19巻、p.1813−1840 皮膚科紀要、1994年、第89巻、p.115−119 臨床と研究、1986年、第63巻、p.1657−1669 芝崎 勲、笹島正秋監修、「天然物による食品の保蔵技術」、p.311−313、1985年
本発明は、サクサクした食感が経時的にも維持される、例えば揚げ物食品を得るために有用な揚げ衣組成物を製造するために使用される揚げ衣用添加剤、並びに該添加剤を含有する揚げ衣組成物を提供することを目的とする。より、詳しくはフライ等の揚げ物食品の日持ちがよくなり、さらに揚げ物食品の具材である肉や魚等自体の味及び質が非常によくなることに加え、常温、冷蔵又は冷凍のいずれの保存後においても具材(肉や魚等)自体の柔らかさ及びしっとり感を失わせずに、揚げ物とした時にサクサクとした食感を持たせることができる揚げ衣用食品添加剤、並びに該添加剤を含有する揚げ衣組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題に対して鋭意検討を行った結果、γ−オリザノールを含有させた揚げ衣用添加剤、並びに該添加剤を含有した揚げ衣組成物を具材に付して油で揚げると上記課題を解決し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
(1)γ−オリザノールを含有することを特徴とする揚げ衣用食品添加剤、
(2)前記(1)に記載の食品添加剤を含有することを特徴とする揚げ衣組成物、
(3)γ−オリザノールを0.05〜1質量%含有することを特徴とする前記(2)に記載の揚げ衣組成物、及び
(4)揚げ衣がフライ食品用の衣であることを特徴とする前記(2)又は(3)に記載の揚げ衣組成物、
に関する。
本発明の揚げ衣用食品添加剤を揚げ衣に添加して揚げ衣組成物を得て、これを具材に付して製造したフライ等の揚げ物食品は、揚げ物食品の具材である肉や魚等自体の味及び質が非常によくなることに加え、具材(肉や魚等)自体のやわらかさ及びしっとり感を失わせずに、衣のサクサクとした食感及び具材自体のジューシー感を有する。また、本発明の揚げ衣用添加剤、並びに該添加剤を含有する揚げ衣組成物を使用して製造された揚げ物食品は、時間が経過しても衣のサクサク感及び具材自体のジューシー感が持続し、かつ揚げ物食品の日持ちが非常によくなることに加え、ほぼ無臭であるため、個人的に差があるにおいの好き嫌いに関係なく、一般的に食され得る。さらに、本発明の揚げ衣用添加剤、並びに該添加剤を含有する揚げ衣組成物を使用して製造した揚げ物食品は、常温ないしチルド(冷蔵)で保存中に食感が劣化せず、また油ちょう後に冷凍保存され、更にその後、電子レンジ等により解凍されたときにも、食感が低下しない。
本発明の揚げ衣用添加剤、並びに該添加剤を含有する揚げ衣組成物は、肉類、魚介類、野菜類等の種々の具材に対して有効に使用することができ、それらの具材に単にまぶして油で揚げるだけで、食感や食味の良好なから揚げやフライ等の揚げ物食品を極めて簡単にかつ短時間に製造することができる。
さらに、本発明の揚げ衣添加剤、並びに該添加剤を含有する揚げ衣組成物を具材に使用した食品を油で揚げることにより、揚げ油の劣化を抑制することができる。
本発明における揚げ衣用食品添加剤は、γ−オリザノールを含有することを特徴とする。
本発明に使用されるγ−オリザノールは、フェルラ酸とトリテルペンアルコールとのエステル体及びフェルラ酸と植物ステロールとのエステル体の混合物である。また、本発明に使用されるγ−オリザノールは、白色から淡黄色を呈する無味無臭の脂溶性粉末であることが好ましい。トリテルペンアルコールとしては、特に限定されないが例えばシクロアルテノール、24−メチレンシクロアルタノール、シクロアルタノール又はシクロブラノール等が挙げられる。植物ステロールとしては、特に限定されないが例えばカンペステロール、スチグマステロール又はβ−シトステロール等が挙げられる。γ−オリザノールとしては、公知のものが使用されるが、例えばシクロアルテノ−ルフェルラ酸エステル、24−メチレンシクロアルタノールフェルラ酸エステル、シトステロールフェルラ酸エステル及びカンペステロールフェルラ酸エステルを1種以上含有するものが好ましい。このようなγ−オリザノールとしては、一般に市販されている、例えばTSUNO γ−オリザノール(シクロアルテノールフェルラ酸エステルとして98.0質量%含有;築野ライスファインケミカルズ株式会社製)が挙げられる。
γ−オリザノールは、公知の方法で製造することができ、例えば米糠より得られる米糠油を精製する過程で生じる米糠フーツ(土屋知太郎、化学工業資料、1958年、第33巻、p.74−76)を原料に、抽出、晶析して製造され得る(日本食品新素材研究会誌、2004年、第7巻(第2号)、p.I44−I50)。
本発明の揚げ衣用添加剤は、γ−オリザノールのみからなっていてもよいが、所望により、γ−オリザノールの他に、調味料、甘味料、増粘剤、膨脹剤、乳化剤、肉質改良剤、膨脹剤、酵素、香料又はビタミン類等から選ばれる1種以上を、含有させることができるが、これらに限定されない。これらの成分の添加量は、本発明の効果を阻害しない程度が好ましく当業者によって適宜決定され得る。
調味料としては、例えば、食塩、塩化カリウム、リン酸三カリウム等の無機塩;L−アスパラギン酸ナトリウム、DL−アラニン、グルタミン酸ソーダ、5’−イノシン酸二ナトリウム、5’−ウリジル酸二ナトリウム等の旨み調味料;クエン酸カルシウム、クエン酸三ナトリウム等の有機酸;五香粉、八角、茴香、陳皮、山椒、胡椒、唐辛子、ガーリック、生姜、タマネギ、ネギ等の各種スパイス等;醤油;魚醤;酢;又はソース等が挙げられる。
甘味料としては、デキストリン、オリゴ糖、砂糖、キシロース、グルコース、糖アルコール、還元水あめ、サッカリンナトリウム、キシリトール、アスパルテーム、スクラロース、ソルビトール又はステビア等の甘味料等が挙げられる。
増粘剤としては、ゼラチン、ジェランガム、カラギナン、キサンタンガム、ローカストビーンガム、グルコマンナン、寒天、グアーガム、アルギン酸、アルギン酸ナトリウム、タマリンドシードガム、タラガム、アラビアガム、トラガントガム、カラヤガム、プルラン、カルボキシメチルセルロース、微小繊維状セルロース又はファーセレラン等が挙げられる。
膨脹剤としては、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素アンモニウム、炭酸アンモニウム、DL−酒石酸水素カリウム、L−酒石酸水素カリウム、アジピン酸、L−アスコルビン酸、塩化アンモニウム又はベーキングパウダー等が挙げられる。
乳化剤としては、グリセリン脂肪酸エステル又はショ糖脂肪酸エステル等が挙げられる。
肉質改良剤としては、タンパク質同化ホルモン等が挙げられる。
酵素としては、アガラーゼ、アクチニジン又はアクロモペプチダーゼ等が挙げられる。
香料としては、アセト酢酸エチル、アセトフェノン又は天然香料等が挙げられる。
ビタミン類としては、L−アスコルビン酸、ビタミンE又はβ−カロテン(β−カロチン又はカロチノイド色素)等が挙げられる。
本発明の揚げ衣組成物は、本発明の揚げ衣用添加剤を小麦粉等の衣材と混合して製造し得る。その場合、本発明の揚げ衣組成物における揚げ衣用添加剤の含有量は、特に限定されないが、例えば揚げ衣組成物全体に対してγ−オリザノールを約0.05〜1質量%、好ましくは約0.05〜0.5質量%、より好ましくは約0.1〜0.3質量%含有するように添加することが好ましい。
本発明の揚げ衣組成物の製造のために揚げ衣用添加剤と混合される衣材としては、例えば小麦粉、米粉、蕎麦粉、大麦粉、ライ麦粉、コーンフラワー、コーングリッツ、粟の粉、パン粉又は澱粉等が挙げられ、これら衣材は単独で又は混合して用いることができる。また、衣材は市販されている例えば、から揚げ粉や天ぷら粉などの組成物であってもよい。小麦粉は強力粉、準強力粉、中力粉又は薄力粉等を用いることができるが、グルテン含量の低い薄力粉が好適である。また、該小麦粉を適時焙焼したものであってもよい。澱粉としては、特に限定されないが、例えばコーンスターチ、小麦澱粉、米澱粉、馬鈴薯澱粉、タピオカ澱粉又はサゴヤシ澱粉等が挙げられ、これらの澱粉は単独で又は混合して用いることができる。またこれらを原料とする焙焼デキストリン、高度分岐環状デキストリン、酵素変性澱粉、酸分解澱粉、酸化澱粉、エステル化澱粉、エーテル化澱粉、架橋澱粉、アルファー化澱粉又は湿熱処理澱粉等の加工澱粉等を用いることができる。
本発明の揚げ衣組成物には、所望により調味料や増粘剤、乳化剤又は油脂等の食品添加物を配合することが出来る。調味料や増粘剤、乳化剤等は、上記揚げ衣用添加剤において記載したものと同様のものが挙げられる。油脂としては、食用に適するものであれば特に制限はなく、米糠油、米胚芽油、パーム油、大豆油、菜種油、コーン油、綿実油、ひまわり油、ヤシ油又はシソ油等の植物性油脂、牛脂、豚脂、魚油又は乳脂等の動物性油脂等が列挙でき、上記油脂単独、又は混合油脂、あるいはそれらの部分水素添加、水添分別、分別、エステル交換等の加工を施した油脂等を利用することができるし、これらを粉末化した油脂であっても構わない。油脂は衣材全体の約1〜25重量%好ましくは約2〜20重量%が適当である。油脂を添加することで、衣の食感が軽くなりクリスピーになる効果があるが、多く添加すると衣が油っぽくなり好ましくない。
本発明の揚げ衣組成物は粉のまま用いることも出来るが、水を加えてスラリー状のバッターとして利用することも出来る。本発明の衣材をバッターとして利用する場合、適当な粘度になるように加水することが出来る。バッターの粘度は中種に付着させたいバッター量等によって適宜調整することが出来るが、数百〜数千m・Pasの範囲が好ましい。
本発明の揚げ衣組成物を付す工程を経て調製される揚げ物の具材は、肉類、魚介類、野菜又はそれらを含む加工食品から選択される。上記肉類には、鶏肉、豚肉、牛肉又は羊肉等から選ばれる1種以上が含まれるがこれらに限定されない。上記魚介類には、カレイ、キス、イワシ、マグロ、アジ、タイ、エビ、イカ又はタコ等から選ばれる1種以上が含まれるがこれらに限定されない。上記野菜は、揚げ物用具材として用いられるものであれば何でもよく、例えば、カボチャ、サツマイモ、ジャガイモ、タマネギ、ナス、シイタケ、マツタケ、エノキタケ、ピーマン、ネギ、ニンジン又はゴボウ等から選ばれるがこれらに限定されない。上記加工食品には、ハム、ソーセージ、チーズ、ちくわ、コンニャク又は豆腐から選ばれる1種以上が含まれるがこれらに限定されない。
本発明に係る揚げ物は、肉類、魚介類、野菜又はそれらを含む加工食品から選択される具を、本発明の揚げ衣組成物を付する工程を経て調製される。揚げ衣組成物を具材に付する工程は、揚げ衣用添加剤を添加した粉末状揚げ衣組成物を具材全体にまぶしても良く、また揚げ衣組成物で調製したバッター又はピックル液に浸漬する工程であってもよいが、これらに限定されない。また前記の他、揚げ衣用添加剤を具材全体にまぶしたのち、粉末状の衣材をさらにまぶすか衣材で調製したバッターに浸漬しても良く、液状の揚げ衣用添加剤に、具材を浸漬し、その後に粉末状衣材にまぶす方法であってもよい。なお、揚げ物をフライとする時には、上記揚げ衣組成物を液状としたバッターに浸漬した後にパン粉をまぶすか、揚げ衣用添加剤又は揚げ衣組成物を具材にまぶし、その後にバッター溶液又は卵液に浸漬した後にパン粉をまぶすか、あるいはバッター又は卵液に具材を浸漬した後に揚げ衣用添加剤を添加したパン粉をまぶすのが好ましい。
本発明の揚げ衣組成物を付した具材は油ちょうの工程を経て揚げ物が製造される。油ちょうの工程は、食品製造の分野において通常使用され得る方法で行われ得る。油ちょうに使用される油は特に限定されず、通常揚げ物に使用される油であればよい。
以下に実施例および試験例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はそれらによって限定されるものではない。
γ−オリザノール 80質量部
食塩 20質量部
上記成分を撹拌機で混合し、揚げ衣用食品添加剤を作成した。
γ−オリザノール 50質量部
スクラロース 0.02質量部
食塩 10質量部
胡椒 10質量部
ガーリックエキス 10質量部
魚醤 適量(全100質量部)
上記成分を撹拌機で混合し、揚げ衣用食品添加剤を作成した。
γ−オリザノール 0.2質量部
薄力粉 全100質量部
上記成分を撹拌機で混合し、揚げ衣組成物を作成した。
γ−オリザノール 0.5質量部
高度分岐環状デキストリン 10質量部
薄力粉 全100質量部
上記成分を撹拌機で混合し、揚げ衣組成物を作成した。
馬鈴薯デンプン 60質量部
薄力粉 16質量部
γ−オリザノール 0.2質量部
食塩 4質量部
砂糖 2.8質量部
旨み調味料 5質量部
トウガラシ 5質量部
胡椒 7質量部
上記成分を撹拌機で混合し、から揚げ用揚げ衣組成物を作成した。
試験例1
1.から揚げの調製
鶏ムネ肉(国産品)のかわを取り、約25g〜35gにカットした。100gの鶏ムネ肉に対しγ−オリザノール[0.2質量%;シクロアルテノ−ルフェルラ酸エステルとして98.0質量%含有(築野ライスファインケミカルズ株式会社製)]又はフェルラ酸[0.1質量%;比較例]を添加した「水溶きタイプのから揚げ粉」を20g加え、軽く攪拌した。そこへ冷水20gを徐々に攪拌しながら加え、全体に混合し2〜3分馴染ませた。170℃に設定した大豆油又は米油で約4分フライ(油ちょう)し、鶏のから揚げを製造した。コントロールは「水溶きタイプのから揚げ粉」を用いた。
2.食味試験
(1)方法
製造した鶏のから揚げを−20℃で1、3および6ヶ月冷凍保存した。調製直後のから揚げ、並びに1、3および6ヶ月冷凍保存後に家庭用電子レンジで加熱したから揚げを、モニター30〜40名で試食を行い、以下の基準で評価した。モニター各人の評価後、全員の評価を平均した。
採点基準:
5点:衣のサクサク感及び鶏肉のジューシー感を含む食感、味、油臭等の臭いが優良
4点:衣のサクサク感及び鶏肉のジューシー感を含む食感、味、油臭等の臭いが良い
3点:衣のサクサク感及び鶏肉のジューシー感を含む食感、味、油臭等の臭いが普通
2点:衣のサクサク感及び鶏肉のジューシー感を含む食感、味、油臭等の臭いがやや悪い
1点:衣のサクサク感及び鶏肉のジューシー感を含む食感、味、油臭等の臭いが悪い
(2)結果
食味試験の結果を図1、図2に示す。冷凍保存期間が長くなるほど、食感および味・臭いの劣化が認められた。しかし、γ−オリザノールを添加したから揚げ粉を使用したから揚げでは、その食感は調製直後から評価が高く、6ヶ月保存しても食感が好ましいとの結果が得られた。また、味・臭いについても、冷凍期間中の変質が抑制された。一方、フェルラ酸を添加したから揚げ粉を使用したから揚げでは、食感、味、臭い共に評価が低い結果となった。
また、同時に米油と大豆油で比較したが、米油で揚げた方が、評価が高く、特にγ−オリザノールを添加したから揚げを米油で揚げた時のみ、6ヶ月冷凍保存しても常に評価が普通(3点)以上であった。
3.鶏のから揚げの衣の劣化抑制試験
(1)方法
上記1で製造した鶏のから揚げを−20℃で1ヶ月冷凍保存した後、自然解凍して衣と身を分取した。衣200gに対しジエチルエーテル1Lを加え、15時間暗所で浸漬した。その後、ロータリーエバポレーター(10〜25℃)にてジエチルエーテルを留去し、衣抽出油25gを得た。衣の劣化度を抽出した油の過酸化物価(POV)と油脂酸化安定度(OSI)で評価した。過酸化物価は、基準油脂分析法に記載の方法で測定した。油脂酸化安定度はOSI試験機器を用いて、120℃での油脂(5g)中に含まれる揮発物質の発生時間を測定した。なお、POVは衣油の劣化が進むほど、高値を示す。一方、OSIは衣油の劣化が進むと低値を示す。
(2)結果
結果を表1に示す。γ−オリザノールを添加したから揚げ粉を用いると、過酸化物の生成が抑制され、油脂酸化安定度が高いことが分かった。その効果はフェルラ酸を添加したから揚げ粉を用いるより顕著であった。
Figure 2007110945
4.揚げ油の劣化抑制
(1)方法
から揚げを調製した直後の揚げ油の劣化度を評価するため、揚げ油の過酸化物価(POV)と油脂酸化安定度(OSI)を測定した。過酸化物価は、基準油脂分析法に記載の方法で測定した。油脂酸化安定度はOSI試験機器を用いて、120℃での油脂(5g)中に含まれる揮発物質の発生時間を測定した。
(2)結果
から揚げ調製後の揚げ油の結果を表2に示す。POVは衣油の劣化が進むほど、高値を示す。一方、OSIは衣油の劣化が進むと低値を示す。分析の結果、フェルラ酸では効果が認められなかったが、γ−オリザノールをから揚げ粉に添加することによって、揚げ油の劣化を抑制することができた。
また、同時に米油と大豆油で比較したが、米油で揚げた方が油の劣化が少ないという結果となった。
Figure 2007110945
本発明の揚げ衣用添加剤は、揚げ衣組成物の食品添加剤として有用であり、また本発明の揚げ衣組成物は、揚げ物の衣材として有用である。
食味試験(食感)の結果を示す図である。図中、−-−○−-−はコントロールのから揚げ粉を用い大豆油で油ちょうしたから揚げを、−-−●−-−はコントロールのから揚げ粉を用い米油で油ちょうしたから揚げを、−□−はオリザノールを添加したから揚げ粉を用い大豆油で油ちょうしたから揚げを、−■−はオリザノールを添加したから揚げ粉を用い米油で油ちょうしたから揚げを、−△−はフェルラ酸を添加したから揚げ粉を用い大豆油で油ちょうしたから揚げを、黒三角はフェルラ酸を添加したから揚げ粉を用い米油で油ちょうしたから揚げを示す。 食味試験(味・臭い)の結果を示す図である。図中、−-−○−-−はコントロールのから揚げ粉を用い大豆油で油ちょうしたから揚げを、−-−●−-−はコントロールのから揚げ粉を用い米油で油ちょうしたから揚げを、−□−はオリザノールを添加したから揚げ粉を用い大豆油で油ちょうしたから揚げを、−■−はオリザノールを添加したから揚げ粉を用い米油で油ちょうしたから揚げを、−△−はフェルラ酸を添加したから揚げ粉を用い大豆油で油ちょうしたから揚げを、黒三角はフェルラ酸を添加したから揚げ粉を用い米油で油ちょうしたから揚げを示す。

Claims (4)

  1. γ−オリザノールを含有することを特徴とする揚げ衣用食品添加剤。
  2. 請求項1に記載の食品添加剤を含有することを特徴とする揚げ衣組成物。
  3. γ−オリザノールを0.05〜1質量%含有することを特徴とする請求項2に記載の揚げ衣組成物。
  4. 揚げ衣がフライ食品用の衣であることを特徴とする請求項2又は3に記載の揚げ衣組成物。
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