JP2020110129A - から揚げ缶詰の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、これまで食肉から揚げ以外の他の惣菜では存在するものの、食肉から揚げにおいてはだれも製造することのできなかったレトルトパウチ食品又は缶詰食品を提供することを課題とする。【解決手段】容器に充填するための食肉から揚げの製造方法であって、以下の工程を含むことを特徴とする製造方法。(1)大きさが15〜30mmの食肉片に衣付けする工程であって、衣材を食肉片の重量に対して10重量%より多く18重量%より少なくなるように衣付けする工程(2)食肉片の水分含量が45重量%以上55重量%以下となるように油ちょうする工程【選択図】なし

Description

本発明は、から揚げの缶詰の製造方法に関する。
から揚げは、消費者に人気の高い惣菜の1つである。従来、から揚げは、揚げたてをそのまま食したり、あるいは冷凍加工されたものを解凍したりレンジで温めなおしたりして食されていた(例えば特許文献1)。
一方、惣菜の加工方法としては、一般に、冷凍食品のほかに、レトルトパウチされた食品、缶詰食品などが知られており、液無しのさつま揚げのレトルトパウチや、液有りの魚肉油ちょう缶詰は市販されている。しかし、鶏肉から揚げなどの食肉を油ちょうした食品は、冷凍食品では存在するもののレトルトパウチや缶詰にされたものは存在しなかった。
特開2018−33346号公報
本発明は、これまで食肉から揚げ以外の他の惣菜では存在するものの、食肉から揚げにおいてはだれも製造することのできなかったレトルトパウチ食品又は缶詰食品を提供することを課題とする。
食肉から揚げのレトルトパウチや缶詰が存在しなかった理由として、以下の問題点が考えられる。
(1)レトルトパウチや缶詰にする為の殺菌工程により、肉内部の水分が衣表面に流出して、から揚げの醍醐味である衣のドライ感の減少、衣同士のくっつきやすさ、肉質の硬化という問題
(2)油で揚げることによる油の酸化による風味低下や安全性の問題、変色の問題
本発明者らは、これらの問題1つ1つを検討し、食肉から揚げの製造工程を全て見直したところ、食肉から揚げの食肉片の大きさ、衣材の量、油ちょう時の条件、缶詰又はレトルトパウチ製造時の条件を適切な条件に調整することにより、肉質が軟らかく、パサつかず、衣の適度なドライ感があり、食したときの風味が良く、見た目も良く、安全上問題の無い食肉から揚げのレトルトパウチ食品または缶詰食品を製造することに成功した。
すなわち、本発明は以下の構成を有する。
<1>容器に充填するための食肉から揚げの製造方法であって、以下の工程を含むことを特徴とする製造方法。
(1)大きさが15〜30mmの食肉片に衣付けする工程であって、衣材を食肉片の重量に対して10重量%より多く18重量%より少なくなるように衣付けする工程
(2)食肉片の水分含量が45重量%以上55重量%以下となるように油ちょうする工程
<2>容器に充填された食肉から揚げの製造方法であって、以下の工程を含むことを特徴とする製造方法。
(1)衣材で被覆され油ちょうされた食肉から揚げであって、食肉片の大きさが15〜30mmであり、衣材は、食肉片の重量に対して10重量%より多く18重量%より少なく、食肉片の水分含量は、45重量%以上55重量%以下である食肉から揚げを容器に充填する工程
(2)容器内の酸素量が7.3ml以下となるように酸素を除く工程
(3)殺菌する工程
<3>缶に充填された食肉から揚げの製造方法であって、以下の工程を含むことを特徴とする製造方法。
(1)衣材で被覆され油ちょうされた食肉から揚げであって、食肉片の大きさが15〜30mmであり、衣材は、食肉片の重量に対して10重量%より多く18重量%より少なく、食肉片の水分含量は、45重量%以上55重量%以下である食肉から揚げを容器に充填する工程
(2)缶に蓋をして真空度が30kPa以上になるように巻き締めする工程
(3)殺菌する工程
<4>容器に充填するための食肉から揚げであって、
食肉から揚げの大きさは、15〜30mmであり
衣材は、食肉片の重量に対して10重量%より多く18重量%より少なく、
食肉片の水分含量は、45重量%以上55重量%以下であることを特徴とする食肉から揚げ。
<5>容器に充填された食肉から揚げであって、
食肉から揚げの大きさは、15〜30mmであり、
衣材は、食肉片の重量に対して10重量%より多く18重量%より少なく、
容器内の酸素量が7.3ml以下であることを特徴とする容器に充填された食肉から揚げ。
<6>缶に充填された食肉から揚げであって、
食肉から揚げの大きさは、15〜30mmであり、
衣材は、食肉片の重量に対して10重量%より多く18重量%より少なく、
缶内の真空度が30kPa以上であることを特徴とする缶に充填された食肉から揚げ。
本発明の製造方法によれば、温めずに食べることの多い缶詰食品やレトルトパウチ食品であるにもかかわらず、そのままでも肉質が軟らかく、ドライ感に優れ、かつ、風味と色沢も良い食肉から揚げを提供することができた。
(から揚げ)
本発明のから揚げは、食肉に衣材を被覆して油で揚げた(油ちょうした)ものをいい、食肉に下味をつけてから衣をつけて油で揚げるもの、調味液と衣材を混ぜてからこれを食肉につけて油で揚げるもの、衣をつけて油で揚げた後に味付けするもの、いずれも含まれる。
本発明の容器に充填されたから揚げの製造方法は、典型的にはおおよそ次の工程により行われる。食肉を食肉片にカットする工程、調味液につけて味付けする味付け工程、食肉片を衣材で被覆する衣付け工程、油で揚げる油ちょう工程、容器に充填する容器充填工程、殺菌工程である。ここで、味付け工程は、味付けした衣を付けることにより衣付け工程とともに一工程とすることもできる。また、衣付け、油ちょう後に味付けを行うこともできる。
(食肉片にカットする工程)
本発明の食肉は、食用の肉であればいずれでもよく、豚肉、牛肉、鶏肉等が挙げられ、このうちでも鶏肉が好ましい。食肉は、から揚げに適した大きさ、形状にカットされて食肉片として調理される。食肉の部位は、から揚げに適した部位であればよく、鶏肉であればもも肉や胸肉が挙げられる。
食肉片のカット形状は特に制限されないが、例えば、球状、略球状、立方体状、略立方体、直方体状、略直方体状、角柱状、円柱状、角錐状、円錐状等が挙げられ、好ましくは角型であり、立方体、直方体、角柱状である。
食肉片のカットサイズは、食肉の種類に応じて適宜設定可能であるが、15mm〜30mmが好ましく、より好ましくは15mm〜20mmである。15mm未満では食したときの満足感に乏しく、30mmより大きいと缶詰やレトルトパウチ食品にした際に肉質が硬く、衣のドライ感に乏しく、また色調も茶色く暗い感じとなる為望ましくないからである。
後述する衣付け工程、油ちょう工程を経たから揚げの状態の個々の大きさもほぼ変わらない大きさである。
また、食肉片の大きさは、カットの仕方や食肉の部位により一様の形状や大きさにすることは難しく、一部が上記の大きさの範囲から逸脱するような場合もあるが容器内の大部分の食肉片が上記範囲内に含まれればよい。大部分とはおよそ7割以上であり、さらに好ましくは8割以上である。
(味付け工程)
本発明の味付け工程は、食肉片を調味液に漬け込むことで味付けすることができる。調味液には、所望の調味料、香辛料及び肉質軟化剤が含まれるが、例えば醤油、塩、旨み成分、しょうが、ニンニク、コショウなどから揚げに一般に用いられる調味料が挙げられる。肉質軟化剤としては、重曹、リン酸塩、蛋白分解酵素等が挙げられる。さらに好みに応じて、唐辛子、マヨネーズ、ソース、ケチャップ、味噌などを混ぜることもできる。調味液は、所望の味となるように適宜その組成や量を変更することが可能であるが、調味液量としては、食肉片の重量に対して5〜10重量%が挙げられ、6〜8重量%がより好ましい。
また、から揚げを容器に充填後、さらに調味液を添加して味付けすることもできる。例えば、チリソースやマヨネーズソースなどの調味液を缶内に添加して、真空巻締し、加熱殺菌することにより缶内全体に調味液成分が行き渡りから揚げにこれらの味付けをすることも可能であり、本発明の範囲に含まれる。
また、前述のとおり、味付け工程と衣付け工程は味付けした衣を調整し、その後食肉片に被覆することにより1つの工程とすることも可能である。
(衣付け工程)
本発明において衣材とは、食肉片の外表面を覆う衣の原料となる食品材料をいい、例えば、小麦粉、馬鈴薯澱粉、米澱粉、コーンスターチ等が挙げられる。その他、食品添加物の加工澱粉でも制限されない。このうちでも馬鈴薯澱粉が好ましい。
衣材には、必要に応じて、蛋白質、調味料、乳化剤、膨張剤、増粘剤、肉質軟化剤等を含有しても良い。
衣材の量は、食肉片の重量に対して10〜18重量%が好ましく、より好ましくは12〜16重量%である。
10重量%未満だと衣量が少ない為、から揚げらしさに欠け、肉内部の水分が衣表面に流出してドライ感に欠ける。また18重量%より多いと衣が多い為に粉っぽくなり、更に隣接するから揚げ同士がくっつき易くなる為である。
(油ちょう工程)
本発明の油ちょう工程の油ちょう温度及び油ちょう時間等の各条件は、食肉片の肉の種類、大きさ等に応じて適宜調整し得るが、油ちょう後、冷却して容器(缶やレトルトパウチ)に充填した後の食肉片の水分含量が45〜55重量%となる温度と時間が好ましい。より好ましくは48〜50重量%となる温度と時間である。
油ちょう時間は、長くすれば食肉片内部の水分が蒸発して、水分含量は少なくなり、また、油ちょう時間が短いと、水分含量は多くなる。また、油ちょう温度は、高くすれば食肉片内部の水分が蒸発して、水分含量は少なくなり、また、低くすれば、水分含量は多くなる。水分含量が多すぎると、肉質は軟らかいものの衣のドライ感に欠ける。また、水分含量が少なすぎると、衣のドライ感はあるものの肉質が硬くなる。
上記の水分量となる油ちょう時間としてはおおよそ1分〜3分30秒であり、より好ましくは1分20秒〜3分である。油ちょう温度は、好ましくは140〜200℃であり、より好ましくは160〜180℃である。
油ちょう回数は1回でもよく、2回以上であってもよい。
油は、油ちょうに用いられる食用油であればいずれでもよく、植物性油が好ましく、ナタネ油、ゴマ油、サラダ油、コーン油等が挙げられ、このうちでもナタネ油が好ましい。
(容器充填工程/製缶工程)
上記の製造方法で得られたから揚げを缶に充填してから揚げの缶詰を製造する方法は、少なくとも以下の3つの工程を含む。
1)缶に、から揚げを充填する工程
2)真空度が30kPaより高くなるように巻締する工程
3)殺菌する工程
缶はスチールやアルミなどの金属製の缶が用いられる。蓋は缶と同じアルミやスチールのほか、開けやすさからアルミフィルムなどを用いてもよい。缶の大きさは、通常の食品缶詰の大きさであればよく、容積で50ml〜200mlが好ましい。
缶の形状は、巻締できるものであれば特に形状は問わないが、平たい円柱状が好ましい。
本発明のから揚げを充填する容器が缶の場合、巻締工程は、缶内の真空度を30kPaより高真空にする必要がある。30kPa以下では缶内に残存する空気によりから揚げの香辛料の香りがやや弱くなる為である。真空度は、30kPaより高ければよく、45kPa以上が好ましい。
高真空は、真空巻締機を使って所定の高真空になるように、缶内の空気を抜いて高真空とする。または、スチームフローを使って高真空にすることも可能である。
殺菌工程は、常法に従う。具体的には、容器を密封した後、レトルト殺菌機にて118〜125℃で25〜85分間加熱殺菌することができる。熱媒体は、蒸気、熱水等問わない。殺菌工程は、殺菌時の色焼け等を防止する為、なるべく高温短時間で処理することが好ましい。殺菌処理の後は、冷却する。
(容器充填工程/レトルトパウチ工程)
上記の製造方法で得られたから揚げをレトルトパウチに充填してから揚げのレトルトパウチを製造する方法は、少なくとも以下の3つの工程を含む。
1)レトルトパウチに、から揚げを充填する工程
2)レトルトパウチ内の酸素量を7.3ml以下としてシールする工程
3)殺菌する工程
レトルトパウチは、酸素や光の影響を受けにくいアルミ層入りのパウチを用いることが一般的だが、透明パウチでも問わない。大きさは、横90〜140mm、縦100〜180mm程度が好ましい。本明細書中、レトルトパウチ及びパウチは、レトルト食品を製造するための食品を入れる小さい袋を意味し、レトルト食品は、加熱殺菌した食品を意味する。
レトルトパウチ内の酸素量を7.3ml以下とする手段としては、窒素ガスをパウチ内部にフローして空気を追い出す方法が一般的であるが他の公知の方法も使用できる。
酸素量は、7.3ml以下が好ましく、さらに好ましくは5.4ml以下である。7.3mlを超えると香辛料の香りがやや弱く、また、残存した酸素によって長期保存の間に油の酸化が起きるおそれがあるからである。
殺菌工程は、常法に従う。具体的には、容器を密封した後、レトルト殺菌機にて118〜125℃で25〜85分間加熱殺菌することができる。熱媒体は、熱水シャワー、蒸気等問わない。殺菌工程は、殺菌時の色焼け等を防止する為、なるべく高温短時間で処理することが好ましい。殺菌処理の後は、冷却する。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明の範囲は、これらの実施例の内容に限定されるものではない。
〔実施例1〕容器に充填されたから揚げの製造方法(カットサイズの調整)
1.容器に充填する為の鶏肉から揚げの製造方法
1−1.材料の仕込み工程
冷凍鶏肉を解凍し、表1に示すカットサイズになるようにカットして食肉片とした。食肉片に調味液(醤油、食塩、しょうが、にんにく、コショウ、重曹等からなる調味液)を添加して均一に混合した後、冷蔵にて漬け込み(16時間程度)を行い、味付け肉とした。調味液の量は、食肉片の重量に対して7重量%とした。
衣材となる馬鈴薯澱粉の重量が食肉片の重量に対して、表2になるように衣付けし、衣付け肉とした。この際、調味液と衣材を混合してバッター液として、食肉片にバッター液を付けて、味付け工程と衣付け工程を同一工程で行い、衣付け肉としても良い。
1−2.油ちょう工程
衣付け肉を、放冷後の水分含量が表3になるように、揚げ温度160℃で、揚げ時間を調整してナタネ油で油ちょうした。その後、放冷しながらしっかりと油切りして鶏肉から揚げを製造した。
2.容器に充填された鶏肉から揚げの製造方法
2−1.材料の詰込み工程
鶏肉から揚げを直径75mm、高さ30mmの円柱型の缶に50g肉詰した。
2−2.巻締工程
肉詰した缶詰を減圧し、殺菌後の真空度が45kPa以上になるように巻締した。
2−3.殺菌工程
巻締した缶詰を、レトルト殺菌機にて122℃で34分間蒸気殺菌し、冷却することで鶏肉から揚げ缶詰を得た。
3.評価方法
専門のパネラー(3名)が鶏肉から揚げ缶詰を評価した。評価基準を以下に示す。
3名の評価は、多数決により平均評価結果とした。すなわち、2名対1名の異なる評価の場合には、2名の評価結果を平均評価結果として採用し(例:△、△、〇の場合は△,〇、〇、◎の場合は、〇)、3名ぞれぞれが異なる結果の場合は、中間評価を(例◎、△、×のケースでは△)を平均評価結果として採用した。
(1)肉質の評価
食感により肉質を評価した。評価基準を以下に示す。
<肉質の評価基準>
◎適度に軟らかい
○やや硬い
△硬い
×硬くパサツク
(2)衣のドライ感の評価
官能検査によりドライ感を評価した。評価基準を以下に示す。
<衣のドライ感の評価基準>
◎ドライ感がある
○ややしっとりしているがドライ感がある
△やや水っぽくドライ感が弱い
×水っぽく全くドライ感がない
(3)衣の色調の評価
目視により色調を評価した。評価基準を以下に示す。
<衣の色調の評価基準>
◎白っぽく明るい
○やや茶色い
△茶色い
×茶色く暗い
(4)くっ付き易さの評価
目視及び、触っての物性によりくっ付き易さを評価した。評価基準を以下に示す。
<くっ付き評価基準>
◎から揚げ同士のくっ付きがほとんどない
○から揚げ同士のくっ付きがややある
△から揚げ同士のくっ付きが多くあるが、簡単に離すことができる
×から揚げ同士のくっ付きが多くあり、かつ簡単に離すことができない
(5)香りの評価
官能検査により香りを評価した。評価基準を以下に示す。
<香りの評価基準>
◎香辛料の香りが残っている
○香辛料の香りがやや残っている
△香辛料の香りがやや弱い
×香辛料の香りが弱い
(6)油の酸化臭の評価
官能検査により油の酸化臭を評価した。評価基準を以下に示す。
<油の酸化臭の評価基準>
◎酸化臭が全くしない
○酸化臭がほとんどしない
△酸化臭が少しする
×酸化臭がする
(7)総合評価
肉質、衣のドライ感、衣の色調、くっ付き易さ、香り、油の酸化臭を総合し、総合評価を行った。
評価基準を以下に示す。
<総合評価基準>
◎:最低評価が◎である
○:最低評価が○である
△:最低評価が△である
×:最低評価が×である
4.評価結果
鶏肉の食肉片のサイズを変更した場合の肉質、衣のドライ感、衣の色調、総合評価を表1に示す。
本結果によれば、肉質はカットサイズ40〜50mm角では硬く、30mm角ではやや硬く、15〜20mm角では適度に軟らかさがあった。
衣のドライ感はカットサイズ40〜50mm角では水っぽく全くドライ感がなく、30mm角ではややしっとりしているがドライ感があり、15〜20mm角ではドライ感があった。
衣の色調はカットサイズ40〜50mm角以上では茶色く暗く、30mm角ではやや茶色く、15〜20mm角では白っぽく明るかった。
以上より、食肉片のサイズは15〜30mm角が好ましく、より好ましくは15〜20mm角であった。
カットサイズが小さいと重量に対しての表面積が大きくなり、付着する衣材の重量%が多くなる。逆にカットサイズが大きいと重量に対しての表面積が小さくなり、付着する衣材の重量%が少なくなる。衣材の重量%が少ないとから揚げらしさに欠け、肉内部から流出した水分を吸水しにくくなりドライ感がなくなる。また、カットサイズが大きいと同水分含量にする為に油ちょう時間が延び、表面の色が茶色くなり、肉質も硬くなる傾向にある。
Figure 2020110129
[実施例2]容器に充填されたから揚げの製造方法(衣材の量の調整)
1.容器に充填する為の鶏肉から揚げの製造方法及び評価方法
実施例1において、衣材の量を表2に示すように8〜20重量%に変更した以外は、表1のD水準と同様に試験を行った。
2.評価結果
衣材の量を変更した場合の肉質、衣のドライ感、くっ付き易さ、総合評価結果を表2に示す。
本結果によれば、肉質は衣材が8〜10重量%ではやや硬く、12重量%以上では適度に軟らかさがあった。
衣のドライ感は、衣材が8重量%では水っぽく全くドライ感がなく、10重量%ではやや水っぽくドライ感が弱く、12重量%ではややしっとりしているがドライ感があり、14〜20重量%ではドライ感があった。
くっ付き易さは、衣材が20重量%では、から揚げ同士のくっ付きが多くあり、かつ簡単に離すことができなかった、18重量%ではから揚げ同士のくっ付きが多いが、簡単に離すことができ、16重量%ではから揚げ同士のくっ付きがややあり、8〜14重量%ではから揚げ同士のくっ付きがほとんどなかった。
以上より、衣材は、10〜18重量%が好ましく、より好ましくは12〜16重量%であった。
Figure 2020110129
[実施例3]容器に充填されたから揚げの製造方法(水分含量の調整)
1.容器に充填する為の鶏肉から揚げの製造方法及び評価方法
実施例1において、から揚げ肉の水分含量を表3に示す44〜56重量%になるように油ちょう時間を変更した以外は、表1のD水準と同様に試験を行った。
2.評価結果
水分含量(油ちょう時間)を変更した場合の肉質、衣のドライ感、衣の色調、総合評価結果を表3に示す。
本結果によれば、肉質は、水分含量44重量%では硬くパサツキ、45重量%では硬く、48〜56重量%では適度な軟らかさがあった。
衣のドライ感は56重量%では水っぽく全くドライ感がなく、52〜55重量%ではやや水っぽくドライ感が弱く、44〜50重量%ではドライ感があった。
衣の色調は、44重量%では茶色く、45重量%ではやや茶色く、48〜56重量%では白っぽく明るかった。
以上より、水分量は45〜55重量%が好ましく、より好ましくは48〜50重量%であった。
Figure 2020110129
[実施例4]容器に充填されたから揚げの製造方法(容器内真空度の調整)
1.容器に充填された鶏肉から揚げの製造方法及び評価方法
実施例1において、真空度を表4に示すように10〜60kPaに変更した以外は、表1のD水準と同様に試験を行った。
2.評価結果
真空度を変更した場合の翌日開缶時の香り、油の酸化臭、総合評価結果を表4に示す。
本結果によれば、香りは10kPaでは香辛料の香りが弱く、20kPaでは香辛料の香りがやや弱く、30〜40kPaでは香辛料の香りがやや残っており、45〜60kPaでは香辛料の香りが残っていた。油の酸化臭は、10〜60kPaで全くしなかった。
以上より、真空度は30kPa以上が好ましく、より好ましくは45kPa以上であった。なお、上記の試験により製造した缶詰を35℃で3ヶ月間保存した後も、水準C〜Gについては香辛料の香りも残っており、油の酸化臭もほとんどせず、好ましいものであった。
Figure 2020110129
[実施例5]容器に充填されたから揚げの製造方法(容器内残存酸素量の調整)
1.容器に充填された鶏肉から揚げの製造方法及び評価方法
実施例1において、1.缶詰又はレトルトパウチに充填する為の鶏肉から揚げの製造方法及び、3.評価方法は同様に試験を行い、「2.容器に充填された鶏肉から揚げの製造方法」は以下の条件にて試験した。
2.容器に充填された鶏肉から揚げの製造方法
2−1.材料の詰込み工程
鶏肉から揚げをサイズ横120×高さ140mm×底部幅34mmのスタンディングパウチに50g肉詰した。
2−2.密封工程
肉詰したスタンディングパウチに、パウチ内の残存エア量が100ml程度で、かつ酸素量が表5に示すような酸素量になるように窒素フローしてシールして密封した。
2−3.殺菌工程
レトルトパウチを、レトルト殺菌機にて121℃で48分間熱水シャワー殺菌し、冷却することで鶏肉から揚げのレトルトパウチを製造した。
3.評価結果
酸素量を変更した場合の翌日開封時の香り、油の酸化臭、総合評価結果を表5に示す。
本結果によれば、香りは、残存酸素量9.1mlでは、香辛料の香りがやや弱く、7.3mlでは香辛料の香りがやや残っており、1.0〜5.4mlでは香辛料の香りが残っていた。油の酸化臭は、1.0〜9.1mlで全くしなかった。
以上より、レトルトパウチ内の残存酸素量は1.0〜7.3mlが好ましく、より好ましくは1.0〜5.4mlであった。なお、上記の試験により製造したレトルトパウチを35℃で3ヶ月間保存した後も、水準B〜Fについては香辛料の香りも残っており、油の酸化臭もほとんどせず、好ましいものであった。
Figure 2020110129
本発明の製造方法によれば、缶詰やレトルトパウチのから揚げであるにもかかわらず、肉質が柔らかく、ドライ感に優れ、かつ、風味と色沢も良い食肉から揚げを提供することができる。

Claims (6)

  1. 容器に充填するための食肉から揚げの製造方法であって、以下の工程を含むことを特徴とする製造方法。
    (1)大きさが15〜30mmの食肉片に衣付けする工程であって、衣材を食肉片の重量に対して10重量%より多く18重量%より少なくなるように衣付けする工程
    (2)食肉片の水分含量が45重量%以上55重量%以下となるように油ちょうする工程
  2. 容器に充填された食肉から揚げの製造方法であって、以下の工程を含むことを特徴とする製造方法。
    (1)衣材で被覆され油ちょうされた食肉から揚げであって、食肉片の大きさが15〜30mmであり、衣材は、食肉片の重量に対して10重量%より多く18重量%より少なく、食肉片の水分含量は、45重量%以上55重量%以下である食肉から揚げを容器に充填する工程
    (2)容器内の酸素量が7.3ml以下となるように酸素を除く工程
    (3)殺菌する工程
  3. 缶に充填された食肉から揚げの製造方法であって、以下の工程を含むことを特徴とする製造方法。
    (1)衣材で被覆され油ちょうされた食肉から揚げであって、食肉片の大きさが15〜30mmであり、衣材は、食肉片の重量に対して10重量%より多く18重量%より少なく、食肉片の水分含量は、45重量%以上55重量%以下である食肉から揚げを缶に充填する工程
    (2)缶に蓋をして真空度が30kPa以上になるように巻き締めする工程
    (3)殺菌する工程
  4. 容器に充填するための食肉から揚げであって、
    食肉から揚げの大きさは、15〜30mmであり
    衣材は、食肉片の重量に対して10重量%より多く18重量%より少なく、
    食肉片の水分含量は、45重量%以上55重量%以下であることを特徴とする食肉から揚げ。
  5. 容器に充填された食肉から揚げであって、
    食肉から揚げの大きさは、15〜30mmであり、
    衣材は、食肉片の重量に対して10重量%より多く18重量%より少なく、
    容器内の酸素量が7.3ml以下であることを特徴とする容器に充填された食肉から揚げ。
  6. 缶に充填された食肉から揚げであって、
    食肉から揚げの大きさは、15〜30mmであり、
    衣材は、食肉片の重量に対して10重量%より多く18重量%より少なく、
    缶内の真空度が30kPa以上であることを特徴とする缶に充填された食肉から揚げ。
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