JPH07250643A - 野菜類の調理方法 - Google Patents

野菜類の調理方法

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JPH07250643A
JPH07250643A JP6065450A JP6545094A JPH07250643A JP H07250643 A JPH07250643 A JP H07250643A JP 6065450 A JP6065450 A JP 6065450A JP 6545094 A JP6545094 A JP 6545094A JP H07250643 A JPH07250643 A JP H07250643A
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 野菜類を40〜70℃の温度で油脂類を使用
せずに炒めることからなる野菜類の調理方法、該方法に
より得られた調理野菜類及びその調理野菜を用いて製造
された容器詰め調理食品。 【効果】 本発明の方法によって野菜類を調理した場合
には、野菜類の焦げや加熱容器への付着、形崩れを生ず
ることなく、野菜類の生臭みを除去してうま味を引出す
ことができ、かかる調理野菜類はレトルト食品等に用い
ても形崩れがなく、しかも本発明の方法では野菜類を炒
めるのに油脂類を使用しないので油脂含量の少ない調理
野菜を得ることができ、この調理野菜を用いると油脂含
量の少ないヘルシーな食品を得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は野菜類を調理する方法に
関する。詳細には、野菜類を形崩れや焦げなどを生ずる
ことなく炒めて、その生臭みをなくすと共にうま味を引
き出すことのできる野菜類の調理方法、該方法により得
られた調理野菜類、並びに該調理野菜類を用いて製造さ
れた容器詰め調理食品に関する。
【0002】
【従来の技術】ミートソース、ボンゴレソース、カレ
ー、シチュー、野菜類の五目煮(うま煮)、酢豚などの
調理ずみの食品を缶、レトルトパウチ、瓶などの容器に
充填して密封した容器詰め調理食品としては、高温・高
圧下で加熱殺菌して得られる加工食品(レトルト食
品)、湯殺菌などの低温で加熱殺菌して得られる食品、
上記したミートソースなどの調理ずみの食品を冷凍して
得られる冷凍食品などがある。これらの食品は、長期保
存が可能であり、しかも必要なときに容器を開いて中身
を取り出すだけで、または解凍するだけでそのまま直ち
に使用可能であるところから、女性の社会進出などとも
相俟って近年その需要が大幅に延びている。そしてこれ
らの食品では、玉葱、ニンジン、ジャガ芋、その他の野
菜類が多く用いられているが、その調理法としては、野
菜類を油脂を用いて高温で炒めて生臭みを消したり、う
ま味を引き出した後に、それを肉やその他の材料、スー
プなどと一緒にして煮込む方法が一般に採用されてい
る。
【0003】その場合に、油脂を使用して野菜類を炒め
ることによって加熱容器(調理具)への野菜類の付着や
焦げはある程度防ぐことができるが、一般に野菜類の炒
め処理に高温(通常75℃以上の温度)が使用されるた
めに、加熱容器への野菜類の付着や焦げを完全には防止
できず、炒め時間や炒め温度が多少オーバしただけで焦
げや加熱容器への付着が生ずるという欠点がある。ま
た、焦げや加熱容器への付着が生じない場合であって
も、炒め過ぎになり易く、例えば玉葱、ジャガ芋、カボ
チャなどのように物性が弱く、崩れ易い野菜の場合は、
炒め処理によって組織が脆弱化して形崩れなどを生じ、
それが煮込み工程、加熱殺菌処理、冷凍工程などを経る
ことによって一層の形崩れを生じて、食品の食感が低下
すると共に外観的にも劣ったものとなり、商品価値の低
下を招き易い。また、比較的形崩れのしにくい、例えば
ニンジン、ゴボウ、レンコンなどの野菜類の場合には、
特有の良好な歯ごたえが失われて、それを用いた食品の
食感の低下を招き易い。
【0004】また、栄養過多の防止、成人病の予防など
の点から、油脂類の摂取量を減らすことが近年広く求め
られるようになっており、このことは加工食品において
も例外ではないが、上記したような従来の加工食品や冷
凍食品などでは、油脂類を用いて高温で炒めた野菜類を
使用していることにより、食品中の油脂分の含有量が必
然的に高くなっており、油脂分の含有量が少なくて、カ
ロリーの低いヘルシーな食品を求める消費者の要望に合
致しないものとなっている。
【0005】一方、炒め過ぎによる野菜類の焦げや形崩
れを回避したり、油脂含有量の低減を図るために、上記
したミートソースやその他の加工食品の製造に際して、
野菜類を油で炒めずに、直接そのまま他の材料と一緒に
煮込んで使用することも考えられるが、その場合には調
理ずみの食品に野菜類の生臭みがそのまま残留し、その
においが加熱殺菌処理や冷凍処理などによって一層不良
なにおいに変化して、得られる食品の食感が不良にな
り、商品価値の低下を招く。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、近年
普及している上記したミートソース、カレーなどの各種
の容器詰め調理食品を製造するに当たって、そこで使用
する野菜類の炒め過ぎによる焦げや形崩れなどが生じな
いようにしながら、野菜類の生臭みを消し且つ野菜類の
うま味を引き出すことのできる野菜類の調理方法を提供
することである。更に本発明の目的は、従来よりも油脂
含有量が少なくて、低カロリーでヘルシーな容器詰め調
理食品を製造することのできる野菜類の調理方法を提供
することである。そして、本発明の目的は、そのような
調理方法により得られた調理野菜類、およびそれを用い
た容器詰め調理食品を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成すべく
本発明者らが検討を重ねたところ、ミートソースやカレ
ーなどの容器詰め調理食品に用いる野菜類を、油脂類を
使用せずに特定の低温で炒める(空炒りする)と、野菜
類の焦げ、形崩れなどを生ずることなく、その生臭みを
消すことができ、且つ野菜類のうま味を充分に引き出す
ることができることを見出した。そして本発明者らは、
そのようにして炒めて得られた調理野菜類を用いて容器
詰め調理食品を製造すると、その調理野菜類は煮込みや
加熱殺菌処理や、冷凍処理などによって形崩れが生じ
ず、良好な形状を保って、食品に野菜類のほどよい歯ご
たえのある変化に富んだ良好な食感と、良好な外観を付
与することができることを見出した。更に、それにより
得られた容器詰め調理食品は、油脂の含有量が従来より
も少ないために、油っぽくなくて口当たりがよく、低カ
ロリーでヘルシーなものになることが判明した。
【0008】すなわち、本発明は、野菜類を40〜70
℃の温度で油脂類を使用せずに炒めることを特徴とする
野菜類の調理方法である。そして、本発明は、上記の炒
め方法により得られた調理野菜類、および該調理野菜類
を用いて製造された容器詰め調理食品を包含する。
【0009】本発明の調理方法は、従来から炒めてから
料理に使用されている野菜類のいずれに対しても使用す
ることができ、例えば玉葱、ニンジン、ジャガ芋、里
芋、カボチャ、セロリ、ピーマン、マッシュルーム、シ
メジ、エノキダケ、椎茸、キクラゲ、トウモロコシ、グ
リンピース、サヤエンドウ、タケノコ、レンコン、ゴボ
ウ、大根、白菜、チンゲン菜、ブロッコリー、カリフラ
ワー、ネギなどを挙げることができる。上記した野菜類
のうちでも、本発明の調理方法は、玉葱、ニンジン、ジ
ャガ芋、ニンニク、セロリなどの野菜類の炒め方法とし
て特に適しており、これらの野菜類を本発明の方法によ
り調理した場合には、焦げや形崩れを生ずることなく、
生臭みをなくしてそのうま味を充分に引き出すことがで
きる。
【0010】本発明の方法を行うに当たっては、上記し
た野菜類のうちの1種のみを単独で炒めても、2種以上
を一緒にして炒めてもよい。複数種類の野菜類を炒める
場合であって、炒めようとする該複数の野菜の火の通り
かたに大きな差がある場合は、一緒に炒めずにそれぞれ
の野菜類を別々に炒めるのがよく、また火の通りかたが
ほぼ同じ野菜類の場合は一緒に炒めると、炒め工程を簡
単にすることができる。
【0011】そして本発明では、油脂類を使用しないで
野菜類を40〜70℃の温度で炒めることが必要であ
り、油脂類を用いずに50〜60℃の温度で炒めるのが
より好ましい。炒め温度が40℃よりも低いと、野菜類
中に含まれる揮発成分を充分に発散させることができな
くなって生臭みを除くことができなくなり、しかも生臭
みを消すためには調理処理に長い時間を要するようにな
り、その結果野菜類が水っぽくなってうま味が失われ
る。一方、炒め温度が70℃よりも高いと、野菜類の過
熱を生じて、野菜類の組織や性質の変化が大きくなり、
味の低下、形崩れなどを生じ易くなる。また、70℃よ
りも高い温度において野菜類の形崩れを防止するために
短時間炒めた場合には、野菜類の生臭みがなくならず、
しかもうま味を充分に引き出すことができない。
【0012】そして本発明では、上記した炒め処理を行
うに当たって、油脂類を使用しないことが重要であり、
それによって野菜類の表面に油脂類の膜が形成されず、
生臭みの原因となる揮発性成分の発散を速やかに且つ充
分に行うことができる。しかも、油脂類を用いずに炒め
処理を行うことによって、本発明の調理野菜を用いた場
合には、油脂含有量の低減されたカロリーの低いヘルシ
ーな食品を製造することができる。
【0013】炒め時間は、炒める際の温度、野菜類の種
類、野菜類の大きさ(カットサイズ)、炒める野菜類の
量などに応じて適宜調節することが必要であるが、一般
に約5〜10分程度とするのが好ましい。例えば、約5
〜10mmの大きさにカットした玉葱を40〜70℃の
温度で約5〜10分炒めると、形崩れや焦げを生ずるこ
となく、玉葱の生臭みを完全に除去し、且つうま味(甘
み)を充分に引き出すことができる。そして、このよう
にして炒めた玉葱をミートソースなどの食品の製造に用
いた場合には、その後の煮込み処理や加熱殺菌処理を行
っても形崩れが生じず、食品に良好な歯ごたえ、食感、
外観などを付与することができる。また、例えば約5〜
10mmの大きさにカットしたニンジンの場合は、40
〜70℃の温度で約10〜15分間炒めるのがよく、そ
れによって生臭みが完全に除かれ、しかもニンジン特有
のまろやかな甘みを充分に引き出すことができる。そし
てそのようにして炒めたニンジンを容器詰め調理食品の
製造に用いると、形崩れがなく、その良好な形状を保ち
つつ食品に赤い豊かな色彩と適度な歯ごたえを付与する
ことができる。
【0014】炒め温度を40〜70℃に調節する方法や
手段は特に制限されず、炒め処理を行う際に野菜類の品
温を40〜70℃に保ち得ちながら、野菜類を均一に加
熱して炒めることのできる方法および手段であればいず
れでもよい。限定されるものではないが、野菜類の炒め
方法の具体例としては、 (i)蒸気加熱、ガス火加熱、電気加熱、湯せん加熱、
油せん加熱などの加熱手段によって外部から加熱できる
加熱容器または加熱容器壁に適当な加熱手段を組み込ん
で加熱容器に適当な大きさにカットした野菜類を入れ、
加熱温度を自動的に制御したりまたは手動で調節しつ
つ、加熱容器内に設けた撹拌装置で野菜を撹拌しながら
または加熱容器を転動、揺動、振動などによって動かし
て加熱容器内の野菜を動かしながら、野菜類の品温を4
0〜70℃に保って加熱して炒め方法; (ii)加熱容器に適当な大きさにカットした野菜を入
れ、加熱容器内に設けた撹拌装置で野菜を撹拌しながら
または加熱容器を転動、揺動、振動などによって動かし
て加熱容器内の野菜を動かしながら、加熱容器内の野菜
類の品温を40〜70℃にするのに適する温度の蒸気や
熱風を加熱容器内に吹き込んで炒める方法;などを挙げ
ることができる。
【0015】そして、上記した(i)の炒め方法を採用
する場合は、加熱容器を密閉式として炒め処理が終了し
た後に加熱容器を開いて野菜類から発生した揮発成分や
水分などを逃がすようにしても、または加熱容器から野
菜類がこぼれないようにしながら加熱容器を開放式また
は一部開放式にして炒め処理時に野菜類から発生した揮
発成分や水分などを容器外に逃がしながら炒め処理を行
ってもよい。また、野菜類の炒め処理はバッチ式で行っ
てもまたは連続式で行ってもよく、最終的な食品の製造
工程等との関係でいずれかを採用すればよい。
【0016】上記のようにして得られた炒め野菜(調理
野菜)は、そのまま包装してまたは冷凍処理や加熱殺菌
処理をして、炒め野菜類として流通、販売することがで
きる。その場合には、この炒め野菜を購入して使用する
と、該炒め野菜の種類などに応じてミートソース、ボン
ゴレソース、カレー、シチュー、野菜類等の五目煮(う
ま煮)、酢豚、ハンバーグ、肉団子、肉まん、春巻、牛
丼の具やその他の食品を、それぞれの工場、飲食店、商
店、家庭などで極めて簡単に短時間に製造することがで
きる。
【0017】また、本発明の調理方法は、上記したミー
トソースやその他のレトルト食品、冷凍食品、冷蔵食品
等の容器詰め調理食品を工場などで製造する際の野菜類
の炒め処理工程として組み込んでもよく、その場合に
は、野菜類を形崩れ、焦げなどを生ずることなく炒め
て、生臭みをなくすと共にうま味を引き出すことがで
き、食感、風味、外観などに優れた容器詰め調理食品を
得ることができ、したがって本発明は本発明の方法によ
り得られた調理野菜類を使用して製造された容器詰め調
理食品を包含する。
【0018】本発明の方法で得られる調理野菜類を使用
してミートソース、ボンゴレソース、カレー、シチュ
ー、野菜類等の五目煮(うま煮)、酢豚やその他の容器
詰め調理食品を製造する場合は、その炒め処理工程を上
記した本発明の方法で行う限りは、他の点は何ら制限さ
れず、例えば食品の種類、それに用いる原料の種類や配
合割合、調理方法、加熱殺菌処理方法、冷凍方法などは
いずれでもよく、従来既知の方法を採用することができ
る。限定されるものではないが、例えば本発明の調理方
法により得られる炒め玉葱を使用してレトルトパックさ
れたスパゲッティ用のミートソースを製造する場合は、
炒め玉葱に、別に炒めておいたひき肉を加え、これにミ
ートソース用の調味料、香辛料、小麦粉ルーおよび水な
どを加えて10〜30分かけて品温90〜97℃にまで
加熱調理してミートソースを製造し、これをレトルトパ
ックに充填して密封した後、温度120℃で高温・高圧
下に加熱殺菌処理することによりミートソースを得るこ
とができる。
【0019】以下に本発明を実施例などにより具体的に
説明するが、本発明はそれにより限定されない。以下の
例において、炒め処理により得られた炒め野菜の焦げ、
形崩れの度合い、食味・食感(生臭みと味)、並びにそ
れを用いてレトルト食品を製造した際の炒め野菜の形崩
れの度合いとレトルト食品の食味・食感は、下記の表1
に示す評価基準にしたがって5名のパネラーに点数評価
してもらい、その平均値を採った。
【0020】
【表1】
【0021】《実施例 1》 (1) 蒸気により調理釜内壁を外部から加熱できるよ
うになっているジャケット付きの調理釜[梶原工業
(株)製]に細断した玉ネギ(約6.5mm径)400
kgを入れて、下記の表2に示す温度の水蒸気を調理釜
のジャケット内に導入して、表2に示す炒め温度(品
温)および炒め時間で玉葱の炒め処理(空炒り)を行っ
た。炒め処理後に釜を開いて揮発成分を完全に放出させ
て調理玉葱を取り出した。得られた調理玉葱の品質に関
して、その焦げ、形崩れの度合いおよび食味・食感を上
記した方法によってパネラーにより評価してもらったと
ころ、下記の表2に示すとおりの結果であった。
【0022】(2) 合挽肉150kgを予め油で炒め
ておき、これに上記の(1)で製造した炒め玉葱200
kgをそれぞれ加え、更に細断したニンジン(約5mm
径)100kgを上記(1)で使用したのと同様の調理
釜を用いて40〜70℃の温度で15分間炒め処理(空
炒り)したもの、適量の調味料、香辛料および焼成小麦
粉を加えて、20分間かけて90℃まで加熱してスパゲ
ッティ用のミートソースを製造した。このミートソース
をレトルトパウチに1袋当たり140gの割合で充填し
て密封した後、温度130℃(品温127℃)で12分
間加熱殺菌処理して、レトルトパックしたミートソース
を製造した。得られたレトルトパックしたミートソース
を開封して、ミートソース中の炒め玉葱の形崩れの度合
いおよびミートソースの食味・食感を上記した方法によ
ってパネラーにより評価してもらったところ、下記の表
2に示すとおりの結果であった。
【0023】
【表2】
【0024】上記表2の結果から、玉葱の品温を40〜
70℃の範囲に保って炒め処理を行っている実験番号
〜では、玉葱の生臭みがなくなると共にうま味が引き
出され、しかも適度な歯ごたえのある食感の良好な炒め
玉葱が、形崩れや焦げを生ずることなく得られること、
そしてこの炒め玉葱を用いてレトルトパックしたミート
ソースを製造した場合には加熱殺菌処理を施してもミー
トソース中で玉葱の形崩れが生じず、炒め玉葱がそのま
ま固形状でミートソース中に残存して、ミートソースに
良好な食感を付与できることがわかる。
【0025】これに対して、玉葱の炒め温度(品温)が
40℃よりも低い実験番号の場合は、玉葱の生臭みを
除くことができず、しかもそこで得られた炒め玉葱はう
ま味がなく、硬く不良な食感であること、そしてこの実
験番号の炒め玉葱を用いて製造されたレトルトパック
されたミートソースは、玉葱によって生臭くなってお
り、しかも玉葱が硬過ぎて食感が不良であることがわか
る。また、35℃で20分間炒め処理を行った実験番号
の場合は、長時間の加熱により玉葱の生臭みはほぼな
くなるものの、玉葱のうま味が引き出せず、水っぽくて
歯ごたえのない不良な食感になることがわかる。
【0026】また、70℃よりも高い炒め温度(品温)
を採用している実験番号〜の場合は、玉葱の形崩れ
が大きくなり、しかも歯ごたえのない不良な食感になる
こと、そしてその炒め玉葱を用いてレトルトパックされ
たミートソースを製造した場合は、玉葱の形崩れが一層
大きくなって、ミートソース中で固形状をほとんど保つ
ことができず、玉葱の歯ごたえが失われていて、ミート
ソースの食感が単調で不良なものとなることがわかる。
更に、95℃の高い炒め温度を使用している実験番号
の結果からは、炒め油を用いずにこのような高い炒め温
度を使用すると、野菜(玉葱)が加熱容器に付着して焦
げを生じ炒め作業を円滑に行うことができないことがわ
かる。
【0027】《実施例 2》 (1) 蒸気により調理釜内壁を外部から加熱できるよ
うになっているジャケット付きの調理釜[梶原工業
(株)製;横型ニーダー]に、細断したニンジン(20
×10×10mm)100kgを入れて、調理釜の蓋を
閉じて40〜70℃の温度で15分間加熱して炒め処理
(空炒り)を行った後、調理釜の蓋を開けて揮発成分を
発散させた。 (2) 上記(1)で使用したのと同じ調理釜に、くし
切りした玉葱100kgを入れて、調理釜の蓋を閉じて
40〜70℃の温度で10分間加熱して炒め処理(空炒
り)を行った後、調理釜の蓋を開けて揮発成分を発散さ
せた。 (3) 上記(1)で使用したのと同じ調理釜に、細断
したジャガ芋(20×10×10mm)100kgを入
れて、調理釜の蓋を閉じて40〜70℃の温度で5分間
加熱して炒め処理(空炒り)を行った後、調理釜の蓋を
開けて揮発成分を発散させた。 (4) 上記(1)で使用したのと同じ調理釜に、グリ
ンピース100kgを入れて、調理釜の蓋を閉じて40
〜70℃の温度で5分間加熱して炒め処理(空炒り)を
行った後、調理釜の蓋を開けて揮発成分を発散させた。
【0028】(5) レトルトパウチに、上記(1)で
得られた炒めニンジン3個、上記(2)で得られた炒め
玉葱20g、上記(3)で得られた炒めジャガ芋3個、
上記(4)で得られた調理グリンピース10gおよび予
め別に炒めておいた牛肉片3個(1片約5g)を入れ、
更に牛乳、生クリーム、調味料、香辛料および焼成小麦
粉を用いて製造しておいたソースを加えて全体量を25
0gにしてレトルトパウチを密封した。これを、温度1
25℃(品温123℃)で28分間加熱殺菌処理してレ
トルトパウチ入りのクリームシチューを製造した。 (6) 上記(5)で得られたレトルトパウチ入りのク
リームシチューを開封して、クリームシチュー中の調理
野菜類の焦げおよび形崩れの度合い、クリームシチュー
の食味・食感を上記の表1に示した評価基準にしたがっ
てパネラーにより評価してもらったところ、野菜類に焦
げがなく(評価点数ほぼ3点)、形崩れもなく(評価点
数ほぼ3点)、しかも生臭みがなくて食味および食感が
良好であり(評価点数ほぼ3点)、商品価値の高いクリ
ームシチューが得られた。
【0029】《実施例 3》 (1) ガス火により釜下部より加熱する方式の調理釜
[クマノ厨房工業(株)製]に、細切りしたニンジン
(2×2×40mm)10kgを入れて、40〜70℃
の温度で2分間加熱して炒め処理(空炒り)を行ったと
ころに、約2mm幅に細切りしたピーマン10kgを入
れて続けて同じ温度で2分間加熱して炒め処理を行い、
これに更に細断したキャベツ(6×6mm)5kgおよ
び適量の細切りしたタケノコ(3×3×40mm)、3
mm幅に細切りした椎茸を入れて続けて40〜70℃の
温度で5分間加熱して炒め処理を行った。 (2) 別に炒めておいた適量の細切りした豚肉(5×
5×40mm)、調味料および香辛料を上記(1)の炒
め野菜に加え、再度70℃まで加熱し、これに水800
gに片栗粉800gを溶いたものを加えてよく混合し、
続けて70℃で2分間加熱調理して、春巻用の具を製造
した。
【0030】(3) 上記(2)で得られた春巻用の具
を調理釜より取り出して、春巻の皮で1本当たり50g
の割合で包んで春巻を製造した。プラスチック袋に1袋
当たり5本の割合でこの春巻を入れて密封し、冷凍して
冷凍春巻を得た。得られた冷凍春巻を常温に6時間放置
して解凍した後、プラスチック袋より取り出して、14
0℃に加熱したサラダ油できつね色になるまで揚げた。 (4) 上記(3)で得られた春巻中の調理野菜類の焦
げ具合および形崩れの度合い、春巻の食味・食感を上記
の表1に示した評価基準にしたがってパネラーにより評
価してもらったところ、野菜類に焦げおよび生臭みがな
く(いずれも評価点数ほぼ3点)、形崩れもなくて適度
な歯ごたえがあり(評価点数ほぼ3点)、うま味のある
良好な食味および食感(評価点数ほぼ3点)を有してい
た。
【0031】
【発明の効果】本発明の方法によって野菜類を調理した
場合には、野菜類の焦げや加熱容器への付着、野菜類の
形崩れなどを生ずることなく、野菜類の生臭みを除去す
ることができ、しかも野菜類のうま味を充分に効果的に
引き出すことができる。更に本発明の方法による場合
は、野菜類を炒めるのに油脂類を使用しないので従来よ
りも油脂含有量の少ない調理野菜を得ることができる。
そのため、本発明により得られた調理野菜類を用いてミ
ートソース、カレー、その他の容器詰め調理食品を製造
した場合には、食品中の油脂含有量を従来よりも少なく
することができ、その結果、低カロリーでヘルシーな食
品を得ることができる。本発明により得られた調理野菜
類は、他の材料などと一緒にして更に煮込んだり、加熱
殺菌処理したり、冷凍しても、野菜類の形崩れがなく、
その良好な形状や歯ごたえを保つことができる。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 野菜類を40〜70℃の温度で油脂類を
    使用せずに炒めることを特徴とする野菜類の調理方法。
  2. 【請求項2】 炒め時間が5〜15分である請求項1の
    調理方法。
  3. 【請求項3】 請求項1または2の炒め方法により得ら
    れた調理野菜類。
  4. 【請求項4】 請求項1または2の炒め方法により得ら
    れた調理野菜類を用いて製造された容器詰め調理食品。
  5. 【請求項5】 容器に充填して密封した後加熱殺菌処理
    して得られたものである請求項4の容器詰め調理食品。
  6. 【請求項6】 冷凍食品である請求項4の容器詰め調理
    食品。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012135268A (ja) * 2010-12-27 2012-07-19 House Foods Corp 人参を具材として含む加熱殺菌済食品
JP2014018128A (ja) * 2012-07-17 2014-02-03 Osamu Inoue 野菜の葉の加工処理法
WO2021246503A1 (ja) * 2020-06-05 2021-12-09 日清フーズ株式会社 野菜含有ソースの製造方法
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WO2022131259A1 (ja) * 2020-12-14 2022-06-23 ハウス食品グループ本社株式会社 タマネギ加工品及びその製造方法

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