JP2002345431A - 油漬けロースト食品 - Google Patents

油漬けロースト食品

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JP2002345431A
JP2002345431A JP2001160060A JP2001160060A JP2002345431A JP 2002345431 A JP2002345431 A JP 2002345431A JP 2001160060 A JP2001160060 A JP 2001160060A JP 2001160060 A JP2001160060 A JP 2001160060A JP 2002345431 A JP2002345431 A JP 2002345431A
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roasted
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heat
flavor
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Nobuhisa Sakabe
展久 坂部
Koji Suginohara
康次 杉野原
Hidehiko Yamamoto
英彦 山本
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 適度な焦げの色調と、香ばしい風味と、軽く
良好な食感を有するロースト食品と、良好な風味の風味
油脂とを、均一な品質で工業的に大量生産する。 【解決手段】 乾燥食品素材と油脂とを、ヘッドスペー
ス5が10容量%以下となるようにレトルトパウチ1等
の耐熱密封容器に封入し加熱することにより、ロースト
食品2、3と風味油脂4がレトルトパウチ1等の耐熱密
封容器に封入されてなる油漬けロースト食品を製造す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ローストガーリッ
ク、ローストオニオン等のロースト食品が風味油脂に浸
されている油漬けロースト食品に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、ニンニク(ガーリック)、タ
マネギ(オニオン)等の香味野菜類、唐辛子(レッドペ
ッパー)等の香辛料、肉類、魚介類等の食品素材を油脂
で炒めたり、油ちょうして製造したロースト食品は、そ
の独特の香ばしい風味とカリカリとした軽い食感から、
各種料理にアクセントとして添えられたり、調味料とし
て各種料理の風味付けに使用されたり、ドレッシングや
ソース等の調味料の原材料として使用されるなど、幅広
く利用されている。
【0003】ロースト食品をドレッシング等の調味料の
原材料として使用する際には、その風味を強化するため
に風味油脂を併用することが多い。例えば、ドレッシン
グに、ローストオニオンと共にオニオン風味の食用油を
添加することがある。また、パスタ料理用の調味料を、
ローストガーリックとガーリック風味のオリーブ油を混
ぜて作る場合がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】一般に、ロースト食品
と風味油脂はそれぞれ別個に製造されているが、これら
を同時に製造することも試みられており、例えば、特開
昭61−124343号公報には、水分20%以下の乾
燥植物性食品を油脂に加え、120〜160℃で5〜2
0分間加熱し、油層と乾燥植物性食品とを分離採取する
方法が開示されている。しかしながら、この方法では、
加熱を密封容器内で行わないため、加熱中に乾燥植物性
食品に含まれている水分が蒸散するので焦げが生じやす
く、また、風味が外気に発散してしまうという問題があ
る。
【0005】特開昭50−148561号公報には、乾
燥粉砕した動植物体からなる原料を、密閉可能な容器内
で、高温に加熱した油脂と接触させ、固液分離すること
により調味油を製造する方法が開示されている。しかし
ながら、この方法では、原料の風味成分を瞬間的に油脂
に吸着させて調味油を得ることを意図しているため(2
頁左下欄1〜7行)、原料自体をロースト食品として十
分に油ちょうすることができない。また、原料に揮発成
分の精油が多く含まれる場合に容器が密閉されるにすぎ
ず、密閉する場合の容器内のヘッドスペース(含気量)
についても何ら言及がないため、この方法によっても、
原料は焦げやすいという問題がある。
【0006】特開昭60−256344号公報には、油
脂に食品素材を加え、仕込全量中の水分を10〜40%
とする条件で加熱加圧処理する調味油の製造方法が開示
されている。しかしながら、この方法にも加熱加圧処理
する場合のヘッドスペースについて言及がなく、前述と
同様の問題がある。また、この方法も調味油の製造方法
であって、ロースト食品の製造が意図されているもので
はなく、加熱加圧処理後の食品素材は、加熱時の水分量
が多すぎて煮えた状態となり、カリカリとした軽い食感
のロースト食品とはならない。
【0007】本発明は以上のような従来技術に対し、適
度な焦げの色調と、香ばしい風味と、軽く良好な食感を
有するロースト食品と、良好な風味の風味油脂とを同時
に提供すること、また、このようなロースト食品と風味
油脂とを、均一な品質で工業的に大量生産できるように
することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、乾燥食品
素材と油脂とを耐熱密封容器を用いて加熱処理する場合
に耐熱密封容器のヘッドスペースを特定の割合以下とす
ることにより、適度な焦げの色調と香ばしい風味と軽く
良好な感触を有するロースト食品と、良好な風味を有す
る風味油脂とを同時に製造できること、特に、この加熱
処理方法としては、従来、調理済み食品の殺菌包装体を
得るために用いられていたレトルトパウチを使用し、レ
トルト釜で加熱処理すると、食品素材の油ちょうと油脂
への風味付けを工業的に極めて安定的かつ低コストで行
うことができ、高品質なロースト食品と良好な風味油脂
とを同時に大量生産できることを見出した。
【0009】即ち、本発明は、ロースト食品と風味油脂
が、ヘッドスペースが10容量%以下となるように耐熱
密封容器に封入されていることを特徴とする油漬けロー
スト食品を提供し、特に、この油漬けロースト食品にお
いて、耐熱密封容器としてレトルトパウチを用いた態様
を提供する。
【0010】また、本発明は、乾燥食品素材と油脂と
を、ヘッドスペースが10容量%以下となるように耐熱
密封容器に封入し加熱することを特徴とする、ロースト
食品と風味油脂が耐熱密封容器に封入されてなる油漬け
ロースト食品の製造方法を提供し、特に、この油漬けロ
ースト食品の製造方法において、耐熱密封容器としてレ
トルトパウチを用い、レトルト釜で加熱処理する態様を
提供する。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
【0012】本発明の油漬けロースト食品は、ロースト
食品が、該ロースト食品の風味が移行した風味油脂と共
に耐熱密封容器に封入されたものである。
【0013】この油漬けロースト食品は、ロースト食品
の原料とする乾燥食品素材と、風味油脂の原料とする油
脂とを耐熱密封容器内で加熱処理する本発明の油漬けロ
ースト食品の製造方法により得ることができる。
【0014】ここで、乾燥食品素材としては、ガーリッ
ク、オニオン、ネギ、セロリ等の乾燥野菜類、パセリ、
バジル、チャイブ等の乾燥ハーブ類、レッドペッパー、
ブラックペッパー等の香辛料、胡麻、豆類、乾燥肉類、
乾燥魚介類、海苔、チーズ等を使用することができる。
【0015】これらの食品素材の大きさについては、油
脂との加熱処理時に、油脂が食品素材間を満遍なく対
流、移動できる程度に適宜スライス、細断することが好
ましい。例えば、ガーリックの場合、一般に厚さ2〜5
mm程度にスライス又は細断し、乾燥したものを使用す
ればよく、オニオンの場合、厚さ5〜10mm程度のリ
ング形状にスライスしたり、5mm角程度に細断し、乾
燥したものを使用すればよい。
【0016】食品素材の水分含量は、25質量%以下と
することが好ましく、より好ましくは20質量%以下と
する。食品素材中の水分含量が多すぎると加熱処理後に
得られるロースト食品に香ばしい風味や、カリカリとし
た軽い食感がなく、茹でた後のような柔軟な食感にな
る。
【0017】食品素材の水分含量を25質量%以下とす
るために、必ずしも乾燥処理は必要ない。水分含量の高
い食品素材と水分含量の低い食品素材とを混ぜ合わせる
ことにより、食品素材の混合物全体としての水分含量が
25質量%以下となるようにしてもよい。例えば、水分
含量が28〜40質量%程度のチーズを細かく細断した
ものと、水分含量が10〜15質量%程度の小麦粉とを
混ぜ合わせ、チーズと小麦粉の混合物全体としての水分
含量が25質量%以下となるようにしてもよい。これに
より、これまでにない斬新な風味と食感のチーズのロー
スト食品を得られる。
【0018】一方、風味油脂の原料とする油脂として
は、常温で液状、固体のいずれの食用油脂も使用するこ
とができる。より具体的には、綿実油、コーン油、菜種
油、紅花油、パーム油、胡麻油等の植物性油脂、ラード
等の動物性油脂等をあげることができる。
【0019】乾燥食品素材と油脂との配合割合は、油脂
に対して乾燥食品素材を5〜60質量%とすることが好
ましく、より好ましくは10〜55質量%とする。乾燥
食品素材の種類、大きさ等にもよるが、通常、油脂に対
する乾燥食品素材の配合割合が5質量%未満であると、
加熱処理後に得られるロースト食品及び風味油脂の双方
とも風味が乏しいものとなる。反対に60質量%を超え
ると、油脂に対して乾燥食品素材が多すぎ、加熱処理中
に油脂が乾燥食品素材間を対流、移動しにくくなり、ま
た、乾燥食品素材のうち、油脂に浸らずに加熱処理され
るものが生じるので、乾燥食品素材全体を均一に加熱す
ることが難しく、部分的に焦げる場合も生じる。
【0020】乾燥食品素材と油脂とを封入する耐熱密封
容器としては、140℃程度までの加熱処理に耐えるこ
とができ、少なくとも加熱処理時に密封可能な容器を使
用すればよい。このような耐熱密封容器としては、例え
ば、金属缶、ガラス瓶、耐油性樹脂容器等をあげること
ができ、特に、取り扱い性とコストの点から、一般にレ
トルトパウチとして使用されている耐油性樹脂容器を使
用することが好ましい。レトルトパウチとしては、ポリ
プロピレン/PET/ナイロンの3層構造、ポリプロピ
レン/高密度ポリエチレン/直鎖低密度ポリエチレンの
3層構造などの多層構造のシート材料からなるものが知
られており、本発明においてはこれらのいずれも使用す
ることができる。
【0021】耐熱密封容器の内容量には特に制限はな
く、例えば10mL程度から10L程度とすることがで
きる。
【0022】本発明において、耐熱密封容器に乾燥食品
素材と油脂とを封入した後の耐熱密封容器のヘッドスペ
ースは10容量%以下とし、できる限り少なくすること
が好ましい。ヘッドスペースが10容量%を超えると、
加熱処理中に、乾燥食品素材から水分が蒸発し、焦げや
すくなる。
【0023】なお、乾燥食品素材と油脂とを耐熱密封容
器に封入後加熱処理前のヘッドスペースと、これの加熱
処理後のヘッドスペースとは略同様となり、加熱処理前
の耐熱密封容器のヘッドスペースを10容量%以下とす
ることにより、加熱処理後、即ちロースト食品と風味油
脂を製造した後のヘッドスペースも略10容量%とな
る。
【0024】また、ヘッドスペースには、空気、窒素、
アルゴン等を充たしておくことができる。
【0025】乾燥食品素材と油脂とを耐熱密封容器に封
入した後に行う加熱処理は、処理温度が低すぎると香ば
しい風味が得られず、高すぎると焦げ臭を生じやすいの
で、通常105〜140℃で10〜50分間程度行うこ
とが好ましい。一般に、高温で短時間加熱するよりも、
比較的低温で時間をかけて加熱する方が、ロースト食品
と風味油脂の双方の風味が向上するので好ましい。
【0026】加熱処理に用いる装置としては、レトルト
殺菌機として用いられている蒸気式、熱水式、シャワー
式等の公知のレトルト釜(オートクレーブを含む)を用
いることができる。レトルト釜を用いることにより、レ
トルトパウチ等の耐熱密封容器に封入した食品素材と油
脂とを、容易に一定温度で加熱することができるので、
高品質のロースト食品と風味油脂とを、安定的に工業的
に大量生産することができる。
【0027】こうして耐熱密封容器内で作られたロース
ト食品と風味油脂とは、それぞれ別個に調理等に使用し
てもよく、同時に使用してもよい。また、これらはその
まま調味料として使用してもよく、他の調味料の原料と
して使用してもよい。
【0028】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説
明する。
【0029】実施例1(パスタ料理用調味料) 次の原料を透明樹脂製の平型のレトルトパウチに充填
し、密封した。 ・乾燥レッドペッパー 10g (幅約3mmの輪切りにしたレッドペッパーを、熱風乾
燥処理により水分含量5.7質量%としたもの) ・乾燥ガーリック 20g (5mm角のさいの目切りにしたガーリックを、熱風乾
燥処理により水分含量5.2質量%としたもの) ・オリーブ油 150g 密封後のヘッドスペースには空気が約5mL(レトルト
パウチの全容積の2.7%)存在していた。
【0030】これを蒸気式レトルト釜にて115℃で4
0分間加熱することにより、図1に示すように、透明な
レトルトパウチ1内に、ローストガーリック2とロース
トレッドペッパー3が、オリーブ油からなる風味油脂4
に浸っている油漬けロースト食品を得た。図中、符号5
はヘッドスペースである。
【0031】レトルトパウチを開封したところ、ガーリ
ックは、きれいなきつね色を呈し、カリカリとした軽い
食感の風味が良好なローストガーリックになっていた。
レッドペッパーは、暗赤色を呈し、パリパリとした食感
で辛味が強い良好な風味のローストレッドペッパーにな
っていた。また、オリーブオイルは、適度にガーリック
の風味とレッドペッパーの風味が移行した風味油脂とな
っていた。
【0032】このローストガーリックとローストレッド
ペッパーと風味油脂を茹でたパスタに絡めることによ
り、手軽に美味しいパスタ料理(ペペロンチーノ)を得
ることができた。
【0033】実施例2(ドレッシング材料) 次の原料を透明樹脂製の平型のレトルトパウチに充填
し、密封した。 ・乾燥オニオン 150g (5mm角のさいの目切りにしたオニオンを、熱風乾燥
処理により水分含量4.1質量%としたもの) ・乾燥ガーリック 30g (5mm角のさいの目切りにしたガーリックを、熱風乾
燥処理により水分含量5.2質量%としたもの) ・サラダ油 450g
【0034】密封後のヘッドスペースには空気が約15
mL(レトルトパウチの全容積の2.4%)存在してい
た。
【0035】これを蒸気式レトルト釜にて125℃で1
5分間加熱することにより、ローストオニオンとロース
トガーリックが、サラダ油からなる風味油脂に浸ってい
る油漬けロースト食品を得た。
【0036】レトルトパウチを開封したところ、オニオ
ンは、均一できれいな褐色を呈し、パリパリとした軽い
食感で、香ばしいローストオニオンになっていた。ガー
リックは、きれいなきつね色を呈し、カリカリとした軽
い食感で香ばしいローストガーリックになっていた。ま
た、サラダ油には、香ばしいオニオンとガーリックの風
味が適度に移行していた。
【0037】このローストオニオンとローストガーリッ
クとサラダ油をドレッシングの油層部に配合してドレッ
シングを作ったところ、従来の原料では得ることのでき
ない香味に富んだ美味しいドレッシングとなった。
【0038】実施例3(新規な食品原料) 以下の原料のうち、まず、エメンタールチーズを混合
し、水分含量約23.3質量%の混合物を得た。 ・エメンタールチーズ 50g (おろし金にて粗く挽いたもの、水分含量33質量%) ・小麦粉 50g (水分含量13.5質量%) ・サラダ油 200g
【0039】次いでこの混合物とサラダ油を透明樹脂製
の平型のレトルトパウチに充填し、密封した。密封後の
ヘッドスペースには空気が約5mL(レトルトパウチの
全容積の1.6%)存在していた。
【0040】これを蒸気式レトルト釜にて120℃で2
0分間加熱し、斬新な油漬けロースト食品を得た。
【0041】レトルトパウチを開封したところ、エメン
タールチーズと小麦粉の混合物は、砕いたクラッカーの
ような薄褐色のポロポロとした粗い粉状で、香ばしく、
チーズの風味が良好であった。また、サラダ油には、チ
ーズの風味が適度に移行していた。
【0042】この油漬けロースト食品をパスタ料理用調
味料の油層部に配合したところ、香ばしいチーズの風味
に富んだ斬新な調味料を得ることができた。
【0043】実施例4 次の原料を透明樹脂製の平型のレトルトパウチに充填
し、密封した。 ・乾燥オニオン 300g (5mm角のさいの目切りにしたオニオンを、熱風乾燥
処理により水分含量4.1質量%としたもの) ・サラダ油 550g
【0044】密封後のヘッドスペースには空気が約20
mL(レトルトパウチの全容積の2.4%)存在してい
た。
【0045】これを蒸気式レトルト釜にて120℃で3
0分間加熱することにより、ローストオニオンが、サラ
ダ油からなる風味油脂に浸っている油漬けロースト食品
を得た。レトルトパウチを開封したところ、オニオン
は、均一な褐色を呈し、パリパリとした軽い食感で、香
ばしいオニオンの風味になっていた。また、サラダ油に
は、適度に香ばしいオニオンの風味が移行していた。
【0046】同様に油漬けロースト食品を製造し、未開
封のまま3カ月常温(20℃)で保存後開封した。その
結果、ローストオニオンは、加熱処理直後と同様に、均
一な褐色を呈し、パリパリとした軽い食感で、香ばしい
風味を有していた。また、サラダ油も香ばしいオニオン
の風味を有していた。
【0047】比較例1 実施例4と同様の原料を開放系で加熱処理することによ
り油漬けロースト食品を製造した。即ち、サラダ油を蓋
のない鍋に入れ、ガスコンロで120℃に加熱し、次い
で乾燥オニオンを投入し、油温を120℃に保持しなが
ら30分間加熱することにより、ローストオニオンがサ
ラダ油に浸っている油漬けロースト食品を得た。
【0048】このローストオニオンは、パリパリとした
食感を有していたが、一部に焦げがあり、焦げ臭く、オ
ニオンの風味も弱かった。
【0049】実施例5(試験例a〜g) 乾燥オニオンの水分含量と、レトルトパウチに封入した
後のヘッドスペースを種々変える以外は実施例4を繰り
返し、得られたローストオニオンの食感、風味、外観を
評価し、さらに総合評価を行った。
【0050】結果を表1に示す。
【0051】表中の評価基準は次の通りである。 食感の評価 A:パリパリする B:少し柔軟である C:柔軟である 風味の評価 A:香ばしい B:少し香ばしい C1:香ばしさがない C2:焦げ臭がする 外観の評価 A:均一に褐色 B1:黄土色 B2:少し焦げがある C:焦げがある 総合評価 A:食感、風味、外観の全てにおいて良好である B:食感、風味、外観の一部に欠点があるが、全体としてほ ぼ良好である C:食感、風味、外観のいずれかに許容し難い欠点がある
【0052】
【表1】 水分含量 ヘット゛スヘ゜ース ローストオニオンの評価 (質量%) (Vol%) 食感 風味 外観 総合評価 試験例a 15 5 A A A A 試験例b 15 10 A A A A 試験例c 15 15 A C2 B2 C 試験例d 15 20 A C2 C C 試験例e 20 5 A A A A 試験例f 25 5 B B A B 試験例g 30 5 C C1 B1 C
【0053】表1から、本試験例では、ヘッドスペース
を10容量%以下とし、乾燥オニオンの水分含量を25
質量%以下とすると食感、風味、外観が良好であり、特
に、水分含量を20容量%とするとパリパリとした優れ
た食感を得られるが、乾燥オニオンの水分含量が30容
量%となると柔軟な食感しか得られないことがわかる
(試験例g)。また、ヘッドスペースが15容量%以上
では乾燥オニオンに焦げが生じ、風味が劣ることがわか
る(試験例c、d)。
【0054】実施例6(試験例a〜f) 次の原料を透明樹脂製の平型のレトルトパウチに充填
し、密封した。 ・乾燥ガーリック 100g (5mm角のさいの目切りにしたガーリックを、熱風乾
燥処理により水分含量5.2質量%としたもの) ・オリーブ油 400g
【0055】密封後のヘッドスペースには空気が約10
mL(レトルトパウチの全容積の2.0%)存在してい
た。
【0056】これを蒸気式レトルト釜にて、表2に示す
温度と加熱時間で加熱処理し、得られたローストガーリ
ックと風味油脂の風味を次の基準で評価した。
【0057】結果を表2に示す。
【0058】
【表2】 加熱温度 加熱時間 風味の評価 (℃) (分) ローストカ゛ーリック 風味油脂 試験例a 100 20 B1 C1 試験例b 105 20 A B1 試験例c 110 20 A A 試験例d 130 20 A A 試験例e 140 20 B2 A 試験例f 150 20 C2 B2
【0059】表2から、本試験例では、加熱温度を10
5〜140℃とすると、ローストガーリックにも風味油
脂にも良好な風味を付与することができるが(試験例b
〜e)、加熱温度が100℃であると油脂に風味を付与
することができず(試験例a)、また、150℃である
とローストガーリックが焦げて焦げ臭がすること(試験
例f)がわかる。
【0060】
【発明の効果】本発明の油漬けロースト食品によれば、
例えば、ローストガーリックがきれいなきつね色となる
ように適度な焦げの色調を有し、香ばしく、軽く良好な
食感のロースト食品と、良好な風味の風味油脂とを同時
に得ることができ、さらにこれらを均一な品質で工業的
に大量生産することが可能となる。
【0061】また、本発明の油漬けロースト食品は長期
保存が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例の油漬けロースト食品を平置きした場
合の斜視図(同図(a))及びそれを立てたときの断面
図(同図(b))図である。
【符号の説明】
1 レトルトパウチ 2 ローストガーリック 3 ローストレッドペッパー 4 風味油脂 5 ヘッドスペース
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A23L 1/24 A23D 9/00 504 (72)発明者 山本 英彦 東京都府中市住吉町5丁目13番の1 キユ ーピー株式会社研究所内 Fターム(参考) 4B001 AC17 BC08 BC99 EC01 4B021 LA05 LP01 LP09 LW05 LW07 LW08 MC10 4B026 DC01 DL05 DL08 DP03 DP06 4B047 LB09 LE10 LG10 LG39 LG43 LG46 LG47 LG51 LP05 LP14 LP15

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ロースト食品と風味油脂が、ヘッドスペ
    ースが10容量%以下となるように耐熱密封容器に封入
    されていることを特徴とする油漬けロースト食品。
  2. 【請求項2】 耐熱密封容器がレトルトパウチである請
    求項1記載の油漬けロースト食品。
  3. 【請求項3】 ロースト食品がチーズからなる請求項1
    又は2記載の油漬けロースト食品。
  4. 【請求項4】 乾燥食品素材と油脂とを、ヘッドスペー
    スが10容量%以下となるように耐熱密封容器に封入し
    加熱することを特徴とする、ロースト食品と風味油脂が
    耐熱密封容器に封入されてなる油漬けロースト食品の製
    造方法。
  5. 【請求項5】 耐熱密封容器としてレトルトパウチを用
    い、レトルト釜で加熱処理する請求項4記載の油漬けロ
    ースト食品の製造方法。
  6. 【請求項6】 乾燥食品素材として、水分含量25質量
    %以下の食品素材を、油脂に対して5〜60質量%使用
    し、該食品素材と油脂を耐熱密封容器で105〜140
    ℃に加熱する請求項4又は5記載の油漬けロースト食品
    の製造方法。
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