JP3612473B2 - フィリング及びこれを含む食品 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、パン類等のフィリング及び該フィリングとして有用なソース、並びに該フィリングを含有するパン類等の食品に関する。
【0002】
【従来の技術】
カレーパンに内包されるカレーフィリングは、肉類や野菜類等を油脂と共に煎焙したものに、カレーパウダー、小麦粉等の澱粉系材料、及び水等の水性液状物を加えてペースト状の材料を作り、このペースト状の材料を煮込むことによって製造されるのが一般的である。
ところで、このカレーフィリングは、通常のカレーソース等よりも高粘度にするのがよい。なぜなら、低粘度のカレーフィリングは、流動的で保形性がないため、包餡機等でパン生地に内包させるのが困難であり、また、パンの中から液漏れや液垂れが生じやすいという問題があるからである。この問題は、粘度付与材である澱粉系材料の使用量を増やしたり、水等の水性液状物の使用量を減らす等して、カレーフィリングの粘度を高くすることによって解決できる。
しかしながら、高粘度のカレーフィリングは、上記問題を解決できる一方で、粘りが強くてべたついた舌触り・食感となり、口どけも悪く、更に香辛料等の香り立ちが弱くなるという別の問題が生じる。
また、近時、フィリングとして高粘度ソースと低粘度ソースの2種類のソースを内包させたパン類も市販されているが、このパン類においても、高粘度ソースの舌触り・食感、口どけ、香辛料等の香り立ちの問題は解消されていない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、包餡機等でパン生地に確実に内包させることが可能であると共に、液漏れや液垂れが生じず、しかも、滑らかでサラリとした舌触り・食感を呈し、口どけがよく、更に香辛料等の香り立ちがよいフィリングを提供することを目的とする。また、本発明は、上記フィリングとして有用なソースを提供することを目的とする。更に、本発明は、上記フィリングを含む食品を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、フィリングとして、液漏れや液垂れを生じない高粘度ソースと共に、特定の成分を特定の割合で含有する低粘度ソースを併用することにより、上記課題を解決できるという知見に基づくものである。
【0005】
すなわち、本発明は、高粘度ソースと低粘度ソースとからなるフィリングにおいて、低粘度ソースが繊維質を固形分として5質量%以上含有することを特徴とするフィリングを提供する。
また、本発明は、フィリングとして高粘度ソースと併用される低粘度ソースであって、繊維質を固形分として5質量%以上含有することを特徴とするソースを提供する。
更に、本発明は、上記フィリングを含む食品を提供する。
【0006】
【発明の実施の形態】
続いて、本発明について詳細に説明する。
本発明において、フィリングとは、パン生地やフライ食品等の食品に内包したり、その表面にトッピングして必要により焼成やフライ等して提供されるものをいう。かかるフィリングとして、具体的には、カレーソース、ホワイトシチュー、ビーフシチュー等のシチュー類、ホワイトソース、デミグラスソース、ピザソース等が挙げられる。
本発明のフィリングは、粘度が相対的に異なる2種類のソース、即ち、高粘度ソースと低粘度ソースとからなる。本発明における高粘度ソースは、包餡機等でパン生地等に確実に内包させることが可能であると共に、液漏れや液垂れの発生を防止することができる。一方、低粘度ソースは、高粘度ソースの粘りの強いべたついた舌触・食感を感じさせなくして、フィリング全体として滑らかでサラリとした舌触り・食感を付与すると共に、口どけをよくし、香辛料等の香り立ちを向上させることができる。
【0007】
ここで、先ず、高粘度ソースについて説明する。本発明における高粘度ソースは、具体的には、品温25℃において粘度が8000mPa・s以上、より好ましくは10000mPa・s以上、更に好ましくは15000〜40000mPa・sであるのが好ましい。尚、本発明において、粘度は、粘度測定機としてB型粘度計を用いて測定した値をいう。
【0008】
高粘度ソースの材料は、ソースの種類等に応じて通常使用されるものでよいが、粘度付与材として澱粉系材料を使用するのが好ましい。ここで、澱粉系材料とは、澱粉を主成分として含みソースの粘度付与材として働く全ての材料を指す。具体的には、小麦粉、米粉等の穀類、小麦澱粉、浮き粉澱粉、コーンスターチ、タピオカ、馬鈴薯澱粉等の各種澱粉、又はこれらの加工品が挙げられる。また、上記加工品としては、例えば、小麦粉を油脂と共に煎焙した小麦粉ルウ、この小麦粉ルウに更にカレーパウダー等を加えて成形固化した固形カレールウ、カレーフレーク等が挙げられる。澱粉系材料の使用量は、求めるソースの粘度に応じて適宜設定することができるが、例えば、高粘度ソース中に澱粉として2〜8質量%(以下、単に%という)、より好ましくは2.5〜5%含まれるように使用するとよい。
【0009】
また、高粘度ソースには、そのベースとなる風味、香りを形成する材料として、肉類、野菜類、調味料及び香辛料から選ばれた一種以上を用いる。ここで、肉類としては、畜肉、鶏肉、魚介類等の何れを用いてもよく、ソースの種類に応じて通常使用されるものでよい。また、野菜類についても特に制限はなく、例えば、タマネギ、ニンジン、ダイコン、ジャガイモ、トウモロコシ等が挙げられる。これらの肉類、野菜類は、粉砕する等して液状又はペースト状の材料として、或いは適当な大きさ(例えば5〜20mm)にカットして具材として用いることができる。また、調味料としては、砂糖等の糖質、食塩、ビーフエキス、チキンエキス、旨味エキス、グルタミン酸ソーダ等が挙げられる。香辛料としては、ジンジャー、ガーリック、ペッパー、カレーパウダー、クミン、コリアンダー、クローブ、カルダモン等が挙げられる。香辛料は、その種類等に応じて、適当な大きさにカットし、摩り下ろし又は粉砕する等して用いることができる。
【0010】
これらの材料の使用量は特に制限されないが、例えば、肉類では10〜40%、より好ましくは15〜35%、野菜類では5〜50%、より好ましくは10〜45%、調味料では1〜10%、より好ましくは2〜8%、香辛料では1〜10%、より好ましくは2〜8%とすることができる。
尚、上記した材料の他にも、水等の水性液状物、ラード、ヘット、バター等の油脂、キサンタンガム等のガム類、クエン酸等のpH調製剤、アスコルビン酸等の酸化防止剤等の各種の材料を用い得ることはいうまでもない。
【0011】
高粘度ソースは、上記材料を用いて従来一般的な方法で製造し得るが、例えば、次の方法で製造するのが好ましい。即ち、先ず、肉類、野菜類、調味料及び香辛料から選ばれた一種以上を含む材料を用い、澱粉系材料は全く用いないか又は全部のうちの一部に止めて、品温80℃における粘度が4000mPa・s以下、好ましくは3000mPa・s以下、より好ましくは500〜2000mPa・sの範囲にある低粘度の液状又はペースト状材料を調製し、これに好ましくは70℃以上、より好ましくは75〜90℃、更に好ましくは75〜85℃の温度で、好ましくは3〜40分間、より好ましくは5〜30分間煮込み加熱処理を施す。
【0012】
これにより、肉類や野菜類等の風味、香りを十分に引き出すことができると共に、これらの風味、香りが相互に馴染み、まとまりのある食味を呈する高粘度ソースを製造することができる。尚、煮込み加熱処理の温度が上記範囲を下回ると、肉類や野菜類等の風味、香りを十分に引き出し難くなると共にこれらの風味、香りが相互に馴染み難くなる傾向がある。一方、煮込み加熱処理の温度が上記温度を上回ると、後述の澱粉系材料を加えたときに材料の粘度が高くなるのに伴って加熱装置との接触面で焦げを生じやすくなる傾向がある。
また、ここで、上記液状又はペースト状材料の調製及び煮込み加熱処理い用いる装置としては、攪拌翼の付いた横軸ニーダー等の加熱攪拌装置を好適に用いることができる。
【0013】
また、上記煮込み加熱処理の前に、液状又はペースト状材料を構成する材料に煎焙等の前処理を施すこともできる。具体的には、例えば、肉類や野菜類を油脂と共に煎焙することによって、香ばしい肉類や野菜類の風味を引き出し、また、肉類を具材として用いる場合には煮崩れを防止することができる。また、ジンシャー、ガーリック等の香辛料を油脂と共に煎焙することによって、これらの煎焙香味を十分に引き出すことができる。また、煮崩れしやすい野菜類を具材として用いる場合には、この具材を煮込み加熱処理の最初から加えずに途中から加えるようにしてもよい。
【0014】
そして、上記のように低粘度の液状又はペースト状材料に煮込み加熱処理を施した後、澱粉系材料の全部又は残部を加えて混合し、好ましくは70℃以上、より好ましくは75〜90℃の温度で、好ましくは3〜40分間、より好ましくは5〜30分間更に煮込み加熱処理を施して、品温80℃における粘度が5000mPa・s以上、好ましくは6000mPa・s以上、より好ましくは7000〜20000mPa・sの範囲として求める高粘度ソースを製造することができる。
【0015】
このようにして得られた高粘度ソースは、適宜品温(例えば5〜25℃)にまで冷却し、或いは、パウチ等の容器に充填密封して加熱殺菌に付すことができる。尚、上述の高粘度ソースの製造方法は、レトルト殺菌等の加熱殺菌をしない場合に特に有効である。なぜなら、レトルト殺菌等の加熱殺菌をしない場合には、特に、肉類や野菜類等の風味、香りが引き出され難いと共にこれらが相互に馴染み難いのであるが、上記方法によりこれが好適に解消されるからである。
【0016】
次に、本発明の低粘度ソースについて説明する。本発明の低粘度ソースは、具体的には、品温25℃における粘度が7000mPa・s未満、より好ましくは6000mPa・s以下、更に好ましくは1500〜6000mPa・sであるのが好ましい。
本発明の低粘度ソースには、繊維質を水分を除く固形分として5%以上含有させることが重要である。好ましくは5〜45%、より好ましくは10〜40%、更に好ましくは15〜35%である。これにより、フィリングとして高粘度ソースと併用したときに、高粘度ソースの粘りの強いべたついた舌触・食感を感じさせなくして、フィリング全体として滑らかでサラリとした舌触り・食感を付与し、また、口どけをよくすることができる。
【0017】
低粘度ソースに用いる繊維質としては、野菜、果物の磨砕物やその加工品、食物繊維、セルロース、下記する香辛料、これらの複数に由来する繊維質原料が挙げられる。
繊維質原料として、具体的には、ニンジン、ダイコン、ジャガイモ、サツマイモ等の根菜類、ホウレンソウ、コマツナ、ケール、キャベツ、レタス等の葉菜類、カボチャ、ナス、キュウリ、トマト、ピーマン等の果菜類、タマネギ、アスパラガス等の茎、鱗茎菜類、グリーンピース等の豆類、マンゴ、リンゴ、オレンジ、キウイ、バナナ等が挙げられる。これらのうち、特に、フィリングに滑らかな舌触り、口どけを付与する上で、ニンジン、タマネギ、リンゴ等が望ましい。尚、タマネギを用いる場合には、フィリングにコクのあるタマネギ特有の好ましい風味を付与し得るが、タマネギの使用量が多くなるとタマネギの風味が強くなり過ぎる傾向があるので、タマネギ以外の繊維質を適宜併用するのが望ましい。
上記繊維質は任意の方法で調製し得るが、特に粒度が1000μm以下、好ましくは1〜1000μm、より好ましくは10〜500μmのものが望ましい。
【0018】
本発明の低粘度ソースには、上記繊維質の他、高粘度ソースと同様の材料を用いることができる。但し、澱粉系材料を用いる場合には、粘度が高くなり過ぎないように、その使用量に留意すべきである。具体的には、例えば、低粘度ソース中に澱粉として1〜4%、より好ましくは2〜3%含まれるように使用するとよい。
また、澱粉系材料以外の材料の使用量としては、例えば、肉類では0〜20%、好ましくは0〜10%、野菜類では15〜60%、好ましくは20〜50%、調味料では1〜10%、好ましくは2〜8%、香辛料では5〜20、好ましくは7〜15%とすることができる。
【0019】
本発明の低粘度ソースは、上記材料を用いて従来一般的な方法で製造することができる。即ち、肉類や野菜類、香辛料等を油脂と共に煎焙したものに、カレーパウダー、澱粉系材料及び水等の水性液状物を加えて液状又はペースト状材料を調製し、これに好ましくは90℃以上、より好ましくは95〜100℃の温度で、好ましくは3〜40分間、より好ましくは5〜30分間煮込み加熱処理を施すことによって製造することができる。尚、ここで用いる装置は、高粘度ソースの製造に用い得る加熱攪拌装置と同様のものでよい。
【0020】
尚、煮込み加熱処理の前に、複数の香辛料を煎焙する場合には、香辛料の特性に応じてこれらの煎焙時間に変化をもたせてもよい。例えば、先ず、ガーリック、ジンジャー等を油脂と共に充分に煎焙し、次いで、これにクミン、コリアンダー、クローブ等を加えて更に煎焙するようにしてもよい。また、これとは別に、カレーパウダー等を煮込み加熱処理の段階で更に加えることもできる。これらにより、香辛料の特性に応じて種々の香り、香味を引き出して、香辛料の香り立ちのよいフィリングを得ることができる。
また、低粘度ソースを製造する際、滑らかでサラリとした舌触り・食感、良好な口どけを付与する上で、煮込み加熱処理の前後で材料の全部又は一部にミキサー等により磨砕処理を施してもよい。
そして、煮込み加熱処理等が施された低粘度ソースは、適宜品温(例えば5〜25℃)にまで冷却し、或いは、パウチ等の容器に充填密封して加熱殺菌に付すことができる。
【0021】
上述した高粘度ソースと低粘度ソースは、パン類等の食品に内包し、又はトッピングするためのフィリングとして用いられる。具体的には、パン類の場合を例に挙げて説明すると、次のようにして用いることができる。即ち、先ず、常法により得られたパン生地に、包餡機を用いる等して高粘度ソースを内包させる。この際、この高粘度ソースは、流動的でないため保形性に優れ、包餡機等により作業性よく確実にパン生地に内包させることが可能であり、また、内包された後もパン生地の中から液漏れや液垂れを生じ難い。また、この高粘度ソースが内包されたパン生地は、冷凍して冷凍パン生地とすることによって長期保存が可能となる。
【0022】
次に、上記高粘度ソースが内包されたパン生地を、解凍、発酵、焼成、油揚げ等の処理を施すことによってパン類を得、例えば、このパン類に上から切れ目を入れて、この切れ目から低粘度ソースを高粘度ソースの上に載せるようにして流し込む。これにより、高粘度ソースと低粘度ソースとからなるフィリングを含むパン類を得ることができる。尚、このパン類は、低粘度ソースの下側に位置する高粘度ソースが壁の働きをして、パン類の中から低粘度ソースが液漏れや液垂れを生じることがないのでよい。
【0023】
【発明の効果】
本発明によれば、包餡機等でパン生地に確実に内包させることが可能であると共に、液漏れや液垂れが生じず、しかも、滑らかでサラリとした舌触り・食感を呈し、口どけがよく、更に香辛料等の香り立ちがよいフィリングが提供される。また、上記フィリングとして有用なソースが提供される。更に、上記フィリングを含む食品が提供される。
【0024】
【実施例】
次に、本発明を実施例に基づき具体的に説明する。
1)高粘度カレーソースの製造
横軸ニーダーに、ラード1.7部、及び細断したタマネギ10.4部を投入して100℃にまで加熱しながら20分間煎焙した。次に、10mm角の牛肉(具材)23部、摩り下ろしジンジャー0.3部、摩り下ろしガーリック0.3部、及びラード1.2部を加えて、再び100℃にまで加熱しながら10分間煎焙した。次に、みじん切りしたニンジン1.5部、食塩0.1部、砂糖0.8部、ビーフエキスその他の調味料2.7部、浮き粉澱粉0.4部、カレーパウダー2.3部、クミンとコリアンダーからなる香辛料0.6部、及び水22部を加えてペースト状物を調製し、これを80℃に加熱して8分間煮込んだ後、12mm角のジャガイモ(具材)22部を加えて80℃で3分間煮込んだ。尚、このとき上記ペースト状物の粘度は、品温80℃において約1000mPa・sであった。
次に、カレーフレーク10.7部を加えて混合し、85℃にまで加熱しながら20分間煮込んだ。次に、これを25℃にまで冷却して高粘度カレーソースを得た。この高粘度カレーソースは、粘度が品温80℃において約8000mPa・sで、25℃において約30000mPa・sのものであった。また、この高粘度カレーソースは、澱粉系材料を澱粉として約3%含有するものであった。
【0025】
2)冷凍パン生地の製造
常法により調製したパン生地50gに、包餡機を用いて上記高粘度カレーソース30gを内包させた後、これを−18℃で冷凍して、冷凍パン生地を調製した。尚、ここで、高粘度カレーソースは、液漏れや液垂れがなく作業性よくパン生地に内包させることができた。
【0026】
3)低粘度カレーソースの製造
横軸ニーダーに、摩り下ろしジンジャー1部、摩り下ろしガーリック0.5部、及びラード3.5部を投入して、100℃にまで加熱しながら3分間煎焙した。次に、細断したタマネギ26.3部を加えて、再び100℃にまで加熱しながら45分間煎焙した。次に、加熱するのを止めて、クミン、コリアンダー及びクローブからなる香辛料4.3部、及び水26部を加えて混合した後、これをミキサーで摩砕して、摩砕ペースト状物を得た。
一方、これとは別に、横軸ニーダーに、小麦粉2.6部とラード2.2部を投入して100℃にまで加熱しながら50分間煎焙して、小麦粉ルウを得た。
次に、横軸ニーダーに、上記小麦粉ルウ、上記摩砕ペースト状物、リンゴパルプ12.5部、食塩1部、砂糖2部、グルタミン酸ソーダその他調味料1.5部、カレーパウダー2.8部、及び水11.0部を投入して混合し、これを95℃に加熱して10分間煮込み、更に、クミン及びカルダモンからなる香辛料2.8部を加えて混合し、低粘度カレーソースを得た。
得られた低粘度カレーソースは、パウチに充填密封して、110℃で54分間加熱殺菌した後、10℃に冷却して、加熱殺菌済みの低粘度カレーソースとした。
この低粘度カレーソースは、粘度が25℃において約5000mPa・sで、pH5.2のものであった。また、この低粘性カレーソースは、澱粉系材料を約2.6%、粒度10〜500μmの繊維質を固形分として約25%含有するものであった。
【0027】
4)カレーパンの製造
冷凍パン生地を解凍し、恒温恒湿庫(温度35℃、湿度70%)内で、1時間発酵させた後、油揚げして、高粘度ソースを内包したカレーパンを得た。
次に、上記カレーパンに上から切れ目を入れて、この切れ目から低粘度カレーソースを高粘度カレーソースの上に流し込み、高粘度ソースの上に低粘度ソースを載せたカレーパンを得た。
得られたカレーパン(25℃)は、その中からフィリングの液漏れや液垂れが生じ難くて外観が損なわれず、また、フィリングが手に付かず食べやすいものであった。また、食べると、滑らかでサラリとした舌触り・食感を呈し、口どけがよく、更に香辛料の香り立ちが際立ってスパイシィであり、しかも、肉類や野菜類等の風味が十分に引き出されると共にこれらが相互に馴染んでまとまりのある食味を呈するものであった。

Claims (2)

  1. 高粘度ソースと低粘度ソースとからなるフィリングにおいて、高粘度ソースが品温25℃において粘度が8000mPa・s以上であり、低粘度ソースが品温25℃において粘度が7000mPa・s未満であり且つ繊維質を固形分として5質量%以上含有することを特徴とするフィリング。
  2. 請求項1記載のフィリングを含む食品。
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