JP2014003928A - 容器に充填・密封された加熱殺菌処理済食品及びその製造方法 - Google Patents

容器に充填・密封された加熱殺菌処理済食品及びその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2014003928A
JP2014003928A JP2012140763A JP2012140763A JP2014003928A JP 2014003928 A JP2014003928 A JP 2014003928A JP 2012140763 A JP2012140763 A JP 2012140763A JP 2012140763 A JP2012140763 A JP 2012140763A JP 2014003928 A JP2014003928 A JP 2014003928A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
heat
food
smoke
seasoning
raw material
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2012140763A
Other languages
English (en)
Inventor
Hitomi Masuko
瞳 増子
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
House Foods Group Inc
Original Assignee
House Foods Group Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by House Foods Group Inc filed Critical House Foods Group Inc
Priority to JP2012140763A priority Critical patent/JP2014003928A/ja
Publication of JP2014003928A publication Critical patent/JP2014003928A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Seeds, Soups, And Other Foods (AREA)
  • Seasonings (AREA)
  • Coloring Foods And Improving Nutritive Qualities (AREA)
  • Food Preservation Except Freezing, Refrigeration, And Drying (AREA)

Abstract

【課題】燻煙味が付与されているものの、加熱殺菌処理や長期間の保存によっても食品全体の香りや風味のバランスが崩れることがない、容器に充填・密封された加熱殺菌処理済食品を提供すること。
【解決手段】水、糖類、及びペプチド含有調味料を含み、加熱処理を施して得られる流動性調味料と、燻煙処理を施した原料とを含み、容器に充填・密封された加熱殺菌処理済食品によれば、良好な燻煙味を有するとともに、燻煙味以外の香りや風味が加熱殺菌処理や長期間の保存により劣化することがなく、しかも、燻煙処理された原料の燻製味ともあいまって、食品全体の香りや風味のバランスに優れたものとなる。
【選択図】なし

Description

本発明は、流動性調味料と、燻煙処理を施した原料とを含み、容器に充填・密封された加熱殺菌処理済食品、及びその製造方法に関する。
一般に、種々の食品を製造する際に、所望の風味や味を付与するために香辛料や調味材を用いることがある。例えば、レトルトカレーの場合、小麦粉ルウ(小麦粉と油脂の焙煎物)、野菜・果実ピューレ、調味液等の液体原料と、香辛料、粉末調味料、粉末酸味料等の粉体原料とを組み合わせて煮込み、必要に応じて野菜・牛肉等の具材を加えて容器に充填し、加熱殺菌処理を行うことにより製造されている。
このような、風味や旨味を改善するための調味材としては、特許文献1に、水、糖類、ペプチドを含む材料を、95℃から100℃で60分から120分間煮込むことにより調製される流動性調味料が知られている(特許文献1)。特許文献1の流動性調味料は、旨味、甘味、酸味、塩味等がまとまり、すっきりとしているものの、芯となる旨味のある優れた風味の高品質の調味材である。
一方、特許文献1に記載された流動性調味料がもたらす風味は、加熱殺菌処理や長期間の保存により劣化しにくいものの、その風味自体が煮込み食品様の風味であり、以下で説明するような燻煙味のような強い風味ではない。このため、特許文献1に記載された流動性調味料のみでは、加熱殺菌処理された食品に強い風味を付与することはできなかった。
ところで、従来、魚肉や蓄肉に対して燻煙処理を施した燻製食品が人々の間で広く知られている。一般に、燻煙処理は、サクラ、ブナ、ナラ、ヒッコリー等の木材を高温に熱して発生させた煙を食品に接触させることにより行われるものであり、これにより食品の臭みをマスキングすると共に、独特の風味を付与して嗜好性を向上させ、更に、煙に含まれる殺菌成分を食品に浸透させて食品の保存性を向上させる加工技術である。このような、燻煙処理により得られる燻製食品は、その高い嗜好性のため、従来、人々に広く親しまれている。
また、食品の風味を改善する方法として、食品粉末を撹拌しつつ、燻煙と接触させることにより燻煙処理した燻煙処理食品粉末を、食品中に所定量含有させることを特徴とする食品の風味改善方法が知られている(特許文献2)。上記燻煙処理食品粉末を食品中に含有させることにより、各種食品にほのかな燻臭を付与して、魚臭、肉臭、獣臭等、各種の不快な臭みをマスキングし、食品の風味を改善することができるとされている。
特開2002−101842号公報 特開2011−062117号公報
しかしながら、一般に、燻煙処理を施した燻煙原料では、比較的強い燻煙味が付与されるため、燻煙原料の燻煙味はレトルト処理中や保存中においても変化しにくい反面、燻煙処理を施されていない他の成分の香りや風味が劣化してしまい、食品全体の香りや風味のバランスが崩れてしまうことがあった。特に、カレー等は元来、香辛味等の強い風味や香りに特徴付けられた食品であるため、これに燻煙原料を加えた場合に、加熱殺菌処理や長期間の保存により、一部の成分の風味や香りが劣化して、食品全体としての風味のバランスが大きく崩れ、重大な問題となることがあった。
本発明は以上の課題に鑑みてなされたものであり、燻煙味が付与され、強い風味や香りに特徴付けられ、加熱殺菌処理や長期間の保存によっても、食品全体の前記の香りや風味のバランスが崩れることがない、容器に充填・密封された加熱殺菌処理済食品を提供することを目的とする。
本発明の発明者らは、上記課題に鑑み、鋭意研究を行った。その結果、所定の流動性調味料と、燻煙処理を施した原料とを含む、容器に充填・密封された加熱殺菌処理済食品によれば、上記の課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。具体的には、本発明は以下のものを提供する。
本発明の第一の態様は、水、糖類、及びペプチド含有調味料を含み、加熱処理を施して得られる流動性調味料と、燻煙処理を施した原料とを含み、容器に充填・密封された加熱殺菌処理済食品である。
本発明の第二の態様は、水、糖類、及びペプチド含有調味料を混合し、加熱処理を施して流動性調味料を得る工程と、上記流動性調味料、及び燻煙処理を施した原料を使用して食品を調製する工程と、前記食品を容器に充填・密封する工程とを有し、食品が容器に充填・密封される前、又は容器に充填・密封された後に、加熱殺菌処理される、加熱殺菌処理済食品の製造方法である。
本発明の加熱殺菌処理済食品は、燻煙処理された原料を含むため、良好な燻煙味を有するものとなる。一方、本発明の加熱殺菌処理済食品は、この燻煙処理された原料と共に、上記所定の流動性調味料を含むため、燻煙処理された原料の燻製味を活かすとともに、燻煙味以外の香りや風味が加熱殺菌処理や長期間の保存により劣化しにくくなって、食品全体の香りや風味のバランスに優れたものとなる。
以下、本発明について詳細に説明する。
<加熱殺菌処理済食品>
本発明の加熱殺菌処理済食品は、所定の流動性調味料と、燻煙処理された原料とを含み、容器に充填・密封され、加熱殺菌処理されたものである。
[流動性調味料]
本発明の加熱殺菌処理済食品に用いられる流動性調味料は、ペプチド含有量調味料、糖類、及び水を含む混合物に、好ましくは品温90℃以上100℃以下で45分以上150分以下加熱処理を施したものである。流動性調味料を添加することにより、旨味成分の旨味が十分に引き出されると共に、加熱殺菌処理によっても当該旨味が劣化することが少ない。このため、流動性調味料に含まれる燻煙処理を施していない原料の香味を活かし、燻煙処理された原料の燻製味ともあいまって、調和の取れた風味を有する食品を得ることができる。
(ペプチド含有調味料)
ペプチド含有調味料としては、ペプチドを含む原料を任意に用いることができ、例えば、各種ペプチドの単品、味噌、酵母エキス、タンパク加水分解物、畜肉エキス等又はこれらの混合物を用いることができ、味噌を用いることが好ましい。流動性調味料の調製に用いられる味噌としては、特に限定されるものではなく、液状、ペースト状、粉末状、顆粒状の味噌を挙げることができる。本発明においては、味噌特有の香りが弱い粉末状又は顆粒状の味噌に限られず、液状又はペースト状の生味噌を使用することによっても、加熱殺菌処理済食品の風味改善の効果が十分に得られる。
なお、味噌自体、比較的粒子が大きく、喫食時にざらつき等の好ましくない食感を与える可能性がある。このため、味噌自体を予めコミトロール等によって処理し、微粒子化しておくか、味噌を添加した流動性調味料や、流動性調味料を添加した食品を、コミトロール等によって処理して微粒子化することが好ましい。
流動性調味料中のペプチド含有調味料の含有量は、タンパク質量に換算して0.01質量%以上20質量%以下であることが好ましく、0.1質量%以上10質量%以下であることがより好ましく、0.1質量%以上8質量%以下であることが更に好ましい。流動性調味料中のペプチド含有調味料の含有量を、上記の範囲内のものとすることにより、加熱殺菌処理済食品が、より良好なコク味があって、より芯のある調和の取れた旨味を有し、且つ、使用した調味料特有の不快臭等が低減されたものとなる。
(糖類)
流動性調味料の調製に用いられる糖類としては、特に限定されるものではなく、従来公知の糖類を使用することができる。具体的には、ショ糖、ブドウ糖、ハチミツ、果糖等を挙げることができる他、タマネギ細断物等を、糖類を含む原料として用いてもよい。糖類としては、特にショ糖が好ましい。これらの糖類は、単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
流動性調味料中の糖類の含有量は、0.05質量%以上80質量%以下であることが好ましく、0.5質量%以上40質量%以下であることが更に好ましい。上記の含有量で、流動性調味料に糖類を配合することにより、加熱殺菌処理済食品に好適な風味を付与可能な流動性調味料を調製することができる。
(水)
流動性調味料の調製に用いることができる水の含有量は、流動性調味料中1質量%以上95質量%以下であることが好ましく、10質量%以上85質量%以下であることが更に好ましい。
なお、流動性調味料は、少なくともペプチド含有調味料、糖類、及び水を含めばよく、これら以外の原料が含まれてもよく、以下に記載する燻煙処理された原料が含まれてもよい。
(流動性調味料の調製の際の加熱処理)
流動性調味料の調製の際の加熱処理は、ペプチド含有調味料、糖類、及び水を含む混合物の品温90℃以上100℃以下で、45分以上150分以下であることが好ましく、60分から100分加熱することが更に好ましい。ここで、上記の条件は、混合物の品温が、上記指定の温度で上記指定の時間保持されることを指す。
(流動性調味料の含有量)
本発明の加熱殺菌処理済食品には、加熱殺菌処理済食品とは別途加熱処理された調味料として、流動性調味料を1質量%以上70質量%以下含ませることが好ましく、5質量%以上35質量%以下含ませることが更に好ましい。また、流動性調味料中のペプチドの含有量及び加熱殺菌処理済食品中の流動性調味料の含有量を適宜調整することにより、食品中、上記別途加熱処理された流動性調味料として添加されるペプチドの含有量を、0.01質量%以上1質量%以下とすることが好ましい。ペプチド含有調味料が味噌である場合は、タンパク質含量で、0.01質量%以上2質量%以下とすることが好ましく、0.03質量%以上1質量%以下とすることが更に好ましい。
[燻煙処理された原料]
燻煙処理された原料としては、加熱殺菌処理済食品に添加される任意の原料を燻煙処理したものであればよい。これらの加熱殺菌処理済食品に添加される原料は、任意の燻煙処理を施せばよく、例えばスモークオイル(燻材を燃焼又は乾溜し、その溜分から得られる液体)を使用して燻煙処理を施しても、焙乾法により燻煙処理を施してもよく、これらの処理を併用してもよい。これら燻煙処理の具体的方法としては、スモークオイル等を使用する液燻法であれば、人工的に煙と同じ成分を含む燻液を調製し、この燻液に燻煙処理の対象となる原料を接触させればよいし、焙乾法であれば、上記のサクラ、ブナ、ナラ、ヒッコリー等の木材を加熱して発生させた煙に対象となる原料を接触させればよい。
燻煙処理を施される原料としては、加熱殺菌処理済食品に添加されるものであれば、特に限定されるものではないが、カレーパウダー等の(混合)香辛料、各種具材、粉末調味料、粉末酸味料、澱粉(小麦粉ルウやこれを調製する際の小麦粉等を含む)、油脂、油脂を含んだ調味原料、植物性原料、動物性原料等のペースト状物、フレーク、粉末等を例示することができる。また、具材に燻煙処理を施してもよい。これらの燻煙処理された原料としては、カレーパウダー等の混合香辛料、粉末調味料、植物性原料のペースト、フレーク、粉末が好ましく、特に、燻煙処理されたカレーパウダーを用いることが好ましい。
(燻煙処理されたカレーパウダー)
カレーパウダーを燻煙処理した場合、カレーパウダーを用いた食品に付与される燻煙味や、通常、加熱殺菌処理や長期間の保存を経ることにより失われやすいカレーパウダーに配合された香辛料のスパイス感や香味が、加熱殺菌処理や長期間の保存を経た後においても劣化しにくいため、燻煙味やカレーパウダーのスパイス感、香味に優れた、加熱殺菌処理済食品を得ることができる。すなわち、混合香辛料であるカレーパウダーを燻煙処理することで、配合された香辛料のスパイス感や香味が融合して燻煙味を付けることができ、これにより保存時に劣化しにくい優れたスパイス感、香味を有する加熱殺菌処理済食品を提供ことができる。
燻煙処理を施したカレーパウダーを調製する際に原料として使用されるカレーパウダーとしては、特に限定されるものではなく、従来知られたカレーパウダーを用いることができる。具体的に、カレーパウダーとしては、例えば、カルダモン、クローブ、ナツメグ、フェヌグリーク、ローレル、フェンネル、コリアンダー、クミン、キャラウェー、タイム、セージ、陳皮、胡椒、唐辛子、マスタード、ジンジャー、ターメリック、パプリカ等から選ばれる2種以上、好ましくは5種以上を含む混合香辛料を用いることができる。カレーパウダーに用いる香辛料の種類は、求められる最終製品の風味に応じて適宜、調整すればよい。
ここで、特に、燻煙処理を施す原料としてカレーパウダーを選択する場合、香辛料本来のスパイス感を生かす上では、焙乾法により燻煙処理することが好ましい。なお、カレーパウダーを燻煙処理する場合、燻煙処理はカレーパウダーに含まれる各香辛料を完全に混合した状態で行うことが好ましく、焙乾法により燻煙処理する場合には、カレーパウダーを混合しつつ煙を接触させることが好ましい。
なお、本発明においては、燻煙処理を施した原料に加え、食品にスモークオイル等を加えることにより、加熱殺菌処理された食品に更なる燻製味を付与してもよい。
(燻煙処理された原料の含有量)
加熱殺菌処理済食品中の燻煙処理を施した原料の含有量は、0.2質量%以上70質量%以下とすることが好ましく、0.5質量%以上50質量%以下とすることが更に好ましい。燻煙処理を施したカレーパウダー等の粉末の場合の含有量は、0.5質量%以上3質量%以下とすることが好ましく、1質量%以上2質量%以下とすることが更に好ましい。
[燻煙処理を施していない香辛料]
本発明の加熱殺菌処理済食品には、更に、燻煙処理を施していない香辛料が添加されていてもよい。ここで、燻煙処理を施さないまま添加する香辛料としては、加熱殺菌処理や長期間の保存を経た後においてもそのスパイス感や香味が変化しにくい香辛料を用いることが好ましい。具体的には、ナツメグ、クローブ、カルダモン、クミン、及びコリアンダーからなる群から選ばれる少なくとも1種を用いることができ、上記に列挙した香辛料からなる群から選ばれる少なくとも2種以上を用いることが好ましい。なお、香辛料の選択は、加熱殺菌処理済食品に求められる風味に応じて適宜選択することが好ましいが、例えば、クミン及びコリアンダーを組み合わせて使用することが好ましい。食品中、燻煙処理を施していない香辛料の含有量を、0.5質量%以上3質量%以下、好ましくは1質量%以上2質量%以下とすることが好ましい。
上記の燻煙処理を施していない香辛料は、加熱殺菌処理や長期間の保存を経た後においてもそのスパイス感や香味が失われにくいため、これらの香辛料を食品に加えることにより、前記の燻煙処理を施したカレーパウダー等の燻煙処理を施した原料のスパイス感や香味と融合して、加熱殺菌処理済食品が、良好なスパイス感や香味を有し、食品全体の香りや風味のバランスに優れたものとなる。
[加熱殺菌処理済食品]
本発明の加熱殺菌処理済食品としては、特に限定されるものではないが、香辛味等の強い風味や香りに特徴付けられた食品、例えばカレーパウダーを使用した食品であることが好ましく、具体的には、カレー、カレーシチュー、カレーフィリング、カレー風味の調理用ソース等を挙げることが出来る。食品は、ソース等の液状食品、これに必要により具材を加えた形態のものであることが好ましい。これらの食品は、加熱殺菌処理されたものであるが、特にレトルトパウチに充填・密封され、レトルト処理されていることが好ましい。加熱殺菌処理済食品には、チルド食品や無菌充填食品等も含まれる。
<加熱殺菌処理済食品の製造方法>
本発明は、加熱殺菌処理済食品の製造方法にも関する。本発明の加熱殺菌処理済食品の製造方法は、水、糖類、及びペプチド含有調味料を混合し、加熱処理を施して流動性調味料を得る工程(流動性調味料調製工程)と、流動性調味料、及び燻煙処理を施した原料を使用して食品を調製する工程(食品調製工程)と、上記食品を容器に充填・密封する工程(充填・密封工程)と、を有し、充填・密封工程の前又は後に、食品を加熱殺菌処理する工程(加熱殺菌工程)を有する。
[流動性調味料調製工程]
本発明の加熱殺菌処理済食品の製造方法は、流動性調味料調製工程を有する。上述のとおり、流動性調味料は、水、糖類、及びペプチド含有調味料を混合し、加熱処理を施すことによって調製することができる。流動性調味料の調製の際の加熱処理は、ペプチド含有調味料、糖類、及び水を含む混合物の品温90℃以上100℃以下で、45分以上150分以下であることが好ましく、60分から100分加熱することが更に好ましい。ここで、上記の条件は、混合物の品温が、上記指定の温度で上記指定の時間保持されることを指す。
[食品調製工程]
本発明の加熱殺菌処理済食品の製造方法の食品調製工程においては、上述の流動性調味料と、燻煙処理を施した原料とを使用して、常法により食品を調製する。カレー等の調理用ソースの場合は、ルウ、具材、燻煙処理を施していない香辛料や、他の原料を配合することにより、常法により調製することが好ましい。本発明は、ルウを含み、これによってコク味を付けられた食品に適する。
(ルウ)
加熱殺菌処理済食品の製造方法において用いられるルウは、小麦粉及び/又は澱粉と、食用油脂とを含む原料から得られるものである。
一般に、「ルウ」とは、小麦粉及び/又は澱粉と、食用油脂とを含む原料を加熱処理して得られたものをいう。
また、「小麦粉」としては、中力粉、強力粉、準強力粉、及び薄力粉等から選ばれた1種以上を用いることができる。
なお、澱粉としては、従来公知の澱粉を挙げることができ、馬鈴薯澱粉、小麦粉澱粉、コーンスターチ、タピオカ澱粉、及びもち米澱粉等、並びにこれらの加工澱粉等を挙げることができる。本発明の加熱殺菌処理済食品の製造方法においては、澱粉は、物質として100%純粋な澱粉に限らず、適当量の不純物を含むものでもよく、未処理澱粉に限らず各種加工澱粉であってもよい。
また、ルウの原料として用いることができる食用油脂としては、天然油脂、加工油脂、及びこれらの混合物のいずれをも用いることができる。具体的には、バター、マーガリン、豚脂、牛脂、及びこれらの混合物等を挙げることができる。
小麦粉及び/又は澱粉と、食用油脂を含む原料を加熱処理する場合、加熱温度は、原料の品温が110℃以上となるように加熱することが好ましく、110℃以上140℃以下に達するように加熱することが更に好ましい。また、加熱処理の時間は、3分から120分程度行うことが好ましい。
このルウは、香辛料、調味料等を添加して調製したものであってもよく、上記の燻煙処理された原料(例えば燻煙処理を施したカレーパウダー)及び/又は燻煙処理を施していない香辛料を添加して調製したものであってもよい。
(具材)
加熱殺菌処理済食品の製造方法においては、当該食品に各種の具材を加えることが好ましい。
具材は、動物性のものであっても、植物性のものであってもよいが、動物性の具材としては、鶏肉、豚肉、牛肉、シーフード等、植物性の具材としては、ポテト、人参、ゴボウ、ダイコン等の根菜類;チェーチ、枝豆等の豆類;レンコン、アスパラ等の茎菜類;ホウレンソウ、ハクサイ、キャベツ等の葉菜類;ナス、トマト、オクラ等の果菜類;ブロッコリー、カリフラワー等の花菜類;ワカメ、ヒジキ、コンブ等の藻類;シメジ、マッシュルーム、マイタケ等のきのこ類;パイナップル、リンゴ等の果実類;及びアーモンド、ゴマ等の種子類を挙げることができる。
これらの具材の処理方法については、各具材について従来知られている方法を採用すればよい。
(他の原料)
本発明の加熱殺菌処理済食品の製造方法により製造される食品は、上記の燻煙処理を施していない香辛料を含有していてもよいし、更に、その目的とする最終形態に応じて、各種調味料等の風味原料、植物性原料のペースト状物(例えば、トマトペースト、ポテトペースト、リンゴペースト、オニオンペースト、カボチャペースト、ブロッコリーペースト等)等を含んでいてもよい。
[充填・密封工程、及び加熱殺菌処理工程]
充填・密封工程、及び加熱殺菌処理工程は、上記食品を容器に充填・密封すると共に、食品が容器に充填・密封される前に、又は容器に充填・密封された後に、加熱殺菌処理するものである。このような、容器への充填・密封、及び食品の加熱殺菌処理は、従来公知の方法で行えばよい。
例えば、加熱殺菌処理済食品が、レトルト食品である場合、食品をレトルトパウチに充填した後、密封し、これを例えば120℃から125℃で、20分から60分間加熱することにより、レトルト処理すればよい。
以下、本発明について実施例を挙げて詳細に説明する。なお、本発明は、以下に示す実施例に何ら限定されるものではない。
<香辛料の混合・調製>
(カレーパウダーA)
クミン、コリアンダーを含む、レトルトカレーソースに一般に用いられるカレーパウダーから、実施例1でクミン、コリアンダーを単独で用いた量だけ減らしたもの。なお、このカレーパウダーAにもクミン、コリアンダーは含まれる。
(燻製カレーパウダーA)
「カレーパウダーA」を、ヒッコリーを用いて焙乾法により燻煙処理したもの。
(クミン、コリアンダー)
燻煙処理をしていない粉末状のもの。
<実施例1から3、及び比較例2>
表に示した原料のうち、生味噌(タンパク質含量10質量%、水分40質量%)、砂糖、及び水(全原料に対して15質量%の量に相当)を加熱釜で撹拌しながら100℃に達温するまで加熱して流動性調味料を調製した。
次いで、加熱釜に残りの原料を加えて、撹拌しながら100℃に達温するまで加熱してカレーソースを調製し、レトルトパウチに充填密封し、レトルト処理を施した。なお、得られたレトルトカレーには、流動性調味料の形で添加された味噌がタンパク質含量で0.1質量%含まれていた。
<比較例1>
流動性調味料の調製に当たり、生味噌を使用しなかった点以外は、実施例1と同様にしてカレーソースを調製し、レトルトパウチに充填密封して、レトルト処理を施した。
<評価>
各実施例及び比較例で得られたレトルトカレーソースと、レトルト処理してから6ヶ月保存後のレトルトカレーソースに相当する製品とについて、官能試験により、以下の基準で、風味を10名のパネリストの官能評価により5段階で評価した。結果を表1に示す。
5:燻煙味とスパイス感のバランスが良く、全体的にしっかりとした味の強さがある。
4:燻煙味とスパイス感のバランスが良く、全体的に適度な味の強さがある。
3:燻煙味とスパイス感のバランスは良いが、味の強さがやや弱い。
2:燻煙味とスパイス感のバランスが悪い。
1:燻煙味とスパイス感のバランスが悪く、味の強さが弱い。
Figure 2014003928
(表中の数値は質量%で表される)
※スモークオイル粉末は、デキストリンにヒッコリーの香りを付与したものである。
※スモークフレーバーは、燻煙処理時の煙の香りをイメージした香料製剤である。
表1より、本発明の加熱殺菌処理済食品は、比較例の加熱殺菌処理済食品と比較しても、加熱殺菌処理や、長期間の保存を経た後においても、良好な燻煙味を有する一方で、燻煙味以外の香りや風味が加熱殺菌処理や長期間の保存により劣化することがなく、しかも、燻煙処理された原料の燻製味(特にカレーパウダーの燻煙味のあるスパイス感)ともあいまって、食品全体の香りや風味のバランスに優れたものとなることが分かった。また、燻煙処理を施していない香辛料を使用した場合、食品のスパイス感が優れたものとなっていることが分かった。
<実施例4>
生味噌に代えて酵母エキス1質量%(水分40質量%)を使用し、砂糖、水(全原料に対して15質量%の量に相当)を使用して流動性調味料を調製した点以外は、実施例1と同様にして、レトルトカレーソースを製造した。
上記のレトルトカレーソースは、燻煙処理された原料の燻製味(特にカレーパウダーの燻煙味のあるスパイス感)を有し、食品全体の香りや風味のバランスに優れたもので、これらの性能が6ヶ月保存後においても保持された。

Claims (6)

  1. 水、糖類、及びペプチド含有調味料を含み、加熱処理を施して得られる流動性調味料と、
    燻煙処理を施した原料とを含み、容器に充填・密封された加熱殺菌処理済食品。
  2. 燻煙処理を施した原料が、スモークオイルを使用して燻煙処理を施した原料及び/又は焙乾法により燻煙処理を施した原料を含む、請求項1記載の加熱殺菌処理済食品。
  3. 燻煙処理を施した原料が、焙乾法により燻煙処理を施したカレーパウダーを含む、請求項1又は2記載の加熱殺菌処理済食品。
  4. 更に、燻煙処理を施していない香辛料を含有する請求項1から3のいずれかに記載の加熱殺菌処理済食品。
  5. 燻煙処理を施していない香辛料が、ナツメグ、クローブ、カルダモン、クミン、及びコリアンダーからなる群から選ばれる少なくとも1種を含む、請求項4に記載の加熱殺菌処理済食品。
  6. 水、糖類、及びペプチド含有調味料を混合し、加熱処理を施して流動性調味料を得る工程と、
    上記流動性調味料、及び燻煙処理を施した原料を使用して食品を調製する工程と、
    前記食品を容器に充填・密封する工程とを有し、
    食品が容器に充填・密封される前、又は容器に充填・密封された後に、加熱殺菌処理される、加熱殺菌処理済食品の製造方法。
JP2012140763A 2012-06-22 2012-06-22 容器に充填・密封された加熱殺菌処理済食品及びその製造方法 Pending JP2014003928A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012140763A JP2014003928A (ja) 2012-06-22 2012-06-22 容器に充填・密封された加熱殺菌処理済食品及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012140763A JP2014003928A (ja) 2012-06-22 2012-06-22 容器に充填・密封された加熱殺菌処理済食品及びその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2014003928A true JP2014003928A (ja) 2014-01-16

Family

ID=50102308

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012140763A Pending JP2014003928A (ja) 2012-06-22 2012-06-22 容器に充填・密封された加熱殺菌処理済食品及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2014003928A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2018143214A1 (ja) * 2017-01-31 2018-08-09 日清フーズ株式会社 有機酸類含有ソース
JP2018126130A (ja) * 2017-02-06 2018-08-16 宮川森林組合 保存食品およびその製造方法並びに保存食品用食材パック
JP2021106582A (ja) * 2019-12-27 2021-07-29 ハウス食品株式会社 トマトオニオン調味料を含むレトルト食品

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH07313116A (ja) * 1994-05-19 1995-12-05 Nisshin Flour Milling Co Ltd サラダ風味パスタ用ソースおよびその製造方法
JPH11225713A (ja) * 1998-02-20 1999-08-24 Nippon Flour Mills Co Ltd レトルトホワイトソース及びその製造方法
JP2002101842A (ja) * 2000-09-28 2002-04-09 House Foods Corp 調味材、調味材の製造方法及び調味材を用いた食品の製造方法
JP2002218957A (ja) * 2001-01-22 2002-08-06 Iketa Yasumitsu 低電圧電気燻製装置
JP2004105035A (ja) * 2002-09-17 2004-04-08 Kanegafuchi Chem Ind Co Ltd ペースト状カレーの製造方法
JP2009247318A (ja) * 2008-04-10 2009-10-29 Kaneka Corp チーズ含有レトルト食品

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH07313116A (ja) * 1994-05-19 1995-12-05 Nisshin Flour Milling Co Ltd サラダ風味パスタ用ソースおよびその製造方法
JPH11225713A (ja) * 1998-02-20 1999-08-24 Nippon Flour Mills Co Ltd レトルトホワイトソース及びその製造方法
JP2002101842A (ja) * 2000-09-28 2002-04-09 House Foods Corp 調味材、調味材の製造方法及び調味材を用いた食品の製造方法
JP2002218957A (ja) * 2001-01-22 2002-08-06 Iketa Yasumitsu 低電圧電気燻製装置
JP2004105035A (ja) * 2002-09-17 2004-04-08 Kanegafuchi Chem Ind Co Ltd ペースト状カレーの製造方法
JP2009247318A (ja) * 2008-04-10 2009-10-29 Kaneka Corp チーズ含有レトルト食品

Non-Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
JPN6015021044; 'キャンプで燻製カレー' cookpad , 201205 *
JPN6015021046; '燻製カレー' 煙にまかれて 〜 燻製&道楽記 , 2011 *
JPN6015021047; 'いつもの「おうちカレー」を簡単に本格派カレーに変身させる3つの方法' スパイスラックブログ , 2010 *

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2018143214A1 (ja) * 2017-01-31 2018-08-09 日清フーズ株式会社 有機酸類含有ソース
JPWO2018143214A1 (ja) * 2017-01-31 2019-11-21 日清フーズ株式会社 有機酸類含有ソース
JP2018126130A (ja) * 2017-02-06 2018-08-16 宮川森林組合 保存食品およびその製造方法並びに保存食品用食材パック
JP2021106582A (ja) * 2019-12-27 2021-07-29 ハウス食品株式会社 トマトオニオン調味料を含むレトルト食品
JP7250752B2 (ja) 2019-12-27 2023-04-03 ハウス食品株式会社 トマトオニオン調味料を含むレトルト食品

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6371140B2 (ja) 加熱調理用液体調味料
JP2013135618A (ja) 煮込み食品及びその製造方法
WO2018159516A1 (ja) トマト加熱処理物及びトマトベース飲食品、ならびにその製造方法
JP2014003928A (ja) 容器に充填・密封された加熱殺菌処理済食品及びその製造方法
JP6037451B2 (ja) 味噌調味材、これを使用した調味ソース、及びこれらの製造方法
JP2009011283A (ja) ソース
KR100446006B1 (ko) 다목적 장어소스 및 그의 제조방법
JP5861573B2 (ja) 容器に充填・密封された加熱殺菌処理済食品及びその製造方法
JP5924681B2 (ja) 低カロリー食品
JP6098814B2 (ja) 味噌調味材及びその製造方法、並びに調味ソース及びその製造方法
JP7148676B2 (ja) 調味用組成物及びその使用
KR102157292B1 (ko) 황태구이용 양념장의 제조방법 및 이를 이용한 황태양념구이
JPH0678724A (ja) 保存性を有するシーフードカレー
WO2018021276A1 (ja) パスタソース及びその製造方法
JP5911017B2 (ja) レトルト食品、その製造方法、及びレトルト食品用乳化組成物
EP3738444B1 (en) Ingredient-containing liquid seasoning in hermetically sealed container
JP6655303B2 (ja) 粒状トマト含有加熱殺菌処理済食品の製造方法
JP5745317B2 (ja) レトルトカレー及びレトルトカレーの製造方法
JPH1189545A (ja) ルウの製造方法およびハーブソース
JP3612473B2 (ja) フィリング及びこれを含む食品
KR101728070B1 (ko) 저열량 및 저나트륨 식이를 위한 디핑용 소스
JP7161388B2 (ja) 加熱調理用調味材、加熱調理済み食品、及びそれらの製造方法
JP2008295413A (ja) 加熱殺菌処理済食品及びその製造方法
KR20240102039A (ko) 분말타입의 떡볶이 소스의 제조방법 및 그 제조방법에 의하여 제조된 분말타입의 떡볶이 소스
TW201600019A (zh) 香料組成物

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20140624

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20150522

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20150615

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160112

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160310

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20160815