JP2014003928A - 容器に充填・密封された加熱殺菌処理済食品及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】水、糖類、及びペプチド含有調味料を含み、加熱処理を施して得られる流動性調味料と、燻煙処理を施した原料とを含み、容器に充填・密封された加熱殺菌処理済食品によれば、良好な燻煙味を有するとともに、燻煙味以外の香りや風味が加熱殺菌処理や長期間の保存により劣化することがなく、しかも、燻煙処理された原料の燻製味ともあいまって、食品全体の香りや風味のバランスに優れたものとなる。
【選択図】なし
Description
このような、風味や旨味を改善するための調味材としては、特許文献1に、水、糖類、ペプチドを含む材料を、95℃から100℃で60分から120分間煮込むことにより調製される流動性調味料が知られている(特許文献1)。特許文献1の流動性調味料は、旨味、甘味、酸味、塩味等がまとまり、すっきりとしているものの、芯となる旨味のある優れた風味の高品質の調味材である。
一方、特許文献1に記載された流動性調味料がもたらす風味は、加熱殺菌処理や長期間の保存により劣化しにくいものの、その風味自体が煮込み食品様の風味であり、以下で説明するような燻煙味のような強い風味ではない。このため、特許文献1に記載された流動性調味料のみでは、加熱殺菌処理された食品に強い風味を付与することはできなかった。
ところで、従来、魚肉や蓄肉に対して燻煙処理を施した燻製食品が人々の間で広く知られている。一般に、燻煙処理は、サクラ、ブナ、ナラ、ヒッコリー等の木材を高温に熱して発生させた煙を食品に接触させることにより行われるものであり、これにより食品の臭みをマスキングすると共に、独特の風味を付与して嗜好性を向上させ、更に、煙に含まれる殺菌成分を食品に浸透させて食品の保存性を向上させる加工技術である。このような、燻煙処理により得られる燻製食品は、その高い嗜好性のため、従来、人々に広く親しまれている。
また、食品の風味を改善する方法として、食品粉末を撹拌しつつ、燻煙と接触させることにより燻煙処理した燻煙処理食品粉末を、食品中に所定量含有させることを特徴とする食品の風味改善方法が知られている(特許文献2)。上記燻煙処理食品粉末を食品中に含有させることにより、各種食品にほのかな燻臭を付与して、魚臭、肉臭、獣臭等、各種の不快な臭みをマスキングし、食品の風味を改善することができるとされている。
本発明は以上の課題に鑑みてなされたものであり、燻煙味が付与され、強い風味や香りに特徴付けられ、加熱殺菌処理や長期間の保存によっても、食品全体の前記の香りや風味のバランスが崩れることがない、容器に充填・密封された加熱殺菌処理済食品を提供することを目的とする。
本発明の第一の態様は、水、糖類、及びペプチド含有調味料を含み、加熱処理を施して得られる流動性調味料と、燻煙処理を施した原料とを含み、容器に充填・密封された加熱殺菌処理済食品である。
本発明の第二の態様は、水、糖類、及びペプチド含有調味料を混合し、加熱処理を施して流動性調味料を得る工程と、上記流動性調味料、及び燻煙処理を施した原料を使用して食品を調製する工程と、前記食品を容器に充填・密封する工程とを有し、食品が容器に充填・密封される前、又は容器に充填・密封された後に、加熱殺菌処理される、加熱殺菌処理済食品の製造方法である。
<加熱殺菌処理済食品>
本発明の加熱殺菌処理済食品は、所定の流動性調味料と、燻煙処理された原料とを含み、容器に充填・密封され、加熱殺菌処理されたものである。
[流動性調味料]
本発明の加熱殺菌処理済食品に用いられる流動性調味料は、ペプチド含有量調味料、糖類、及び水を含む混合物に、好ましくは品温90℃以上100℃以下で45分以上150分以下加熱処理を施したものである。流動性調味料を添加することにより、旨味成分の旨味が十分に引き出されると共に、加熱殺菌処理によっても当該旨味が劣化することが少ない。このため、流動性調味料に含まれる燻煙処理を施していない原料の香味を活かし、燻煙処理された原料の燻製味ともあいまって、調和の取れた風味を有する食品を得ることができる。
ペプチド含有調味料としては、ペプチドを含む原料を任意に用いることができ、例えば、各種ペプチドの単品、味噌、酵母エキス、タンパク加水分解物、畜肉エキス等又はこれらの混合物を用いることができ、味噌を用いることが好ましい。流動性調味料の調製に用いられる味噌としては、特に限定されるものではなく、液状、ペースト状、粉末状、顆粒状の味噌を挙げることができる。本発明においては、味噌特有の香りが弱い粉末状又は顆粒状の味噌に限られず、液状又はペースト状の生味噌を使用することによっても、加熱殺菌処理済食品の風味改善の効果が十分に得られる。
なお、味噌自体、比較的粒子が大きく、喫食時にざらつき等の好ましくない食感を与える可能性がある。このため、味噌自体を予めコミトロール等によって処理し、微粒子化しておくか、味噌を添加した流動性調味料や、流動性調味料を添加した食品を、コミトロール等によって処理して微粒子化することが好ましい。
流動性調味料中のペプチド含有調味料の含有量は、タンパク質量に換算して0.01質量%以上20質量%以下であることが好ましく、0.1質量%以上10質量%以下であることがより好ましく、0.1質量%以上8質量%以下であることが更に好ましい。流動性調味料中のペプチド含有調味料の含有量を、上記の範囲内のものとすることにより、加熱殺菌処理済食品が、より良好なコク味があって、より芯のある調和の取れた旨味を有し、且つ、使用した調味料特有の不快臭等が低減されたものとなる。
(糖類)
流動性調味料の調製に用いられる糖類としては、特に限定されるものではなく、従来公知の糖類を使用することができる。具体的には、ショ糖、ブドウ糖、ハチミツ、果糖等を挙げることができる他、タマネギ細断物等を、糖類を含む原料として用いてもよい。糖類としては、特にショ糖が好ましい。これらの糖類は、単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
流動性調味料中の糖類の含有量は、0.05質量%以上80質量%以下であることが好ましく、0.5質量%以上40質量%以下であることが更に好ましい。上記の含有量で、流動性調味料に糖類を配合することにより、加熱殺菌処理済食品に好適な風味を付与可能な流動性調味料を調製することができる。
(水)
流動性調味料の調製に用いることができる水の含有量は、流動性調味料中1質量%以上95質量%以下であることが好ましく、10質量%以上85質量%以下であることが更に好ましい。
なお、流動性調味料は、少なくともペプチド含有調味料、糖類、及び水を含めばよく、これら以外の原料が含まれてもよく、以下に記載する燻煙処理された原料が含まれてもよい。
(流動性調味料の調製の際の加熱処理)
流動性調味料の調製の際の加熱処理は、ペプチド含有調味料、糖類、及び水を含む混合物の品温90℃以上100℃以下で、45分以上150分以下であることが好ましく、60分から100分加熱することが更に好ましい。ここで、上記の条件は、混合物の品温が、上記指定の温度で上記指定の時間保持されることを指す。
(流動性調味料の含有量)
本発明の加熱殺菌処理済食品には、加熱殺菌処理済食品とは別途加熱処理された調味料として、流動性調味料を1質量%以上70質量%以下含ませることが好ましく、5質量%以上35質量%以下含ませることが更に好ましい。また、流動性調味料中のペプチドの含有量及び加熱殺菌処理済食品中の流動性調味料の含有量を適宜調整することにより、食品中、上記別途加熱処理された流動性調味料として添加されるペプチドの含有量を、0.01質量%以上1質量%以下とすることが好ましい。ペプチド含有調味料が味噌である場合は、タンパク質含量で、0.01質量%以上2質量%以下とすることが好ましく、0.03質量%以上1質量%以下とすることが更に好ましい。
燻煙処理された原料としては、加熱殺菌処理済食品に添加される任意の原料を燻煙処理したものであればよい。これらの加熱殺菌処理済食品に添加される原料は、任意の燻煙処理を施せばよく、例えばスモークオイル(燻材を燃焼又は乾溜し、その溜分から得られる液体)を使用して燻煙処理を施しても、焙乾法により燻煙処理を施してもよく、これらの処理を併用してもよい。これら燻煙処理の具体的方法としては、スモークオイル等を使用する液燻法であれば、人工的に煙と同じ成分を含む燻液を調製し、この燻液に燻煙処理の対象となる原料を接触させればよいし、焙乾法であれば、上記のサクラ、ブナ、ナラ、ヒッコリー等の木材を加熱して発生させた煙に対象となる原料を接触させればよい。
燻煙処理を施される原料としては、加熱殺菌処理済食品に添加されるものであれば、特に限定されるものではないが、カレーパウダー等の(混合)香辛料、各種具材、粉末調味料、粉末酸味料、澱粉(小麦粉ルウやこれを調製する際の小麦粉等を含む)、油脂、油脂を含んだ調味原料、植物性原料、動物性原料等のペースト状物、フレーク、粉末等を例示することができる。また、具材に燻煙処理を施してもよい。これらの燻煙処理された原料としては、カレーパウダー等の混合香辛料、粉末調味料、植物性原料のペースト、フレーク、粉末が好ましく、特に、燻煙処理されたカレーパウダーを用いることが好ましい。
(燻煙処理されたカレーパウダー)
カレーパウダーを燻煙処理した場合、カレーパウダーを用いた食品に付与される燻煙味や、通常、加熱殺菌処理や長期間の保存を経ることにより失われやすいカレーパウダーに配合された香辛料のスパイス感や香味が、加熱殺菌処理や長期間の保存を経た後においても劣化しにくいため、燻煙味やカレーパウダーのスパイス感、香味に優れた、加熱殺菌処理済食品を得ることができる。すなわち、混合香辛料であるカレーパウダーを燻煙処理することで、配合された香辛料のスパイス感や香味が融合して燻煙味を付けることができ、これにより保存時に劣化しにくい優れたスパイス感、香味を有する加熱殺菌処理済食品を提供ことができる。
燻煙処理を施したカレーパウダーを調製する際に原料として使用されるカレーパウダーとしては、特に限定されるものではなく、従来知られたカレーパウダーを用いることができる。具体的に、カレーパウダーとしては、例えば、カルダモン、クローブ、ナツメグ、フェヌグリーク、ローレル、フェンネル、コリアンダー、クミン、キャラウェー、タイム、セージ、陳皮、胡椒、唐辛子、マスタード、ジンジャー、ターメリック、パプリカ等から選ばれる2種以上、好ましくは5種以上を含む混合香辛料を用いることができる。カレーパウダーに用いる香辛料の種類は、求められる最終製品の風味に応じて適宜、調整すればよい。
ここで、特に、燻煙処理を施す原料としてカレーパウダーを選択する場合、香辛料本来のスパイス感を生かす上では、焙乾法により燻煙処理することが好ましい。なお、カレーパウダーを燻煙処理する場合、燻煙処理はカレーパウダーに含まれる各香辛料を完全に混合した状態で行うことが好ましく、焙乾法により燻煙処理する場合には、カレーパウダーを混合しつつ煙を接触させることが好ましい。
なお、本発明においては、燻煙処理を施した原料に加え、食品にスモークオイル等を加えることにより、加熱殺菌処理された食品に更なる燻製味を付与してもよい。
(燻煙処理された原料の含有量)
加熱殺菌処理済食品中の燻煙処理を施した原料の含有量は、0.2質量%以上70質量%以下とすることが好ましく、0.5質量%以上50質量%以下とすることが更に好ましい。燻煙処理を施したカレーパウダー等の粉末の場合の含有量は、0.5質量%以上3質量%以下とすることが好ましく、1質量%以上2質量%以下とすることが更に好ましい。
本発明の加熱殺菌処理済食品には、更に、燻煙処理を施していない香辛料が添加されていてもよい。ここで、燻煙処理を施さないまま添加する香辛料としては、加熱殺菌処理や長期間の保存を経た後においてもそのスパイス感や香味が変化しにくい香辛料を用いることが好ましい。具体的には、ナツメグ、クローブ、カルダモン、クミン、及びコリアンダーからなる群から選ばれる少なくとも1種を用いることができ、上記に列挙した香辛料からなる群から選ばれる少なくとも2種以上を用いることが好ましい。なお、香辛料の選択は、加熱殺菌処理済食品に求められる風味に応じて適宜選択することが好ましいが、例えば、クミン及びコリアンダーを組み合わせて使用することが好ましい。食品中、燻煙処理を施していない香辛料の含有量を、0.5質量%以上3質量%以下、好ましくは1質量%以上2質量%以下とすることが好ましい。
上記の燻煙処理を施していない香辛料は、加熱殺菌処理や長期間の保存を経た後においてもそのスパイス感や香味が失われにくいため、これらの香辛料を食品に加えることにより、前記の燻煙処理を施したカレーパウダー等の燻煙処理を施した原料のスパイス感や香味と融合して、加熱殺菌処理済食品が、良好なスパイス感や香味を有し、食品全体の香りや風味のバランスに優れたものとなる。
本発明の加熱殺菌処理済食品としては、特に限定されるものではないが、香辛味等の強い風味や香りに特徴付けられた食品、例えばカレーパウダーを使用した食品であることが好ましく、具体的には、カレー、カレーシチュー、カレーフィリング、カレー風味の調理用ソース等を挙げることが出来る。食品は、ソース等の液状食品、これに必要により具材を加えた形態のものであることが好ましい。これらの食品は、加熱殺菌処理されたものであるが、特にレトルトパウチに充填・密封され、レトルト処理されていることが好ましい。加熱殺菌処理済食品には、チルド食品や無菌充填食品等も含まれる。
本発明は、加熱殺菌処理済食品の製造方法にも関する。本発明の加熱殺菌処理済食品の製造方法は、水、糖類、及びペプチド含有調味料を混合し、加熱処理を施して流動性調味料を得る工程(流動性調味料調製工程)と、流動性調味料、及び燻煙処理を施した原料を使用して食品を調製する工程(食品調製工程)と、上記食品を容器に充填・密封する工程(充填・密封工程)と、を有し、充填・密封工程の前又は後に、食品を加熱殺菌処理する工程(加熱殺菌工程)を有する。
本発明の加熱殺菌処理済食品の製造方法は、流動性調味料調製工程を有する。上述のとおり、流動性調味料は、水、糖類、及びペプチド含有調味料を混合し、加熱処理を施すことによって調製することができる。流動性調味料の調製の際の加熱処理は、ペプチド含有調味料、糖類、及び水を含む混合物の品温90℃以上100℃以下で、45分以上150分以下であることが好ましく、60分から100分加熱することが更に好ましい。ここで、上記の条件は、混合物の品温が、上記指定の温度で上記指定の時間保持されることを指す。
[食品調製工程]
本発明の加熱殺菌処理済食品の製造方法の食品調製工程においては、上述の流動性調味料と、燻煙処理を施した原料とを使用して、常法により食品を調製する。カレー等の調理用ソースの場合は、ルウ、具材、燻煙処理を施していない香辛料や、他の原料を配合することにより、常法により調製することが好ましい。本発明は、ルウを含み、これによってコク味を付けられた食品に適する。
(ルウ)
加熱殺菌処理済食品の製造方法において用いられるルウは、小麦粉及び/又は澱粉と、食用油脂とを含む原料から得られるものである。
一般に、「ルウ」とは、小麦粉及び/又は澱粉と、食用油脂とを含む原料を加熱処理して得られたものをいう。
また、「小麦粉」としては、中力粉、強力粉、準強力粉、及び薄力粉等から選ばれた1種以上を用いることができる。
なお、澱粉としては、従来公知の澱粉を挙げることができ、馬鈴薯澱粉、小麦粉澱粉、コーンスターチ、タピオカ澱粉、及びもち米澱粉等、並びにこれらの加工澱粉等を挙げることができる。本発明の加熱殺菌処理済食品の製造方法においては、澱粉は、物質として100%純粋な澱粉に限らず、適当量の不純物を含むものでもよく、未処理澱粉に限らず各種加工澱粉であってもよい。
また、ルウの原料として用いることができる食用油脂としては、天然油脂、加工油脂、及びこれらの混合物のいずれをも用いることができる。具体的には、バター、マーガリン、豚脂、牛脂、及びこれらの混合物等を挙げることができる。
小麦粉及び/又は澱粉と、食用油脂を含む原料を加熱処理する場合、加熱温度は、原料の品温が110℃以上となるように加熱することが好ましく、110℃以上140℃以下に達するように加熱することが更に好ましい。また、加熱処理の時間は、3分から120分程度行うことが好ましい。
このルウは、香辛料、調味料等を添加して調製したものであってもよく、上記の燻煙処理された原料(例えば燻煙処理を施したカレーパウダー)及び/又は燻煙処理を施していない香辛料を添加して調製したものであってもよい。
加熱殺菌処理済食品の製造方法においては、当該食品に各種の具材を加えることが好ましい。
具材は、動物性のものであっても、植物性のものであってもよいが、動物性の具材としては、鶏肉、豚肉、牛肉、シーフード等、植物性の具材としては、ポテト、人参、ゴボウ、ダイコン等の根菜類;チェーチ、枝豆等の豆類;レンコン、アスパラ等の茎菜類;ホウレンソウ、ハクサイ、キャベツ等の葉菜類;ナス、トマト、オクラ等の果菜類;ブロッコリー、カリフラワー等の花菜類;ワカメ、ヒジキ、コンブ等の藻類;シメジ、マッシュルーム、マイタケ等のきのこ類;パイナップル、リンゴ等の果実類;及びアーモンド、ゴマ等の種子類を挙げることができる。
これらの具材の処理方法については、各具材について従来知られている方法を採用すればよい。
(他の原料)
本発明の加熱殺菌処理済食品の製造方法により製造される食品は、上記の燻煙処理を施していない香辛料を含有していてもよいし、更に、その目的とする最終形態に応じて、各種調味料等の風味原料、植物性原料のペースト状物(例えば、トマトペースト、ポテトペースト、リンゴペースト、オニオンペースト、カボチャペースト、ブロッコリーペースト等)等を含んでいてもよい。
充填・密封工程、及び加熱殺菌処理工程は、上記食品を容器に充填・密封すると共に、食品が容器に充填・密封される前に、又は容器に充填・密封された後に、加熱殺菌処理するものである。このような、容器への充填・密封、及び食品の加熱殺菌処理は、従来公知の方法で行えばよい。
例えば、加熱殺菌処理済食品が、レトルト食品である場合、食品をレトルトパウチに充填した後、密封し、これを例えば120℃から125℃で、20分から60分間加熱することにより、レトルト処理すればよい。
(カレーパウダーA)
クミン、コリアンダーを含む、レトルトカレーソースに一般に用いられるカレーパウダーから、実施例1でクミン、コリアンダーを単独で用いた量だけ減らしたもの。なお、このカレーパウダーAにもクミン、コリアンダーは含まれる。
(燻製カレーパウダーA)
「カレーパウダーA」を、ヒッコリーを用いて焙乾法により燻煙処理したもの。
(クミン、コリアンダー)
燻煙処理をしていない粉末状のもの。
<実施例1から3、及び比較例2>
表に示した原料のうち、生味噌(タンパク質含量10質量%、水分40質量%)、砂糖、及び水(全原料に対して15質量%の量に相当)を加熱釜で撹拌しながら100℃に達温するまで加熱して流動性調味料を調製した。
次いで、加熱釜に残りの原料を加えて、撹拌しながら100℃に達温するまで加熱してカレーソースを調製し、レトルトパウチに充填密封し、レトルト処理を施した。なお、得られたレトルトカレーには、流動性調味料の形で添加された味噌がタンパク質含量で0.1質量%含まれていた。
<比較例1>
流動性調味料の調製に当たり、生味噌を使用しなかった点以外は、実施例1と同様にしてカレーソースを調製し、レトルトパウチに充填密封して、レトルト処理を施した。
各実施例及び比較例で得られたレトルトカレーソースと、レトルト処理してから6ヶ月保存後のレトルトカレーソースに相当する製品とについて、官能試験により、以下の基準で、風味を10名のパネリストの官能評価により5段階で評価した。結果を表1に示す。
5:燻煙味とスパイス感のバランスが良く、全体的にしっかりとした味の強さがある。
4:燻煙味とスパイス感のバランスが良く、全体的に適度な味の強さがある。
3:燻煙味とスパイス感のバランスは良いが、味の強さがやや弱い。
2:燻煙味とスパイス感のバランスが悪い。
1:燻煙味とスパイス感のバランスが悪く、味の強さが弱い。
※スモークオイル粉末は、デキストリンにヒッコリーの香りを付与したものである。
※スモークフレーバーは、燻煙処理時の煙の香りをイメージした香料製剤である。
生味噌に代えて酵母エキス1質量%(水分40質量%)を使用し、砂糖、水(全原料に対して15質量%の量に相当)を使用して流動性調味料を調製した点以外は、実施例1と同様にして、レトルトカレーソースを製造した。
上記のレトルトカレーソースは、燻煙処理された原料の燻製味(特にカレーパウダーの燻煙味のあるスパイス感)を有し、食品全体の香りや風味のバランスに優れたもので、これらの性能が6ヶ月保存後においても保持された。
Claims (6)
- 水、糖類、及びペプチド含有調味料を含み、加熱処理を施して得られる流動性調味料と、
燻煙処理を施した原料とを含み、容器に充填・密封された加熱殺菌処理済食品。 - 燻煙処理を施した原料が、スモークオイルを使用して燻煙処理を施した原料及び/又は焙乾法により燻煙処理を施した原料を含む、請求項1記載の加熱殺菌処理済食品。
- 燻煙処理を施した原料が、焙乾法により燻煙処理を施したカレーパウダーを含む、請求項1又は2記載の加熱殺菌処理済食品。
- 更に、燻煙処理を施していない香辛料を含有する請求項1から3のいずれかに記載の加熱殺菌処理済食品。
- 燻煙処理を施していない香辛料が、ナツメグ、クローブ、カルダモン、クミン、及びコリアンダーからなる群から選ばれる少なくとも1種を含む、請求項4に記載の加熱殺菌処理済食品。
- 水、糖類、及びペプチド含有調味料を混合し、加熱処理を施して流動性調味料を得る工程と、
上記流動性調味料、及び燻煙処理を施した原料を使用して食品を調製する工程と、
前記食品を容器に充填・密封する工程とを有し、
食品が容器に充填・密封される前、又は容器に充填・密封された後に、加熱殺菌処理される、加熱殺菌処理済食品の製造方法。
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