JP2008295413A - 加熱殺菌処理済食品及びその製造方法 - Google Patents
加熱殺菌処理済食品及びその製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2008295413A JP2008295413A JP2007147452A JP2007147452A JP2008295413A JP 2008295413 A JP2008295413 A JP 2008295413A JP 2007147452 A JP2007147452 A JP 2007147452A JP 2007147452 A JP2007147452 A JP 2007147452A JP 2008295413 A JP2008295413 A JP 2008295413A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- heat
- spices
- spice
- sterilized
- flavor
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Seeds, Soups, And Other Foods (AREA)
- Food Preservation Except Freezing, Refrigeration, And Drying (AREA)
Abstract
【解決手段】流動部に油脂で焙煎処理したJIS標準篩目開きで3000μmPASS、200μmONの粒度範囲の香辛料粗砕物を0.2〜10質量%含有することを特徴とする加熱殺菌処理済流動状食品。香辛料を油脂とともに100〜180℃に加熱処理し、ついで、油脂と分離した香辛料を粗砕して香辛料粗砕物を得て、該香辛料粗砕物を含んで加熱殺菌処理済流動状食品を製造することを特徴とする加熱殺菌処理済流動状食品の製造方法。
【選択図】なし
Description
特許文献1には、種子香辛料を油脂とともに80〜180℃に加熱処理し、ついで磨砕することを特徴とする、カレー用香味増強組成物の製造法が開示されている。特許文献1には、上記組成物をレトルトカレー等に配合すること、組成物の磨砕条件の一例として、JIS標準篩目開きで37〜177μmの範囲で篩過されるように磨砕することについて記載されている(段落番号0008、0025)。さらに、実施例として、キャロットシードとマスタードシードを精製牛脂とともに加熱処理して40μmで篩過されるように磨砕した組成物を、1質量部含有するレトルトカレーについて記載している(段落番号0012、0016)。
本発明は、流動部に油脂で焙煎処理したJIS標準篩目開きで3000μmPASS、200μmONの粒度範囲の香辛料粗砕物を0.2〜10質量%含有することを特徴とする加熱殺菌処理済流動状食品を要旨とする。また、本発明は、香辛料粗砕物がJIS標準篩目開きで3000μmPASS、350μmONの粒度範囲のものである上記の加熱殺菌処理済食品を別の要旨とする。また、香辛料を油脂とともに100〜180℃に加熱処理し、ついで、油脂と分離した香辛料を粗砕して香辛料粗砕物を得て、該香辛料粗砕物を含んで加熱殺菌処理済流動状食品を製造することを特徴とする加熱殺菌処理済流動状食品の製造方法を別の要旨とする。
香辛料粗砕物は、次のようにして調製することができる。
香辛料としては、ターメリック、スターアニス、カルダモン、クミン、コリアンダー、唐辛子、胡椒、メッチ、マスタード、フェンネル、ガーリック、ジンジャー、ディルシード、ナットメッグ、クローブ、シナモン、アニスシード、アジャワン、セージ、タイルスパイス、桂皮、オレガノ、タラゴン、陳皮、ローレル、シナモン、ローリエ、カレーリーフからなる群から選ばれた1以上を用いることができる。特に、カルダモン、クミン、コリアンダー、胡椒、メッチ、マスタード、クローブ、シナモン、ローリエ、カレーリーフからなる群から選ばれた1以上、好ましくは2以上、さらに好ましくは3以上、特にカルダモン、クミン、マスタード及びメッチを組合わせて用いることができる。また、所謂カレーパウダーに用いる香辛料を、混合して用いることができる。以上の態様で香辛料を用いる場合に、本発明の香味改善効果が有効に達成される。
油脂としては、豚脂、牛脂、バター、植物油などの各種油脂があげられる。
香辛料粗砕物として、前記の好ましい、より大きい粒度範囲である3000μmPASS、350μmON、好ましくは3000μmPASS、500μmONの粒度のものを用いる場合には、流動状食品に、優れた香味を好適に達成し、かつ、香辛料粗砕物の食感に基づく“荒引き感”のある特有の食感を付与することができる。香辛料粗砕物に調製の際の油脂等が混入する場合等、粗砕物の粒度がわかりにくい場合には、粗砕物に湯及び/又はエタノールをかけて、油脂を除いて粗砕物の粒度を求めることができる。
なお、焙煎処理をした香辛料を、油脂と分離して粗砕することが望ましい。このようにして得た香辛料粗砕物は、これに含まれる以外の余分な油脂分を含まない状態であるため、対象の食品に応じて、該粗砕物の含有量を調整して、加熱殺菌処理済流動状食品の香味を自在に調整し得るものとなる。
また、前記の3000μmPASS、350μmON、好ましくは3000μmPASS、500μmONの大きい粒度範囲の香辛料粗砕物を、0.5〜5%、好ましくは1〜3%含有して流動状食品を調製する場合には、“荒引き感”のある香辛料が流動状食品中に分散される。つまり、大さじスプーン一杯等量(約15cc)当り、30〜750mg、好ましくは150〜450mg程度の荒引香辛料が分散して含まれる。したがって、流動状食品を口に含んで咀嚼する場合に、香辛料粗砕物の食感に基づく“荒引き感”のある特有の食感が奏される。
上記の範囲で油分を含有する流動状食品によれば、香辛料粗砕物由来の油分が良好に作用する効果と相まって、トータルの油分に基づく優れた香味品質が達成される。なお、前記油分の数値範囲は、特に、カレー、シチュー等に適したものである。これらの流動状食品において、前記の油分を達成する場合は、油脂と小麦粉と必要により香辛料を焙煎して調製する所謂小麦粉ルウを、2.5〜8%含有することが好ましい。なお、本発明において、油分は全てソックスレー抽出法にしたがって測定した数値を指す。
流動状食品には、肉類、野菜類などの具材の他に、香辛料、調味料等を含むことができるのは勿論である。
本発明では、以上のように、香辛料粗砕物を含有する基本態様と、流動部の油分の調整、香味油、香辛料等の使用を任意に組合わせて、流動状食品の多様な香味のバリエーションを達成できるという利点がある。
以下実施例に基づいて本発明について説明するが、これに限らず種々応用変形をなし得ることはいうまでもない。
(香辛料粗砕物の調製)
加熱焙煎釜でラード20質量部を150℃に加熱し、これに香辛料としてカルダモン、クミン、マスタード及びメッチ(これら四者で10質量部)を加えて混合し、さらに原料を130℃に加熱達温させた。原料を100℃に冷却して、ラードと分離した香辛料と水10質量部の混合物を、コミトロールで粗砕した(以下、得られたものを「粗砕物ペースト」という)。
この場合に、粗砕物ペーストに湯及びエタノールをかけ、含まれる香辛料の粒度を測定したところ、ほぼ全量が、JIS標準篩目開き2000μmの篩をPASSし、目開き200μmの篩にONする粒度範囲のものであった。
(香辛料粗砕物の粒度が小さく、所謂低油脂、低カロリーの食品)
前記の粗砕物ペースト4質量部(水を除く、油脂で焙煎処理した香辛料粗砕物が2質量部含まれる)、ラードと小麦粉と焙煎して得た小麦粉ルウ4.5質量部、ソテーオニオン6質量部、カレーパウダー1.5質量部、水135質量部を煮込み、角切り牛肉15質量部、ニンジン12質量部、馬鈴薯25質量部を加えてレトルトパウチに密封し、レトルト加熱殺菌処理を施してレトルトカレーを調製した。
上記のレトルトカレーは、流動部(オニオン、牛肉、ニンジン、馬鈴薯を除くソース部分)に油分をトータル4%含有し、油脂で焙煎処理した香辛料粗砕物由来の油分を0.5%含有するものであった。
(香辛料粗砕物の粒度が本発明の範囲に満たない場合)
コミトロールの刃の目開きを変えて粗砕条件を変え、前記の測定方法にしたがって、ほぼ全量が、JIS標準篩目開きで40μmの篩をPASSする粒度範囲に調製した粗砕物ペーストを用いる以外は、実施例1と同様にしてレトルトカレーを調製した。
得られたレトルトカレーは、製造直後及び12カ月間常温で保存後の何れにおいても、実施例1のものと比べて、香味が弱く、全体の風味が薄すぎるものであった。
(香辛料粗砕物の粒度が本発明の範囲を超える場合)
コミトロールの刃の目開きを変えて粗砕条件を変え、前記の測定方法にしたがって、ほぼ全量が、JIS標準篩目開きで3500μmの篩にONする粒度範囲に調製した粗砕物ペーストを用いる以外は、実施例1と同様にしてレトルトカレーを調製した。
得られたレトルトカレーは、製造直後及び12カ月間常温で保存後の何れにおいても、実施例1のものと香味は同等であるが、香辛料のザラついた食感を生じたものであった。
(本発明の粒度範囲の香辛料粗砕物が、本発明の含有量に満たない場合)
粗砕物ペースト0.2質量部(水を除く、油脂で焙煎処理した香辛料粗砕物が0.1質量部含まれる)、小麦粉ルウ8質量部を用いる以外は、実施例1と同様にしてレトルトカレーを調製した。
得られたレトルトカレーは、製造直後及び12カ月間常温で保存後の何れにおいても、実施例1のものと比べて、香味が弱く、全体の風味が薄すぎるものであった。
(本発明の粒度範囲の香辛料粗砕物が、本発明の含有量を超える場合)
粗砕物ペースト24質量部(水を除く、油脂で焙煎処理した香辛料粗砕物が12質量部含まれる)、小麦粉ルウ2.5質量部、水129質量部を用いる以外は、実施例1と同様にしてレトルトカレーを調製した。
得られたレトルトカレーは、製造直後及び12カ月間常温で保存後の何れにおいても、実施例1のものと比べて、全体の香味のバランスが悪いものであった。
(香辛料粗砕物の代わりに乾燥香辛料粗砕物を用いる場合)
粗砕物ペーストの代わりに、乾燥ホールを用いて、ほぼ全量がJIS標準篩目開き2000μmの篩をPASSし、目開き200μmの篩にONする粒度範囲に粗砕されたカルダモン、クミン、マスタード及びメッチ(これら四者で2質量部)、香辛料粗砕物を調製する際に焙煎加熱の後香辛料と分離したラード2質量部、小麦粉ルウ6質量部、水131.5質量部を用いる以外は、実施例1と同様にしてレトルトカレーを調製した。
得られたレトルトカレーは、製造直後及び12カ月常温で保存後の何れにおいても、実施例1のものと比べて、香味が弱く、香り立ちが不足するもので、香辛料のザラついた食感を生じたものであった。
(香味油を併用する場合)
香辛料粗砕物を調製する際に焙煎加熱の後香辛料と分離したラード2質量部、小麦粉ルウ5.4質量部を用いる以外は、実施例1と同様にしてレトルトカレーを調製した。
上記のレトルトカレーは、流動部(オニオン、牛肉、ニンジン、馬鈴薯を除くソース部分)に油分をトータル7%含有し、油脂で焙煎処理した香辛料粗砕物由来の油分を0.25%、焙煎加熱の後香辛料と分離したラードを2%含有するものであった。
Claims (8)
- 流動部に油脂で焙煎処理したJIS標準篩目開きで3000μmPASS、200μmONの粒度範囲の香辛料粗砕物を0.2〜10質量%含有することを特徴とする加熱殺菌処理済流動状食品。
- 香辛料粗砕物がJIS標準篩目開きで3000μmPASS、350μmONの粒度範囲のものである請求項1に記載の加熱殺菌処理済食品。
- 流動部に油分を3〜11質量%含有する請求項1又は2に記載の加熱殺菌処理済食品。
- 流動部に油分を3〜8質量%含有する請求項1又は2に記載の加熱殺菌処理済食品。
- 流動部に油分を3〜5質量%含有する請求項1又は2に記載の加熱殺菌処理済食品。
- レトルト食品である請求項1〜5の何れか1項に記載の加熱殺菌処理済食品。
- 食品がカレーである請求項1〜6の何れか1項に記載の加熱殺菌処理済食品。
- 香辛料を油脂とともに100〜180℃に加熱処理し、ついで、油脂と分離した香辛料を粗砕して香辛料粗砕物を得て、該香辛料粗砕物を含んで加熱殺菌処理済流動状食品を製造することを特徴とする加熱殺菌処理済流動状食品の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007147452A JP2008295413A (ja) | 2007-06-01 | 2007-06-01 | 加熱殺菌処理済食品及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007147452A JP2008295413A (ja) | 2007-06-01 | 2007-06-01 | 加熱殺菌処理済食品及びその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2008295413A true JP2008295413A (ja) | 2008-12-11 |
Family
ID=40169546
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2007147452A Pending JP2008295413A (ja) | 2007-06-01 | 2007-06-01 | 加熱殺菌処理済食品及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2008295413A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012217384A (ja) * | 2011-04-08 | 2012-11-12 | House Foods Corp | レトルトカレー及びレトルトカレーの製造方法 |
JP2016123329A (ja) * | 2014-12-26 | 2016-07-11 | ハウス食品株式会社 | 焙煎香辛料ペースト及びその製造方法 |
Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH05227917A (ja) * | 1990-12-14 | 1993-09-07 | House Food Ind Co Ltd | ペースト状カレールー |
JP2000224969A (ja) * | 1999-02-08 | 2000-08-15 | Ogawa & Co Ltd | カレー用香味増強組成物 |
-
2007
- 2007-06-01 JP JP2007147452A patent/JP2008295413A/ja active Pending
Patent Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH05227917A (ja) * | 1990-12-14 | 1993-09-07 | House Food Ind Co Ltd | ペースト状カレールー |
JP2000224969A (ja) * | 1999-02-08 | 2000-08-15 | Ogawa & Co Ltd | カレー用香味増強組成物 |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012217384A (ja) * | 2011-04-08 | 2012-11-12 | House Foods Corp | レトルトカレー及びレトルトカレーの製造方法 |
JP2016123329A (ja) * | 2014-12-26 | 2016-07-11 | ハウス食品株式会社 | 焙煎香辛料ペースト及びその製造方法 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4558063B2 (ja) | 料理に用いられる調味料及びその製造方法 | |
JP6609856B2 (ja) | 焙煎香辛料ペースト及びその製造方法 | |
JP6294608B2 (ja) | 揚げ物用衣材 | |
WO2015159841A1 (ja) | スパイスミックス、加熱調理用調味料及び揚げ物用衣材 | |
JP6005877B2 (ja) | スパイスミックス、加熱調理用調味料及び揚げ物用衣材 | |
JP2018196364A (ja) | 肉漬け込み用味噌だれ組成物及びその製造方法 | |
JP6037451B2 (ja) | 味噌調味材、これを使用した調味ソース、及びこれらの製造方法 | |
CN103535677B (zh) | 一种天然食用香料混合的调味粉 | |
JP2008295413A (ja) | 加熱殺菌処理済食品及びその製造方法 | |
JP3804965B1 (ja) | 臭いを抑えたにんにくペーストの製造方法 | |
JP5052576B2 (ja) | 香辛料の製造方法 | |
JP2014003928A (ja) | 容器に充填・密封された加熱殺菌処理済食品及びその製造方法 | |
JP5861573B2 (ja) | 容器に充填・密封された加熱殺菌処理済食品及びその製造方法 | |
JP5745317B2 (ja) | レトルトカレー及びレトルトカレーの製造方法 | |
JP5911017B2 (ja) | レトルト食品、その製造方法、及びレトルト食品用乳化組成物 | |
JP6784549B2 (ja) | ひよこ豆含有レトルト食品およびその製造方法 | |
JPH1189545A (ja) | ルウの製造方法およびハーブソース | |
JP5936214B1 (ja) | レトルト臭マスキング用香料組成物の製造方法 | |
JPH05227917A (ja) | ペースト状カレールー | |
JP7514606B2 (ja) | 粉末状香辛料組成物及びその製造方法 | |
JP3909067B2 (ja) | 調味用流動状食品とその製造方法 | |
JP7185404B2 (ja) | 花椒含有組成物の製造方法及び食品の製造方法 | |
KR20170137481A (ko) | 강황솥밥용 고추비빔의 제조방법 | |
JP6040278B2 (ja) | レトルトカレー及びレトルトカレーの大豆たん白の不快な風味を低減する方法 | |
JP5343114B2 (ja) | 焙煎コーンパウダーを使用した容器詰め飲料及びその製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20090508 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20101126 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20110118 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20110318 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20110607 |