JP2016123329A - 焙煎香辛料ペースト及びその製造方法 - Google Patents

焙煎香辛料ペースト及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】香辛料の特有の香り・風味が増強された焙煎香辛料ペースト及びその製造方法の提供を目的とする。【解決手段】粉砕処理した焙煎香辛料を含む焙煎香辛料ペーストであって、香辛料を油脂で焙煎処理し、得られた焙煎香辛料を粉砕処理する際又は粉砕処理した後に食塩水又は水及び食塩を添加した焙煎香辛料ペーストを提供する。【選択図】なし

Description

本発明は、粉砕処理した焙煎香辛料を含む焙煎香辛料ペースト及びその製造方法に関する。
種々の食品を製造する際に、所望の香りや風味を付与するために香辛料が用いられ、例えば、レトルトカレーの場合、ルウ(小麦粉と油脂の焙煎物)、野菜・果実ピューレ、調味液等と、種々の香辛料とを組み合わせて煮込み、必要に応じて野菜・牛肉等の具材を加えて容器に充填し、加熱殺菌処理を行うことにより製造されている。
特に、カレー、シチュー、デミグラスソース、ハヤシ、パスタソース、フィリング、トマトチャウダー等の調味ソースに用いられる材料の中で、香辛料は、香りと風味を調味ソースに付与する上で極めて重要な材料である。
香辛料が有する所望の香気や風味を増強し保持する方法として、いくつかの方法が知られている。例えば、特許4020350号明細書には、種子香辛料を油脂とともに100〜160℃に加熱処理し、ついで磨砕することを特徴とする、レトルトカレー用香味増強組成物の製造法が開示されている。また特開2008−295413号公報には、香辛料を油脂とともに100〜180℃に加熱処理し、ついで、油脂と分離した香辛料を粗砕して香辛料粗砕物を得て、該香辛料粗砕物を含んで加熱殺菌処理済流動状食品を製造する方法が開示されている。
前記の先行技術の香辛料を含む組成物は、加熱処理(焙煎処理ともいう)が施され、香辛料の焙煎された香りと風味が付与されたものであり、これらをレトルトカレーに含むことで、一体感のある風味や、焙煎された香辛料の粒状感が付与される。これらの技術は、レトルトカレーを調製する際等に、香辛料をそのまま添加するのではなく、焙煎処理を施した香辛料として添加することで、より香辛料の香りや風味を活かすことを意図している。
ところで、焙煎処理を施した香辛料が、焙煎処理を施したナッツのような香ばしい香りを伴う各香辛料特有の香りと、焙煎処理を施したゴマのような加熱感のある旨味を有し(これらの性能を「特有の香り・風味」という場合がある)、これらをカレーソース等に付与することができれば、さらに嗜好性の高いカレーソース等を提供することが可能となる。先行技術の香辛料を含む組成物では、前記の性能を十分に達成することができなかった。特開2008−295413号公報では、加熱処理後、油脂と分離した香辛料粗砕物を水とともに粗砕して香辛料粗砕物を調製しているが(段落0020)、この場合も同様であった。
特許4020350号明細書 特開2008−295413号公報
従来の方法により得られる焙煎香辛料ペーストは、いずれも香辛料の特有の香り・風味が不十分なものであり、例えばこれらを加配したカレーソースに、香辛料の特有の香り・風味が十分に活かされないという問題があった。本発明は、香辛料の特有の香り・風味がより一層増強された焙煎香辛料ペースト及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題に鑑み、鋭意研究を行った。その結果、香辛料を油脂で焙煎処理し、得られた焙煎香辛料を粉砕処理する際又は粉砕処理した後に、特定の態様で食塩水又は水及び食塩を添加することにより、上記課題を解決できることを見出した。
本発明の具体的な態様は以下のとおりである。
本発明は、粉砕処理した焙煎香辛料を含む焙煎香辛料ペーストの製造方法であって、
(a) 香辛料を油脂で焙煎処理する工程と、
(b) 工程(a)で得られた焙煎香辛料を、
(1) 油脂から分離し、食塩水とともに粉砕処理する工程、
(2) 油脂から分離し、水とともに粉砕処理した後に食塩を添加する工程、
(3) 焙煎処理に用いた油脂及び食塩水とともに粉砕処理する工程、
(4) 焙煎処理に用いた油脂とともに粉砕処理した後に食塩水を添加する工程、及び
(5) 焙煎処理に用いた油脂及び水とともに粉砕処理した後に食塩を添加する工程、
から選ばれる1以上の工程と
を含む、製造方法に関する。
本発明は、工程(b)において、焙煎香辛料100重量部に対し、水30重量部以上及び/又は食塩3重量部以上用いる、前記製造方法に関する。
本発明は、工程(b)の後に、(c)香辛料の焙煎処理に用いた油脂を添加する工程をさらに含む、前記製造方法に関する。
さらに本発明は、前記製造方法により得られた焙煎香辛料ペーストにも関する。
香辛料を油脂で焙煎処理することにより、香辛料の香り・風味成分のうち一部を油に溶出させ、次いでこの焙煎香辛料を粉砕処理する際又は粉砕処理した後に、特定の態様で食塩水又は水及び食塩を添加することにより、香辛料の香り・風味成分のうち油脂による焙煎処理では溶出できない別の成分を溶出させて、香辛料ペーストに取り込むことができる。したがって、本発明により得られる焙煎香辛料ペーストは、従来のものと比べて香辛料の特有の香り・風味がより一層増強されたものとなる。特に、本発明の焙煎香辛料ペーストは、香辛料の香ばしい香りと焙煎された加熱感のある旨味を有し、これを加配して調味ソースとした場合に、これらの香辛料の特有の香り・風味が十分に感じられる非常に好ましいものとなる。
本発明の焙煎香辛料ペーストは、粉砕処理した焙煎香辛料を含む。
香辛料は、特に限定されないが、アニスシード、オニオン、オールスパイス、花椒、ガーリック、カルダモン、キャラウェーシード、クミンシード、クローブ、コリアンダーシード、山椒、ジンジャー、セロリシード、ターメリック、ディルシード、ナツメグ、メース、バジル、パプリカ、黒胡椒、マスタードシード、ローレル、花椒、桂皮、唐辛子、白胡椒、ケシの実、シナモン、スターアニス、山椒、青のり、陳皮、黒胡麻、白胡麻、麻の実、フェヌグリークシード、フェンネルシード、タイム、オレガノ、フェヌグリークリーフ、カレーリーフ及びネギ等から選択される1以上が挙げられる。なかでもフェヌグリークシード、クミンシード、コリアンダーシード、マスタードシード、フェンネルシード、唐辛子、黒胡椒、花椒、ターメリック、カルダモン、桂皮、ガーリック、オニオン及びネギを用いることが好ましい。
香辛料の油脂による焙煎処理は、ホールの状態で行うことができる。必要に応じて香辛料を適当な大きさに粉砕して行うこともでき、上記粉砕したものを含んでいてもよい。また、予め加熱等の処理が施された香辛料を用いてもよい。
香辛料の焙煎処理に用いる油脂は、菜種油、大豆油、コーン油、オリーブ油、ヒマワリ種子油、綿実油、落花生油、紅花油、パーム油、米油等の植物油脂、牛脂(ヘット)、豚脂(ラード)、牛脂豚脂混合油脂、魚油、バター、ギー等の動物油脂、ジアシルグリセロール、マーガリン等の加工油脂が挙げられる。なかでもパーム油、菜種油、牛脂及び豚脂を用いることが好ましい。
焙煎処理に用いる設備は、油を用いた食品の調理で用いる通常の器具を用いることができ、フライヤー、平型釜及び半球型釜等が挙げられる。連続式の設備として、リテーナコンベアの回転移動により順次フライヤーの油槽にハーブを導入する形式のフライヤー等、バッチ式の設備として、撹拌装置を備えた加熱釜や加熱手段を備えた横軸ニーダー等が挙げられる。
焙煎処理に用いる油脂の量は、香辛料の量や装置の容量等に応じて適宜決定すればよいが、例えば香辛料100重量部に対して、50重量部以上10,000重量部以下であり、100重量部以上5,000重量部以下が好ましく、100重量部以上500重量部以下がより好ましい。
油脂による焙煎処理は、香辛料に含まれる香り・風味成分を引き出すのに十分で、かつこれらが実質的に失われない条件で行う。具体的には、70℃以上200℃以下、好ましくは90℃以上180℃以下の油脂に、香辛料を5秒以上30分以下、好ましくは10秒以上20分以下の間浸漬させることにより行うとよい。焙煎処理を70℃未満の温度や5秒未満の時間で行った場合には、香辛料の特有の香り・風味成分を十分に引き出すことができず、また、200℃を超える温度や30分を超える時間で行った場合には、香辛料の香り・風味成分が逸失してしまう可能性がある。
油脂で焙煎処理した香辛料は、次に粉砕処理を施してペースト状にするが、粉砕処理の際又は粉砕処理の後に食塩水又は水及び食塩を添加する。焙煎香辛料の粉砕処理は、次のいずれかの工程を用いた方法により行うことができる。
(1) 油脂から分離し、食塩水とともに粉砕処理する工程
(2) 油脂から分離し、水とともに粉砕処理した後に食塩を添加する工程
(3) 焙煎処理に用いた油脂及び食塩水とともに粉砕処理する工程
(4) 焙煎処理に用いた油脂とともに粉砕処理した後に食塩水を添加する工程
(5) 焙煎処理に用いた油脂及び水とともに粉砕処理した後に食塩を添加する工程
このように、焙煎処理した香辛料を粉砕処理する際又は粉砕処理した後に、特定の態様で食塩水又は水及び食塩を添加することにより、油脂による焙煎処理では溶出することができない別の香り・風味成分を取り出すことができる。これによって、香辛料の特有の香り・風味を有する焙煎香辛料ペーストを調製することが可能となる。
本発明においては、(1)〜(5)のいずれの方法を用いてもよく、あるいは(1)〜(5)のいずれかの方法を適宜組み合わせて用いてもよいが、(1)、(2)又はこれらを組み合わせた方法を用いることがより好ましい。
ここで、香辛料の特有の香り・風味成分をより効率的かつ十分に溶出させることができるのは、香辛料を粉砕処理する際又は粉砕処理した後に食塩及び水と接触させることにより、当該香り・風味成分をより多く溶出させることができるとともに、溶出させた成分を唾液に拡散し易い形で安定に保持することができることに起因していると考察される。さらに本発明の焙煎香辛料ペーストによれば、香辛料の近くに食塩が存在、もしくは香辛料自体に食塩水が浸透していることで、味わう際に唾液に香辛料成分と食塩が一緒に拡散し、香辛料の特有の香り・風味をより強い味覚として感じることができるためと考察される。
(1)〜(5)の方法で用いる水の量は、焙煎処理前の香辛料の重量換算での焙煎香辛料100重量部に対して、30重量部以上、好ましくは35重量部以上490重量部以下とすることができる。また、食塩の量は、焙煎処理前の香辛料の重量換算での焙煎香辛料100重量部に対して、3重量部以上、好ましくは5重量部以上100重量部以下とすることができる。(1)〜(5)の方法を組み合わせて用いる場合は、各工程において食塩及び水の量を前記の比率とすればよい。
前記の比率で食塩と水を用いることによって、香辛料の特有の香り・風味成分をより効率的かつ十分に溶出させることができる。なお、焙煎香辛料ペーストは、一般に食品等に加配するものであるため、焙煎香辛料ペーストの食塩及び水の量が増えても、当該食品等の品質に影響しない限り問題はない。したがって、(1)〜(5)のいずれの方法を用いる場合も、食塩及び水の上限量に制限はない。
(1)〜(5)の方法で用いる食塩水又は水及び食塩における、水と食塩との重量比は、50:50以上98:2以下、好ましくは65:35以上95:5以下とすることができる。飽和食塩水を用いることもできる。
粉砕処理の方法は、特に限定されないが、カッターミキサー、マスコロイダー及びラインミル等の細断設備を用い、香辛料の粒度が例えばJIS標準篩目開きで3000μmPASS程度の粒度範囲となるように行えばよい。粉砕する大きさは限定されない。なお粉砕処理は、焙煎処理を行った香辛料とは別の香辛料(焙煎処理を行った別の香辛料及び焙煎処理を行っていない別の香辛料を含む)を一緒に配合して行ってもよい。別の香辛料は粉末の形態であってもよい。また、粉砕前及び/又は粉砕の際において、香辛料と水及び食塩とが合わさった際、原料を50℃以上100℃以下程度に加熱してもよい。
本発明の焙煎香辛料ペーストは、(1)及び(2)の方法により得られたものは、粉砕処理した焙煎香辛料、水及び食塩を含み、(3)〜(5)の方法により得られたものは、さらに焙煎処理に用いた後の油脂を含む。(1)〜(5)の方法により得られた焙煎香辛料ペーストに、焙煎処理に用いた後の油脂をさらに配合してもよい。焙煎処理に用いた後の油脂を加えることにより、油脂中に溶出した香辛料の成分を焙煎香辛料ペーストに添加することができ、焙煎処理後の香辛料が有する香り・風味に、油脂中に溶出した香辛料の成分の香り・風味が加わった製品を得ることができる。別の香辛料の焙煎処理に用いた後の油脂を適宜組み合わせて配合し、焙煎香辛料ペーストの香り・風味にバリエーションをもたせることもできる。
焙煎処理に用いた後の油脂の配合量は、目的とする食品に応じて適宜決定すればよい。例えば焙煎香辛料ペースト中の焙煎香辛料に含まれる油脂を除く油脂の量が0重量%以上80重量%以下、好ましくは1重量%以上60重量%以下となるように配合すればよい。
本発明の焙煎香辛料ペーストは、目的に応じて適宜他の原料を含んでいてもよい。例えば、油脂(別の香味油等)、調味成分、澱粉類、香料及び増粘剤等を含んでいてもよい。これらの原料は、本発明の効果が損なわれない範囲で含むことができる。
以上のようにして得られる本発明の焙煎香辛料ペーストは、容器に充填し、適宜加熱殺菌処理を行ってもよい。加熱殺菌処理は、60℃以上130℃以下、好ましくは70℃以上100℃以下の温度で、3分以上120分以下、好ましくは10分以上60分以下の時間行うことができる。容器は内容物を取り出し可能なものであれば特に限定されないが、例えばパウチ状容器、口栓付きパウチ、チューブ状容器、ボトル状容器、缶及び瓶容器等を利用することができる。
一方、加熱殺菌処理は、香辛料の香り・風味を低減させることがあることから、加熱殺菌処理を行わずに、焙煎香辛料ペーストの水分活性を下げる及び/又はアルコールを加えることにより、焙煎香辛料ペーストの保存性を確保してもよい。アルコールはエタノールを用いることが好ましい。
焙煎香辛料ペーストは、油脂の含有量が0.8重量%以上80重量%以下、好ましくは2重量%以上70重量%以下とすることができる。また、焙煎香辛料ペーストは、水の含有量が5重量%以上85重量%以下、好ましくは10重量%以上75重量%以下とすることができる。また、焙煎香辛料ペーストは、食塩の含有量が0.1重量%以上50重量%以下、好ましくは1.5重量%以上20重量%以下とすることができる。これらの組成により、下記する調味ソースに用いる場合等に、香辛料の特有の香り・風味を活かすことができる汎用性のある焙煎香辛料ペーストとすることができる。
本発明の焙煎香辛料ペーストは、カレー、シチュー、デミグラスソース、ハヤシ、パスタソース、フィリング、麻婆ソース及びトマトチャウダー等の食品の調味ソースに用いることができ、カレー用の調味ソースに用いることが特に好ましい。また、香辛料ペースト、香辛料エキス等の加工した香辛料組成物に用いることが特に好ましい。焙煎香辛料ペースト自体を製品としてもよい。勿論香辛料の特有の香り・風味を活かすことができる他の各種食品に用いることもできる。このような調味ソースには、家庭料理と工業品が含まれる。このような調味ソースに用いることができる本発明の焙煎香辛料ペーストの含有量は、目的とする食品に応じて適宜決定すればよく、例えば0.1重量%以上100重量%以下とすることができる。本発明には、前述の焙煎香辛料ペーストを含む、調味ソース等の各種食品が包含される。
以下、本発明について実施例を挙げて詳細に説明する。なお、本発明は以下に示す実施例に何ら限定されるものではない。
<焙煎香辛料ペースト>
各実施例及び比較例において、油脂(豚脂)200重量部を150℃に加熱した加熱釜にクミン50重量部、コリアンダー50重量部を投入し、撹拌しながら15分間焙煎処理を行った。続いて、得られた焙煎香辛料を粉砕処理する際又は粉砕処理した後に、特定の態様で食塩水又は水及び食塩を添加して焙煎香辛料ペーストを調製した。粉砕処理はミキサーを用い、原料を80℃達温程度に加熱して、香辛料の粒度がJIS標準篩目開きで3000μmPASSの粒度範囲になるように行った。
(実施例1)
香辛料を油脂から分離し、水と食塩との重量比が80:20である食塩水100重量部とともに粉砕処理を行って、焙煎香辛料ペーストとした。
(実施例2)
香辛料を油脂から分離し、水80重量部とともに粉砕処理を行い、食塩20重量部を添加して混合し、焙煎香辛料ペーストとした。
(実施例3)
焙煎処理を行った香辛料を、焙煎処理に用いた油脂及び水と食塩との重量比が80:20である食塩水100重量部とともに粉砕処理を行い、焙煎香辛料ペーストとした。
(実施例4)
焙煎処理を行った香辛料を焙煎処理に用いた油脂とともに粉砕処理した後、水と食塩との重量比が80:20である食塩水100重量部を加えて混合し、焙煎香辛料ペーストとした。
(実施例5)
焙煎処理を行った香辛料を、焙煎処理に用いた油脂及び水80重量部とともに粉砕処理を行い、食塩20重量部を添加して混合し、焙煎香辛料ペーストとした。
(実施例6)
実施例1と同様にして得た焙煎香辛料ペーストに、焙煎処理に用いた油脂200重量部を添加して混合し、焙煎香辛料ペーストとした。すなわち、焙煎処理を行って食塩水とともに粉砕処理して得た焙煎香辛料ペーストに、焙煎処理に用いた油脂をさらに配合して焙煎香辛料ペーストとした。
(実施例7)
実施例2と同様にして得た焙煎香辛料ペーストに、食塩20重量部と焙煎処理に用いた油脂200重量部を添加して混合し、焙煎香辛料ペーストとした。すなわち、焙煎処理を行って水とともに粉砕処理した後食塩を添加して得た焙煎香辛料ペーストに、食塩と焙煎処理に用いた油脂をさらに配合して焙煎香辛料ペーストとした。
(実施例8)
食塩水38重量部とともに粉砕処理を行った以外は実施例1と同様にして焙煎香辛料ペーストを調製した。すなわち、焙煎香辛料100重量部に、食塩水として水約30重量部及び食塩約7.5重量部を添加して粉砕処理を行った。
(比較例1)
香辛料を油脂から分離し、粉砕処理を行って焙煎香辛料ペーストとした。すなわち、焙煎処理を行った香辛料を、水及び食塩を添加せずにそのまま粉砕処理した。
(比較例2)
香辛料を油脂から分離し、100重量部の水とともに粉砕処理を行って焙煎香辛料ペーストとした。すなわち、焙煎処理を行った香辛料を、水を添加し、食塩を添加せずに粉砕処理した。
<焙煎香辛料ペーストを加配したカレー>
常法によって調理したカレーソース100重量部に、上記のとおり製造した各実施例及び比較例の焙煎香辛料ペースト2重量部を加えて煮込み、カレーソースを調製した。各カレーソースをご飯にかけて、以下の基準を用いて評価した。結果を表1に示す。
[香り評価]
5:カレーソースに焙煎処理を施したナッツのような香ばしさと共にクミン,コリアンダーの爽やかな香りが十分に感じられる
4:カレーソースに5より少し弱いが上記の香ばしさと共にクミン,コリアンダーの爽やかな香りが良好に感じられる
3:カレーソースに上記の香ばしさと香りが感じられる
2:カレーソースに上記の香ばしさと香りが感じられるが弱い
1:カレーソースに上記の香ばしさと香りが感じられない
[風味評価]
5:カレーソースに焙煎処理を施したゴマのような加熱感のある旨味が十分に感じられる
4:カレーソースに5より少し弱いが上記の旨味が良好に感じられる
3:カレーソースに上記の旨味が感じられる
2:カレーソースに上記の旨味が感じられるが弱い
1:カレーソースに上記の旨味が感じられない
Figure 2016123329
本発明の焙煎香辛料ペーストは、香辛料を油脂で焙煎して粉砕処理を行ったものや、香辛料を油脂で焙煎した後水とともに粉砕処理したものと比べて、香辛料の特有の香り・風味がより増強されたものであった。また本発明の焙煎香辛料ペーストを加配したカレーソースは、上記の香辛料の特有の香り、風味を強く感じることができ、従来のカレーにない香り、風味を有する嗜好性が向上したものであった。
本発明によれば、焙煎香辛料を粉砕処理の際又は粉砕処理の後にさらに食塩水又は水及び食塩と接触させることにより、粉砕物中に焙煎処理した香辛料の特有の香り・風味成分を溶出させて取り込むことができる。したがって、得られる焙煎香辛料ペーストは、焙煎した香辛料の特有の香り・風味成分が十分に引き出された高品質のものとなる。

Claims (6)

  1. 粉砕処理した焙煎香辛料を含む焙煎香辛料ペーストの製造方法であって、
    (a) 香辛料を油脂で焙煎処理する工程と、
    (b) 工程(a)で得られた焙煎香辛料を、
    (1) 油脂から分離し、食塩水とともに粉砕処理する工程、
    (2) 油脂から分離し、水とともに粉砕処理した後に食塩を添加する工程、
    (3) 焙煎処理に用いた油脂及び食塩水とともに粉砕処理する工程、
    (4) 焙煎処理に用いた油脂とともに粉砕処理した後に食塩水を添加する工程、及び
    (5) 焙煎処理に用いた油脂及び水とともに粉砕処理した後に食塩を添加する工程、
    から選ばれる1以上の工程と
    を含む、製造方法。
  2. 工程(b)において、焙煎香辛料100重量部に対し、水30重量部以上及び/又は食塩3重量部以上用いる、請求項1に記載の製造方法。
  3. 工程(b)の後に、(c)香辛料の焙煎処理に用いた油脂を添加する工程をさらに含む、請求項1又は2に記載の製造方法。
  4. 粉砕処理した焙煎香辛料を含む焙煎香辛料ペーストであって、粉砕処理した焙煎香辛料が、
    (1) 油脂で焙煎処理した焙煎香辛料を、油脂から分離し、食塩水とともに粉砕処理したもの、
    (2) 油脂で焙煎処理した焙煎香辛料を、油脂から分離し、水とともに粉砕処理した後に食塩を添加したもの、
    (3) 油脂で焙煎処理した焙煎香辛料を、焙煎処理に用いた油脂及び食塩水とともに粉砕処理したもの、
    (4) 油脂で焙煎処理した焙煎香辛料を、焙煎処理に用いた油脂とともに粉砕処理した後に食塩水を添加したもの、及び
    (5) 油脂で焙煎処理した焙煎香辛料を、焙煎処理に用いた油脂及び水とともに粉砕処理した後に食塩を添加したもの、
    から選ばれる1以上である、焙煎香辛料ペースト。
  5. 粉砕処理した焙煎香辛料100重量部に対し、水30重量部以上及び/又は食塩3重量部以上含む、請求項4に記載の焙煎香辛料ペースト。
  6. 請求項4又は5に記載の焙煎香辛料ペーストを含む食品。
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