JPH099886A - 即席揚げ物用の冷凍食品およびその製造方法 - Google Patents

即席揚げ物用の冷凍食品およびその製造方法

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JPH099886A
JPH099886A JP7196913A JP19691395A JPH099886A JP H099886 A JPH099886 A JP H099886A JP 7196913 A JP7196913 A JP 7196913A JP 19691395 A JP19691395 A JP 19691395A JP H099886 A JPH099886 A JP H099886A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 衣と具の剥離がなく、短時間に調理できる即
席揚げ物用の冷凍食品およびその製造方法を提供する。 【構成】 低温低速で加熱した素材を用いて衣付けした
後、凍結状態で衣の表層のみに油膜層を形成して製造し
た冷凍のトンカツ、チキンカツ、ビーフカツ、メンチカ
ツ等の即席揚げ物用の冷凍食品およびその製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、トンカツ、チキンカ
ツ、ビーフカツ、メンチカツ等の即席揚げ物用の冷凍食
品およびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】冷凍されたトンカツ、チキンカツ、ビー
フカツ等の衣付き揚げ物食品は、長期保存が可能であっ
て、油調理あるいは温めることによって手軽に食べるこ
とができるものであって、職業婦人の増加、深夜、早朝
等にも活動する人々の増加等ライフスタイルの変化、ま
たコンビニエンスストア、軽食レストランやファミリー
レストランの影響もあって、需要が増加してきている。
しかしながら、従来の冷凍食品は、生肉に火が入るまで
の時間(肉厚の違い、冷凍状態で揚げるか、半解凍状態
で揚げるかの違い等による)が微妙に違えば、揚げる時
間の決定は変化し、その結果が肉の生煮え、または揚げ
すぎによる味の劣化等につながる面があった。生肉に衣
を付けて冷凍した物は、7〜8分の油調(揚げ処理の意
味)時間を要し、その断面を図3に示すが、肉の収縮が
起こり、衣との間に剥離が生じた。即ち、図3に示す従
来例では、生肉1にバッター粉2、パン粉3にて衣を形
成したものを冷凍しているが、これを油調すると、肉の
芯まで充分に加熱する必要があることから、油調に7〜
8分程度要し、肉は図3(ロ)に示すように、収縮が起
こり、衣層を形成するバッター、パン粉との間に空隙が
生じる。図3(イ)は、冷凍状態を示す従来例である。
生肉1にバッター粉2、パン粉3を付着させて衣を形成
して冷凍したものである。図3(ロ)は、冷凍したもの
を油調したものであって、油調前の肉の大きさ6(点線
で示す)は油調による収縮4を生じて、縮んでしまい、
衣であるバッター粉2、パン粉3との間に剥離空間5が
発生している図を示している。このような例において
は、表面が固くなり、肉と衣に隙間ができ、旨味が損な
われてしまっている。このように、従来の冷凍トンカツ
等の冷凍の衣付き揚げ物食品では、食べる段階におい
て、非冷凍食品に匹敵する作りたての風味、揚げたての
さくさくした食感を消費者に提供できていないのが現状
であった。また製造する側においても、肉類を原料にす
ることに起因する次のような問題点があった。
【0003】肉は、豚等の個体差、原料の部位、更に同
じ部位であっても筋肉繊維の方向性、脂肪の混じり具合
等のバラツキが存在していて、均一化できない素材であ
るので、結果として、油調後に味のバラツキ、肉の収縮
によって生ずる大きさ、重量のバラツキ、衣と具の剥離
等制御できない問題が存在し、均等な大きさの製品の製
造の困難性、歩留り悪さがあった。この問題の解決に
は、種々のアイデアが提案されている。
【0004】例えば、水蒸気不透過性のフイルムで乾燥
剤と一緒に被覆して冷凍する発明(特開平5−6457
4号公報)、衣付き素材を半揚げした状態でさらに衣液
を付けててんぷらの外観を形成して再油調過程を経由し
て冷凍てんぷらを製造する発明(特開平5−49412
号公報)、フライ素材をルー入りバッター粉を材料の一
つとしたバッター液に漬けた後、油で揚げたドライパン
粉を付着させた物を電子レンジで加熱処理する。あるい
は生パン粉を付着させた後、一旦揚げてから冷凍し、使
用時にオーブンで加熱調理するフライ用食品を製造する
発明(特開平4−144659号公報)、コーンフラワ
ーを混入したパン粉により冷凍フライ食品製造すること
により電子レンジ調理による食感を改善する発明(特開
平4−53459号公報)、乳蛋白と油脂を混合したバ
ッター組成物を素材に被覆し、さらに衣粉を被覆して冷
凍し、オーブン、オーブントースター、電子レンジ等で
加熱処理する冷凍揚げ物食品を製造する発明(特開平4
−27355号公報)、微粒子状油脂を単あるいは衣粉
と混合して素材に付着させ、未加熱の状態で冷凍し、使
用時には油で揚げることなく、フライパン、オーブン等
で加熱処理する冷凍食品を製造する発明(特公昭62−
50096号公報)、油中水型エマルジョンの衣で被覆
しさらにパン粉等で衣粉を付着させて冷凍し、使用時に
フライパンで加熱調理する油で揚げる必要のない衣付き
冷凍食品を製造する発明(特開昭58−78549号公
報)、バッターおよびパン粉を付着させた素材を、蒸気
と乾熱を併用して中心温度が80℃以上になるまで加熱
した後食用油で被覆し、冷凍し、使用時にフライパンや
オーブンで加熱する冷凍食品を製造する発明(特公昭6
3−29986号公報)、可溶性ゼラチンでてんぷら素
材を被覆して食感を改善した、電子レンジ対応の冷凍て
んぷらの発明(特開平4−8255号公報)、多孔質粉
体と吸質粉体を混合した衣粉を用いることによって、食
感を改善した電子レンズ対応の冷凍揚げ物食品の発(特
開平3−251146号公報)が挙げられる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】これら各種の工夫され
た先行発明が存在するが、これらを冷凍トンカツ等に適
用した場合、消費者が食べるときに作りたての風味と食
感を得ること、少量の油あるいは油を使わずにフライパ
ンや電子レンジで短時間の加熱調理をすむ簡便性を両立
させる衣付き冷凍食品を提供することはむずかしいもの
がある。特に一枚肉やブロックの肉においては、満足す
るものが実現されていない。具体的には、食べるときの
風味、食感が非冷凍品に比べて劣る点、具と衣が剥離す
る点、肉のジュウシー感が維持しにくい点、肉の不均質
収縮による大きさ・重さ・外形の不揃いの問題があっ
た。また、生産行程で揚げ処理使用後の大量に発生する
廃油の処理の問題もある。
【0006】本発明は、ばらつきの少ない製品、包装状
態での保形性向上、そして特には油で揚げることを必要
としない、食感・風味を改善する即席タイプの揚げ物用
の冷凍食品およびその製造方法を提供しようとするもの
である。そして研究開発を進めたが、特に肉類は、肉類
が加熱収縮するため揚げ工程で衣と具の剥離が生ずるこ
と、肉汁等のエキスが流失すること、同一条件で加熱処
理すると肉質にばらつきがあるため製品間にむらがでる
ことなどの特有の課題があることを発見し、この特有の
課題を解決することで衣付き冷凍食品全体に適用できる
技術を開発せんとするものである。また、トンカツ類を
単純に冷凍箱詰めした場合、パン粉の表面が崩れる問題
があった。
【0007】また本発明は、冷凍の即席油調タイプの揚
げ物、特に肉系の揚げ物に発生しがちな素材である具材
の縮み、衣と具材の離れの防止および油調時間を大巾に
短縮して、素材の風味、品質を維持させる技術を開発
し、簡便で美味しい揚げ物を提供することを目的とする
ものである。そしてトンカツ、チキンカツ、ビーフカ
ツ、メンチカツ、唐揚げおよびてんぷらが主な対象製品
である。
【0008】また本発明の要点は、衣粉を付着させる前
に素材を加熱処理すると揚げ処理を短時間で済ませるこ
とができて、衣と具の剥離を回避できることを発見し、
さらに単なる揚げ処理前加熱では、肉類特有の加熱収
縮、旨味成分が肉汁とともに流出する等の問題点が残る
ため、さらに鋭意研究、開発を続けた結果、次の3点に
よって問題点を解決できる発明を完成するに至ったもの
である。
【0009】
【課題を解決するための手段】
1.揚げ物の素材を必要に応じて真空包装等の包装をし
て、蒸煮、ボイル、輻射熱等の加熱手段を用いて、素材
の中心温が素材のタンパク質が凝固する温度域であっ
て、分水作用開始温度以下の低温領域で芯まで十分に火
を入れること。 2.加熱処理した肉等の身や具にアルファ化あるいはア
ルファ化を促進したバッター粉をつけ、色の付き易い褐
変促進タイプのパン粉をまぶすこと。 3.凍結状態のまま、油を付着させて油膜層を表面に形
成すること。 4.上記1,2,3の工程の一部または全てを組み合わ
せて処理した後、冷凍し、必要に応じて箱詰めし、保存
・流通させること。特にこの発明は、豚肉、牛肉、鶏
肉、魚肉を対象とした場合に有効である。また、海老、
牝蠣、いか等の魚貝類にも応用することができるもので
ある。この工程の概略は図1に示す。
【0010】
【作用】以下に各要素技術について詳述する。 1.揚げ物の素材を必要に応じて真空包装等の包装をし
て、蒸煮、ボイル、輻射熱等の加熱手段を用いて、素材
の中心温が素材のタンパク質が凝固する温度域であっ
て、分水作用開始温度以下の低温領域で芯まで十分に火
をいれることについて。油調の加熱処理によって肉の変
形、縮み、衣と身の剥離等の問題が発生することが実験
によって確認されたので、このような問題の発生しない
限度の油調時間にする必要があると考えて、加熱処理済
みのものを冷凍することに着眼したが、単純に油調後の
トンカツを冷凍したものを、解凍し再油調しても上述の
欠点は完全には解消されず、また風味、食感も劣るもの
であった。そこで、油調は消費段階で行う必要があるこ
と、冷凍前に中身の肉の部分のみにか熱処理が終了して
いる必要があることの条件を満足する技術開発が求めら
れるとととなり、各種加熱処理を試みることとなった。
【0011】ブロックの肉類を焼く、煮る等の加熱では
前述したように収縮、変形、旨みの流出等の問題が解決
できず、次に、レトルトパウチ食品の名で実用化されて
いる真空包装加熱処理に着目したが、この技術はレトル
トパウチと呼ばれるレトルト殺菌が可能な耐熱性の袋状
の包装容器に食品を充填、密封し、100℃以上で加圧
加熱殺菌を施すものであって、殺菌性、保存性には優れ
ているものの、やはりブロックの肉類の問題を解決する
ことはできないものであった。レトルトパウチ食品の代
表的なものは、カレー、シチュー、牛どんの素、おで
ん、しゅうまいなどの調理済み食品、ミートソース、マ
ーボー豆腐の素などの調味用材料、ハンバーグなどの食
肉加工品、白米、チャーハンなどの米飯類、コンソメな
どのスープ類があることはこの技術の限界を示している
ものであることを知った。さらに調査、研究開発を続け
た結果、最近実用化されつつある真空調理技術の応用を
試みた。この技術は、肉類の場合は、素材をフイルムで
包み真空状態にして60数度前後の低温で蒸煮や湯煎に
よって長時間加熱することで素材本来の旨さを損なうこ
となく調理できて低温で長時間保存ができるものであ
る。この60数度の温度は、肉の主な成分であるタンパ
クの被加熱変性が凝固開始と分水作用が異なる温度で進
むことを知り、この凝固開始温度と分水作用開始温度の
間で加温することで、肉汁が流出せずかつ肉の収縮が発
生しないことに着目したものである。この加温する温度
は、肉質、料理の対象で異なるが概ね58〜62〜68
℃であることを確認した。
【0012】また、この凝固開始温度と分水作用開始温
度の間で加温することで、肉汁が流出せずかつ肉の収縮
が発生しない加温法として、輻射熱利用した低温低速が
利用できることに着目し、トンカツ等の前処理加熱とし
て応用した。しかしながら、低温で加熱することは、食
品加工では衛生面からの実用性を考慮する必要がある
が、サルモネラ菌やブドー状球菌は53℃以上で死滅
し、ボツヌリス菌は100℃でも死なないが、10℃以
下では繁殖しないという細菌の条件を考慮して、加熱後
に速やかに冷却し、次工程の処理を行うこととした。な
お、実験の結果、包装は必ずしも真空を要しないことを
確認した。
【0013】2.加熱処理した肉等の身や具にアルファ
化したあるいはアルファ化を促進したバッター粉をつ
け、色の付き易い褐変促進タイプのパン粉の衣粉をまぶ
すことについて。食前の調理時間を短くする手法とし
て、衣を形成した後、8〜9割程度の油調を施して冷凍
したものを、食する直前に残りの1〜2割相当分を揚げ
ることも考えられる。この場合、パン粉、唐揚粉等が2
度揚げになってしまい、パン粉や唐揚粉のサクサク感、
質感を損なうことが多く、油ぽっさが残り易くなる欠点
がある。本発明では、肉には火が入った状態とし、表皮
のパン粉、唐揚粉等には火をいれずに冷凍し、食する直
前に油調等を行う1度揚げとなるように工夫した点に特
徴の一つがあるものである。そして、油調等の食前の加
熱処理を短時間に済ませることができることにより、油
切れの良さ、サクサク感、質感を保つことを実現できた
ものである。また、衣の中身である肉については、予め
加熱処理を施すことによって、消費段階での油調時間を
短縮できたが、実用化に当たっては、バッター粉とパン
粉も、油調の時間に適した配合、調整を行う配慮が必要
である。そして、この組合せが悪いと、油調時間が長く
なり、即席性を損なわせるのみならず、使用する油の寿
命に関係し、大量の廃油を発生させてしまうこととな
る。このため、冷凍の品物を短時間で油調できるように
バッター粉とパン粉も調整して使用することとした。ま
た、衣は食感に大きく影響するから、色付きの他、仕上
がりの硬さ、油切れ等の観点も満足することが実用上は
重要である。
【0014】本発明品の実施に当たっては、これらの条
件を考慮して、パン粉とバッター粉を調整して使用する
ものである。特に、バッター粉は、アルファ化したもの
あるいはアルファ化を促進したものを、バッター液とし
て使用する。
【0015】3.凍結状態のまま、油を付着させて油膜
層を表面に形成することについて。衣を形成した後零下
35℃以下の雰囲気で急速冷凍し、油の散布あるいは浸
漬によって凍結した状態の衣表面に油層を形成する。な
お、この油層は必ずしも表面に連続した一様なものにす
る必要はなく、冷凍箱詰めの保護、食べるときの調理加
熱に耐え得る程度の機能を果すように点在するもので十
分であって、全体としてみて油膜層を形成する程度に付
着させる。凍結状態で油膜層を形成することで、低温下
のため油の垂れがなく、表層のみに一様に油膜層が形成
できて、余分な油が付着することなく、衣内部まで油が
浸透した場合に較べて、調理したときに良い仕上がり感
が得られる。
【0016】4.上記1,2,3の工程の一部または全
てを組み合わせて処理した後、冷凍し、必要に応じて箱
詰めし、保存・流通させることについて。パン粉をまぶ
した肉を急冷(例えば品温零下18℃以下)し、表面に
油膜を形成して再度冷凍する。その後、必要に応じて箱
詰めし、冷凍保存し、出荷する。前工程で付着させた油
が速やかに凍結して、内部までの浸透が防止でき、この
表層油膜層のため輸送等の流通過程での衝撃が緩和でき
優れた保形成が生じる。
【0017】この発明は、豚肉、牛肉、鶏肉、魚肉を対
象とした場合に有効な即席揚げ物用の冷凍食品の製造す
るおよび製造された即席揚げ物用の冷凍食品である。こ
の即席揚げ物用の冷凍食品は、主にコンビニエンススト
ア、スーパーマーケットの惣菜コーナー、外食産業、給
食サービス等の短時間に大量の数を必要とするユーザー
に適するものである。無論一般家庭での利用も可能であ
る。例えば、コンビニエンスストアでは、委託メーカー
が仕入れた凍結品を180℃で約60〜120秒間油調
し、放冷し、パックしたものを納品し、店に陳列し、要
望に応じてレンジアップして販売することができる。ま
たスーパーマーケットの惣菜コーナーでは、仕入れた凍
結品を品温零下2℃程度に半解凍して180℃で約60
〜120秒間油調し、パックしたものをホットケース陳
列して販売することができる。さらにまた、外食産業、
給食サービスは、仕入れた凍結品を品温零下2℃程度に
半解凍して180℃で約60〜120秒間油調し、トッ
ピングしたものをお客に提供することができるなど、状
態に応じた利用が可能である。一般家庭でも、油でこの
冷凍トンカツ等を揚げることもできる。
【0018】さらに、本油膜層タイプの製品の特徴は、
そのまま電子レンジ、オーブン、フライパンを使用し、
油を使わずにそのまま加熱することでトンカツを揚げた
状態にすることができる。(調理時間は、能力にもよる
が平均、180℃、60〜120秒間と油調時間と同
じ。)
【0019】
【実施例】図2は本発明の実施例で作成された冷凍トン
カツの断面図である。
【0020】実施例1 ローストンカツ 最終仕上がり約120グラムの冷凍ローストンカツを次
の要領で製造した。 原料肉:冷凍ロース肉、5m/mアンダー 解凍:自然状態下において、解凍棚にて中心温度2
〜3℃に解凍 1次整形:軟骨、血合、脂肪の一部等の不適当部を
除去した。 下処理:ピックルパウダー水溶液をロータリーマッ
サージ機使用して処理した。 充填および成型:定形性維持のため、リテナーの中
に均一に肉を詰め成型した。 加熱:輻射熱を利用した低温低速調理オーブンを使
用して、中心温度65℃に保ち4時間30分加熱した。 成型枠除去:成型用のリテナーを外し、加熱工程で
発生したドリップを除去した。 放冷:常温に放置して表面の粗熱を除去して、品温
を60℃とした。 パーシャル凍結:中心温度を約零下3℃に凍結し
た。 ▲10▼ ケーシング除去:ケーシングを除去して、品
温を零下2℃〜零下1℃に調整した。 ▲11▼ スライス:ミートスライサーを使用して80
g/枚にスライスした。 ▲12▼ 打ち粉、バッター付:アルファ化したバッタ
ーをバッターマシンを使用して付着させた。 ▲13▼ パン粉付:パン粉をブレッダーマシンを利用
して付着させた。 ▲14▼ 急速凍結:品温を零下18℃以下に凍結す
る。 ▲15▼ 油膜形成:油を凍結したままのパン粉の表面
に散布して油膜を形成した。 ▲16▼ 検査:金属の有無、重量を検知、測定する。
120g±2gを標準とする。 ▲17▼ 箱詰め:70枚/箱とした。 ▲18▼ 冷凍保管:零下25℃の保管庫に保管した。 この実施例で作成された冷凍トンカツを図2に示す。7
は低温で加熱処理された肉、8はアルファ化したバッタ
ー粉、9はパン粉、10は油膜層を示す。
【0021】実施例2 チキンカツ 最終仕上がり約160グラムの冷凍チキンカツを次の要
領で製造した。 原料肉:100g±3gの冷凍の鶏もも開きを準
備。 解凍:自然状態下において、解凍棚にて中心温度2
〜3℃に解凍 下処理:ピックルパウダー水溶液を液温5℃以下に
保ちロータリーマッサージ機使用して、運転10分−休
止5分を3回の45分処理した。 充填・ケーシング:原料肉を10〜20枚、一定の
厚みになるよう袋に詰め、真空包装した。 加熱:輻射熱を利用した低温低速調理オーブンを使
用して、中心温度58℃に保ち2時間30分加熱した。 開袋:開袋し、加熱工程で発生したドリップを除去
した。 放冷:常温に放置して放冷した。 急速凍結:中心温度を約零下18℃にバラの状態で
凍結した。(なお、この工程は省略して次工程に回すこ
ともできる。) 打ち粉、バッター付:アルファ化したバッターをバ
ッターマシンを使用して付着させた。 ▲10▼ パン粉付:パン粉をブレッダーマシンを利用
して付着させた。 ▲11▼ 急速凍結:品温を零下18℃以下に凍結す
る。 ▲12▼ 油膜形成:油を凍結したままのパン粉の表面
に散布して油膜を形成した。 ▲13▼ 検査:金属の有無、重量を検知、測定する。
120g±2gを標準とする。 ▲14▼ 箱詰め:70枚/箱とした。 ▲15▼ 冷凍保管:零下25℃の保管庫に保管した。
【0022】
【発明の効果】本発明の主な効果は、 1.素材の中心温が素材のタンパク質が凝固する温度域
であって、分水作用開始温度以下の低温領域で芯まで十
分に火をいれることで、肉汁や素材のエキスが外部へ流
出することなく、素材内部に保たれ、柔らかさ、旨みが
残ること、ソフトな美味しさの素となること、 2.低温で長時間加熱することで、肉の収縮を抑えたま
ま中心部まで火をいれることができること、歩留りが向
上すること、 3.加熱処理素材を用いるために短時間の揚げ処理です
むこと、油調の場合は生肉を揚げる場合に比して約1/
5〜1/8に短縮できること、 4.短時間の揚げ処理により、肉の収縮を抑えることが
できて、揚げ工程での衣と具との剥離が防止できるこ
と、 5.冷凍した状態で油膜層を形成するために余分な油の
付着が少なく、電子レンジ等での加熱調理した後も、油
切れが悪くならず、油っぽいものとならないこと、 6.表面の油膜層がパン粉等の衣の保護材となって、冷
凍箱詰めの際の衣表面の凸面の破損等外形の崩れが防止
でき、食べるときのサクサク感など歯触りが得られるこ
と、 7.パン粉、バッター粉の部分は一回の加熱で済むので
衣の美味しさが損なわれないこと、 8.加熱処理した素材を使用しているため、家庭等のユ
ーザーにおいては、冷凍状態のまま油をほとんど使用す
ることなく(廃油の発生量が少ない)フライパン、オー
ブン、電子レンジ等で芯にやや熱が加わる程度までの加
熱で揚げたて感のあるトンカツ類を作ることができるこ
と、である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の概略工程図である。
【図2】本発明の実施例で作成された冷凍トンカツの断
面図である。
【図3】(イ)は従来の冷凍トンカツの冷凍状態を示す
断面図、(ロ)は従来の油調後の状態を示す断面図であ
る。
【符号の説明】
7 肉 8 バッター粉 9 パン粉 10 油膜層

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 加熱処理素材を用いて衣付けした後、凍
    結状態で衣の表層のみに油膜層を形成したことを特徴と
    する即席揚げ物用の冷凍食品。
  2. 【請求項2】 素材の中心温が素材のタンパク質が凝固
    する温度域であって、分水作用が生ずる以下の温度で、
    包装した素材に加熱処理を施し、当該加熱処理素材を用
    いて衣付けした後、凍結状態で衣の表層のみに油膜層を
    形成したことを特徴とする即席揚げ物用の冷凍食品。
  3. 【請求項3】 素材の中心温が素材のタンパク質が凝固
    する温度域であって、分水作用が生ずる以下の温度で、
    包装した素材に加熱処理を施した後、当該加熱処理素材
    を用いて衣付けして凍結し、凍結状態で衣の表層のみに
    油膜層を形成したことを特徴とする即席揚げ物用の冷凍
    食品の製造方法。
  4. 【請求項4】 真空包装した素材の中心温が素材のタン
    パク質が凝固する温度域であって、分水作用が生ずる以
    下の温度で加熱処理した加熱処理素材を用いて衣付けし
    た後凍結し、凍結状態で衣の表層のみに油膜層を形成し
    たことを特徴とする即席揚げ物用の冷凍食品の製造方
    法。
  5. 【請求項5】 蒸煮、湯煎あるいは輻射熱を利用した加
    熱手段を用いて、素材の中心温が素材のタンパク質が凝
    固する温度域であって、分水作用を生ずる以下の温度で
    加熱処理した加熱処理素材を用いて衣付けした後、凍結
    状態で衣の表層のみに油膜層を形成したことを特徴とす
    る即席揚げ物用の冷凍食品の製造方法。
  6. 【請求項6】 豚肉、牛肉、鶏肉から選ばれた素材を対
    象として、請求項3,4,5項記載の、いずれかの方法
    を用いて製造された冷凍即席油調タイプのカツ類。
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