JP6395125B2 - 衣付き食品の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、唐揚げやトンカツ等の衣付き食品の製造方法に関する。
大人にも子供にも人気のある唐揚げやトンカツ、エビフライなどの衣付き食品は、油で揚げて作るのが一般的である。揚げたてのサクサク感やジューシー感が人気の理由の一つであるが、調理に手間がかかること、油の温度や揚げる時間等が適切でない場合には味が落ちてしまうこと、油の後始末や油ハネ後のキッチンの掃除が面倒であること等から、現代人の多忙な生活の中で、家庭で調理するのは敬遠される傾向にある。
家庭における手間を軽減するために、配合済みの唐揚げ粉が市販され(例えば特許文献1)、また近年の健康志向も反映して油で揚げないいわゆるノンフライ食品も登場してきた(例えば特許文献2)が、簡便に入手できる美味しい衣付き食品に対する需要は高く、多くの人がスーパーやコンビニ等の店舗で常温または加温した状態で販売されている調理済み品や調理済みの冷凍食品を購入している。
特許第5403627号 特許第4382347号
調理済みの衣付き食品を常温品として購入した場合、調理からの時間の経過により、その特徴的なサクサク感がなくなり、満足感の低いものになってしまう。また長期保存は不可能であり、購入当日又は翌日には消費しなければならなかった。
一方、冷凍食品の場合には、解凍の手間を必要とする。解凍には時間がかかり、電子レンジ等による解凍では、解凍時間の長さが適切でないと食感が悪くなったり、逆に中は冷たいままという状況が生じたりする。また、冷凍のままで弁当に入れれば昼食時には自然解凍されて食べられると宣伝された商品も見られるが、季節によっては丁度良い食べ頃にならないこともあった。
このように、揚げたての食感を有する衣付き食品を消費者が簡便に食することを可能とする調理済み食品の提供は当分野における課題であった。本発明者等は、従来にはない、冷蔵食品として供給することが可能な調理済み衣付き食品によって、上記の課題を解決することを検討した。
喫食時に要する加熱時間を冷凍食品よりも短縮し、オーブンやオーブントースターでも調理できる食品として、調理済みの食品を冷蔵で提供することが有効である。しかしながら、調理済み食品を冷蔵品として提供する場合、調理後の加熱殺菌が必要である。衣付き食品を調理後にこの工程を経ると、加熱によって衣が剥がれやすくなり、また水分によるべたつき、いわゆるドリップが生じてしまい、外見上も食感上も商品として満足できるものを達成することは困難であった。本発明者等は衣材の組成等について種々検討を重ね、本発明を完成させるに到った。
すなわち、本発明は、以下のものを提供する。
(1)衣付き食品の製造方法であって、
食材の表面に保水性粉末を付着させる工程と、
保水性粉末を付着させた食材に卵タンパク質含有液を付着させる工程と、
卵タンパク質含有液を付着させた食材に衣材を付着させる工程と、
衣材を付着させた食材を油で揚げるか、又は油を付着させたのちに焼成する工程と、
を含む、上記製造方法。
(2)上記(1)記載の方法で得られた衣付き食品を、密封包装して加熱殺菌する工程を更に含む、冷蔵もしくは冷凍保存に適した衣付き食品の製造方法。
(3)保水性粉末が加工澱粉及び/又はゲル化剤である、上記(1)又は(2)記載の方法。
(4)加工澱粉が酢酸澱粉及び/又はヒドロキシプロピル化澱粉である、上記(3)記載の方法。
(5)ゲル化剤がキサンタンガム、ジェランガム、グァーガム、カラギーナン、ローカストビーンガム、アルギン酸塩又はこれらの組合せより選ばれる、上記(3)記載の方法。
(6)衣材が穀粉及び/又は澱粉である、上記(1)〜(5)のいずれかに記載の方法。
(7)穀粉が米粉、小麦粉、コーンパウダー又はこれらの組合せより選ばれる、上記(6)に記載の方法。
(8)澱粉が米澱粉、小麦粉澱粉、馬鈴薯澱粉、甘藷澱粉、トウモロコシ澱粉、タピオカ澱粉、もしくはこれらの加工澱粉、又はこれらの組合せである、上記(7)記載の方法。
(9)衣材を付着させる工程が、穀粉及び/又は澱粉からなる第1の衣材で食材を覆い、更に穀粉及び/又は澱粉の膨化粒状物からなる第2の衣材を付着させることを含む、上記(1)〜(8)のいずれかに記載の方法。
(10)保水性粉末と吸水性粉末の混合粉末を付着させる、上記(1)〜(9)のいずれかに記載の方法。
(11)前記吸水性粉末がα化澱粉である、上記(10)記載の方法。
(12)油で揚げるか、又は油を付着させたのちに焼成して得られる衣付き食品であって、該衣が、保水性粉末を含む保水層と、卵タンパク質含有液からなる被膜と、衣材とから構成される、上記衣付き食品。
(13)前記衣材が、穀粉及び/又は澱粉からなる第1の衣材と、穀粉及び/又は澱粉の膨化粒状物からなる第2の衣材とから構成される、上記(12)記載の衣付き食品。
(14)密封包装されている、上記(12)又は(13)記載の冷蔵もしくは冷凍保存用衣付き食品。
本発明の方法によって製造される衣付き食品は、冷蔵保存のための殺菌加熱処理によって皮(衣)が剥がれたり、また殺菌加熱処理や冷蔵保存中に染み出してくる水分(ドリップ)によるべたつきが生じたりすることがなく、揚げたてのサクサク感を保持した衣付き食品を消費者に提供することができる。本発明の食品は、保存性が非常に良好であり、オーブントースター等で加熱するだけで喫食でき、食材のジューシーさを保持しつつ、衣の剥がれやべとつきが抑制され、本格的な唐揚げ等の揚げ物に近い、油で揚げたようなサクサクした食感が得られるものである。
本発明は、冷蔵保存によって供給可能な衣付き食品およびその製造方法を提供する。「冷蔵」とは、一般的に理解されるように、10℃以下での保存を意味する。
本明細書において「衣付き食品」とは、一般的に理解されるように、肉類、魚介類又は野菜類などの食材に衣材を薄くまぶして油中でフライした食品、又はフライする工程を経ずに焼成調理された、同等の食味食感を有するフライ様食品を意味する。
本発明における衣付き食品の原料となる食材は、肉類、魚介類、野菜類等が含まれ、特に限定するものではない。衣付き食品として、例えば唐揚げ、トンカツ、メンチカツ、エビフライ、魚のフライ、コロッケ等の、サクサクした衣を有する揚げ物が挙げられ、本発明を適用することができる。最も人気があり、消費量も多いのは鶏肉の唐揚げ、又はフライせずに焼成調理された唐揚げ様食品である。
本発明において、衣付き食品は、調理済みの状態で提供される。すなわち、消費者において、揚げたての状態に近づけるための加温は想定されるが、加温せずに食することも可能な状態で提供される。消費者が好みによってオーブン、オーブントースター、電子レンジ等で更に加熱することを排除することを意図しない。
食材には、衣を付ける前に、必要に応じて下味を付ける。例えば唐揚げの場合には、食材はまず、調味液に浸漬される。調味液は、いわゆる下味を付けるためのものであり、その組成や使用量は食材の種類や目的の味によって変動するため、特に限定するものではない。当業者であれば適宜選定するものであるが、例えば塩、胡椒、酒、醤油、レモン、生姜、ニンニク、油等の各種調味料が利用される。浸漬時間も食品分野で採用されている時間で良く、例えば15分〜1時間の範囲である。トンカツ等の場合には塩、胡椒等での下味付けを行う。メンチカツやコロッケ等の場合には、食材と調味料とを混合し、成形する。これらの工程は当分野で通常行われる通りである。
本発明の方法では、下味を付けた後の食材表面に、まず保水性粉末を付着させる。本発明において、「保水性粉末」とは、冷蔵保存中に経時的に染み出して来る食材由来の水分を保持することにより、さらに外側の衣に移行する水分(ドリップ)量を低減して食感が低下することを防止することを目的として使用される粉末である。使用される保水性粉末としては、例えば加工澱粉及び/又はゲル化剤が挙げられる。加工澱粉としては老化防止効果のある酢酸澱粉及び/又はヒドロキシプロピル化澱粉、ゲル化剤としてはキサンタンガム、ジェランガム、グァーガム、カラギーナン、ローカストビーンガム、アルギン酸塩が挙げられ、これらを単独又は組み合わせて好適に使用可能である。特に好ましい保水性粉末は、ヒドロキシプロピル澱粉又は酢酸澱粉であり、市販品では例えばヒドロキシプロピル澱粉としてSMS707(松谷化学社製)を使用することができる。保水性粉末として加工澱粉及び/又はゲル化剤を用いることにより、食材のジューシーさを好適に保持することができる。
また、本発明の方法は、食材に対して保水性粉末、卵タンパク質含有液、衣材を順次「付着」させる工程を含むものであるが、本明細書において「付着」とは、食材と保水性粉末等を混合することによって、該食材表面に保水性粉末等の層を形成させ、被膜を形成させるように混合することを意味する。
上記保水性粉末の使用量は、食材100gに対して5〜25重量%、特に13〜18重量%の範囲が良好である。
上記の保水性粉末を付着させる工程においては、保水性粉末単独での使用でも良いが、保水性粉末を更に吸水性粉末との混合粉末として使用することもできる。また、保水性粉末は、小麦粉等の澱粉、調味料等と混合した調味パウダーの形態で使用することができる。
「吸水性粉末」とは、食材表面の水分や調味液の水分を素早く吸収して、保水性粉末の食材表面への付着性を向上させたり、焼成開始時等の製造工程中におけるドリップを吸収して衣の食感が低下することを防止するための粉末である。好適な吸水性粉末として、例えばα化澱粉が挙げられる。α化澱粉は、加熱糊化した澱粉を高温のまま急速に乾燥させてα化処理したものであり、吸水して容易に膨潤溶解する澱粉のことをいう。α化澱粉の原料は特に限定されず、米澱粉、小麦粉澱粉、馬鈴薯澱粉、甘藷澱粉、トウモロコシ澱粉、タピオカ澱粉等が挙げられ、市販品では例えばタピオカ澱粉由来のα化澱粉としてマツノリン880(松谷化学社製)を使用することができる。吸水性粉末の使用量は、食材100gに対して0〜10重量%、特に3〜8重量%の範囲が良好である。また、保水性粉末と吸水性粉末の重量比は1:1〜3:1の範囲が好適である。吸水性粉末の使用により、食材への粉末の付着性が向上し、食材のジューシーさを好適に保持することができ、また衣の剥がれが更に抑制される。
次いで、保水性粉末を付着させた食材に、卵タンパク質含有液を付着させる。本発明において使用される「卵タンパク質含有液」とは、特に限定するものではないが、例えば鶏卵に由来するものであり、全卵、卵白、卵黄、卵粉末溶解液等が使用できる。卵タンパク質含有液は、卵の乾燥品から調製することも可能であり、例えばフリーズドライ品(凍結乾燥品、FD)、熱風乾燥品(AD)が使用可能であるが、卵タンパク質の変性がないものの方が好適である。乾燥品の場合には、水分を加えて液状にして用いる。
卵タンパク質含有液の使用量は、食材100gに対して5〜35重量%、特に15〜35重量%の範囲が良好である。
本発明の特徴の一つは、卵タンパク質含有液の使用である。種々のタンパク質含有液を用いて効果を検討した結果、おそらくは卵タンパク質の凝固によって、食材表面に膜が形成され、これがサクサク感の持続、衣の剥がれにくさ、ドリップ防止といった効果をもたらす一因であろうと考えられる。卵タンパク質含有液の使用により、衣の食材への付着性が向上し、水分移行が抑制されて、衣の剥がれやべとつきを好適に抑制することができる。
次いで、卵タンパク質含有液を付着させた食材に衣材を付着させる。本発明において、衣材は穀粉及び/又は澱粉から選択される。穀粉としては、米粉、小麦粉、コーンパウダー等を使用することができる。澱粉としては米澱粉、小麦粉澱粉、馬鈴薯澱粉、甘藷澱粉、トウモロコシ澱粉、タピオカ澱粉を使用することができ、特に米粉が好適である。これらの使用により、サクッとした食感を付与することができる。衣材には、必要に応じて、追加の調味料、例えば塩、胡椒等を加えても良い。
また、衣材は、上記の穀粉及び/又は澱粉からなる第1の衣材と、穀粉及び/又は澱粉の膨化粒状物からなる第2の衣材とを組み合わせて用いることもできる。この場合、第1の衣材と第2の衣材とは混合して用いても良いが、第1の衣材を付着させたのち、第2の衣材を付着させるようにしても良い。第2の衣材として使用可能な穀粉及び/又は澱粉の膨化粒状物は、限定するものではないが、例えば揚げ玉、クルトン、おかき、パン粉等が挙げられ、特に揚げ玉が好適である。この第2の衣材を使用することで、保存後の喫食時のサクサク感が更に良好なものとなる。
上記のようにして衣材で覆った食材を、次いで油で揚げるか、又は油を付着させて焼成する。油で揚げない場合には、油をくぐらせ、オーブンなどで焼成する。油で揚げた場合、加熱殺菌後の衣が油で軟化してしまい、外観及び食感が低下する場合があり、従って本発明の方法では特にオーブンなどで焼成するとベトツキを防止する効果が高く、より好ましい。焼成のための温度および時間は通常使用される範囲であり、特に限定するものではない。「油」としては、大豆油、菜種油、コーン油等の液状油を使用することができる。牛脂、豚脂、ショートニングなどの融点の高い固形脂も使用することができ、同等の効果は発揮されるが、冷蔵又は冷凍保存中に白くなるため、外観上あまり好ましくない。
上記のようにして調理された衣付き食品を、冷蔵又は冷凍保存のための容器に密封包装し、加熱殺菌する。容器および包材は通常使用される通りのものであり、透明・半透明・不透明のものを使用可能である。加熱殺菌は、当分野において通常使用されている工程であり、特に条件を限定するものではないが、例えばレトルト殺菌釜を使用し、80〜105℃で10〜40分、例えば95℃で20分の加圧加熱殺菌とすることができる。
本発明はまた、本発明の方法によって製造される衣付き食品、特に冷蔵又は冷凍保存用の衣付き食品を提供する。
本発明の衣付き食品は、油で揚げるか、又は油を付着させたのちに焼成して得られる衣付き食品であって、該衣が、保水性粉末を含む保水層と、卵タンパク質含有液からなる被膜と、衣材とから構成されるものである。衣材は、穀粉及び/又は澱粉からなる第1の衣材と、穀粉及び/又は澱粉の膨化粒状物からなる第2の衣材とから構成されたものであって良い。また、本発明の衣付き食品は、密封包装され、場合によって加熱殺菌されたものである。
上記のようにして製造された衣付き食品は、冷蔵又は冷凍された状態で販売することができる。本発明は特に、消費者の手間を省くために冷蔵食品として供給可能とすることを目的として得られたものであるが、ドリップが抑制され、揚げたてのサクサク感を得ることができるという効果を有するものであって、例えば消費者に販売される前に一時的に冷凍されることを除外するものではなく、また販売まで冷凍された状態であっても良い。その場合、購入した消費者が自宅で消費するまで冷蔵保存することによって、調理の手間を省き、外観および食感の優れた衣付き食品を得るという本発明の効果を得ることができる。
以下、実施例を用いて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
以下の工程により、鶏もも肉の唐揚げ様食品を調製した(本発明品1)。
処理工程
1)鶏もも肉(縦・横3〜4cm、170〜180g)を調味液(醤油15g、おろし生姜5g、サラダ油6g)に常温で30分浸漬する。
2)調味液に浸漬後の鶏もも肉に調味パウダー22g(小麦粉10g、ヒドロキシプロピル澱粉(商品名 SMS707(松谷化学社製))5g、α化澱粉(商品名 マツノリン880(松谷化学社製))5g、粉末醤油1g、ガーリックパウダー1g)を塗す。
3)溶き卵(30〜50g)をつけてから、粉配合(小麦粉15g、米粉15g、あらびき黒胡椒1.2g)をまぶす。
4)揚げ玉(約2〜7mm、18〜36g)をつけて、菜種油にくぐらせる。
5)熱風循環型オーブン(ジェットオーブン)で230℃、10分間焼成する。
6)パウチに100〜120g(4個)充填し、密封する。
7)95℃で20分殺菌(加圧加熱殺菌。レトルト殺菌釜使用。)
8)冷蔵保存(10℃以下)。
調理後、168 時間(7日間)冷蔵保存した後、オーブントースター(750W)にて5分間加熱後、外観を確認し、喫食して食感を評価した。
その結果、得られた本発明品1の唐揚げ様食品は、ドリップが極めて少なく、またサクサクした食感が極めて良好であり、揚げたてのような高品質のものであった。
[実施例2]
保水性粉末の検討
実施例1で効果を確認した本発明品1の組成を基準として、種々の保水性粉末を用いて唐揚げ様食品(本発明品1〜7および比較品1)を実施例1と同様にして調製し、同様の評価を行った。本実施例における本発明品および比較品で使用した調味パウダー(保水性粉末を含む)の組成および評価結果を表1に示す。評価基準は以下に示す。
評価基準
◎:極めて良好
○:良好
△:許容できる
▲:なんとか許容できる
×:効果がない
Figure 0006395125
表1の結果からわかるように、本発明品1〜7はいずれも油っぽくなく、衣の剥がれがなく、サクサクした食感を有した良好な唐揚げと評価された。一方、保水性粉末を含まない比較品1は油っぽく、表面が濡れていて、衣に剥がれがあり、衣の食感はべたべたしていて好ましくないものであった。
[実施例3]
タンパク質含有液の検討
実施例1で効果を確認した本発明品1の組成を基準として、タンパク質含有液の異なる唐揚げ様食品を実施例1と同様にして調製し、衣の食感・剥がれおよびドリップ抑制についての評価を行った。本実施例における本発明品および比較品で使用したタンパク質含有液の組成および評価結果を表2に示す。評価基準は実施例2と同様とした。
Figure 0006395125
表2の結果からわかるように、卵タンパクを使用した本発明品1は衣の食感も極めて良好であるが、乳タンパク(カゼイン)、小麦タンパク(グルテン)、大豆タンパクでは衣の食感が悪く、剥がれも観察され、またドリップ抑制効果も見られず、べたつきが生じていた。小麦タンパクであるグルテンを用いた比較品3では特に衣が剥がれ易くなり、衣自体がべったりとしていた。
[実施例4]
衣材の検討
実施例1で効果を確認した本発明品1の組成を基準として、衣材の配合組成の異なる唐揚げ様食品を実施例1と同様にして調製し、サクサク感およびドリップ抑制について同様の評価を行った。本実施例で使用した衣材の組成および評価結果を表3に示す。評価基準は実施例2と同様とした。
Figure 0006395125
表3の結果からわかるように、本発明品1および8〜14は、いずれもドリップ抑制効果が極めて高く、サクサク感も許容できる品質を有していた。
一方、表には示していないが、タンパク質含有液を使用せずに本発明品8〜12と同様の衣の組成で唐揚げ様食品を調製し、同様にして評価した結果(比較品6〜10)、衣の食感・剥がれおよびドリップ抑制の評価項目において、いずれも効果が観察されないものであり、べたつきが生じて品質が劣るものであった。

Claims (12)

  1. 密封包装された冷蔵保存用衣付き食品の製造方法であって、
    食材の表面に保水性粉末を付着させる工程と、
    保水性粉末を付着させた食材に卵タンパク質含有液を付着させる工程と、
    卵タンパク質含有液を付着させた食材に穀粉及び/又は澱粉からなる第1の衣材を付着させ、更に穀粉及び/又は澱粉の膨化粒状物からなる第2の衣材を付着させる工程と、
    衣材を付着させた食材を油で揚げるか、又は油を付着させたのちに焼成する工程と、
    油で揚げた、又は焼成した衣付き食品を密封包装して加熱殺菌する工程と、
    を含む、上記製造方法。
  2. 保水性粉末が加工澱粉及び/又はゲル化剤である、請求項1記載の方法。
  3. 加工澱粉が酢酸澱粉及び/又はヒドロキシプロピル化澱粉である、請求項2記載の方法。
  4. ゲル化剤がキサンタンガム、ジェランガム、グァーガム、カラギーナン、ローカストビーンガム、アルギン酸塩又はこれらの組合せである、請求項2記載の方法。
  5. 第1の衣材の穀粉が米粉、小麦粉、コーンパウダー又はこれらの組合せである、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
  6. 第1の衣材の澱粉が米澱粉、小麦粉澱粉、馬鈴薯澱粉、甘藷澱粉、トウモロコシ澱粉、タピオカ澱粉、もしくはこれらの加工澱粉、又はこれらの組合せである、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
  7. 保水性粉末と吸水性粉末の混合粉末を付着させる、請求項1〜のいずれか1項に記載の方法。
  8. 前記吸水性粉末がα化澱粉である、請求項記載の方法。
  9. 油で揚げるか、又は油を付着させたのちに焼成して得られる冷蔵保存用衣付き食品であって、該衣が、保水性粉末を含む保水層と、卵タンパク質含有液からなる被膜と、衣材とから構成され、該衣材が、穀粉及び/又は澱粉からなる第1の衣材と、穀粉及び/又は澱粉の膨化粒状物からなる第2の衣材とから構成される、上記衣付き食品。
  10. 密封包装されている、請求項に記載の衣付き食品。
  11. 穀粉が米粉、小麦粉、コーンパウダー又はこれらの組合せであり、澱粉が米澱粉、小麦粉澱粉、馬鈴薯澱粉、甘藷澱粉、トウモロコシ澱粉、タピオカ澱粉、もしくはこれらの加工澱粉、又はこれらの組合せである、請求項9又は10に記載の衣付き食品。
  12. 穀粉及び/又は澱粉の膨化粒状物が揚げ玉、クルトン、おかき、パン粉又はこれらの組み合わせである、請求項9〜11のいずれか1項に記載の衣付き食品。
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