JP6426041B2 - 加熱調理済冷凍食品用品質改良剤、加熱調理済冷凍食品及び該冷凍食品の製造方法 - Google Patents

加熱調理済冷凍食品用品質改良剤、加熱調理済冷凍食品及び該冷凍食品の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、加熱調理済冷凍食品を自然解凍した際の食感等の品質を維持することができる加熱調理済冷凍食品用品質改良剤、該品質改良剤を食材に練り込んで得た自然解凍耐性を有する加熱調理済冷凍食品及び該冷凍食品の製造方法に関する。
従来、コロッケ、グラタン等の加熱調理済冷凍食品は、電子レンジ、オーブン等の加熱調理器具を用いて再加熱して解凍、加温した後に喫食されていた。しかし、近年、電子レンジ、オーブン等による再加熱をせずに自然解凍した後にそのまま喫食するという方法が行われている。しかし、加熱調理済冷凍食品、特にコロッケ、グラタン等の澱粉を含む食材を主原料とする加熱調理済冷凍食品は、自然解凍すると冷凍前の食感等の品質を維持することができないという問題を抱えている。
自然解凍した加熱調理済冷凍食品の品質を維持するための従来技術としては、ホワイトソースのボディー形成材の主体として米澱粉及び/又は米粉を用いることを特徴とする自然解凍における不適正な粘度等の問題を解消し、食味、食感のよいホワイトソース(特許文献1)、油脂のSFC(固体脂含量)が10℃で5〜20%、20℃で3〜15%、30℃で10%以下であることを特徴とする加熱調理食品用練り込み油脂組成物を配合し、加熱調理後、冷凍する自然解凍調理冷凍食品の製造方法(特許文献2)等が開示されているが、更により良い技術が求められている。
特開2006−115714号公報 特開2014−198032号公報
本発明は、自然解凍した後も食感等の品質を維持することができる加熱調理済冷凍食品及び該冷凍食品に用いる加熱調理済冷凍食品用品質改良剤を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決する為に鋭意研究を重ねた結果、食材に特定の乳化剤、特定の増粘安定剤等を練り込んで作製した加熱調理済冷凍食品が、自然解凍した後も食感を維持できることを見出した。本発明者らは、これらの知見に基づきさらに研究を重ね、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
[1](a)アルギン酸ナトリウム、(b)モノグリセリン脂肪酸エステル及び(c)澱粉を含有することを特徴とする加熱調理済冷凍食品用品質改良剤。
[2]上記[1]に記載の加熱調理済冷凍食品用品質改良剤を、食材に練り込んで得ることを特徴とする加熱調理済冷凍食品。
[3]上記[1]に記載の加熱調理済冷凍食品用品質改良剤を食材に練り込む工程、加熱調理する工程、冷凍する工程を含むことを特徴とする加熱調理済冷凍食品の製造方法。
本発明の加熱調理済冷凍食品用品質改良剤を食材に練り込んで得られた加熱調理済冷凍食品は、自然解凍した後も離水及び食感の劣化を抑制し、冷凍前の品質を維持することができる。
本発明で用いられる(a)アルギン酸ナトリウムとは、主として褐藻類より抽出されたものであって、食品添加物として広く使用されているものを用いることができる。アルギン酸ナトリウムを構成するアルギン酸の分子量並びにマンヌロン酸及びグルコン酸の含有比率に特に制限はないが、アルギン酸ナトリウムを1質量%水溶液(20℃)とした際の粘度が、10〜1000mPa・sとなるアルギン酸ナトリウムが好ましく、100〜600mPa・sとなるアルギン酸ナトリウムがより好ましい。粘度の測定方法に特に制限はないが、例えば、アルギン酸ナトリウム5gを15℃の水495gに加えスリーワンモーター(型式:BL600;ヤマト科学社製、十字撹拌羽使用)で30分間、700rpmで撹拌し室温で1時間間静置した後に、粘度計(型式:TVB−10;東機産業社製)を用い、ローターNo.1、回転数10rpmの条件で測定する方法を例示することができる。
アルギン酸ナトリウムは、市販品を用いることも可能であり、例えば、キッコーマンバイオケミファ社製のダックアルギンシリーズ(商品名:NSPL、NSPM、NSPH等)や、キミカ社製のキミカアルギンIシリーズ(商品名:I−1、I−3、I−5、I−8等)が挙げられる。
本発明で用いられる(b)モノグリセリン脂肪酸エステルは、グリセリンと脂肪酸とのエステル化物、又はグリセリンと牛脂、豚脂、鶏脂、大豆油、ナタネ油、コーン油、サフラワー油、パーム油等の油脂とのエステル交換された生成物が挙げられる。
モノグリセリン脂肪酸エステルの原料として用いられる脂肪酸としては、食用可能な動植物油脂を起源とする脂肪酸であれば特に制限はなく、例えば炭素数14〜22の直鎖の飽和脂肪酸(例えば、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸等)又は不飽和脂肪酸(例えば、パルミトオレイン酸、オレイン酸、エライジン酸、リノール酸、γ−リノレン酸、α−リノレン酸、アラキドン酸、リシノール酸、縮合リシノール酸等)が挙げられ、好ましくは炭素数16〜18の飽和又は不飽和脂肪酸から選ばれる一種又は二種以上の脂肪酸の混合物である。とりわけパルミチン酸及び/又はステアリン酸を約50質量%以上、より好ましくは約90質量%以上含有する脂肪酸混合物を用いるのが好ましい。
本発明で用いられるモノグリセリン脂肪酸エステルの好ましい製法の概略は次の通りである。例えば、油脂とグリセリンの混合物にアルカリ(例えば水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム等)を触媒として添加し、窒素又は二酸化炭素等の任意の不活性ガス雰囲気下、例えば、約180〜260℃の範囲、好ましくは約200〜250℃で約0.5〜5時間、好ましくは、約1〜3時間加熱してエステル交換反応するか、又は脂肪酸とグリセリンの混合物に酸又はアルカリを触媒として添加し、窒素又は二酸化炭素等の任意の不活性ガス雰囲気下で、例えば約180〜260℃ の範囲、好ましくは約200〜250℃で約0.5〜5時間、好ましくは約1〜3時間加熱してエステル化反応を行い、反応終了後触媒を中和し、得られた反応混合物から未反応のグリセリン、ジグリセライド及びトリグリセライドを可及的に除去することにより得ることができる。前記未反応のグリセリン、ジグリセライド及びトリグリセライドを除去する方法としては、例えば減圧蒸留、分子蒸留、カラムクロマトグラフィー又は液液抽出等自体公知の方法が挙げられる。グリセリン、ジグリセライド及びトリグリセライド除去後、所望により脱色、脱臭等の処理を行ってよい。このようにして得られたモノグリセリン脂肪酸エステルは、モノエステル含量が約50質量%以上であり、好ましくは約70質量%以上である。
本発明で用いられる(c)澱粉としては、食用可能な澱粉であれば特に制限はなく、例えば、馬鈴薯澱粉、甘藷澱粉、タピオカ澱粉等の地下茎澱粉、コーンスターチ、小麦澱粉、米澱粉、緑豆澱粉、エンドウ豆澱粉、サゴ澱粉等の地上系澱粉、及びこれらの澱粉をエステル化処理した加工澱粉(例えば、酢酸澱粉等)、エーテル化処理した加工澱粉(例えば、ヒドロキシプロピル澱粉等)、架橋処理した加工澱粉(例えば、リン酸架橋澱粉等)、酸化処理した加工澱粉(例えば、ジアルデヒド澱粉等)、酸処理した加工澱粉、湿熱処理した加工澱粉、更にエステル化、エーテル化、架橋等の処理を2以上組み合わせて施した加工澱粉等が挙げられる。
なかでも、好ましくは地下茎澱粉及びその加工澱粉であり、より好ましくはタピオカ澱粉及びそのエステル化処理した加工澱粉、エーテル化処理した加工澱粉が挙げられる。これらの澱粉を用いることにより離水を抑制できるため好ましい。
本発明の加熱調理済冷凍食品用品質改良剤は、(a)アルギン酸ナトリウム、(b)モノグリセリン脂肪酸エステル及び(c)澱粉を含有するが、その配合比率としては、加熱調理済冷凍食品用品質改良剤100質量%中、(a)アルギン酸ナトリウムは、1〜50質量%が好ましく、5〜20質量%がより好ましく、(b)モノグリセリン脂肪酸エステルは、5〜70質量%が好ましく、10〜50質量%がより好ましく、(c)澱粉は、10〜80質量%が好ましく、20〜60質量%がより好ましい。
本発明の加熱調理済冷凍食品用品質改良剤には、本発明の効果を阻害しない範囲で他の物質を配合することができ、例えば、穀物粉(例えば、小麦粉、米粉、コーンフラワー、大豆粉等)、タンパク(例えば、小麦たんぱく、大豆たんぱく、乳たんぱく等)、塩類(例えば、食塩、グルタミン酸ナトリウム等)、糖類(例えば、ぶどう糖、果糖、しょ糖等)、アルギン酸ナトリウム以外の増粘多糖類(例えば、キサンタンガム、グァーガム、カラギーナン、ペクチン等)、モノグリセリン脂肪酸エステル以外の乳化剤(ポリグリセリン脂肪酸エステル、グリセリン有機酸脂肪酸エステル、ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソレビタン脂肪酸エステル、レシチン等)等が挙げられる。
本発明の加熱調理済冷凍食品用品質改良剤は、上記した(a)アルギン酸ナトリウム、(b)モノグリセリン脂肪酸エステル及び(c)澱粉を、均一に混合することにより得ることができる。均一に混合する際に用いられる混合装置に特に制限はなく、公知の混合装置、例えば、リボンミキサー、ナウターミキサー、ヘンシェルミキサー、レーディゲミキサー、V字型混合機等を用いることができる。
上記加熱調理済冷凍食品用品質改良剤を、食材に練り込んで得られる加熱調理済冷凍食品及びその製造方法も本発明の形態の1つである。
対象となる加熱調理済冷凍食品とは、自然解凍して喫食することができる既に加熱調理済みの食材(中種や生地)を冷凍して得た冷凍食品であり、例えば、食材としてジャガイモ等のイモ類を用いたマッシュポテト、ポテト団子、ポテトコロッケ、ポテト包餡品(ハンバーグのような生地で包んだ商品)、ポテト挟み込み品(ハム等で挟んだ商品)、ポテトサラダ等;食材としてルー(ホワイトソース等)を用いたクリームコロッケ、グラタン、ドリア、ソース等が挙げられる。
加熱調理済冷凍食品は、加熱調理済冷凍食品用品質改良剤を上記各食材に練り込むことにより得られる。得られた加熱調理済冷凍食品は、自然解凍した後でも冷凍前の食感等に近い状態を維持することができる。
加熱調理済冷凍食品への加熱調理済冷凍食品用品質改良剤の配合量は、食材100質量部に対して(a)アルギン酸ナトリウムが好ましくは0.001〜2.5質量部、より好ましくは0.025〜0.6質量部、(b)モノグリセリン脂肪酸エステルが好ましくは0.005〜3.5質量部、より好ましくは0.005〜1.5質量部、(c)澱粉が好ましくは0.01〜4質量部、より好ましくは0.1〜1.8質量部となるように加熱調理済冷凍食品用品質改良剤を添加すればよい。即ち、加熱調理済冷凍食品用品質改良剤の配合量としては、食材100質量部に対して好ましくは0.1〜5質量部、より好ましくは0.5〜3.0質量部である。加熱調理済冷凍食品への加熱調理済冷凍食品用品質改良剤の配合量が上記範囲内であると本発明の効果を発揮するため好ましい。
加熱調理済冷凍食品の製造方法としては、加熱調理済冷凍食品用品質改良剤を食材に練り込む工程、加熱調理済冷凍食品用品質改良剤を練り込んだ又は練り込んでいない食材を加熱調理する工程、加熱調理済冷凍食品用品質改良剤を練り込んだ食材を冷凍する工程を含めば特に制限はなく、更に他の工程、例えば、成形工程、衣付け工程、充填工程、冷却工程、冷蔵工程、包装工程等の食品加工で一般的に行われている工程を含んでもよい。
加熱調理済冷凍食品用品質改良剤を食材に練り込む工程は、加熱調理前又は加熱調理済みの食材に加熱調理済冷凍食品用品質改良剤が均一になるように練り込めばその方法に特に制限はなく、公知の混合機、例えば、ニーダー、煮炊撹拌機、蒸煮釜、横型ミキサー、縦型ミキサー、サイレントカッター等を用いて練り込むことができる。
加熱調理済冷凍食品用品質改良剤を練り込んだ又は練り込んでいない食材を加熱調理する工程は、後述する冷凍工程前に行えばよい。加熱調理する方法としては、該食材が喫食可能な状態になるようにすればその方法に特に制限はなく、例えば、蒸し、焼き、炒め、フライ、ボイル等の各加熱調理方法が挙げられ、これらの加熱調理を複数組み合わせてもよい。
冷凍工程は、加熱調理が終了している加熱調理済冷凍食品用品質改良剤を練り込んだ食材を公知の凍結方法によって冷凍すればよい。例えば、エアーブラスト凍結法、セミエアーブラスト凍結法、プレート式凍結法、液化ガス凍結法等が挙げられる。
加熱調理済冷凍食品の製造方法として、代表的なポテトコロッケ及びグラタンの例を以下に示す。
加熱調理済ポテトコロッケの製造方法としては、ジャガイモを蒸して剥皮した後にマッシュし、食塩、砂糖、香辛料、バター等の各種調味料類、炒めたひき肉、オニオン等の具材類及び加熱調理済冷凍食品用品質改良剤を加えて均一になるように練り込んで生地を作製し、該生地を成形した中種に衣付けし、フライした後に常温まで放冷し、冷凍庫内で冷凍して得られる。
加熱調理済冷凍グラタンの製造方法としては、小麦粉を油脂で炒めた後に、牛乳、食塩、香辛料等の各種調味料及び加熱調理済冷凍食品用品質改良剤を加えて均一になるように練り込んでホワイトソースを作製し、該ホワイトソース、ボイルした具材(マカロニ、ニンジン、オニオン等)を混合した生地を型に入れ、所望によりチーズ等を載せて、オーブンで表面に焦げ色がつくまで焼成した後に常温まで放冷し、冷凍庫内で冷凍して得られる。
かくして得られた加熱調理済冷凍食品は、自然解凍した際に発生する中種や生地からの離水を抑制し、中種や生地の食感の劣化等を抑制し、冷凍前の品質を維持することができる。特に、中種や生地に用いる食材が澱粉類を含む加熱済冷凍食品に効果を発揮することができる。また加熱済冷凍食品が衣付けされた食品(例えばポテトコロッケ類等)の場合、自然解凍した際に発生する中種や生地の食感及び衣の食感を維持するという効果を発揮する。
以下に本発明を実施例で説明するが、これは本発明を単に説明するだけのものであって、本発明を限定するものではない。
<加熱調理済冷凍食品用品質改良剤の作製>
(1)原材料
[(a)アルギン酸ナトリウム]
高粘度アルギン酸ナトリウム(商品名:ダックアルギンNSPM;キッコーマンバイオキミファ社製)
低粘度アルギン酸ナトリウム(商品名:ダックアルギンNSPL;キッコーマンバイオケミファ社製)
上記アルギン酸ナトリウムの1質量%水溶液(20℃)の粘度は、高粘度アルギン酸ナトリウムは381mPa・s、低粘度アルギン酸ナトリウムは148mPa・sであった。
[(b)モノグリセリン脂肪酸エステル]
モノグリセリン脂肪酸エステル(商品名:エマルジーMS;理研ビタミン社製)
[モノグリセリン脂肪酸エステル以外の乳化剤]
グリセリンジアセチル酒石酸脂肪酸エステル(商品名:ポエムW−90VP;理研ビタミン社製)
グリセリンコハク酸脂肪酸エステル(商品名:ポエムB−10;理研ビタミン社製)
レシチン(商品名:レシオンLP−1;理研ビタミン社製)
[(c)澱粉]
馬鈴薯澱粉(商品名:松谷かめ;松谷化学社製)
アセチル化タピオカ澱粉(商品名:日食 MT−01;日本食品化工社製)
ヒドロキシプロピル化架橋タピオカ澱粉(商品名:たなばた300;王子コーンスターチ社製)
ヒドロキシプロピル化馬鈴薯澱粉(商品名:MCROLYS 54;王子コーンスターチ社製)
ヒドロキシプロピル化架橋ワキシーコーン(商品名:ファインテックスS;王子コーンスターチ社製)
[賦形剤]
デキストリン(商品名:サンデックNo.30;三和澱粉工業社製)
(2)配合
上記原材料を用いて作製した加熱調理済冷凍食品用品質改良剤の配合を表1に示す。
Figure 0006426041
(3)加熱調理済冷凍食品用品質改良剤の作製方法
表1に記載の各原材料の2倍量をビニール袋にとり封をして、手で撹拌しながら均一になるように1分間撹拌した後、16メッシュの篩で篩って加熱調理済冷凍食品用品質改良剤(実施例品1〜6、比較例品1〜6)を得た。
<加熱調理済冷凍ポテトコロッケの作製と評価>
[加熱調理済冷凍ポテトコロッケの作製]
フライパンにみじん切りにした玉ねぎ56.5g、バター8gを加え、弱火で玉ねぎが透明になるまで炒め、次いで牛豚合挽き肉55g、食塩2.5g、黒胡椒末0.5gを加えて中火で牛豚合挽き肉に火が通るまで加熱した。炒めた玉ねぎ、牛豚合挽き肉をプラスチック製ボールにとり、そこに、茹でて潰したジャガイモ375g、加熱調理済冷凍食品用品質改良剤(実施例品1〜6、比較例品1〜6のいずれか)を3.75g加え、均一になるよう約1分間混合して生地を作製した。得られた生地を計量して25gとし、手で成形して小判型(厚さ約1.5cm、最長幅約6cm、最短幅約4cm)の中種を作製し、次いで急速凍結機(設定温度:−40℃)に入れて1時間冷凍した。
凍結した中種をテンパリング(条件:設定温度−3℃、1時間保管)し、それをバッター液[ミックス粉(商品名:U−869バッターミックス;理研ビタミン社製)100gを水400gに溶いたもの]にくぐらせ、パン粉付けし、次いで急速凍結機(設定温度:−40℃)で1時間凍結した後に冷凍庫(設定温度:−18℃)に保管して冷凍ポテトコロッケを得た。
冷凍ポテトコロッケを175℃のなたね油で6分間油ちょうし、常温まで放冷し、急速冷凍庫(設定温度:−40℃)で1時間凍結した後、冷凍庫(設定温度:−18℃)で保管し、加熱調理済冷凍ポテトコロッケ(試作品1〜12)を得た。
[加熱調理済冷凍ポテトコロッケの評価]
得られた加熱調理済冷凍ポテトコロッケ(試作品1〜12)をそれぞれ25℃の環境で3時間放置して自然解凍を行った。自然解凍した加熱調理済冷凍ポテトコロッケの中種の離水状況、中種の食感、衣の食感を以下の方法で評価した。
(1)中種の離水状況の評価方法
自然解凍した加熱調理済冷凍ポテトコロッケを1/2にカットし、中種を取出し、約2gの中種をろ紙(型式:定性濾紙 No.2 90mm;東洋濾紙社製)の中心に直径約1.5cmとなるように設置して1時間静置し、中種からろ紙に染み出した水分の移動距離を測定し、以下の評価基準で記号化した。結果を表3に示す。
[評価基準及び記号化]
◎:中種からろ紙に移動した水分の移動距離が約1cm未満。ほとんど離水がない状態。
○:中種からろ紙に移動した水分の移動距離が約1cm以上〜1.5cm未満。若干離水がある状態。
△:中種からろ紙に移動した水分の移動距離が約1.5cm以上〜2cm未満。離水がある状態。
×:中種からろ紙に移動した水分の移動距離が約2cm以上。かなり離水がある状態。
(2)中種の食感及び衣の食感の評価方法
自然解凍した加熱調理済冷凍ポテトコロッケを1/2にカットし、中種の食感及び衣の食感を10名で表2に示す評価基準で官能評価した。評価して得た評価点の平均値を下記の基準で記号化した。結果を表3に示す。
[評価点の記号化基準]
◎:評価点の平均値が、3.5以上。
○:評価点の平均値が、2.5以上、3.5未満。
△:評価点の平均値が、1.5以上、2.5未満。
×:評価点の平均値が、1.5未満。
Figure 0006426041
Figure 0006426041
結果より、実施例品を用いたポテトコロッケ(試作品1〜6)は、中種からの離水がほとんどない、又は若干離水がある状態であり、離水が抑制されていた。また、中種の食感及び衣の食感は、良好な状態を維持してよい評価であり、自然解凍耐性を有していた。
一方、比較例品を用いたポテトコロッケ(試作品7〜12)は、中種からの離水がある、又はかなり離水がある状態であり、離水が抑制されなかった。また、中種の食感及び衣の食感は、良好な状態を維持できず悪い評価であり、自然解凍耐性を有していなかった。
<加熱調理済冷凍クリームコロッケの作製と評価>
[加熱調理済冷凍クリームコロッケの作製]
フライパンにサラダ油10g、みじん切りにした玉ねぎ100gを加え、弱火で玉ねぎが透明になるまで炒めた。別に、フライパンにバター30g、小麦粉40gを加え弱火で炒め、牛乳350gを少量ずつ加え、ダマにならないように小麦粉を伸ばし、さらにコンソメ2.5g、白胡椒末0.5g、砂糖1.5g、加熱調理済冷凍食品用品質改良剤(実施例品1〜6、比較例品1〜6のいずれか)を4.3g加え、トロミが付くまで加熱混合してルーを作製し、前記、炒めた玉ねぎを混ぜ合わせ生地とし、4℃になるまで冷蔵庫で冷却した。得られた生地を計量して25gとし、手で成形して小判型(厚さ約1.5cm、最長幅約6cm、最短幅約4cm)の中種を作製し、次いで急速凍結機(設定温度:−40℃)に入れて1時間冷凍した。
凍結した中種をテンパリング(条件:設定温度−3℃、1時間保管)し、それをバッター液[ミックス粉(商品名:U−869バッターミックス;理研ビタミン社製)100gを水400gに溶いたもの]にくぐらせ、パン粉付けし、次いで急速凍結機(設定温度:−40℃)で1時間凍結した後に冷凍庫(設定温度:−18℃)に保管して冷凍クリームコロッケを得た。
冷凍クリームコロッケを175℃のなたね油で6分間油ちょうし、常温まで放冷し、急速冷凍庫(設定温度:−40℃)で1時間凍結した後、冷凍庫(設定温度:−18℃)で保管し、加熱調理済冷凍クリームコロッケ(試作品13〜24)を得た。
[加熱調理済冷凍クリームコロッケの評価]
得られた加熱調理済冷凍クリームコロッケ(試作品13〜24)をそれぞれ25℃の環境で3時間放置して自然解凍を行った。自然解凍した加熱調理済冷凍クリームコロッケの中種の離水状況、中種の食感、衣の食感を以下の方法で行い評価した。
(1)中種の離水状況の評価方法
自然解凍した加熱調理済冷凍クリームコロッケを1/2にカットし、中種を取出し、約2gの中種をろ紙(型式:定性濾紙 No.2 90mm;東洋濾紙社製)の中心に直径約1.5cmとなるように設置して1時間静置し、中種からろ紙に染み出した水分の移動距離を測定し、「[加熱調理済冷凍ポテトコロッケの評価]と同じ評価基準で記号化した。結果を表5に示す。
(2)中種の食感及び衣の食感の評価方法
自然解凍した加熱調理済冷凍クリームコロッケを1/2にカットし、中種の食感及び衣の食感を10名で表4に示す評価基準で官能評価した。評価して得た評価点の平均値を「[加熱調理済冷凍ポテトコロッケの評価]」と同じ方法で記号化した。結果を表5に示す。
Figure 0006426041
Figure 0006426041
結果より、実施例品を用いたクリームコロッケ(試作品13〜18)は、中種からの離水がほとんどない、又は若干離水がある状態であり、離水が抑制されていた。また、中種の食感及び衣の食感は、良好な状態を維持してよい評価であり、自然解凍耐性を有していた。
一方、比較例品を用いたクリームコロッケ(試作品19〜24)は、中種からの離水がある、又はかなり離水がある状態であり、離水が抑制されなかった。また、中種の食感及び衣の食感は、良好な状態を維持できず悪い評価であり、自然解凍耐性を有していなかった。
<加熱調理済冷凍グラタンの作製と評価>
[加熱調理済冷凍グラタンの作製]
フライパンにサラダ油3g、みじん切りにした玉ねぎ35gを加え、弱火で玉ねぎが透明になるまで炒め、切った鶏肉40g、スライスしたマッシュルーム10gを加えさらに炒めた。別に、フライパンにバター25g、小麦粉25gを加え弱火で炒め、牛乳430gを少量ずつ加え、ダマにならないように小麦粉を伸ばし、さらに食塩2g、砂糖0.5g、グルタミン酸ナトリム0.5g、加熱調理済冷凍食品用品質改良剤(実施例品1〜6、比較例品1〜6のいずれか)を4.8g加え、トロミが付くまで加熱混合した。ここに茹でたマカロニ90g、前記の炒めた玉ねぎ、鶏肉、マッシュルームを混ぜ合わせて生地とし、プラスチックカップに50g計量して、次いで急速凍結機(設定温度:−40℃)に入れて1時間冷凍した後に、冷凍庫(設定温度:−18℃)に保管し、加熱調理済冷凍グラタン(試作品25〜36)を得た。
[加熱調理済冷凍グラタンの評価]
得られた加熱調理済冷凍グラタン(試作品25〜36)をそれぞれ25℃の環境で3時間放置して自然解凍を行った。自然解凍した加熱調理済冷凍グラタンのホワイトソース部の離水状況、ホワイトソース部の食感を以下の方法で行い評価した。
(1)ホワイトソース部の離水状況の評価方法
自然解凍した加熱調理済冷凍グラタンの生地(ホワイトソース部)を取出し、約2gの生地をろ紙(型式:定性濾紙 NO.2 90mm;東洋濾紙社製)の中心に直径約1.5cmとなるように設置して1時間静置し、生地(ホワイトソース部)からろ紙に染み出した水分の移動距離を測定し、「[加熱調理済冷凍ポテトコロッケの評価]」と同じ評価基準で記号化した。但し、評価基準中の「中種」を「生地」に読み替えて評価を行った。結果を表5に示す。
(2)ホワイトソース部の食感の評価方法
自然解凍した加熱調理済冷凍グラタンの生地(ホワイトソース部)の食感を10名で表4に示す評価基準で官能評価した。但し、評価基準中の「中種」を「生地」に読み替えて評価を行った。評価して得た評価点の平均値を「[加熱調理済冷凍ポテトコロッケの評価]」と同じ方法で記号化した。結果を表6に示す。
Figure 0006426041
結果より、実施例品を用いたグラタン(試作品25〜30)は、生地からの離水がほとんどない、又は若干離水がある状態であり、離水が抑制されていた。また、生地の食感は、良好な状態を維持してよい評価であり、自然解凍耐性を有していた。
一方、比較例品を用いたグラタン(試作品31〜36)は、生地からの離水がある、又はかなり離水がある状態であり、離水が抑制されなかった。また、生地の食感は、良好な状態を維持できず悪い評価であり、自然解凍耐性を有していなかった。

Claims (3)

  1. (a)アルギン酸ナトリウム、(b)モノグリセリン脂肪酸エステル及び(c)澱粉を含有することを特徴とする加熱調理済冷凍食品用品質改良剤。
  2. 請求項1に記載の加熱調理済冷凍食品用品質改良剤を、食材に練り込んで得ることを特徴とする加熱調理済冷凍食品。
  3. 請求項1に記載の加熱調理済冷凍食品用品質改良剤を食材に練り込む工程、加熱調理する工程、冷凍する工程を含むことを特徴とする加熱調理済冷凍食品の製造方法。
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