JP2005110599A - 酸性水中油型乳化組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】 包み込み等における加工特性に優れた物性、乳化安定性を有し、且つ冷凍処理を施しても乳化が安定で、且つ、保型性、口溶け、食感に優れた風味の良い酸性水中油型乳化組成物を提供すること。
【解決手段】 酸性水中油型乳化組成物全体中、15℃でのSFC(Solid Fat Content:固体脂指数)が0以上、15以下で、且つ0℃でのSFCが0以上、5以下である食用油脂を5重量%以上、85重量%以下含有し、卵液を0.5重量%以上、30重量%以下含有し、且つ平均重合度が6以上、12以下で、HLB1以上、7以下のポリグリセリン脂肪酸エステルを0.05重量%以上、5重量%以下含有することを特徴とする酸性水中油型乳化組成物を用いること。
【選択図】 なし。
【解決手段】 酸性水中油型乳化組成物全体中、15℃でのSFC(Solid Fat Content:固体脂指数)が0以上、15以下で、且つ0℃でのSFCが0以上、5以下である食用油脂を5重量%以上、85重量%以下含有し、卵液を0.5重量%以上、30重量%以下含有し、且つ平均重合度が6以上、12以下で、HLB1以上、7以下のポリグリセリン脂肪酸エステルを0.05重量%以上、5重量%以下含有することを特徴とする酸性水中油型乳化組成物を用いること。
【選択図】 なし。
Description
本発明は、包み込み等の加工特性に優れ、且つ冷凍耐性を有するマヨネーズ、ドレッシング類に関する。
マヨネーズ・ドレッシング類は、ベーカリー製品からサラダ惣菜にいたるまで広く使われている。ここでいうマヨネーズ・ドレッシング類とは、油、食酢、卵を原材料とする酸性水中油型乳化物である。従来、マヨネーズ・ドレッシング類は、サラダ、焼き込み調理パンのトッピング、サンドイッチ等で用いられている。昨今、消費者の食生活の変化から調理の手間を少なくした冷凍食品の割合が急速に増加しており、マヨネーズ、ドレッシング類についても冷凍耐性を付与することが求められている。また、消費者のニーズの多様化が進む中で、マヨネーズについても従来にない様々な用途での利用が求められる様になっており、それに伴い従来にない物性、加工特性が求められている。しかしながら、従来のマヨネーズ、ドレッシング類はもともと冷凍耐性がなく、また、物性、加工特性は極めて限られており、特にその形態がペースト状であることからパンの上にトッピングしたり、サラダにあえたりする等、極めて限られた用途にのみ用いられてきた。今後、社会の要望に応えていくためにもマヨネーズ・ドレッシング類の用途を広げることは意義深いことであり、そのためにはマヨネーズ、ドレッシング類に冷凍耐性を付与し、その用途を広げるとともに、加工特性を向上させることが不可欠である。
これまで冷凍耐性を有した酸性水中油型乳化組成物である調味料として、特許文献1には、大豆油とトリプシン処理卵黄と乳清蛋白質を使用した酸性水中油型乳化組成物である調味料が、また特許文献2には、トランスグルタミナーゼで処理した卵黄またはカゼインを使用した酸性水中油型乳化組成物である調味料が提案されている。しかしながら、上記提案の酸性水中油型乳化組成物である調味料では、冷凍耐性について改善されているものの十分なレベルであるとはいえず、冷凍後の加熱時に油の分離があり、結果として加熱後では口溶け、食感が良くない等の課題があり、未だ満足のいくレベルではなかった。また、使用用途としてはパン生地の上にトッピングする等の従来のマヨネーズの使用範囲内に限られていた。
また、作業性について、生地への包み込みが可能であるマヨネーズ・ドレッシング類についてはこれまで報告がなされていないが、一般的には乳化安定性を確保するため、油分を40重量%以下まで下げ、粘度の付与のためガム質や澱粉を多量に使用されている。しかしながら、耐熱性については改善されるものの、油分が少ないため、食酢、調味料を多く配合せざるを得ず、結果としてマヨネーズらしさに欠ける風味となる。また、増粘剤を多く含むため口溶けが悪く、さらに生地に包み込む等の加工特性を付与することは極めて困難であった。作業適性についても生地につつみ込んでをカットする用途では、カッターの刃に付着してしまい、作業性が著しく悪く、カットが必要な食品を工業的に製造することは極めて困難であった。そこで、生地に包み込んだり、生地に包み込んだ後カットする等の従来にない使用方法での加工特性に優れ、且つ冷凍耐性に優れ、口溶け、風味の良いマヨネーズが望まれてきた。
特開平8−322505号公報
特開平8−131119号公報
上述の通り、包み込み等における優れた加工特性(作業性)及び乳化安定性を有し、且つ冷凍処理を施しても乳化が安定で、且つ、保型性、口溶け、食感に優れた風味の良い酸性水中油型乳化組成物を提供することである。
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、酸性水中油型乳化組成物全体中、特定のSFCを有する食用油脂を特定量含有し、特定量の卵液、及び特定のポリグリセリン脂肪酸エステルを特定量含有することを特徴とする酸性水中油型乳化組成物は、固く、且つ包あん機などに対する機械耐性を有し、また、製造過程において良好な作業性を有し、冷凍処理、さらにはそれに引き続く過熱処理においても型崩れせず、乳化が安定で風味、口溶けが良好な滑らかであることを見い出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の第一は酸性水中油型乳化組成物全体中、15℃でのSFC(Solid Fat Content:固体脂指数)が0以上、15以下で、且つ0℃でのSFCが0以上、5以下である食用油脂を5重量%以上、85重量%以下含有し、卵液を0.5重量%以上、30重量%以下含有し、且つ平均重合度が6以上、12以下で、HLB1以上、7以下のポリグリセリン脂肪酸エステルを0.05重量%以上、5重量%以下含有することを特徴とする酸性水中油型乳化組成物に関する。好ましい実施態様は、食用油脂の含有量が、酸性水中油型乳化組成物全体中、50〜85重量%であることを特徴とする上記記載の酸性水中油型乳化組成物に関する。より好ましくは食用油脂の構成脂肪酸全体中、炭素数18の脂肪酸が40重量%以上であることを特徴とする上記記載の酸性水中油型乳化組成物に関する。さらに好ましい実施態様は、ポリグリセリン脂肪酸エステルの構成脂肪酸全体中、C8〜C22の飽和脂肪酸が50〜100重量%であることを特徴とする上記記載の酸性水中油型乳化組成物、特に好ましくは卵液が酵素処理されていることを特徴とする上記記載の酸性水中油型乳化組成物、極めて好ましくは酵素がプロテアーゼ、リパーゼ、ホスホリパーゼからなる群より選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする上記記載の酸性水中油型乳化組成物、最も好ましくはローカストビーン蛋白を含有することを特徴とする上記記載の酸性水中油型乳化組成物に関する。本発明の第二は、上記記載の酸性水中油型乳化組成物を用いた食品に関する。
包み込み等における加工特性(作業性)に優れた物性、乳化安定性を有し、且つ冷凍処理を施しても乳化が安定で、且つ、保型性、口溶け、食感に優れた風味の良い酸性水中油型乳化組成物を提供することができた。
以下、本発明につき、さらに詳細に説明する。本発明で酸性水中油型乳化組成物に含有される食用油脂は、15℃でのSFC(Solid Fat Content:固体脂指数)が0以上、15以下で、且つ0℃でのSFCが0以上、5以下であることが好ましい。食用油脂の15℃でのSFCが15よりも大きいと乳化時に乳化が破壊されてしまい、効果が得られにくい場合がある。また、食用油脂の0℃でのSFCが5よりも大きいと冷凍解凍時に乳化が不安定になり、所望の効果が得られにくい場合がある。
そして該食用油脂は、上記条件を満たせば、油脂の種類に限定はなく、植物性油脂、動物性油脂、食用精製加工油脂等を少なくとも1種使用することができる。具体的には、あまに油、桐油、サフラワー油、かや油、胡桃油、芥子油、向日葵油、綿実油、菜種油、大豆油、コーン油、辛子油、カポック油、米糠油、胡麻油、玉蜀黍油、落花生油、オリーブ油、椿油、茶油、ひまし油、椰子油、パーム油、パーム核油、カカオ脂、シア脂、ボルネオ脂等の植物油脂や、魚油、鯨油、牛脂、豚脂、乳脂、羊脂等の動物油脂、またこれらの油脂を原料にエステル交換したものや、硬化油、一般的な分画やウインタリングなどの分別を施した分別油、混合油が挙げられ、これら油脂の群から選択される少なくとも1種を用いることが出来る。食用油脂の含有量は、酸性水中油型乳化組成物全体中、5重量%以上、85重量%以下が好ましく、50重量%以上、85重量%以下がより好ましい。食用油脂の含有量が5重量%未満であると、得られた水中油型乳化組成物から極端にマヨネーズらしさが欠如してしまう場合があり、85重量%を超えると、冷凍処理の後の解凍あるいは加熱調理時に乳化が破壊する場合がある。
本発明の効果をさらに高めるためには、食用油脂中の構成脂肪酸全体中、炭素数が18の脂肪酸が40重量%以上含有されていると好ましい。ここで、食用油脂中の脂肪酸組成の分析は、前処理として常法・定法に従い、硫酸−メタノール法でメチルエステル化し、ガスクロマトグラフィーにより下記の条件で脂肪酸メチルエステルの分析を実施し、そのピーク面積比で各組成の重量比率を求めた。
装置:Agilent Technologies 6890N
カラム:Omegawax320(Supelco社)
(30m*0.32mmID、0.25μm film)
カラム温度:200℃
注入温度:240℃
FID温度:250℃
スプリット比:100:1
装置:Agilent Technologies 6890N
カラム:Omegawax320(Supelco社)
(30m*0.32mmID、0.25μm film)
カラム温度:200℃
注入温度:240℃
FID温度:250℃
スプリット比:100:1
本発明のポリグリセリン脂肪酸エステルは、平均重合度が6以上、12以下で、HLBが1以上、7以下であることが好ましい。ポリグリセリン脂肪酸エステルの平均重合度が6未満であると、冷解凍時の油の分離が顕著となってしまう場合があり、12を超えるとポリグリセリン脂肪酸エステルの調製が極めて困難となり、収率が下がってしまう場合がある。また、ポリグリセリン脂肪酸エステルのHLBが1未満であると、酸性水中油型乳化組成物の調製が困難となる場合があり、7を超えると冷解凍時の乳化が不安定となり、冷凍耐性の効果が得られにくい場合がある。ポリグリセリン脂肪酸エステルの含有量は、好ましくは0.05重量%〜5重量%で、より好ましくは、0.1重量%〜3重量%で、さらに好ましくは、0.2重量%〜1重量%である。添加量が0.05重量%未満の場合、冷解凍時の乳化が不安定となり、冷凍耐性の効果が得られにくい場合がある。また、添加量が5重量%より多い場合、風味が悪くなり、また、口溶けが悪くなる場合がある。
ポリグリセリン脂肪酸エステルの製造方法に特に限定はないが、例えば、窒素ガスを吹き込みながらグリセリンを水酸化ナトリウムなどのアルカリ触媒を用いて脱水縮合反応させ、ポリグリセリンを得、さらに脂肪酸そのものあるいは脂肪酸無水物とアルカリ触媒と反応させるか、または油脂を用いてエステル交換を行うグリセリンの蒸留残分からの回収等により、ポリグリセリンを得ることができる。この時、温度、反応時間により得られるポリグリセリンの平均重合度を調整することができる。この平均重合度は、水酸基価で求められる。この水酸基価とは「試料1gを完全にアセチル化するのに要する酢酸を中和するために必要な水酸化カリウムのmg数」をいい、次式により求められる。
ポリグリセリンの水酸基価=56110(n+2)/(74n+18)
n:ポリグリセリンの重合度
ポリグリセリンの水酸基価=56110(n+2)/(74n+18)
n:ポリグリセリンの重合度
ポリグリセリンのエステル化については、その方法に特に限定は無いが、例えばポリグリセリン、脂肪酸、触媒を仕込み、窒素ガス気流下で160〜260℃の温度で遊離脂肪酸がなくなるまで反応させて得ることができる。また、ポリグリセリン脂肪酸エステルのエステル化度は、ポリグリセリンと添加する脂肪酸の比率と反応温度、反応時間、触媒の種類、添加量で調整することができる。ポリグリセリンのエステル化率は、80%以上が好ましい。エステル化率が80%未満であると、冷解凍時に乳化が不安定になり、冷凍耐性の効果が得られにくい場合がある。
ポリグリセリン脂肪酸エステルの構成脂肪酸としてはC8〜C22の飽和脂肪酸を50〜100重量%含有することが好ましい。ポリグリセリン脂肪酸エステルの構成脂肪酸は、特に構成脂肪酸の導入方法を限定しないが、例えばエステル化する時の添加する脂肪酸の組成で調整することができる。C8〜C22の飽和脂肪酸の含有量が50重量%未満であると、冷解凍時に乳化が不安定になり、冷凍耐性の効果が得られにくい場合がある。
本発明の卵液とは、卵黄および/または全卵に任意で卵白加えたものを指し、形態は液状、粉末でも良く、また食塩、糖類、例えばショ糖などを含有しても良い。上記卵液は、酵素を作用させたものが好ましく、酵素としては耐熱性を強化する上でプロテアーゼ、リパーゼ、ホスホリパーゼからなる群より選ばれる少なくとも1種がより好ましく、更に好ましくはホスホリパーゼ、特に好ましくはホスホリパーゼAを用いることが好ましい。酵素処理の方法は、一般的な方法でよいが、具体的には、卵に対し、酵素の添加割合が0.002〜0.5重量%で、25〜65℃において1〜50時間程度反応を行うことにより酵素処理卵を得ることができる。分解率については、特に制約はなく、必要に応じて酵素量および反応温度を設定すれば良い。
卵液の添加量としては、酸性水中油型乳化組成物全体中、0.5重量%以上、30重量%以下が好ましい。卵液の添加量が0.5重量%よりも少ないと、酸性水中油型乳化組成物の調製時の乳化が困難となる場合がある。また卵液の添加量が30重量%よりも多いと包み込み、あん切り等の作業特性が得られにくく、また、目的とする冷凍耐性が得られにくい場合がある。
本発明の酸性水中油型乳化組成物は、pH7.0以下のものを指すが、特に衛生的な保存性を高めるためにはpHが2.5以上、5.0以下のものが好ましく、更にpHが2.5以上、4.5以下が好ましい。pHが2.5よりも低い場合、酸性水中油型乳化組成物調製時に乳化が困難となる場合がある。pHが5を超えると、粘度が柔らかくなり、包あん機耐性等の機械耐性のある物性を得ることが困難となる場合や冷解凍時に乳化が不安定になり、冷凍耐性の効果が得られにくい場合がある。
本発明のローカストビーン蛋白とは、ローカストビーンの胚芽を粉砕したものであり、産地等には制約を受けず、製造方法も特に限定は無いが、例えば、ローカストビーンを脱皮し、胚芽部分を分離し、粉砕を行う等により得たものを使用することができる。ローカストビーン蛋白の含有量は、酸性水中油型乳化組成物全体中、0.05重量%〜5重量%が好ましい。ローカストビーン蛋白の添加量が0.05重量%よりも少ないと、冷凍・加熱時の乳化安定性が低下し、冷凍・加熱時に乳化破壊が発生する場合がある。またローカストビーン蛋白の添加量が5重量%よりも多いとローカストビーン蛋白由来の豆くささがでてしまい、風味が悪くなってしまう場合がある。
本発明の酸性水中油型乳化組成物の製造方法は、一般的なマヨネーズ、ドレッシングの製造方法で構わないが、例えば、以下の方法が挙げられる。所定のポリグリセリン脂肪酸エステルを予め食用油脂に添加し、80℃まで昇温させ、15分間溶解した後、20℃まで冷却させる。食酢、食塩、糖類などの他呈味材とで水相を調製してから、卵液を添加した後、冷却後の食用油脂を添加しながらホモミキサー等で予備乳化を実施後、コロイドミルで仕上げ乳化を実施する。
以上の様にして得られた水中油型乳化組成物は、様々な食品に包み込み、包あん、トッピング、充填あるいは塗布あるいは混合して使用することができる。使用できる食品としては、例えば、冷凍食品全般、焼き込み調理パン、パニーニ、ワッフル、サンドイッチ、サラダ、サラダ、惣菜、ハンバーグ、ミートボール、はんぺん、ちくわ、フライ食品、から揚げ、お好み焼き、たこ焼き、ピザ、焼き肉等が挙げられるが、特にこれらに限定されない。上記記載の食品のうち、冷凍の焼き込み調理パン、揚げパン、コロッケ、ピザ、ハンバーグ、たこ焼き、パニーニ、ワッフルに本発明の酸性水中油型乳化組成物を用いると好適である。
以下に実施例を示し、本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。尚、以下の実施例、比較例において、%は重量%を意味する。
<マヨネーズ冷凍耐性評価法(総合評価)>
実施例1〜6、比較例1〜5において作製したマヨネーズを用いて、実施例7〜12、比較例6〜10において作製したマヨネーズを塗布したパン、実施例13〜18、比較例11〜15において作製したマヨネーズを包み込んだパン、実施例19〜24、比較例16〜20で作製したハンバーグを−20℃で一定期間保管し(最大180日間)、加熱後の油の分離、保型性、及び口溶け感の評価を総合的にパネラー50名で5点満点で評価し、50名の平均値を算出した。その評価基準は以下の通りである。1点:油の分離が顕著で、形がほとんど残っておらず、口の中に油が付着し、口溶けが極めて悪い、2点:油の分離が顕著で、やや形が残っており、口の中に油が付着し、口溶けが悪い、3点:油の分離があり、形は残っており口の中に油がやや付着し、口溶けがやや悪い、4点:油の分離が若干あり、形についてはほぼ冷凍前の状態に近い、口の中に油がほとんど付着がなく、口溶け良い、5点:油の分離がなく、冷凍前の状態のままである。口の中に油の付着がなく、極めて口溶け良い。
実施例1〜6、比較例1〜5において作製したマヨネーズを用いて、実施例7〜12、比較例6〜10において作製したマヨネーズを塗布したパン、実施例13〜18、比較例11〜15において作製したマヨネーズを包み込んだパン、実施例19〜24、比較例16〜20で作製したハンバーグを−20℃で一定期間保管し(最大180日間)、加熱後の油の分離、保型性、及び口溶け感の評価を総合的にパネラー50名で5点満点で評価し、50名の平均値を算出した。その評価基準は以下の通りである。1点:油の分離が顕著で、形がほとんど残っておらず、口の中に油が付着し、口溶けが極めて悪い、2点:油の分離が顕著で、やや形が残っており、口の中に油が付着し、口溶けが悪い、3点:油の分離があり、形は残っており口の中に油がやや付着し、口溶けがやや悪い、4点:油の分離が若干あり、形についてはほぼ冷凍前の状態に近い、口の中に油がほとんど付着がなく、口溶け良い、5点:油の分離がなく、冷凍前の状態のままである。口の中に油の付着がなく、極めて口溶け良い。
<油の分離>
実施例7〜12、比較例6〜10において作製したマヨネーズを塗布したパン、実施例13〜18、比較例11〜15において作製したマヨネーズを包み込んだパン、実施例19〜24、比較例16〜20において作製したハンバーグについて、焼成後の目視による油の分離状態評価をパネラー50名により実施した。それぞれの油の分離状態はそれぞれ5点満点で評価し、50名の平均値を算出した。その評価基準は以下の通りである。1点:ほとんどが分離して天板の上まで流れている、2点:天板の上まで分離している、3点:天板まで流れていないが、生地と接している箇所で油の分離がある、4点:分離ほとんどなし、5点:分離全くなし。
実施例7〜12、比較例6〜10において作製したマヨネーズを塗布したパン、実施例13〜18、比較例11〜15において作製したマヨネーズを包み込んだパン、実施例19〜24、比較例16〜20において作製したハンバーグについて、焼成後の目視による油の分離状態評価をパネラー50名により実施した。それぞれの油の分離状態はそれぞれ5点満点で評価し、50名の平均値を算出した。その評価基準は以下の通りである。1点:ほとんどが分離して天板の上まで流れている、2点:天板の上まで分離している、3点:天板まで流れていないが、生地と接している箇所で油の分離がある、4点:分離ほとんどなし、5点:分離全くなし。
<マヨネーズを塗布したパン保型性>
実施例7〜12、比較例6〜10において作製したマヨネーズを塗布したパンについて、焼成後の目視による保型性評価をパネラー50名により実施した。その評価基準は以下の通りである。1点:完全に油が分離しており、マヨネーズの原型を全く留めていない、2点:油の分離が著しいが、マヨネーズの原型はやや留めている、3点:油の分離はややあるものの、マヨネーズの原型については留めている、4点:油の分離はほとんどないが、焼成前の状態と比べて表面がややダレている、5点:焼成前の状態から変化がなく、ほぼ同じ形を保っている。
実施例7〜12、比較例6〜10において作製したマヨネーズを塗布したパンについて、焼成後の目視による保型性評価をパネラー50名により実施した。その評価基準は以下の通りである。1点:完全に油が分離しており、マヨネーズの原型を全く留めていない、2点:油の分離が著しいが、マヨネーズの原型はやや留めている、3点:油の分離はややあるものの、マヨネーズの原型については留めている、4点:油の分離はほとんどないが、焼成前の状態と比べて表面がややダレている、5点:焼成前の状態から変化がなく、ほぼ同じ形を保っている。
<マヨネーズを包み込んだパンの切断面の保型性>
実施例13〜18、比較例11〜15において作製したマヨネーズを包み込んだパンについて切断面の目視による保型性評価をパネラー50名により実施した。保型性はそれぞれ5点満点で評価し、50名の平均値を算出した。その評価基準は以下の通りである。1点:天板まで完全に流れ出ている、2点:半分が天板まで流れ出ている、3点:一部が流れ出している、4点:焼成前に比べ、一部が生地からはみ出している、5点:焼成前と全く同様の状態である。
実施例13〜18、比較例11〜15において作製したマヨネーズを包み込んだパンについて切断面の目視による保型性評価をパネラー50名により実施した。保型性はそれぞれ5点満点で評価し、50名の平均値を算出した。その評価基準は以下の通りである。1点:天板まで完全に流れ出ている、2点:半分が天板まで流れ出ている、3点:一部が流れ出している、4点:焼成前に比べ、一部が生地からはみ出している、5点:焼成前と全く同様の状態である。
<ハンバーグの保型性>
実施例19〜24、比較例16〜20において作製したハンバーグについて、焼成後の目視による保型性評価をパネラー50名により実施した。保型性はそれぞれ5点満点で評価し、50名の平均値を算出した。その評価基準は以下の通りである。1点:マヨネーズがハンバーグから著しくはみ出し、外観上極めて悪い、2点:マヨネーズがハンバーグからはみ出し、外観上悪い、3点:マヨネーズがハンバーグのすき間から僅かにしみ出し、外観がやや悪く、また、内部でマヨネーズが不均一である、4点:外観上は問題ないが、ハンバーグ内部のマヨネーズが偏っており商品性で劣る、5点:外観良好で、且つ生地にマヨネーズが均一に包み込まれている。
実施例19〜24、比較例16〜20において作製したハンバーグについて、焼成後の目視による保型性評価をパネラー50名により実施した。保型性はそれぞれ5点満点で評価し、50名の平均値を算出した。その評価基準は以下の通りである。1点:マヨネーズがハンバーグから著しくはみ出し、外観上極めて悪い、2点:マヨネーズがハンバーグからはみ出し、外観上悪い、3点:マヨネーズがハンバーグのすき間から僅かにしみ出し、外観がやや悪く、また、内部でマヨネーズが不均一である、4点:外観上は問題ないが、ハンバーグ内部のマヨネーズが偏っており商品性で劣る、5点:外観良好で、且つ生地にマヨネーズが均一に包み込まれている。
<口溶け感評価法>
実施例7〜12、比較例6〜10において作製したマヨネーズを塗布したパン、実施例13〜18、比較例11〜15において作製したマヨネーズを包み込んだパン、実施例19〜24、比較例16〜20において作製したハンバーグについて口溶け感評価をパネラー50名により実施した。それぞれの口溶け感はそれぞれ5点満点で評価し、50名の平均値を算出した。その評価基準は以下の通りである。1点:食べた後で口の中に残る粘りが顕著である、2点:食べた後で口の中に残る粘りが目立つ、3点:食べた後で口の中に残る粘りがある、4点:食べた後で口の中に残る粘りがややある、5点:食べた後で口の中に残る粘りがほとんどなく良好である。
実施例7〜12、比較例6〜10において作製したマヨネーズを塗布したパン、実施例13〜18、比較例11〜15において作製したマヨネーズを包み込んだパン、実施例19〜24、比較例16〜20において作製したハンバーグについて口溶け感評価をパネラー50名により実施した。それぞれの口溶け感はそれぞれ5点満点で評価し、50名の平均値を算出した。その評価基準は以下の通りである。1点:食べた後で口の中に残る粘りが顕著である、2点:食べた後で口の中に残る粘りが目立つ、3点:食べた後で口の中に残る粘りがある、4点:食べた後で口の中に残る粘りがややある、5点:食べた後で口の中に残る粘りがほとんどなく良好である。
<生地の包み易さ評価法>
実施例13〜18、比較例11〜15において作製したマヨネーズを包み込んだパン、実施例19〜24、比較例16〜20において作製したハンバーグについて生地の包み易さ評価をパネラー50名により実施した。それぞれの生地の包み易さはそれぞれ5点満点で評価し、50名の平均値を算出した。その評価基準は以下の通りである。1点:柔らかくて、包み込めない、2点:包み込みが困難、3点:なんとか包み込めるが、生地からのもれが著しい、4点:包み込めるが、生地のすき間からもれがある、5点:包み込みでき、生地からのもれなし。
実施例13〜18、比較例11〜15において作製したマヨネーズを包み込んだパン、実施例19〜24、比較例16〜20において作製したハンバーグについて生地の包み易さ評価をパネラー50名により実施した。それぞれの生地の包み易さはそれぞれ5点満点で評価し、50名の平均値を算出した。その評価基準は以下の通りである。1点:柔らかくて、包み込めない、2点:包み込みが困難、3点:なんとか包み込めるが、生地からのもれが著しい、4点:包み込めるが、生地のすき間からもれがある、5点:包み込みでき、生地からのもれなし。
<状態の評価法>
実施例13〜18、比較例11〜15において作製したマヨネーズを包み込んだパンの状態の評価をパネラー50名により実施した。それぞれの状態はそれぞれ5点満点で評価し、50名の平均値を算出した。その評価基準は以下の通りである。1点:マヨネーズが生地から著しくはみ出し、外観上極めて悪い、2点:マヨネーズが生地からはみ出し、外観上悪い、3点:生地のすき間から僅かにしみ出し、外観がやや悪く、また、生地内部でマヨネーズが不均一である、4点:外観上は問題ないが、内部のマヨネーズが偏っており商品性で劣る、5点:外観良好で、且つ生地にマヨネーズが均一に包み込まれている。
実施例13〜18、比較例11〜15において作製したマヨネーズを包み込んだパンの状態の評価をパネラー50名により実施した。それぞれの状態はそれぞれ5点満点で評価し、50名の平均値を算出した。その評価基準は以下の通りである。1点:マヨネーズが生地から著しくはみ出し、外観上極めて悪い、2点:マヨネーズが生地からはみ出し、外観上悪い、3点:生地のすき間から僅かにしみ出し、外観がやや悪く、また、生地内部でマヨネーズが不均一である、4点:外観上は問題ないが、内部のマヨネーズが偏っており商品性で劣る、5点:外観良好で、且つ生地にマヨネーズが均一に包み込まれている。
<カット時の刃への付着性>
実施例13〜18、比較例11〜15において作製したマヨネーズを包み込んだパンについて、パン切り包丁を用いて手でカットした時の刃への付着性評価をパネラー50名により実施した。それぞれの状態はそれぞれ5点満点で評価し、50名の平均値を算出した。その評価基準は以下の通りである。1点:刃の全面が付着する、2点:刃の側面への付着が著しい、3点:刃の側面への付着がある、4点:刃の側面への付着はなく、刃の先端にわずかに付着がある、5点:刃への付着ほとんどなし。
実施例13〜18、比較例11〜15において作製したマヨネーズを包み込んだパンについて、パン切り包丁を用いて手でカットした時の刃への付着性評価をパネラー50名により実施した。それぞれの状態はそれぞれ5点満点で評価し、50名の平均値を算出した。その評価基準は以下の通りである。1点:刃の全面が付着する、2点:刃の側面への付着が著しい、3点:刃の側面への付着がある、4点:刃の側面への付着はなく、刃の先端にわずかに付着がある、5点:刃への付着ほとんどなし。
(実施例1〜6、比較例1〜5) マヨネーズの作製
まず、ポリグリセリン脂肪酸エステルを調製した。すなわち、グリセリンを水酸化ナトリウムを触媒として用いて、反応管中で250℃で加熱脱水し、重合し、脂肪酸を所定比率添加し、重合度6および10のポリグリセリン脂肪酸エステルを得た。さらに、ポリグリセリンを脱色した後、ポリグリセリン、脂肪酸、触媒を仕込み窒素ガス気流下で200℃の温度で遊離脂肪酸がなくなるまで反応させて所望のポリグリセリン脂肪酸エステルを得た。次に、表1記載の食用油脂および表2記載のポリグリセリン脂肪酸エステルを用いて表3の配合に従って、以下の方法により、マヨネーズ(酸性水中油型乳化組成物)を調製した。まず、食用油脂を80℃まで昇温させた後、ポリグリセリン脂肪酸エステルを添加し、15分間溶解した後、20℃まで冷却させた。20℃において、食酢、食塩、糖類、その他呈味材とで水相を調製後、卵液を添加した後、20℃で温調中の油を添加しながらホバートミキサー(HOBART社製、型番:MODEL N−50 MIXER)でホイッパーを用いて、中速5分間予備乳化を実施し、その後、コロイドミル(エスエムテー社製、型番:ミルミックスMC−3)でクリアランス0.3mmで仕上げ乳化を実施することでそれぞれマヨネーズを得た。
まず、ポリグリセリン脂肪酸エステルを調製した。すなわち、グリセリンを水酸化ナトリウムを触媒として用いて、反応管中で250℃で加熱脱水し、重合し、脂肪酸を所定比率添加し、重合度6および10のポリグリセリン脂肪酸エステルを得た。さらに、ポリグリセリンを脱色した後、ポリグリセリン、脂肪酸、触媒を仕込み窒素ガス気流下で200℃の温度で遊離脂肪酸がなくなるまで反応させて所望のポリグリセリン脂肪酸エステルを得た。次に、表1記載の食用油脂および表2記載のポリグリセリン脂肪酸エステルを用いて表3の配合に従って、以下の方法により、マヨネーズ(酸性水中油型乳化組成物)を調製した。まず、食用油脂を80℃まで昇温させた後、ポリグリセリン脂肪酸エステルを添加し、15分間溶解した後、20℃まで冷却させた。20℃において、食酢、食塩、糖類、その他呈味材とで水相を調製後、卵液を添加した後、20℃で温調中の油を添加しながらホバートミキサー(HOBART社製、型番:MODEL N−50 MIXER)でホイッパーを用いて、中速5分間予備乳化を実施し、その後、コロイドミル(エスエムテー社製、型番:ミルミックスMC−3)でクリアランス0.3mmで仕上げ乳化を実施することでそれぞれマヨネーズを得た。
(実施例7〜12、比較例6〜10) 食パンに塗布した場合の冷凍耐性
実施例1〜6、比較例1〜5において得られたマヨネーズを、市販の食パンの上に幅1cm、長さ10cmの棒状に絞り、−20℃の恒温糟で所定期間保管し、オーブンで210℃、12分間焼成し、冷凍耐性を評価した。評価結果を表4、表5に示す。比較例6〜8については、冷凍3日後で既に油分離が顕著であり、商品性が著しく悪いものであった。比較例9については、14日後までは、比較例6〜8と比較すると比較的良好であったが、30日後以降においては、急速に冷凍耐性が低下し、商品性としては悪いものであった。比較例10についても比較例6〜8と比較すると程度がやや良いものの、商品性としては劣るものであった。一方、実施例7〜12については、冷凍180日後においても乳化が安定であり、組織状態も冷凍前に近い状態であり、風味も良好で、商品性に優れた結果であった。特に、ホスホリパーゼで酵素処理した卵液、ローカストビーン蛋白質を用いた実施例11が最も良好であった。
実施例1〜6、比較例1〜5において得られたマヨネーズを、市販の食パンの上に幅1cm、長さ10cmの棒状に絞り、−20℃の恒温糟で所定期間保管し、オーブンで210℃、12分間焼成し、冷凍耐性を評価した。評価結果を表4、表5に示す。比較例6〜8については、冷凍3日後で既に油分離が顕著であり、商品性が著しく悪いものであった。比較例9については、14日後までは、比較例6〜8と比較すると比較的良好であったが、30日後以降においては、急速に冷凍耐性が低下し、商品性としては悪いものであった。比較例10についても比較例6〜8と比較すると程度がやや良いものの、商品性としては劣るものであった。一方、実施例7〜12については、冷凍180日後においても乳化が安定であり、組織状態も冷凍前に近い状態であり、風味も良好で、商品性に優れた結果であった。特に、ホスホリパーゼで酵素処理した卵液、ローカストビーン蛋白質を用いた実施例11が最も良好であった。
(実施例13〜18、比較例11〜15) パンに包み込んでの評価
実施例1〜6および比較例1〜5のマヨネーズを用いて、調理パンを調製し、評価を行った。パン生地の配合は、強力粉:80重量部、薄力粉:20重量部、砂糖:10重量部、食塩:1.5重量部、マーガリン:10重量部、イースト:3.8重量部、イーストフード:0.1重量部、水:52重量部、卵:10重量部の配合で、通常のストレート法で生地を調製した後、生地を横約10cm、縦約50cmに伸展し、中央部に縦方向に約1cm幅にマヨネーズを絞り、横方向に生地を1周巻く。その後、長さ約3cmずつ包丁でカットした後、200℃で15分間オーブン加熱し、比較した。パン調製時の作業性を生地の包み易さ、カットした時の刃への付着性で評価した。また、焼成後の状態については、油の分離、切断面の保型性、口溶けでの評価を実施した。
実施例1〜6および比較例1〜5のマヨネーズを用いて、調理パンを調製し、評価を行った。パン生地の配合は、強力粉:80重量部、薄力粉:20重量部、砂糖:10重量部、食塩:1.5重量部、マーガリン:10重量部、イースト:3.8重量部、イーストフード:0.1重量部、水:52重量部、卵:10重量部の配合で、通常のストレート法で生地を調製した後、生地を横約10cm、縦約50cmに伸展し、中央部に縦方向に約1cm幅にマヨネーズを絞り、横方向に生地を1周巻く。その後、長さ約3cmずつ包丁でカットした後、200℃で15分間オーブン加熱し、比較した。パン調製時の作業性を生地の包み易さ、カットした時の刃への付着性で評価した。また、焼成後の状態については、油の分離、切断面の保型性、口溶けでの評価を実施した。
それぞれの評価結果は、表6〜8に示す。比較例11〜13については、冷凍3日後において、油の分離が顕著であり、乳化が完全に破壊されていた。また、比較例14、15については、冷凍14日後までは乳化が安定であったが、それ以上の保管においては油の分離が顕著となった。一方、実施例13〜18については、冷凍180日後においても冷凍保管前と同様の乳化状態、組織状態を保ち、油の分離、保型性とも良好で、商品性に優れたものであった。特に、卵液としてホスホリパーゼAで処理した卵液、ローカストビーン蛋白質を使用した実施例17が状態、乳化状態とも最も良好であった。
(実施例19〜24、比較例16〜20) ハンバーグでの評価
ハンバーグに上記で作製したマヨネーズとツナを混合したものを包み込み、作業性と耐熱性を評価した。マヨネーズ30重量部に対し、ツナの水煮を70重量部をボール内でゴムへらで混合し、ツナサラダを得た。混合牛肉ミンチ40重量部、豚ミンチ17重量部、豚脂8重量部、たまねぎ微塵切り20重量部、卵白2重量部、澱粉3重量部、パン粉5重量部、食塩0.6重量部、砂糖0.3重量部、グルタミン酸ナトリウム0.3重量部を混合し、生地90gに対し、各ツナサラダを10gの割合でハンバーグ生地の中心部に手包あんし、作業性を包みやすさを評価した。次に、このハンバーグを中火のガスコンロでフライパンで片面3分ずつ焼き、約1時間放冷後、ツナサラダの状態を評価した。それぞれの結果は表9の通りであった。比較例16〜20については作業性も包み込みが困難で、また、加熱時の乳化安定性、保型性に劣り、商品性が著しく悪かった。一方、実施例19〜24については比較例と比べて顕著に包み込み易く、また、ツナサラダを包み込んだハンバーグからもツナサラダが漏れ出ることがなかった。
ハンバーグに上記で作製したマヨネーズとツナを混合したものを包み込み、作業性と耐熱性を評価した。マヨネーズ30重量部に対し、ツナの水煮を70重量部をボール内でゴムへらで混合し、ツナサラダを得た。混合牛肉ミンチ40重量部、豚ミンチ17重量部、豚脂8重量部、たまねぎ微塵切り20重量部、卵白2重量部、澱粉3重量部、パン粉5重量部、食塩0.6重量部、砂糖0.3重量部、グルタミン酸ナトリウム0.3重量部を混合し、生地90gに対し、各ツナサラダを10gの割合でハンバーグ生地の中心部に手包あんし、作業性を包みやすさを評価した。次に、このハンバーグを中火のガスコンロでフライパンで片面3分ずつ焼き、約1時間放冷後、ツナサラダの状態を評価した。それぞれの結果は表9の通りであった。比較例16〜20については作業性も包み込みが困難で、また、加熱時の乳化安定性、保型性に劣り、商品性が著しく悪かった。一方、実施例19〜24については比較例と比べて顕著に包み込み易く、また、ツナサラダを包み込んだハンバーグからもツナサラダが漏れ出ることがなかった。
引き続き、このハンバーグを室温で、1時間放冷後、−20℃の恒温糟に最大180日まで、保管し、再度フライパンで加熱することにより冷凍耐性を調べた。冷凍テストの結果を表10、11に示す。比較例16〜18については、冷凍3日後で既に乳化が破壊され、油の分離が顕著であった。比較例19、20については、比較例16〜18と比べて冷凍14日後までは比較的状態は良好であったが、それ以上では、加熱時に油が分離してしまい、状態は悪いという結果となった。
一方、実施例19〜24については、冷凍180日後においてもツナサラダは離水、型くずれすることなく、また乳化が安定で油の分離もなく、状態が良好であった。中でも、ホスホリパーゼAで処理した卵液を用いた実施例4、5を用いた実施例22、23が良好で、さらにローカストビーン蛋白質を用いた実施例23が最も良好であった。
上記の通り、トッピング、あん切り、包あん等の幅広い使い方においても作業特性に優れ、また、具材とあえてもダレることなく、さらに180日という長期に渡っても乳化が安定な風味、口溶けの良好な酸性水中油型乳化組成物を得ることができた。
Claims (8)
- 酸性水中油型乳化組成物全体中、15℃でのSFC(Solid Fat Content:固体脂指数)が0以上、15以下で、且つ0℃でのSFCが0以上、5以下である食用油脂を5重量%以上、85重量%以下含有し、卵液を0.5重量%以上、30重量%以下含有し、且つ平均重合度が6以上、12以下で、HLB1以上、7以下のポリグリセリン脂肪酸エステルを0.05重量%以上、5重量%以下含有することを特徴とする酸性水中油型乳化組成物。
- 食用油脂の含有量が、酸性水中油型乳化組成物全体中、50〜85重量%であることを特徴とする請求項1記載の酸性水中油型乳化組成物。
- 食用油脂の構成脂肪酸全体中、炭素数18の脂肪酸が40重量%以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載の酸性水中油型乳化組成物。
- ポリグリセリン脂肪酸エステルの構成脂肪酸全体中、C8〜C22の飽和脂肪酸が50〜100重量%であることを特徴とする請求項1〜3何れかに記載の酸性水中油型乳化組成物。
- 卵液が酵素処理されていることを特徴とする請求項1〜4何れかに記載の酸性水中油型乳化組成物。
- 酵素がプロテアーゼ、リパーゼ、ホスホリパーゼからなる群より選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項5記載の酸性水中油型乳化組成物。
- ローカストビーン蛋白を含有することを特徴とする請求項1〜6何れかに記載の酸性水中油型乳化組成物。
- 請求項1〜7何れかに記載の酸性水中油型乳化組成物を用いた食品。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2008194024A (ja) * | 2006-06-30 | 2008-08-28 | Ajinomoto Co Inc | 澱粉含有食品の製造方法及び澱粉含有食品改質用の酵素製剤 |
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-
2003
- 2003-10-09 JP JP2003350325A patent/JP2005110599A/ja active Pending
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