JP2011229400A - 卵黄画分と卵白との処理された混合物を含む酸性水中油型乳化食品の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】油相原料と水相原料とが乳化されてなる酸性水中油型乳化食品を製造するにあたり、生卵黄2〜10質量%に由来する卵黄画分と生卵白2〜10質量%の混合物をホスホリパーゼA2処理したものを乳化剤として用いる。
【選択図】なし
Description
このような要望に答え、長期間酸化安定性のマヨネーズやドレッシング類を調製するため、アスコルビン酸脂肪酸エステルを含有することを特徴とする酸性調味料に係わる発明が開示されており、この発明によれば、製造直後の風味がほぼ維持された風味安定性に優れた酸性調味料が得られるとされている(例えば、特許文献4参照)。酸化を防止するためには、化学抗酸化剤を油脂含有食品に添加するのが一般的であるが、このような化学抗酸化剤は消費者から敬遠される傾向があり、更に、当発明の酸性調味料は耐熱性に乏しいといった問題点があった。
このような要望に答え、耐冷凍性のマヨネーズやドレッシング類を調製するため、乳化剤であるポリソルベート60を添加した技術が開示されている(例えば、特許文献5参照)。しかしながら、このような合成化学物質である添加剤は消費者から敬遠される傾向があり、更に、当発明の水中油型乳化組成物は耐熱性に乏しいといった問題点があった。
また本発明(2)は、生卵黄2〜10質量%に由来する画分がプラズマ画分であることを特徴とする本発明(1)記載の酸性水中油型乳化食品の製造方法を提供するものである。
また本発明(3)は、生卵黄2〜10質量%に由来する画分がグラニュール画分であることを特徴とする本発明(1)記載の酸性水中油型乳化食品の製造方法を提供するものである。
また本発明(4)は、本発明(1)記載の卵黄画分と生卵白との混合物をホスホリパーゼA2処理するにあたり、混合物に対し、ホスホリパーゼA2を1,000〜10,000IU/kg添加した後、殺菌処理によりホスホリパーゼA2処理することを特徴とする本発明(1)記載の酸性水中油型乳化食品の製造方法を提供するものである。
また本発明(5)は、油相原料が65〜85質量%及び水相原料が35〜15質量%である、本発明(1)ないし本発明(4)記載の酸性水中油型乳化食品の製造方法を提供するものである。
また本発明によれば、生卵黄より分離されたグラニュール画分と卵白の混合物をホスホリパーゼA2処理したものを乳化剤として用いることにより、高粘度で耐熱性及び耐冷凍性に優れた酸性水中油型乳化食品が得られ、澱粉やガム類等により増粘させたものに見られる、口中でもたついたり、食感が重かったりといった問題点、ホスホリパーゼA2処理グラニュール画分を用いて耐熱性を付与したものに見られる、ホスホリパーゼA2処理コスト及び品質上の問題点、又、ポリソルベート60のような合成化学物質からなる添加物により耐冷凍性を付与したものに見られる、合成化学物質は消費者から敬遠される傾向があるといった問題点もない。よって、食品工業分野において有用である。
本発明で使用するホスホリパーゼA2とは、リン脂質の2位の脂肪酸を加水分解する酵素であり、該酵素で卵黄のプラズマ画分やグラニュール画分を処理することにより、卵黄のプラズマ画分やグラニュール画分中のリン脂質の2位の脂肪酸が加水分解されて、リゾリン脂質へと変換される。このようなホスホリパーゼA2としては、例えばノボザイムズジャパン(株)のホスホリパーゼA2(製品名:「レシターゼ10L」10,000IU/ml)を使用することができ、その他、ジェネンコア協和(株)製の「Lipomod699L」(10,000IU/ml)やサンヨーファイン(株)製の「リゾナーゼ」(10,000IU/ml)等も同様に使用することができる。ここで、IU(International Unit)とは、ホスホリパーゼA2の活性単位を意味し、リン脂質を基質とし、pH8、40℃、Ca2+の存在下の条件で、1分間当り1マイクロモルの脂肪酸を遊離することをさす。
酸性水中油型乳化食品中で生卵黄2〜10質量%に由来するプラズマ画分と卵白(生卵白換算)2〜10質量%の混合物を先ず調製する。ここで、プラズマ画分が生卵黄2質量%未満に由来する量、又は、卵白(生卵白換算)が2質量%未満の量では、酸性水中油型乳化食品に十分な粘度や耐熱性を付与することができない。一方、プラズマ画分が生卵黄10質量%を超えて由来する量、又は、卵白が10質量%を超える量では、粘度が高くなり転相し易くなるので、何れも好ましくない。
卵黄グラニュール画分中の主成分であるHDLは塩溶性の蛋白であるため、先ずグラニュール画分に水と食塩を加えて溶解する必要がある。グラニュール画分溶液の組成として、グラニュール画分30〜60質量%、食塩5〜15質量%及び残りが水といった組成が好ましい。ここで、グラニュール画分が30質量%未満では、グラニュール溶液の容積が大きくなり過ぎ、ホスホリパーゼA2処理効率が低下し、一方、グラニュール画分が60質量%を超えると粘度が高くなり、ハンドリング性が低下するため、何れも好ましくない。 又、食塩が5質量%未満では、卵白と混合した場合、食塩濃度が低下して、再びHDLが不溶化したり、一方、食塩が15質量%を超えると溶解に時間を要したりするため、何れも好ましくない。
このようにして得られたグラニュール画分溶液を用い、酸性水中油型乳化食品中で、生卵黄2〜10質量%に由来するグラニュール画分と卵白2〜10質量%の混合物を次に調製する。ここで、グラニュール画分が生卵黄2質量%未満に由来する量、又は、生卵白2質量%未満の量では、酸性水中油型乳化食品に十分な粘度、耐熱性及び耐冷凍性を付与することができない。一方、グラニュール画分が生卵黄10質量%を超える量、又は、生卵白10質量%を超える量では、粘度が高くなり過ぎて転相し易くなるので、何れも好ましくない。
実施例1〜14
(1)生卵黄より分離したプラズマ画分と卵白との混合物の製造例
製造例1〔本発明品1の製造〕
先ず、生卵黄からプラズマ画分を分離する方法は以下のようにして行う。卵黄0.5kgに対し等量の水を加えて1.0kgとし、十分攪拌して均質化した。次いで、27,000G、30分間の条件で遠心分離を行うことにより、上澄区分と沈殿区分とに分離されるが、プラズマ画分は上澄区分より分離され、プラズマ画分0.857kg(1.0kg×0.857)が得られた。得られたプラズマ画分に生卵白0.248kgを混合することにより、表1の実施例1の酸性水中油型乳化食品の組成中で、卵黄4.0質量%に由来するプラズマ画分と生卵白2.0質量%との組成比の混合物となった。
調製された前記混合物1.0kgに対し、ノボザイムズジャパン(株)製のホスホリパーゼA2「レシターゼ10L」を、3,000IU添加・混合した後、その300gを17cm×29cmのポリエチレン袋に充填し、65℃の熱水中にて5分間殺菌処理を行った。殺菌処理後は、速やかに1℃の水中にて冷却し本発明品1を得た。
製造例1で得られたプラズマ画分0.857kgに生卵白0.621kgを混合し、次いで製造例1と同様にして、本発明品2を得た。本発明品2は、表1の実施例2の酸性水中油型乳化食品の組成中で、卵黄4.0質量%に由来するプラズマ画分と生卵白5.0質量%との組成比の混合物となった。
製造例1で得られたプラズマ画分0.857kgに生卵白0.869kgを混合し、次いで製造例1と同様にして、本発明品3を得た。本発明品3は、表1の実施例3の酸性水中油型乳化食品の組成中で、卵黄4.0質量%に由来するプラズマ画分と生卵白7.0質量%との組成比の混合物となった。
製造例1で得られたプラズマ画分0.857kgに生卵白1.242kgを混合し、次いで製造例1と同様にして、本発明品4を得た。本発明品4は、表1の実施例4の酸性水中油型乳化食品の組成中で、卵黄4.0質量%に由来するプラズマ画分と生卵白10.0質量%との組成比の混合物となった。
殺菌処理以外は、製造例1と同様にして、ホスホリパーゼA2「レシターゼ10L」を添加したプラズマ画分と生卵白との混合物を調製し、次いで、70℃の熱水中にて5分間殺菌処理を行った。殺菌処理後は、速やかに1℃の水中にて冷却し本発明品5を得た。
殺菌処理以外は、製造例2と同様にして、ホスホリパーゼA2「レシターゼ10L」を添加したプラズマ画分と生卵白との混合物を調製し、次いで、70℃の熱水中にて5分間殺菌処理を行った。 殺菌処理後は、速やかに1℃の水中にて冷却し本発明品6を得た。
殺菌処理以外は、製造例3と同様にして、ホスホリパーゼA2「レシターゼ10L」を添加したプラズマ画分と生卵白との混合物を調製し、次いで、70℃の熱水中にて5分間殺菌処理を行った。 殺菌処理後は、速やかに1℃の水中にて冷却し本発明品7を得た。
殺菌処理以外は、製造例4と同様にして、ホスホリパーゼA2「レシターゼ10L」を添加したプラズマ画分と生卵白との混合物を調製し、次いで、70℃の熱水中にて5分間殺菌処理を行った。 殺菌処理後は、速やかに1℃の水中にて冷却し本発明品8を得た。
製造例1で得られたプラズマ画分0.857kgに、生卵白0.143kgを混合し、製造例1と同様にして、本発明品9を得た。本発明品9は、表1の実施例9の酸性水中油型乳化食品の組成中で、卵黄7.0質量%に由来するプラズマ画分と生卵白2.0質量%の組成比の混合物となった。
製造例1で得られたプラズマ画分0.857kgに、生卵白0.357kgを混合し、製造例1と同様にして、本発明品10を得た。本発明品10は、表1の実施例10の酸性水中油型乳化食品の組成中で、卵黄7.0質量%に由来するプラズマ画分と生卵白5.0質量%の組成比の混合物となった。
製造例1で得られたプラズマ画分0.857kgに、生卵白0.5kgを混合し、製造例1と同様にして、本発明品11を得た。本発明品11は、表1の実施例11の酸性水中油型乳化食品の組成中で、卵黄7.0質量%に由来するプラズマ画分と生卵白7.0質量%の組成比の混合物となった。
殺菌処理以外は、製造例9と同様にして、ホスホリパーゼA2「レシターゼ10L」を添加したプラズマ画分と生卵白との混合物を調製し、次いで、70℃の熱水中にて5分間殺菌処理を行った。 殺菌処理後は、速やかに1℃の水中にて冷却し本発明品12を得た。
殺菌処理以外は、製造例10と同様にして、ホスホリパーゼA2「レシターゼ10L」を添加したプラズマ画分と生卵白との混合物を調製し、次いで、70℃の熱水中にて5分間殺菌処理を行った。殺菌処理後は、速やかに1℃の水中にて冷却し本発明品13を得た。
殺菌処理以外は、製造例11と同様にして、ホスホリパーゼA2「レシターゼ10L」を添加したプラズマ画分と生卵白との混合物を調製し、次いで、70℃の熱水中にて5分間殺菌処理を行った。殺菌処理後は、速やかに1℃の水中にて冷却し本発明品14を得た。
下記表1に示す処方に従い、製造例1〜14で得られたプラズマ画分と生卵白との混合物(本発明品1〜14)を用いて、実施例1〜14の酸性水中油型乳化食品2kgをコロイドミルにてそれぞれ調製した。
上記(2)で得られた酸性水中油型乳化食品の粘度を次のような条件で測定した。即ち、(2)で得られた酸性水中油型乳化食品を約200mlの容器に充填し、24℃で1日保存後、ブルックフィールド粘度計を用い、スピンドル:TC及び回転数:5rpmの条件にて測定した。測定された粘度に基づき、好ましい粘度領域を以下のようにして評価した。結果を表1に示す。
〔粘度の評価〕
・ 80,000 mPas以上で、300,000 mPas以下 : 良好
・ 50,000 mPas以上で、 80,000 mPas未満 : やや良好
・ 50,000 mPas未満 : 不良
上記(2)で得られた酸性水中油型乳化食品の耐熱性の評価を次のようにして行った。約20g容のプラスチック容器に、上記(2)で得られた酸性水中油型乳化食品15gを充填・シールした後、95℃にて30分間加熱した。冷却後、酸性水中油型乳化食品の耐熱性を目視観察による、次の3段階で評価した。尚、評価は経験豊かな5名のパネラーによる視覚観察の平均値で示した。結果を表1に示す。
〔耐熱性の評価〕
・油分離していない。 : 良好
・僅かな油分離がみられる。 : やや良好
・かなりの油分離がみられる。 : 不良
上記(2)で得られた酸性水中油型乳化食品の酸化安定性を次のような方法で評価した。即ち、約200g容のガラス瓶に、上記(2)で得られた酸性水中油型乳化食品を約100g充填し、1重のサランラップで瓶の口を密封し、34℃暗所に保管し、7週間後の酸性水中油型乳化食品の表層の状態により、酸化安定性を次の3段階で評価した。尚、評価は経験豊かな5名のパネラーによる視覚観察の平均値で示した。結果を表1に示す。
〔酸化安定性の評価〕
・表層が油分離していない。 : 良好
・表層がやや油分離している。 : やや良好
・表層がひどく油分離している。 : 不良
上記(2)で得られた酸性水中油型乳化食品の粘度評価、耐熱性評価及び酸化安定性評価結果より、以下のようにして総合評価をおこなった。結果を表1に示す。
〔総合評価〕
・粘度、耐熱性及び酸化安定性評価共に良好なもの:良好
・粘度、耐熱性及び酸化安定性評価が良好とやや良好の組み合わせのもの又は何れもやや良好なもの:やや良好
・粘度、耐熱性及び酸化安定性評価の何れかが不良なもの:不良
次に、前記本発明品1〜4の殺菌条件を70℃で5分間に代えたこと以外は同様にして得られた本発明品5〜8を用いた実施例5〜8の酸性水中油型乳化食品では、実施例1〜4に比べ、粘度がやや低目の傾向が見られたが、全く同様な評価結果が得られた。
次に、前記本発明品9〜11の殺菌条件を70℃で5分間に代えたこと以外は同様にして得られた本発明品12〜14を用いた実施例12〜14の酸性水中油型乳化食品では、実施例9〜11に比べ、粘度がやや低目の傾向が見られたが、全く同様な評価結果が得られた。
(1)生卵黄より分離したプラズマ画分と卵白との混合物の比較製造例
比較製造例1〔比較品1の製造〕
製造例1において、ホスホリパーゼA2処理を行わないこと以外は、製造例1と同様にして、比較品1を得た。
製造例2において、ホスホリパーゼA2処理を行わないこと以外は、製造例2と同様にして、比較品2を得た。
製造例3において、ホスホリパーゼA2処理を行わないこと以外は、製造例3と同様にして、比較品2を得た。
製造例4において、ホスホリパーゼA2処理を行わないこと以外は、製造例4と同様にして、比較品2を得た。
参考製造例1〔参考品1の製造〕
生卵黄と生卵白の比率が2:1となるように両者を十分混合して、参考品1を得た。
参考品1は、表3参考例1の酸性水中油型乳化食品の組成中、卵黄4質量%と生卵白2質量%との組成比の混合物となった。
参考製造例1で得られた参考品1の1kgに対し、製造例1と同様にしてホスホリパーゼA2「レシターゼ10L」を添加し、殺菌処理を行って参考品2を得た。
下記表2及び表3に示す処方に従い、比較製造例1〜4で得られた比較品1〜4及び参考製造例1〜2で得られた参考品1〜2を用い、比較例1〜4及び参考例1〜2の酸性水中油型乳化食品2kgを実施例1〜14と同様にして調製した。
上記(3)で得られた比較例1〜4及び参考例1〜2の酸性水中油型乳化食品の粘度測定を実施例1〜14と同様にして測定し、評価した。評価結果を表2及び表3に示す。
上記(3)で得られた比較例1〜4及び参考例1〜2の酸性水中油乳化食品の耐熱性を実施例1〜14と同様にして評価した。評価結果を表2及び表3に示す。
上記(3)で得られた比較例1〜4及び参考例1〜2の酸性水中油型乳化食品の酸化安定性を実施例1〜14と同様にして評価した。評価結果を表2及び表3に示す。
上記(3)で得られた比較例1〜4及び参考例1〜2の酸性水中油型乳化食品の粘度、耐熱性及び酸化安定性の総合評価を、実施例1〜14と同様にして評価した。評価結果を表2及び表3に示す。
これらの結果から、プラズマ画分を分離せず、生卵黄を用いた混合物では、ホスホリパーゼA2処理したものを用いても、高粘度で耐熱性及び酸化安定性に優れた酸性水中油型乳化食品が得られないことが理解される。
(1)生卵黄より分離したグラニュール画分と卵白との混合物の製造例
製造例15〔本発明品15の製造〕
先ず、生卵黄からグラニュール画分を分離する方法は以下のようにして行う。卵黄0.5kgに対し等量の水を加えて1.0kgとし、十分攪拌して均質化した。次いで、27,000G、30分間の条件で遠心分離を行うことにより上澄区分と沈殿区分とに分離されるが、グラニュール画分は沈殿区分より分離され、0.143kg(1.0kg×0.143)のグラニュール画分が得られた。
次いで、得られたグラニュール画分、水及び食塩の比率が、40:50:10となるように、グラニュール画分0.143kg、水0.179kg及び食塩0.036kgを十分混合し、グラニュール画分溶液0.358kgを調製した。このグラニュール画分溶液に卵白0.250kgを混合することにより、表4の実施例15の酸性水中油型乳化食品の組成中で、卵黄4.0質量%に由来するグラニュール画分と卵白2.0質量%との組成比の混合物となった。
調製された混合物1.0kgに対し、ノボザイムズジャパン(株)製のホスホリパーゼA2「レシターゼ10L」を、3,000IU添加混合した後、その300gを17cm×29cmのポリエチレン袋に充填し、65℃の熱水中にて5分間殺菌処理を行った。殺菌処理後は、速やかに1℃の水中にて冷却し本発明品15を得た。
製造例15で得られたグラニュール画分溶液0.358kgに生卵白0.626kgを混合し、次いで製造例15と同様にして、本発明品16を得た。本発明品16は、表4の実施例16の酸性水中油型乳化食品の組成中で、卵黄4.0質量%に由来するグラニュール画分と生卵白5.0質量%との組成比の混合物となった。
製造例15で得られたグラニュール画分溶液0.358kgに生卵白0.876kgを混合し、次いで製造例15と同様にして、本発明品17を得た。本発明品17は、表4の実施例17の酸性水中油型乳化食品の組成中で、卵黄4.0質量%に由来するグラニュール画分と生卵白7.0質量%との組成比の混合物となった。
製造例15で得られたグラニュール画分溶液0.358kgに生卵白1.252kgを混合し、次いで製造例15と同様にして、本発明品18を得た。本発明品18は、表4の実施例18の酸性水中油型乳化食品の組成中で、卵黄4.0質量%に由来するグラニュール画分と生卵白10.0質量%との組成比の混合物となった。
殺菌処理以外は、製造例15と同様にして、ホスホリパーゼA2「レシターゼ10L」を添加したグラニュール画分溶液と生卵白との混合物を調製し、次いで、70℃の熱水中にて5分間殺菌処理を行った。殺菌処理後は、速やかに1℃の水中にて冷却し本発明品19を得た。
殺菌処理以外は、製造例16と同様にして、ホスホリパーゼA2「レシターゼ10L」を添加したグラニュール画分溶液と生卵白との混合物を調製し、次いで、70℃の熱水中にて5分間殺菌処理を行った。殺菌処理後は、速やかに1℃の水中にて冷却し本発明品20を得た。
殺菌処理以外は、製造例17と同様にして、ホスホリパーゼA2「レシターゼ10L」を添加したグラニュール画分溶液と生卵白との混合物を調製し、次いで、70℃の熱水中にて5分間殺菌処理を行った。殺菌処理後は、速やかに1℃の水中にて冷却し本発明品21を得た。
殺菌処理以外は、製造例18と同様にして、ホスホリパーゼA2「レシターゼ10L」を添加したグラニュール画分溶液と生卵白との混合物を調製し、次いで、70℃の熱水中にて5分間殺菌処理を行った。殺菌処理後は、速やかに1℃の水中にて冷却し本発明品22を得た。
製造例15で得られたグラニュール画分溶液0.358kgに、生卵白0.143kgを混合し、製造例15と同様にして、本発明品23を得た。本発明品23は、表4の実施例23の酸性水中油型乳化食品の組成中で、卵黄7.0質量%に由来するグラニュール画分と生卵白2.0質量%の組成比の混合物となった。
製造例15で得られたグラニュール画分溶液0.358kgに、生卵白0.357kgを混合し、製造例15と同様にして、本発明品24を得た。本発明品24は、表4の実施例24の酸性水中油型乳化食品の組成中で、卵黄7.0質量%に由来するグラニュール画分と生卵白5.0質量%の組成比の混合物となった。
製造例15で得られたグラニュール画分溶液0.358kgに、生卵白0.5kgを混合し、製造例15と同様にして、本発明品25を得た。本発明品25は、表4の実施例25の酸性水中油型乳化食品の組成中で、卵黄7.0質量%に由来するグラニュール画分と生卵白7.0質量%の組成比の混合物となった。
殺菌処理以外は、製造例23と同様にして、ホスホリパーゼA2「レシターゼ10L」を添加したグラニュール画分溶液と生卵白との混合物を調製し、次いで、70℃の熱水中にて5分間殺菌処理を行った。殺菌処理後は、速やかに1℃の水中にて冷却し本発明品26を得た。
殺菌処理以外は、製造例24と同様にして、ホスホリパーゼA2「レシターゼ10L」を添加したグラニュール画分溶液と生卵白との混合物を調製し、次いで、70℃の熱水中にて5分間殺菌処理を行った。殺菌処理後は、速やかに1℃の水中にて冷却し本発明品24を得た。
殺菌処理以外は、製造例25と同様にして、ホスホリパーゼA2「レシターゼ10L」を添加したグラニュール画分溶液と生卵白との混合物を調製し、次いで、70℃の熱水中にて5分間殺菌処理を行った。殺菌処理後は、速やかに1℃の水中にて冷却し本発明品28を得た。
下記表4に示す処方に従い、製造例15〜28で得られたグラニュール画分溶液と生卵白との混合物(本発明品15〜28)を用いて、実施例15〜28の酸性水中油型乳化食品2kgをコロイドミルにてそれぞれ調製した。
上記(2)で得られた酸性水中油型乳化食品の粘度を次のような条件で測定した。即ち、(2)で得られた酸性水中油型乳化食品を約200mlの容器に充填し、24℃で1日保存後、ブルックフィールド粘度計を用い、スピンドル:TC及び回転数:5rpmの条件にて測定した。測定された粘度に基づき、好ましい粘度領域を以下のようにして評価した。結果を表4に示す。
〔粘度の評価〕
・ 80,000 mPas以上で、300,000 mPas以下 : 良好
・ 50,000 mPas以上で、80,000 mPas未満 : やや良好
・ 50,000 mPas未満 : 不良
上記(2)で得られた酸性水中油型乳化食品の耐熱性の評価を次のようにして行った。約20g容のプラスチック容器に、上記(2)で得られた酸性水中油型乳化食品15gを充填し、シールした後、95℃にて30分間加熱した。冷却後、酸性水中油型乳化食品の耐熱性を次の3段階で評価した。尚、評価は経験豊かな5名のパネラーによる視覚観察の平均値で示した。結果を表4に示す。
〔耐熱性の評価〕
・油分離していない。 : 良好
・僅かな油分離がみられる。 : やや良好
・かなりの油分離がみられる。 : 不良
上記(2)で得られた酸性水中油型乳化食品の耐冷凍性を次のような方法で評価した。即ち、約25g容のプラスチック容器に、上記(2)で得られた酸性水中油型乳化食品を約20g充填しシールし、次いで−12℃にて、20日間保管し、更に室温に戻した。このときの酸性水中油型乳化食品の乳化状態を以下の3段階で観察し、耐冷凍性の評価を行った。耐冷凍性の評価は経験豊かな5名のパネラーによる視覚観察の平均値で示した。結果を表4に示す。
〔耐冷凍性の評価〕
・油分離していない。 : 良好
・僅かな油分離がみられる。 : やや良好
・かなりの油分離がみられる。 : 不良
上記(2)で得られた酸性水中油型乳化食品の粘度評価、耐熱性評価及び耐冷凍性評価結果より、以下のようにして総合評価をおこなった。結果を表4に示す。
〔総合評価〕
・粘度、耐熱性及び耐冷凍性評価共に良好なもの:良好
・粘度、耐熱性及び耐冷凍性評価が良好とやや良好の組み合わせのもの又は何れもやや良好なもの:やや良好
・粘度、耐熱性及び耐冷凍性評価の何れかが不良なもの:不良
(1)生卵黄より分離したグラニュール画分と卵白との混合物の比較製造例
比較製造例5〔比較品5の製造〕
製造例15において、ホスホリパーゼA2処理を行わないこと以外は、製造例15と同様にして、比較品5を得た。
製造例16において、ホスホリパーゼA2処理を行わないこと以外は、製造例16と同様にして、比較品6を得た。
製造例17において、ホスホリパーゼA2処理を行わないこと以外は、製造例17と同様にして、比較品7を得た。
製造例18において、ホスホリパーゼA2処理を行わないこと以外は、製造例18と同様にして、比較品8を得た。
(2)生卵黄と卵白との混合物の参考製造例
参考製造例3〔参考品3の製造〕
生卵黄と生卵白の比率が2:1となるように両者を十分混合して、参考品3を得た。参考品3とのは、表6参考例3の酸性水中油型乳化食品の組成中で、卵黄4質量%と生卵白2質量%との組成比の混合物となった。
参考製造例3で得られた参考品3の1kgに対し、製造例15と同様にしてホスホリパーゼA2「レシターゼ10L」を添加し、殺菌処理を行って参考品4を得た。
下記表5及び表6に示す処方に従い、比較製造例5〜8で得られた比較品5〜8及び参考製造例3〜4で得られた参考品3〜4を用い、下記表5及び表6に示す比較例5〜8及び参考例3〜4の酸性水中油型乳化食品2kgを実施例15〜28と同様にして調製した。
上記(3)で得られた比較例5〜8及び参考例3〜4の酸性水中油型乳化食品の粘度測定を実施例15〜28と同様にして測定し、評価した。評価結果を表5及び表6に示す。
上記(3)で得られた比較例5〜8及び参考例3〜4の酸性水中油型乳化食品の耐熱性を実施例15〜28と同様にして評価した。評価結果を表5及び表6に示す。
上記(3)で得られた比較例5〜8及び参考例3〜4の酸性水中油型乳化食品の耐冷凍性を実施例15〜28と同様にして評価した。評価結果を表5及び表6に示す。
上記(3)で得られた比較例5〜8及び参考例3〜4の酸性水中油型乳化食品の粘度、耐熱性、耐冷凍性を実施例15〜28と同様にして評価した。評価結果を表5及び表6に示す。
Claims (5)
- 油相原料と水相原料とが乳化されてなる酸性水中油型乳化食品を製造するにあたり、生卵黄2〜10質量%に由来する卵黄画分と生卵白換算で2〜10質量%の卵白の混合物をホスホリパーゼA2処理したものを乳化剤として用いることを特徴とする酸性水中油型乳化食品の製造方法。
- 生卵黄2〜10質量%に由来する卵黄画分がプラズマ画分であることを特徴とする請求項1記載の酸性水中油型乳化食品の製造方法。
- 生卵黄2〜10質量%に由来する卵黄画分がグラニュール画分であることを特徴とする請求項1記載の酸性水中油型乳化食品の製造方法。
- 請求項1記載の卵黄画分と卵白の混合物をホスホリパーゼA2処理するにあたり、前記混合物に対し、ホスホリパーゼA2を1,000〜10,000IU/kg添加した後、殺菌処理によりホスホリパーゼA2処理することを特徴とする請求項1記載の酸性水中油型乳化食品の製造方法。
- 油相原料が65〜85質量%及び水相原料が35〜15質量%である、請求項1ないし請求項4記載の酸性水中油型乳化食品の製造方法。
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