JP4791508B2 - レトルトソース - Google Patents
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(1)食用油脂および/または食肉を配合したレトルトソースにおいて、卵白タンパク質2〜8%および食用油脂5〜20%を含有し、粘度が800mPa・s以上(品温10℃)、pHが3.8〜4.5、平均粒子径が40μm以下である水中油型乳化物からなる加工液卵白であって、該加工液卵白が乳酸発酵されてなる加工液卵白を配合したレトルトソース、
(2)前記加工液卵白に乾燥処理が施されてなる加工乾燥卵白を配合した(1)のレトルトソース、
(3)前記加工液卵白または前記加工乾燥卵白の配合量がレトルトソース全体に対し加工液卵白の固形分換算で0.05〜15%である(1)または(2)のレトルトソース、
(4)食用油脂および/または食肉を配合したレトルトソースにおいて、卵白タンパク質2〜8%および食用油脂5〜20%を含有した卵白混合液をpHが3.8〜4.5となるように乳酸発酵し、次いで加熱殺菌し、該殺菌発酵液を30〜55℃に冷却した後、均質化処理を施して得られる加工液卵白を配合したレトルトソース、
(5)前記加工液卵白に乾燥処理を施して得られる加工乾燥卵白を配合した(4)のレトルトソース、
(6)前記加工液卵白または前記加工乾燥卵白の配合量がレトルトソース全体に対し加工液卵白の固形分換算で0.05〜15%である(4)または(5)のレトルトソース、
である。
生卵白34部(卵白タンパク質3.6部)、菜種油10部、スクロース6部、生卵黄0.5部、酵母エキス0.05部、50%乳酸0.15部及び清水49.3部からなる卵白混合液100部(pH6.8)を攪拌、調製した。得られた卵白混合液を高速で攪拌させながら85℃で30分間加熱した後、冷水により35℃まで冷却し、次いで乳酸菌スターター0.01部(Lactobacillus bulgaricus、Streptococcus thermophilus)を添加し、35℃で48時間発酵しpH4.2とした。次に、発酵液を85℃で5分間加熱殺菌した後、冷水により40℃まで冷却し、次いで高圧ホモゲナイザーを用いて10MPaの圧力で処理し、冷水により10℃に冷却し本発明品用加工液卵白1を製した。
生卵白50部(卵白タンパク質5.3部)、菜種油12部、スクロース6部、生卵黄0.5部、酵母エキス0.05部、50%乳酸0.15部及び清水31.3部からなる卵白混合液100部(pH7.0)を攪拌、調製した。得られた卵白混合液を高速で攪拌させながら75℃で15分間加熱した後、冷水により35℃まで冷却し、次いで乳酸菌スターター0.01部(Lactobacillus bulgaricus、Streptococcus thermophilus)を添加し、35℃で24時間発酵しpH4.4とした。次に、発酵液を85℃で5分間加熱殺菌した後、冷水により45℃まで冷却し、次いで高圧ホモゲナイザーを用いて30MPaの圧力で処理し、冷水により10℃に冷却し本発明品用加工液卵白2を製した。
実施例1で得られた加工液卵白20部、デキストリン6部および清水74部を混合した後、当該混合液を送風温度160℃、排風温度65℃の条件でスプレードライし本発明品用加工乾燥卵白3を製した。
本発明品用加工液卵白の製造例1において、菜種油10部を除いた配合で、本発明品用加工液卵白の製造例1の全工程と同様の方法で食用油脂を含有しない乳酸発酵させた加工液卵白を製した後、当該加工液卵白90部に菜種油10部を添加混合し、次いで高圧ホモゲナイザーを用いて10MPaの圧力で処理し、冷水により10℃に冷却し比較品用加工液卵白1を製した。
本発明品用加工液卵白の製造例1において、本発明品用加工液卵白の製造例1と同様の配合で、本発明品用加工液卵白の製造例1の乳酸菌を添加する前までの工程を行った後、50%乳酸でpHを4.2に調整し、次いで高圧ホモゲナイザーを用いて10MPaの圧力で処理し、冷水により10℃に冷却し比較品用加工液卵白2を製した。
本発明品用加工液卵白1および2、並びに比較品用加工液卵白1および2のいずれかの加工液卵白と、食用油脂とを配合した後述のモデルレトルトソースを調製し、各加工液卵白の製造方法の違いによるモデルレトルトソースの油脂分離への影響を調べた。つまり、各加工液卵白100gを家庭用ミキサー(三洋電機(株)製:SM−L56型 ミキサー PRO Big1200)に変圧器を接続したもので40V(ボルト)で攪拌させながら菜種油100gを1分間で徐々に注下した後、さらに同回転で5分間処理した。得られた混合液200gに清水200g添加し、上記変圧器を接続したミキサーを用い40ボルトで1分間攪拌して乳化状のモデルソース400gを調製した。得られた乳化状のモデルソース100gを透明のレトルトパウチに充填し、出来る限りヘッドスペースがないように密封した後、120℃で30分間レトルト処理を施した。得られたモデルレトルトソースを目視で観察し、油脂の分離状態を下記の評価基準で評価した。
◎:殆ど油脂の分離が観察されない。
○:僅かに油脂分離が観察されるもの問題とならない程度である。
△:少量の油脂が分離している。
×:明らかに油脂が分離している。
本発明品用加工液卵白の製造例1において、生卵白および菜種油の含有量を変えて下記表の卵白タンパク質および食用油脂の含有量の加工液卵白を本発明品用加工液卵白の製造例1と同様の方法で調製した。次に、得られた各加工液卵白と、食用油脂とを配合したモデルレトルトソースを調製し、各加工液卵白の卵白タンパク質および食用油脂の含有量の違いによるレトルトソースの油脂分離への影響を調べた。なお、得られた加工液卵白は、いずれも粘度が800mPa・s以上(品温10℃)、pHが3.8〜4.5、平均粒子径が40μm以下である水中油型乳化物からなる加工液卵白であって、当該加工液卵白が乳酸発酵されたものである。また、評価試験は、試験例1と同様のモデルレトルトソースを調製し目視で評価した。
本発明品用加工液卵白の製造例1において、乳酸発酵し加熱殺菌した後の冷却温度を下記表の温度まで行った以外は、本発明品用加工液卵白の製造例1と同様の方法で加工液卵白を調製した。次に、得られた各加工液卵白と、食用油脂とを配合したモデルレトルトソースを調製し、各加工液卵白の冷却温度の違いによるレトルトソースの油脂分離への影響を調べた。なお、得られた加工液卵白は、いずれもpHが3.8〜4.5である水中油型乳化物からなる加工液卵白であって、当該加工液卵白が乳酸発酵されたものである。また、評価試験は、試験例1と同様のモデルレトルトソースを調製し目視で評価した。
本発明品用加工液卵白の製造例1において、乳酸発酵を下記表のpHとなるように処理時間を変えた以外は、本発明品用加工液卵白の製造例1と同様の方法で加工液卵白を調製した。次に、得られた各加工液卵白と、食用油脂とを配合したモデルレトルトソースを調製し、各加工液卵白の乳酸発酵の程度の違い(pHの違い)によるレトルトソースの油脂分離への影響を調べた。なお、得られた加工液卵白は、いずれも粘度が800mPa・s以上(品温10℃)、平均粒子径が40μm以下である水中油型乳化物からなる加工液卵白であって、当該加工液卵白が乳酸発酵されたものである。また、評価試験は、試験例1と同様のモデルレトルトソースを調製し目視で評価した。
下記の配合のレトルトクリームソースを製した。つまり、球形ニーダーに清水45kgを入れ、攪拌加熱しながら牛乳30kg、本発明品用加工液卵白の製造例1で得られた加工液卵白(本発明品用加工液卵白1)5kg、上白糖1kg、グルタミン酸ナトリウム1kg、食塩1kg及び大豆サラダ油5kgと、清水10kgにアセチル化アジピン酸架橋澱粉2kgを分散させたものとを加えて90℃まで達温させ、更に同温で10分間攪拌後加熱を停止し、クリームソース100kgを得た。得られたソースをそれぞれ140g(1食分)ずつアルミパウチに充填・密封した。その後、密封物を120℃で20分間レトルト処理し、冷水で品温10℃まで冷却してレトルトクリームソースを製した。なお、本発明品用加工液卵白1の配合量は、レトルトクリームソース全体に対し本発明品用加工液卵白1の固形分換算で約1%である。
牛乳
30%
大豆サラダ油
5%
本発明品用加工液卵白1
5%
アセチル化アジピン酸架橋澱粉 2%
上白糖
1%
グルタミン酸ナトリウム 1%
食塩
1%
清水
残余
――――――――――――――――――――
100%
実施例1において、本発明品用加工液卵白1の5%配合に代えて本発明品用加工液卵白の製造例2で得られた加工液卵白(本発明品用加工液卵白2)を3%配合とした以外は実施例1と同様の方法でレトルトクリームソースを製した。なお、本発明品用加工液卵白2の配合量は、レトルトクリームソース全体に対し本発明品用加工液卵白2の固形分換算で約0.7%である。
実施例1において、本発明品用加工液卵白1の5%配合に代えて本発明品用加工乾燥卵白の製造例3で得られた加工乾燥卵白(本発明品用加工乾燥卵白3)を3%配合し、更に牛挽肉を5%配合した以外は実施例1と同様の方法でレトルトクリームソースを製した。なお、加工乾燥卵白の配合量は、クリームソース全体に対し加工液卵白の固形分換算で約1.2%である。
Claims (6)
- 食用油脂および/または食肉を配合したレトルトソースにおいて、卵白タンパク質2〜8%および食用油脂5〜20%を含有し、粘度が800mPa・s以上(品温10℃)、pHが3.8〜4.5、平均粒子径が40μm以下である水中油型乳化物からなる加工液卵白であって、該加工液卵白が乳酸発酵されてなる加工液卵白を配合したレトルトソース。
- 前記加工液卵白に乾燥処理が施されてなる加工乾燥卵白を配合した請求項1記載のレトルトソース。
- 前記加工液卵白または前記加工乾燥卵白の配合量がレトルトソース全体に対し加工液卵白の固形分換算で0.05〜15%である請求項1または2記載のレトルトソース。
- 食用油脂および/または食肉を配合したレトルトソースにおいて、卵白タンパク質2〜8%および食用油脂5〜20%を含有した卵白混合液をpHが3.8〜4.5となるように乳酸発酵し、次いで加熱殺菌し、該殺菌発酵液を30〜55℃に冷却した後、均質化処理を施して得られる加工液卵白を配合したレトルトソース。
- 前記加工液卵白に乾燥処理を施して得られる加工乾燥卵白を配合した請求項4記載のレトルトソース。
- 前記加工液卵白または前記加工乾燥卵白の配合量がレトルトソース全体に対し加工液卵白の固形分換算で0.05〜15%である請求項4または5記載のレトルトソース。
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