JP2015104370A - 米飯食品用酸性水中油型乳化調味料 - Google Patents
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Abstract
Description
即ち、本発明は以下の通りである。
当該乳化調味料は水飴を含んでいてもよく、
当該乳化調味料に含まれる食用油脂の量をA重量%とし、
当該乳化調味料に含まれる水飴の量をB重量%とし、
当該乳化調味料中の油滴の平均粒子径をCμmとし、且つ
当該乳化調味料の粘度をDPa・sとしたとき、
下記式より求められるCW値が、0.06以下であり、
米飯食品用である、乳化調味料。
CW値=0.2913+(−0.0021×A)+(−0.0039×B)+(0.0198×C)+(−0.0006×D)
[2]前記CW値が、0.04以下である、[1]記載の乳化調味料。
[3]Aが65〜85重量%である、[1]又は[2]記載の乳化調味料。
[4]Bが0〜6重量%である、[1]〜[3]のいずれかに記載の乳化調味料。
[5]Cが0.5〜6.0μmである、[1]〜[4]のいずれかに記載の乳化調味料。
[6]Dが100〜650Pa・sである、[1]〜[5]のいずれかに記載の乳化調味料。
[7]米飯食品が中具を含むものである、[1]〜[6]のいずれかに記載の乳化調味料。
[8][1]〜[7]のいずれかに記載の乳化調味料を用いて製造される、酸性水中油型乳化調味料を含む米飯食品。
[9][1]〜[7]のいずれかに記載の乳化調味料を用いることを含む、酸性水中油型乳化調味料を含む米飯食品における米飯の吸水抑制方法。
[10][1]〜[7]のいずれかに記載の乳化調味料を用いることを含む、酸性水中油型乳化調味料を含む米飯食品の製造方法。
本発明において、「水飴を含んでいてもよい」とは、水飴を含む場合、および水飴を含まない場合のいずれかであってよいことを意味する。すなわち、本発明の乳化調味料において水飴は任意成分であり、その含有量は0であってもよい。
CW値=0.2913+(−0.0021×A)+(−0.0039×B)+(0.0198×C)+(−0.0006×D)
当該CW値が特定の値以下であることにより、酸性水中油型乳化調味料自体に含まれる水分が浸み出して、それを米飯が吸水することを抑制でき、また、中具や液体調味料等によって酸性水中油型乳化調味料中に持ち込まれた水分が浸み出して、それを米飯が吸水することを抑制できる。
ここで「本発明の乳化調味料中の油滴の平均粒子径」は、レーザー回折散乱式粒度分布測定装置(SALD−3000、株式会社島津製作所製)を用いて測定される。
油滴の平均粒子径の調整方法は特に制限されず、例えば、原材料を混合し撹拌する際に、撹拌部(例、羽根等)の形状、回転数、撹拌時間等を適宜設定することにより所望の値に調整できる。
ここで「本発明の乳化調味料の粘度」は、B型回転式粘度計(ブルックフィールド社製)とTバースピンドルを用いて測定される。具体的には、B型回転式粘度計にTバースピンドルを取り付けた後、ヘリパススタンドを用いてB型回転式粘度計を試料中で5rpmの条件で回転させながら、測定を行う。
乳化調味料の粘度の調整方法は特に制限されず、例えば、原材料を撹拌する際に、撹拌部(例、羽根等)の形状、回転数、撹拌時間、食用油脂の量、油滴の平均粒子径等を適宜設定することにより所望の値に調整できる。
また、一般に酸性水中油型乳化食品は増粘剤を含有すると、増粘剤特有の食感が不自然に感じられ、食品全体の食感が悪くなる場合がある。また、本発明の乳化調味料がマヨネーズである場合、増粘剤を含むと、日本農林規格に規定されるマヨネーズの規格に適合しないものとなり、好ましくない。このような増粘剤としては、例えば、澱粉、糊料、ぺクチン、キサンタンガム、グアガム、タマリンドシードガム、ローカストビーンガム、ジェランガム、モナトウガム、アラビアガム、トラガントガム、カードラン、プルラン、アルギン酸ナトリウム、カラギーナン等が挙げられる。
従って、本発明の乳化調味料は、乳化剤及び/又は増粘剤を実質的に含まないことが好ましい。本明細書において「乳化剤及び/又は増粘剤を実質的に含まない」とは、乳化剤及び/又は増粘剤を全く含まない場合、あるいは乳化剤及び/又は増粘剤を、本発明の乳化調味料の品質(例、食味、食感等)に影響を与えない程度(本発明の乳化調味料に対して、乳化剤は通常0.01重量%以下、好ましくは0.005重量%以下、増粘剤は通常0.1重量%以下、好ましくは0.05重量%以下)含む場合のいずれかであることを意味する。
下記に示す原材料1〜6を、表1に示す配合量で混合した後、コロイドミルを使用して表2に示す条件(クリアランス、回転数)で乳化し、実施例1〜15及び比較例1〜11のマヨネーズを作製した。これらの実施例1〜15及び比較例1〜11のマヨネーズは、いずれも日本農林規格に適合するものであった。また、これらの実施例1〜15及び比較例1〜11のマヨネーズのpHは、3.9〜4.1であった。ここで「クリアランス」とは、ローター表面とステーター表面との間の距離をいう。
原材料1:食用植物油脂(食用大豆油、食用とうもろこし油、食用なたね油)
原材料2:水飴(DE=48)
原材料3:卵
原材料4:醸造酢
原材料5:調味料等(砂糖、食塩、香辛料、レモン果汁、L−グルタミン酸ナトリウム等)
原材料6:水
実施例1〜15及び比較例1〜11の各マヨネーズ中の油滴の平均粒子径は、レーザー回折散乱式粒度分布測定装置(SALD−3000、株式会社島津製作所製)を用いて測定した。具体的には、イオン交換水を満たした分散槽に、試料を投入し十分に分散させ、これを測定装置で測定した。
結果を表3に示す。
実施例1〜15及び比較例1〜11の各マヨネーズの粘度は、B型回転式粘度計(ブルックフィールド社)とTバースピンドルを用いて測定した。具体的には、B型回転式粘度計にTバースピンドルを取り付けた後、ヘリパススタンドを用いてB型回転式粘度計を試料中5rpmの条件で回転させながら測定した。
結果を表3に示す。
実施例1〜15及び比較例1〜11の各マヨネーズについて、マヨネーズに含まれる食用油脂の量をA重量%とし、マヨネーズに含まれる水飴の量をB重量%とし、マヨネーズ中の油滴の平均粒子径をCμmとし、且つマヨネーズの粘度をDPa・sとして、下記式よりCW値を算出した。
CW値=0.2913+(−0.0021×A)+(−0.0039×B)+(0.0198×C)+(−0.0006×D)
結果を表3に示す。
実施例1〜15及び比較例1〜11の各マヨネーズについてツナマヨネーズ米飯乗せ試験を行った。ツナマヨネーズ米飯乗せ試験の手順は、下記の(1)〜(4)の通りである。
(1)市販のレトルト米飯(サトウ食品工業株式会社製、200gパック)を、電子レンジにて600Wで1パック当たり2分間加熱した後、パックにラップを被せ、24℃の恒温庫にて約4時間放冷して、恒温状態にする。
(2)表4に示すツナマヨネーズフィリングの材料のうち、シーチキン(登録商標)Lフレーク、食塩、グラニュー糖、グルタミン酸ナトリウム、醤油を均一に混合した後、残りの評価マヨネーズを加え、再び均一に混合し、ツナマヨネーズフィリングを得る。
(3)恒温状態のレトルト米飯に、ツナマヨネーズフィリング20gを乗せ、その上からラップをツナマヨネーズフィリングに接触しないように被せた後、20℃の恒温器に24時間静置する。
(4)24時間静置後、ツナマヨネーズフィリングの表面の状態を観察する。また、レトルト米飯の器を裏返して内容物を平面にあけ、米飯の底面の状態を観察する。
ツナマヨネーズフィリングの表面の状態の評価は、2名の専門パネラーによって、以下の評価基準に従って行った。
[評価基準]
a:非常にみずみずしい
b:かなりみずみずしい
c:みずみずしい
d:ややパサパサしている
e:パサパサしている
米飯の底面の状態の評価は、2名の専門パネラーによって、以下の評価基準に従って行った。
[評価基準]
a:非常に良好(全く浸みていない)
b:かなり良好
c:良好
d:やや不良
e:不良(かなり浸みている)
当該a〜eの一例(写真)を、図1に示す。
ツナマヨネーズ米飯乗せ試験において調製したツナマヨネーズフィリングの保水力を評価する試験として、当該ツナマヨネーズフィリングの保水力評価モデル(フィリングモデル)を作製し、これを遠心分離した後に沈殿した水相量を測定する試験を行った。保水力が高いツナマヨネーズフィリングは当該水相量が少なく、保水力の低いツナマヨネーズフィリングは当該水相量が多い。
実施例1〜15及び比較例1〜11の各マヨネーズ、水及び菜種サラタ油を、表5に示す配合でボールに計量し、ゴムへらを用いて100回程度撹拌して混合することによりフィリングモデルを調製した。得られたフィリングモデルのうち、50gを遠沈管に入れ、3000rpmで5分間、遠心分離機(冷却高速遠心機KOKUSAN H−2000B、株式会社コクサン製)にかけた後、沈殿した水相量を計測し、以下の基準で評価した。
[評価基準]
a:沈殿した水相量が0.03ml以下
b:沈殿した水相量が0.03mlを超え、0.05ml以下
c:沈殿した水相量が0.05mlを超える
一方、CW値が0.06を超える比較例1〜11のマヨネーズは、マヨネーズ自体に含まれる水分や、シーチキン(登録商標)Lフレークや醤油によりマヨネーズ中に持ち込まれた水分が浸み出して、これらの水分が米飯に吸水され、食品の外観が低下していた。また、これらのツナマヨネーズフィリングはパサパサとしていた。
また本発明の乳化調味料によれば、本発明の乳化調味料が例えばマヨネーズである場合、日本農林規格に規定されるマヨネーズの規格に適合しながら、保水性に優れ、酸性水中油型乳化調味料自体に含まれる水分が浸み出して、それを米飯が吸水することを抑制でき、また、中具や液体調味料等により酸性水中油型乳化調味料中に持ち込まれた水分が浸み出して、それを米飯が吸水することも抑制できる。そのため、本発明の乳化調味料は、本発明の乳化調味料を用いて製造される食品を販売する場合に、その原材料表示に「マヨネーズ」という語句を使用することができる等の商業的価値を有する。
Claims (10)
- 食用油脂を含む酸性水中油型乳化調味料であって、
当該乳化調味料は水飴を含んでいてもよく、
当該乳化調味料に含まれる食用油脂の量をA重量%とし、
当該乳化調味料に含まれる水飴の量をB重量%とし、
当該乳化調味料中の油滴の平均粒子径をCμmとし、且つ
当該乳化調味料の粘度をDPa・sとしたとき、
下記式より求められるCW値が、0.06以下であり、
米飯食品用である、乳化調味料。
CW値=0.2913+(−0.0021×A)+(−0.0039×B)+(0.0198×C)+(−0.0006×D) - 前記CW値が、0.04以下である、請求項1記載の乳化調味料。
- Aが65〜85重量%である、請求項1又は2記載の乳化調味料。
- Bが0〜6重量%である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の乳化調味料。
- Cが0.5〜6.0μmである、請求項1〜4のいずれか1項に記載の乳化調味料。
- Dが100〜650Pa・sである、請求項1〜5のいずれか1項に記載の乳化調味料。
- 米飯食品が中具を含むものである、請求項1〜6のいずれか1項に記載の乳化調味料。
- 請求項1〜7のいずれか1項に記載の乳化調味料を用いて製造される、酸性水中油型乳化調味料を含む米飯食品。
- 請求項1〜7のいずれか1項に記載の乳化調味料を用いることを含む、酸性水中油型乳化調味料を含む米飯食品における米飯の吸水抑制方法。
- 請求項1〜7のいずれか1項に記載の乳化調味料を用いることを含む、酸性水中油型乳化調味料を含む米飯食品の製造方法。
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