JP6822272B2 - 水中油型乳化食品の製造方法 - Google Patents

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本発明は保水性に優れ、舌触りのよい水中油型乳化食品及びその製造方法に関する。
マヨネーズなどの半固体状の水中油型乳化食品の製造においては、卵、酢、食塩、その他調味料等を含む水相部(水相原料)と食用油脂の油相部(油相原料)とを混合し、水中油型の乳化食品を製造する方法が一般的である。水中油型の乳化食品においては、製造後の乳化状態の安定性が重要なことから、様々な方法が提案されているが、例えば混合温度や時間を制御して製造する方法などが知られている(特許文献1)。
いっぽうマヨネーズに含まれる水分が浸み出すことや、該水分が他の食材に吸水されることによって、食品の外観が低下したり、食品本来の食感が損なわれたりする等の問題があった。このようなマヨネーズの離水抑制、保水性を向上させる方法として、粘度を上げる事や粒子径を小さくする事が効果的である事は知られている(特許文献2)。
しかし従来のマヨネーズの調製方法においては、粘度を上げるとマヨネーズの舌触りが悪くなり食感や味覚等品質を損ない、粒子径を小さくするとそれに伴って粘度が上がり同様に食感や味覚等品質が悪くなってしまうことから、マヨネーズの保水性と食感や味覚等品質の両立が問題となっていた。
特開2001−120221号公報 特開2015−104370号公報
保水性に優れ、舌触りのよい水中油型乳化食品及びその製造方法を提供する。
本発明者は、上記目的を達成すべく鋭意検討した結果、卵と酢を混合し一定温度で一定時間後、油と乳化する方法で得られた水中油型乳化食品が、粘度を上げることなく粒子径が小さく、なめらかな舌触りを維持しつつ保水性が向上した乳化食品になることを見出し、本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明は以下の通りである。
[1]少なくとも卵と酢を含む水相原料及び油相原料からなる水中油型乳化食品の製造方法であって、卵と酢を混合後、混合物を0〜25℃で1時間以上24時間未満保持して水相原料を調製する工程を含むことを特徴とする方法。
[2]水中油型乳化食品がマヨネーズである[1]に記載の方法。
[3]保持する温度が0〜15℃である[1]又は[2]に記載の方法。
[4]酢の酸度が1〜25%である[1]〜[3]のいずれか1項に記載の方法。
[5]卵が、卵黄、卵白、全卵、液卵及び卵粉末からなる群から選択される少なくとも1種である、[1]〜[4]のいずれか1項に記載の方法。
[6]水中油型乳化食品中の油滴の粒子径が1〜10μm及び水中油型乳化食品の粘度が10〜800(Pa・s)である、[1]〜[5]のいずれか1項に記載の方法。
[7]少なくとも卵と酢を含む水相原料及び油相原料からなる水中油型乳化食品であって、食品中の油滴の粒子径が1〜10μm及び食品の粘度が10〜800(Pa・s)である食品。
[8]水中油型乳化食品がマヨネーズである[7]に記載の食品。
[9]卵が、卵黄、卵白、全卵、液卵及び卵粉末からなる群から選択される少なくとも1種である、[7]又は[8]に記載の方法。
本発明によれば、特別な設備や添加物を必要とすることなく、従来のマヨネーズと同等粘度でありながらも粒子径が小さく、ゆえに優れた保水性を有し、舌触りに優れたマヨネーズを提供することができる。
本発明によれば、保水性や滑らかさを必要とする和え物や野菜サラダ、米飯食品等に適したマヨネーズ等を提供することができる。
図1は、マヨネーズの特性及びキャベツ試験、米飯乗せ試験及びフィリングモデル遠沈試験におけるマヨネーズの保水性の評価結果を示す。
本発明は、少なくとも卵と酢を含む水相原料及び油相原料からなる水中油型乳化食品の製造法であって、卵と酢を混合後、混合物を0〜25℃で1時間以上24時間未満保持して水相原料を調製する工程を含むことを特徴とする製造方法に関する(以下本発明の製造方法と略することもある)。
具体的には、例えば、
(1)卵と酢を混合する工程
(2)混合物を0〜25℃で1時間以上24時間未満、保持して水相原料を調製する工程
(3)油相原料を調製する工程
(4)水相原料と油相原料とを乳化させる工程
を含む製造方法に関し、必要に応じて加熱工程、冷却工程、各種原材料を添加する工程等を含んでもよい。
本発明において「水中油型乳化食品」とは、油相原料が油滴として水相中に略均一に分散している水中油型の乳化構造を有する食品をいい、具体的には、ドレッシング、半固体状ドレッシング、乳化液状ドレッシング、マヨネーズ、サラダクリーミードレッシング等が例示され、好ましくはマヨネーズである。当該水中油型乳化食品には、水相中に略均一に分散した油滴の中に、更に水相が分散しているものも含まれる。
本発明における油相原料としては、食用油脂が好ましく、当該食用油脂としては、例えば、サフラワー油、ぶどう油、大豆油、ひまわり油、とうもろこし油、綿実油、ごま油、なたね油、こめ油、落花生油、オリーブ油、パーム油、パーム核油、やし油、キャノーラ油、サラダ油等の植物油脂;牛脂、豚脂、鶏脂、羊脂、鯨油等の動物油脂等が挙げられるが、好ましくは植物油脂である。また、上記食用油脂をエステル交換したエステル交換油、上記食用油脂に水素添加した硬化油等も用いることができる。これらの食用油脂は、単独で用いても2種以上を併用してもよい。また必要に応じて油性の食品添加物を含んでもよい。
本発明における水相原料としては、卵及び酢が含まれていれば特に限定されないが、卵と酢以外に乳化食品に通常使用可能なものが含まれていてもよい。具体的には、水、酸味料、食塩、醤油、味噌、調味料、糖類、たん白加水分解物、香料、香辛料、香辛料抽出物、増粘剤等を挙げることができ、用途や目的に合わせて任意に配合することができる。
卵としては、卵黄、卵白、全卵、液卵、卵粉末等が挙げられ、用途や目的に合わせて単独でも2種以上を組み合わせても使用することができる。
酢としては、醸造酢、穀物酢、果実酢、米酢、米黒酢、りんご酢、ぶどう酢、合成酢などが挙げられる。
酢の酸度(酢酸としての濃度)は、通常1〜25重量%であり、短時間で効果を得る観点から14〜25重量%が好ましい。酸度(酢酸として)とは、酢に含まれている酢酸、グルコン酸、クエン酸等の各種有機酸の全ての酸を酢酸に換算し、酢に含まれる酸の割合を酢酸として表わしたものである。
酸味料としては、例えば、クエン酸、コハク酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、グルコン酸、リン酸、あるいは柑橘類の果汁等が挙げられる。また、柑橘類の果汁としては、ユズ、ベニユ、ハナユ、無核ユズ、ユコウ、スダチ、カボス、ダイダイ、レモン、ライム、シークワーサー等の果汁が挙げられる。これらの酸味料は、単独で用いても2種以上を併用してもよい。
醤油としては、例えば、濃口醤油、淡口醤油、たまり醤油、再仕込醤油、白醤油等が挙げられる。これらの醤油は、単独で用いても2種以上を併用してもよい。
味噌としては、例えば、赤味噌、白味噌、仙台味噌、八丁味噌、麦味噌、米味噌等が挙げられる。これらの味噌は、単独で用いても2種以上を併用してもよい。
調味料としては、例えば、グルタミン酸ナトリウム、イノシン酸ナトリウム、グアニル酸ナトリウム等が挙げられる。これらの調味料は、単独で用いても2種以上を併用してもよい。
糖類としては、例えば、水あめ、グラニュー糖、果糖ぶどう糖液糖、上白糖、中白糖、三温糖、白ザラ糖、中ザラ糖、ぶどう糖果糖液糖等が挙げられる。これらの糖類は、単独で用いても2種以上を併用してもよい。
香料としては、例えば、メントール、ペパーミントフレーバー、オレンジフレーバー、マスタードオイル、ゴマフレーバー、ジンジャーフレーバー、ガーリックフレーバー等が挙げられる。これらの香料は、単独で用いても2種以上を併用してもよい。
香辛料としては、例えば、香味野菜、胡椒(例えば、黒胡椒、白胡椒または青胡椒(グリーンペッパー)の粉砕物等)、山椒、クミン、クローブ、シナモン、ナツメグ、唐辛子、アニス、オールスパイス、オレガノ、コリアンダー、ターメリック、タイム、ディル、バジル、パセリ、バニラ、マスタード、ミント、ローズマリー、ローレル等が挙げられる。香味野菜としては、例えば、生姜、にんにく、たまねぎ、ねぎ、ニラ、セリ、茗荷、セロリ、しそ、みつば、わさび等が挙げられる。これらの香辛料は、単独で用いても2種以上を併用してもよい。
香辛料抽出物としては、例えば、カラシナ、胡椒、ごま、シナモン、タマネギ、ニンニク、バジル、パプリカ、ローズマリー、ワサビ等より抽出したものが挙げられる。これらの香辛料抽出物は、単独で用いても2種以上を併用してもよい。
増粘剤としては、例えば、キサンタンガム、グアーガム等のガム類、でん粉類、ペクチン等が挙げられる。これらの増粘剤は、単独で用いても2種以上を併用してもよい。
(1)卵と酢を混合する工程
卵と酢を混合する際の温度は、通常0〜25℃であり、0〜15℃が好ましい。
また混合する時間は、通常1〜60分間であり、1〜30分間が好ましい。
混合する際のpHは、通常pH3〜5、好ましくはpH3.5〜4.5である。
混合の方法としては、水中油型乳化食品の製造法として一般に使用される方法に従って又はそれに準じて行うことができる(例えば「マヨネーズ・ドレッシングの知識」、幸書房、今井忠平、1993年等参照。)が、例えばプロペラ式等によるミキサー混合等の方法が挙げられる。
また必要に応じて上記、水、酸味料、食塩、醤油、味噌、調味料、糖類、たん白加水分解物、香料、香辛料、香辛料抽出物、増粘剤等の原料を添加して一緒に混合してもよい。
(2)得られた混合物を0〜25℃で1時間以上24時間未満保持して水相原料を調製する工程
上記得られた混合物を保持する工程は、油相原料と乳化させるまで混合物の状態を保ち続ける工程であり、撹拌などを行わず混合物を静止した状態で置く工程、撹拌する工程、あるいは間欠的に撹拌する工程を含んでもよい。
保持する際の温度は、微生物制御の観点から、通常0〜25℃であり、0〜15℃が好ましく、0〜10℃がより好ましく、0〜5℃が特に好ましい。
また保持する時間は、品質安定性の観点から、通常1時間以上であり、3時間以上が好ましく、通常24時間未満であり、21時間以下が好ましく、18時間以下がより好ましい。
なかでも保水性や舌触りに優れた水中油型乳化食品を製造するという観点から、0〜10℃の温度で、3〜21時間保持することが好ましく、0〜5℃の温度で、3〜18時間保持することがより好ましい。
保持後、卵と酢の混合物に必要に応じて水、酸味料、食塩、醤油、味噌、調味料、糖類、たん白加水分解物、香料、香辛料、香辛料抽出物、増粘剤等の原料を添加して水相原料を調製する。
(3)油相原料を調製する工程
油相原料は慣用の方法で調製する。
(4)水相原料と油相原料とを乳化させる工程
上記の工程で得られた水相原料に油相原料を加えて、必要に応じ粗乳化した後に、水中油型乳化食品の分野において通常用いられる乳化機(例、コロイドミル、ホモミキサー、スティックミキサー、ディスパーミキサー、ホモジナイザー等)を用いて撹拌して乳化させる。
乳化工程のせん断速度としては、通常17,000〜177,000(1/s)、好ましくは42,000〜124,000(1/s)が挙げられる。
乳化工程の温度は、通常0〜40℃であり、10〜30℃が好ましい。
乳化する際のpHは、通常pH3〜5.5、好ましくはpH3.5〜5である。
乳化の程度は、水中油型乳化食品がマヨネーズの場合には、マヨネーズの油滴の粒子径(メディアン径)が、通常1〜10μm、好ましくは1〜5μm、より好ましくは1〜3μmになるように乳化することが挙げられる。
油滴の粒子径は、レーザー回折散乱式粒度分布測定装置等の装置でレーザー回折・散乱法により測定することができる。
また水中油型乳化食品の粘度は、例えばマヨネーズの場合には、通常10〜800(Pa・s)、好ましくは50〜250(Pa・s)、より好ましくは100〜200(Pa・s)になるように乳化することが挙げられる。
粘度は、24℃にて容器内に静置した状態で測定することができる。例えばB型粘度計など公知の装置で測定することができる。
本発明の製造方法により得られる保水性や食感に優れた特性を有する水中油型乳化食品も本発明の一つである。水中油型乳化食品としては、マヨネーズが挙げられ、該マヨネーズは粘度を上げなくとも離水が抑制され保水性が向上しており、さらに油滴の粒子径が小さいことから舌触りがよい。
具体的には、本発明の水中油型乳化食品の油滴の粒子径(メディアン径)は、通常1〜10μm、好ましくは1〜5μm、より好ましくは1〜3μmである。油滴の粒子径は、上述のようにレーザー回折散乱式粒度分布測定装置等の装置で上記の方法により測定することができる。
また本発明の水中油型乳化食品の粘度は、通常10〜800(Pa・s)、好ましくは50〜250(Pa・s)、より好ましくは100〜200(Pa・s)である。粘度は、上述のようにB型粘度計など公知の装置で測定することができる。
なかでも、マヨネーズの場合には、舌触り等の食感が良く高い保水性が得られるという観点から、油滴の粒子径及び粘度は、通常1〜10μm及び10〜800(Pa・s)、好ましくは1〜5μm及び50〜250(Pa・s)、より好ましくは1〜3μm及び100〜200(Pa・s)である。
以下、本発明について実施例で更に説明するが、本発明の技術範囲はこれらの例によって制限されるものではない。また本明細書では特に断りの無い限りは、%は重量%を表す。
<評価マヨネーズの調製>
以下の方法によりマヨネーズを調製した。
(1)表1にマヨネーズの配合を示した。表1の原材料の内、なたね油、酢はそれぞれ個別で計量する。
(2)その他の原材料は、配合量通りに計量、混合し、卵等水相原料混合物を得る。
(3)卵等水相原料混合物に酢を混合する。
(4)スタンダード(Std)については、すぐに油を徐々に添加して予備混合を行い、コロイドミル(せん断速度52,850(1/s))で本乳化する。
(5)水相調製時に酢と卵を混合して保持する製造方法については、卵等水相原料混合物と酢の混合物を所定時間(3、18、21、24、28h)、5℃で保持する。
(6)保持後、油を徐々に添加して予備混合を行い、コロイドミル(せん断速度53,850〜70,500(1/s))で本乳化する。
<マヨネーズ中の油滴の粒子径の測定>
各マヨネーズ中の油滴の粒子径(メディアン径)は、レーザー回折散乱式粒度分布測定装置(SALD−3000、株式会社島津製作所製)を用いて測定した。具体的には、イオン交換水を満たした分散槽に、試料を投入し十分に分散させ、これを測定装置で測定した。結果を図1に示した。
<マヨネーズの粘度の測定>
各マヨネーズの粘度は、測定温度24℃でB型回転式粘度計(ブルックフィールド社)とTバースピンドルを用いて測定した。具体的には、B型回転式粘度計にTバースピンドルを取り付けた後、ヘリパススタンドを用いてB型回転式粘度計を試料中5rpmの条件で回転させながら測定した。結果を図1に示した。
<評価方法>
マヨネーズの保水性は、評価指標としてキャベツ離水試験、米飯乗せ試験、フィリングモデル遠沈試験を実施して評価した。
1.キャベツ離水試験(キャベツ試験)
マヨネーズをキャベツと和えた際の保水性を評価するため以下の試験を行った。
(1)マヨネーズ(12.5g)、水(2.5g)をボウルに量り入れ、ゴムベラで均一に混合後、芯を除いた千切りキャベツ(35.0g)を量り入れ、ゴムベラで均一に混合する。
(2)その後、重量を量った試験管にロートを挿し、ロートの中に混合物を全量入れ込む。
(3)ロートの天面にラップを張り、24時間静置後、滴下した離水とともに試験管重量を測定し、滴下離水量[g]を算出する。
ここで離水量が少ないほど、保水性が高い事を示す。スタンダードに対する離水量を離水率として計算した。
スタンダードと同粘度(またはそれ以下の粘度=過酷条件)で比較した際、キャベツ試験での離水率を下記基準で評価した。結果は図1に示す。
評価基準
◎: 50%以下
○: 50%超80%以下
△: 80%超100%以下
×: 100%超
2.米飯乗せ試験(米飯試験)
マヨネーズをツナマヨネーズフィリングにして米飯に乗せた際の保水性を評価するため以下の試験を行った。
(1)市販のレトルト米飯(サトウ食品工業株式会社製、200gパック)を、電子レンジにて600Wで1パック当たり2分間加熱した後、パックにラップを被せ、24℃恒温庫にて4時間放冷し、恒温状態にする。
(2)表2に記載のツナマヨネーズフィリング材料の内、マヨネーズ以外の材料をボウルに量り入れ均一に混合した後、マヨネーズを量り入れ再び均一に混合し、ツナマヨネーズフィリングを調製する。
(3)恒温状態のレトルト米飯に、丸型(内径5cm、高さ6mm)を使ってツナマヨネーズフィリング15gを乗せ、ツナマヨネーズフィリングに接触しないようにラップを被せ、24℃恒温庫に24時間静置する。
(4)24時間後、ツナマヨネーズフィリングの表面状態を観察する。また、一晩冷凍した後、レトルト米飯を裏返して、米飯の底面状態を観察する。さらに、包丁を使って真ん中で半分にカットし、断面状態を観察する。
スタンダードと同粘度(またはそれ以下の粘度=過酷条件)で比較した際、表面状態、断面状態を以下の基準で評価した。
評価基準
◎: 非常に良好(崩れや浸みがない)
○: 良好(崩れや浸みが改善されている)
△: スタンダードと同程度
×: 不良(崩れや浸みが悪化している)
また、底面状態は以下の基準で評価した。
評価基準
○: 浸みがない
△: 浸みがある(スタンダードレベル)
×: 浸みがスタンダードより悪化
米飯試験総評では、評価項目3つ(表面状態、断面状態、底面状態)の内「○か◎が2つ以上あり、×が1つもない」評価系を保水性が良好と判断した。結果は図1に示した。
3.フィリングモデルの遠沈離水試験(フィリングモデル遠沈試験)
米飯乗せ試験におけるツナマヨネーズフィリングの保水性を簡易的に評価する試験として、フィリングモデルを作製し、遠心分離機にかけて沈殿した水相量を測定し、保水性を評価した。
(1)油(8.1g)、水(7.7g)、マヨネーズ(38.2g)をボウルに量り入れ、均一に混合する。
(2)混合物を50g遠沈管に量り入れ、3000rpmで30分間、遠心分離機(冷却高速遠心機KOKUSAN H−2000B、株式会社コクサン製)にかけた後、沈殿した水相量(ml)を計測する。
なお水相量が少ないほど、保水性が高い事を示す。
スタンダードと同粘度(またはそれ以下の粘度=過酷条件)で比較した際、スタンダードの水相量に対する各マヨネーズの水相量の割合を離水率として計算し、下記基準にて判定した。結果は図1に示した。
評価基準
◎: 20%以下
○: 20%超50%以下
△: 50%超100%以下
×: 100%超
4.三試験の総合評価
キャベツ試験、米飯乗せ試験、フィリングモデル遠沈試験において、いずれも合格圏内の評価水準を○とし、保水性向上を確認したものと判断する。なお合格圏は、キャベツ試験:◎または○に該当する、米飯乗せ試験:総評にて良好と判断された、フィリングモデル遠沈試験:◎または○に該当すると判断されたものは合格圏にあると判断した。いずれかひとつでも合格圏を逸脱した場合は×とした。
結果は図1に示した。少なくとも酢と卵を含む水相原料を乳化前に1時間以上24時間未満保持する工程を含む本発明の製造方法により、保水性に優れ、粒子径が小さいながらも従来マヨネーズと同程度の粘度を有するマヨネーズが得られることを確認した。
本発明によれば、特殊な設備や添加物を使用することなく、保水性が高く舌触りの良いマヨネーズを提供することができ、該マヨネーズを含む食感のよい米飯食品を提供することができる。

Claims (9)

  1. 少なくとも卵と酢を含む水相原料及び油相原料からなる水中油型乳化食品の製造方法であって、卵と酢を混合後、混合物を0〜10℃で時間以上21時間以下保持して水相原料を調製する工程を含むことを特徴とする方法。
  2. 水中油型乳化食品がマヨネーズである請求項1に記載の方法。
  3. 保持する温度が0〜℃である請求項1又は2に記載の方法。
  4. 酢の酸度が1〜25%である請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
  5. 卵が、卵黄、卵白、全卵、液卵及び卵粉末からなる群から選択される少なくとも1種である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
  6. 水中油型乳化食品中の油滴の粒子径が1〜10μm及び水中油型乳化食品の粘度が10〜800(Pa・s)である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
  7. 少なくとも卵と酢を含む水相原料及び油相原料からなる水中油型乳化食品の保水性向上方法であって、卵と酢を混合後、混合物を0〜10℃で3時間以上21時間以下保持して水相原料を調製する工程を含むことを特徴とする方法
  8. 水中油型乳化食品がマヨネーズである請求項7に記載の方法
  9. 卵が、卵黄、卵白、全卵、液卵及び卵粉末からなる群から選択される少なくとも1種である、請求項7又は8に記載の方法。
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