JP6429511B2 - 分離液状ドレッシング用油脂組成物および分離液状ドレッシング - Google Patents

分離液状ドレッシング用油脂組成物および分離液状ドレッシング Download PDF

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Description

本発明は、分離液状ドレッシング用油脂組成物および分離液状ドレッシングに関する。
一般にドレッシングは、その状態から、半固形状ドレッシング、乳化液状ドレッシング、分離液状ドレッシングの3つに大別される。日本農林規格(JAS規格)においても、「食用植物油脂と食酢又はかんきつ類の果汁を主原材料(必須原材料)として、食塩、砂糖類、香辛料等を加えて調製し、水中油滴型に乳化した半固体状若しくは乳化液状の調味料、又は分離液状の調味料であって、主としてサラダに使用するもの」をドレッシングと定義している。
半固形状ドレッシングは、マヨネーズに代表されるドレッシングであり、半固形状であることを大きな特徴とする。一方、液状のドレッシングである乳化液状ドレッシングは、フレンチドレッシングを代表とする油脂を完全に乳化し、コロイド状態としたドレッシングであり、クリーミーな食感と風味が特徴である。また、分離液状ドレッシングは、イタリアンドレッシングや和風ドレッシングのように、乳化しておらず、水相部と油相部の界面がきれいに分かれるドレッシングであり、あっさりとキレのある風味を特徴とする。
分離液状ドレッシングに関する技術としては、例えば、以下の文献が知られている。特許文献1(特開2009−278932号公報)には、HLBが1〜9のグリセリン脂肪酸エステルを油脂に0.02〜1.2質量%配合することによって油相部に水相部の風味を付与することが提案されている。また、特許文献2(特公昭55−26821号公報)や特許文献3(特公平6−57125号公報)には、カラギーナンなどの増粘剤を水相に添加して水相の粘度を上げることによって、水相と油相を混ざりやすくすることが提案されている。さらに、特許文献4(特公昭60−00972号公報)には、ドレッシングの全量に対して微量のショ糖脂肪酸エステルを添加することによって、水相と油相を分離しにくくすることが提案されている。
特開2009−278932号公報 特公昭55−26821号公報 特公平06−57125号公報 特公昭60−00972号公報
分離液状ドレッシングは、保存時は水相部と油相部の界面が分離しているものの、喫食時などにおいては軽く振ることによって均一に分散し、しばらくは水相部と油相部が分離しないことが大切である。特に小さいポーションカップや小袋などの容器に充填されたドレッシングの場合、軽い撹拌によってもしばらくは分離しないことが重要になる。
水相部と油相部が分離しやすいと、野菜などの食品にドレッシングをかけた際、油相部分の付着が多くなり、油っぽく、ドレッシングの風味があまり感じられない。また、容器に充填されたドレッシングを何回か使用しているうちに、油相だけが容器から先に出てしまい、容器に残ったドレッシングは水相の比率が高くなってしまう。
また、分離液状ドレッシングの水相部と油相部を分散させやすくすることは、喫食時だけでなく、ドレッシングを容器などに充填する際にも重要である。一般に、容器入り分離液状ドレッシングを製造する場合、水相部と油相部を別々に調製し、水相と油相を別々に容器に充填する方法と、水相部と油相部を含む全ての原料を混合してから容器に充填する方法とがある。後者の場合、水相部と油相部が分離しないように撹拌しながら充填するなどの対策が取られるものの、水相部と油相部が分離しやすいと、水相部と油相部を一定の比率で容器に充填することができず、充填後の水相部と油相部の比率にばらつきが生じてしまう。
上記した特許文献2や特許文献3には、水相にカラギーナンを添加して水相部と油相部を混ざりやすくすることが提案されているが、これら方法では、加熱殺菌によってカラギーナンの増粘作用が損なわれてしまう。また、特許文献4の方法はその効果が十分でなく、依然として、分離液状ドレッシングの水相部と油相部を分散させやすく、分離しにくくする技術が求められている。
このように、分離液状ドレッシングにおいて水相部と油相部を分散しやすくすることは、ドレッシングの喫食時はもちろん、容器詰めドレッシングの製造時においても重要なことである。このような状況に鑑み、本発明の課題は、水相部と油相部が分散しやすく、しばらくは分離しない分離液状ドレッシングを提供すること、および、そのような分離液状ドレッシングを製造するための油脂組成物を提供することである。
本発明者らが上記課題について鋭意検討したところ、特定の乳化剤を油脂に添加することによって分離液状ドレッシングの水相部と油相部が分散しやすくなることを見いだし、本発明を完成させるに至った。具体的には、食用油脂に対してモノオレイン酸ジグリセリンを0.15〜0.50質量%配合することによって、分離液状ドレッシングの油相部として極めて好適な油脂組成物が得られることを見いだした。
本発明は、これに限定されるものではないが、以下の態様を包含する。
(1) モノオレイン酸ジグリセリンを0.15〜0.50質量%配合した分離液状ドレッシング用油脂組成物。
(2) モノオレイン酸ジグリセリンの配合量が0.15〜0.30質量%である、(1)に記載の油脂組成物。
(3) (1)または(2)に記載の油脂組成物を含む、分離液状ドレッシング。
(4) 容器に充填されている、(3)に記載の分離液状ドレッシング。
(5) 容量が500ml以下の容器に充填されている、(3)または(4)に記載の分離液状ドレッシング。
(6) モノオレイン酸ジグリセリンを食用油脂に0.15〜0.50質量%配合して油脂組成物を得る工程、油脂組成物を水性組成物と混合してドレッシングを得る工程、混合したドレッシングを容器に充填する工程、を含む、容器詰め分離液状ドレッシングの製造方法。
本発明によれば、分離液状ドレッシングの水相部と油相部を軽い撹拌によって十分に均一に分散させることができ、しばらくは水相部と油相部を分離しにくくすることができる。これにより、喫食時においては、分離液状ドレッシングの水相部と油相部を所定の比率で野菜などの食品に付着させることができ、分離液状ドレッシングの特徴であるキレやあっさりとした風味を十分に楽しむことができる。また、容器詰めドレッシングの製造時においては、分離液状ドレッシングの水相部と油相部をムラなく一定の比率で容器に充填することが可能になり、安定した品質の分離液状ドレッシングを製造することが可能になる。
特に小さいポーションカップや小袋などの容量の小さい容器に充填されたドレッシングにおいては、喫食時の軽い撹拌によっても十分に水相部と油相部が均一に分散でき、製造時においては、水相部と油相部の全てを含む原料を混合してから容器に充填する方法においても、水相部と油相部をムラなく一定の比率で充填することが重要であるところ、本発明によれば、効果的にこの課題を解決することができる。
図1は、実験例3の結果を示す写真である。図1aがサンプル5(乳化剤0.16%配合)、図1bがサンプル3(乳化剤0.14%配合)である。 図2は、実験例4の実験装置を示す写真である。
本発明は、分離液状ドレッシング用油脂組成物および分離液状ドレッシングに関する。本発明の分離液状ドレッシング用油脂組成物は、乳化剤としてモノオレイン酸ジグリセリンが油脂に対して0.15〜0.50質量%配合されていることを特徴とする。本発明の分離液状ドレッシング用油脂組成物では、水相部と油相部とが分散しやすく、かつ、両者がしばらくは分離しにくいように、油脂に対してモノオレイン酸ジグリセリンが上記の量で配合されている。分離のしにくさ(分離性)は、例えば、ドレッシングを撹拌後、油相が浮上し2層に分離するまでの時間によって評価することができる。好ましい態様において本発明に係るドレッシングは、撹拌後、2層に分離するまでの時間が25秒以上であり、より好ましくは2分30秒以上である。
本発明において、分離液状ドレッシング用油脂組成物とは、分離液状ドレッシングの油相部として用いられる油脂組成物である。一般に、分離液状ドレッシングは、水相部と油相部によって構成され、油脂組成物が油相部として用いられる。分離液状ドレッシングの水相部は水分を主体とし、これに必要に応じて水溶解性または水分散性の原料が配合される。主な構成原料としては、食酢、醗酵原料、香味料等が挙げられる。本発明の分離液状ドレッシング用油脂組成物は、水相部に相当するものと合わせることで、簡単に分離液状ドレッシングを調製することができる。
本発明の分離液状ドレッシング用油脂組成物に含まれる油脂は、食用であれば特に限定されるものではなく、植物由来であるか、動物由来であるか、また、合成品であるかも問わない。例えば、大豆油、菜種油、キャノーラ油、コーン油、ひまわり油、紅花油、とうもろこし油、綿実油、ゴマ油、シソ油、亜麻仁油、落花生油、オリーブ油、ブドウ種子油、マカデミアナッツ油、ヘーゼルナッツ油、カボチャ種子油、クルミ油、椿油、茶実油、エゴマ油、ボラージ油、米糠油、小麦胚芽油、パーム油、パーム核油、ヤシ油、カカオ脂、牛脂、豚脂、鶏脂、乳脂、魚脂、アザラシ脂、藻類脂などを単独または組み合わせて使用することができる。また、品質改良によって低飽和化された油脂、水素添加油脂、グリセリンと脂肪酸のエステル化油、エステル交換油、分別油脂なども適宜使用することができる。さらに、遺伝子組換えの技術を用いて品種改良した植物から抽出したものであってもよい。
本発明の分離液状ドレッシング用油脂組成物では、モノオレイン酸ジグリセリンを油脂に対して0.15〜0.50質量%の量で配合する。かかる範囲の配合量とすると、分離液状ドレッシングとした際に、ドレッシングを軽く振るだけで水相部と油相部とを良好に分散させることができ、しばらくは水相部と油相部を分離しにくくすることができる。なお、上限は0.40質量%以下が好ましく、0.30質量%以下がより好ましい。
本発明の分離液状ドレッシングは、上記油脂組成物と水相を構成する水性組成物とを混合することによって製造することができる。特に本発明の分離液状ドレッシングは、水相部と油相部が分離しにくいため、容器に充填する際に充填ムラが生じにくく、安定した品質の容器詰め分離液状ドレッシングを製造することができる。
本発明の分離液状ドレッシングは、主としてサラダ料理などの食品に使用される分離液状の調味料であり、水相部と油相部とからなる。そして、風味に応じて、和風ドレッシング、中華ドレッシング、フレンチドレッシング、イタリアンドレッシング、醤油ドレッシング、ゴマ風味ドレッシング等に分類される。水相部に使用される成分は、主として食酢、調味料香味料などである。一方、油相部に使用される成分は油脂であり、上述の本発明の分離液状ドレッシング用油脂組成物に使用するものと同様である。
食酢には、一般に、合成酢と穀類又は果実を酢酸発酵させた醸造酢があるが、本発明においてはいずれを使用してもよいし、その両方を使用してもよい。穀物酢としては、例えば、米酢、かす酢、黒酢、モルト酢、玄米酢等が挙げられる。果実酢としては、例えば、りんご酢、ワインビネガーやバルサミコ酢等のブドウ酢等が挙げられる。
調味料としては、例えば、ワイン、清酒、梅酒等の酒類、醤油、味噌、みりんなどの発酵調味料、ヨーグルト、発酵乳、コチュジャン、魚醤等を挙げることができる。
香味料には、香辛料、香味野菜、ハーブ、その他が含まれ、適宜使用することができる。例えば、胡椒、パプリカ、バジル、山椒、わさび、とうがらしなどのハーブ及び香辛料類、くるみ、ゴマ、松の実、アーモンドなどの種実類、ツナ、ホタテ、かつおぶしなどの魚介類、ベーコン、コンビーフ、ハム等の加工肉製品類、卵類、しそ、しょうが、セロリー、たまねぎ、トマト、にんじん、にんにく、ねぎ、パセリ、ピーマン、ピクルス、みょうが、しその実等の香味野菜類、うめ、オリーブ、グレープフルーツ、すだち、りんご、レモン、みかんの果実類の実及びその果汁、しいたけ、マッシュルーム、きくらげ等のきのこ類、コンブやわかめなどの藻類、天然エキス、酵母エキス、肉エキス、魚介類エキス、野菜エキスなどのエキス類が挙げられる。
本発明の分離液状ドレッシングには、その目的とする風味、香り、品質に応じて、食塩、酸味料、うまみ調味料(アミノ酸、核酸等)、たんぱく加水分解物、糖類、甘味料、スクラロースなどの高甘味度甘味料、ミネラル類、香料、アスコルビン酸やビタミンEなどの酸化防止剤、増粘剤、乳化剤、水、静菌剤、各種肉類などを加えることができる。その他にも、ごま、のり、しいたけ、ねぎ、ナッツ、ベーコン、ゆずなどの固形具材などを添加することもできる。
本発明の分離液状ドレッシングでは、油相部は、ドレッシング全体の10〜90質量%が風味のバランスという点で好ましく、15〜50質量%がより好ましい。
本発明の分離液状ドレッシングは、水相を構成する水性組成物と油相を構成する油脂組成物とから一般的な方法によって製造することができる。一般的には、食用油脂以外の各種原材料を加温可能な攪拌槽に投入し、加熱攪拌を行い、水相部を調製する。加熱攪拌は、原材料の均一な混合、溶解、及び殺菌を目的とし、これを達成できれば特に条件は制限されない。加熱攪拌は、加圧、減圧、常圧下で可能であり、通常は常圧下で行われる。温度条件は制限されるものではなく、原材料の溶解、殺菌がなされればよい。通常は、40〜95℃、好ましくは60〜95℃で行われる。攪拌は、原料の均一な混合等がなされればよく、各種攪拌機を用いることができる。回転数、攪拌時間などの撹拌条件は、原材料が均一に混合されれば、特に制限されない。その後、水相部を常温程度まで冷却し、食用油脂を中心として別途調製された油相部と合わせることでドレッシング類が得られる。
一つの態様において、本発明は分離液状ドレッシングの製造方法であり、モノオレイン酸ジグリセリンを食用油脂に0.15〜0.50質量%配合して油脂組成物を得る工程、油脂組成物を水性組成物と混合してドレッシングを得る工程、混合したドレッシングを容器に充填する工程、を含む。
一般に、容器入り分離液状ドレッシングは、比重の高い水相を先に容器に充填し、次いで油相を容器に充填することによって製造する方法、水相と油相とを混合してから容器に充填して製造する方法などが知られている。特に小さいポーションカップや小袋などの容量の小さい容器に充填する際に多く用いられる水相と油相とを予め混合してから容器に充填する方法においては、容器に充填する際に水相部と油相部が分離し、均一な組成で安定して分離液状ドレッシングを容器に充填することが困難な場合があるところ、本発明によれば水相部と油相部とが分離しにくいため安定して分離液状ドレッシングを容器に充填し、密封することができる。
分離液状ドレッシングを充填する容器は、特に制限はなく、一般的な分離液状ドレッシングに使用する種々の容器を用いることができる。このような容器としては、例えば、ガラス製容器、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリ乳酸などの樹脂製容器、紙製容器、金属製容器などを適宜使用することができ、ボトルなどの自立型容器であっても袋などの非自立型容器であてもよい。また、本発明に係る分離液状ドレッシングは水相部と油相部の分散が容易であり、使用時に容器を上下または左右に軽く振る、または箸等で混ぜるだけで全体を均一に分散させることが可能なため、容量の小さな容器に充填した分離液状ドレッシングでも容易に分散させることができる。例えば、容器の容量は、500ml以下であることが好ましく、300ml以下がより好ましく、100ml以下であることがさらに好ましく、50ml以下としてもよい。
以下、本発明を実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、特に記載しない限り、本明細書において濃度などは重量基準であり、数値範囲はその端点を含むものとして記載される。
実験例1:分離液状ドレッシング用油脂組成物の調製
約100質量部の食用菜種油(昭和産業株式会社・キャノーラ油)に対して各種乳化剤を添加し、加温可能な容器において撹拌しながら60℃に加温し、均一な油脂組成物を得た。使用した乳化剤の種類と量を以下の表1に示す。
実験例2:容器入り分離液状ドレッシングの調製
醤油35%(キッコーマン株式会社・特選丸大豆しょうゆ)、穀物酢35%(株式会社ミツカン・穀物酢)、砂糖10%(三井製糖株式会社・上白糖)、こしょう少々(ハウス食品株式会社・ホワイトペッパー)を混合し、分離液状ドレッシングの水相部を調製した。この水相部に対して、実験例1で調製した油脂組成物20%を添加して混合し、醤油味の分離液状ドレッシングを得た。
(分散性の評価) 得られた分離液状ドレッシング100gを容器(容積:130mL)に充填した後、薬さじを用いて容器内で10秒間撹拌し、水相部と油相部を混合した。混合後20秒間静置し、水相部と油相部の分散性を評価した。分散性は、○(良好)、△(劣る)、×(悪い)の3段階で評価した。
(分注時の均一性の評価) 得られた分離液状ドレッシング(油脂組成物含量:20%)200gを薬さじで撹拌しながら、40gずつ、5つの容器(容積:50ml)に充填した。充填した分離液状ドレッシングを観察し、油脂組成物含量が15〜25%の範囲であれば○、この範囲外であれば×と評価した。
評価結果を表2に示す。表2から明らかなように、本発明の実施例であるサンプル2は、水相部と油相部の分散性、分注時の均一性のいずれも優れていた。
実験例3:容器入り分離液状ドレッシングの調製
乳化剤であるモノオレイン酸ジグリセリンの配合量を変化させた以外は、実験例2と同様にして容器詰め分離液状ドレッシングを調製し、その分散性と、水相部と油相部の界面の状態を評価した。分散性については、実験例2と同じ方法によって評価し、水相部と油相部の界面については、以下の方法によって評価した。また、分離液状ドレッシングとしての総合評価を下記の基準により評価した。
(水相部と油相部の界面の評価) 調製した容器詰め分離液状ドレッシング(油脂組成物含量:20%)を静置し、水相部と油相部の界面状態を観察した。界面の状態は、○(清澄な界面)、△(界面に白濁層が存在する)、×(界面に厚い白濁層が存在する)の3段階で評価した。
(分離液状ドレッシングとしての総合評価) ◎:極めて良好、○:良好、△:劣る、×:悪い。
評価結果を以下の表3および図1に示すが、乳化剤の配合量が対油脂で0.14%以下になると分散性が悪化し、水相と油相が分離してしまった(図1a:乳化剤0.16%配合、図1b:乳化剤0.14%配合)。また、乳化剤の配合量が対油脂で0.5%の場合、水相部と油相部は分離しなかったものの、撹拌後、全体が乳化により若干白濁状態となり、静置後の水相部と油相部の界面に白濁層が存在し、きれいに分かれなくなっていた。
実験例4:食品への付着性試験
乳化剤の配合量を変更した以外は、実験例2と同様にして容器詰め分離液状ドレッシングを調製した。この分離液状ドレッシングの水相部と油相部の分離性を評価し、キャベツの千切りにかけ、キャベツへの付着性を評価した。
(水相部と油相部の分離性の評価) 調製した容器詰め分離液状ドレッシングについて、撹拌後、油相が浮上し2層に分離するまでの時間を評価した。
(食品への付着性の評価) 分離液状ドレッシング30g(油脂組成物含量:20%)が充填された容器(容量32ml)を上下に5回反転(簡単な撹拌)させて水相部と油相部を混合してから、U字管に充填したキャベツ25gにドレッシングをかけた。3分後にU字管の底部に集まったドレッシングを回収し、その水相部と油相部の比率を確認した。ただし、実験4−2においては、ドレッシング30gを充填した容器を上下に150回振ることによって水相部と油相部を十分に撹拌した。実験装置の概要を図2に示す。
以下の表4から明らかなように、本発明の実施例である分離液状ドレッシングでは、上下に5回反転する簡単な撹拌においても、U字管の底部にドリップしたものにも油相が約20%含有されており、上下に150回振って撹拌した実験4−2と同等以上に、水相部と油相部が均一に食品(キャベツ)に付着した。一方で、本発明以外の分離液状ドレッシングはいずれも、U字管の底部に集まった液体は油相の量が少なく、水相の量が多くなっていた。すなわち、比較例のドレッシングでは、油相部が多く食品に付着してしまい、ドレッシングの味に大きな影響を与える水相部があまり食品に付着していないことが明らかになった。
実験例5:容器入り分離液状ドレッシングの調製
使用する食用油脂の種類を変更した以外は、実験例3のサンプル8と同様にして容器詰め分離液状ドレッシングを調製した(使用した食用油脂はすべて昭和産業株式会社製)。調製した分離液状ドレッシングについて、その分散性と風味を評価した。分散性については、実験例2と同じ方法によって評価し、風味については、以下の方法によって官能評価した。
(風味の評価) 分離液状ドレッシング(油脂組成物含量:20%)が充填された容器を上下に5回反転させて水相部と油相部を混合してから野菜サラダにかけ、その全体の風味を4段階で官能評価した(◎:調味液の味が強く感じられて良好、○:良好、△:普通、×:悪い)。
結果を以下の表5に示すが、分離液状ドレッシングの油相部を構成する食用油脂の種類を変化させても、本発明によって、分散性と風味に優れた分離液状ドレッシングを得ることができた。

Claims (3)

  1. 容量が50ml以下の容器に充填されている分離液状ドレッシングであって、モノオレイン酸ジグリセリンを0.15〜0.30質量%配合した油脂組成物を含有する、上記ドレッシング。
  2. 前記油脂組成物に菜種油が含まれる、請求項に記載の分離液状ドレッシング。
  3. モノオレイン酸ジグリセリンを食用油脂に0.15〜0.30質量%配合して油脂組成物を得る工程、
    油脂組成物を水性組成物と混合してドレッシングを得る工程、
    混合したドレッシングを容量が50ml以下の容器に充填する工程、
    を含む、容器詰め分離液状ドレッシングの製造方法。
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