JPWO2019022137A1 - 乳化調味料及びその製造法 - Google Patents

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Abstract

ツヤ感を抑え、マット感が付与された、保型性の良い乳化調味料の提供。豆類及び種実類から選ばれる1種以上の食品微粒子と油脂と有機酸と水と食塩を含有する乳化調味料であって、(1)食品微粒子の含有量が2質量%以上98質量%以下、(2)全油脂分割合が10質量%以上、(3)モード径が0.3μm以上100μm以下、(4)水分の含有量が20質量%以上、(5)マンセル表色系において、明度6以上9以下、(6)マンセル表色系において、彩度1以上6以下、(7)マンセル表色系において、色相が0Y乃至10Yまたは0GY乃至10GY、及び(8)ボストウィック粘度計による測定温度4℃、測定時間10秒の粘度測定値が28.0cm以下であることを特徴とする乳化調味料。

Description

本発明は、乳化調味料及びその製造法に関する。
近年、食も高度化し、見た目の美感に工夫することが増えており、製菓のようなデコレーションを日々の食事メニューにも応用している。それに伴い、食品に占める調味料の役割も変化し、本来の役割であるおいしさ以外に、見た目の楽しさ、美しさ、見映えなどの新たな役割の重要性が高まっている。一方で、健康志向の高まりから、合成着色料をはじめとする食品添加物が忌避される傾向があり、天然物由来の自然な色合いで、おいしさや使い勝手と見た目の良さが両立された調味料が求められていた。また、食品の見た目は喫食者の食欲とも密接に関係しており、どのような食品とも相性が良い、シックな外観で被使用食品の見映えを高め、食欲を増進する調味料が求められていた。
特に昨今ではSNSなどの広がりから、料理を写真撮影する機会が増えている。しかし、乳化調味料は、その原料のバリエーションが少ないためにその外観は単調なものになりがちであり、また原料である油脂によってツヤ感が出すぎてしまい、マット感が十分では無いという問題があった。
従来の乳化調味料においては、W/O/W型乳化調味料において、卵黄と卵白の含有量などを調整してマヨネーズらしいツヤ感を有する調味料が報告されている(特許文献1)。またゆでたパスタ一食分に50g以上100g以下の割合でソースを室温のままかけて喫食する乳化パスタソースにおいて、粘度などを調整することで、ゆでたパスタと和えて時間が経っても特有のツヤが保たれる乳化パスタソースが報告されている(特許文献2)。
特開2016−86748号公報 特開2016−149995号公報
しかしながら、特許文献1、2の手段はいずれもツヤ感を有する乳化調味料を製造する方法であり、調味料の過剰なツヤ感を抑えさらにマット感を付与できる乳化調味料はこれまで報告されていなかった。
従って、本発明の課題は、乳化調味料において、過剰なツヤ感を抑えさらにマット感が付与された保型性の良い乳化調味料を提供することにある。
そこで本発明者らは、過剰なツヤ感を抑えさらにマット感が付与された乳化調味料を得るべく種々検討したところ、特定の食品微粒子と油脂と有機酸と水と食塩とを含有し、調味料外観が特定の色調である乳化調味料において、過剰なツヤ感を抑えさらにマット感が付与され、保型性に優れた調味料が得られることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、次の〔1〕〜〔11〕に関するものである。
〔1〕豆類及び種実類から選ばれる1種以上の食品微粒子と油脂と有機酸と水と食塩を含有する乳化調味料であって、
(1)食品微粒子の含有量が2質量%以上98質量%以下、
(2)全油脂分割合が10質量%以上、
(3)モード径が0.3μm以上100μm以下、
(4)水分の含有量が20質量%以上、
(5)マンセル表色系において、明度6以上9以下、
(6)マンセル表色系において、彩度1以上6以下、
(7)マンセル表色系において、色相が0Y乃至10Yまたは0GY乃至10GY、及び
(8)ボストウィック粘度計による測定温度4℃、測定時間10秒の粘度測定値が28.0cm以下
であることを特徴とする乳化調味料。
〔2〕豆類が大豆、種実類がアーモンドである〔1〕記載の乳化調味料。
〔3〕さらに、野菜類を含有する〔1〕または〔2〕記載の乳化調味料。
〔4〕野菜類がアブラナ科植物である〔3〕記載の乳化調味料。
〔5〕野菜類がキャベツ、ブロッコリー、カリフラワー及びマスタードから選ばれる1種以上である〔3〕または〔4〕記載の乳化調味料。
〔6〕さらに穀物類から選ばれる食品の1種以上を含有する〔1〕〜〔5〕のいずれかに記載の乳化調味料。
〔7〕有機酸が酢酸を含むことを特徴とする〔1〕〜〔6〕のいずれかに記載の乳化調味料。
〔8〕色相が5Y乃至10Yまたは0GY乃至5GYである〔1〕〜〔7〕のいずれかに記載の乳化調味料。
〔9〕次の(a)及び(b)の段階を含む〔1〕〜〔8〕のいずれかに記載の乳化調味料の製造方法。
(a)豆類及び種実類から選ばれる1種以上と油脂と有機酸と水とを含む原料を混合し、固形分の含有量が2質量%以上98質量%以下、全油脂分割合が10質量%以上、水分の含有量が20質量%以上に調整した混合液を製造する段階
(b)混合液の外観が、マンセル表色系において、明度6以上9以下、彩度1以上6以下、色相が0Y乃至10Yまたは0GY乃至10GYとなり、モード径が0.3μm以上100μm以下となり、ボストウィック粘度計による測定温度4℃、測定時間10秒の粘度測定値が28.0cm以下となるまで、媒体撹拌ミル、高圧ホモジナイザー及びコロイドミルから選ばれる1種以上によって微細化処理を行なう段階
〔10〕(b)の微細化処理を0.01MPa以上の加圧条件下で行う〔9〕記載の製造方法。
〔11〕(b)の微細化処理を50MPa以上の加圧条件下で高圧ホモジナイザーによって行う〔9〕記載の製造方法。
本発明によれば、過剰なツヤ感を抑えさらにマット感が付与され、保型性に優れた乳化調味料が提供される。
色相を示す図である。
以下、本発明の実施態様の例を記載するが、本発明はこれらの態様に限定されるものではなく、その主旨を逸脱しない限りにおいて、任意の改変を加えて実施することが可能である。
本発明によれば、過剰なツヤ感を抑えさらにマット感が付与された乳化調味料を提供することができる。本発明における「ツヤ感」とは、光沢のある感じの外観を表し、「マット感」とは、テリが少なく、曇った感じの外観を表す。「ツヤ感のある緑色」「マット感のある緑色」といったように、色の概念とは全く独立して用いられる別個の特性である。
本発明に用いられる食品微粒子の素原料である豆類としては、飲食に供される豆類またはそれらの加工品(加熱調理や灰汁抜き、皮むき、追熟、塩蔵、皮加工などの前処理を施したものを含む)であればどのようなものでも用いることができるが、特にインゲンマメ(隠元豆)、キドニー・ビーン、赤インゲン、白インゲン、ブラック・ビーン、うずら豆、とら豆、ライマメ、ベニバナインゲン、エンドウ、キマメ、緑豆、ササゲ、アズキ、ソラマメ、大豆(大豆を未熟な状態で鞘ごと収穫したもので豆が緑色(例えばマンセル表色系において色相が0GY(10Y)乃至10BG、明度5以上、彩度3以上)の外観を呈する「枝豆」を含む)、ヒヨコマメ、レンズマメ、ヒラ豆、レンティル、ラッカセイ、ルピナス豆、グラスピー、イナゴマメ(キャロブ)、ネジレフサマメノキ、ヒロハフサマメノキ、コーヒー豆、カカオ豆、メキシコトビマメなどが挙げられる。中でも大豆(特に枝豆)が色調調整が容易であり好ましい。また、それらの加工品については、豆類に由来する食物繊維を含有しないものについては、本発明の効果が十分に発揮されないため、食物繊維を含有(好ましくは食物繊維総量として1%以上、より好ましくは2%以上)するものが好ましい。なお、上記の各食材は、その可食部と非可食部の区別を問わず使用できる。
本発明に用いられる食品微粒子の素原料である種実類としては、飲食に供される種実類またはそれらの加工品(加熱調理や灰汁抜き、皮むき、追熟、塩蔵、皮加工、搾汁などの前処理を施したものを含む)であればどのようなものでも用いることができるが、特にアーモンド、カシューナッツ、ペカン(ピーカン)、マカダミアナッツ、ピスタチオ、ヘーゼルナッツ、ココナッツ、松の実、ヒマワリの種、カボチャの種、スイカの種、シイ、クルミ、クリ、銀杏、ごま、ブラジルナッツなどが挙げられる。中でも、アーモンド、カシューナッツ、マカダミアナッツ、ピスタチオ、ヘーゼルナッツ、ココナッツなどが挙げられる。中でもアーモンドが好ましく、特にこれをペースト化した物(例えばアーモンドミルク)が色調調整に優れた効果を有し、好ましい。なお、上記の各食材は、その可食部と非可食部の区別を問わず使用できる。
中でも、本発明に用いられる食品微粒子の素原料としては、色調調整が最も容易であり効果の優れた豆類が特に好ましい。すなわち、本発明の一態様としては、以下の〔12〕及び〔13〕が含まれる。
〔12〕豆類の食品微粒子と油脂と有機酸と水と食塩を含有する乳化調味料であって、
(1)食品微粒子の含有量が2質量%以上98質量%以下、
(2)全油脂分割合が10質量%以上、
(3)モード径が0.3μm以上100μm以下、
(4)水分の含有量が20質量%以上、
(5)マンセル表色系において、明度6以上9以下、
(6)マンセル表色系において、彩度1以上6以下、
(7)マンセル表色系において、色相が0Y乃至10Yまたは0GY乃至10GY、及び
(8)ボストウィック粘度計による測定温度4℃、測定時間10秒の粘度測定値が28.0cm以下、
であることを特徴とする乳化調味料。
〔13〕次の(a)及び(b)の段階を含む前記の乳化調味料の製造方法。
(a)豆類と油脂と有機酸と水とを含む原料を混合し、固形分の含有量が2質量%以上98質量%以下、全油脂分割合が10質量%以上、水分の含有量が20質量%以上に調整した混合液を製造する段階
(b)混合液の外観が、マンセル表色系において、明度6以上9以下、彩度1以上6以下、色相が0Y乃至10Yまたは0GY乃至10GYとなり、モード径が0.3μm以上100μm以下となり、ボストウィック粘度計による測定温度4℃、測定時間10秒の粘度測定値が28.0cm以下となるまで、媒体撹拌ミル、高圧ホモジナイザー及びコロイドミルから選ばれる1種以上によって微細化処理を行なう段階
また、本発明において、豆類及び種実類から選ばれる1種以上の食品微粒子を用いることが、乳化安定性の観点からより好ましく、豆類及び種実類の食品微粒子を全て用いることが最も好ましい。
本発明の乳化調味料には、豆類及び種実類から選ばれる1種以上の微粒子に加えて、野菜類を含有するのが、マンセル表色系における色相の調整が容易になる点で好ましい。これらの野菜類は、乳化調味料のモード径が0.3μm以上100μm以下になるような微粒子として含有するか、抽出物として含有するのが好ましい。
野菜類としては、食品として飲食に供される野菜類またはそれらの加工品(加熱調理や灰汁抜き、皮むき、追熟、塩蔵、皮加工などの前処理を施したものを含む)であればどのようなものでも用いることができるが、特にダイコン、ニンジン、ゴボウ、ルタバガ、ビート、ビートルート、パースニップ、カブ、ブラック・サルシファイ、レンコン、クワイ、エシャロット、ニンニク、ラッキョウ、ユリネ、カタクリ、ケール、タマネギ、アスパラガス、ウド、キャベツ、レタス、ホウレンソウ、ハクサイ、アブラナ、コマツナ、チンゲンサイ、ニラ、ネギ、ノザワナ、フキ、フダンソウ(不断草、スイスチャード)、ミズナ、トマト、ナス、カボチャ、ピーマン、キュウリ、ミョウガ、カリフラワー、ブロッコリー、食用菊、ニガウリ、オクラ、アーティチョーク、ズッキーニ、てんさい、ショウガ、シソ、ワサビ、パプリカ、ハーブ類(クレソン、コリアンダー、クウシンサイ、セロリ、タラゴン、チャイブ、チャービル、セージ、タイム、ローレル、パセリ、マスタードグリーン(からしな)、マスタード(和芥子、洋芥子)、ミョウガ、ヨモギ、バジル、オレガノ、ローズマリー、ペパーミント、サボリー、レモングラス、ディル、ワサビ葉、山椒の葉、ステビア)、ワラビ、ゼンマイ、クズ、チャノキ(茶)、タケノコ、ケールなどが挙げられる。また、これらの食材は、1種類でもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよいが、アブラナ科植物が調味液の旨辛味を増強する効果があり望ましく、キャベツ、ブロッコリー、カリフラワー、ケール及びマスタード(和芥子、洋芥子)から選ばれる1種以上用いるとさらに好ましく、キャベツ、ブロッコリー、カリフラワー、ケール及びマスタード(和芥子、洋芥子)から選ばれる2種以上を用いることが特に望ましい。また、さらにタマネギを用いることで、調味液の旨辛味がさらに高まるため、最も望ましい。なお、上記の各食材は、その可食部と非可食部の区別を問わず使用できる。
また、本発明の乳化調味料には、野菜類の一種であるイモ類(サツマイモ、キャッサバ、ヤーコン、タロイモ、サトイモ、コンニャクイモ、タシロイモ(ポリネシアン・アロールート)、ジャガイモ、ムラサキイモ、キクイモ、ヤムイモ、ヤマノイモ、ナガイモなど)を用いることで、その保型性が高まるため、好ましい。イモ類は、乳化調味料のモード径が0.3μm以上100μm以下になるような微粒子として含有するか、抽出物として含有するのが好ましい。なお、上記の各食材は、その可食部と非可食部の区別を問わず使用できる。
また、本発明の乳化調味料には、野菜類の一種であるきのこ類(シイタケ、マツタケ、キクラゲ、マイタケ、サルノコシカケ、ヒラタケ、エリンギ、エノキタケ、シメジ、ナラタケ、マッシュルーム、ナメコ、アミタケ、ハツタケ、チチタケなど)を用いることで、乳化調味料の旨辛味がさらに高まるため、より好ましい。きのこ類は、乳化調味料のモード径が0.3μm以上100μm以下になるような微粒子として含有するか、抽出物として含有するのが好ましい。なお、上記の各食材は、その可食部と非可食部の区別を問わず使用できる。
また、本発明の乳化調味料には、野菜類の一種である藻類を用いることで、調味料の食品微粒子が沈殿しにくくなり、安定性が高まるため、好ましい。藻類としては、コンブ類、ワカメ類、海苔類、アオノリ類、テングサ類などの大型藻類、緑藻類、紅藻類、藍藻類、渦鞭毛藻類、ユーグレナ類などの微細藻類などの飲食に供されるものであればどのようなものでも用いることができるが、特に、あおさ、あおのり(青海苔)、アナアオサ、うみぶどう(クビレズタ)、カタシオクサ、クロミル、タマミル、とりのあし(ユイキリ)、ヒトエグサ、ヒラアオノリ、フサイワヅタ、ボウアオノリ、アカモク、アミジグサ、アラメ、アントクメ、イシゲ、イチメガサ、イロロ、イワヒゲ、ウミトラノオ、ウミウチワ、オオバモク、オキナワモヅク、カイガラアマノリ、カゴメノリ、カジメ、かじめ(アラメ)、カヤモノリ、ぎばさ(アカモク、銀葉草、神馬草、じばさ)、サナダグサ、シワノカワ、シワヤハズ、セイヨウハバノリ、ツルアラメ、なのり(カヤモノリ)、ネバリモ、ノコギリモク、ハバノリ、ヒジキ、ヒロメ、フクロノリ、フトモヅク、ホンダワラ、マコンブ、マツモ、むぎわらのり(カヤモノリ)、ムチモ、モヅク(モズク)、ユナ、ワカメ、アサクサノリ、イボツノマタ、ウシケノリ、ウスカワカニノテ、エゾツノマタ(クロハギンナンソウ)、オオブサ、オゴノリ、オキツノリ、オバクサ、カタノリ、カバノリ、カモガシラノリ、キジノオ、クロハギンナンソウ(エゾツノマタ)、サクラノリ、シラモ、タンバノリ、ツノマタ、ツルシラモ、ツルツル、トサカノリ、トサカマツ、のげのり(フクロフノリ)、海苔(のり、スサビノリ)、ハナフノリ、ハリガネ、ヒラガラガラ、ヒラクサ、ヒラムカデ、ピリヒバ、フクロフノリ、フシツナギ、マクサ、マルバアマノリ、ミツデソゾ、ミドリムシ(ユーグレナ)、クロレラ、ミリン、ムカデノリ、ユイキリ、ユカリ、天草(テングサ)が挙げられる。なお、上記の各食材は、その可食部と非可食部の区別を問わず使用できる。
藻類は多糖類などが多く、微細化しづらいため、だしなどの抽出物の状態で用いることがより好ましい。
また、穀物類を用いることで、0℃〜4℃のチルド状態におけるボストウィック粘度計による粘度測定値(測定温度4℃)が調整しやすくなるため、好ましい。穀物類は、乳化調味料のモード径が0.3μm以上100μm以下になるような微粒子として含有するか、抽出物として含有するのが好ましい。
穀物類としては、飲食に供される穀物類またはそれらの加工品(加熱調理や灰汁抜き、皮むき、追熟、塩蔵、皮加工、発酵などの前処理を施したものを含む)であればどのようなものでも用いることができるが、特にコーン、コメ、コムギ、オオムギ、モロコシ、エンバク、ライコムギ、ライムギ、ソバ、フォニオ、キノア、ひえ、アワ、きび、ジャイアントコーン、サトウキビ、アマランサスなどが挙げられる。中でも、コメ(特に玄米)を用いることが好ましく、特にこれを麹菌などの酵素によって処理して液化した物(例えば甘酒)が色調調整に優れた効果を有し、好ましい。また、穀物類としてコメ(特に玄米、さらにはコメ酵素処理液化物)を使用する場合は、豆類(特に大豆)または種実類(特にアーモンド、さらにはアーモンドミルク)と併用することで、乳化安定性がさらに高まるため、より好ましい。なお、上記の各食材は、その可食部と非可食部の区別を問わず使用できる。
前述した、食材の「非可食部」とは、食材の通常飲食に適さない部分や、通常の食習慣では廃棄される部分を表し、「可食部」とは、食材全体(より具体的にはその購入形態)から廃棄部位(非可食部)を除いた部分を表す。食材における、非可食部の部位や比率は、その食品や食品の加工品を取り扱う当業者であれば、当然に理解することが可能である。例としては、日本食品標準成分表2015年版(七訂)に記載の「廃棄部位」及び「廃棄率」を参照し、これらをそれぞれ非可食部の部位及び比率として扱うことができる。
前記豆類、種実類、野菜類(イモ類、藻類、きのこ類等を含む)、穀物類の食材としては乾燥食品を用いるのが好ましい。当該乾燥食品の品質は、食品(食材)の水分活性が0.95以下であるのが、加水時の粘性が発現しやすく、応用範囲が広がる点で好ましく、0.9以下がより好ましく、0.8以下がより好ましく、0.65以下がさらに好ましい。
食材として乾燥食品を用いる場合は、あらかじめ乾燥処理を施した食材を用いる方法が好ましい。前記食材の乾燥方法は一般的に食品の乾燥に用いられるどのような方法でも良く、例えば天日乾燥、陰干し、フリーズドライ、エアドライ(熱風乾燥、流動層乾燥法、噴霧乾燥、ドラム乾燥、低温乾燥など)、加圧乾燥、減圧乾燥、マイクロウェーブドライ、油熱乾燥などによる乾燥方法が挙げられるが、素材を選ばず水分含量を調整しやすく、工業的な大量処理に便利なエアドライ(特に熱風乾燥)またはフリーズドライによる方法を用いるとさらに好ましい。
また、あらかじめ乾燥処理を施した食材を用いて油脂の存在下で微細化処理を行なうことが、さらに好ましい。
本発明の乳化調味料中の食品微粒子の含有量は、本発明においてレーザ回析式粒度分布測定の測定対象とならない粒径2000μm(2mm)よりも大きい食品等を除いた組成物中の食品微粒子含量を測定する。組成物が2mmよりも大きい食品等を含む場合には、例えば、組成物中の9メッシュ(目開き2mm)パスさせた画分中のうち、遠心分離による分離上清を充分に取り除いた沈殿画分の重量を指す(固形油脂の場合は加温して溶解した状態で、必要に応じて2mmよりも大きい食品等を取り除いた後、遠心分離を実施し、分離上清を取り除く)。一部の油脂や水分は沈殿画分に取り込まれるため、食品微粒子の合計量は、沈殿画分に取り込まれたそれら成分と食品の合計重量を表す。乳化調味料中の食品微粒子含有量は、2質量%以上98質量%以下であればよいが、2質量%未満であると調味料の味が油っこくなり好ましくない。また、食品微粒子の含有量が98質量%を超えると、「もそもそ」とした摂食しにくい品質となるため、好ましくない。また、本発明の乳化調味料は多量の食品微粒子を口中で「もそもそ」せずにかつ油っこくなく摂取しやすい品質になるため、食品微粒子の含有量は2質量%以上が好ましく、8質量%以上がより好ましく、15質量%以上がさらに好ましく、30質量%以上が最も好ましい。また、食品微粒子の含有量は、特に「もそもそ」感の点から98質量%以下が好ましく、95質量%以下がさらに好ましく、85質量%以下がさらに好ましく、80質量%以下が最も好ましい。「もそもそ」感とは、パサパサした水気の無い乾燥した食品を嚥下する際に飲み下しづらい食感を表す。
具体的には、本発明における食品微粒子の含有量は、例えば任意の量の組成物を9メッシュ(タイラーメッシュ)パスさせた後、通過画分に対して15000rpmで1分間の遠心分離を行い、分離上清を充分に取り除いた沈殿画分重量を量ることで組成物中の食品微粒子の含有量を測定することができる。9メッシュパスさせる際のメッシュ上残分については、充分に静置した後、組成物の粒子サイズが変わらないようにヘラなどで9メッシュの目開きより小さい食品微粒子を充分に通過させた後、通過画分を得る。
本発明の乳化調味料は、前記食品微粒子に加えて、油脂、有機酸、水及び食塩を含有する。
油脂の種類としては、食用油脂、各種脂肪酸やそれらを原料とする食品などが挙げられるが、食用油脂を用いることが好ましい。
食用油脂の例としては、ごま油、菜種油、大豆油、パーム油、パーム核油、パーム分別油(PMF)、綿実油、コーン油、ひまわり油、サフラワー油、オリーブ油、亜麻仁油、米油、椿油、荏胡麻油、香味油、ココナッツオイル、グレープシードオイル、ピーナッツオイル、アーモンドオイル、アボカドオイル、サラダ油、キャノーラ油、魚油、牛脂、豚脂、鶏脂、またはMCT(中鎖脂肪酸トリグリセリド)、ジグリセリド、硬化油、エステル交換油、乳脂、ギーなど、が挙げられるが、中でもごま油、オリーブ油、菜種油、大豆油、コーン油、パーム油、ひまわり油などの液体状食用油脂については、乳化調味料のなめらかさを高める効果があり、本発明をより効果的に用いることができるためより好ましい。また、食用油脂は乳化調味料の食材中に含まれる油脂でも良いが、抽出精製処理がなされた油脂を食材とは別に添加する方が食材とのなじみが良いため好ましく、油脂全体の10質量%以上抽出精製処理がなされた油脂を添加することが好ましく、より好ましくは30%以上抽出精製処理がなされた油脂を添加することが好ましい。
また、食用油脂は、その組成中の飽和脂肪酸割合よりも不飽和脂肪酸割合(一価不飽和脂肪酸と多価不飽和脂肪酸の合計割合)が多い食用油脂であることで、微細化処理が効率的に行なえるため好ましく、飽和脂肪酸割合の2倍量よりも不飽和脂肪酸割合が多い方がさらに好ましい。
また、食用油脂を原料とする食品の例としては、バター、マーガリン、ショートニング、生クリーム、豆乳クリーム(例えば不二製油株式会社の「濃久里夢(こくりーむ)」(登録商標))など、が挙げられるが、特にその物性が液体状の食品が、便利に用いることができる。これらのうち二種以上の食用油脂やそれらを原料とする食品を任意の比率で併用してもよい。
本発明における、乳化調味料中の全油脂分(即ち、組成物の調製時に配合した油脂のみならず、食品微粒子やその他の任意成分に含まれる油脂分も含めた全油脂分)の調味料全体に対する重量比率が10質量%未満の調味料については、本発明を用いなくともマット感が抑えられた品質に容易に調整できるため、調味料中の全油脂分が10質量%以上の調味料において、本発明は有用である。組成物の全油脂分割合は、例えば農林物資の規格化等に関する法律(JAS法)によって規定された「脂質」の測定方法で組成物を分析することで測定することができる。組成物の特性によって適当な測定方法を用いることができるが、本発明の乳化調味料においては、例えば「ドレッシングの日本農林規格」に規定された「油脂含有率」の測定方法を用いて測定することができる。
乳化調味料中の全油脂分は、20質量%以上がより好ましく、30質量%以上がより好ましく、40質量%以上がさらに好ましく、また70質量%以下が好ましく、60質量%以下がさらに好ましい。
本発明の乳化調味料中の有機酸の含有量は、調味料の味わいを豊かにする点から、0.1質量%以上が好ましく、0.2質量%以上がより好ましく、0.3質量%以上がさらに好ましい。また、有機酸が多すぎると調味料の味のバランスが悪くなる点から2.0質量%以下が好ましく、1.0質量%以下がより好ましく、0.6質量%以下がさらに好ましい。有機酸としては、最終的な調味料に一定の有機酸が含有されていれば良く、有機酸として添加する態様の他、有機酸を含有する食品として添加する態様であっても良い。また、有機酸としては、有機酸そのものであっても、有機酸塩であっても良い。また、具体的な有機酸として、クエン酸、酢酸、酒石酸、リンゴ酸、グルコン酸、乳酸、フマル酸、コハク酸などが挙げられる。中でも、その風味から酢酸またはクエン酸が好ましく、酢酸が特に好ましい。また、酢酸とクエン酸を併用することで、有機酸の酸味がまろやかになるため好ましい。、その添加方法としては、酢酸またはクエン酸そのものによって含有する方法、米酢、穀物酢、酒精酢、りんご酢、ワインビネガー(ぶどう酢)、合成酢、黒酢、中国酢、バルサミコ酢などの酢酸含有飲食品や、レモン果汁などのクエン酸含有飲食品によって含有する方法、これらの方法を組み合わせた方法が挙げられる。このうち、調味料の酸味のバランスの点から、酢酸を使用する場合は、酢酸の一部または全部に果実酢に由来する酢酸を含むことが好ましく、果実酢としてりんご酢、バルサミコ酢、ワインビネガー(ぶどう酢)を用いるのがより好ましく、由来する酢酸の過半がそれらの酢酸含有飲食品由来であることが好ましい。また、クエン酸を使用する場合は、クエン酸の一部または全部に果汁または果物及びそれらを原料とする加工品を用いるのがより好ましく、由来するクエン酸の過半がそれらのクエン酸含有飲食品由来であることが好ましい。
すなわち、本発明の一態様としては、以下の〔14〕〜〔17〕が含まれる。
〔14〕豆類及び種実類から選ばれる1種以上の食品微粒子と油脂と酢酸と水と食塩を含有する乳化調味料であって、
(1)食品微粒子の含有量が2質量%以上98質量%以下、
(2)全油脂分割合が10質量%以上、
(3)モード径が0.3μm以上100μm以下、
(4)水分の含有量が20質量%以上、
(5)マンセル表色系において、明度6以上9以下、
(6)マンセル表色系において、彩度1以上6以下、
(7)マンセル表色系において、色相が0Y乃至10Yまたは0GY乃至10GY、及び
(8)ボストウィック粘度計による測定温度4℃、測定時間10秒の粘度測定値が28.0cm以下、
であることを特徴とする乳化調味料。
〔15〕豆類の食品微粒子と油脂と酢酸と水と食塩を含有する乳化調味料であって、
(1)食品微粒子の含有量が2質量%以上98質量%以下、
(2)全油脂分割合が10質量%以上、
(3)モード径が0.3μm以上100μm以下、
(4)水分の含有量が20質量%以上、
(5)マンセル表色系において、明度6以上9以下、
(6)マンセル表色系において、彩度1以上6以下、
(7)マンセル表色系において、色相が0Y乃至10Yまたは0GY乃至10GY、及び
(8)ボストウィック粘度計による測定温度4℃、測定時間10秒の粘度測定値が28.0cm以下、
であることを特徴とする乳化調味料。
〔16〕次の(a)及び(b)の段階を含む前記の乳化調味料の製造方法。
(a)豆類及び種実類から選ばれる1種以上と油脂と酢酸と水とを含む原料を混合し、固形分の含有量が2質量%以上98質量%以下、全油脂分割合が10質量%以上、水分の含有量が20質量%以上に調整した混合液を製造する段階
(b)混合液の外観が、マンセル表色系において、明度6以上9以下、彩度1以上6以下、色相が0Y乃至10Yまたは0GY乃至10GYとなり、モード径が0.3μm以上100μm以下となり、ボストウィック粘度計による測定温度4℃、測定時間10秒の粘度測定値が28.0cm以下となるまで、媒体撹拌ミル、高圧ホモジナイザー及びコロイドミルから選ばれる1種以上によって微細化処理を行なう段階
〔17〕次の(a)及び(b)の段階を含む前記の乳化調味料の製造方法。
(a)豆類と油脂と酢酸と水とを含む原料を混合し、固形分の含有量が2質量%以上98質量%以下、全油脂分割合が10質量%以上、水分の含有量が20質量%以上に調整した混合液を製造する段階
(b)混合液の外観が、マンセル表色系において、明度6以上9以下、彩度1以上6以下、色相が0Y乃至10Yまたは0GY乃至10GYとなり、モード径が0.3μm以上100μm以下となり、ボストウィック粘度計による測定温度4℃、測定時間10秒の粘度測定値が28.0cm以下となるまで、媒体撹拌ミル、高圧ホモジナイザー及びコロイドミルから選ばれる1種以上によって微細化処理を行なう段階
本発明の乳化調味料には水分が20質量%以上含有される。乳化調味料の水分の含有量が25質量%以上であることが望ましく、30質量%以上であることがさらに望ましい。また、乳化調味料中の水分量は80質量%以下が好ましく、70質量%以下がより好ましい。本発明の乳化調味料における水分の含有量は、組成物全体の水分含有量(即ち、調味料の調製時に配合した水のみならず、食品やその他の任意成分に含まれる水分も含めた全水分)の組成物全体に対する重量比率を表す。組成物全体の水分含有量は、例えば農林物資の規格化等に関する法律(JAS法)によって規定された「水分」の測定方法で組成物を分析することで測定することができる。組成物の特性によって適当な測定方法を用いることができるが、本発明の乳化調味料においては、例えば「ドレッシングの日本農林規格」に規定された「半固体状ドレッシング及び乳化液状ドレッシング」における「水分」の測定方法を用いて測定することができる。
本発明の組成物を製造するにあたり、食品を粉砕溶媒中で微細化処理することが好ましい。具体的には、乾燥食品を油性溶媒及び/または水性溶媒を粉砕溶媒として媒体攪拌ミル処理、特に湿式ビーズミル処理に供することが好ましい。油性溶媒としては後述する各種の食用油脂が挙げられる。水性溶媒としては水の他、各種のビネガーやアルコール等が挙げられる。これらの油性溶媒及び/または水性溶媒は2種以上を混合して用いてもよい。特に粉砕溶媒に水分が含まれる場合、食品の水分含量が粉砕溶媒の水分含量よりも低い状態で媒体攪拌ミル処理、特に湿式ビーズミル処理に供することで、明度、彩度が高まる傾向にあるため、本発明の範囲に調整しやすく、有用である。具体的には、乾燥食品を油脂または水を粉砕溶媒として媒体攪拌ミル処理、特に湿式ビーズミル処理に供することが好ましい。特に辛味を持つ食品(マスタードなど)については、粉砕溶媒中で媒体攪拌ミル処理を行うと辛味が強く出すぎた品質となるため、媒体攪拌ミル後に別途微細化処理を実施したものを添加することが好ましい。また、微細化処理前の油脂または水中に食品を含有させた食品含有溶媒の粘度が20Pa・s以下であると良く、8Pa・s以下であることで、微細化処理効率がさらに高まるため、有用である。また、食品微粒子含有組成物の粘度(20℃)が100mPa・s以上であると好ましく、500mPa・s以上であるとより好ましい。
本発明において、単に「粘度(20℃)」と記載する場合は、回転粘度計による測定値を表し、B型粘度計を用いて定法に従って測定することができる。測定に際しては、測定上限値に留意して、適切な回転速度(6rpm〜60rpm)、ローター(No.1〜No.4)を用いて20℃に調整したサンプルの測定値を取得し、使用したローターと回転数に応じた換算乗数を測定値に乗算することで、「粘度(20℃)」の値を測定することができる。
測定に際しては、測定サンプルの粘度予想値がローターと回転速度から導かれる測定上限値のフルスケール近くになるような組合せを選択するが、粘度が全く不明の場合は、最高粘度域の測定設定(No.4のロータ、回転速度6rpm)から始め、順次低粘度域設定に変えていくことで、粘度を測定することができる。例えば、No.3ローター、回転速度60rpmでは上限値2000mPa・sまで測定することができ、測定値に換算乗数である20を乗算することで「粘度(20℃)」の数値を測定することができる。
本発明の乳化調味料には食塩が含まれる。食塩は乳化調味料の食材中に含まれる食塩でも良いが、精製処理がなされた食塩を食材とは別に添加する方が食材とのなじみが良いため好ましい。本発明における、乳化調味料中の全塩分(即ち、組成物の調製時に配合した食塩のみならず、食品微粒子やその他の任意成分に含まれる塩分も含めた全塩分)の調味料全体に対する重量比率は0.1質量%以上20質量%以下であることが好ましく、0.2質量%以上7.0質量%以下であることがより好ましく、0.3質量%以上5.0質量%以下であることがさらに好ましい。
本発明の調味料のモード径は、100μm以下であることで、マット感が高まるととともに容器から排出後の調味料表面の凹凸感が少なく良好な外観となるため、好ましい。50μm以下であることがより好ましく、15μm以下であることがより好ましく、10μm以下であることが最も好ましい。また、モード径が0.3μm未満となると、生産性が悪化する他、これ以上小さいサイズの超微細粒子については、生体内に取り込まれやすくなりアレルギーの原因となる虞もあるため、モード径は0.3μm以上が製造上効率的かつ安心であり、1.0μm以上がさらに効率的かつ安心であり、2.0μm以上が最も効率的かつ安心である。
調味料が充填される容器はどのようなものでも良いが、内容物が押し出されて排出される押し出し式容器(容器変形式、ガス充填式、ポンプ式など)については、連続的に排出された調味料表面が容器口部の形状に成型され、表面の凹凸感の少なさが際立ち、より美しい外観となるため、本発明は有用である。
本発明における粒子径とは全て体積基準で測定されたものを表し、また特に限定が無い場合、粒子径の測定値は超音波処理後の試料を分析して得られた結果を表す(超音波処理を行なうことで、複数の微粒子によって形成されたクラスタが破砕され、測定値は数倍〜数十倍程度小さくなる傾向があるため、超音波処理前の粒子径測定値とは全く異なる値が得られる。)。
また、モード径とは乳化調味料をレーザ回折式粒度分布測定装置を用いて測定して得られたチャンネルごとの粒子径分布について、粒子頻度%がもっとも大きいチャンネルの粒子径を表す。全く同じ粒子頻度%のチャンネルが複数存在する場合には、その中で最も粒子径の小さいチャンネルの粒子径を採用する。粒子径分布が正規分布であればその値はメジアン径と一致するが、粒子径分布に偏りがある場合、特に粒子径分布のピークが複数ある場合には大きく数値が異なる。レーザ回折式粒度分布測定装置によるサンプルの粒子径分布測定は、例えば以下の方法で実施することができる。
レーザ回折式粒度分布測定装置は、例えばマイクロトラック・ベル株式会社のMicrotrac MT3300 EXIIシステムを使用することができる。測定時の溶媒は、蒸留水を使用し、測定アプリケーションソフトウェアとして、DMS2(Data Management System version2、マイクロトラック・ベル株式会社)を使用することができる。測定溶媒に蒸留水を用いなければ、調味料中の粒子の特性が変化し、本発明の指標として適切に用いることができないため、必ず溶媒には蒸留水を用いて測定する。測定に際しては、測定アプリケーションソフトウェアの洗浄ボタンを押下して洗浄を実施したのち、同ソフトのSetzoroボタンを押下してゼロ合わせを実施し、サンプルローディングで適正濃度範囲に入るまでサンプルを直接投入できる。濃度範囲に入った後、超音波処理を行なわないサンプルについては、流速60%で10秒の測定時間でレーザ回折した結果を測定値とし、超音波処理を行なうサンプルについては、同ソフトの超音波処理ボタンを押下して40W、180秒間の超音波処理を行い、3回の脱泡処理を行ったうえで、流速60%で10秒の測定時間でレーザ回折した結果を測定値とすることができる。
測定条件としては、分布表示:体積、粒子屈折率:1.60、溶媒屈折率:1.333、測定上限(μm)=2000.00μm、測定下限(μm)=0.021μm、の条件で測定することができる。
本発明におけるチャンネル(CH)ごとの粒子径分布を測定する際は、後記の表1に記載した測定チャンネルごとの粒子径を規格として用いて測定することができる。各チャンネルに規定された粒子径を、「○○チャンネルの粒子径」とも称する。各チャンネルに規定された粒子径以下で、かつ数字が一つ大きいチャンネルに規定された粒子径(測定範囲の最大チャンネルにおいては、測定下限粒子径)よりも大きい粒子の頻度を各チャンネルごとに測定し、測定範囲内の全チャンネルの合計頻度を分母として、各チャンネルの粒子頻度%を求めることができる(「○○チャンネルの粒子頻度%」とも称する)。例えば1チャンネルの粒子頻度%は、2000.00μm以下かつ1826.00μmより大きい粒子の頻度%を表す。
本発明の乳化調味料において、超音波処理前の最大粒子径が30μm以下となるまで微細化を行なうと、食材の組織が破壊されて好ましく無い風味が付与されやすいため、超音波処理前の最大粒子径が30μmよりも大きくなるように微細化を行なう方法が好ましい。さらに、超音波処理前の最大粒子径が100μmよりも大きくなるように微細化を行なう方法がなお好ましい。
最大粒子径とは例えば以下の方法で測定することができる。すなわち、乳化調味料をレーザ回折式粒度分布測定装置を用いて測定して得られたチャンネルごとの粒子径分布について、粒子頻度%が認められたチャンネルのうち、最も粒子径が大きいチャンネルの粒子径を最大粒子径とすることができる。
また、本発明の調味料の粒子径は、超音波処理後のメジアン径が70μm以下であることで容器から排出後の調味料表面がさらに良好になるため好ましく、50μm以下であることがより好ましく、20μm以下であることがより好ましく、15μm以下であることがより好ましく、10μm以下であることが最も好ましい。また、メジアン径が0.3μm未満となると、生産性が悪化する他、これ以上小さいサイズの超微細粒子については、生体内に取り込まれやすくなりアレルギーの原因となる虞もあるため、メジアン径は0.3μm以上が製造上効率的かつ安心であり、1.0μm以上がさらに効率的かつ安心である。
メジアン径とは、乳化調味料をレーザ回折式粒度分布測定装置を用いて測定して得られた粒子径分布について、ある粒子径から2つに分けたとき、大きい側と小さい側の粒子頻度%の累積値が等量となる径である数値を表し、d50とも表記する。
また、本発明の調味料の粒子径は、90%積算径(d90)が163.0μm以下であることで容器から排出後の調味料表面がさらに良好になり写真映りが向上するため好ましく、150.0μm以下であることがさらに好ましく、100μm以下であることがさらに好ましく、30μm以下であることがさらに好ましく、10μm以下であることが最も好ましい。また、90%積算径(d90)が0.4μm未満となると、生産性が悪化する他、これ以上小さいサイズの超微細粒子については、生体内に取り込まれやすくなりアレルギーの原因となる虞もあるため、90%積算径は0.4μm以上が製造上効率的であり、4.0μm以上が最も効率的である。90%積算径とは、乳化調味料をレーザ回折式粒度分布測定装置を用いて測定して得られた粒子径分布について、ある粒子径から2つに分けたとき、大きい側と小さい側の粒子頻度%の累積値の割合が1:9となる径である数値を表し、d90とも表記する。
また、本発明の調味料は、上記のモード径及び/またはメジアン径であると共に、その算術標準偏差が60μm以下であることで容器から排出後の調味料表面がさらに良好になり、さらに写真映りが向上するため好ましく、46μm以下であることがより好ましく、31μm以下であることが特に好ましく、15μm以下であることが特に好ましく、10μm以下であることが最も好ましい。さらに、「算術標準偏差/モード径」の割合が10以下であると好ましく、9以下がさらに好ましい。
また、算術標準偏差が極端に小さい調味料については、製造効率が極端に下がるため、算術標準偏差は1μm以上が製造上効率的であり、1.5μm以上がさらに効率的である。1.8μm以上が特に効率的である。
本発明の調味料は、マンセル表色系(JISZ8721)において規定される明度が特定の範囲内であることで、マット感が高まる効果が発現され、また、被使用食品の見映えを改善し、食欲を増進する効果が得られるため好ましい。明度は6以上9以下の範囲であることが好ましく、7以上9以下の範囲であることがさらに好ましく、8以上9以下の範囲であることが最も好ましい。明度は反射率0の理想的な黒が0、完全反射の理想的な白を10として定義されるが、明度が高めであるほどマット感が高まるという、一般的な感覚とは反対の意外な効果はこれまで知られていなかった。
また、マンセル表色系において規定される明度が特定の範囲内であることに加えて、さらにマンセル表色系において規定される彩度が特定の範囲内であることで、過剰なツヤ感が抑えられ、マット感が高まる効果がさらに好ましく発現されるため好ましい。彩度は1以上6以下の範囲であることが好ましく、2以上5以下の範囲であることがさらに好ましく、2以上4の範囲以下であることが最も好ましい。彩度は、無彩色の彩度を0とし、無明度の無彩色から離れて特定の色相の特徴が強くなるに従って高くなるが、彩度とマット感との関係性はこれまで知られていなかった。
また、マンセル表色系において規定される明度、彩度が特定の範囲内であることに加えて、さらにマンセル表色系において規定される色相が特定の範囲内であることで、過剰なツヤ感が抑えられ、マット感が高まる効果がさらに好ましく発現されるため好ましい。色相がマンセル色相環(図1)において、0Y(10YR)よりも反時計回り側(R方向側)の色相の場合、ツヤ感が出すぎてしまいマット感が弱い外観になってしまうため好ましくなく、また色相が10GY(0G)よりも時計回り側(G方向側)の色相の場合、ツヤ感が出すぎてしまいマット感が弱い外観になってしまう他、調味料が戴置された状態の食品の見た目が食欲をそそらないものとなるため好ましくない。すなわち、色相が特定の範囲内であることで食欲増進効果が高まるため、色相は0Y乃至10Yまたは0GY乃至10GYであることが好ましく、0Y乃至10Yであることがさらに好ましく、2.5Y乃至10Yであることが最も好ましい。
色相はRYGBPを主要5色相とし、それぞれの中間にYR,GY、BG、PB、RPを加えた10色相を基準として、環状に時計回りに循環させて並べ、さらにそれぞれの間を等歩度に10分割してメモリをふって1Y〜10Yというように表示し、色相全体を表現する。また、本発明において色相の範囲を記載する場合は、特に指定が無い場合、図1の表において時計回りの範囲をあらわし、また、主要色相の境界部分、例えばYとGYの境界部分は10Yまたは0GYと表現することができる。例えば、0Y乃至10Yまたは0GY乃至10GYとは、0Y→10Y(または0GY)→10GYと連続的に変化する色相の範囲を表す(図1参照)。
本発明の乳化調味料は、食品添加物製剤として安定剤や乳化剤を使用しなくても略均一に分散した物性となる。均一性は、調味料を静置状態で12時間程度保管して、外観から評価することができる。また、本発明における乳化調味料は全く流動性が無い性状よりも0℃〜4℃のチルド状態でわずかに流動性がある半固形の性状である方が好ましい。具体的には、ボストウィック粘度計による粘度測定値(測定温度4℃)が10秒間で28.0cm以下であると好ましく、26.0cm以下であるとより好ましく、20.0cm以下であるとさらに好ましく、10cm以下であるとさらに好ましく、5cm以下であると最も好ましい。また、ボストウィック粘度計による粘度測定値(測定温度4℃)が10秒間で0.1cm以上であると、調味料使用時に排出性が良く好ましい。本発明の粘度測定値はボストウィック粘度計を用いて測定することができる。具体的にはKO式ボストウィック粘度計(深谷鉄工所社製、トラフ長28.0cmで、ボストウィック粘度すなわちサンプルのトラフ内における流下距離が最大28.0cmのもの)を用いて測定することができる。測定時には水準器を用いて装置を水平に設置し、ゲートを閉じた後リザーバーに4℃に温度調整したサンプルを満量まで充填し、ゲートを開くためにトリガーを押し下げると同時に時間を計測し、10秒経過時点でのトラフ内の材料の流下距離を測定することで、ボストウィック粘度計による粘度測定値を測定することができる。
本発明の調味料において、特定のアミノ酸及び/またはイミノ酸を含有することが好ましい。具体的には、フェニルアラニン、アスパラギン酸、グリシン、プロリンの合計含有量が500mg/100g以上であると好ましい。これらのアミノ酸及び/またはイミノ酸は、原料とする食品や食品添加物を用いてその含有量を調整することができる。
本発明で用いられる調味料において、特定のミネラルを含有することが好ましい。具体的には、カリウムとマグネシウムの合計含有量が25mg/100g以上であると好ましい。これらのミネラルはそれらを原料とする食品や食品添加物を用いてその含有量を調整することができる。
本発明で用いられる調味料において、昨今の健康志向の高まりから、コレステロールが低めであることが好ましい。具体的には、コレステロールが50mg/100g以下であると好ましく、25mg/100g以下であるとより好ましく、10mg/100g以下であるとさらに好ましく、5mg/100g以下であると最も好ましい。このようにコレステロールを低下させるには卵黄を含有しないのが好ましい。単にコレステロールを下げただけの卵黄フリーマヨネーズも世の中には存在するが、本発明のように食品を高せん断力で加圧条件下で短時間処理したものは存在しなかった。
本発明の調味料には、その構成要件を満たす範囲で必要に応じて一般的な食品に用いられる各種食品や食品添加物などを含んでいてもよい。例えば、醤油、味噌、アルコール類、糖類(ブドウ糖、ショ糖、果糖、ブドウ糖果糖液糖、果糖ブドウ糖液糖)、糖アルコール(キシリトール、エリスリトール、マルチトール)、人工甘味料(スクラロース、アスパルテーム、サッカリン、アセスルファムK)、ミネラル(カルシウム、カリウム、ナトリウム、鉄、亜鉛、マグネシウム等、及びこれらの塩類)、香料、pH調整剤(水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、乳酸、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸及び酢酸等)、シクロデキストリン、酸化防止剤(ビタミンE、ビタミンC、茶抽出物、生コーヒー豆抽出物、クロロゲン酸、香辛料抽出物、カフェ酸、ローズマリー抽出物、ビタミンCパルミテート、ルチン、ケルセチン、ヤマモモ抽出物、ゴマ抽出物等)などを挙げることができる。また、乳化剤(グリセリン脂肪酸エステル、酢酸モノグリセリド、乳酸モノグリセリド、クエン酸モノグリセリド、ジアセチル酒石酸モノグリセリド、コハク酸モノグリセリド、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン縮合リノシール酸エステル、キラヤ抽出物、ダイズサポニン、チャ種子サポニン、ショ糖脂肪酸エステル)や着色料や増粘安定剤も添加することができるが、昨今の自然志向の高まりからいわゆる乳化剤及び/または着色料及び/または増粘安定剤(例えば、食品添加物表示ポケットブック(平成23年版)の「表示のための食品添加物物質名表」に「着色料」「増粘安定剤」「乳化剤」として記載されているもの)を添加しない品質が望ましく、また特に着色料を添加しないほうが自然な色合いの調味料になるため、好ましい。さらに、食品添加物(例えば、食品添加物表示ポケットブック(平成23年版)中の「表示のための食品添加物物質名表」に記載されている物質を食品添加物用途に用いたもの)を含有しない品質が最も望ましい。
本発明の乳化調味料は、前記のように豆類及び種実類から選ばれる1種以上の食品微粒子を含有し、前記のような組成及び色調であることにより、過剰なツヤ感が抑えられ、マット感が付与されるが、前記のようなモード径や色調に調整するには前記成分を粉砕または微細化することにより行なわれる。
より好ましくは、次の(a)及び(b)の段階を行うことにより製造するのが好ましい。
(a)豆類及び種実類から選ばれる1種以上と油脂と有機酸と水とを含む原料を混合し、固形分の含有量が2質量%以上98質量%以下、全油脂分割合が10質量%以上、水分の含有量が20質量%以上に調整した混合液を製造する段階
(b)混合液の外観が、マンセル表色系において、明度6以上9以下、彩度1以上6以下、色相が0Y乃至10Yまたは0GY乃至10GYとなり、モード径が0.3μm以上100μm以下となり、ボストウィック粘度計による測定温度4℃、測定時間10秒の粘度測定値が28.0cm以下となるまで、媒体攪拌ミル、高圧ホモジナイザー及びコロイドミルから選ばれる1種以上によって微細化処理を行なう段階
ここで、(a)の混合液の製造段階において、(b)の前処理として、あらかじめ粗粉砕処理を行うのが好ましい。
本発明に用いられる粉砕処理または微細化手段は特に限定されず、食品を高せん断力で加圧条件下で短時間処理できる手段であればよく、ブレンダー、ミキサー、ミル機、混練機、粉砕機、解砕機、磨砕機などと称される機器類のいずれであってもよく、乾式粉砕、湿式粉砕のいずれであってもよく、高温粉砕、常温粉砕、低温粉砕のいずれであってもよい。例えば、乾式微粉砕機としては乾式ビーズミル、ボールミル(転動式、振動式など)などの媒体攪拌ミル、ジェットミル、高速回転型衝撃式ミル(ピンミルなど)、ロールミル、ハンマーミル、などを用いることができ、例えば、湿式微粉砕としては、ビーズミル、ボールミル(転動式、振動式、遊星式ミルなど)などの媒体撹拌ミル、ロールミル、コロイドミル、スターバースト、高圧ホモジナイザーなどを用いることができるが、湿式微粉砕処理された状態の乳化調味料については、コロイドミル、媒体攪拌ミル(ボールミル、ビーズミル)、高圧ホモジナイザーをより好適に用いることができる。例えば、高圧ホモジナイザーや攪拌媒体ミルを好ましく用いることができ、具体的には、粒子径2mm以下のビーズを用いたビーズミル粉砕機にて、出口圧力が常圧に加えて0.01MPa以上の加圧条件下(0.01MPa以上かつ1MPa以下に加圧されていることが好ましく、0.02MPa以上かつ0.50MPa以下に加圧されていることがさらに好ましい。また、せん断処理の前後で与圧下で処理がなされるものが好ましい)で、ワンパス処理(通常は処理時間30分未満となる)で破砕することで、本発明の特性を持つ乳化調味料を好ましく得ることができる。また、微細化処理時に常圧以上の加圧条件を作り出す方法はどのような方法でも良いが、媒体攪拌ミル(特にビーズミル粉砕機)で加圧条件を好ましく得るためには、処理出口に適当なサイズのフィルターを設置して、内容物の送液速度を調整しながら加圧条件を調整しながら処理する方法であれば、粉砕室内を与圧条件下に保った状態でせん断処理が行えるため好ましく、処理時間の過半で0.01MPa以上に加圧調整された状態で微細化処理が行なわれていることが好ましく、0.02MPa以上であることがさらに好ましい。媒体攪拌ミルを用いて処理をする場合は、処理前の内容物のボストウィック粘度計による粘度測定値(測定温度20℃)が1秒間で28.0cm以下であると圧力が調整しやすく好ましい。なお、加圧条件が過酷すぎると設備が破損する恐れがあるため、媒体攪拌ミルを用いて処理をする場合は、微細化処理時の加圧条件の上限は1.0MPa以下が好ましく、0.50MPa以下がさらに好ましい。
また、高圧ホモジナイザーを用いて微細化処理を行なうことで、好ましく加圧条件下での処理を行なうことができる。さらに高圧ホモジナイザー処理前に媒体攪拌ミル処理を行なうか、高圧ホモジナイザー処理後に媒体攪拌ミル処理を行なうことで、さらに好適に処理を行なうことができる。高圧ホモジナイザーとしては、1MPa以上の与圧条件下でせん断処理が可能な分散機であればどのようなものでも用いることができるが、例えばPANDA2K型ホモジナイザー(Niro Soavi社製)、キャビトロン(ユーロテック社製)、LAB2000(エスエムテー社製)などを用いることができる。処理条件としては、例えば0.01MPa以上に加圧調整された状態で微細化処理が行なわれていることが好ましく、0.02MPa以上であることがさらに好ましく、50MPa以上に加圧調整された状態での高圧均質化処理を単数回または複数回実施することで微細化処理を行なうことができる。上記の微細化処理を行う際には、食品を粉砕溶媒中で微細化処理することが好ましい。なお、加圧条件が過酷すぎると設備が破損する恐れがあるため、高圧ホモジナイザーを用いて処理をする場合は、微細化処理時の加圧条件の上限は200MPa以下が好ましい。
また、特に粉砕溶媒に水分が含まれる場合、食品の水分含量が粉砕溶媒の水分含量よりも低い状態で微細化処理に供することで、明度、彩度が高まる傾向にあるため、本発明の範囲に調整しやすく、有用である。具体的には、乾燥食品を油脂または水を粉砕溶媒として微細化処理に供することが好ましい。特に辛味を持つ食品(マスタードなど)については、粉砕溶媒中で媒体攪拌ミル処理を行うと辛味が強く出すぎた品質となるため、媒体攪拌ミル後に別途微細化処理を実施したものを添加することが好ましい。また、微細化処理前の油脂または水中に食品を含有させた食品含有溶媒の粘度が20Pa・s以下であることが良く、8Pa・s以下であることで、微細化処理効率がさらに高まるため、有用である。また、食品微粒子含有組成物の粘度(20℃)が100mPa・s以上であると好ましく、500mPa・s以上であるとより好ましい。
特に、湿式ビーズミルを用いた粉砕方法を用いることで、その他の処理法に比べて乳化調味料を静置した際に油脂分離が起こりにくい安定性の高い品質となるため好ましい。その原理は不明であるが、ビーズミル処理により食品微粒子の粒子状態が好ましく変化するためであると考えられる。また、湿式ビーズミル処理時の条件は、食材の大きさや性状、目的とする乳化調味料の性状に合わせて、ビーズの大きさや充填率、出口メッシュサイズ、原料スラリーの送液速度、ミル回転強度、一回のみ通過させる方式(ワンパス)か、何度も循環させる方式(循環式)かなどについて、適宜選択・調整すれば良いが、ワンパス処理が好ましく、処理時間が1秒以上90分以下であることがさらに好ましく、3秒以上60分以下であることが最も好ましい。処理時間が15分を超えると効果が頭打ちとなるため、処理時間は15分以下であると最も効率的である。本発明における処理時間とは、処理サンプルがせん断処理される時間を表す。例えば、粉砕室の容積が100mlでビーズを除いた処理液が注入可能な空隙率が50%のビーズミル破砕機において、毎分200mlの速度でサンプルを循環させずにワンパス処理する場合、粉砕室内の空寸が50mlであることから、サンプル処理時間は50/200=0.25分(15秒)となる。また、あらかじめ前処理として、ジェットミル、ピンミル、石臼粉砕ミルなどによって食材をあらかじめ粗粉砕したものを微細化処理に供することが良く、メジアン径1000μm以下100μm以上の大きさである粉末食材を微細化処理に供することで、原理は不明であるが、対象物への付着性がさらに高まるため、より好ましい。また、ビーズミル処理において、ビーズ材質とビーズミル内筒の材質が同じ材質であることが好ましく、材質が共にジルコニア化合物であるとさらに好ましい。
本発明の調味料は、その原理は不明だが、乳化調味料のマンセル表色系における明度、彩度、色相が特定の状態になるまで微細化処理を行なうことで乳化調味料のマット感が向上するという性質を示し、特に媒体攪拌ミル及び/または高圧ホモジナイザー及び/またはコロイドミルによって微細化処理を行った場合にその傾向が顕著に認められる。従って、本発明の調味料の製造法における微細化処理によるマット感の向上効果に着目した派生態様として、本発明には以下の発明が含まれる。媒体攪拌ミル、高圧ホモジナイザー及びコロイドミルから選ばれる1種以上によって微細化処理を行うことで、食材の微細化と粉砕溶媒である、油脂と有機酸と水との乳化反応が複合的に行われる。この複合反応をモード径とマンセル表色系における明度、彩度、色相が特定の範囲になるように調整しながら実施することで、マット感が向上した液状調味料を製造することができる。また、加圧条件下でこの微細化処理を行うことで、調味料の保型性が高まるため、さらに使い勝手の良い乳化調味料を製造することができる。その原因は定かではないが、高い圧力によって微細化粒子と乳化粒子が何らかの反応や構造変化を起こすためではないかと推測される。
(1)(a)及び(b)の段階を含む乳化調味料の製造方法
(a)豆類及び種実類から選ばれる1種以上と油脂と有機酸と水とを含む原料を混合し、水分の含有量が20質量%以上に調整した混合液を製造する段階
(b)混合液の外観が、マンセル表色系において、明度6以上9以下、彩度1以上6以下、色相が0Y乃至10Yまたは0GY乃至10GYとなり、モード径が0.3μm以上100μm以下となり、ボストウィック粘度計による測定温度4℃、測定時間10秒の粘度測定値が28.0cm以下になるまで、媒体攪拌ミル、高圧ホモジナイザー及びコロイドミルから選ばれる1種以上によって微細化処理を行なう段階
(2)(a)及び(b)の段階を含む乳化調味料のマット感向上方法
(a)豆類及び種実類から選ばれる1種以上と油脂と有機酸と水とを含む原料を混合し、水分の含有量が20質量%以上に調整した混合液を製造する段階
(b)混合液の外観が、マンセル表色系において、明度6以上9以下、彩度1以上6以下、色相が0Y乃至10Yまたは0GY乃至10GYとなり、モード径が0.3μm以上100μm以下となり、ボストウィック粘度計による測定温度4℃、測定時間10秒の粘度測定値が28.0cm以下になるまで、媒体攪拌ミル、高圧ホモジナイザー及びコロイドミルから選ばれる1種以上によって微細化処理を行なう段階
(3)微細化処理の過半が0.01MPa以上の加圧条件下で行なわれることを特徴とする(1)または(2)に記載の製造方法またはマット感向上方法
(4)(b)の微細化処理を50MPa以上の加圧条件下で高圧ホモジナイザーによって行う、(1)または(2)に記載の製造方法またはマット感向上方法
以下、本発明を実施例に則して更に詳細に説明するが、これらの実施例はあくまでも説明のために便宜的に示す例に過ぎず、本発明は如何なる意味でもこれらの実施例に限定されるものではない。
[乳化調味料の調製方法]
乳化調味料は以下のとおりに調製した。
表1に記載された原材料を混合した混合液を調製し、表中に記載の条件で微細化処理を実施した。
[乳化調味料試料の調製方法]
キャベツ、ブロッコリーの茎、カリフラワー、マッシュルームは加熱後ミキサーでペースト化した。ソテーオニオンは日本農産加工社製の市販品を用いた。精白米・玄米粉は加水して撹拌しながら加熱してペースト化した。種実類の一種であるアーモンド、豆類の一種である大豆、ヒヨコ豆、レンズ豆はそれぞれ乾燥したものを粉砕した。枝豆(大豆を未熟な状態で鞘ごと収穫したもので、豆が緑色(マンセル表色系において明度7、彩度8、色相5GY)の外観を呈するもの)は茹でて鞘から出して乾燥後粉砕した。じゃがいも、カボチャは皮を剥いて加熱したものをつぶして乾燥後粉砕して粉末を得た。また、マスタードオイル、オリーブオイル、キャノーラオイル、食塩、酒精酢、白ワインビネガー、純りんご酢、りんご酢、マスタードパウダー、クエン酸、甘酒(酵素処理で液化した米)、レモン果汁は市販品を用いた。
上記の材料を卓上攪拌機で外見上略均一になるまでよく攪拌し、高圧ホモジナイザー、媒体攪拌ミル(湿式ビーズミル微粉砕機)、攪拌乳化機を用いて、表中の処理条件にて微細化処理を施した。高圧ホモジナイザー処理に際しては、(LAB2000 エスエムテー社製)を用いて80MPa加圧下での高圧均質化処理を1回実施した。媒体攪拌ミル(湿式ビーズミル)処理に際しては、湿式ビーズミル微粉砕機の出口に0.3mmのフィルターを設置し、送液速度を適宜変更することで処理開始直後に粉砕室内が表中に記載された加圧条件となるように調整し、処理終了後まで一定の条件で微細化処理を行なった。加圧条件を、表中「媒体攪拌ミル加圧条件」「ホモジナイザー加圧」に、大気圧を0とした際の差圧を記載した。攪拌乳化機による乳化処理に際しては、プライミクス社製 TKホモミキサーを用いて、大気圧下で表中の処理条件にて微細化処理を施した。ビーズミル処理と高圧ホモジナイザー処理を連続して行う場合は、上記の方法を組み合わせて微細化処理を行った。高圧ホモジナイザー処理、攪拌乳化機による処理の実施詳細については、表中「ホモジナイザー処理」の項目に記載した(媒体攪拌ミル処理のみで、高圧ホモジナイザー処理を行っていないものについては、「−」と記載)。
(1)粒子径分布(モード径、比表面積、最大粒子径)
レーザ回折式粒度分布測定装置として、マイクロトラック・ベル株式会社のMicrotrac MT3300 EX2システムを用いて乳化調味料の粒子径分布を測定した。測定時の溶媒は、蒸留水を使用し、測定アプリケーションソフトウェアとして、DMS2(Data Management System version2、マイクロトラック・ベル株式会社)を用いた。測定に際しては、測定アプリケーションソフトウェアの洗浄ボタンを押下して洗浄を実施したのち、同ソフトのSetzoroボタンを押下してゼロ合わせを実施し、サンプルローディングで適正濃度範囲に入るまでサンプルを直接投入した。濃度範囲に入った後、超音波処理を行なわないサンプルについては、流速60%で10秒の測定時間でレーザ回折した結果を測定値とし、超音波処理を行なうサンプルについては、同ソフトの超音波処理ボタンを押下して40W、180秒間の超音波処理を行い、3回の脱泡処理を行ったうえで、流速60%で10秒の測定時間でレーザ回折した結果を測定値とした。
測定条件としては、分布表示:体積、粒子屈折率:1.60、溶媒屈折率:1.333、測定上限(μm)=2000.00μm、測定下限(μm)=0.021μm、の条件で測定した。
本発明におけるチャンネルごとの粒子径分布を測定する際は、表1に記載した測定チャンネルごとの粒子径を規格として用いて測定した。各チャンネルに規定された粒子径以下で、かつ数字が一つ大きいチャンネルに規定された粒子径(測定範囲の最大チャンネルにおいては、測定下限粒子径)よりも大きい粒子の頻度を各チャンネルごとに測定し、測定範囲内の全チャンネルの合計頻度を分母として、各チャンネルの粒子頻度%を求めた。具体的には以下132チャンネルのそれぞれにおける粒子頻度%を測定した。測定して得られた結果について、粒子頻度%がもっとも大きいチャンネルの粒子径をモード径とした。全く同じ粒子頻度%のチャンネルが複数存在する場合には、その中で最も粒子径の小さいチャンネルの粒子径をモード径として採用した。また、粒子頻度が認められたチャンネルのうち、最も粒子径が大きいチャンネルの粒子径を最大粒子径として採用した。

(2)ボストウィック粘度計による粘度測定値
ボストウィック粘度計による粘度測定値はKO式ボストウィック粘度計(深谷鉄工所社製)を用いて測定した。測定時には装置の水準器を用いて水平に設置し、ゲートを閉じた後リザーバーに4℃に温度調整したサンプルを満量まで充填し、ゲートを開くためにトリガーを押し下げると同時に時間を計測し、10秒経過時点でのトラフ内の材料の流下距離を測定した。
(3)色相、(4)明度、(5)彩度
マンセル表色系における色相、明度、彩度は「マンセルシステムによる色彩の定規拡充版(日本色研事業社製)」を用いて、同冊子に記載の定法に従って測定した。
(6)マット感、(7)ツヤ感、(8)旨辛味、(9)調味料表面の凹凸感、(10)保型性、(11)食欲増進効果(12)被使用食品の見映え(13)写真映り(14)総合評価
実施例、比較例で得られた各乳化調味料のサンプルについて、絞り袋に充填したものを、クラッカー(「ルヴァン(登録商標)」ヤマザキビスケット社製)上に絞り出したものを試食して、喫食前の外観の発色及び喫食時の食味について品質を評価する官能試験を、訓練された官能検査員のべ10名によって行った。この官能試験では、「マット感」「ツヤ感」「旨辛味」「調味料表面の凹凸感」「保型性」「食欲増進効果」「被使用食品の見映え」「写真映り」「総合評価」といった9項目についてそれぞれ5点満点で評価を行った。「マット感」については、5:マット感が強く好ましい、4:マット感がやや強くやや好ましい、3:普通、2:マット感がやや弱くやや好ましくない、1:マット感が弱く好ましくない、の5段階で、クラッカー上に絞り出した調味料外観について評価した。「ツヤ感」については、5:ツヤ感が目立たず落ち着いた外観、4:ツヤ感がやや目立たずやや落ち着いた外観、3:普通、2:ツヤ感がやや目立つやや落ち着かない外観、1:ツヤ感が目立つ落ち着かない外観、の5段階でクラッカー上に絞り出した調味料外観について評価した。「調味料表面の凹凸感」については、5:調味料表面の凹凸が目立たず見苦しくない、4:調味料表面の凹凸がやや目立たずやや見苦しくない、3:普通、2:調味料表面の凹凸がやや目立ちやや見苦しい、1:調味料表面の凹凸が目立ち見苦しい、の5段階でクラッカー上に絞り出した調味料外観について評価した。「保型性」については、5:調味料の形状が崩れにくく好ましい、4:調味料の形状がやや崩れにくくやや好ましい、3:普通、2:調味料の形状がやや崩れやすくやや好ましくない、1:調味料の形状が崩れやすく好ましくない、の5段階でクラッカー上に絞り出した調味料外観について評価した。
「旨辛味」については、5:旨みと辛みのバランスが良くおいしい、4:旨みと辛みのバランスがやや良くややおいしい、3:普通、2:旨みと辛みのバランスがやや悪くややおいしくない、1:旨みと辛みのバランスが悪くおいしくない、の5段階で食味を評価した。
「食欲増進効果」については、5:食欲をそそられる、4:食欲がややそそられる、3:普通、2:食欲がややそそられない、1:食欲がそそられない、の5段階で調味料が戴置された状態の食品の見た目が食欲をそそられるかを評価した。「被使用食品の見映え」については、5:おいしそうに見える、4:ややおいしそうに見える、3:普通、2:ややおいしそうに見えない、1:おいしそうに見えない、の5段階で調味料が戴置された状態の被使用食品(この場合クラッカー)の見た目を評価した。
「写真映り」については、デジタルカメラで十分な照度下で調味料が戴置された状態の被使用食品を撮影した場合に、5:反射(白飛び)が目立たず好ましい、4:反射(白飛び)がやや目立たずやや好ましい、3:反射(白飛び)がやや目立つが、許容範囲、2:反射(白飛び)がやや目立ちやや好ましくない、1:反射(白飛び)が目立ち好ましくない、の5段階で撮影写真の見た目を評価した。
「総合評価」については、5:おいしい、4:ややおいしい、3:普通、2:ややおいしくない、1:おいしくない、の5段階で見た目も加味した総合的なおいしさを評価した。各評価項目について、各検査員が自らの評価と最も近い数字をどれか一つ選択する方式で評価した。また、評価結果の集計はのべ10名のスコアの算術平均値に基づいて算出した。
官能検査員の訓練に際しては、下記A)乃至C)のような識別訓練を実施し、特に成績が優秀でかつ商品開発経験があり食品の味や外観といった品質についての知識が豊富で、定期的に商品の外観評価(保存性、嗜好性)に携わることで、各官能検査項目に関しての評価基準が評価前に統一されるよう訓練されており、各項目について絶対評価することが可能な検査員を選抜し、検査員のべ10名によって客観性のある官能検査を行った。
A)五味(甘味:砂糖の味、酸味:酒石酸の味、旨み:グルタミン酸ナトリウムの味、塩味:塩化ナトリウムの味、苦味:カフェインの味)について、各成分の閾値に近い濃度の水溶液を各1つずつ作製し、これに蒸留水2つを加えた計7つのサンプルから、それぞれの味のサンプルを正確に識別する味質識別試験、
B)濃度がわずかに異なる5種類の食塩水溶液、酢酸水溶液の濃度差を正確に識別する濃度差識別試験、及び、
C)メーカーA社醤油2つにメーカーB社醤油1つの計3つのサンプルからB社醤油を正確に識別する3点識別試験。
実施例中の「%」は特に指定がない限り「質量%」を表す。
得られた結果を表に示す。なお、全ての実施例において、超音波処理前の最大粒子径は30μmより大きいものであった。
また、実施例1〜31のそれぞれにおいて、本発明の粒度分布計測定条件の上限を超え、超音波処理後のモード径、d50、d90、算術標準偏差などの測定値に影響を与えない一辺2mmの角切ダイスオニオン、粒コーンを添加したサンプルを作成し、官能評価を行ったが官能検査の結果は変わらなかった。
また、焙煎大豆パウダーをを焙煎アーモンドパウダー(焙煎したアーモンドをパウダー状に加工したもの)または甘酒(定法により酵素処理して液化した米)に置き換えて試験検証したが、焙煎大豆パウダーを用いた場合と同様なマット感、ツヤ感、旨辛感、調味料表面の凹凸感、保型性等の効果が得られた。

Claims (11)

  1. 豆類及び種実類から選ばれる1種以上の食品微粒子と油脂と有機酸と水と食塩を含有する乳化調味料であって、
    (1)食品微粒子の含有量が2質量%以上98質量%以下、
    (2)全油脂分割合が10質量%以上、
    (3)モード径が0.3μm以上100μm以下、
    (4)水分の含有量が20質量%以上、
    (5)マンセル表色系において、明度6以上9以下、
    (6)マンセル表色系において、彩度1以上6以下、
    (7)マンセル表色系において、色相が0Y乃至10Yまたは0GY乃至10GY、及び
    (8)ボストウィック粘度計による測定温度4℃、測定時間10秒の粘度測定値が28.0cm以下
    であることを特徴とする乳化調味料。
  2. 豆類が大豆、種実類がアーモンドである請求項1記載の乳化調味料。
  3. さらに、野菜類を含有する請求項1または2記載の乳化調味料。
  4. 野菜類がアブラナ科植物である請求項3記載の乳化調味料。
  5. 野菜類がキャベツ、ブロッコリー、カリフラワー及びマスタードから選ばれる1種以上である請求項3または4記載の乳化調味料。
  6. さらに穀物類から選ばれる食品の1種以上を含有する請求項1〜5のいずれか1項記載の乳化調味料。
  7. 有機酸が酢酸を含むことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項記載の乳化調味料。
  8. 色相が5Y乃至10Yまたは0GY乃至5GYである請求項1〜7のいずれか1項記載の乳化調味料。
  9. 次の(a)及び(b)の段階を含む請求項1〜8のいずれか1項記載の乳化調味料の製造方法。
    (a)豆類及び種実類から選ばれる1種以上と油脂と有機酸と水とを含む原料を混合し、固形分の含有量が2質量%以上98質量%以下、全油脂分割合が10質量%以上、水分の含有量が20質量%以上に調整した混合液を製造する段階
    (b)混合液の外観が、マンセル表色系において、明度6以上9以下、彩度1以上6以下、色相が0Y乃至10Yまたは0GY乃至10GYとなり、モード径が0.3μm以上100μm以下となり、ボストウィック粘度計による測定温度4℃、測定時間10秒の粘度測定値が28.0cm以下となるまで、媒体撹拌ミル、高圧ホモジナイザー及びコロイドミルから選ばれる1種以上によって微細化処理を行なう段階
  10. (b)の微細化処理を0.01MPa以上の加圧条件下で行う請求項9記載の製造方法。
  11. (b)の微細化処理を50MPa以上の加圧条件下で高圧ホモジナイザーによって行う請求項9記載の製造方法。
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