JP7312618B2 - 分離液状ドレッシング用油脂組成物、分離液状ドレッシング、及びそれらの製造方法 - Google Patents

分離液状ドレッシング用油脂組成物、分離液状ドレッシング、及びそれらの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、分離液状ドレッシングの調製に用いる分離液状ドレッシング用油脂組成物に関し、特に、混合時には安定な分散状態が得られ、静置保存時には水相部と油相部が明瞭な界面で分離し、且つ油相部の濁りや泡が低減された分離液状ドレッシングを調製できる分離液状ドレッシング用油脂組成物に関する。
一般に、分離液状ドレッシングは、食用植物油脂と食酢若しくはかんきつ類の果汁を必須原材料として、食塩、砂糖類、香辛料等を加えて調製した調味料、又は上記の調味料にさらにピクルスの細片等を加えた調味料のうち、分離液状のもの(「ドレッシングの日本農林規格」参照)、或いは、前述のような形態のサラダ用調味料(「ドレッシング類の表示に関する公正競争規約(全国マヨネーズ・ドレッシング類協会)」参照)をいう。例えば、イタリアンドレッシング、和風ドレッシング、中華ドレッシング等の水相部と油相部を有するドレッシングのことを称する。分離液状ドレッシングは、静置保存時には水相部と油相部が明瞭な界面で分離しており、且つ使用時に混合することで均一に分散し、安定な分散状態が一定時間維持されることが望ましい。例えば、分離液状ドレッシングを野菜等の食品に使用する際、使用時に容器から油相部が多めに出てしまい、水相部より油相部の付着量が多くなり、油っぽく、風味を十分に感じられない場合がある。さらに、容器詰め分離液状ドレッシングを製造する際、水相部と油相部の材料を全て混合してから容器に充填する工程を行う場合、水相部と油相部が分離し易いと、混合物の充填工程中に水相部と油相部の比率が変化し、各容器に設計通りの比率で安定して充填できない場合がある。
したがって、従来から、分離液状ドレッシングにおける水相部と油相部の分散状態の安定性を向上させる油脂組成物の開発が行われている。例えば、特許文献1においては、ドレッシングを作る際に、ガム等の乳化安定剤を使わず、家庭でも簡単に乳化状態を一定時間保持できるドレッシングを作るためのドレッシング専用油を提供することを目的とし、食用油に分画レシチンを添加してなるドレッシング専用油が開発されている。また、特許文献2においては、水相部と油相部が分散しやすく、分散安定性が良好な分離液状ドレッシングでありながら、油脂本来の旨味やコクを有し、調味液の味が立つおいしい分離液状ドレッシングを製造するための油脂組成物を提供することを目的とし、0.12~0.5質量%のモノオレイン酸ジグリセリンおよび0.02~2.5質量%のソルビタン脂肪酸エステルを配合した分離液状ドレッシング用油脂組成物が開発されている。
特開昭62-11054号公報 特開2017-112890号公報
しかしながら、上述のような従来技術では、分離液状ドレッシングの混合時の安定な分散状態は得られるものの、静置保存時の外観については良好とはいえない場合がある。すなわち、分離液状ドレッシングは、静置保存時には、外観上、水相部と油相部が明瞭な界面で分離しており、油相部の濁りや泡が少ないことが望ましいが、従来技術では、条件によっては油相部の濁りや泡が多い場合がある。
したがって、本発明の目的は、混合時には安定な分散状態が得られ、静置保存時には水相部と油相部が明瞭な界面で分離し、且つ油相部の濁りや泡が低減された分離液状ドレッシングを調製できる分離液状ドレッシング用油脂組成物、及びそれを用いる分離液状ドレッシングを提供することにある。
本発明者らは、分離液状ドレッシングにおける混合時の水相部と油相部の分散状態の安定性と、静置保存時の良好な分離状態とを両立できる添加剤を種々検討した結果、所定の2種類の乳化剤を適切な含有量で含む油脂組成物とすることで、上記課題を解決できることを見出した。
すなわち、上記目的は、食用油脂、乳化剤A、及び乳化剤Bを含む分離液状ドレッシング用油脂組成物であって、前記乳化剤Aがレシチンであり、前記乳化剤Bが、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、及びグリセリン脂肪酸エステルからなる群から選択され、HLBが2.0~12.0の範囲である1種以上の乳化剤であり、前記乳化剤Aの含有量が、0.02~2.0質量%であり、前記乳化剤Bの含有量と前記乳化剤Aの含有量の質量比(乳化剤B/乳化剤A)が1.0~10.0であることを特徴とする分離液状ドレッシング用油脂組成物によって達成される。
本発明の分離液状ドレッシング用油脂組成物により、混合時には安定な分散状態が得られ、静置保存時には水相部と油相部が明瞭な界面で分離し、且つ油相部の濁りや泡が低減された分離液状ドレッシングを調製できるので、上述のような使用時や容器詰め分離液状ドレッシングの製造時における問題が生じず、且つ静置保存時における外観が良好な分離液状ドレッシングを提供することができる。
分離液状ドレッシングの油相部の外観の評価基準を説明するための写真である。
[分離液状ドレッシング用油脂組成物]
本発明の分離液状ドレッシング用油脂組成物は、食用油脂、乳化剤A、及び乳化剤Bを含み、前記乳化剤Aがレシチンであり、前記乳化剤Bが、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、及びグリセリン脂肪酸エステルからなる群から選択され、HLBが2.0~12.0の範囲である1種以上の乳化剤であり、前記乳化剤Aの含有量が、0.02~2.0質量%であり、前記乳化剤Bの含有量と前記乳化剤Aの含有量の質量比(乳化剤B/乳化剤A)が、1.0~10.0であることを特徴とする。本発明の分離液状ドレッシング用油脂組成物を分離液状ドレッシングの油相部に用いることで、混合時には安定な分散状態が得られ、静置保存時には水相部と油相部が明瞭な界面で分離し、且つ油相部の濁りや泡が低減された分離液状ドレッシングを調製できる。後述する実施例に示す通り、乳化剤A及び乳化剤Bとして用いる乳化剤の種類、並びにそれらの含有量が上記規定を満たさない場合は、本発明の効果が得られない。本発明において、前記乳化剤Aの含有量は、分離液状ドレッシング用油脂組成物の質量に基づいて、0.1質量%以上が好ましく、0.2質量%以上がより好ましく、1.0質量%以下が好ましく、0.5質量%以下がより好ましい。また、前記乳化剤Bの含有量と前記乳化剤Aの含有量の質量比(乳化剤B/乳化剤A)は、1.5以上が好ましく、2.0以上がさらに好ましく、6.0以下が好ましく、5.0以下がさらに好ましい。
本発明において食用油脂は、食用であれば特に制限はない。例えば、菜種油、ハイオレイック菜種油、大豆油、コーン油、米油、ヒマワリ油、ハイオレイックヒマワリ油、サフラワー油、ハイオレイックサフラワー油、綿実油、アボカド油、オリーブ油、ゴマ油、ココナツ油、落下生油、パーム油、パーム核油、ヤシ油、カカオ脂、藻油等の植物油脂、牛脂、豚脂、魚油、鯨油等の動物油脂、及びこれらに分別、水素添加、エステル交換等の加工処理を行った加工油脂、並びにこれらの油脂の2種以上を組み合わせた混合油脂を用いることができる。本発明において食用油脂は、常温、好ましくは10℃、さらに好ましくは5℃で流動性があることが好ましい。
本発明において、乳化剤Aとして用いるレシチンは、食品添加物公定書に記載されているレシチンを意味する。すなわち、油糧種子、又は動物原料から得られたもので、その主成分はリン脂質であると定義されるものである。レシチンにおけるリン脂質は、ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルイノシトール、ホスファチジルセリン、ホスファチジン酸、リゾホスファチジルコリン等である。本発明においてレシチンの原料は、大豆、菜種、ヒマワリ等の油糧種子原料、卵黄等の動物原料のいずれでもよく、それらの1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。また、粗製レシチン、精製レシチン、分別レシチン、酵素処理レシチン等のいずれでもよい。本発明において、レシチンの原料は大豆及び/又はヒマワリが好ましく、植物油精製時に生じる油滓から得られる粗製レシチンが好ましい。
本発明において、乳化剤Bとして用いられる乳化剤は、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、及びグリセリン脂肪酸エステルからなる群から選択され、HLBが2.0~12.0の範囲である1種以上の乳化剤である。上記の規定を満たす乳化剤であれば、どのような乳化剤でもよく、それらの1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの乳化剤の脂肪酸エステルを構成する脂肪酸としては、食用に使用できる動植物油脂由来の脂肪酸であれば特に制限はなく、例えば、炭素原子数8~22個の飽和又は不飽和脂肪酸等が挙げられる。具体的には、例えば、ソルビタン脂肪酸エステルとしては、ソルビタンモノオレート、ソルビタンモノラウレート等が挙げられ、プロピレングリコール脂肪酸エステルとしては、プロピレングリコールモノオレート、プロピレングリコールモノラウレート、プロピレングリコールモノステアレート等が挙げられる。また、グリセリン脂肪酸エステルは、モノグリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、及び有機酸モノグリセリドを含む。モノグリセリン脂肪酸エステルとしては、グリセリンモノステアレート、グリセリンモノベヘネート等が挙げられ、有機酸モノグリセリドとしては、クエン酸モノグリセリド、コハク酸モノグリセリド等が挙げられる。ポリグリセリン脂肪酸エステルを構成するポリグリセリンの平均重合度については特に制限はなく、例えば2~20の範囲であり、構成脂肪酸についても特に制限はなく、例えば、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、オレイン酸、ステアリン酸、ベヘン酸等が挙げられる。本発明において、前記乳化剤Bは、ポリグリセリン脂肪酸エステル、及び/又は有機酸モノグリセリドを含むことが好ましい。さらに、本発明において、前記乳化剤BのHLBは、2.5~8.0であることが好ましく、6.0~7.5の範囲であることがより好ましい。
[分離液状ドレッシング]
本発明の分離液状ドレッシングは、本発明の分離液状ドレッシング用油脂組成物を含む。上述の通り、一般に、分離液状ドレッシングは、イタリアンドレッシング、和風ドレッシング、中華ドレッシング等の水相部と油相部を有するドレッシングである。本発明の分離液状ドレッシングは、本発明の分離液状ドレッシング用油脂組成物を油相部に含むことで、混合時には安定な分散状態が得られ、静置保存時には水相部と油相部が明瞭な界面で分離し、且つ油相部の濁りや泡が低減された分離液状ドレッシングとすることができる。このような分離液状ドレッシングであれば、混合時に水相部と油相部の安定な分散状態が得られるので、野菜等の食品に使用した際に、油っぽくならず、風味を十分感じられ、使用後に容器内に残存するドレッシングの水相部と油相部の比率が変化することはない。さらに、本発明の分離液状ドレッシングは、静置保存時における外観が良好である。なお、本発明の分離液状ドレッシングの好ましい態様は、本発明の分離液状ドレッシング用油脂組成物の場合と同様である。
本発明の分離液状ドレッシングに含まれる、その他の材料としては、本発明の効果を阻害しない限り、通常、ドレッシングに含まれる材料であれば、特に制限はなく、ドレッシングの種類に応じて、適宜選択して配合することができる。例えば、水相部に使用される食酢としては、米酢、黒酢、モルト酢、玄米酢、リンゴ酢、ワインビネガー、バルサミコ酢等の醸造酢、及び合成酢が挙げられ、かんきつ類の果汁としては、レモン、みかん、すだち、ゆず、グレープフルーツ等の果汁が挙げられる。その他、食塩、糖類、高甘味度甘味料、酸味料、うま味調味料(アミノ酸、核酸等)、味噌、しょう油、みりん、コチュジャン、魚醤等の調味料;ワイン、清酒、梅酒等の酒類;コショウ、パプリカ、バジル、山椒、ワサビ、唐辛子等の香辛料類;クルミ、ゴマ、松の実、アーモンド等の種実類;しそ、しょうが、パクチー、セロリー、たまねぎ、トマト、にんじん、大根、にんにく、ねぎ、パセリ、ピーマン、ピクルス、みょうが、しその実等の野菜類;りんご、うめ、オリーブ、柿等の果実類;しいたけ、マッシュルーム、きくらげ等のきのこ類;コンブ、わかめ、ひじき等の海草類;ツナ、ホタテ、かつおぶしなどの魚介類;ベーコン、コンビーフ、ハム等の畜肉製品類;卵黄、卵白等の卵製品類;ヨーグルト、チーズ等の乳製品類;酵母エキス、肉エキス、魚介類エキス、野菜エキスなどのエキス類;ミネラル類;アスコルビン酸、ビタミンE等の酸化防止剤、増粘剤、静菌剤、上記以外の乳化剤等が挙げられる。これらの材料は、必要に応じて、細断、すりおろし、抽出、加熱等の処理を行った後で使用することもできる。
本発明の分離液状ドレッシングにおける、本発明の分離液状ドレッシング用油脂組成物の含有量は、特に制限はない。一般に、風味のバランス上、10~90質量%が好ましく、15~50質量%がより好ましい。本発明の分離液状ドレッシングは、上述の材料を適宜混合することで容易に製造することができる。
[分離液状ドレッシングの製造方法]
本発明の分離液状ドレッシングの製造方法は、本発明の分離液状ドレッシング用油脂組成物、及びその他の材料を混合する工程を含む。或いは、乳化剤Aとしてレシチンを0.02~2.0質量%、並びに乳化剤Bとして、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、及びグリセリン脂肪酸エステルからなる群から選択され、HLBが2.0~12.0の範囲である1種以上の乳化剤を、前記乳化剤Bの含有量と前記乳化剤Aの含有量の質量比(乳化剤B/乳化剤A)が、1.0~10.0になるように食用油脂に配合して分離液状ドレッシング用油脂組成物を調製する工程、前記分離液状ドレッシング用油脂組成物、及びその他の材料を混合する工程を含む。本発明の分離液状ドレッシング用油脂組成物、及びその他の材料(水相部の材料を含む)を混合する工程によって得られた分離液状ドレッシングは、上述の通り、混合時に水相部と油相部の安定な分散状態が得られるので、例えば、前記混合工程直後、又は経時後に再度混合した後、容器に充填する工程を行う場合、水相部と油相部の比率が変化し難く、各容器に設計通りの比率で安定して充填することができる。前記分離液状ドレッシング用油脂組成物の調製工程、及び前記混合工程は、公知の撹拌機を有する混合装置を用いて実施することができる。前記調製工程、及び前記混合工程は、必要に応じて、各材料を適切な温度に加熱しながら実施してもよく、加圧下、又は減圧下で実施してもよい。なお、本発明の分離液状ドレッシングの製造方法の好ましい態様は、本発明の分離液状ドレッシング用油脂組成物の場合と同様である。また、前記その他の材料は、上述の通りである。
以下、本発明を実施例により詳細に説明する。
1.分離液状ドレッシング用油脂組成物の調製
食用油脂として昭和キャノーラ油(昭和産業株式会社)を用い、表2~4に記載した質量%で、各乳化剤を配合して、ミキサーで混合し、各分離液状ドレッシング用油脂組成物を調製した。使用した乳化剤を表1に示す。
Figure 0007312618000001
2.分離液状ドレッシングの調製
水相部として、塩1質量部、砂糖4質量部、醸造酢30質量部、及び水35質量部の混合物、並びに油相部として、1.で調製した各分離液状ドレッシング用油脂組成物30質量部を用いて分離液状ドレッシングを調製した。
3.評価方法
各分離液状ドレッシング10gを試験管に入れ、撹拌機(TAITEC RECIPRO SHAKER SR-2s)にて、300rpmで5分間撹拌した。その後、20℃で静置保存し、分離状態を観察した。
(1)分散保持時間
分散保持時間は、参考例(特許文献2(特開2017-112890)の実施例3-7に記載された乳化剤配合)と比較して以下の評価基準に従って評価した。
◎:分離するまでの時間が参考例より長い
○:分離するまでの時間が参考例と同等
×:分離するまでの時間が参考例よりも短い
(2)油相部の外観
油相部の外観は、20℃で静置保存して15時間後の状態を観察し、以下の評価基準に従って評価した。なお、図1に各評価の油相部の外観の代表的な写真を示す。
◎:油相部が透明で、泡がなく、非常に良好
○:油相部がやや濁っており、泡があるものの、良好
×:油相部が濁っており、不良
3.評価結果
表2~表4に評価結果を示す。
Figure 0007312618000002
Figure 0007312618000003
Figure 0007312618000004
表2~表4に示した通り、乳化剤Aとしてレシチン、並びに乳化剤Bとして、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、及びグリセリン脂肪酸エステルからなる群から選択され、HLBが2.8~7.5の範囲である乳化剤を含み、乳化剤Aの含有量が、0.02~2.0質量%であり、乳化剤Bの含有量の乳化剤Aの含有量に対する質量比(乳化剤B/乳化剤A)が、1.0~10.0である実施例1~25の分離液状ドレッシング用油脂組成物を油相部に用いた分離液状ドレッシングは、分散保持時間が参考例と同等かそれ以上であり、静置保存時には、水相部と油相部が明瞭な界面で分離し、油相部の外観も良好であった。一方、ソルビタン脂肪酸エステルのみを配合した比較例1では、分散保持時間は短く、レシチンのみを配合した比較例2では、静置保存時の油相部の外観が不良であった。また、レシチンとグリセリン脂肪酸エステルを併用した場合であっても、HLBが13.0のポリグリセリン脂肪酸エステル3を用いた比較例3、及びHLBが0.5のポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステルを用いた比較例4では、静置保存時の油相部の外観が不良であった。
乳化剤Aであるレシチンの含有量については、HLBが7.0の有機酸モノグリセリドAと併用した場合であっても、0.01質量%の比較例5、及び4.0質量%の比較例7では、静置保存時の油相部の外観が不良であった。また、乳化剤Aであるレシチンの含有量が上記範囲内の0.1質量%であっても、乳化剤B/乳化剤A(質量比)が0.5である比較例8、及び20である比較例9では、静置保存時の油相部の外観が不良であった。なお、乳化剤Aであるレシチンの含有量が1.0質量%の場合も、乳化剤B/乳化剤A(質量比)が0.5である比較例6では、静置保存時の油相部の外観が不良であった。
以上の結果から、乳化剤Aとしてレシチン、並びに乳化剤Bとして、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、及びグリセリン脂肪酸エステルからなる群から選択され、HLBが2.0~12.0の範囲である1種以上の乳化剤を含み、乳化剤Aの含有量が、0.02~2.0質量%であり、乳化剤Bの含有量の前記乳化剤Aの含有量に対する質量比(乳化剤B/乳化剤A)が、1.0~10.0である分離液状ドレッシング用油脂組成物によって、混合時には安定な分散状態が得られ、静置保存時には水相部と油相部が明瞭な界面で分離し、且つ油相部の濁りや泡が低減された分離液状ドレッシングを調製できることが示唆された。
なお、本発明は上記の実施の形態の構成及び実施例に限定されるものではなく、発明の要旨の範囲内で種々変形が可能である。
本発明の分離液状ドレッシング用油脂組成物により、混合時には安定な分散状態が得られ、静置保存時には水相部と油相部が明瞭な界面で分離し、且つ油相部の濁りや泡が低減された分離液状ドレッシングを調製できるので、上述のような使用時や容器詰め分離液状ドレッシングの製造時における問題が生じず、且つ静置保存時における外観が良好な分離液状ドレッシングを提供することができる。

Claims (7)

  1. 食用油脂、乳化剤A、及び乳化剤Bを含む分離液状ドレッシング用油脂組成物であって、
    前記乳化剤Aがレシチンであり、
    前記乳化剤Bが、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、及びグリセリン脂肪酸エステルからなる群から選択され、HLBが2.0~12.0の範囲である1種以上の乳化剤であり、
    前記乳化剤Aの含有量が、0.02~2.0質量%であり、
    前記乳化剤Bの含有量と前記乳化剤Aの含有量の質量比(乳化剤B/乳化剤A)が、1.0~10.0であることを特徴とする分離液状ドレッシング用油脂組成物。
  2. 前記乳化剤Bが、ポリグリセリン脂肪酸エステル及び/又は有機酸モノグリセリドを含む請求項1に記載の分離液状ドレッシング用油脂組成物。
  3. 前記乳化剤BのHLBが、2.5~8.0である請求項1又は2に記載の分離液状ドレッシング用油脂組成物。
  4. 請求項1~3のいずれか1項に記載の分離液状ドレッシング用油脂組成物を含む分離液状ドレッシング。
  5. 請求項1~3のいずれか1項に記載の分離液状ドレッシング用油脂組成物、及びその他の材料を混合する工程を含む
    分離液状ドレッシングの製造方法。
  6. 乳化剤Aとしてレシチンを0.02~2.0質量%、並びに
    乳化剤Bとして、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、及びグリセリン脂肪酸エステルからなる群から選択され、HLBが2.0~12.0の範囲である1種以上の乳化剤を、前記乳化剤Bの含有量と前記乳化剤Aの含有量の質量比(乳化剤B/乳化剤A)が、1.0~10.0になるように食用油脂に配合して分離液状ドレッシング用油脂組成物を調製する工程、
    前記分離液状ドレッシング用油脂組成物、及びその他の材料を混合する工程を含む
    分離液状ドレッシングの製造方法。
  7. 請求項5又は6に記載の製造方法によって、分離液状ドレッシングを製造することによる分離液状ドレッシングの油相部の濁りや泡を低減する方法。
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