JP2017112890A - 分離液状ドレッシング用油脂組成物および分離液状ドレッシング - Google Patents

分離液状ドレッシング用油脂組成物および分離液状ドレッシング Download PDF

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Abstract

【課題】本発明の課題は、保存時は水相部と油相部の界面が分離しているものの、軽く振ることによって均一に分散し、しばらくは水相部と油相部が分離しない分離液状ドレッシングであって、調味液の優れた香味が十分に発揮された分離液状ドレッシングを提供することである。【解決手段】本発明よって、0.12〜0.5質量%のモノオレイン酸ジグリセリンおよび0.02〜2.5質量%のソルビタン脂肪酸エステルを配合した分離液状ドレッシング用油脂組成物が提供される。【選択図】図1

Description

本発明は、分離液状ドレッシング用油脂組成物および分離液状ドレッシングに関する。
一般にドレッシングは、その状態から、半固形状ドレッシング、乳化液状ドレッシング、分離液状ドレッシングの3つに大別される。日本農林規格(JAS規格)においても、「食用植物油脂と食酢又はかんきつ類の果汁を主原材料(必須原材料)として、食塩、砂糖類、香辛料等を加えて調製し、水中油滴型に乳化した半固体状若しくは乳化液状の調味料、又は分離液状の調味料であって、主としてサラダに使用するもの」をドレッシングと定義している。
半固形状ドレッシングは、マヨネーズに代表されるドレッシングであり、半固形状であることを大きな特徴とする。一方、液状のドレッシングである乳化液状ドレッシングは、フレンチドレッシングを代表とする油脂を完全に乳化し、コロイド状態としたドレッシングであり、クリーミーな食感と風味が特徴である。また、分離液状ドレッシングは、イタリアンドレッシングや和風ドレッシングのように、乳化しておらず、水相部と油相部の界面がきれいに分かれるドレッシングであり、あっさりとキレのある風味を特徴とする。
分離液状ドレッシングに関する技術としては、例えば、以下の文献が知られている。特許文献1(特開2009−278932号公報)には、HLBが1〜9のグリセリン脂肪酸エステルを油脂に0.02〜1.2質量%配合することによって油相部に水相部の風味を付与することが提案されている。また、特許文献2(特公昭55−26821号公報)や特許文献3(特公平6−57125号公報)には、カラギーナンなどの増粘剤を水相に添加して水相の粘度を上げることによって、水相と油相を混ざりやすくすることが提案されている。さらに、特許文献4(特公昭60−00972号公報)には、ドレッシングの全量に対して微量のショ糖脂肪酸エステルを添加することによって、水相と油相を分離しにくくすることが提案されている。
特開2009−278932号公報 特公昭55−26821号公報 特公平06−57125号公報 特公昭60−00972号公報
分離液状ドレッシングは、保存時は水相部と油相部の界面が分離しているものの、喫食時などにおいては軽く振ることによって均一に分散し、しばらくは水相部と油相部が分離しないことが大切である。特に小さいポーションカップや小袋などの容器に充填されたドレッシングの場合、軽い撹拌によってもしばらくは分離しないことが重要になる。
水相部と油相部が分離しやすいと、野菜などの食品にドレッシングをかけた際、油相部分の付着が多くなり、油っぽく、ドレッシングの風味があまり感じられない。また、容器に充填されたドレッシングを何回か使用しているうちに、油相だけが容器から先に出てしまい、容器に残ったドレッシングは水相の比率が高くなってしまう。
また、分離液状ドレッシングの水相部と油相部を分散させやすくすることは、喫食時だけでなく、ドレッシングを容器などに充填する際にも重要である。一般に、容器入り分離液状ドレッシングを製造する場合、水相部と油相部を別々に調製し、水相と油相を別々に容器に充填する方法と、水相部と油相部を含む全ての原料を混合してから容器に充填する方法とがある。後者の場合、水相部と油相部が分離しないように撹拌しながら充填するなどの対策が取られるものの、水相部と油相部が分離しやすいと、水相部と油相部を一定の比率で容器に充填することができず、充填後の水相部と油相部の比率にばらつきが生じてしまう。
上記した特許文献2や特許文献3には、水相にカラギーナンを添加して水相部と油相部を混ざりやすくすることが提案されているが、これら方法では、加熱殺菌によってカラギーナンの増粘作用が損なわれてしまう。また、特許文献4の方法はその効果が十分でなく、依然として、分離液状ドレッシングの水相部と油相部を分散させやすく、分離しにくくする技術が求められている。
このように、分離液状ドレッシングにおいて水相部と油相部を分散しやすくすることは、ドレッシングの喫食時はもちろん、容器詰めドレッシングの製造時においても重要なことである。一方で、分散のしやすさや分散安定性を追求すると、乳化剤の添加量を多くする方法や油滴を細かくする方法が考えられるが、分散時の油滴が細かくなりすぎて液状ドレッシングとしてぼやけた特徴のない香味になってしまうことがある。また、水相部の調味液によって油相部がにごった液状ドレッシングになってしまうことがある。
このような状況に鑑み、本発明の課題は、水相部と油相部が分散しやすく、分散安定性が良好な分離液状ドレッシングでありながら、油脂本来の旨味やコクを有し、調味液の味が立つおいしい分離液状ドレッシングを提供すること、さらには、そのような分離液状ドレッシングを製造するための油脂組成物を提供することである。
本発明者らが上記課題について鋭意検討したところ、特定の乳化剤を併用して油脂に添加することによって、分離液状ドレッシングの水相部と油相部が分散しやすくなり、しかも、調味液本来の優れた香味が十分に発揮されることを見いだし、本発明を完成させるに至った。具体的には、食用油脂に対して0.12〜0.5質量%のモノオレイン酸ジグリセリンと0.02〜2.5質量%のソルビタン脂肪酸エステルを配合することによって、分離液状ドレッシングの油相部として極めて好適な油脂組成物が得られることを見いだした。
本発明は、これに限定されるものではないが、以下の態様を包含する。
(1) 0.12〜0.5質量%のモノオレイン酸ジグリセリンおよび0.02〜2.5質量%のソルビタン脂肪酸エステルを配合した分離液状ドレッシング用油脂組成物。
(2) ソルビタン脂肪酸エステルがソルビタンオレイン酸エステルを含む、(1)に記載の油脂組成物。
(3) ソルビタン脂肪酸エステル/モノオレイン酸ジグリセリンの質量比が1.5以下である、(1)または(2)に記載の分離液状ドレッシング。
(4) (1)〜(3)のいずれかに記載の油脂組成物を含む、分離液状ドレッシング。
(5) 容器に充填されている、(4)に記載の分離液状ドレッシング。
(6) 0.12〜0.5質量%のモノオレイン酸ジグリセリンおよび0.02〜2.5質量%のソルビタン脂肪酸エステルを食用油脂に配合して油脂組成物を得る工程、油脂組成物を水性組成物と混合してドレッシングを得る工程、混合したドレッシングを容器に充填する工程、を含む、容器詰め分離液状ドレッシングの製造方法。
本発明によれば、分離液状ドレッシングの水相部と油相部を軽い撹拌によって十分に均一に分散させることができ、しばらくは水相部と油相部を分離しにくくすることができる。これにより、喫食時においては、分離液状ドレッシングの水相部と油相部を所定の比率で野菜などの食品に付着させることができ、分離液状ドレッシングの特徴であるキレやあっさりとした風味を十分に楽しむことができる。また、容器詰めドレッシングの製造時においては、分離液状ドレッシングの水相部と油相部をムラなく一定の比率で容器に充填することが可能になり、安定した品質の分離液状ドレッシングを製造することが可能になる。
また本発明によれば、水相部の調味液によって油相部がにごってしまうことも抑制される。これによって、油相を構成する油脂、水相を構成する調味液のそれぞれの香味が十分に発揮され、分離液状ドレッシングの風味がメリハリのあるものとなるのに加え、ドレッシングの外観も優れたものとなる。
特に小さいポーションカップや小袋などの容量の小さい容器に充填されたドレッシングにおいては、喫食時の軽い撹拌によっても十分に水相部と油相部が均一に分散でき、製造時においては、水相部と油相部の全てを含む原料を混合してから容器に充填する方法においても、水相部と油相部をムラなく一定の比率で充填することが重要であるところ、本発明によれば、効果的にこの課題を解決することができる。
さらに本発明によれば、分離液状ドレッシングの分散性を向上させるだけでなく、油脂本来の旨味やコクを有し、調味液の味が立っているおいしい分離液状ドレッシングを提供することができる。本発明によってこのような優れた効果が奏される理由の詳細は必ずしも明らかでなく、本発明は以下の推論に拘束されるものではないが、特定の乳化剤を特定の量で併用することによって、分散時間を好適なものに維持しつつ、分散時の油滴の大きさを適度な範囲に制御できるため、調味液本来の優れた香味が十分に発揮され、メリハリのある風味を有する分離液状ドレッシングが得られるものと推測される。
図1は、実験例で油相のにごりを評価したサンプルを示す写真である(左側:にごりのないサンプル、右側:強いにごりがあるサンプル)。
本発明は、分離液状ドレッシング用油脂組成物および分離液状ドレッシングに関する。本発明の分離液状ドレッシング用油脂組成物は、油脂に対して0.12〜0.5質量%のモノオレイン酸ジグリセリンと0.02〜2.5質量%のソルビタン脂肪酸エステルが乳化剤として配合されていることを特徴とする。本発明の分離液状ドレッシング用油脂組成物では、水相部と油相部が分散しやすく、両者がしばらくは分離しにくいようにするとともに、分散時の油滴の大きさが過度に小さくならないように、油脂に対してモノオレイン酸ジグリセリンおよびソルビタン脂肪酸エステルが上記の量で併用して配合されている。
ドレッシングの分離のしにくさは、例えば、ドレッシングを撹拌後、油相が浮上し2層に分離するまでの時間によって評価することができる。製造時の強い撹拌、具体的には、ホモジナイザーを用いて3000rpmで約3分間撹拌した後に2層に分離するまでの時間は、好ましい態様において20分間以上であり、40分間以上であってもよい。好ましい態様において本発明に係るドレッシングは、喫食前の軽い撹拌、具体的には、容器に充填した分離液状ドレッシングを上下に5回反転させた後に2層に分離するまでの時間が、好ましくは25秒以上であり、より好ましくは1分間以上であり、さらに好ましくは2分30秒以上である。
本発明において、分離液状ドレッシング用油脂組成物とは、分離液状ドレッシングの油相部として用いられる油脂組成物である。一般に、分離液状ドレッシングは、水相部と油相部によって構成され、油脂組成物が油相部として用いられる。分離液状ドレッシングの水相部は水分を主体とし、これに必要に応じて水溶解性または水分散性の原料が配合される。主な構成原料としては、食酢、調味料、香味料等が挙げられる。本発明の分離液状ドレッシング用油脂組成物は、水相部に相当するものと合わせることで、簡単に分離液状ドレッシングを調製することができる。
本発明の分離液状ドレッシング用油脂組成物に含まれる油脂は、食用であれば特に限定されるものではなく、植物由来であるか、動物由来であるか、また、合成品であるかも問わない。例えば、大豆油、菜種油、キャノーラ油、コーン油、ひまわり油、紅花油、とうもろこし油、綿実油、ゴマ油、シソ油、亜麻仁油、落花生油、オリーブ油、ブドウ種子油、マカデミアナッツ油、ヘーゼルナッツ油、カボチャ種子油、クルミ油、椿油、茶実油、エゴマ油、ボラージ油、米糠油、小麦胚芽油、パーム油、パーム核油、ヤシ油、カカオ脂、牛脂、豚脂、鶏脂、乳脂、魚脂、アザラシ脂、藻類脂などを単独または組み合わせて使用することができる。また、品質改良によって低飽和化された油脂、水素添加油脂、グリセリンと脂肪酸のエステル化油、エステル交換油、分別油脂なども適宜使用することができる。さらに、遺伝子組換えの技術を用いて品種改良した植物から抽出したものであってもよい。
本発明の分離液状ドレッシング用油脂組成物には、モノオレイン酸ジグリセリンを油脂に対して0.12〜0.5質量%の量で配合する。かかる範囲の配合量とすると、分離液状ドレッシングとした際に、ドレッシングを軽く振るだけで水相部と油相部とを良好に分散させることができ、しばらくは水相部と油相部を分離しにくくすることができる。なお、上限は0.4質量%以下が好ましく、0.3質量%以下としてもよい。
また、本発明の分離液状ドレッシング用油脂組成物には、モノオレイン酸ジグリセリンの他に、油脂に対して0.02〜2.5質量%のソルビタン脂肪酸エステルを配合する。かかる範囲の配合量でモノオレイン酸ジグリセリンとソルビタン脂肪酸エステルを併用すると、分離液状ドレッシングの分散性を向上させるだけでなく、油脂本来の旨味やコクを有し、調味液の味が立っているおいしい分離液状ドレッシングを提供することができる。好ましい態様において、ソルビタン脂肪酸エステルの配合量は、油脂に対して0.03〜1.5質量%、より好ましくは0.04〜1.0質量%、さらに好ましくは0.05〜0.5質量%である。
さらに、本発明の好ましい態様において、モノオレイン酸ジグリセリンとソルビタン脂肪酸エステルを併用する場合の質量比率(ソルビタン脂肪酸エステル/モノオレイン酸ジグリセリン)は5.5以下であり、より好ましくは1.5以下、さらに好ましくは0.5以下である。ソルビタン脂肪酸エステル/モノオレイン酸ジグリセリンの質量比率が低くなると、分散した際の油滴サイズをある程度の大きさに維持しやすくなり、優れた風味を有するドレッシングが得られやすくなる。
本発明においてモノオレイン酸ジグリセリンと併用するソルビタン脂肪酸エステルは、制限なく使用することができるが、HLBが好ましくは10以下であり、より好ましくは7以下、さらに好ましくは5.5以下である。併用するソルビタン脂肪酸エステルのHLBの下限は特にないが、2以上が好ましく、4以上としてもよい。
また、本発明で使用するソルビタン脂肪酸エステルについて、脂肪酸の種類は特に制限されないが、オレイン酸エステルやラウリン酸エステルを好ましい態様として例示することができ、特にオレイン酸エステルが好ましい。また、エステルは、モノ脂肪酸エステル、ジオレイン酸エステル、トリオレイン酸エステルなどを好ましく使用することができ、中でも、モノ脂肪酸エステルを特に好ましく使用することができる。
本発明の分離液状ドレッシングは、上記油脂組成物と水相を構成する水性組成物とを混合することによって製造することができる。特に本発明の分離液状ドレッシングは、水相部と油相部が分離しにくいため、容器に充填する際に充填ムラが生じにくく、油相部のにごりもない、優れた品質の容器詰め分離液状ドレッシングを安定的に製造することができる。
本発明の分離液状ドレッシングは、主としてサラダ料理などの食品に使用される分離液状の調味料であり、水相部と油相部とからなる。そして、風味に応じて、和風ドレッシング、中華ドレッシング、フレンチドレッシング、イタリアンドレッシング、醤油ドレッシング、ゴマ風味ドレッシング等に分類される。水相部に使用される成分は、主として食酢、調味料、香味料などである。一方、油相部に使用される成分は油脂であり、上述の本発明の分離液状ドレッシング用油脂組成物に使用するものと同様である。
食酢には、一般に、合成酢と穀類又は果実を酢酸発酵させた醸造酢があるが、本発明においてはいずれを使用してもよいし、その両方を使用してもよい。穀物酢としては、例えば、米酢、かす酢、黒酢、モルト酢、玄米酢等が挙げられる。果実酢としては、例えば、りんご酢、ワインビネガーやバルサミコ酢等のブドウ酢等が挙げられる。
調味料としては、例えば、ワイン、清酒、梅酒等の酒類、醤油、味噌、みりんなどの発酵調味料、ヨーグルト、発酵乳、コチュジャン、魚醤等を挙げることができる。
香味料には、香辛料、香味野菜、ハーブ、その他が含まれ、適宜使用することができる。例えば、胡椒、パプリカ、バジル、山椒、わさび、とうがらしなどのハーブ及び香辛料類、くるみ、ゴマ、松の実、アーモンドなどの種実類、ツナ、ホタテ、かつおぶしなどの魚介類、ベーコン、コンビーフ、ハム等の加工肉製品類、卵類、しそ、しょうが、セロリー、たまねぎ、トマト、にんじん、にんにく、ねぎ、パセリ、ピーマン、ピクルス、みょうが、しその実等の香味野菜類、うめ、オリーブ、グレープフルーツ、すだち、りんご、レモン、みかんの果実類の実及びその果汁、しいたけ、マッシュルーム、きくらげ等のきのこ類、コンブやわかめなどの藻類、天然エキス、酵母エキス、肉エキス、魚介類エキス、野菜エキスなどのエキス類が挙げられる。
本発明の分離液状ドレッシングには、その目的とする風味、香り、品質に応じて、食塩、酸味料、うまみ調味料(アミノ酸、核酸等)、たんぱく加水分解物、糖類、甘味料、スクラロースなどの高甘味度甘味料、ミネラル類、香料、アスコルビン酸やビタミンEなどの酸化防止剤、増粘剤、乳化剤、水、静菌剤、各種肉類などを加えることができる。その他にも、ごま、のり、しいたけ、ねぎ、ナッツ、ベーコン、ゆずなどの固形具材などを添加することもできる。
本発明の分離液状ドレッシングでは、油相部は、ドレッシング全体の10〜90質量%が風味のバランスという点で好ましく、15〜50質量%がより好ましい。
本発明の分離液状ドレッシングは、水相を構成する水性組成物と油相を構成する油脂組成物とから一般的な方法によって製造することができる。一般的には、食用油脂以外の各種原材料を加温可能な攪拌槽に投入し、加熱攪拌を行い、水相部を調製する。加熱攪拌は、原材料の均一な混合、溶解、及び殺菌を目的とし、これを達成できれば特に条件は制限されない。加熱攪拌は、加圧、減圧、常圧下で可能であり、通常は常圧下で行われる。温度条件は制限されるものではなく、原材料の溶解、殺菌がなされればよい。通常は、40〜95℃、好ましくは60〜95℃で行われる。攪拌は、原料の均一な混合等がなされればよく、各種攪拌機を用いることができる。回転数、攪拌時間などの撹拌条件は、原材料が均一に混合されれば、特に制限されない。その後、水相部を常温程度まで冷却し、食用油脂を中心として別途調製された油相部と合わせることでドレッシング類が得られる。
一つの態様において、本発明は分離液状ドレッシングの製造方法であり、食用油脂に対して0.12〜0.5質量%のモノオレイン酸ジグリセリンと0.02〜2.5質量%のソルビタン脂肪酸エステルを配合して油脂組成物を得る工程、油脂組成物を水性組成物と混合してドレッシングを得る工程、混合したドレッシングを容器に充填する工程、を含む。
一般に、容器入り分離液状ドレッシングは、比重の高い水相を先に容器に充填し、次いで油相を容器に充填することによって製造する方法、水相と油相とを混合してから容器に充填して製造する方法などが知られている。特に小さいポーションカップや小袋などの容量の小さい容器に充填する際に多く用いられる水相と油相とを予め混合してから容器に充填する方法においては、容器に充填する際に水相部と油相部が分離し、均一な組成で安定して分離液状ドレッシングを容器に充填することが困難な場合があるところ、本発明によれば水相部と油相部とが分離しにくいため安定して分離液状ドレッシングを容器に充填し、密封することができる。
分離液状ドレッシングを充填する容器は、特に制限はなく、一般的な分離液状ドレッシングに使用する種々の容器を用いることができる。このような容器としては、例えば、ガラス製容器、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリ乳酸などの樹脂製容器、紙製容器、金属製容器などを適宜使用することができ、ボトルなどの自立型容器であっても袋などの非自立型容器であてもよい。また、本発明に係る分離液状ドレッシングは水相部と油相部の分散が容易であり、使用時に容器を上下または左右に軽く振る、または箸等で混ぜるだけで全体を均一に分散させることが可能なため、容量の小さな容器に充填した分離液状ドレッシングでも容易に分散させることができる。容器の容量に特に制限はないが、例えば、500ml以下であることが好ましく、300ml以下がより好ましく、100ml以下であることがさらに好ましく、50ml以下としてもよい。本発明によれば分散性に優れた分離液状ドレッシングが得られるので、容器の容量が小さい場合に特に本発明の効果を大きく享受することができ、好適である。
以下、本発明を実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、特に記載しない限り、本明細書において濃度などは重量基準であり、数値範囲はその端点を含むものとして記載される。
実験例:容器入り分離液状ドレッシングの調製および評価
(1)分離液状ドレッシング用油脂組成物の調製
約100質量部の食用菜種油(昭和産業製キャノーラ油)に対して、各種乳化剤を各表に記載の添加量で添加し、加温可能な容器において撹拌しながら60℃に加温し、均一な油脂組成物を得た。本実験で使用した乳化剤の詳細を以下の表に示す。
(2)分離液状ドレッシングの調製
醤油35%(キッコーマン製・特選丸大豆しょうゆ)、穀物酢35%(ミツカン製・穀物酢)、砂糖10%(三井製糖製・上白糖)、こしょう少々(ハウス食品製・ホワイトペッパー)を混合し、分離液状ドレッシングの水相部を調製した。この水相部80質量%に対して、上記(1)で調製した油脂組成物20質量%を添加して混合し、醤油味の分離液状ドレッシングを調製した。
(3)分離液状ドレッシングの評価
上記のようにして調製した分離液状ドレッシングを、下記の手順にしたがって訓練したパネラーによって評価した。
分離するまでの時間(分散保持時間) 得られた分離液状ドレッシング(油脂組成物量:20%)100gを専用容器(3型)に入れ、カッターをセットした後、ホモジナイザー(HIGH-FLEX HOMOGENIZER HF-93、エスエムテー製)を用いて3000rpmで3分間撹拌し、水相部と油相部を混合した。混合後のドレッシングを直ぐにガラス容器(容積:130mL)へ移し、目視により観察して、水相部と油相部が分離するまでに要した時間を確認した。分散状態が維持される時間に応じて、下記の基準により5段階で評価した。
・1点: 1分未満
・2点: 1分以上20分未満
・3点:20分以上40分未満
・4点:40分以上60分未満
・5点:60分以上
(油相部のにごり) 得られた分離液状ドレッシング(油脂組成物量:20%)100gを、上記と同様にホモジナイザーを用いて混合し、ガラス容器(容積:130mL)に移してから24時間後の油相部の状態を目視により確認した。下記の基準に基づいて4段階で評価した(図1の右側が1点、左側が4点である)。
・1点:強いにごりがある(非常に悪い)
・2点:にごりがある
・3点:若干にごりがある
・4点:にごりがない(非常に良好)
(分散後の油滴の大きさ) 得られた分離液状ドレッシング(油脂組成物量:20%)100gをガラス容器(容積:130mL)に充填した後、手で上下に5回振とうさせて水相部と油相部を混合し、混合してから2分後の油滴の状態を目視により確認した。サンプルA(乳化剤としてモノオレイン酸ジグリセリンのみを配合)を対照区とし、下記の基準に基づいて5段階で評価した。
・1点:対照区と比較して油滴サイズが小さい
・2点:対照区と比較して油滴サイズがやや小さい
・3点:対照区と同等の油滴サイズ
・4点:対照区と比較して油滴サイズがやや大きい
・5点:対照区と比較して油滴サイズが大きい
(ドレッシングの分散性) 得られた分離液状ドレッシング(油脂組成物量:20%)100gが充填された容器(容量:130mL)を上下に5回反転させて水相部と油相部を混合してから、混合したドレッシングが2層に分離するまでの時間を評価した。評価基準は下記のとおりである。
・1点:25秒未満
・2点:25秒以上2分30秒未満
・3点:2分30秒以上(良好)
(ドレッシングの風味) 得られた分離液状ドレッシング(油脂組成物量:20%)が充填された容器を上下に5回反転させて水相部と油相部を混合してから、混合したドレッシングを野菜サラダにかけ、ドレッシングの風味を官能評価した。具体的には、訓練されたパネラー6名によって下記の基準に基づいて5段階で官能評価し、各パネラーの評点の平均値を算出し、評点とした。
・1点:調味料の味を感じにくい(非常に悪い)
・2点:調味料の味をやや感じにくい(悪い)
・3点:調味料の味を感じる
・4点:調味料の味を強く感じられる(良好)
・5点:調味料の味をはっきり強く感じられる(非常に良好)
表2に、油脂に対して0.20質量%のモノオレイン酸ジグリセリン(HLB:約7.5)と0.10質量%の種々の乳化剤を添加して実験した結果を示す。表に示した結果から明らかなように、本発明の実施品(サンプル2−10〜2−14)は、分散安定性に優れるとともに、油相のにごりもなく、ドレッシングの風味に関する官能評価結果も良好だった。一方、比較品であるサンプル2−1〜2−9は、サンプルAと比較して分散安定性は同等以上であったが、油相部ににごりがあり、ドレッシングの風味も調味液の味を強く感じられるものではなかった。本発明の実施品は、分散時の油滴のサイズが比較的大きく、また、油相への水相の混入も少なかったことから、本発明の実施品は、油脂に由来する旨味やコクを十分に感じられ、しかも、調味液の風味もしっかりと堪能できるものだったと考えられる。
表3に、モノオレイン酸ジグリセリン(HLB:約7.5、0.20質量%)と種々のソルビタン脂肪酸エステルとを様々な配合量で油脂に添加した実験の結果を示す。表から明らかなように、本発明によれば、モノオレイン酸ジグリセリンのみを乳化剤として配合したドレッシング(サンプルA)と比較して優れたドレッシングを得ることができた。また、ソルビタン脂肪酸エステルのHLBが1.8や8.0の場合と比較して、HLBが2.5〜7であるとさらに優れたドレッシングとなる傾向があった。
表4に、モノオレイン酸ジグリセリン(HLB:約7.5)とモノオレイン酸ソルビタン(HLB:4.3)を様々な配合量で油脂に添加した実験の結果を示す。表から明らかなように、モノオレイン酸ジグリセリンの配合量が0.10質量%(サンプル4−1)だと分散性が低下し、0.60質量%(サンプル4−13)だと油相部がにごり、ドレッシングの風味がぼやけたものとなった。一方、本発明によれば優れた分離液状ドレッシングを得ることができ、特に、サンプル4−5〜4−7は、総合的に大変優れていた。また、ソルビタン脂肪酸エステル/モノオレイン酸ジグリセリンの質量比が1.5以下であると優れたドレッシングが得られやすい傾向があった。

Claims (6)

  1. 0.12〜0.5質量%のモノオレイン酸ジグリセリンおよび0.02〜2.5質量%のソルビタン脂肪酸エステルを配合した分離液状ドレッシング用油脂組成物。
  2. ソルビタン脂肪酸エステルが、ソルビタンオレイン酸エステルを含む、請求項1に記載の油脂組成物。
  3. ソルビタン脂肪酸エステル/モノオレイン酸ジグリセリンの質量比が1.5以下である、請求項1または2に記載の分離液状ドレッシング。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の油脂組成物を含む、分離液状ドレッシング。
  5. 容器に充填されている、請求項4に記載の分離液状ドレッシング。
  6. 0.12〜0.5質量%のモノオレイン酸ジグリセリンおよび0.02〜2.5質量%のソルビタン脂肪酸エステルを食用油脂に配合して油脂組成物を得る工程、
    油脂組成物を水性組成物と混合してドレッシングを得る工程、
    混合したドレッシングを容器に充填する工程、
    を含む、容器詰め分離液状ドレッシングの製造方法。
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