JP2001231491A - ドレッシング - Google Patents

ドレッシング

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JP2001231491A
JP2001231491A JP2000047955A JP2000047955A JP2001231491A JP 2001231491 A JP2001231491 A JP 2001231491A JP 2000047955 A JP2000047955 A JP 2000047955A JP 2000047955 A JP2000047955 A JP 2000047955A JP 2001231491 A JP2001231491 A JP 2001231491A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明の目的は、風味良好な、特に水相部のも
たらす風味、香味と油相部のもたらすコク、マイルド感
の両立したドレッシングを提供することに関する。 【解決手段】 油相部に中鎖脂肪酸を含む事により風味
良好な、特に水相部のもたらす風味、香味と油相部のも
たらすコク、マイルド感の両立したドレッシングに関す
る。好ましくは油相部が全体の1〜65質量%であり、
該油相部が主としてトリグリセリドからなる油脂組成物
であって、油脂組成物を構成する全脂肪酸に占める中鎖
脂肪酸の割合が3〜40質量%であり、全トリグリセリ
ドに占める中鎖脂肪酸残基を分子内に1つ以上有するト
リグリセリドの割合が3〜90質量%であり、水層部に
醗酵原料、香味原料の1種または2種以上を含むことを
特徴とするドレッシングである。また、該中鎖脂肪酸が
炭素数6〜12の飽和脂肪酸であることが好ましく、油
相部と水相部がO/W型に乳化した状態でも良い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はドレッシングに関
し、特に水相部のもたらす風味・香りに優れ、油相部の
もたらすコク、マイルド感とのバランスに優れた、風味
良好なドレッシングに関する。
【0002】
【従来の技術】サラダ料理類は広く一般に食されるメニ
ューであり、食事の栄養バランスを重視する傾向が強ま
るとともに、毎日の食事で積極的に採られるようになっ
てきている。サラダ料理類には調味料としてドレッシン
グが使用されるのが通常であり、サラダ料理類にコクあ
るいはマイルドな風味を与えるために油相部には通常大
豆油、菜種油、紅花油、綿実油、コーン油、ひまわり
油、オリーブ油、胡麻油等の食用植物油脂が用いられ
る。ただし食用植物油脂にはコクあるいはマイルドな風
味を与える利点がある一方で、水相部の構成によっては
水相部の風味、特に香味を味覚及び嗅覚上抑制する難点
があり、このような場合、従来は必要な風味、香味を得
るために適当な原材料を増量するかまたは香料の添加な
どを行っていた。このような方法は風味全体のバランス
を崩す傾向があった。また、水相部に工夫し風味の改善
を試みたものとして、ドレッシングの水相部にキサンタ
ンガムを含有させて増粘し香辛料を均一に分散すること
で香辛料の風味を際立たせるもの(特公昭62-43659号公
報)や特定粒子分布のおろし野菜と特定粘度範囲の水相
部をもってしておろし野菜の風味、食感をサラダに付与
せんとするもの(特開平08-173082号公報)があるが、
油相部が水相部の風味、特に香味を味覚及び嗅覚上抑制
するという問題点が解決されておらず充分に改善された
ものとは言えなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、油相
部の改善により、風味良好な、特に水相部のもたらす風
味・香りに優れ、さらに油相部のもたらすコク・マイル
ド感とのバランスに優れた、風味良好なドレッシングを
提供することを課題とする。
【0004】
【発明が解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明者らは鋭意研究を重ねた結果、中鎖脂肪酸が
一定量油相部に含まれることで、水相部のもたらす風味
・香りが引き立つことを見出し、下記の発明を達成し
た。すなわち本発明は、油相部と水相部とからなり、油
相部が全体の1〜65質量%となるように調整する。該
油相部は、主としてトリグリセリドからなる油脂組成物
であって、油脂組成物を構成する全脂肪酸に占める中鎖
脂肪酸の割合が3〜40質量%であり、全トリグリセリ
ドに占める中鎖脂肪酸残基を分子内に1つ以上有するト
リグリセリドの割合が3〜90質量%である。水層部に
は食酢、醗酵原料、香味原料含むことを特徴とする。こ
の様な構成をとることで、風味良好な、特に水層部の香
り立ちが引き立ったドレッシングを得ることができる。
また、該中鎖脂肪酸が炭素数6〜12の飽和脂肪酸であ
ることが好ましい。さらに、油相部と水相部がO/W型
に乳化した状態の場合も、好適な風味を有するので好ま
しい。
【0005】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳しく説明する。
本発明は油相部に中鎖脂肪酸を含む風味良好な、特に水
相部のもたらす風味、香りを引き立たせ、さらに、油相
部のもたらすコク、マイルド感のバランスがとれたドレ
ッシングを提供することを課題としている。本発明のド
レッシングは水相部と油相部からなる。油相部は全体の
1〜65質量%、好ましくは5〜60質量%、さらに好
ましくは10〜55質量%であり、該油相部が主として
トリグリセリドからなる油脂組成物である。油相部が1
質量%未満ではコク等が得られず、65質量%より多い
場合には水層部の香り等を抑制しすぎるため好ましくな
い。ここで、「主として」とは、油脂組成物中に、トリ
グリセリドが85質量%以上、好ましくは90質量%、
さらに好ましくは95質量%以上含まれていることを意
味するものとする。本発明で中鎖脂肪酸とは炭素数が6
〜12の脂肪酸、特に飽和脂肪酸が好ましい。例として
は、カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸
が挙げられ、炭素数が8〜10の飽和脂肪酸、特にカプ
リル酸およびカプリン酸が好ましい。脂肪酸残基は脂肪
酸からカルボキシル基のOHを取った基である。本発明
のドレッシングにおいては、油相部を構成する全脂肪酸
に占める中鎖脂肪酸の割合が3〜40質量%で、かつ全
トリグリセリドに占める、中鎖脂肪酸残基を分子内に1
つ以上有するトリグリセリドの割合が3〜90質量%で
あることが必要である。中鎖脂肪酸の割合と中鎖脂肪酸
残基を分子内に1つ以上有するトリグリセリドの割合が
この範囲外では水相部のもたらす風味・香りが引き立た
ず、また、油相部のもたらすコク・マイルド感との両立
という特長が生じない。油相部を構成する全脂肪酸に占
める中鎖脂肪酸の割合は3〜40質量%、好ましくは4
〜30質量%、さらに好ましくは5〜25質量%であ
る。全トリグリセリドに占める、中鎖脂肪酸残基を分子
内に1つ以上有するトリグリセリドの割合は3〜90質
量%、好ましくは5〜80質量%、さらに好ましくは7
〜70質量%である。本発明のドレッシングの油相部の
油脂組成物は、原料としての油脂と中鎖脂肪酸とを適宜
混合した後、ナトリウムメチラートを触媒としてまたは
脂質分解酵素の存在下にエステル交換反応を行い、この
際に、油脂組成物を構成する全脂肪酸に占める中鎖脂肪
酸の割合、および全トリグリセリドに占める、中鎖脂肪
酸残基を分子内に1つ以上有するトリグリセリドの割合
が前記特定範囲内に入るようにエステル交換反応を調整
することにより得ることもできる。原料油脂としては、
通常の食用油脂、例えば大豆油、菜種油、高オレイン酸
菜種油、コーン油、ゴマ油、ゴマサラダ油、シソ油、亜
麻仁油、落花生油、紅花油、高オレイン酸紅花油、ひま
わり油、高オレイン酸ひまわり油、綿実油、ブドウ種
油、マカデミアナッツ油、ヘーゼルナッツ油、カボチャ
種子油、クルミ油、椿油、茶実油、エゴマ油、ボラージ
油、オリーブ油、米糠油、小麦胚芽油、パーム油、パー
ム核油、ヤシ油、カカオ脂、牛脂、ラード、鶏脂、乳
脂、魚油、アザラシ油、藻類油、品質改良によって低飽
和化されたこれらの油脂およびこれらの水素添加油脂、
分別油脂等が挙げられる。中鎖脂肪酸についてはすでに
記述したが、中鎖脂肪酸に代えてまたはこれと共に中鎖
脂肪酸トリグリセリドを用いることもできる。中鎖脂肪
酸トリグリセリドとしては、前記中鎖脂肪酸とグリセリ
ンとを常法によりエステル化反応に付して得られるトリ
グリセリドを用いることができるが、一般にMCT(M
ediumChain Triglycerides)
と称せられる、ヤシ油分解脂肪酸等の炭素数が8〜10
の飽和脂肪酸から構成される単酸基もしくは混酸基トリ
グリセリド、例えばカプリル酸/カプリン酸=60/4
0〜75/25(質量比)のトリグリセリドが好適に使
用できる。油脂組成物を構成する全脂肪酸に占める中鎖
脂肪酸の割合、および全トリグリセリドに占める、中鎖
脂肪酸残基を分子内に1つ以上有するトリグリセリドの
割合は原料油脂組成を勘案し、原料油脂と中鎖脂肪酸と
の使用比率を調整し、エステル交換反応中の反応生成物
のトリグリセリド組成を測定することによって調整でき
る。本発明のドレッシングの水層部には、食酢、醗酵原
料、香味原料を含有する。上記油相部は水層部の風味・
香り立ちを引き立たせるが、特に、食酢、醗酵原料、香
味原料が有する香気成分や味について好適な効果が得ら
れるので、水相部にこれらを含有するものが好ましい。
水相部のもたらす風味、香りとは主に食酢、醗酵原料、
香味原料のもつ香気成分をいい、通常の香り、及び、口
に入れた場合に感じる風味・香りをいう。油相部は、ド
レッシング全体としてコク・マイルド感を付与するが、
その量および性状によっては、水層部の風味・香り立ち
を抑制してしまい、水層部由来の良好な点を損なうこと
がある。特に、通常は水層部に香り立ちの成分・原料を
配合することから、ドレッシングの特徴や好ましいとい
う印象は水層部により形成される。このため、この水層
部の風味・香り立ちをどのように生かすかが、ドレッシ
ング全体の価値を決めることが多い。しかし、上述のよ
うに、油相部はコク・マイルド感を付与するという利点
もあることから、水層部の風味・香り立ちをいかに抑制
せず、油相部から得られるコク・マイルドをどのように
バランス良く付与するかが問題となる。本発明は上記構
成により、これらの問題を解決し、風味等に優れたドレ
ッシングを提供する。さらに、O/W型の乳化状態はド
レッシングにクリーミーな食感を与えるものであるが食
用植物油脂がコクあるいはマイルドな風味を与える利点
がある一方で、油相部の構成によっては水相部の風味、
特に香味を味覚及び嗅覚上抑制する難点があることは分
離液状ドレッシングと変わりないことから、O/W型乳
化状のドレッシングに関しても同様に風味に関し、好適
な効果が得られる。
【0006】本発明のドレッシングは水相部と油相部か
らなる。油相部は全体の1〜65質量%、好ましくは5
〜60質量%、さらに好ましくは10〜55質量%であ
る。油相部が1質量%未満ではコク等が得られず、65
質量%より多い場合には水層部の香り等を抑制しすぎる
ため好ましくない。該油相部が主としてトリグリセリド
からなる油脂組成物である。ここで、「主として」と
は、油脂組成物中に、トリグリセリドが85質量%以
上、好ましくは90質量%、さらに好ましくは95質量
%以上含まれていることを意味するものとする。
【0007】上記中鎖脂肪酸を含むことで本発明の効果
を得ることができ、通常の長鎖脂肪酸を中心とした食用
油脂等と比べて、水相部の香り立ち等が向上されてい
る。ここで、短鎖脂肪酸を一定量含む場合については、
独特の異臭がする場合が多く、ドレッシング全体の風味
を考えると好ましいとはいえない。本発明で中鎖脂肪酸
とは炭素数が6〜12の脂肪酸、特に飽和脂肪酸が好ま
しい。例としては、カプロン酸、カプリル酸、カプリン
酸、ラウリン酸が挙げられ、炭素数が8〜10の飽和脂
肪酸、特にカプリル酸およびカプリン酸が好ましい。脂
肪酸残基は脂肪酸からカルボキシル基のOHを取った基
である。中鎖脂肪酸は、ヤシ油、パーム核油等に含まれ
分解、蒸留により得ることが出来る。また、その機能と
して体脂肪蓄積抑制、エネルギー消費の増加、腹持ち効
果、血中脂質低下、インシュリン分泌促進、カルシウム
吸収促進、ビタミンE吸収促進等が知られている。
【0008】本発明のドレッシングにおいては、油相部
を構成する全脂肪酸に占める中鎖脂肪酸の割合が3〜4
0質量%で、かつ全トリグリセリドに占める、中鎖脂肪
酸残基を分子内に1つ以上有するトリグリセリドの割合
が3〜90質量%であることが必要である。中鎖脂肪酸
の割合と中鎖脂肪酸残基を分子内に1つ以上有するトリ
グリセリドの割合がこの範囲外では水相部のもたらす風
味・香りが引き立たず、また、油相部のもたらすコク・
マイルド感の両立という特長が生じない。油相部を構成
する全脂肪酸に占める中鎖脂肪酸の割合は3〜40質量
%、好ましくは4〜30質量%、さらに好ましくは5〜
25質量%である。全トリグリセリドに占める、中鎖脂
肪酸残基を分子内に1つ以上有するトリグリセリドの割
合は3〜90質量%、好ましくは5〜80質量%、さら
に好ましくは7〜70質量%である。また、全トリグリ
セリドに占める、中鎖脂肪酸残基を分子内に1つまたは
2つ有するトリグリセリドの割合は3〜85質量%、好
ましくは5〜75質量%、さらに好ましくは7〜65質
量%である。さらには、全トリグリセリドに占める、中
鎖脂肪酸残基を分子内に2つ有するトリグリセリドの割
合は1〜40質量%、好ましくは2〜30質量%、さら
に好ましくは3〜20質量%である。
【0009】ここで、トリグリセリドを構成する脂肪酸
で中鎖脂肪酸以外の脂肪酸は、主に長鎖脂肪酸である
が、これらについては特に制限はないが、C16〜C1
8の場合が好ましく、さらに不飽和脂肪酸が多く含まれ
ていることが好ましく、特にオレイン酸18:1
(9)、リノール酸18:2(9,12)が一定量含ま
れている場合が好ましい。
【0010】本発明のドレッシングの油相部の油脂組成
物は、原料としての油脂と中鎖脂肪酸とを適宜混合した
後、ナトリウムメチラートを触媒としてまたは脂質分解
酵素の存在下にエステル交換反応を行い、この際に、油
脂組成物を構成する全脂肪酸に占める中鎖脂肪酸の割
合、および全トリグリセリドに占める、中鎖脂肪酸残基
を分子内に1つ以上有するトリグリセリドの割合が前記
特定範囲内に入るようにエステル交換反応を調整するこ
とにより得ることができる。ナトリウムメチラートを触
媒とするエステル交換反応を行う場合、原料油脂と中鎖
脂肪酸もしくは中鎖脂肪酸トリグリセリドとを脂肪酸の
質量で、前者/後者の質量比=60/40〜97/3で
混合し、混合物を100mmHg以下の減圧下で80〜
120℃に加熱し、原料混合物に含まれる気体成分およ
び水分を除去する。これにナトリウムメチラート0.0
2〜0.5質量%を添加し、常圧・窒素気流下あるいは
10mmHg以下の減圧下で10〜60分間、80〜1
20℃で攪拌することによりエステル交換反応を行う。
エステル交換反応の率はガスクロマトグラフィーにより
反応生成物のトリグリセリド組成を測定することにより
確認する。反応の停止は反応生成物に水を添加するかリ
ン酸などの酸を添加することにより行う。その後、触媒
および過剰の酸を除去するために十分な水洗を行い、乾
燥後、反応生成物を常法により脱色、脱臭する。
【0011】脂質分解酵素を用いてエステル交換反応を
行う場合、原料油脂と中鎖脂肪酸もしくは中鎖脂肪酸ト
リグリセリドとを脂肪酸の質量で前者/後者の質量比=
60/40〜97/3で混合し、脂質分解酵素の活性が
十分に発揮される反応温度である40〜100℃の範囲
に調温する。これに脂質分解酵素を原料混合物に対して
0.005〜10質量%の割合で添加し、2〜48時間
の範囲でエステル交換反応を行う。この反応は常圧下で
窒素気流中で行うことが望ましい。求める油相部の品質
に応じ、また、酵素の寿命等を含む製造コストを考慮
し、エステル交換反応率を好適に調整することもでき
る。エステル交換反応の完了はガスクロマトグラフィー
により反応生成物のトリグリセリド組成を測定すること
により確認する。反応の停止は酵素を濾過により除去す
ることにより行う。反応生成物は水洗、乾燥の後、常法
により脱色、脱臭する。なお、中鎖脂肪酸を使用した場
合は、反応の停止後に遊離脂肪酸を薄膜式エバポレータ
ーで除去しておく。
【0012】脂質分解酵素としては、アルカリゲネス
属、キャンデイダ属、リゾプス属、ムコール属またはシ
ュードモナス属由来のリパーゼや、肝臓由来のホスホリ
パーゼA等が挙げられるが、特にキャンデイダ属または
リゾプス属由来のリパーゼが好ましい。
【0013】ここで、エステル交換反応、精製等の過程
で中鎖脂肪酸の含量が低減することもあることから、上
記よりも多めに配合することで、最終状態の含量を好適
な範囲に調整することもできる。
【0014】また、本発明のドレッシングの油相部は上
記に列挙したようなエステル交換によって得られた油脂
組成物と原料油脂とを適宜混合して所望の中鎖脂肪酸含
量とトリグリセライド組成を得ることができる。同様に
原料油脂とMCTとを単純に適宜混合することによって
得ることもできるが上記に列挙したようにエステル交換
を行うことにより中鎖脂肪酸残基を分子内に1つまたは
2つ有するトリグリセリドが含まれる方がより水層部の
香り立ちが引き立ち、油相部のもたらすコク、マイルド
感が好適なドレッシングが得られる。
【0015】本発明のドレッシングの油相部の原料油脂
としては、通常の食用油脂、例えば大豆油、菜種油、高
オレイン酸菜種油、コーン油、ゴマ油、ゴマサラダ油、
シソ油、亜麻仁油、落花生油、紅花油、高オレイン酸紅
花油、ひまわり油、高オレイン酸ひまわり油、綿実油、
ブドウ種油、マカデミアナッツ油、ヘーゼルナッツ油、
カボチャ種子油、クルミ油、椿油、茶実油、エゴマ油、
ボラージ油、オリーブ油、米糠油、小麦胚芽油、パーム
油、パーム核油、ヤシ油、カカオ脂、牛脂、ラード、鶏
脂、乳脂、魚油、アザラシ油、藻類油、品質改良によっ
て低飽和化されたこれらの油脂およびこれらの水素添加
油脂、分別油脂等が挙げられる。また、遺伝子組換えの
技術を用いて、本発明の油脂組成物を生産するように品
種改良した植物、例えば大豆、菜種、コーン、ヤシ、パ
ーム、オリーブ、亜麻仁、ひまわり、紅花、つばき、綿
実、クヘアから抽出によって得ることも可能である。
【0016】中鎖脂肪酸についてはすでに記述したが、
中鎖脂肪酸に代えてまたはこれと共に中鎖脂肪酸トリグ
リセリドを用いることもできる。中鎖脂肪酸トリグリセ
リドとしては、前記中鎖脂肪酸とグリセリンとを常法に
よりエステル化反応に付して得られるトリグリセリドを
用いることができるが、一般にMCT(MediumC
hain Triglycerides)と称せられ
る、ヤシ油分解脂肪酸等の炭素数が8〜10の飽和脂肪
酸から構成される単酸基もしくは混酸基トリグリセリ
ド、例えばカプリル酸/カプリン酸=60/40〜75
/25(質量比)のトリグリセリドが好適に使用でき
る。
【0017】繰返しになるが、油脂組成物を構成する全
脂肪酸に占める中鎖脂肪酸の割合、および全トリグリセ
リドに占める、中鎖脂肪酸残基を分子内に1つ以上有す
るトリグリセリドの割合は、原料油脂組成を勘案し、原
料油脂と中鎖脂肪酸との使用比率を調整し、エステル交
換反応中の反応生成物のトリグリセリド組成を測定する
ことによって調整することができる。
【0018】本発明のドレッシングの水層部には、食
酢、醗酵原料、香味原料を含有する。上記油相部は水層
部の風味・香り立ちを引き立たせるが、特に、食酢、醗
酵原料、香味原料が有する香気成分や味について好適な
効果が得られる。
【0019】水相部のもたらす風味、香りとは主に食
酢、醗酵原料、香味原料のもつ香気成分をいい、通常の
香り及び、口に入れた場合に感じる風味・香りをいう。
コク・マイルド感とは油脂に独特の旨味と滑らかなテク
スチャーである。油相部は、ドレッシング全体としてコ
ク・マイルド感を付与するが、その量および性状によっ
ては、水層部の風味・香り立ちを抑制してしまい、水層
部由来の良好な点を損なうことがある。特に、通常、水
層部に香り等の成分・原料を配合し、ドレッシングの特
徴は水層部により形成されるため、この水層部の風味・
香り立ちをどのように生かすかが、ドレッシング全体の
価値を決めることが多い。しかし、上述のように、油相
部はコク・マイルド感を付与するという利点もあること
から、水層部の風味・香り立ちをいかに抑制せず、油相
部から得られるコク・マイルド感をどのようにバランス
良く付与するかが問題となる。本発明は上記構成によ
り、これらの問題を解決し、風味等に優れたドレッシン
グを提供する。
【0020】さらに、O/W型の乳化状態はドレッシン
グにクリーミーな食感を与えるものであるが食用植物油
脂がコクあるいはマイルドな風味を与える利点がある一
方で、水相部の構成によっては水相部の風味、特に香味
を味覚及び嗅覚上抑制する難点があることは分離液状ド
レッシングと変わりないことから、O/W型乳化状のド
レッシングに関しても同様に風味に関し、好適な効果が
得られる。
【0021】本発明でいうドレッシングは主としてサラ
ダ料理類に使用される半固体状または液状の調味料であ
る。ドレッシングには、半固体状ドレッシング、乳化液
状ドレッシング、分離液状ドレッシング等がある。ドレ
ッシングは主に食用油脂からなる油相部および、食酢、
柑橘類の果汁、食塩、糖類、香辛料等を含む水相部から
なり、水中油滴型に乳化した半固体状もしくは乳化液状
の調味料、または分離液状の調味料をいう。半固体状ド
レッシングとはドレッシングのうち粘度が30,000
Pa・s以上のものをい。乳化液状ドレッシングとはドレッ
シングのうち乳化液状のものであって粘度が30,00
0Pa・s未満のものをいう。分離液状ドレッシングとはド
レッシングのうち分離型のものをいう。その他、上記ド
レッシングは風味に応じて和風ドレッシング、中華ドレ
ッシング、フレンチドレッシング、イタリアンドレッシ
ング、スパイスドレッシング、醤油ドレッシング、ゴマ
風味ドレッシング、サザンアイランドドレッシング、ル
シアンドレッシング、サワークリームドレッシング、マ
スタードドレッシング、シーザードレッシング、カレー
風味ドレッシング、野菜入りドレッシング、チリソース
風味ドレッシング、ヨーグルト風味ドレッシング等に分
けられる。
【0022】さらに本発明でいうドレッシングは油相部
の効果をより実質的なものにするために、水層部に食
酢、醗酵原料、香味原料含むことが必要であるが、ここ
で、食酢には合成酢と醸造酢があり醸造酢は穀類または
果実を酢酸醗酵させたものである。穀物酢には米酢、か
す酢等があり、黒酢、モルト酢、玄米酢等も穀物酢の1
種である。果実酢にはりんご酢、ぶどう酢等があり、ワ
インビネガーやバルサミコ酢等はぶどう酢の1種であ
る。
【0023】醗酵原料とは微生物または酵素の作用によ
る醗酵法を利用して生産された原料であり、その風味は
特に香味が重視される性質を持つ。これには米酢、穀物
酢、果実酢等の食酢、ワイン、清酒、梅酒等の酒類、醤
油、味噌、みりん、みりん風調味料、ヨーグルト、チー
ズ、醗酵乳、納豆、キムチ、コチジャン、トウバンジャ
ン、テンメンジャン、魚醤等が挙げられる。
【0024】香味原料とは香辛料、香味野菜、ハーブ、
その他を含み、その風味は特に香味が重視される性質を
持つ。これには胡椒、パプリカ、バジル、ディル、ロー
ズマリー、クミン、タラゴン、コリアンダー、スターア
ニス、クローブ、カルダモン、ローレル、ターメリッ
ク、フェンネル、マスタード、タイム、セージ、メー
ス、オールスパイス、セロリシード、山椒、わさび、と
うがらし、オレガノ、カイエンペッパー、チリパウダ
ー、ケッパー等のハーブおよび香辛料類、コーン、くる
み、ごま、松の実、アーモンド等の種実類、ツナ、ホタ
テ、かつおぶし、うに、たらこ等の魚介類、ベーコン、
コンビーフ、ハム等の加工肉製品類、鶏卵の全卵、卵
黄、卵白等の卵類、あさつき、かぼちゃ、しそ、しょう
が、セロリー、だいこん、たけのこ、玉ねぎ、トマト
(加工品含む)、にんじん、にんにく、ねぎ、パセリ、ピ
ーマン、赤ピーマン、黄ピーマン、ピクルス、ザーサ
イ、ホースラッデッシュ、みょうが、わけぎ、グリーン
ピース、しその実等の香味野菜類、梅干し、うめ、かぼ
す、オリーブ、グレープフルーツ、すだち、パインアッ
プル、ぶどう、マンゴ、もも、ゆず、ライム、りんご、
レモン、みかん、キウイフルーツ、なつみかん、はっさ
く、パッションフルーツ等の果実類の実およびその果
汁、しいたけ、マッシュルーム、きくらげ等のきのこ
類、こんぶ、こぶ茶、のり、ひじき、とさかのり、わか
め等の藻類、コンソメ、ケチャップ、風味調味料、チリ
ソース、トマトソース、オイスターソース、ウスターソ
ース、等の調味料及びソース類、天然エキス、酵母エキ
ス、肉エキス、魚介類エキス、野菜エキス等のエキス類
等が挙げられる。
【0025】また、本発明のドレッシングには、その目
的とする風味、香り、品質に応じて、好適に食塩、酸味
料、うまみ調味料(アミノ酸、核酸等)、たんぱく加水
分解物、糖類、甘味料、香料、酸化防止剤、増粘剤、乳
化剤、水、豚肉・牛肉・鶏肉のひき肉等の獣鳥鯨肉類等
を加えることができる。
【0026】ドレッシングの製造方法は通常公知の製造
方法を用いることができる。以下に述べる方法で製造で
きるが、これに限定されるものではない。食用油脂以外
の各種原材料を加温可能な攪拌槽に投入し、加熱攪拌を
行い水相部を調製する。加熱攪拌は原材料の均一な分
散、溶解、および殺菌を目的とし、これを達成できれば
特に条件に制限はない。加熱攪拌は加圧、減圧、常圧下
で可能であり、通常は常圧下で行われる。温度の制限は
なく原材料が溶解、殺菌がなされれば良く、通常は40
〜95℃で、好ましくは60℃〜95℃で行われる。攪
拌は原料の均一な分散等がなされれば良く、プロペラ、
ホモミキサー、ブレンダー、ディスパー、パドルミキサ
ー、コロイドミル、連続ミキサー、スタティックミキサ
ー、超音波等の撹拌機または方法を用いることができ、
回転数、攪拌時間は原材料が均一に分散されれば特に制
限はない。その後、水相部を常温程度まで冷却し、食用
油脂を中心として別途調製された油相部と合わせること
でドレッシング類が得られる。 乳化液状タイプのもの
は、乳化剤等を加え水相部と油相部を乳化させることで
得られる。卵の乳化作用を利用する場合は卵が熱変性し
ないように加熱温度は70℃以下が好ましい。
【0027】本発明は油相部に中鎖脂肪酸を含む風味良
好な、特に水相部のもたらす風味、香りを引き立たせ、
さらに、油相部のもたらすコク、マイルド感の両立した
ドレッシングを提供することができる。また、中鎖脂肪
酸は体内で分解されやすく本発明のドレッシングを適量
継続的に摂取することにより、体脂肪蓄積を抑制する作
用も期待できる。同様の理由でエネルギーになり易いた
め、体調の改善等の好影響も期待される。
【0028】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に
説明するが、本発明はそれらによって限定されるもので
はない。実施例および比較例で得られるドレッシング類
の風味評価方法を以下に示す。 [風味評価法]風味評価の方法は、レタスを適度な大き
さに取り分けた後、ドレッシング類の入った容器を良く
振り、一定量レタスにふりかけて風味を評価する。風味
評価の内容は、全体の風味、コク、マイルド感及び水相
部の香味に関して30人のパネルの5段階評点の平均値
を求め評価した。評点は、下記の通りとした。 5点:好ましい 4点:どちらかといえば好ましい 3点:どちらともいえない 2点:どちらかといえば好ましくない 1点:好ましくない
【0029】製造例1 大豆サラダ油(日清製油(株)製)85質量部と構成脂
肪酸が質量比でカプリル酸/カプリン酸=3/1である
MCT15質量部との混合物にリパーゼQL(名糖産業
(株)製)0.1質量部を添加し、攪拌下60℃で15
時間、エステル交換反応を行った。反応生成物から酵素
を濾別し、濾液を水洗、乾燥後、脱色、脱臭して油脂組
成物1を得た。油脂組成物1のトリグリセリド組成およ
び脂肪酸組成を表1に示す。
【0030】製造例2 菜種白絞油(日清製油(株)製)80質量部と構成脂肪
酸が質量比でカプリル酸/カプリン酸=3/1であるM
CT20質量部とを混合後、減圧下120℃で攪拌し、
脱気および脱水処理を行った。これに触媒としてナトリ
ウムメチラート0.1質量部を加え、120℃で30分
間、ランダムエステル交換反応を行った。反応生成物を
常法により水洗、乾燥後、脱色、脱臭して油脂組成物2
を得た。油脂組成物2のトリグリセリド組成および脂肪
酸組成を表1に示す。
【0031】製造例3 菜種白絞油(日清製油(株)製)93質量部と構成脂肪
酸が質量比でカプリル酸/カプリン酸=3/1であるM
CT7質量部とを混合後、減圧下120℃で攪拌し、脱
気および脱水処理を行った。これに触媒としてナトリウ
ムメチラート0.1質量部を加え、120℃にて30分
間、ランダムエステル交換反応を行った。反応生成物を
常法により水洗、乾燥後、脱色、脱臭して油脂組成物3
を得た。油脂組成物3のトリグリセリド組成および脂肪
酸組成を表1に示す。
【0032】製造例4 菜種白絞油(日清製油(株)製)90質量部と構成脂肪
酸が質量比でカプリル酸/カプリン酸=3/1であるM
CT10質量部とを混合後、減圧下120℃で攪拌し、
脱気および脱水処理を行った。これに触媒としてナトリ
ウムメチラート0.1質量部を加え、120℃にて30
分間、ランダムエステル交換反応を行った。反応生成物
を常法により水洗、乾燥後、脱色、脱臭して油脂組成物
4を得た。油脂組成物4のトリグリセリド組成および脂
肪酸組成を表1に示す。
【0033】製造例5 菜種白絞油(日清製油(株)製)と構成脂肪酸が質量比
でカプリル酸/カプリン酸=3/1であるMCTとを
4:1(質量比)で配合して油脂組成物5を得た。油脂
組成物5のトリグリセリド組成および脂肪酸組成を表1
に示す。
【0034】比較製造例1 菜種白絞油(日清製油(株)製)99質量部と構成脂肪
酸が質量比でカプリル酸/カプリン酸=3/1であるM
CT1質量部とを混合後、減圧下120℃で攪拌し、脱
気および脱水処理を行った。これに触媒としてナトリウ
ムメチラート0.1質量部を加え、120℃で30分
間、ランダムエステル交換反応を行った。反応生成物を
常法により水洗、乾燥後、脱色、脱臭して比較油脂組成
物1を得た。比較油脂組成物1のトリグリセリド組成お
よび脂肪酸組成を表1に示す。
【0035】また、対照として大豆油のトリグリセリド
組成および脂肪酸組成を表1に示す。
【0036】
【表1】
【0037】実施例1 製造例1の油脂組成物を使用し、下表2に示すような配
合乳化液状胡麻風味ドレッシングを作製した。その手順
は、加塩卵黄を除く水相部原材料を表中の配合比で、攪
拌機付きの加温可能な容器に投入し、プロペラ攪拌機を
用いて100rpmで攪拌しながら品温が90℃になる
まで加熱し、品温を90℃に保持しながら25分間攪拌
を行った。その後、品温が20℃になるまで冷却して加
塩卵黄を加えた後に油相部と合わせ卓上ホモミキサーで
7000rpm、10分の条件で乳化を行いドレッシン
グを製造した。このドレッシングの風味評価をおこなっ
た。風味評価の結果を表3に示す。
【0038】比較例1 大豆サラダ油を使用して、表2に示す配合で、実施例1
と同様の方法で乳化型胡麻風味ドレッシングを製造し
た。このドレッシングの風味評価を行った。風味評価の
結果を表3に示す。
【0039】比較例2 製造例1の油脂組成物を使用して、表2に示す配合で、
実施例1と同様の方法で乳化型胡麻風味ドレッシングを
製造した。このドレッシングの風味評価を行った。風味
評価の結果を表3に示す。
【0040】
【表2】
【0041】
【表3】
【0042】実施例1は醤油、胡麻の香味を十分に感じ
られ、すなわち水相部の風味・香り立ちを抑制せず、油
相部からコク・マイルド感が得られた風味良好なドレッ
シングであった。比較例1は油相部からコク・マイルド
感が得られたものの水相部の風味・香り立ちは不十分で
あり十分に良好な風味のドレッシングとは言えないもの
であった。比較例2は水相部の風味・香り立ちは得られ
たものの油相部が少ないためにコク・マイルド感が得ら
れず風味良好なドレッシングとは言えないものであっ
た。
【0043】実施例2 製造例2の油脂組成物を使用して、下表4の配合で分離
液状のハーブ風味ドレッシングを作製した。手順は、水
相部原材料を表中の配合比で、攪拌機付きの加温可能な
容器に投入し、プロペラ攪拌機を用いて100rpmで
攪拌しながら品温が90℃になるまで加熱し、品温を9
0℃に保持しながら25分間攪拌を行った。その後、品
温が20℃になるまで冷却して油相部と合わせてドレッ
シングを製造した。このドレッシングの風味評価を行っ
た。その風味評価の結果を表5に示す。
【0044】比較例3 大豆サラダ油(日清製油(株)製)を使用して、表4の
配合で、実施例2と同様の方法で分離液状のハーブ風味
ドレッシングを製造した。このドレッシング風味評価を
行った。その風味評価の結果を表5に示す。
【0045】比較例4 製造例2の油脂組成物を使用して、表4の配合で、実施
例2と同様の方法で分離状のハーブ風味ドレッシングを
製造した。このドレッシングの風味評価を行った。その
風味評価の結果を表5に示す。
【0046】
【表4】
【0047】
【表5】
【0048】実施例2は米酢、バジル、ローズマリーの
香味を十分に感じられ、すなわち水相部の風味・香り立
ちを抑制せず、油相部からコク・マイルド感が得られた
風味良好なドレッシングであった。比較例3は油相部か
らコク・マイルド感が得られたものの水相部の風味・香
り立ちは不十分であり十分に良好な風味のドレッシング
とは言えないものであった。比較例4は油相部が多すぎ
水相部の風味・香り立ちが十分に得られす、油相部から
のコク・マイルド感もむしろ油っぽくなってしまい風味
良好なドレッシングとは言えないものであった。
【0049】実施例3 製造例3の油脂組成物を使用し、下表6に示すような配
合で乳化液状トマト風味ドレッシングを作製した。その
手順は、加塩卵黄を除く水相部原材料を表中の配合比
で、攪拌機付きの加温可能な容器に投入し、プロペラ攪
拌機を用いて100rpmで攪拌しながら品温が90℃
になるまで加熱し、品温を90℃に保持しながら25分
間攪拌を行った。その後、品温が20℃になるまで冷却
して加塩卵黄を加えた後に油相部と合わせ卓上ホモミキ
サーで7000rpm、10分の条件で乳化を行いドレ
ッシングを製造した。このドレッシングの風味評価をお
こなった。風味評価の結果を表7に示す。
【0050】実施例4 製造例5の油脂組成物を使用して、表6に示す配合で、
実施例3と同様の方法で乳化型トマト風味ドレッシング
を製造した。このドレッシングの風味評価を行った。風
味評価の結果を表7に示す。
【0051】比較例5 大豆サラダ油を使用して、表6に示す配合で、実施例3
と同様の方法で乳化型トマト風味ドレッシングを製造し
た。このドレッシングの風味評価を行った。風味評価の
結果を表7に示す。
【0052】比較例6 製造例3の油脂組成物を使用して、表6に示す配合で、
実施例3と同様の方法で乳化型トマト風味ドレッシング
を製造した。このドレッシングの風味評価を行った。風
味評価の結果を表7に示す。
【0053】
【表6】
【0054】
【表7】
【0055】実施例3は米酢、トマトの香味が十分に感
じられ、すなわち水相部の風味・香り立ちを抑制せず、
油相部からコク・マイルド感が得られた風味良好なドレ
ッシングであった。実施例4は米酢、トマトの香味が比
較的良く感じられ、油相部からコク・マイルド感が得ら
れた風味良好なドレッシングであった。比較例5は油相
部からコク・マイルド感が得られたものの水相部の風味
・香り立ちは不十分であり十分に良好な風味のドレッシ
ングとは言えないものであった。比較例6は水相部の風
味・香り立ちは得られたものの油相部が少ないためにコ
ク・マイルド感が得られず風味良好なドレッシングとは
言えないものであった。
【0056】実施例5 製造例4の油脂組成物を使用して、下表8の配合で分離
液状の醤油風味ドレッシングを作製した。手順は、水相
部原材料を表中の配合比で、攪拌機付きの加温可能な容
器に投入し、プロペラ攪拌機を用いて100rpmで攪
拌しながら品温が90℃になるまで加熱し、品温を90
℃に保持しながら25分間攪拌を行った。その後、品温
が20℃になるまで冷却して油相部と合わせてドレッシ
ングを製造した。このドレッシングの風味評価を行っ
た。その風味評価の結果を表9に示す。
【0057】比較例7 比較製造例1の油脂組成物を使用して、表8の配合で、
実施例5と同様の方法で分離状の醤油風味ドレッシング
を製造した。このドレッシングの風味評価を行った。そ
の風味評価の結果を表9に示す。
【0058】比較例8 大豆サラダ油(日清製油(株)製)を使用して、表8の
配合で、実施例5と同様の方法で分離液状の醤油風味ド
レッシングを製造した。このドレッシング風味評価を行
った。その風味評価の結果を表9に示す。
【0059】比較例9 製造例4の油脂組成物を使用して、表8の配合で、実施
例5と同様の方法で分離状の醤油風味ドレッシングを製
造した。このドレッシングの風味評価を行った。その風
味評価の結果を表9に示す。
【0060】
【表8】
【0061】
【表9】
【0062】実施例5は米酢、醤油、鰹の香味を十分に
感じられ、すなわち水相部の風味・香り立ちを抑制せ
ず、油相部からコク・マイルド感が得られた風味良好な
ドレッシングであった。比較例7及び8は油相部からコ
ク・マイルド感が得られたものの水相部の風味・香り立
ちは不十分であり十分に良好な風味のドレッシングとは
言えないものであった。比較例9は水相部の風味・香り
立ちは得られたものの油相部が少ないためにコク・マイ
ルド感が得られず風味良好なドレッシングとは言えない
ものであった。
【0063】
【発明の効果】本発明によれば、水相部のもたらす風
味、香味と油相部のもたらすコク、マイルド感のバラン
スのとれた、風味良好なドレッシングを提供できる。ま
た、中鎖脂肪酸は体内で分解されやすく本発明のドレッ
シングを適量継続的に摂取することにより、体脂肪蓄積
を抑制する作用も期待できる。同様の理由でエネルギー
になり易いため、体調の改善等の好影響も期待される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 室賀 香織 神奈川県横須賀市神明町1番地 日清製油 株式会社研究所内 Fターム(参考) 4B026 DC01 DH10 DL02 DL10 DX04 4B047 LB09 LE03 LF01 LG09 LG10 LG59 LG66

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(1)油相部と水相部とからなり、(2)
    油相部が全体の1〜65質量%であり、(3)該油相部
    が主としてトリグリセリドからなる油脂組成物であっ
    て、油脂組成物を構成する全脂肪酸に占める中鎖脂肪酸
    の割合が3〜40質量%であり、(4)全トリグリセリ
    ドに占める中鎖脂肪酸残基を分子内に1つ以上有するト
    リグリセリドの割合が3〜90質量%であり、(5)水
    層部に食酢、醗酵原料、香味原料を含有する、上記
    (1)〜(5)を満たすことを特徴とするドレッシン
    グ。
  2. 【請求項2】 中鎖脂肪酸が炭素数6〜12の飽和脂肪
    酸である請求項1に記載のドレッシング。
  3. 【請求項3】 油相部と水相部がO/W型に乳化した状
    態である請求項1または2に記載の乳化状ドレッシン
    グ。
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