JP6922112B1 - 酸性液状調味料 - Google Patents

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Abstract

【課題】酸味がマスキングされた酸性液状調味料の提供。【解決手段】本発明は、少なくとも、食酢、卵黄、及び水を含有する酸性液状調味料であって、ティリロサイドをさらに含有し、前記ティリロサイドの含有量が、前記酢酸100質量部に対して、0.0050質量部以上50質量部以下であることを特徴とする。【選択図】なし

Description

本発明は、酸性液状調味料に関し、より詳細には、少なくとも、食酢、卵黄、及び水を含有する酸性液状調味料に関する。
従来より、マヨネーズやドレッシングを代表とする酸性液状調味料には、微生物制御や健康に良い効果、サラダと合わせた際の風味の好ましさ等を目的に、酢酸が配合されてきた。一方で、酢酸は独特な刺激的な酸味を有する。微生物制御のために酸性液状調味料に酢酸を多量に配合した場合、酢酸由来の酸味が酸性液状調味料の風味のバランスが崩れるという課題があった。そのため、その酸味をマスキングすることは、酸性液状調味料において大きな課題の一つであった。このような課題を解決するために、様々な解決手段が提案されてきた。
上記の課題に対して、マヨネーズ様調味料に香料成分である特定のチアゾール類を添加することによって酸味をマスキングすることが提案されている(特許文献1参照)。しかし、このように特定の香料成分を添加すると、酸性液状調味料の風味のバランスが崩れる恐れがあり、酸性液状調味料の味の設計に制限がかかるという課題があった。したがって、酸性液状調味料の酸味をマスキングするという課題は、依然として重要であった。
国際公開第2017/065240号
本発明は、上記の背景技術に鑑みてなされたものであり、酢酸がマスキングされた酸性液状調味料を提供することを目的とする。
本発明者等は鋭意検討した結果、驚くべきことに、少なくとも、食酢、卵黄、及び水を含有する酸性液状調味料において、ティリロサイドを配合し、酢酸とティリロサイドの含有量の比を調節することで、上記の技術的課題を解決できることを知見し、本発明を完成するに至った。
さらに、本発明等は、ティリロサイドを酸性液状調味料に含有させると、ティリロサイド由来の収斂味と酢酸由来の酸味によって、酸性液状調味料の風味のバランスが崩れる恐れがあることを知見した。そこで、本発明者等は、鋭意検討した結果、驚くべきことに、タンパク質とティリロサイドの含有量の比を調整することで、酸性液状調味料の風味のバランスをさらに良好にできることを知見した。
すなわち、本発明の一態様によれば、
少なくとも、食酢、卵黄、及び水を含有する酸性液状調味料であって、
ティリロサイドをさらに含有し、
前記ティリロサイドの含有量が、酢酸100質量部に対して、0.0050質量部以上50質量部以下であることを特徴とする、
酸性液状調味料が提供される。
本発明の態様においては、前記酸性液状調味料中のタンパク質の含有量が、前記ティリロサイド1質量部に対して、500質量部以上1000000質量部以下であることが好ましい。
本発明の態様においては、前記酸性液状調味料は、卵白をさらに含有することが好ましい。
本発明の態様においては、卵白の含有量が、生換算で、前記酸性液状調味料全量に対して15質量%以下であることが好ましい。
本発明の態様においては、前記酢酸の含有量が、前記酸性液状調味料全量に対して0.10質量%以上5.00質量%以下であることが好ましい。
本発明の態様においては、前記酸性液状調味料は、食用油脂をさらに含有することが好ましい。
本発明の態様においては、前記食用油脂の含有量が、前記酸性液状調味料全量に対して5質量%以上80質量%以下であることが好ましい。
本発明の態様においては、前記酸性液状調味料の25℃における粘度が5Pa・s以上2000Pa・s以下であることが好ましい。
本発明によれば、酸味がマスキングされた酸性液状調味料を提供することができる。さらに、本発明によれば、ティリロサイドによる収斂味を感じにくく、風味のバランスに優れた酸性液状調味料を提供することができる。このような酸性液状調味料は消費者の食欲を惹起することができ、酸性液状調味料のさらなる市場拡大が期待できる。
<酸性液状調味料>
本発明の酸性液状調味料は、少なくとも、食酢、卵黄、及び水を含有するものであり、ティリロサイドをさらに含有し、食用油脂、卵白及び他の原料等をさらに含んでもよい。
酸性液状調味料は食用油脂を含む場合、酸性液状調味料は、乳化状であってもよく、分離状であってもよい。酸性液状調味料は、乳化状の場合、水中油型(O/W型)エマルションやW/O/W型複合エマルションの構成を有してもよく、水中油型(O/W型)エマルションの構成が好ましい。例えば、酸性液状調味料は、水中油型(O/W型)エマルションのマヨネーズ様調味料やドレッシング等を挙げることができる。消費者庁が定める「食品表示基準」では、ドレッシングのうち粘度が30Pa・s以上が半固体状ドレッシングと呼ばれる。その中で卵黄等決められた原料を用い、水分含量が30質量%以下、油脂含量が65質量%以上のものがマヨネーズである。本発明におけるマヨネーズ様調味料には、食品表示基準で定めるマヨネーズと類似の性状(例えば、味、外観、主原料等)を有しながら成分組成が食品表示基準に合致しない類似商品群も含まれる。
(酸性液状調味料の水分含量)
酸性液状調味料の水分含量は、特に限定されずに他の成分の含有量に応じて適宜設定することができる。酸性液状調味料の水分含量は、好ましくは1質量%以上70質量%以下であり、下限値はより好ましくは5質量%以上であり、さらに好ましくは10質量%以上であり、また、上限値はより好ましくは65質量%以下であり、さらに好ましくは60質量%以下である。
(酸性液状調味料のタンパク質含有量)
酸性液状調味料のタンパク質含有量は、好ましくはティリロサイド1質量部に対して、500質量部以上1000000質量部以下であり、下限値はより好ましくは600質量部以上であり、さらに好ましくは1000質量部以上であり、さらにより好ましくは1500質量部以上であり、特に好ましくは2000質量部以上であり、また、上限値はより好ましくは100000質量部以下であり、さらに好ましくは50000質量部以下であり、さらにより好ましくは25000質量部以下であり、特に好ましくは20000質量部以下である。酸性液状調味料のタンパク質含有量が上記範囲内であれば、ティリロサイドによる収斂味を感じにくくなり、ティリロサイド由来の収斂味と酢酸由来の酸味によって風味のバランスが崩れるのを抑制することができる。酸性液状調味料のタンパク質含有量は、例えば、原料の卵黄や卵白の含有量に応じて適宜調節することができる。
本発明におけるタンパク質とは、少なくとも2個以上のアミノ酸がペプチド結合で連結した主鎖を持つ化合物である。タンパク質含有量の測定方法は、従来公知の方法で行うことができる。例えば、タンパク質含有量は、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を用いたり、あるいはケルダール法を用いて得られた測定結果から、遊離のアミノ酸含有量を除くことによって算出することができる。
(酸性液状調味料のpH)
酸性液状調味料のpHは、好ましくは3.0以上4.8以下であり、下限値はより好ましくは3.3以上であり、さらに好ましくは3.5以上であり、また、上限値はより好ましくは4.7以下であり、さらに好ましくは4.6以下である。酸性液状調味料のpHが上記範囲内であれば、酸性液状調味料の微生物発生を制御して保存性を高めながら、酸性液状調味料の風味を良好にすることができる。なお、酸性液状調味料のpHの値は、1気圧、品温20℃とした時に、市販のpH測定器(例えば、株式会社堀場製作所製卓上型pHメータF−72)を用いて測定した値である。
(酸性液状調味料の粘度)
酸性液状調味料の粘度は、特に限定されないが、例えば5Pa・s以上2000Pa・s以下であり、下限値は好ましくは15Pa・s以上であり、より好ましくは20Pa・s以上であり、さらに好ましくは25Pa・s以上であり、さらにより好ましくは30Pa・s以上であり、また、上限値は好ましくは1500Pa・s以下であり、より好ましくは1000Pa・s以下であり、さらに好ましくは500Pa・s以下である。酸性液状調味料に上記範囲内の粘度を付与することで、酸性液状調味料の風味をより感じることができる。
なお、粘度の測定方法は、BH形粘度計を使用し、品温25℃、回転数2rpmの条件で、粘度が5Pa・s未満のとき:ローターNo.5、粘度が5Pa・s以上500Pa・s未満のとき:ローターNo.6、500Pa・s以上のとき:ローターNo.7を使用し、測定開始後ローターが2回転した時の示度により算出した値である。
(ティリロサイド)
酸性液状調味料に用いるティリロサイド(Tiliroside)とは、フラボノイド配糖体に分類される有機化合物の一種であって、下式(1)の構造を有する化合物である。ティリロサイドの別名はKaempferol−3−O−glucoside−6’’−E−coumaroylとも称され、そのCAS登録番号は20316−62−5である。構造名及び構造式から自明な通り、ティリロサイドは、ケンフェロール、クマル酸、グルコースから構成されている。ティリロサイドのこのような構造から、酢酸由来の酸味をマスキングできるとの効果は予測できるものではない。
Figure 0006922112
また、ティリロサイドは、ローズヒップ等の植物に含まれているポリフェノールの一種である。ローズヒップはバラ科バラ属の植物の果実であり、それに含まれる豊富な栄養成分によって、高い美肌効果が得られることや、体脂肪の減少作用、抗菌、抗ウイルス及び免疫力強化等の効果が得られることが知られている。
本発明においては、ティリロサイドの市販品やティリロサイドを含有する植物抽出物を用いることができる。ティリロサイドの市販品としては、例えば、フナコシより販売されているもの、Merck KGaAによって販売されているもの等が挙げられる。また、ティリロサイドを含有する植物抽出物としては、例えば、森下仁丹製のローズヒップ抽出物、オリザ油化製のイチゴ種子抽出物等が挙げられる。
酸性液状調味料中のティリロサイドの含有量は、酢酸100質量部に対して、0.0050質量部以上50質量部以下であり、下限値は好ましくは0.0100質量部以上であり、より好ましくは0.0500質量部以上であり、また、上限値は好ましくは3.0000質量部以下であり、より好ましくは1.0000質量部以下であり、さらに好ましくは0.3000質量部以下である。酸性液状調味料中のティリロサイドの含有量が上記数値範囲内であれば、酢酸由来の酸味をマスキングして、風味のバランスに優れた酸性液状調味料を得ることができる。酸性液状調味料中のティリロサイドの含有量は、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を用いて測定することができる。
(食用油脂)
酸性液状調味料に用いる食用油脂は、特に限定されず従来公知の食用油脂を用いることができる。具体的には、食用油脂として、例えば、菜種油、大豆油、コーン油、パーム油、綿実油、ひまわり油、サフラワー油、胡麻油、オリーブ油、亜麻仁油、米油、椿油、荏胡麻油、グレープシードオイル、ピーナッツオイル、アーモンドオイル、アボカドオイル等の植物油脂、魚油、牛脂、豚脂、鶏脂、又はMCT(中鎖脂肪酸トリグリセリド)、ジグリセリド、硬化油、エステル交換油等のような化学的あるいは酵素的処理等を施して得られる油脂等を用いることができる。これらの中でも植物油脂を用いることが好ましく、菜種油、大豆油、コーン油、パーム油、またはこれらの混合油を用いることがより好ましい。
(食用油脂の含有量)
食用油脂の含有量は、酸性液状調味料全体に対して、好ましくは5質量%以上80質量%以下であり、下限値はより好ましくは10質量%以上であり、さらに好ましくは15質量%以上であり、さらにより好ましくは20質量%以上であり、また、上限値はより好ましくは75質量%以下であり、さらに好ましくは70質量%以下であり、さらにより好ましくは60質量%以下である。酸性液状調味料中の油脂の含有量が上記範囲内であれば、油由来のコク味を十分に感じることができる。
(食酢)
酸性液状調味料に用いる食酢は、水及び酢酸を主成分とするものである。本発明における食酢としては、消費者庁が定める「食品表示基準」に列挙される食酢が挙げられるが、これに類似する酸味調味料も含まれる。より詳細には、食酢としては、たとえば、米、麦芽、酒粕等の穀類もしくはそれらの加工品、ぶどう、りんご等の果実、タマネギ、ニンジン、トマト等の野菜、その他農産物、アルコール等を酢酸発酵させたものや、別途酢酸を添加したもの、又はこれらを混合したものが挙げられる。糖類、有機酸、アミノ酸、食塩等を加えたものもこれに含まれる。このような食酢としては、例えば、米酢、黒酢、五穀酢、ワインビネガー、りんご酢、トマト酢、もろみ酢、及び梅酢等が挙げられる。これらの食酢は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
酸性液状調味料中の酢酸の含有量は、酸性液状調味料の全量に対して、好ましくは0.10質量%以上5.00質量%以下であり、下限値はより好ましくは0.20質量%以上であり、さらに好ましくは0.50質量%以上であり、また、上限値はより好ましくは3.50質量%以下であり、さらに好ましくは2.00質量%以下である。酸性液状調味料中の酢酸の含有量が上記範囲内であれば、酸性液状調味料の微生物発生を制御して保存性を高めながら、酸性液状調味料の風味のバランスを良好にすることができる。
(卵黄)
酸性液状調味料に用いる卵黄としては、例えば、液卵黄や生卵黄、当該液卵黄や生卵黄に殺菌処理、冷凍処理、スプレードライ又はフリーズドライ等の乾燥処理、ホスホリパーゼA処理卵黄のようなホスホリパーゼA1またはホスホリパーゼA2による酵素処理、酵母又はグルコースオキシダーゼ等による脱糖処理、超臨界二酸化炭素処理等の脱コレステロール処理、食塩又は糖質等の混合処理等の1種又は2種以上の処理を施したもの等が挙げられる。
酸性液状調味料中の卵黄の含有量は、生換算で、酸性液状調味料の全量に対して、下限値は好ましくは1質量%以上であり、より好ましくは2質量%以上であり、さらに好ましくは3質量%以上であり、さらにより好ましくは4質量%以上であり、また、上限値は好ましくは30質量%以下であり、より好ましくは25質量%以下であり、さらに好ましくは20質量%以下である。酸性液状調味料中の生換算での卵黄の含有量が上記範囲内であれば、酸性液状調味料は安定した乳化状態を維持することができる。
(卵白)
酸性液状調味料に用いる卵白としては、鶏等鳥類の卵を割卵し、卵黄を分離して得られる液状の生卵白、当該生卵白に凍結処理、濃縮処理もしくは乾燥処理を施したもの、又は凍結処理、濃縮処理もしくは乾燥処理を施したもの、又は凍結処理、濃縮処理もしくは乾燥処理した卵白を通常の液状卵白に戻したもの等種々の状態の卵白が挙げられる。また、加熱殺菌処理、脱糖処理、脱リゾチーム処理等の種々の処理を施した卵白を使用することができる。
酸性液状調味料中の卵白の含有量は、生換算で、酸性液状調味料の全量に対して、好ましくは15質量%以下であり、より好ましくは13質量%以下であり、さらに好ましくは11質量%以下であり、さらにより好ましくは9質量%以下であり、また、0質量%であってもよく、0質量%超であってもよく、0.5質量%以上であってもよい。酸性液状調味料中の卵白の含有量を低減することで、収斂味を感じにくくなり、酸性液状調味料の風味のバランスを向上させることができる。
(増粘剤)
本発明の酸性液状調味料は、乳化状態を維持し易くするために増粘剤を配合することができる。増粘剤としては、加工澱粉及び/又はガム類を用いることができる。加工澱粉としては、例えば、アセチル化アジピン酸架橋澱粉、アセチル化リン酸架橋澱粉、アセチル化酸化澱粉、オクテニルコハク酸澱粉ナトリウム、酢酸澱粉、酸化澱粉、ヒドロキシプロピル澱粉、ヒドロキシプロピル化リン酸架橋澱粉、リン酸モノエステル化リン酸架橋澱粉、リン酸架橋澱粉、及びリン酸化澱粉等が挙げられる。ガム類としては、例えば、キサンタンガム、コンニャクガム、グアーガム、タマリンドシードガム、ローカストビーンガム、ジェランガム、及びアラビアガム等が上げられる。これらの増粘剤は1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
増粘剤の含有量は、酸性液状調味料の全量に対して、好ましくは0.1質量%以上であり、より好ましくは0.2質量%以上であり、さらに好ましくは0.3質量%以上であり、また、好ましくは10質量%以下であり、より好ましくは5.0質量%以下であり、さらに好ましくは4.0質量%以下である。増粘剤の含有量が上記範囲内であれば、酸性液状調味料の乳化状態を維持し易くなる。
(他の原料)
酸性液状調味料は、上述した原料以外に、本発明の効果を損なわない範囲で酸性液状調味料に通常用いられている各種原料を適宜選択し含有させることができる。例えば、醤油、みりん、食塩、胡麻、グルタミン酸ナトリウム、ブイヨン等の調味料、ぶどう糖、果糖、蔗糖、麦芽糖、オリゴ糖、トレハロース等の糖類、からし粉、胡椒等の香辛料、レシチン、リゾレシチン、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル等の乳化剤、アスコルビン酸、ビタミンE等の酸化防止剤、静菌剤等が挙げられる。
<酸性液状調味料の製造方法>
本発明の酸性液状調味料の製造方法の一例について説明する。例えば、まず、食酢、ティリロサイド及び調味料等の他の水相原料を混合して、水相を調製する。その後、調整した水相に卵黄を加える。また、必要に応じて得られた水相をミキサー等で撹拌しながら、油相原料である食用油脂を注加して粗乳化し、次にせん断力に優れた処理機等で均質化して、水相中に油相を乳化分散させた酸性液状調味料を得ることができる。また、上記で得られた水相に食用油脂を積載して、分離状の酸性液状調味料を得ることもできる。
(製造装置)
本発明の酸性液状調味料の製造には、通常の酸性液状調味料の製造に使われる装置を用いることができる。このような装置としては、例えば、一般的な撹拌機、スティックミキサー、スタンドミキサー、ホモミキサー、ホモディスパー等が挙げられる。撹拌機の撹拌羽形状としては、例えばプロペラ翼、タービン翼、パドル翼、アンカー翼等が挙げられる。
以下に、実施例と比較例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は以下の実施例の内容に限定して解釈されるものではない。
<酸性液状調味料の製造例>
[実施例1〜20、比較例1]
表1に記載の配合割合に準じて、酸性液状調味料を製造した。具体的には、まず、食酢(酢酸酸度4%)、ティリロサイド、食塩、増粘剤(キサンタンガム)、及び清水を均一になるように混合して、水相を調整した。その後、調整した水相に、卵黄及び必要に応じて卵白を加えた後、食用植物油脂を注加し、乳化処理を行って、酸性液状調味料を調製した。
<pHの測定>
上記で得られた酸性液状調味料について、1気圧、品温20℃とした時に、pH測定器(株式会社堀場製作所製卓上型pHメータF−72)を用いて、pHを測定した。酸性液状調味料のpHは、いずれも3.5以上4.6以下であった。
<粘度測定>
上記で得られた酸性液状調味料について、BH形粘度計を使用し、品温25℃、回転数2rpmの条件で、ローターNo.6を使用し、測定開始後ローターが2回転した時の示度により、粘度を算出した。酸性液状調味料の粘度は、いずれも30Pa・s以上500Pa・s以下であった。
<官能評価>
上記で得られた酸性液状調味料について、複数の訓練されたパネルにより、下記の基準で、「酸味」及び「収斂味」を官能評価した。なお、「酸味」では、各酸性液状調味料においてティリロサイドを添加していないものを対象品として、対象品との比較により評価した。
評価結果の平均値を表1及び2に示した。
[酸味の評価基準]
4:対照品と比較し、酸味が良くマスキングされており、酸性液状調味料として特に好ましいものとなっていた。
3:対照品と比較し、酸味がマスキングされており、酸性液状調味料として好ましいものとなっていた。
2:対照品と比較し、酸味がわずかにマスキングされており、やや酸味を感じたが、酸性液状調味料として実用上問題無かった。
1:対照品と比較し、酸味が全くマスキングされておらず、強い酸味を感じ、酸性液状調味料として好ましくなかった。
[収斂味の評価基準]
4:収斂味をほとんど感じず、酸性液状調味料の風味のバランスは特に良かった。
3:収斂味をわずかに感じたが、酸性液状調味料の風味のバランスは良かった。
2:収斂味を多少感じたが、酸性液状調味料の風味のバランスは通常であった。
1:収斂味を感じ、酸性液状調味料の風味のバランスは多少劣っていたが、酸性液状調味料として実用上問題無かった。
Figure 0006922112
Figure 0006922112
表1に示す通り、実施例1〜20の酸性液状調味料はいずれも、酸味がマスキングされ、かつ、収斂味を感じにくく、風味のバランスに優れるものであった。
一方、比較例1の酸性液状調味料は、ティリロサイドの酢酸に対する含有割合が低く、酸味が全くマスキングされておらず、強い酸味を感じ、酸性液状調味料として好ましくなかった。

Claims (8)

  1. 少なくとも、食酢、卵黄、及び水を含有する酸性液状調味料であって、
    ティリロサイドをさらに含有し、
    前記ティリロサイドの含有量が、酢酸100質量部に対して、0.0050質量部以上50質量部以下であることを特徴とする、
    酸性液状調味料。
  2. 前記酸性液状調味料中のタンパク質の含有量が、前記ティリロサイド1質量部に対して、500質量部以上1000000質量部以下であることを特徴とする、
    請求項1に記載の酸性液状調味料。
  3. 卵白をさらに含有することを特徴とする、
    請求項1または2に記載の酸性液状調味料。
  4. 卵白の含有量が、生換算で、前記酸性液状調味料全量に対して15質量%以下であることを特徴とする、
    請求項1〜3のいずれか一項に記載の酸性液状調味料。
  5. 前記酢酸の含有量が、前記酸性液状調味料全量に対して0.10質量%以上5.00質量%以下であることを特徴とする、
    請求項1〜4のいずれか一項に記載の酸性液状調味料。
  6. 食用油脂をさらに含有することを特徴とする、
    請求項1〜5のいずれか一項に記載の酸性液状調味料。
  7. 前記食用油脂の含有量が、前記酸性液状調味料全量に対して5質量%以上80質量%以下であることを特徴とする、
    請求項6に記載の酸性液状調味料。
  8. 前記酸性液状調味料の25℃における粘度が5Pa・s以上2000Pa・s以下であることを特徴とする、
    請求項1〜7のいずれか一項に記載の酸性液状調味料。
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