JP7234676B2 - W1/o/w2型乳化食品 - Google Patents
W1/o/w2型乳化食品 Download PDFInfo
- Publication number
- JP7234676B2 JP7234676B2 JP2019024593A JP2019024593A JP7234676B2 JP 7234676 B2 JP7234676 B2 JP 7234676B2 JP 2019024593 A JP2019024593 A JP 2019024593A JP 2019024593 A JP2019024593 A JP 2019024593A JP 7234676 B2 JP7234676 B2 JP 7234676B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- emulsified food
- vinegar
- present
- weight
- food
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Landscapes
- Seasonings (AREA)
Description
すなわち、本発明は以下の通りである。
前記乳化食品全体に含まれる食酢の量が酢酸換算で、乳化食品の総量に対して0.2~1重量%であり、かつ
前記乳化食品の内水相(W1)に含まれる酸味料の量が、乳化食品の総量に対して0.015~0.45重量%である、乳化食品。
[2]前記酸味料が、少なくともクエン酸を含む、[1]記載の乳化食品。
[3]前記乳化食品が、マヨネーズ及びマヨネーズ様食品からなる群より選択される、[1]又は[2]記載の乳化食品。
[4]W1/O/W2型乳化食品全体に含まれる食酢の量が酢酸換算で、乳化食品の総量に対して0.2~1重量%となり、かつ
W1/O/W2型乳化食品の内水相(W1)に含まれる酸味料の量が、乳化食品の総量に対して0.015~0.45重量%となるように、
食酢及び酸味料を添加することを含む、W1/O/W2型乳化食品の製造方法。
[5]前記酸味料が、少なくともクエン酸を含む、[4]記載の製造方法。
[6]前記乳化食品が、マヨネーズ及びマヨネーズ様食品からなる群より選択される、[4]又は[5]記載の製造方法。
また、本発明によれば、W1/O/W2型乳化食品が程良い酸味を保持しつつ、後味がすっきりするよう改善し得る、W1/O/W2型乳化食品の呈味改善方法も提供できる。
本発明において「乳化食品」とは、乳化構造を有する食品を意味し、「W1/O/W2型乳化食品」とは、内水相(W1)、油相(O)及び外水相(W2)から構成される乳化構造を有する食品を意味する。より詳細には、「W1/O/W2型乳化食品」とは、油相中に水滴粒子が分散した油中水型乳化物(W/O型乳化物)が、更に水相(外水相)に分散しているという二重の乳化構造を有する食品を意味する。また、本発明において、乳化食品等にいう「食品」とは、経口的に摂取され得るものを広く包含する概念であり、特に断りのない限り、いわゆる食べ物の他、飲料や調味料等も包含される。本発明の乳化食品は、例えば、日本農林規格(JAS規格)で定義される半固体状ドレッシング(例、マヨネーズ、サラダクリーミードレッシング等)、乳化液状ドレッシング等のドレッシング等として提供され得るが、これらに制限されず、JAS規格に適合しないドレッシング、調味料(例、ソース、たれ等)、食品(飲料を含む)等であってもよい。
本発明において、食酢の酢酸換算酸度は、所定量の試料を、指示薬としてフェノールフタレイン溶液を用いて力価既知の0.5mol/L水酸化ナトリウム溶液で中和滴定し、次式により、試料中の総酸量を酢酸の相当量として算出する。
酢酸換算酸度(%)=0.03×V×F/W×100
[式中、0.03:0.5mol/L水酸化ナトリウム溶液1mLに相当する酢酸の重量(g)、
V:0.5mol/L水酸化ナトリウム溶液の滴定量(mL)、
F:0.5mol/L水酸化ナトリウム溶液の力価、
W:試料重量(g)]
酸味料は、自体公知の方法又はそれに準ずる方法で、天然物又はその加工品から単離、精製し得る。また、酸味料は自体公知の方法又はそれに準ずる方法で、微生物による発酵法で製造、精製し得る。本発明において用いられる酸味料は、市販品であってもよい。本発明において用いられる酸味料は、単離されていないものであってもよく、例えば、食酢以外の乳化食品の原材料(例、柑橘類の果汁等)に由来するもの等であってよい。
尚、内水相の水相成分と外水相の水相成分とは、同一であってもよいし、異なっていてもよい。
具体的には、本発明の乳化食品全体に含まれる食酢の量は、酢酸換算で、乳化食品の総量に対して、好ましくは0.2~1重量%であり、より好ましくは0.3~0.9重量%であり、特に好ましくは0.4~0.8重量%である。
本発明において、「乳化食品全体に含まれる」食酢の量とは、乳化食品に含まれる食酢の総量を意味し、例えば、食酢が乳化食品の内水相にのみ含まれる場合は、内水相に含まれる食酢の量が、乳化食品全体に含まれる食酢の量であり、食酢が乳化食品の内水相と外水相に含まれる場合は、内水相に含まれる食酢と外水相に含まれる食酢の合計量が、乳化食品全体に含まれる食酢の量である。
本発明において、乳化食品に含まれる食酢の「酢酸換算」による量は、食酢の酢酸換算酸度に、当該食酢の乳化食品における配合割合を乗じて算出される。また、乳化食品の一部を採り、公知の方法で測定することも可能である。
具体的には、本発明の乳化食品の内水相に含まれる酸味料の量は、乳化食品の総量に対して、好ましくは0.015~0.45重量%であり、より好ましくは0.017~0.43重量%であり、特に好ましくは0.025~0.2重量%であり、最も好ましくは0.027~0.1重量%である。
本発明の乳化食品の原材料には、酸味料を含有するもの(例、柑橘類の果汁等)が用いられ得る。そのような原材料を、本発明の乳化食品の内水相に含む場合、当該原材料(食酢を除く)に由来する酸味料(例、柑橘類の果汁に由来する酸味料等)の量も、内水相に含まれる酸味料の量に算入される。尚、食酢に由来する有機酸等は、内水相に含まれる酸味料の量に算入されない。
本発明において、乳化食品の原材料(例、柑橘類の果汁等)に含まれる酸味料の量は、高速液体クロマトグラフィー等により測定される。
本発明においてW1/O/W2型乳化食品の粘度は、B型粘度計等の公知の装置を用いて、23~25℃で測定される。
本発明において、W1/O/W2型乳化食品の酸味の程度(強さ)は、後述の実施例に示されるように、専門パネルによる官能評価によって評価できる。
本発明において、W1/O/W2型乳化食品の「後味」とは、W1/O/W2型乳化食品を口に入れてから5秒以降に感じる感覚をいう。また、本発明において後味が「すっきりしている」とは、後味に持続性がなく、具体的には、W1/O/W2型乳化食品を口に入れ、後味を感じてから3秒以内に後味が消失することをいう。W1/O/W2型乳化食品の後味がすっきりしているか否かや、後味の持続性の有無は、後述の実施例に示されるように、専門パネルによる官能評価によって評価できる。
本発明において、W1/O/W2型乳化食品の「全体の好ましさ」とは、W1/O/W2型乳化食品を口に含んでから、咀嚼等して飲み込み、後味が消失するまでの間に感じられる種々の呈味の総合的な好ましさをいい、例えば、上述の酸味の強さと後味とのバランス等を勘案して判断される。W1/O/W2型乳化食品の全体の好ましさの程度は、後述の実施例に示されるように、専門パネルによる官能評価によって評価できる。
内水相の原材料(酸味料(クエン酸)、食酢(酢酸換算酸度:20%)、調味料及び清水)、油相の原材料(食用植物油脂及び乳化剤(ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル))を、表1~3に示す配合量で、T.KホモミキサーMARK2(特殊機化工業株式会社製)を使用して乳化し、得られたW/O型乳化物に対して、外水相の原材料(食酢(酢酸換算酸度:20%)、調味料、増粘剤、生卵黄、生卵白及び清水)を、表1~3に示す配合量で混合した後、T.KホモミキサーMARK2(特殊機化工業株式会社製)を使用して乳化し、実験区1~13の乳化食品(マヨネーズ)をそれぞれ作製した。
実験区1~13の乳化食品の作製に用いた原材料は、清水を除いて、いずれも食品用として市販されているものであり、清水は、水道水を浄水器に通したものを用いた。
実験区1~13の乳化食品の原材料の一つとして用いた食酢の酢酸換算酸度(20%)は、下記の方法で算出した。
食酢1gを試料として正確に計量し、炭酸ガスを含まない水を加えて50倍に希釈した後、指示薬としてフェノールフタレイン溶液を約2mL加え、力価既知の0.1mol/Lの水酸化ナトリウム溶液で、30秒間、微紅色の消失しない点を終点として滴定し、その滴定量から、次式により、酢酸換算酸度を算出した。
酢酸換算酸度(%)=0.03×V×F/W×100
[式中、0.03:0.5mol/L水酸化ナトリウム溶液1mLに相当する酢酸の重量(g)、
V:0.5mol/L水酸化ナトリウム溶液の滴定量(mL)、
F:0.5mol/L水酸化ナトリウム溶液の力価、
W:試料重量(g)]
乳化食品の後味、酸味の強さ及び全体の好ましさの評価は、乳化食品の官能評価に3年以上携わった経験のある25歳~50歳の4名の専門パネルで行った。当該4名の専門パネルが実験区1~13の各乳化食品を食し、下記の基準に基づいて、0.1点刻みで合議により評点付けすることにより行った。
+1.1~+2.0:すっきり
+0.1~+1.0:ややすっきり
-1.0~ 0:やや持続性あり
-2.0~-1.1:持続性あり
+1.1~+2.0:非常に強い
+0.1~+1.0:強い
-1.0~ 0:弱い
-2.0~-1.1:非常に弱い
+1.1~+2.0(◎):好ましい
+0.1~+1.0(○):やや好ましい
-1.0~ 0(△):やや好ましくない
-2.0~-1.1(×):好ましくない
実験区1~13の各乳化食品について、B型粘度計(ブルックフィールド社製)を用いて、23~25℃で粘度を測定した。
内水相に特定量の酸味料(クエン酸)を含む乳化食品(実験区1~4、6~10及び12)は、いずれも程良い酸味を有しつつ、後味がすっきりしていた。中でも、内水相に含まれる酸味料の量が、乳化食品の総量に対して0.03重量%である、実験区1~3及び6~8の乳化食品は、酸味の強さと後味とのバランスが良く、全体の好ましさに特に優れていた。
一方、内水相に含まれる酸味料(クエン酸)が多量である場合(実験区13)は、酸味が強くなりすぎ、全体の好ましさが低下した。
また、本発明によれば、W1/O/W2型乳化食品が程良い酸味を保持しつつ、後味がすっきりするよう改善し得る、W1/O/W2型乳化食品の呈味改善方法も提供できる。
Claims (4)
- 食酢及び酸味料を含むW1/O/W2型乳化食品であって、
前記乳化食品全体に含まれる食酢の量が酢酸換算で、乳化食品の総量に対して0.2~1重量%であり、かつ
前記乳化食品の内水相(W1)に含まれる酸味料の量が、乳化食品の総量に対して0.015~0.45重量%である、乳化食品(ただし、食用油脂、増粘剤、食塩、並びに、エステル化度が30%超60%以下又は80~100%であるポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステルを含有し、かつ食塩の含有量が1~6重量%であるW1/O/W2型乳化食品を除く)。 - 前記酸味料が、少なくともクエン酸を含む、請求項1記載の乳化食品。
- 前記乳化食品が、マヨネーズ及びマヨネーズ様食品からなる群より選択される、請求項1又は2記載の乳化食品。
- W1/O/W2型乳化食品全体に含まれる食酢の量が酢酸換算で、乳化食品の総量に対して0.2~1重量%となり、かつ
W1/O/W2型乳化食品の内水相(W1)に含まれる酸味料の量が、乳化食品の総量に対して0.015~0.45重量%となるように、
食酢及び酸味料を添加することを含む、W1/O/W2型乳化食品(ただし、食用油脂、増粘剤、食塩、並びに、エステル化度が30%超60%以下又は80~100%であるポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステルを含有し、かつ食塩の含有量が1~6重量%であるW1/O/W2型乳化食品を除く)の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2019024593A JP7234676B2 (ja) | 2019-02-14 | 2019-02-14 | W1/o/w2型乳化食品 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2019024593A JP7234676B2 (ja) | 2019-02-14 | 2019-02-14 | W1/o/w2型乳化食品 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2020129994A JP2020129994A (ja) | 2020-08-31 |
JP7234676B2 true JP7234676B2 (ja) | 2023-03-08 |
Family
ID=72276805
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2019024593A Active JP7234676B2 (ja) | 2019-02-14 | 2019-02-14 | W1/o/w2型乳化食品 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP7234676B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP6860785B2 (ja) | 2017-03-03 | 2021-04-21 | テイ・エス テック株式会社 | 乗物用シート |
JP7375251B1 (ja) | 2023-06-19 | 2023-11-07 | キユーピー株式会社 | W1/o/w2型乳化調味料 |
Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008173102A (ja) | 2007-01-18 | 2008-07-31 | Tamiko Hagio | ラズベリージャム |
WO2014045410A1 (ja) | 2012-09-21 | 2014-03-27 | キユーピー株式会社 | 乳化調味料 |
JP2014187906A (ja) | 2013-03-26 | 2014-10-06 | Q P Corp | 乳化調味料 |
-
2019
- 2019-02-14 JP JP2019024593A patent/JP7234676B2/ja active Active
Patent Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008173102A (ja) | 2007-01-18 | 2008-07-31 | Tamiko Hagio | ラズベリージャム |
WO2014045410A1 (ja) | 2012-09-21 | 2014-03-27 | キユーピー株式会社 | 乳化調味料 |
JP2014187906A (ja) | 2013-03-26 | 2014-10-06 | Q P Corp | 乳化調味料 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2020129994A (ja) | 2020-08-31 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP6150634B2 (ja) | ごま含有乳化液状調味料、ごま含有乳化液状調味料のごま風味増強方法 | |
KR101200991B1 (ko) | 수중유형 유화 조성물 | |
WO2006126472A1 (ja) | 酸性水中油滴型エマルジョン及びその食品への応用 | |
EP1304114A1 (en) | Adsorbent for endocrine disruptors and foods and drinks containing the same | |
JP7234676B2 (ja) | W1/o/w2型乳化食品 | |
JP6360278B2 (ja) | W1/o/w2型乳化物 | |
JP6345907B2 (ja) | ドレッシング | |
JPWO2017065240A1 (ja) | マヨネーズ様調味料 | |
CA2415152C (en) | Mayonnaise-like food and method of manufacturing the same | |
JP2022055868A (ja) | 油脂由来風味付与剤の製造方法 | |
JP2015039371A (ja) | 酸性水中油型乳化調味料 | |
JP5184398B2 (ja) | 液体調味料 | |
JP7460895B2 (ja) | W1/o/w2型乳化物を含む食品の製造方法 | |
JP6858440B2 (ja) | 乳化調味料 | |
JP2015039370A (ja) | 酸性水中油型乳化調味料 | |
JP6576626B2 (ja) | 水中油型乳化ソース | |
JP6215616B2 (ja) | 食品素材ならびに酸性飲食品およびその製造方法 | |
JP2020184920A (ja) | 酸性乳化液状調味料 | |
JP7047175B1 (ja) | 酸性液状調味料 | |
JP7062845B1 (ja) | タマネギ粉砕物含有液の製造方法及び酸性液状調味料の製造方法 | |
JP7143618B2 (ja) | W1/o/w2型乳化食品 | |
JP7419595B1 (ja) | 黒酢含有酸性液状調味料の製造方法 | |
JP6922112B1 (ja) | 酸性液状調味料 | |
JP2022052322A (ja) | 水中油型乳化調味料及びその製造方法 | |
RU2662292C1 (ru) | Способ получения майонеза "низкокалорийный" |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20211110 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20220926 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20221004 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20221117 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20230124 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20230206 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 7234676 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |