JP2014187906A - 乳化調味料 - Google Patents

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Abstract

【課題】乳化調味料が低粘度であっても、食材と混合したときに、食材の食感を維持した状態で、食材からの離水を効果的に抑制することができるW/O/W型乳化調味料を提供する。
【解決手段】乳化調味料は、食用油脂、増粘剤および食塩を含有するW/O/W型の乳化調味料であって、前記乳化調味料の水分含有量に対し、外水相の水分含有量の質量比が40/100〜90/100であり、エステル化度が30%超〜60%以下であるポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステルを含有し、粘度が4Pa・s以上〜50Pa・s未満であり、前記食塩の含有量が1〜6質量%であり、前記乳化調味料を構成するW/O/W型乳化粒子の平均粒子径が4〜25μmである。
【選択図】なし

Description

本発明は、W/O/W型の乳化調味料に関する。
乳化調味料は、野菜、果物、肉、魚、卵、豆腐、ご飯、パン等の色々な食材と混合させて使用される。このうち、野菜と乳化調味料とを混合して調製されるサラダ類では、製造直後から様々な変化が生じるが、なかでも、野菜からの離水は、外観を損ない、野菜の食感が悪くなり、かつ、旨み成分の流出が生じる等の問題を生じさせる。
かかる問題は、家庭又は飲食店で調製されるサラダ類及び市販のサラダ類のいずれでも生じるものであるが、中でも、市販のサラダ類は通常、製造後、流通工程を経て消費者に喫食されるまでに数時間〜数十時間を要する。したがって、市販のサラダ類では、野菜からの離水によって、外観が損なわれ、水分の流出により食感が悪くなったり、旨み成分の流出により風味が大きく低下したりする等の問題が生じる傾向がある。
野菜から滲出する水分を抑制する方法として、例えば、エステル化度が30%を超え、40%以下で、リシノール酸縮合度が5以上、8以下であるポリグリセリン縮合リシノール酸エステルを含有する、製造後24時間経過時の粘度が270Pa・s以上、400Pa・s以下である、複合乳化ドレッシング類が提案されている(特許文献1)。
この方法は、特定の乳化剤を使用してドレッシング類をW/O/W型に複合乳化させるとともに、粘度を高めることによって、野菜からの離水を抑制しようとする技術である。
特開2012−44987号公報 特表2006−507822号公報 特許4208939号
しかしながら、離水を抑制するために、粘度を高めることは、マヨネーズのような高粘度の調味料においては、従来から行われており、一定の効果が得られていたものの、ドレッシングのような粘度が50Pa・s未満の調味料では、離水を抑制する方法として適さない。
また、W/O/W型に乳化された調味料として、特許文献1の他に、特許文献2及び特許文献3等が知られている。
特許文献2には、一次相中の特定量の水(W1)>外部水相中の特定量の水(W2)、かつ、一次水相中に特定量の酸味料(A1)>外部水相中の特定量の酸味料(A2)のw/o/wエマルジョンとすることにより、酸っぱくない味覚を消費者に届けることができる旨記載されている。しかしながら、乳化調味料の水分含有量に対する外水相の水分含有量が少ないため、食材からの離水を十分に抑制できない場合がある。
特許文献3には、エステル化度10%以上、30%以下、リシノレイン酸縮合度5以上、8以下であるポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステルを含有する、粘度が1Pa・s以上、300Pa・s以下である、保存安定性に優れたW1/O/W2型複合乳化ドレッシングが開示されているが、食材からの離水抑制効果については、検討されていない。
そこで、本発明は、乳化調味料が低粘度であっても、食材と混合したときに、食材の食感を維持した状態で、食材からの離水を効果的に抑制することができるW/O/W型乳化調味料を提供するものである。
本願発明者は、低粘度の乳化調味料であっても食材の離水を抑制可能な方法について鋭意研究した結果、意外にも、乳化調味料の水分含有量に対する外水相の水分含有量が特定の比率であり、所定のエステル化度を有するポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステルを含有するW/O/W型の乳化調味料が、食材からの離水を効果的に抑制することを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
(1)食用油脂、増粘剤および食塩を含有するW/O/W型の乳化調味料であって、
前記乳化調味料の水分含有量に対し、外水相の水分含有量の質量比が40/100〜90/100であり、
エステル化度が30%超〜60%以下であるポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステルを含有し、
粘度が4Pa・s以上〜50Pa・s未満であり、
前記食塩の含有量が1〜6質量%であり、
前記乳化調味料を構成するW/O/W型乳化粒子の平均粒子径が4〜25μmである乳化調味料、
(2)30mm角のレタス60g、2mm幅の千切りキャベツ60g及び清水8gと前記乳化調味料40gとを混合したときの離水率が、下記基準調味料に対して45%以下である、(1)記載のW/O/W型乳化調味料、
基準調味料:生卵黄100g、食酢(酸度4%)90g、清水35g、食塩10g、キサンタンガム2gおよびグルタミン酸ナトリウム3gをミキサーで均一とし水相を調製し、該水相に食用植物油脂760gを注加して粗乳化した後、コロイドミルで精乳化させて調製される
(3)前記乳化調味料を顕微鏡で観察した際の観察試料100μm四方内に含まれる粒子径10μm以上のW/O/W型乳化粒子において、該W/O/W型乳化粒子に含まれる粒子径3μmを超えるW/O型乳化粒子の数が5個以下または0個である(1)または(2)記載の乳化調味料、
(4)前記乳化調味料を構成する内水相、油相、および外水相の割合が20〜40:10〜45:20〜65である(1)ないし(3)のいずれかに記載の乳化調味料、
(5)卵黄をさらに含む(1)ないし(4)のいずれかに記載の乳化調味料、
(6)(1)ないし(5)のいずれかに記載の乳化調味料と、野菜および果物もしくはいずれか一方とを含む、サラダ、
である。
上記乳化調味料は、食用油脂、増粘剤および食塩を含有するW/O/W型の乳化調味料であって、前記乳化調味料の水分含有量に対し、外水相の水分含有量の質量比が40/100〜90/100であり、エステル化度が30%超〜60%以下であるポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステルを含有し、粘度が4Pa・s以上〜50Pa・s未満であり、前記食塩の含有量が1〜6質量%であり、前記乳化調味料を構成するW/O/W型乳化粒子の平均粒子径が4〜25μmであることにより、低粘度の乳化調味料であっても、食材と混合したときに、食材の食感を維持したまま、食材からの離水を効果的に抑制することができる。これにより、食材の外観、食感及び風味を維持することができる。
図1の(a)〜(d)は、本発明における離水率の測定方法を説明する図である。
以下、図面を参照しつつ、本発明を詳細に説明する。なお、本発明において、格別に断らない限り、「部」は「質量部」を意味し、「%」は「質量%」を意味する。
<本発明の特徴>
本発明の乳化調味料は、低粘度であっても、食材と混合したときに、食材の食感を維持した状態で、食材からの離水を効果的に抑制することができるW/O/W型乳化調味料を提供することに特徴を有する。
具体的には、前記乳化調味料が、食用油脂、増粘剤、食塩を含有する。
前記乳化調味料が、W/O/W型に乳化されている。
前記乳化調味料の水分含有量に対し、外水相の水分含有量の質量比が40/100〜90/100である。
前記乳化剤がエステル化度30%超、60%以下であるポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステルである。
前記乳化調味料の粘度が4Pa・s以上、50Pa・s未満である。
前記食塩の含有量が1〜6質量%である。
前記乳化調味料を構成するW/O/W型乳化粒子の平均粒子径が4〜25μmである。
<乳化調味料>
本発明の一実施形態に係る乳化調味料は、食用油脂、増粘剤および食塩を含有するW/O/W型(内水相/油相/外水相)の乳化調味料である。W/O/W型の乳化調味料は主に、内水相と、この内水相を内包する油相と、この油相を内包する外水相とを含む。
<乳化調味料中の水分含有量に対し外水相に含まれる水分含有量の割合>
本実施形態に係る乳化調味料は、前記乳化調味料の水分含有量に対し、外水相の水分含有量の質量比が40/100〜90/100であるとよく、さらに45/100〜90/100であるとよい。前記質量比であることにより、該乳化調味料を構成するW/O/W型乳化粒子間に水を安定して保持することができるため、離水抑制効果に優れている。外水相の水分含有量の質量比が、前記範囲を下回る場合は、離水抑制効果が得られない場合があり、質量比が前記範囲を超える場合は、乳化調味料の保存安定性が低下する場合がある。
<各成分>
<食用油脂>
油脂(食用油脂)は、本実施形態に係る乳化調味料の油相(O)を主に構成する。本実施形態に係る乳化調味料では、食用油脂の含有量が10〜45%であり、さらに11〜45%とするとよく、さらに20〜40%とするとよい。食用油脂の含有量が前記範囲外であると、乳化安定性が低下することがある。
食用油脂としては、例えば、食用植物油脂(例えば、菜種油、大豆油、紅花油、ひまわり油、コーン油、オリーブ油、グレープシード油、ごま油、綿実油、シソの実油、アマニ油)、魚油、肝油、さらにはエステル交換した油脂やジグリセライドを主に含む油脂が挙げられ、これらを単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
<ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル>
本実施形態に係る乳化調味料は、エステル化度が30%超〜60%以下であるポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル(以下「PGPR」とする。)を含有する。本実施形態に係る乳化調味料において、PGPRは、後述の卵黄及び他の乳化剤と併用することができる。本実施形態に係る乳化調味料では、PGPRのエステル化度は、サラダの風味、外観および離水防止効果が高い点で、30超%〜60%以下であり、31%以上〜55%以下とするとよい。PGPRのエステル化度が前記範囲外である場合、離水抑制効果が得られ難い。なお、PGPRは油相に添加することができる。
本発明において「PGPRのエステル化度」とは、PGPRに含まれるポリグリセリン部位において縮合リシノレイン酸が結合している割合をいう。より具体的には、ポリグリセリンの平均重合度をnとしたとき、ポリグリセリンは分子内に平均(n+2)個の水酸基を有するため、ポリグリセリン1分子に対して1〜(n+2)分子の縮合リシノレイン酸をエステル結合することが可能である。
したがって、PGPRに含まれるポリグリセリン部位に縮合リシノレイン酸がエステル結合されていない場合、PGPRのエステル化度は0%であり、PGPRに含まれるポリグリセリン部位に含まれる全ての水酸基がエステル結合されている場合、PGPRのエステル化度は100%である。PGPRは通常、種々のエステル化度のものからなるため、その平均エステル化度をPGPRのエステル化度とする。
<他の乳化剤>
本実施形態に係る乳化調味料では、乳化剤として、上述のPGPRと卵黄を併用することがよい。卵黄を含む本実施形態に係る乳化調味料を調製する場合、卵黄は外水相に添加することがよい。卵黄としては、食用として一般的に用いている卵黄であれば特に限定するものではなく、例えば、生卵黄をはじめ、当該生卵黄に殺菌処理、冷凍処理、スプレードライ又はフリーズドライ等の乾燥処理、ホスフォリパーゼA1、ホスフォリパーゼA2、ホスフォリパーゼC、ホスフォリパーゼD又はプロテアーゼ等による酵素処理、酵母又はグルコースオキシダーゼ等による脱糖処理、超臨界二酸化炭素処理等の脱コレステロール処理、食塩又は糖類等の混合処理等の1種又は2種以上の処理を施したもの等が挙げられる。本実施形態に係る乳化調味料中の卵黄の含有量は固形物換算で乳化調味料の1〜10%とするとよく、さらに1〜8%とするとよく、さらに1.5〜6%とするとよく、特に2〜6%とすることができる。
さらに、本実施形態に係る乳化調味料では、上述の卵黄及びPGPRのほかに、他の乳化剤を使用してもよい。他の乳化剤としては、例えば、卵黄レシチン、乳タンパク、大豆タンパク、モノグリセリド、モノグリセリド誘導体、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ステアロイル乳酸カルシウム、植物レシチンが挙げられ、これらを単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
<増粘剤>
本実施形態に係る乳化調味料で使用可能な増粘剤としては、例えば、澱粉、ガム質が挙げられる。なお、本実施形態に係る乳化調味料では、食感及び離水抑制効果がより優れている点で、増粘剤として澱粉およびガム質の両方を含有するとよい。
澱粉としては、例えば、馬鈴薯澱粉、コーンスターチ、タピオカ澱粉、小麦澱粉、米澱粉、これらの澱粉をアルファ化、架橋等の処理を施した加工澱粉、並びに湿熱処理澱粉が挙げられる。
湿熱処理澱粉としては、「湿熱処理澱粉」として市販されているものであれば特に限定するものではないが、例えば、澱粉を加熱しても糊化しない程度の水分を含む澱粉粒子を、密閉容器中で相対湿度100%の条件下で約100〜125℃に加熱して得る方法、あるいは第1段階で澱粉を容器中に入れ密閉・減圧し、第2段階で生蒸気を容器内に導入し、加湿加熱するシステムである減圧加圧加熱法等で製造されたものを用いるとよい。
また、加工澱粉としては、食品衛生法で含有物に指定された化学的処理を施された澱粉であって食用として供されるものであれば特に限定するものではない。例えば、アセチル化アジピン酸架橋澱粉、アセチル化リン酸架橋澱粉、アセチル化酸化澱粉、オクテニルコハク酸澱粉ナトリウム、酢酸澱粉、酸化澱粉、ヒドロキシプロピル化リン酸架橋澱粉、ヒドロキシプロピル澱粉、リン酸化澱粉、リン酸架橋澱粉、リン酸モノエステル化リン酸架橋澱粉等が挙げられ、これらの1種又は2種以上を用いるとよい。
なかでも、離水抑制効果が特に優れている点で、アセチル化アジピン酸架橋デンプン、ヒドロキシプロピル化リン酸架橋デンプンを使用することができる。
ガム質としては、例えば、キサンタンガム、ジェランガム、カラギーナン、ローカストビーンガム、タラガム、グアガム、アラビアガム、タマリンドガム、サイリュームシードガム、アルギン酸ナトリウム、ペクチン、コンニャクマンナン等が挙げられる。
本実施形態に係る乳化調味料中の増粘剤の含有量は、0.05〜7%とするとよく、さらに0.1〜6%とするとよい。増粘剤の含有量が前記範囲より少ないと、離水抑制効果が十分でない場合があり、一方、前記範囲より多いと、べとつきが生じることがある。なお、増粘剤は、内水相、油相、及び外水相のいずれに添加されていてもよいが、外水相に添加することができる。
<食塩>
本実施形態に係る乳化調味料では、食塩の含有量が1〜6%であり、さらに2〜5.5%とするとよく、特に2.4〜5%とするとよい。本実施形態に係る乳化調味料では、食塩の含有量が1〜6%であることにより、風味が良好であり、微生物の繁殖を抑制し、かつ、W/O/W型乳化粒子の安定化及びW/O型乳化粒子の微細化に寄与することができる。本実施形態に係る乳化調味料において、食塩の含有量が前記範囲より少ないと保存安定性が悪くなることがある。一方、食塩の含有量が前記範囲より多いと、風味及び離水抑制効果が低下することがある。なお、食塩は、内水相および外水相のいずれか一方に添加されていてもよいし、内水相および外水相の両方に添加されていてもよいが、少なくとも内水相に添加されているとよい。
<有機酸>
本実施形態に係る乳化調味料には、内水相および/または外水相に有機酸を含有することができる。有機酸としては、食用として供されるものであれば特に限定するものではない。例えば、酢酸、クエン酸、コハク酸、乳酸、グルコン酸などが挙げられる。
本実施形態に係る乳化調味料中の有機酸の含有量は、0.1〜1.5%とするとよく、更に0.3〜1.5%とするとよい。有機酸の含有量が前記数値の範囲であることにより、風味が良好であり、微生物の繁殖を抑制し、かつ、W/O/W型乳化粒子の安定化およびW/O型乳化粒子の微細化に寄与することができる。特に、食感および離水、離油抑制効果が優れている点で、有機酸全量に対する外水相の有機酸含有量の質量比が45/100〜90/100であるとよく、さらに50/100〜90/100であるとよい。
<他の成分>
本実施形態に係る乳化調味料は水相成分として、特に限定されないが、水のほかに、例えば、調味料、糖類、香辛料、着色料および着香料を含むことができ、これらを単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
<粘度>
本実施形態に係る乳化調味料の粘度は4Pa・s以上〜50Pa・s未満であり、5Pa・s以上〜45Pa・s以下とするとよく、8Pa・s〜35Pa・sとするとさらによい。粘度が前記範囲より低い場合、サラダの調製時に食材にからみにくく、粘度が前記範囲より高い場合、食材によっては食材と混ぜにくい場合がある。
本実施形態に係る乳化調味料によれば、幅広い粘度範囲において離水抑制効果を発揮することができ、例えば、比較的低い粘度であっても十分な離水抑制効果を奏することができる。
ここで、本実施形態に係る乳化調味料の粘度は、品温25℃のものをBH型粘度計にて、回転数2rpmの条件で、粘度が15Pa・s未満のときローターNo.2、15Pa・s以上37.5Pa・s未満のときローターNo.3、37.5Pa・s以上75Pa・s未満のときローターNo.4を使用し、測定開始後1分後の示度により算出した値である。
<W/O/W型乳化粒子の平均粒子径>
本実施形態に係る乳化調味料を構成するW/O/W型乳化粒子の平均粒子径は、サラダの風味、外観および離水防止効果が高い点で、4〜25μmであり、さらに5〜20μmであるとよい。前記W/O/W型乳化粒子の平均粒子径が4μm未満のものは、コストの面から産業上調製することが困難であり、一方、25μmを超えると、W/O/W型乳化粒子の安定性が低下することがある。
なお、前記平均粒子径(メジアン径、累積50%径)は、粒度分布測定装置にて体積換算で得た粒度分布から求めた値である。
<W/O型乳化粒子>
本実施形態に係る乳化調味料において、本実施形態に係る乳化調味料を構成するW/O/W型乳化粒子に含まれるW/O型乳化粒子の粒子径の大きさは、顕微鏡で観察される100μm四方の区画中に存在するW/O型乳化粒子の数によっても判定することができる。より具体的には、本実施形態に係る乳化調味料は、顕微鏡で観察したときに、100μm四方の区画中に含まれる粒子径10μm以上のW/O/W型乳化粒子において、該W/O/W型乳化粒子に含まれる粒子径3μmを超えるW/O型乳化粒子の数が5個以下または0個であるとよい。
すなわち、顕微鏡で観察したときに、100μm四方の区画中に含まれる粒子径10μm以上のW/O/W型乳化粒子を判定の対象とし、該粒子径10μm以上のW/O/W型乳化粒子中に含まれる粒子径3μmを超えるW/O型乳化粒子の数を測定する。
ここで、乳化調味料のW/O型乳化粒子の観察は、次のようにして行うことができる。すなわち、乳化調味料を少量(約0.05g)採取し、スライドグラスの中心にのせ、上からカバーグラスで軽く押さえたものを観察試料とし、この観察試料を常法により顕微鏡(倍率:2000倍)を用いて観察する。観察試料100μm四方の範囲や、凝集物の大きさは、常法により顕微鏡の視野内のスケールと対比することにより測定できる。
<離水率>
本実施形態に係る乳化調味料は、30mm角のレタス60g、2mm幅の千切りキャベツ60g及び清水8gと前記乳化調味料40gとを混合したときの離水率が下記基準調味料に対して45%以下である。
基準調味料:生卵黄100g、食酢(酸度4%)90g、清水35g、食塩10g、キサンタンガム2gおよびグルタミン酸ナトリウム3gをミキサーで均一とし水相を調製する。次に、水相に食用植物油脂760gを注加して粗乳化した後、コロイドミルで精乳化させて調製する。なお、前記食酢の酸度は、酢酸換算とする。
材料:本発明の離水率の測定に関してレタス及びキャベツを選択したのは、サラダ類に使用される代表的な野菜であって、かつ、離水を生じやすい傾向を有するためである。本発明においては、離水率の測定に関して、30mm角のレタス及び2mm幅の千切りキャベツを使用する。30mm角のレタス及び2mm幅のキャベツは、例えばスライサーを用いてレタス及びキャベツを裁断させて調製することができる。
測定方法:よく水切りしたカットレタス60gならびにカットキャベツ60g、および清水8gをボウルに入れる。次に、本発明の乳化調味料または基準調味料を40g加え、ゴムベラで全体が均一になるように2分程度かき混ぜてサラダを製する。それぞれのサラダ1を、開口部の直径が5cmの円筒状容器2に全量充填し(図1(a)参照)、当該容器2の開口部に、ガーゼ様のプラスチック製メッシュ4(目開き:2mm)をかぶせて輪ゴム5で固定し(図1(b)参照)、空のプラスチック容器6(予め質量が測定されている)の上に、円筒状容器2の開口部3が下になるよう逆さにして乗せる(図1(c)参照)。次に4℃にて48時間または96時間静置する。その後、サラダ1入りの円筒状容器2を取り除き(図1(d)参照)、プラスチック容器6の重量を測定し、次式よりサラダ1から離水した水7の離水率を算出する。すなわち、試験後のプラスチック容器の質量から試験前のプラスチック容器の質量を差し引くことにより、サラダからの離水量が得られ、この離水量を試験前のサラダ全体の質量で除した値が離水率である。なお、特許4681691号には、本発明の離水率の測定方法に準じた離水率の測定方法が記載されている。
離水率(%)= (試験後のプラスチック容器の質量−試験前のプラスチック容器の質量)/168g(試験前のサラダ全体の質量)×100
(離水評価)
離水抑制効果は、基準調味料を添加したサラダの離水率を100とし、これに対する本発明の乳化調味料を添加したサラダの離水率の比で評価する。
例えば、基準調味料を添加したサラダの離水率が20%、本発明の乳化調味料の離水率が5%の場合、次式により基準調味料に対する離水率の比を求める。
5/20×100=25%
基準調味料は、生卵黄100g、食酢(酸度4%)90g、清水35g、食塩10g、キサンタンガム2gおよびグルタミン酸ナトリウム3gをミキサー(例えば、ホバート社製、卓上ホバートミキサー)で均一とし水相を調製した後、撹拌しながら食用植物油脂760gを注加して粗乳化物を調製し、次いで、この粗乳化物を、コロイドミルを用いて3,560rpmで連続的に精乳化して調製される。この基準調味料は、公知のマヨネーズの製造方法(例えば、特開2006−187277号、特開2009−61号公報参照)に準じて調製されたものである。
本実施形態に係る乳化調味料では、前記離水率が小さいほど、離水抑制効果が高い。したがって、本実施形態に係る乳化調味料では、前記離水率は通常45%以下であり、42%以下とするとよく、さらに40%以下とするとよく、さらに30%以下とするとよい。
<内水相/油相/外水相の比率>
本実施形態に係る乳化調味料は、前記乳化調味料を構成する内水相、油相、および外水相の割合を20〜40:10〜45:20〜65とするとよく、さらに20〜40:15〜45:20〜65とするとよく、20〜40:15〜45:35〜65とするとよい。本実施形態に係る乳化調味料によれば、前記乳化調味料を構成する内水相、油相、および外水相の割合が前記範囲であることにより、該乳化調味料を構成するW/O/W型乳化粒子間に水を安定して保持することができるため、離水抑制効果に優れている。
<製造方法>
本実施形態に係る乳化調味料は以下の工程により得ることができる。まず、水相(内水相)45〜70部(さらに50〜70部がよい)と、油相30〜55部(さらに30〜50部がよい)とを乳化することによって、W/O型乳化物を調製する。次に、得られたW/O型乳化物100部と、水相(外水相)20〜240部(好ましくは30〜150部、より好ましくは40〜100部)とを乳化することにより、本実施形態に係るW/O/W型乳化調味料を得ることができる。なお、乳化は、ホモミキサーやコロイドミル等の一般的な乳化装置を用いて行うことができる。
なお、内水相は、水、食塩、食酢、調味料、糖類、香辛料、着色料、着香料、増粘剤等を含んでいてもよく、このうち、食塩、調味料及び糖類を少なくとも含むことができる。また、外水相は、卵黄、食塩、食酢、調味料、糖類、香辛料、着色料、着香料、増粘剤等を含んでいてもよく、このうち、卵黄、調味料、糖類及び増粘剤を少なくとも含むことができる。
本実施形態に係る乳化調味料では、内水相の食塩含有量及び外水相の食塩含有量の合計量が1〜6%(さらに2〜5.5%とするのがよく、さらに2.4〜5%とするのがよい)とし、内水相の食塩含有量が0.5〜4%(さらに0.5〜3%とするのがよい)とし、外水相の食塩含有量が0〜4%(さらに0〜3%とするのがよい)とするのがよい。これにより、食塩総量を内水相と外水相とに分散することができる。本実施形態に係る乳化調味料を食材に使用する場合、外水相が食材と接する。通常、外水相の食塩含有量が多いほど、外水相の浸透圧が高くなり、食材からの離水が増える傾向がある。これに対して、本実施形態に係る乳化調味料によれば、食塩の総含有量を内水相と外水相とに分散させることで、食材に接する外水相の塩分量を低減することができ、外水相の浸透圧を低くすることで、食材からの離水を効果的に抑制することができる。
<作用効果>
本実施形態に係る乳化調味料は、食用油脂、増粘剤および食塩を含有するW/O/W型の乳化調味料であって、前記乳化調味料の水分含有量に対し、外水相の水分含有量の質量比が40/100〜90/100であり、エステル化度が30%超〜60%以下であるポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステルを含有し、粘度が4Pa・s以上〜50Pa・s未満であり、前記食塩の含有量が1〜6質量%であり、前記乳化調味料を構成するW/O/W型乳化粒子の平均粒子径が4〜25μmであることにより、離水率が45%以下であるため、食材と混合したときに、食材の食感を維持したまま、食材(特に野菜)からの離水を効果的に抑制することができる。これにより、食材の外観、食感を維持することができ、かつ、離水の抑制により、旨味成分及び食塩が水分と共に漏出するのを抑制することができるため、食材の風味を維持することができる。また、本実施形態に係る乳化調味料は、長期間(例えば2か月以上、好ましくは4ヵ月以上)の常温(15〜25℃)保存後においても離水抑制効果を維持することができる。
本実施形態に係る乳化調味料は、種々の食材(例えば、野菜、果物、肉、魚、卵、豆腐、ご飯、パン、麺類、菓子、乳製品及びこれらの加工品)に使用することができるが、なかでも、水分を多く含み、離水を生じ易い食材(例えば、野菜、果物、麺類、豆腐、卵加工品、ゼリー、ヨーグルト)、特に野菜(例えば、キャベツ、レタス、白菜、きゅうり、セロリ、玉ねぎ、にんじん、コーン、大根、ごぼう、ブロッコリー、カリフラワー、トマト)、果実(例えば、りんご、みかん、パイナップル、ぶどう、いちご、キウイ、もも、梨、メロン、すいか、グレープフルーツ、アボガド、マンゴー、これらの缶詰)、麺類(例えば、マカロニ、スパゲティ、春雨、ビーフン、ペンネ、アジア麺)に使用した場合に、食感を維持したまま、離水をより効果的に抑制することができる。例えば、野菜、果物、又は麺類が、家庭又は飲食店で調製されるサラダ類及び市販のサラダ類に含まれるものである場合、サラダ類に含まれる野菜、果物、又は麺類からの離水をより効果的に抑制することができる。
また、本実施形態に係る乳化調味料は、W/O/W型乳化粒子であって、かつ、食塩含量が1〜6%であることにより、風味が良好であるのに加えて、食塩の総含有量を内水相と外水相とに分散させることで、食材に接する外水相の塩分量を低減することができ、これにより、外水相の浸透圧を低くすることによって、食材からの離水を効果的に抑制することができる。
<サラダ>
本発明の一実施形態に係るサラダは、本実施形態に係る乳化調味料と食材とを含む。すなわち、本実施形態に係るサラダは、本実施形態に係る乳化調味料が配合されていることにより、食材からの離水を抑える効果を奏する。本実施形態に係るサラダに含まれる食材は例えば、離水を生じ易い食材である。例えば、本実施形態に係るサラダは、本実施形態に係る乳化調味料と、野菜および果物もしくはいずれか一方とを含むものであることができる。
離水を生じ易い食材としては、例えば、きゅうり、玉ねぎ、にんじん、レタス、セロリ、キャベツ、コーン、大根、ごぼう、ブロッコリー、カリフラワー、トマト等の野菜、りんご、パイナップル、ぶどう、いちご、キウイ、もも、梨、メロン、すいか、グレープフルーツ、アボガド、マンゴー等の果実、マカロニ、スパゲティ、春雨、ビーフン、ペンネ、アジア麺等の麺類が挙げられる。
また、これらの食材を用いた本実施形態に係るサラダとしては、例えば、野菜サラダ、ポテトサラダ、パスタサラダ、タマゴサラダ、フルーツサラダ、マカロニサラダ、コールスローサラダ、大根サラダ、ごぼうサラダ等が挙げられる。
本実施形態に係るサラダは、通常、食材と本実施形態に係る乳化調味料とを和えて製する。本実施形態に係るサラダにおける本実施形態に係る乳化調味料の含有量は10〜90%とすることができる。
以下に本発明の乳化調味料を実施例及び試験例に基づき詳述する。なお、本発明はこれに限定するものではない。
[実施例1]
<乳化調味料の調製>
下記表1の配合にて実施例1の乳化調味料を調製した。すなわち、下記表1の内水相および油相をホモミキサー(特殊機化工業製、T.K.オートホモミキサーMA)にて乳化し、W/O型乳化物を調製した。次に、W/O型乳化物に下記表1の外水相を加えてミキサーで乳化した後、コロイドミルで乳化して、実施例1の乳化調味料(W/O/W型乳化粒子)を調製した。
調製直後の乳化調味料(W/O/W型乳化粒子)の平均粒子径を、粒度分布測定装置(日機装製、粒度分布計 MT3300EXII)を用いて測定したところ、4〜25μmであった。また、顕微鏡(キーエンス製、デジタルマイクロスコープ VHX−600、倍率:2000倍)により実施例1の乳化調味料を観察したところ、W/O/W型乳化物(観察試料である実施例1の乳化調味料)100μm四方内に含まれる粒子径10μm以上のW/O/W型乳化粒子において、該W/O/W型乳化粒子に含まれるW/O型乳化粒子のうち粒子径が3μmを超えるものは、5個以下であった。
<基準調味料の調製>
上記<離水率>に記載された方法にしたがって、基準調味料500gを調製した。
<離水率の測定方法>
上記<離水率>に記載された方法にしたがって、実施例1の乳化調味料の離水率を測定した。
<サラダの外観および風味の評価方法>
実施例1の乳化調味料を使用して、以下の配合でコールスローサラダを製した。具体的には、キャベツ(3mm千切り)65g、ニンジン(1mm×1mm)5g、玉ねぎ(1mmスライス)8g、およびコーン4.5gと実施例1の乳化調味料15gを混合してコールスローサラダを製し、それぞれのサラダをプラスチック容器に入れ、蓋をして冷蔵庫で一晩静置した。その後、サラダの外観および風味について、以下の基準で評価した。
<サラダの外観の評価基準>
○:サラダの調製直後とほとんど変わらない
△:サラダの調製直後と比較して、わずかに離水した
×:サラダの調製直後と比較して、大量に離水した
<食材の風味の評価基準>
○:サラダの調製直後とほとんど変わらない
△:サラダの調製直後と比較して、わずかに低下した
×:サラダの調製直後と比較して、大きく低下した
後述する表1に示すように、実施例1の乳化調味料は、上記の方法にて測定された離水率は48時間後では4.3%、96時間後では17.9%であり、優れた離水抑制効果を有することが確認された。また、実施例1および後述する実施例2ないし5の乳化調味料を25℃にて保存した後、調製後2か月を経過した時点で離水率を再度測定したところ、同等の離水率であることが確認された。このことから、実施例1ないし5の乳化調味料は、長期間(例えば2か月以上)の常温(15〜25℃)保存後においても、離水抑制効果を維持することができることが確認された。
[実施例2]
配合比を下記表1に示されるものとした以外は、実施例1と同様の方法にて、実施例2の乳化調味料を調製した。また、後述する表1に示すように、実施例2の乳化調味料は、上記の方法にて測定された48時間後の離水率が31.9%であり、優れた離水抑制効果を有することが確認された。
調製直後の実施例2の乳化調味料(W/O/W型乳化粒子)の平均粒子径は4〜25μmであり、また、W/O/W型乳化物に含まれる粒子径10μm以上のW/O/W型乳化粒子において、該W/O/W型乳化粒子に含まれるW/O型乳化粒子のうち粒子径が3μmを超えるものは、5個以下であった。
[実施例3]
配合比を下記表1に示されるものとした以外は、実施例1と同様の方法にて、実施例3の乳化調味料を調製した。また、後述する表1に示すように、実施例3の乳化調味料は、上記の方法にて測定された48時間後の離水率が41.9%であり、優れた離水抑制効果を有することが確認された。
調製直後の実施例3の乳化調味料(W/O/W型乳化粒子)の平均粒子径は4〜25μmであり、また、W/O/W型乳化物に含まれる粒子径10μm以上のW/O/W型乳化粒子において、該W/O/W型乳化粒子に含まれるW/O型乳化粒子のうち粒子径が3μmを超えるものは、5個以下であった。
[比較例1]
配合比を下表1に示されるものとした以外は、実施例1と同様の方法にて、比較例1の乳化調味料を調製した。また、後述する表1に示すように、比較例1の乳化調味料は、上記の方法にて測定された48時間後の離水率が50.1%であり、優れた離水抑制効果を有していないことが確認された。
調製直後の比較例1の乳化調味料(W/O/W型乳化粒子)の平均粒子径は20μm以上であり、また、W/O/W型乳化物に含まれる粒子径10μm以上のW/O/W型乳化粒子において、該W/O/W型乳化粒子に含まれるW/O型乳化粒子のうち粒子径が3μmを超えるものが、6個以上あった。
[比較例2]
下記表1に示される配合比にて、内水相を形成させずに、油相と水相とを乳化して、比較例2の乳化調味料を調製した。
[実施例4]
食塩を内水相のみ(実施例1において外水相の食塩配合量を0とし、内水相の食塩配合量を2.4とする)、または食塩を外水相のみ(実施例1において内水相の食塩配合量を0とし、外水相の食塩配合量を2.4とする)に配合した以外は、実施例1と同様の方法にて、2種の乳化調味料を調製した。実施例1と同様の方法にて、2種の乳化調味料を使用してコールスローサラダを製し、一晩静置してサラダの外観および風味を評価した。その結果、食塩を内水相のみに配合した乳化調味料は、外観および風味がサラダの調製直後と変わらなかった。これに対し、食塩を外水相のみに配合した乳化調味料は、サラダの調製直後と比較して、わずかに離水し、風味もわずかに低下した。
なお、実施例4の乳化調味料の上記の方法にて測定された48時間後及び96時間後の離水率は、30%以下であり、調製直後の実施例4の乳化調味料(W/O/W型乳化粒子)の平均粒子径は4〜25μmであり、また、W/O/W型乳化物に含まれる粒子径10μm以上のW/O/W型乳化粒子において、該W/O/W型乳化粒子に含まれるW/O型乳化粒子のうち粒子径が3μmを超えるものは、5個以下であった。
[実施例5]
実施例1の乳化調味料において、澱粉を1%配合し、増加分は外水相の清水を減少させて補正した以外は同様の方法にて、実施例5の乳化調味料を調製した。
得られた実施例5の乳化調味料の粘度は、4Pa・s以上〜50Pa・s未満であった。また、実施例1と同様の方法にて46時間後、及び96時間後の離水率を測定したところ、30%以下であった。
実施例1と同様の方法にて、実施例5の乳化調味料を使用してコールスローサラダを製し、一晩静置してサラダの外観および風味を評価した結果、外観および風味がサラダの調製直後と変わらなかった。
[試験例1] フルーツサラダ
実施例1の乳化調味料を使用して、以下の配合でフルーツサラダを製した。具体的には、上白糖20g、寒天90g、シロップ漬け缶詰みかん30g、シロップ漬け缶詰パインアップル30g、りんご15gおよびキウイフルーツ15gと実施例1の乳化調味料45gを混合してフルーツサラダを製し、プラスチック容器に入れ、蓋をして冷蔵庫で一晩静置した。その後、サラダの外観および風味について評価したところ、離水は見られず、サラダの調製直後と比べて外観および風味に変化は見られなかった。
[試験例2] 春雨サラダ
実施例1の乳化調味料を使用して、以下の配合で春雨サラダを製した。具体的には、水に浸漬し、沸騰水中で10分間加熱した春雨150gと、きゅうりの輪切り15g、ニンジンの千切り15g、スライスした玉ねぎ15g、短冊切りしたレタス15g、紫キャベツの千切り6g、上白糖1.5g、食塩1gと実施例1の乳化調味料70gを混合して春雨サラダを製し、プラスチック容器に入れ、蓋をして冷蔵庫で一晩静置した。その後、サラダの外観および風味について評価したところ、離水は見られず、サラダの調製直後と比べて外観および風味に変化は見られなかった。
[試験例3] マカロニサラダ
実施例2の乳化調味料を使用して、以下の配合で春雨サラダを製した。具体的には、沸騰水中で9分間加熱したマカロニ120gと、きゅうりの輪切り15g、ニンジンの千切り15g、スライスした玉ねぎ15g、コーン15g、キャベツの千切り15g、短冊切りしたレタス15g、上白糖2g、食塩2gと実施例2の乳化調味料30gを混合してマカロニサラダを製し、プラスチック容器に入れ、蓋をして冷蔵庫で一晩静置した。その後、サラダの外観および風味について評価したところ、離水は見られず、サラダの調製直後と比べて外観および風味に変化は見られなかった。
[試験例4] ポテトサラダ
実施例2の乳化調味料を使用して、以下の配合でポテトサラダを製した。具体的には、じゃがいも120g、きゅうりの輪切り15g、ニンジンの千切り15g、スライスした玉ねぎ15g、コーン15g、キャベツの千切り15g、短冊切りしたレタス15g、上白糖2g、食塩2gと実施例2の乳化調味料30gを混合してポテトサラダを製し、プラスチック容器に入れ、蓋をして冷蔵庫で一晩静置した。その後、サラダの外観および風味について評価したところ、離水は見られず、サラダの調製直後と比べて外観および風味に変化は見られなかった。
[試験例5] ごぼうサラダ
実施例1の乳化調味料を使用して、以下の配合でごぼうサラダを製した。具体的には、加熱調味したごぼう150g、ゆでたニンジンの千切り15g、いちょう切りしてゆでたレンコン15g、湯戻ししたひじき5g、湯戻ししたきくらげの千切り5g、こんにゃくの千切り5g、上白糖5g、食塩1.5gと実施例2の乳化調味料30gを混合してごぼうサラダを製し、プラスチック容器に入れ、蓋をして冷蔵庫で二晩静置した。その後、サラダの外観および風味について評価したところ、離水は見られず、サラダの調製直後と比べて外観および風味に変化は見られなかった。
[試験例6] かに風味サラダ
実施例1の乳化調味料を使用して、以下の配合でかに風味サラダを製した。具体的には、かに風味かまぼこ150g、キャベツの千切り150g、レタスの角切り120g、きゅうりの輪切り50g、上白糖2g、食塩2gと実施例2の乳化調味料120gを混合してかに風味サラダを製し、プラスチック容器に入れ、蓋をして冷蔵庫で二晩静置した。その後、サラダの外観および風味について評価したところ、離水は見られず、サラダの調製直後と比べて外観および風味に変化は見られなかった。
1 サラダ
2 容器
3 開口部
4 プラスチック製メッシュ
5 輪ゴム
6 プラスチック製容器
7 水

Claims (6)

  1. 食用油脂、増粘剤および食塩を含有するW/O/W型の乳化調味料であって、
    前記乳化調味料の水分含有量に対し、外水相の水分含有量の質量比が40/100〜90/100であり、
    エステル化度が30%超、60%以下であるポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステルを含有し、
    粘度が4Pa・s以上、50Pa・s未満であり、
    前記食塩の含有量が1〜6質量%であり、
    前記乳化調味料を構成するW/O/W型乳化粒子の平均粒子径が4〜25μmである
    乳化調味料。
  2. 30mm角のレタス60g、2mm幅の千切りキャベツ60g及び清水8gと前記乳化調味料40gとを混合したときの離水率が、下記基準調味料に対して45%以下である、請求項1に記載のW/O/W型の乳化調味料。
    基準調味料:生卵黄100g、食酢(酸度4%)90g、清水35g、食塩10g、キサンタンガム2gおよびグルタミン酸ナトリウム3gをミキサーで均一とし水相を調製し、該水相に食用植物油脂760gを注加して粗乳化した後、コロイドミルで精乳化させて調製される
  3. 前記乳化調味料を顕微鏡で観察した際の観察試料100μm四方内に含まれる粒子径10μm以上のW/O/W型乳化粒子において、該W/O/W型乳化粒子に含まれる粒子径3μmを超えるW/O型乳化粒子の数が5個以下または0個である請求項1または2に記載の乳化調味料。
  4. 前記乳化調味料を構成する内水相、油相、および外水相の割合が20〜40:10〜45:20〜65である、請求項1ないし3のいずれか1項に記載の乳化調味料。
  5. 卵黄をさらに含む、請求項1ないし4のいずれか1項に記載の乳化調味料。
  6. 請求項1ないし5のいずれか1項に記載の乳化調味料と、野菜および果物もしくはいずれか一方とを含む、サラダ。
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