JP5969949B2 - フィリング - Google Patents

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本発明は、油漬けした魚肉又は鶏肉をW/O/W型乳化調味料で和えたフィリングに関する。
ツナ、サーモン等の魚肉や、ササミ等の鶏肉は、マヨネーズ等の乳化調味料で和えて、おにぎりやサンドウィッチの具材として美味しく食されている。最近では、乳化調味料と和える具材の種類が増え、おにぎりやサンドウィッチのバリエーションも増えている。
しかしながら、魚肉や鶏肉の油漬けは、一般的に魚肉や鶏肉のフレーク肉を食用油脂と野菜スープなどの調味液で漬けこんでいるため、乳化調味料と和えると、時間の経過に伴ってフィリングから油と水が染み出し、おにぎりやサンドイッチの風味、食感を損なう問題があった。
従来、フィリングからの離水及び離油を改善する方法としては、魚肉や鶏肉の油漬けを、液切りしてから乳化調味料と和える方法がある。この方法の場合、フィリングからの油や水の染み出しはある程度抑制されるものの、油や水に移行した魚肉や鶏肉のうまみを利用できないことや、液切りの手間が生じ作業効率が悪い問題があった。
また、油漬けされてない水煮された魚肉や鶏肉を使用する方法もあるが、油のコクが弱く、満足できる美味しさのフィリングとは言い難かった。
さらに、野菜等からの離水を改善する乳化調味料が提案されているが、離水、離油の両方を改善できる乳化調味料はなかった。
特開平4−112767号公報 特開2002−112744号公報
そこで、本発明の目的は、油漬けされた魚肉や鶏肉を乳化調味料で和えたフィリングにおいて、おにぎりやサンドウィッチの具材として加えた後に時間が経過しても、フィリングから油と水が染み出し難く、おにぎりやサンドウィッチの風味、食感を損なわないフィリングを提供するものである。
本発明者等は、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた。その結果、油漬けされた魚肉や鶏肉を乳化調味料で和えたフィリングにおいて、乳化調味料として所定のエステル化度を有するポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステルを含有し、かつ所定の粒子径のW/O型乳化粒子を持つW/O/W型乳化調味料を用いるならば、意外にもフィリングからの離水及び離油を効果的に抑制することを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
(1)油含量が5〜50%である魚肉又は鶏肉の油漬けを、乳化調味料で和えたフィリングにおいて、
前記乳化調味料は、食用油脂、乳化剤、増粘剤、食塩及び有機酸を含有し、かつW/O/W型に乳化されており、
前記乳化調味料の粘度が50Pa・s以上であり、
前記乳化剤がエステル化度30%超60%以下であるポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステルであり、
前記乳化調味料を顕微鏡で観察した際の観察試料100μm四方内に含まれる粒子径10μm以上のW/O/W型乳化粒子において、該W/O/W型乳化粒子に含まれる粒子径3μmを超えるW/O型乳化粒子の数が5個以下である、
フィリング。
(2)(1)に記載のフィリングにおいて、
前記W/O/W型乳化粒子に含まれるW/O型乳化粒子の平均粒子径が2.5μm以下である、
フィリング。
(3)(1)又は(2)に記載のフィリングにおいて、
前記W/O/W型乳化粒子に含まれるW/O型乳化粒子の累積90%径が3μm以下である、
フィリング。
(4)(1)ないし(3)のいずれかに記載のフィリングにおいて、
前記乳化調味料の水分含有量に対し、外水相の水分含有量の質量比が40/100〜90/100である、
フィリング、
である。
本発明によれば、油漬けされた魚肉や鶏肉を乳化調味料で和えたフィリングにおいて、おにぎりやサンドウィッチの具材として加えた後に時間が経過しても、フィリングから油と水が染み出さず、おにぎりやサンドウィッチの風味、食感を損なわないフィリングを提供できる。したがって、特に、コンビニエンスストアやスーパーマーケット等で販売されるおにぎりやサンドウィッチの更なる需要拡大が期待される。
以下、本発明を詳細に説明する。なお、本発明において「%」は「質量%」を、「部」は「質量部」を意味する。
<本発明の特徴>
本発明は、油含量が5〜50%である魚肉又は鶏肉の油漬けを、乳化調味料で和えたフィリングにおいて、当該フィリングをおにぎりやサンドウィッチの具材として加えるならば、時間が経過してもフィリングから油と水が染み出さず、おにぎりやサンドウィッチの風味、食感を損なわないフィリングを提供することに特徴を有する。
具体的には、前記乳化調味料が、食用油脂、乳化剤、増粘剤、食塩及び有機酸を含有する。
前記乳化調味料が、W/O/W型に乳化されている。
前記乳化調味料の粘度が50Pa・s以上である。
前記乳化剤がエステル化度30%超60%以下であるポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステルである。
前記乳化調味料を顕微鏡で観察した際の観察試料100μm四方内に含まれる粒子径10μm以上のW/O/W型乳化粒子において、該W/O/W型乳化粒子に含まれる粒子径3μmを超えるW/O型乳化粒子の数が5個以下である。
<フィリング>
本発明のフィリングは、魚肉又は鶏肉の油漬けを乳化調味料で和えたものであればいずれのものでも良い。例えば、ツナフィリング、ささみフィリング等が挙げられる。
また、魚肉又は鶏肉の油漬けと乳化調味料を含んでいれば、それ以外の具材は特に限定されず、例えば、キュウリ、タマネギ、トウモロコシ、人参等の野菜類、リンゴ等の果物類、卵、チーズ等を配合することができる。
これらの具材は、通常、茹でる、蒸す等の加熱処理、また、必要に応じて所望の大きさにカットしてフィリングに用いられ、本発明のフィリングの製造方法においても同様に処理して用いればよい。
<魚肉又は鶏肉の油漬け>
前記フィリングに用いる魚肉又は鶏肉の油漬けは、加熱された魚肉又は鶏肉を、食用油脂に漬けたものであればいずれの食品でも良く、例えば、加熱したマグロの肉を、調味液で味付けした後、食用油脂に漬けたものや、調味液と食用油脂の混合液に漬けたものが挙げられる。
前記魚肉又は鶏肉の油漬けに用いる食用油脂は、食用に用いられるものであればいずれのものでも良い。また、前記調味液としては、特に限定されるものではないが、水の他に種々の調味原料を配合することができる。例えば、食塩、砂糖、醤油、野菜エキス、グルタミン酸ソーダなどが挙げられる。
<魚肉又は鶏肉の油漬けの油含量>
上記魚肉又は鶏肉の油漬けは、5〜50%の油を含むことができ、さらには10〜50%の油を含むことができる。なお、前記油含量には、魚肉又は鶏肉由来のものも含まれる。
<魚肉又は鶏肉の油漬けに用いる魚肉>
上記魚肉又は鶏肉の油漬けに用いる魚肉は、食用に用いられるものであればいずれのものでも良い。このような魚肉としては、例えば、マグロ、カツオ、サーモン、イワシ等が挙げられる。
<魚肉又は鶏肉の油漬けに用いる鶏肉>
上記魚肉又は鶏肉の油漬けに用いる鶏肉は、食用に用いられるものであればいずれのものでも良い。このような鶏肉としては、例えば、モモ肉、ムネ肉、ササミ等が挙げられる。
<魚肉及び鶏肉の形態>
上記魚肉及び鶏肉の形態としては、食用に適するものであればいずれのものでも良い。例えばフレーク状、ブロック状、ペースト状などが挙げられる。
<乳化調味料>
本発明のフィリングに用いる乳化調味料は、食用油脂、乳化剤、増粘剤、食塩及び有機酸を含有するW/O/W型(内水相/油相/外水相)の乳化調味料である。
W/O/W型の乳化調味料は、内水相と、この内水相を内包する油相と、この油相を内包する外水相とを含む。W/O/W型乳化調味料は、後述する乳化剤等を用い、内水相と油相によりW/O型乳化物を製した後、前記W/O型乳化物と外水相によりW/O/W型に乳化されたものである。
<乳化調味料の粘度>
前記乳化調味料の粘度は、離水及び離油抑制効果を発揮できるように、50Pa・s以上であり、さらに75Pa・s以上であるとよい。
なお、魚肉又は鶏肉の油漬けとの混ぜやすさ等生産性を考慮し、前記粘度は500Pa・s以下であり、さらには350Pa・s以下であるとよい。
ここで、本発明に係る乳化調味料の粘度は、品温25℃のものをBH型粘度計にて、ローターNo.6、回転数2rpmの条件で測定した1分後の示度により算出した値である。
<乳化調味料に用いる食用油脂>
前記W/O/W型乳化調味料の油相に用いる食用油脂は、食用に供される油脂であればいずれのものでもよい。例えば、食用植物油脂(例えば、菜種油、大豆油、紅花油、ひまわり油、コーン油、オリーブ油、グレープシード油、ごま油、綿実油、シソの実油、アマニ油)、魚油、肝油、さらにはエステル交換した油脂やジグリセライドを主に含む油脂が挙げられ、これらを単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
また、前記乳化調味料は、油相に用いる食用油脂を10〜70%含むことができ、さらに10〜60%含むことができ、さらに20〜40%含むことができる。
<乳化調味料の乳化剤:エステル化度が30%超60%以下であるポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル>
前記乳化調味料は、エステル化度が30%超60%以下であるポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル(以下、「PGPR」とする。)を含有する。
前記PGPRのエステル化度は、乳化調味料の乳化安定性及びフィリングからの離水及び離油抑制効果が高い点で、30%超60%以下であり、さらに30%超50%以下であるよい。本実施形態に係る乳化調味料において、PGPRは、後述の卵黄及び他の乳化剤と併用することができる。なお、PGPRは油相に添加するとよい。
<PGPRのエステル化度>
本発明において「PGPRのエステル化度」とは、PGPRに含まれるポリグリセリン部位において縮合リシノレイン酸が結合している割合をいう。より具体的には、ポリグリセリンの平均重合度をnとしたとき、ポリグリセリンは分子内に平均(n+2)個の水酸基を有するため、ポリグリセリン1分子に対して1〜(n+2)分子の縮合リシノレイン酸をエステル結合することが可能である。
したがって、PGPRに含まれるポリグリセリン部位に縮合リシノレイン酸がエステル結合されていない場合、PGPRのエステル化度は0%であり、PGPRに含まれるポリグリセリン部位に含まれる全ての水酸基がエステル結合されている場合、PGPRのエステル化度は100%である。PGPRは通常、種々のエステル化度のものからなるため、本発明においてはその平均エステル化度をPGPRのエステル化度とする。
<乳化調味料の他の乳化剤>
さらに、前記PGPRに加え、食用に供される他の乳化剤を併用してもよい。他の乳化剤としては、例えば、卵黄、卵黄レシチン、乳タンパク、大豆タンパク、モノグリセリド、モノグリセリド誘導体、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ステアロイル乳酸カルシウム、植物レシチンが挙げられ、これらを単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
前記他の乳化剤としては、特に卵黄を併用するとよい。卵黄を含む前記乳化調味料を調製する場合、卵黄は外水相に添加するとよい。卵黄としては、食用として一般的に用いている卵黄であれば特に限定するものではなく、例えば、生卵黄をはじめ、当該生卵黄に殺菌処理、冷凍処理、スプレードライ又はフリーズドライ等の乾燥処理、ホスフォリパーゼA1、ホスフォリパーゼA2、ホスフォリパーゼC、ホスフォリパーゼD又はプロテアーゼ等による酵素処理、酵母又はグルコースオキシダーゼ等による脱糖処理、超臨界二酸化炭素処理等の脱コレステロール処理、食塩又は糖類等の混合処理等の1種又は2種以上の処理を施したもの等が挙げられる。乳化調味液中の卵黄は固形分換算で1〜10%含むことができ、さらに1〜8%含むことができ、さらに1.5〜6%含むことができる。
<乳化調味料の増粘剤>
前記乳化調味料に用いる増粘剤としては、食用として供されるものであれば特に限定するものではない。例えば、澱粉、ガム質等が挙げられ、後述する増粘剤の具体例の1種又は2種以上を用いることができる。
<乳化調味料の増粘剤:澱粉>
澱粉としては、例えば、馬鈴薯澱粉、コーンスターチ、タピオカ澱粉、小麦澱粉、米澱粉、これらの澱粉をアルファ化、架橋等の処理を施した加工澱粉、並びに湿熱処理澱粉が挙げられる。
湿熱処理澱粉としては、「湿熱処理澱粉」として市販されているものであれば特に限定するものではない。
また、加工澱粉としては、食品衛生法で含有物に指定された化学的処理を施された澱粉であって食用として供されるものであれば特に限定するものではない。例えば、アセチル化アジピン酸架橋澱粉、アセチル化リン酸架橋澱粉、アセチル化酸化澱粉、オクテニルコハク酸澱粉ナトリウム、酢酸澱粉、酸化澱粉、ヒドロキシプロピル化リン酸架橋澱粉、ヒドロキシプロピル澱粉、リン酸化澱粉、リン酸架橋澱粉、リン酸モノエステル化リン酸架橋澱粉等が挙げられる。
<乳化調味料の増粘剤:ガム質>
ガム質としては、例えば、キサンタンガム、ジェランガム、カラギーナン、ローカストビーンガム、タラガム、グアガム、アラビアガム、タマリンドガム、サイリュームシードガム、アルギン酸ナトリウム、ペクチン、コンニャクマンナン等が挙げられる。
<増粘剤の含有量>
前記乳化調味料は、増粘剤の種類にもよるが、離水及び離油抑制効果を十分に発揮できるように、増粘剤を0.2%以上含むことができ、さらに0.4%以上含むことができる。
また、魚肉又は鶏肉の油漬けとの混ぜやすさ等生産性や食感を考慮し、増粘剤を7%以下含むことができ、さらには6%以下含むことができる。
特に、食感及び離水、離油抑制効果が優れている点で、澱粉とガム質を併用するとよく、さらに、ガム質の含有量に対する澱粉の含有量の質量比が1/1〜3/1であるとよい。
<乳化調味料の食塩>
前記乳化調味料には内水相及び/又は外水相に食塩を含有することができる。食塩としては、食用として供されるものであれば特に限定するものではない。例えば、精製塩、岩塩などが挙げられる。
<食塩の含有量>
前記乳化調味料は、食塩を2〜6%含むことができ、さらに3〜6%含むことができる。食塩の含有量が前記範囲であることにより、風味が良好であり、微生物の繁殖を抑制し、かつ、W/O/W型乳化粒子の安定化及びW/O型乳化粒子の微細化に寄与することができる。
<乳化調味料の有機酸>
前記乳化調味料には内水相及び/又は外水相に有機酸を含有することができる。有機酸としては、食用として供されるものであれば特に限定するものではない。例えば、酢酸、クエン酸、コハク酸、乳酸、グルコン酸などが挙げられる。
<有機酸の含有量>
前記乳化調味料は、有機酸を0.1〜1%含むことができ、さらに0.3〜1%含むことができる。有機酸の含有量が前記数値の範囲であることにより、風味が良好であり、微生物の繁殖を抑制し、かつ、W/O/W型乳化粒子の安定化及びW/O型乳化粒子の微細化に寄与することができる。
特に、風味及び微生物の繁殖抑制効果が優れている点で、有機酸全量に対する外水相の有機酸含有量の質量比が45/100〜90/100であるとよく、さらに50/100〜90/100であるとよい。
<W/O/W型乳化調味料中のW/O型乳化粒子>
本発明に係る乳化調味料は、顕微鏡で観察したときに、100μm四方の区画中に含まれる粒子径10μm以上のW/O/W型乳化粒子において、該W/O/W型乳化粒子に含まれる粒子径3μmを超えるW/O型乳化粒子の数が5個以下であり、さらに0個であるとよい。W/O型乳化粒子の数を前記個数以下にすることにより、時間が経過しても油と水が染み出し難いフィリングを得られる。
<W/O型乳化粒子の平均粒子径>
本発明に係る乳化調味料において、W/O/W型乳化粒子に含まれるW/O型乳化粒子の平均粒子径(累積50%径、メジアン径)は、2.5μm以下であるとよく、さらに1.8μm以下であるとよく、さらに1.2μm以下であるとよい。W/O型乳化粒子は、魚肉や鶏肉からの離水及び離油を吸収することができるが、W/O型乳化粒子の平均粒子径が前記値以下であることにより、本発明に係る乳化調味料の単位体積あたりの保水及び保油可能な量が多くなることから、離水及び離油抑制効果を奏しやすくなる。
なお、W/O型乳化粒子の平均粒子径は、粒度分布測定装置にて体積換算で得た粒度分布から求めた値である。
<W/O型乳化粒子の累積90%径>
本発明に係る乳化調味料において、W/O/W型乳化粒子に含まれるW/O型乳化粒子の累積90%径が3μm以下であるよく、さらに2.5μm以下であるとよく、さらに2μm以下であるとよい。W/O型乳化粒子は、魚肉や鶏肉からの離水及び離油を吸収することができるが、W/O型乳化粒子の累積90%径が前記値以下であることにより、本発明に係る乳化調味料の単位体積あたりの保水及び保油可能な量が多くなることから、離水及び離油抑制効果を奏しやすくなる。
なお、前記累積90%径は、粒度分布測定装置にて体積換算で得た粒度分布から求めた値である。すなわち、乳化粒子の集団の全体積を100%として、粒子径が小さいものから粒子径をカウントして累積カーブを求めたとき、その累積カーブにおいて相対粒子量が90%となる点の粒子径を累積90%径という。
<乳化調味料のW/O/W型乳化粒子の平均粒子径>
本発明に係る乳化調味料を構成するW/O/W型乳化粒子の平均粒子径は、フィリングからの離水及び離油抑制効果が高い点で、4〜25μmであるとよく、さらに5〜15μmであるとよい。前記W/O/W型乳化粒子の平均粒子径が4μm未満のものは、コストの面から産業上調製することが困難であり、一方、25μmを超えると、W/O/W型乳化粒子の安定性が低下することがある。
乳化調味料のW/O型乳化粒子の観察は、次のようにして行うことができる。すなわち、乳化調味料を少量(約0.05g)採取し、スライドグラスの中心にのせ、上からカバーグラスで軽く押さえたものを観察試料とし、この観察試料を常法により顕微鏡(倍率:2000倍)を用いて観察する。観察試料100μm四方の範囲や、凝集物の大きさは、常法により顕微鏡の視野内のスケールと対比することにより測定できる。
<乳化調味料の水分含量>
本発明に係る乳化調味料おいて、水分を20〜95%含むことができ、さらに30〜95%含むことができる。なお、前記乳化調味料の水分含量は、用いた配合原料の水分含量から計算して求めることができる。
<乳化調味料中の水分含有量に対し外水相に含まれる水分含有量の割合>
本発明に係る乳化調味料おいて、特に時間が経過しても油と水が染み出し難いフィリングを得られやすいことから、乳化調味料の水分含有量に対し、外水相の水分含有量の質量比が40/100〜90/100であるとよく、さらに45/100〜90/100であるとよく、さらに50/100〜90/100であるとよい。
<乳化調味料のその他の成分>
本発明に係る乳化調味料は水相成分として、特に限定されないが、水のほかに、例えば、食酢(醸造酢)、調味料、糖類、香辛料、着色料及び着香料を含むことができ、これらを単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
<魚肉又は鶏肉の油漬けと乳化調味料との混合割合>
本発明のフィリングにおける乳化調味料と魚肉又は鶏肉の油漬けとの混合割合は、1:1〜25であるとよく、さらに1:1.5〜20であるとよい。これにより、本発明の効果である、おにぎりやサンドウィッチの具材として加えた後に時間が経過しても、フィリングから油と水が染み出し難く、おにぎりやサンドウィッチの風味、食感を損なわないフィリングが得られる。
<乳化調味料の製造方法>
本発明の乳化調味料は以下の工程により得ることができる。まず、水相(内水相)90〜10部(好ましくは60〜40部)と、油相10〜90部(好ましくは40〜60部)とを乳化することによって、W/O型乳化物を調製する。次に、得られたW/O型乳化物100部と、水相(外水相)20〜140部(好ましくは40〜100部)とを乳化することにより、本実施形態に係るW/O/W型乳化調味料を得ることができる。なお、乳化は、ホモミキサーやコロイドミル等の一般的な乳化装置を用いて行うことができる。
なお、内水相は、水、食塩、食酢(醸造酢)、調味料、糖類、香辛料、着色料、着香料、増粘剤等を含んでいてもよく、このうち、食塩、調味料及び糖類を少なくとも含むことが好ましい。また、外水相は、卵黄、食塩、食酢(醸造酢)、調味料、糖類、香辛料、着色料、着香料、増粘剤等を含んでいてもよく、このうち、卵黄、調味料、糖類及び増粘剤を少なくとも含むことが好ましい。
<フィリングの製造方法>
本発明のフィリングの製造方法においては、魚肉又は鶏肉の油漬けを乳化調味料と和えるが、その混合方法は特に限定するものではなく、一般的なフィリングの製造方法に準じて行うことができる。例えば、上述した魚肉又は鶏肉の油漬けと乳化調味料、及び/又はその他必要な食材をミキサー等の撹拌混合機に投入し、全体が略均一になるまで撹拌混合すればよい。
次に、本発明を実施例、比較例及び試験例に基づき、更に説明する。
[実施例1]
(1)乳化調味料の調製
下記表1の配合にて実施例1に用いる乳化調味料を調製した。すなわち下記表1の内水相及び油相をホモミキサー(特殊機化工業製、T.K.オートホモミキサーMA)にて乳化し、W/O型乳化物を調製した。次に、W/O型乳化物に下記表1の外水相を加えてミキサーで乳化した後、コロイドミルで乳化して、W/O/W型乳化物を調製した。
得られた乳化調味料において、粘度は230Pa・s、W/O/W型乳化粒子の平均粒子径は10μmであった。
得られた乳化調味料を顕微鏡で観察した際の観察試料100μm四方内に含まれる粒子径10μm以上のW/O/W型乳化粒子において、該W/O/W型乳化粒子に含まれる粒子径3μmを超えるW/O型乳化粒子の数が5個以下であった。
得られた乳化調味料のW/O型乳化粒子の平均粒子径は0.92μmであり、累積90%径は1.49μmであった。
得られた乳化調味料の水分含有量に対し、外水相の水分含有量の質量比は53/100であった。
前記乳化調味料のW/O/W型乳化粒子の平均粒子径は、粒度分布測定装置(日機装製、粒度分布計MT3300EXII)を用いて測定した。
また、乳化調味料の顕微鏡観察は、倍率2000倍で行い、顕微鏡(キーエンス製、デジタルマイクロスコープVHX−600)を用いて行った。
(2)ツナフィリングの調製
(1)で得られた乳化調味料を用い、ツナフィリングを調製した。つまり、(1)の乳化調味料6部と、ツナの油漬け(油含量20%)90部、玉ねぎ(みじん切りしたもの)4部をヘラで全体が均一となるまで和えた。
実施例1で製したツナフィリングついて、以下の試験を行った。実施例1のフィリング250gを、開口部の直径が5cmの円筒状容器に充填し、当該容器の開口部に、ガーゼ様のプラスチック製メッシュ(目開き:2mm)をかぶせて輪ゴムで固定した。
次に、空のプラスチック容器の上に、前記円筒状容器の開口部が下になるように逆さに乗せ、4℃で7日間静置した。静置後、プラスチック容器内に滴り落ちた液を回収し、離水量及び離油量を測定した。
実施例1で製したツナフィリングの離水量は8.4g、離油量は14.4gであった。
[実施例2]
表1に示される乳化調味料の配合比にて乳化調味料を調製した。そして、得られた乳化調味料を用いた以外は実施例1と同様の方法で、比較例1のツナフィリングを製造した。
乳化調味料の水分含有量に対し、外水相の水分含有量の質量比は54/100であった。
得られた乳化調味料において、粘度は310Pa・sであり、W/O/W型乳化粒子の平均粒子径は10μmであった。
得られた乳化調味料を顕微鏡で観察した際の観察試料100μm四方内に含まれる粒子径10μm以上のW/O/W型乳化粒子において、該W/O/W型乳化粒子に含まれる粒子径3μmを超えるW/O型乳化粒子の数が5個以下であった。
得られた乳化調味料のW/O型乳化粒子の平均粒子径、及び累積90%径は実施例1の乳化調味料と同等であった。
実施例2で製したツナフィリングの離水量及び離油量は実施例1と同等であった。
[比較例1]
表1に示される乳化調味料の配合比にて、乳化調味料の水分含有量に対し、外水相の水分含有量の質量比が29/100である乳化調味料を調製した。そして、得られた乳化調味料を用いた以外は実施例1と同様の方法で、比較例1のツナフィリングを製造した。
得られた乳化調味料において、粘度は78Pa・s、W/O/W型乳化粒子の平均粒子径は10μmであった。
得られた乳化調味料を顕微鏡で観察した際の観察試料100μm四方内に含まれる粒子径10μm以上のW/O/W型乳化粒子において、該W/O/W型乳化粒子に含まれる粒子径3μmを超えるW/O型乳化粒子の数が5個以下であった。
得られた乳化調味料のW/O型乳化粒子の平均粒子径は0.93μmであり、累積90%径は1.47μmであった。
また、比較例1で製したツナフィリングの離水量は14.0gであり、離油量は14.7gであった。
[比較例2]
表1に示される乳化調味料の配合比において、乳化調味料の乳化剤をエステル化度10%以上30%以下のPGPRを用いて乳化調味料を調製した。そして、得られた乳化調味料を用いた以外は実施例1と同様の方法で、比較例2のツナフィリングを製造した。
得られた乳化調味料において、粘度は125Pa・s、W/O/W型乳化粒子の平均粒子径は10μmであった。
得られた乳化調味料を顕微鏡で観察した際の観察試料100μm四方内に含まれる粒子径10μm以上のW/O/W型乳化粒子において、該W/O/W型乳化粒子に含まれる粒子径3μmを超えるW/O型乳化粒子の数が5個以下であった。
また、比較例2で製したツナフィリングの離水量は21.1gであり、離油量は13.0gであった。
[比較例3]
表1に示される乳化調味料の配合比において、乳化調味料100μm四方内に含まれる粒子径10μm以上のW/O/W型乳化粒子において、粒子径3μmを超えるW/O型乳化粒子の数が6個以上である乳化調味料を調製した。そして、得られた乳化調味料を用いた以外は実施例1と同様の方法で、比較例3のツナフィリングを製造した。
得られた乳化調味料において、粘度は255Pa・s、W/O/W型乳化粒子の平均粒子径は10μmであった。
得られた乳化調味料のW/O型乳化粒子の平均粒子径は1.3μmであり、累積90%径は2.1μmであった。
比較例3で製したツナフィリングついて、試験例1の方法で離水量及び離水量を測定した。比較例3で製したツナフィリングの離水量は15.3gであり、離油量は25.0gであった。
[比較例4]
表1に示される乳化調味料の配合比において、内水相を形成させずに、油相と水相とを乳化して、乳化調味料を調製した。そして、得られた乳化調味料を用いた以外は実施例1と同様の方法で、比較例4のフィリングを製造した。
得られた乳化調味料において、粘度は100Pa・sであった。
また、比較例4で製したツナフィリングの離水量は13.7gであり、離油量は24.8gであった。
[表1]
Figure 0005969949
[実施例3]
下記表2に示される乳化調味料の配合比にて、乳化調味料を調製した。そして、得られた乳化調味料を用いた以外は実施例1と同様の方法で、実施例3のツナフィリングを製造した。
乳化調味料の水分含有量に対し、外水相の水分含有量の質量比は61/100であった。
得られた乳化調味料において、粘度は75Pa・sであり、W/O/W型乳化粒子の平均粒子径は10μmであった。
得られた乳化調味料を顕微鏡で観察した際の観察試料100μm四方内に含まれる粒子径10μm以上のW/O/W型乳化粒子において、該W/O/W型乳化粒子に含まれる粒子径3μmを超えるW/O型乳化粒子の数が5個以下であった。
得られた乳化調味料のW/O型乳化粒子の平均粒子径、及び累積90%径は実施例1の乳化調味料と同等であった。
実施例3で製したツナフィリングの離水量及び離油量は実施例1と同等であった。
[表2]
Figure 0005969949
以上の結果より、実施例1〜3で製したフィリングにおいては、効果的に離水、離油の両方が抑制されていることがわかる。

Claims (4)

  1. 油含量が5〜50%である魚肉又は鶏肉の油漬けを、乳化調味料で和えたフィリングにおいて、
    前記乳化調味料は、食用油脂、乳化剤、増粘剤、食塩及び有機酸を含有し、かつW/O/W型に乳化されており、
    前記乳化調味料の粘度が50Pa・s以上であり、
    前記乳化剤がエステル化度30%超60%以下であるポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステルであり、
    前記乳化調味料を顕微鏡で観察した際の観察試料100μm四方内に含まれる粒子径10μm以上のW/O/W型乳化粒子において、該W/O/W型乳化粒子に含まれる粒子径3μmを超えるW/O型乳化粒子の数が5個以下である、
    フィリング。
  2. 請求項1に記載のフィリングにおいて、
    前記W/O/W型乳化粒子に含まれるW/O型乳化粒子の平均粒子径が2.5μm以下である、
    フィリング。
  3. 請求項1又は2に記載のフィリングにおいて、
    前記W/O/W型乳化粒子に含まれるW/O型乳化粒子の累積90%径が3μm以下である、
    フィリング。
  4. 請求項1ないし3のいずれかに記載のフィリングにおいて、
    前記乳化調味料の水分含有量に対し、外水相の水分含有量の質量比が40/100〜90/100である、
    フィリング。
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