JP2020129994A - W1/o/w2型乳化食品 - Google Patents

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Abstract

【課題】程良い酸味を有し、かつ後味がすっきりしているW1/O/W2型乳化食品の提供。【解決手段】食酢及び酸味料を含むW1/O/W2型乳化食品であって、前記乳化食品全体に含まれる食酢の量が酢酸換算で、乳化食品の総量に対して0.2〜1重量%であり、かつ前記乳化食品の内水相(W1)に含まれる酸味料の量が、乳化食品の総量に対して0.015〜0.45重量%である、乳化食品。【選択図】なし

Description

本発明は、W1/O/W2型乳化食品及びその製造方法に関する。詳細には、本発明は、程良い酸味を有し、かつ後味がすっきりしているW1/O/W2型乳化食品及びその製造方法に関する。
近年、乳化ドレッシング、マヨネーズ等の乳化状の調味料や食品において、低カロリー化や食材からの離水抑制等の目的で、W/O/W型(水中油中水型ともいう)の乳化物が利用されている(特許文献1〜6)。
W/O/W型の乳化物は一般に、O/W型のものに比べて、低油脂含量であること等から、微生物耐性が比較的低く、従来、食酢(酢酸)や食塩等を配合することで、微生物耐性の向上が図られていたが、食酢を多量に配合した乳化食品は酸味が強く、一般的に好まれない傾向にあった。
特許文献7には、微生物学的に安定で、かつ明確な酸味のないW/O/Wエマルションの製造方法が報告されている。しかし、当該方法は、内水相の水の量及び酸味料の量を、それぞれ外水相よりも多くすることを特徴とするものであるため、食品に適用するには呈味やコストの点で制約があった。また、特許文献7にはW/O/Wエマルションの後味の改善について一切記載されていない。
特開2016−86748号公報 国際公開第2013/061653号 国際公開第2014/045410号 特開2014−200223号公報 国際公開第2007/043678号 特開2014−8053号公報 国際公開第2004/047562号
W/O/W型乳化食品における食酢の配合量を減らすことによって、当該乳化食品の酸味を抑え得るものの、その場合、後味のすっきり感が損なわれることがあり、後味がすっきりしなくなるという新たな課題を生じることが判明した。
本発明は、上述の事情に鑑みてなされたものであり、その解決しようとする課題は、程良い酸味を有し、かつ後味がすっきりしているW1/O/W2型乳化食品を提供することにある。
本発明者らは、上述の課題を解決するべく鋭意検討し、W1/O/W2型乳化食品の後味は、主に内水相(W1)に由来するという知見を得、当該知見に基づいて研究を重ねた結果、内水相に特定量の酸味料を含ませることによって、W1/O/W2型乳化食品における食酢の配合量を減らしても、その後味がすっきりし得ることを見出し、更に研究を重ねることによって、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下の通りである。
[1]食酢及び酸味料を含むW1/O/W2型乳化食品であって、
前記乳化食品全体に含まれる食酢の量が酢酸換算で、乳化食品の総量に対して0.2〜1重量%であり、かつ
前記乳化食品の内水相(W1)に含まれる酸味料の量が、乳化食品の総量に対して0.015〜0.45重量%である、乳化食品。
[2]前記酸味料が、少なくともクエン酸を含む、[1]記載の乳化食品。
[3]前記乳化食品が、マヨネーズ及びマヨネーズ様食品からなる群より選択される、[1]又は[2]記載の乳化食品。
[4]W1/O/W2型乳化食品全体に含まれる食酢の量が酢酸換算で、乳化食品の総量に対して0.2〜1重量%となり、かつ
W1/O/W2型乳化食品の内水相(W1)に含まれる酸味料の量が、乳化食品の総量に対して0.015〜0.45重量%となるように、
食酢及び酸味料を添加することを含む、W1/O/W2型乳化食品の製造方法。
[5]前記酸味料が、少なくともクエン酸を含む、[4]記載の製造方法。
[6]前記乳化食品が、マヨネーズ及びマヨネーズ様食品からなる群より選択される、[4]又は[5]記載の製造方法。
本発明によれば、程良い酸味を有し、かつ、後味がすっきりしているW1/O/W2型乳化食品及びその製造方法を提供できる。
また、本発明によれば、W1/O/W2型乳化食品が程良い酸味を保持しつつ、後味がすっきりするよう改善し得る、W1/O/W2型乳化食品の呈味改善方法も提供できる。
本発明のW1/O/W2型乳化食品(以下、「本発明の乳化食品」とも称する)は、食酢及び酸味料を含むことを特徴の一つとする。
本発明において「乳化食品」とは、乳化構造を有する食品を意味し、「W1/O/W2型乳化食品」とは、内水相(W1)、油相(O)及び外水相(W2)から構成される乳化構造を有する食品を意味する。より詳細には、「W1/O/W2型乳化食品」とは、油相中に水滴粒子が分散した油中水型乳化物(W/O型乳化物)が、更に水相(外水相)に分散しているという二重の乳化構造を有する食品を意味する。また、本発明において、乳化食品等にいう「食品」とは、経口的に摂取され得るものを広く包含する概念であり、特に断りのない限り、いわゆる食べ物の他、飲料や調味料等も包含される。本発明の乳化食品は、例えば、日本農林規格(JAS規格)で定義される半固体状ドレッシング(例、マヨネーズ、サラダクリーミードレッシング等)、乳化液状ドレッシング等のドレッシング等として提供され得るが、これらに制限されず、JAS規格に適合しないドレッシング、調味料(例、ソース、たれ等)、食品(飲料を含む)等であってもよい。
一態様として、本発明の乳化食品は、マヨネーズ又はマヨネーズ様食品であってよい。ここで「マヨネーズ様食品」とは、JAS規格のマヨネーズの規格には適合しないが、JAS規格に適合するマヨネーズと同等乃至類似の食味、食感、性状を有する食品(調味料等を含む)をいう。
本発明において食酢としては、醸造酢を用いてもよいし、合成酢を用いてもよい。醸造酢としては、例えば、米酢(純米酢、玄米酢等)、米黒酢、麦芽酢、ハトムギ酢等の穀物酢等、ぶどう酢、りんご酢、柿酢等の果実酢が用いられる。また、合成酢としては、例えば、蒸留酢、濃縮酢等が挙げられる。これらの食酢は、単独で用いても二種以上を併用してもよい。
本発明において用いられる食酢の酢酸換算酸度は、酸味の観点から、好ましくは1〜35%であり、より好ましくは3〜30%であり、特に好ましくは5〜25%である。
本発明において、食酢の酢酸換算酸度は、所定量の試料を、指示薬としてフェノールフタレイン溶液を用いて力価既知の0.5mol/L水酸化ナトリウム溶液で中和滴定し、次式により、試料中の総酸量を酢酸の相当量として算出する。
酢酸換算酸度(%)=0.03×V×F/W×100
[式中、0.03:0.5mol/L水酸化ナトリウム溶液1mLに相当する酢酸の重量(g)、
V:0.5mol/L水酸化ナトリウム溶液の滴定量(mL)、
F:0.5mol/L水酸化ナトリウム溶液の力価、
W:試料重量(g)]
本発明において用いられる食酢の製造方法は特に制限されず、自体公知の方法又はそれに準ずる方法で得られた食酢を用い得、あるいは、市販品を用いてもよい。
本発明において用いられる酸味料としては、例えば、有機酸(例、クエン酸、コハク酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、グルコン酸等)、無機酸(例、リン酸等)及びそれら塩(例、ナトリウム塩等)等が挙げられる。これらの酸味料は、単独で用いても二種以上を併用してもよい。
本発明において用いられる酸味料は、少なくともクエン酸を含むことが好ましい。本発明において用いられる酸味料がクエン酸を含む場合、酸味料におけるクエン酸の割合は、好ましくは70〜100重量%であり、より好ましくは80〜100重量%であり、特に好ましくは90〜100重量%である。
本発明において用いられる酸味料は、天然物又はその加工品から単離し、所望により精製したものであってよく、あるいは、微生物を用いて発酵により製造されたものであってもよい。また、化学合成品等であってもよい。
酸味料は、自体公知の方法又はそれに準ずる方法で、天然物又はその加工品から単離、精製し得る。また、酸味料は自体公知の方法又はそれに準ずる方法で、微生物による発酵法で製造、精製し得る。本発明において用いられる酸味料は、市販品であってもよい。本発明において用いられる酸味料は、単離されていないものであってもよく、例えば、食酢以外の乳化食品の原材料(例、柑橘類の果汁等)に由来するもの等であってよい。
本発明の乳化食品は、食酢及び酸味料に加え、卵黄、卵白を更に含んでよい。本発明において用いられる卵黄、卵白は、いずれも食品に一般的に用いられ得るものであれば特に制限されず、例えば、家禽類(例、ニワトリ、アヒル、ガチョウ等)の殻付卵(例、鶏卵等)を割卵して卵殻を取り除いた卵内容物(全卵)から、卵黄と卵白とに分離して得られる生卵黄及び生卵白、当該生卵黄、生卵白に自体公知の加工処理(例、殺菌処理、冷凍処理、濾過処理、乾燥処理、酵素処理、脱糖処理、脱コレステロール処理、加糖処理、加塩処理等)又はそれに準ずる処理を施して得られる加工卵黄、加工卵白等が挙げられる。また、卵黄、卵白として、全卵や、全卵に上述の自体公知の加工処理又はそれに準ずる処理を施して得られる加工全卵等を用いてもよい。
本発明の乳化食品は、食酢及び酸味料等に加え、増粘剤を更に含んでよい。本発明において用いられる増粘剤としては、例えば、ぺクチン(例、ハイメトキシルペクチン等)、キサンタンガム、グアガム、タマリンドシードガム、ローカストビーンガム、ジェランガム、ウェランガム、モナトウガム、アラビアガム、トラガントガム、カードラン、プルラン、アルギン酸ナトリウム、カラギーナン等の増粘多糖類等が挙げられる。これらの増粘剤は、単独で用いても二種以上を併用してもよい。増粘剤は、内水相、油相及び外水相のいずれに含有されてもよいが、本発明の乳化食品が増粘剤を含む場合、当該増粘剤は、少なくとも外水相に含有されることが好ましい。
本発明の乳化食品は、食酢及び酸味料等に加え、内水相、油相、外水相を構成するその他の成分(油相成分、水相成分)を適宜含み得る。
本発明の乳化食品が含み得る油相成分(油相を構成する成分)は、食品に通常、添加可能な親油性の物質であれば特に制限されず、例えば、食用油脂、親油性のある着香料、香味油等が挙げられる。
食用油脂としては、例えば、キャノーラ油、菜種油、コーン油、大豆油、ごま油、米油、糠油、べに花油、ヤシ油、パーム油、パーム核油、ひまわり油、えごま油、アマニ油、オリーブ油、グレープシード油等の食用植物油脂;牛脂、豚脂、鶏脂、羊脂、鯨油等の食用動物油脂等が挙げられるが、好ましくは食用植物油脂である。また、上述の食用油脂をエステル交換したエステル交換油、上述の食用油脂に水素添加した硬化油等も用いることができる。食用油脂は精製されたもの(例、サラダ油等)であってよい。これらの食用油脂は、単独で用いても二種以上を併用してもよいが、二種以上を併用することが好ましく、二種以上の食用植物油脂(例、キャノーラ油、菜種油、コーン油、大豆油、ごま油、米油、糠油、べに花油、ヤシ油、パーム油、パーム核油、ひまわり油、えごま油、アマニ油、オリーブ油、グレープシード油等)を併用することが特に好ましい。
本発明の乳化食品は、少なくとも油相に乳化剤を含有してよい。油相に含有される乳化剤としては、例えば、ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、レシチン等が挙げられ、好ましくは、ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステルである。油相に含有される乳化剤のHLB値は、好ましくは3〜6である。
本発明の乳化食品が含み得る水相成分(内水相、外水相を構成する成分)は、乳化物の種類等に応じて適宜決定すればよく、特に制限されないが、例えば、水、柑橘類の果汁、食塩、醤油、味噌、調味料、乳化剤、澱粉、香料、着色料、香辛料、香辛料抽出物等が挙げられる。
尚、内水相の水相成分と外水相の水相成分とは、同一であってもよいし、異なっていてもよい。
水としては、例えば、蒸留水、イオン交換水等の精製水、水道水等が挙げられるが、これらに制限されず、食品製造用水として適合するものを用い得る。
柑橘類の果汁としては、例えば、レモン果汁、ユズ果汁、ベニユ果汁、ハナユ果汁、無核ユズ果汁、ユコウ果汁、スダチ果汁、カボス果汁、ダイダイ果汁、ライム果汁、シークワーサー果汁等が挙げられる。これらの柑橘類の果汁は、単独で用いても二種以上を併用してもよい。
調味料としては、例えば、グルタミン酸ナトリウム等のアミノ酸系調味料;イノシン酸ナトリウム、グアニル酸ナトリウム等の核酸系調味料;タンパク加水分解物等が挙げられる。これらの調味料は、単独で用いても二種以上を併用してもよい。
本発明の乳化食品全体に含まれる食酢の量は、特定の範囲内であることが好ましい。乳化食品全体に含まれる食酢の量が、特定の範囲内であることにより、本発明の乳化食品は、過度の酸味が抑えられ、程良い酸味を有し得る。
具体的には、本発明の乳化食品全体に含まれる食酢の量は、酢酸換算で、乳化食品の総量に対して、好ましくは0.2〜1重量%であり、より好ましくは0.3〜0.9重量%であり、特に好ましくは0.4〜0.8重量%である。
本発明において、「乳化食品全体に含まれる」食酢の量とは、乳化食品に含まれる食酢の総量を意味し、例えば、食酢が乳化食品の内水相にのみ含まれる場合は、内水相に含まれる食酢の量が、乳化食品全体に含まれる食酢の量であり、食酢が乳化食品の内水相と外水相に含まれる場合は、内水相に含まれる食酢と外水相に含まれる食酢の合計量が、乳化食品全体に含まれる食酢の量である。
本発明において、乳化食品に含まれる食酢の「酢酸換算」による量は、食酢の酢酸換算酸度に、当該食酢の乳化食品における配合割合を乗じて算出される。また、乳化食品の一部を採り、公知の方法で測定することも可能である。
本発明の乳化食品の外水相に含まれる食酢の量は、本発明の乳化食品が程良い酸味を有し得ることから、酢酸換算で、乳化食品の総量に対して、好ましくは0.05〜0.4重量%であり、より好ましくは0.1〜0.3重量%である。
本発明の乳化食品の内水相に含まれる酸味料の量は、特定の範囲内であることが好ましい。内水相に含まれる酸味料の量が、特定の範囲内であることにより、本発明の乳化食品の後味の持続性が抑えられ、後味がすっきりし得る。
具体的には、本発明の乳化食品の内水相に含まれる酸味料の量は、乳化食品の総量に対して、好ましくは0.015〜0.45重量%であり、より好ましくは0.017〜0.43重量%であり、特に好ましくは0.025〜0.2重量%であり、最も好ましくは0.027〜0.1重量%である。
本発明の乳化食品の原材料には、酸味料を含有するもの(例、柑橘類の果汁等)が用いられ得る。そのような原材料を、本発明の乳化食品の内水相に含む場合、当該原材料(食酢を除く)に由来する酸味料(例、柑橘類の果汁に由来する酸味料等)の量も、内水相に含まれる酸味料の量に算入される。尚、食酢に由来する有機酸等は、内水相に含まれる酸味料の量に算入されない。
本発明において、乳化食品の原材料(例、柑橘類の果汁等)に含まれる酸味料の量は、高速液体クロマトグラフィー等により測定される。
本発明の乳化食品が卵黄を含む場合、口どけ等の食感が向上し得ることから、本発明の乳化食品全体に含まれる卵黄の量は生換算で、乳化食品の総量に対して、好ましくは1〜15重量%であり、より好ましくは1.5〜10重量%であり、特に好ましくは3〜7重量%である。尚、本発明の乳化食品が、全卵、加工全卵等を含む場合、その卵黄部分の量を、本発明の乳化食品に含まれる卵黄の量とする。
本発明の乳化食品が卵白を含む場合、口どけ等の食感が向上し得ることから、本発明の乳化食品全体に含まれる卵白の量は生換算で、乳化食品の総量に対して、好ましくは0.1〜20重量%であり、より好ましくは0.15〜15重量%であり、特に好ましくは0.3〜12重量%である。尚、本発明の乳化食品が、全卵、加工全卵等を含む場合、その卵白部分の量を、本発明の乳化食品に含まれる卵白の量とする。
本発明の乳化食品が卵黄及び卵白を含む場合、口どけ等の食感が向上し得ることから、本発明の乳化食品全体に含まれる卵白と卵黄との比率(卵白:卵黄)は生換算で、好ましくは1:0.1〜10であり、より好ましくは1:0.3〜8であり、特に好ましくは1:0.4〜7であり、最も好ましくは1:0.7〜0.95である。
本発明の乳化食品が増粘剤を含む場合、所望の食感(例、口どけ等)を保持しつつ、乳化安定性が向上し得ることから、本発明の乳化食品全体に含まれる増粘剤の量は、乳化食品の総量に対して、好ましくは0.1〜3重量%であり、より好ましくは0.2〜1.5重量%であり、特に好ましくは0.3〜1.2重量%である。
本発明の乳化食品を構成する内水相の量は、乳化食品の総量に対して、好ましくは35〜65重量%であり、より好ましくは40〜60重量%であり、特に好ましくは45〜55重量%である。
本発明の乳化食品を構成する油相の量は、乳化食品の総量に対して、好ましくは5〜35重量%であり、より好ましくは10〜30重量%であり、特に好ましくは15〜25重量%である。
本発明の乳化食品を構成する外水相の量は、乳化食品の総量に対して、好ましくは15〜45重量%であり、より好ましくは20〜40重量%であり、特に好ましくは25〜35重量%である。
本発明の乳化食品を構成する内水相、油相及び外水相の量を、それぞれA重量部、B重量部及びC重量部とし、かつA+B+C=100とするとき、当該A(内水相)、B(油相)及びC(外水相)の重量比(A:B:C)は、好ましくは35〜65:5〜35:15〜45であり、より好ましくは40〜60:10〜30:20〜40であり、特に好ましくは45〜55:15〜25:25〜35である。
本発明の乳化食品のpHは、通常3以上であり、好ましくは、3.5以上であり、より好ましくは、3.8以上である。本発明の乳化食品のpHは、通常5以下である。
本発明の乳化食品の粘度は特に制限されないが、通常1〜300Pa・sであり、好ましくは10〜150Pa・sであり、より好ましくは20〜80Pa・sである。
本発明においてW1/O/W2型乳化食品の粘度は、B型粘度計等の公知の装置を用いて、23〜25℃で測定される。
本発明の乳化食品の製造方法は、食酢及び酸味料を添加することを含むこと以外は特に制限されず、本発明の乳化食品は、自体公知の手法又はそれに準ずる手法を、適宜組み合わせて製造し得る。例えば、内水相を構成する原材料(例、酸味料、食酢、調味料、精製水等)、油相を構成する原材料(例、食用油脂等)及び乳化剤を、ホモミキサー等の一般的な乳化機で乳化することによってW/O型(油中水型)の乳化物を作製し、該W/O型乳化物と、外水相を構成する原材料(例、食酢、調味料、増粘剤、卵黄、卵白、精製水等)とを予備乳化した後に、コロイドミル等の乳化機にて乳化することにより製造し得る。尚、W/O型乳化物は、ホモミキサーによる乳化の後、更にコロイドミル等の乳化機で高剪断にて乳化することによっても作製し得る。
本発明の乳化食品の製造には、通常の乳化食品の製造に使用される装置を制限なく用いることができる。当該装置は、特に限定されないが、回転式の乳化機が好ましく、例えば、上述のホモミキサー及びコロイドミルの他、スティックミキサー、ディスパーミキサー、ホモジナイザー、マイクロフルイダイザー等が挙げられる。
本発明の乳化食品は、程良い酸味を有し、かつ後味がすっきりし得、全体の好ましさに優れ得る。
本発明において、W1/O/W2型乳化食品の酸味の程度(強さ)は、後述の実施例に示されるように、専門パネルによる官能評価によって評価できる。
本発明において、W1/O/W2型乳化食品の「後味」とは、W1/O/W2型乳化食品を口に入れてから5秒以降に感じる感覚をいう。また、本発明において後味が「すっきりしている」とは、後味に持続性がなく、具体的には、W1/O/W2型乳化食品を口に入れ、後味を感じてから3秒以内に後味が消失することをいう。W1/O/W2型乳化食品の後味がすっきりしているか否かや、後味の持続性の有無は、後述の実施例に示されるように、専門パネルによる官能評価によって評価できる。
本発明において、W1/O/W2型乳化食品の「全体の好ましさ」とは、W1/O/W2型乳化食品を口に含んでから、咀嚼等して飲み込み、後味が消失するまでの間に感じられる種々の呈味の総合的な好ましさをいい、例えば、上述の酸味の強さと後味とのバランス等を勘案して判断される。W1/O/W2型乳化食品の全体の好ましさの程度は、後述の実施例に示されるように、専門パネルによる官能評価によって評価できる。
本発明は、W1/O/W2型乳化食品の製造方法も提供する(以下、単に「本発明の製造方法」とも称する)。本発明の製造方法は、食酢及び酸味料を添加することを含む。
本発明の製造方法で用いられる食酢、酸味料及びその他のW1/O/W2型乳化食品の原材料は、いずれも上述の本発明の乳化食品に関して説明したものと同様であり、好ましい態様も同様である。
本発明の製造方法は、W1/O/W2型乳化食品全体に含まれる食酢の量が特定の範囲内となるように、食酢が添加されることが好ましい。具体的には、W1/O/W2型乳化食品全体に含まれる食酢の量が、上述の本発明の乳化食品全体に含まれる食酢の量と同様の範囲内となることが好ましい。
本発明の製造方法は、W1/O/W2型乳化食品の内水相に含まれる酸味料の量が特定の範囲内となるように、酸味料が添加されることが好ましい。具体的には、W1/O/W2型乳化食品の内水相に含まれる酸味料の量が、上述の本発明の乳化食品の内水相に含まれる酸味料の量と同様の範囲内となることが好ましい。
本発明の製造方法は、上述の本発明の乳化食品の製造方法と同様に、自体公知の手法又はそれに準ずる手法を、適宜組み合わせて製造し得る。
一態様として、本発明の製造方法は、マヨネーズ又はマヨネーズ様食品の製造方法であってよい。
本発明の製造方法によれば、程良い酸味を有し、かつ後味がすっきりした、全体の好ましさに優れるW1/O/W2型乳化食品を製造し得る。
本発明は、W1/O/W2型乳化食品の呈味改善方法も提供する(以下、単に「本発明の呈味改善方法」とも称する)。本発明の呈味改善方法は、食酢及び酸味料を添加することを含む。
本発明の呈味改善方法は、本発明の製造方法と同様に実施し得、好ましい態様も同様である。
本発明の呈味改善方法によれば、W1/O/W2型乳化食品が程良い酸味を保持しつつ、その後味をすっきりするよう改善し得、全体の好ましさに優れるW1/O/W2型乳化食品を提供できる。
本発明の呈味改善方法は、上述のとおり、W1/O/W2型乳化食品の後味をすっきりするよう改善し得えることから、一態様として、W1/O/W2型乳化食品の後味改善方法であってよい。
一態様として、本発明の呈味改善方法は、マヨネーズ又はマヨネーズ様食品の呈味改善方法であってよく、また、マヨネーズ又はマヨネーズ様食品の後味改善方法であってもよい。
以下の実施例において本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定されるものではない。
[実験区1〜13の乳化食品(マヨネーズ)の作製]
内水相の原材料(酸味料(クエン酸)、食酢(酢酸換算酸度:20%)、調味料及び清水)、油相の原材料(食用植物油脂及び乳化剤(ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル))を、表1〜3に示す配合量で、T.KホモミキサーMARK2(特殊機化工業株式会社製)を使用して乳化し、得られたW/O型乳化物に対して、外水相の原材料(食酢(酢酸換算酸度:20%)、調味料、増粘剤、生卵黄、生卵白及び清水)を、表1〜3に示す配合量で混合した後、T.KホモミキサーMARK2(特殊機化工業株式会社製)を使用して乳化し、実験区1〜13の乳化食品(マヨネーズ)をそれぞれ作製した。
実験区1〜13の乳化食品の作製に用いた原材料は、清水を除いて、いずれも食品用として市販されているものであり、清水は、水道水を浄水器に通したものを用いた。
(食酢の酢酸換算酸度の算出)
実験区1〜13の乳化食品の原材料の一つとして用いた食酢の酢酸換算酸度(20%)は、下記の方法で算出した。
食酢1gを試料として正確に計量し、炭酸ガスを含まない水を加えて50倍に希釈した後、指示薬としてフェノールフタレイン溶液を約2mL加え、力価既知の0.1mol/Lの水酸化ナトリウム溶液で、30秒間、微紅色の消失しない点を終点として滴定し、その滴定量から、次式により、酢酸換算酸度を算出した。
酢酸換算酸度(%)=0.03×V×F/W×100
[式中、0.03:0.5mol/L水酸化ナトリウム溶液1mLに相当する酢酸の重量(g)、
V:0.5mol/L水酸化ナトリウム溶液の滴定量(mL)、
F:0.5mol/L水酸化ナトリウム溶液の力価、
W:試料重量(g)]
[官能評価]
乳化食品の後味、酸味の強さ及び全体の好ましさの評価は、乳化食品の官能評価に3年以上携わった経験のある25歳〜50歳の4名の専門パネルで行った。当該4名の専門パネルが実験区1〜13の各乳化食品を食し、下記の基準に基づいて、0.1点刻みで合議により評点付けすることにより行った。
1)後味
+1.1〜+2.0:すっきり
+0.1〜+1.0:ややすっきり
−1.0〜 0:やや持続性あり
−2.0〜−1.1:持続性あり
2)酸味の強さ
+1.1〜+2.0:非常に強い
+0.1〜+1.0:強い
−1.0〜 0:弱い
−2.0〜−1.1:非常に弱い
3)全体の好ましさ
+1.1〜+2.0(◎):好ましい
+0.1〜+1.0(○):やや好ましい
−1.0〜 0(△):やや好ましくない
−2.0〜−1.1(×):好ましくない
[乳化食品の粘度の測定]
実験区1〜13の各乳化食品について、B型粘度計(ブルックフィールド社製)を用いて、23〜25℃で粘度を測定した。
結果を下表1〜3に示す。表中、「PGPR」は、ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステルを意味する。
表1〜3に示される結果から明らかなように、内水相に酸味料(クエン酸)を含まない乳化食品(実験区5)及び内水相に含まれる酸味料が少量である乳化食品(実験区11)は、いずれも後味にやや持続性があり、全体の好ましさについても、やや好ましくないものであった。
内水相に特定量の酸味料(クエン酸)を含む乳化食品(実験区1〜4、6〜10及び12)は、いずれも程良い酸味を有しつつ、後味がすっきりしていた。中でも、内水相に含まれる酸味料の量が、乳化食品の総量に対して0.03重量%である、実験区1〜3及び6〜8の乳化食品は、酸味の強さと後味とのバランスが良く、全体の好ましさに特に優れていた。
一方、内水相に含まれる酸味料(クエン酸)が多量である場合(実験区13)は、酸味が強くなりすぎ、全体の好ましさが低下した。
本発明によれば、程良い酸味を有し、かつ後味がすっきりしているW1/O/W2型乳化食品及びその製造方法を提供できる。
また、本発明によれば、W1/O/W2型乳化食品が程良い酸味を保持しつつ、後味がすっきりするよう改善し得る、W1/O/W2型乳化食品の呈味改善方法も提供できる。

Claims (4)

  1. 食酢及び酸味料を含むW1/O/W2型乳化食品であって、
    前記乳化食品全体に含まれる食酢の量が酢酸換算で、乳化食品の総量に対して0.2〜1重量%であり、かつ
    前記乳化食品の内水相(W1)に含まれる酸味料の量が、乳化食品の総量に対して0.015〜0.45重量%である、乳化食品。
  2. 前記酸味料が、少なくともクエン酸を含む、請求項1記載の乳化食品。
  3. 前記乳化食品が、マヨネーズ及びマヨネーズ様食品からなる群より選択される、請求項1又は2記載の乳化食品。
  4. W1/O/W2型乳化食品全体に含まれる食酢の量が酢酸換算で、乳化食品の総量に対して0.2〜1重量%となり、かつ
    W1/O/W2型乳化食品の内水相(W1)に含まれる酸味料の量が、乳化食品の総量に対して0.015〜0.45重量%となるように、
    食酢及び酸味料を添加することを含む、W1/O/W2型乳化食品の製造方法。
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