JP6150634B2 - ごま含有乳化液状調味料、ごま含有乳化液状調味料のごま風味増強方法 - Google Patents

ごま含有乳化液状調味料、ごま含有乳化液状調味料のごま風味増強方法 Download PDF

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Description

本発明は、ごま含有乳化液状調味料、ごま含有乳化液状調味料のごま風味増強方法に関するものである。
近年、健康に対する関心は高まりつつあり、出来るだけ健康によい食品を摂取しようとする人々が確実に増えている。健康によい食品の代表例としては、「ごま」を挙げることができる。ごまはその良好な風味と豊富な栄養が好まれ、古くから様々な調味料に利用されてきた。なかでも、ごまペーストやすりごま等を含有する乳化液状調味料(例えば、しゃぶしゃぶや焼き肉のたれ類、ドレッシング等)の市場は拡大傾向にあり、様々な商品が販売されている。
ごまを含有する乳化液状調味料の喫食時には、ごま独特のまろやかで香ばしい風味を感じることや、ごま特有の焙煎感を感じることができるが、ごま風味や焙煎感は、単純にごまを増量することで、ある程度強化することができる。ただし、ごまペーストやすりごま等を増量すると、滑らかさが損なわれて不快なざらつき感が増す結果、全体として風味のバランスが悪くなり、品質的に好ましいものとはならなくなる。また、ごまは油脂を多く含有するため、増量すると油脂の摂取過多となるおそれもある。
そこで、特にごまの増量を伴わずにごま風味や焙煎感を強化するための従来技術として、例えば、乳化液状調味料にショウガやニンニク等の香辛料を添加することが提案されている(例えば、特許文献1参照)。また、これとは別の技術として、乳化液状調味料にごま様香味増強剤をごく微量添加することも従来提案されている(例えば、特許文献2,3,4参照)。さらに別の技術として、焙煎ごま粉砕物、ガム質、卵黄、食用油脂及び高甘味度甘味料を含有し、所定粘度に調整した乳化液状調味料も従来提案されている(例えば、特許文献5参照)。特許文献5の従来技術では、ごま粉砕物におけるごまの粉砕程度を調整するとともに、食用油脂を乳化分散する卵黄について含有量を大幅に減らし、極微量の卵黄と特定の増粘剤とを併用して食用油脂の分散を行うこととしている。
特開2012−147747号公報 特開2010−148410号公報 特開2010−148411号公報 特開2010−148412号公報 特開2012−135294号公報
ところが、香辛料やごま様香味増強剤を添加する方法では、ごま風味や焙煎感を十分に強化することができず、また、全体としての風味バランスを向上することも難しかった。ごま様香味増強剤を添加する方法によると、コスト高にもつながりやすかった。さらに、焙煎ごま粉砕物、ガム質、卵黄、食用油脂及び高甘味度甘味料を含有し、所定粘度に調整する方法であっても、ごま風味や焙煎感を必ずしも十分に強化することができず、未だ改善の余地があった。
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、ごまを増量しないにも関わらず、ごま風味、焙煎感、まろやかさを強化し、全体として風味バランスの良いごま含有乳化液状調味料を提供することにある。また、本発明の別の目的は、ごまを増量しないにも関わらず、ごま含有乳化液状調味料のごま風味を確実に増強しうる方法を提供することにある。
そこで本発明者らは、上記課題を解決するべく鋭意検討を重ねた結果、本願発明者らは、乳化液状調味料に含有される、ごま、食用油脂、酢酸、塩分などの成分のうち、酢酸及び塩分の含有量に着目するとともに酸度及びpHの値についても着目して、これらの値の適正化を図ることを思い付いた。また、本願発明者らは、このような適正化に加えて、加工卵黄と高甘味度甘味料と酵母エキスとを所定分量ずつ組み合わせて含有させれば、ごまを増量しないにも関わらず、ごま風味、焙煎感、まろやかさを強化し、全体として風味バランスの良いごま含有乳化液状調味料を実現できることを新たに知見した。そして、本発明者らは上記の知見に基づいてさらに鋭意研究を進めることにより、下記の発明を完成させるに至ったのである。
上記の課題を解決するための手段[1]〜[]を以下に列挙する。
[1]焙煎ごま粉砕物、食用油脂、酢酸、塩分、加工卵黄、高甘味度甘味料及び酵母エキスを含有する乳化液状の調味料であって、食用油脂の含有量が1質量%以上50質量%以下であり、酢酸の含有量が0.4質量%以上1.1質量%以下であり、塩分の含有量が3.2質量%以上6.1質量%以下であり、酸度が0.45質量%以上1.30質量%以下に設定され、pHが3.9以上4.5以下に設定され、卵黄の含有量が0.80質量%以上2.2質量%以下であり、0.005質量%以上0.04質量%以下の甘味度が100以上2500以下である高甘味度甘味料と、0.10質量%以上0.40質量%以下の酵母エキスとを含有することを特徴とするごま含有乳化液状調味料。
[2]常温にてB型粘度計で測定した粘度が、400mPa・S以上2000mPa・S以下であることを特徴とする手段1に記載のごま含有乳化液状調味料。
[3]前記高甘味度甘味料が、スクラロース、ステビア、アセスルファームK、アスパルテーム及びソーマチンから選ばれる1種または2種以上であることを特徴とする手段1または2に記載のごま含有乳化液状調味料。
[4]前記焙煎ごま粉砕物の含有量が1.0質量%以上20質量%以下であることを特徴とする手段1乃至3のいずれか1項に記載のごま含有乳化液状調味料。
[5]前記ごま含有乳化液状調味料が、たれ、ドレッシングまたはソースであることを特徴とする手段1乃至4のいずれか1項に記載のごま含有乳化液状調味料。
[6]焙煎ごま粉砕物、食用油脂、酢酸、塩分、加工卵黄、高甘味度甘味料及び酵母エキスを含有する乳化液状の調味料における食用油脂の含有量を1質量%以上50質量%以下とし、酢酸の含有量を0.4質量%以上1.1質量%以下とし、塩分の含有量を3.2質量%以上6.1質量%以下とすることで、酸度を0.45質量%以上1.30質量%以下に設定し、pHを3.9以上4.5以下に設定するとともに、卵黄の含有量が0.80質量%以上2.2質量%以下であり、0.005質量%以上0.04質量%以下の甘味度が100以上2500以下である高甘味度甘味料と、0.10質量%以上0.40質量%以下の酵母エキスとを含有させて乳化する工程を行うことにより、ごま含有乳化液状調味料のごま風味を増強させることを特徴とするごま含有乳化液状調味料のごま風味増強方法。
[7]前記焙煎ごま粉砕物の含有量を1.0質量%以上20質量%以下とすることを特徴とする手段6に記載のごま含有乳化液状調味料のごま風味増強方法。
[8]焙煎ごま粉砕物、食用油脂、酢酸、塩分、加工卵黄、高甘味度甘味料及び酵母エキスを含有する乳化液状の調味料における食用油脂の含有量を1質量%以上50質量%以下とし、酢酸の含有量を0.4質量%以上1.1質量%以下とし、塩分の含有量を3.2質量%以上6.1質量%以下とすることで、酸度を0.45質量%以上1.30質量%以下に設定し、pHを3.9以上4.5以下に設定するとともに、卵黄の含有量が0.80質量%以上2.2質量%以下であり、0.005質量%以上0.04質量%以下の甘味度が100以上2500以下である高甘味度甘味料と、0.10質量%以上0.40質量%以下の酵母エキスとを含有させて乳化する工程を行うことにより、ごま含有乳化液状調味料のごま風味、焙煎感、まろやかさを強化させることを特徴とするごま含有乳化液状調味料のごま風味、焙煎感及びまろやかさの強化方法。
[9]前記焙煎ごま粉砕物の含有量を1.0質量%以上20質量%以下とすることを特徴とする手段8に記載のごま含有乳化液状調味料のごま風味、焙煎感及びまろやかさの強化方法。
以上詳述したように、請求項1〜5に記載の発明によると、ごまを増量しないにも関わらず、ごま風味、焙煎感、まろやかさを強化し、全体として風味バランスの良いごま含有乳化液状調味料を提供することができる。請求項6、7に記載の発明によるとごまを増量しないにも関わらず、ごま含有乳化液状調味料のごま風味を確実に増強しうる方法を提供することができる。請求項8、9に記載の発明によるとごまを増量しないにも関わらず、ごま含有乳化液状調味料のごま風味、焙煎感及びまろやかさを確実に強化しうる方法を提供することができる。
以下、本発明のごま含有乳化液状調味料、ごま含有乳化液状調味料のごま風味増強方法について詳細に説明する。
本発明のごま含有乳化液状調味料は、少なくともごま、食用油脂、酢酸、塩分を含有し、水相中においてそれらが均一に乳化・分散された性状の液状調味料のことを指している。
本発明において「ごま」(一般的にセサナムインディカムL(Sesamum Indicum L.))としては、特に制限はなく、白ごま、黒ごま、金ごま、茶ごまあるいはこれらを任意の比率で併用したものを用いることができる。また、ごまとしては、粒ごまやごま粉砕物を用いることができる。ごま粉砕物を得る方法としては特に限定されないが、例えば、フードカッター、石臼、マイルダー、ボールミル、ピンミル、ビーズミル等を用いた粉砕処理が好適例として挙げられる。原料として用いるごまは、外皮が着いた状態のごま種子であってもよいほか、外皮を除去した状態のごま種子であってもよい。また、ごま粉砕物は、加熱処理されていない生のごま種子の粉砕物であってもよいが、例えば焙煎されたごま種子の粉砕物(即ち、焙煎ごま粉砕物)であってもよい。後者を用いた場合には、比較的少量であっても液状調味料に焙煎感を付与しやすくなるという利点がある。なお、焙煎ごま粉砕物は、原料であるごま種子を常法にて焙煎しかつ粉砕したものであればよい。具体的には、外皮が着いた状態のごま種子を、直火式や遠赤外線式等の焙煎釜で焙煎した後、これを上記の粉砕処理法により粉砕したものが好適である。なお、この液状調味料におけるごま粉砕物の含有量は特に限定されないが、例えば1.0質量%以上20質量%以下であることがよく、2.0質量%以上15質量%以下であることがよりよい。
本発明における「食用油脂」としては特に限定されず、従来から乳化液状調味料にてよく用いられる種々の食用油脂を使用することができる。具体的にいうと、例えば、大豆油、菜種油、サフラワー油、コーン油、ひまわり油、米油、綿実油、パーム油、オリーブ油、ヤシ油、落花生油、ごま油などといった植物由来の油脂や、豚脂(ラード)、牛脂、鶏脂、羊脂、鯨油などといった動物由来の油脂を挙げることができる。これらの食用油脂は、未処理品としてそのまま用いてもよいほか、精製して用いたり、あるいは化学的処理や酵素処理を施して用いてもよい。また、上記の食用油脂は、単独で用いてもよいほか、2種以上組み合わせて用いても勿論よい。なお、液状調味料における食用油脂の含有量は特に限定されないが、例えば1質量%以上50質量%以下に設定され、好ましくは5質量%以上40質量%以下に設定される。
本発明における「酢酸」は主として食酢に由来する成分であって、そのような食酢としては特に限定されず、例えば、穀物酢、米酢、米黒酢、りんご酢、醸造アルコールを原料に製造される醸造酢や、合成酢等が挙げられる。これらの食酢は、単独で用いてもよいほか、2種以上併用してもよい。ここで、液状調味料における酢酸の含有量は0.4質量%以上1.1質量%以下に設定され、好ましくは0.5質量%以上1.0質量%以下に設定される。その理由は、酢酸の含有量を上記範囲内とすることが、ごま風味、焙煎感、まろやかさの強化を達成するうえでの前提条件となるからである。ここで、酢酸の含有量が少なすぎると、液状調味料に適度な酸味や抗菌性が付与されなくなるほか、酸度が本発明の好適範囲よりも低くなり、pHが本発明の好適範囲よりも高くなってしまうおそれがある。また、酢酸の含有量が多すぎると、液状調味料に過度の酸味が付与されるばかりでなく、酸度が本発明の好適範囲よりも高くなり、pHが本発明の好適範囲よりも低くなってしまうおそれがある。
本発明において「酸度」は0.45質量%以上1.30質量%以下に設定され、好ましくは0.50質量%以上1.20質量%以下に設定される。本発明において「pH」は3.9以上4.5以下に設定され、好ましくは4.0以上4.4以下に設定される。その理由は、酸度及びpHの値を上記範囲内とすることが、ごま風味、焙煎感、まろやかさの強化を達成するうえでの前提条件となるからである。「酸度」は水酸化ナトリウムを用いた中和滴定により測定することができ、調味料中の有機酸含量を酢酸含量に換算して計算したものである。
本発明における「塩分」は主として食塩(醤油等を使用した場合にはその中に含まれる食塩)に由来するものであって、塩分の含有量は3.2質量%以上6.1質量%以下に設定され、好ましくは塩分の含有量は3.3質量%以上5.6質量%以下に設定される。その理由は、塩分の含有量を上記範囲内とすることが、ごま風味、焙煎感、まろやかさの強化を達成するうえでの前提条件となるからである。
本発明のごま含有乳化液状調味料は、ごま、食用油脂、酢酸、塩分のほか、さらに加工卵黄と高甘味度甘味料と酵母エキスとを含有している。
本発明において「加工卵黄」とは、鶏卵から得られる生卵黄に対して何らかの加工処理を施したものを指しており、具体的には、生卵黄に対して濾過処理、乾燥処理、殺菌処理、冷凍処理、タンパク質分解酵素などによる酵素処理、酵母などによる脱糖処理、脱コレステロール処理等から選択される1種または2種以上の処理を施したもの等を挙げることができる。このような加工卵黄は、本発明の液状調味料における乳化剤としての役割を果たしている。なお、加工卵黄には、安定化の目的で塩や糖などが適宜加えられていることがあるため、卵黄の含有量として適切な範囲を設定する必要がある。本発明における卵黄の含有量は0.80質量%以上に設定され、好ましくは0.80質量%以上2.2質量%以下に設定され、特に好ましくは1.2質量%以上2.2質量%以下に設定される。卵黄の含有量が上記範囲内であると、他の条件(即ち、所定量の高甘味度甘味料及び所定量の酵母エキス)が揃った場合に、ごま風味、焙煎感、まろやかさの強化が確実に達成されやすくなるからである。ここで、卵黄の含有量が少なすぎると、液状調味料が十分に乳化しにくくなる可能性があるほか、ごま風味、焙煎感、まろやかさの強化が十分には達成しにくくなる。また、卵黄の含有量が多すぎると、液状調味料における卵黄の風味が強くなり、全体のバランスが崩れてしまう可能性がある。
本発明において「高甘味度甘味料」とは、甘味度の高い甘味料のことを指し、具体的にはショ糖の甘さと比較して大幅に(例えば100倍以上)甘い甘味料のことを指す。このような高甘味度甘味料の具体例としては、スクラロース(甘味度:600倍)、ステビア(甘味度:300倍)、アセスルファームK(甘味度:200倍)、サッカリン及びサッカリンナトリウム(甘味度:300倍)、アスパルテーム(甘味度:200倍)、ソーマチン(甘味度:2500倍)、カンゾウ抽出物(甘味度:250倍)、ネオテーム(甘味度:9000倍)等が挙げられるが、これらに限定されるわけではない。なお、甘味度とは、ショ糖1gを1とした場合の甘味料1g当りの甘味強度をいうと定義する。上記の高甘味度甘味料は、1種を単独で用いてもよいが、2種以上を併用してもよい。
高甘味度甘味料の含有量は0.005質量%以上0.04質量%以下に設定され、好ましくは0.01質量%以上0.03質量%以下に設定される。高甘味度甘味料の含有量が上記範囲内であると、他の条件(即ち、所定量の加工卵黄及び所定量の酵母エキス)が揃った場合に、ごま風味、焙煎感、まろやかさの強化が確実に達成されやすくなるからである。ここで、高甘味度甘味料の含有量が少なすぎると、ごま風味、焙煎感、まろやかさの強化が十分には達成しにくくなる。また、高甘味度甘味料の含有量が多すぎると、液状調味料における甘味が過度に強くなり、全体のバランスが崩れてしまう可能性がある。本発明における高甘味度甘味料としてはスクラロースが特に好ましく、これを選択した場合に、ごま風味、焙煎感、まろやかさの強化を確実に達成することができる。
本発明において「酵母エキス」とは、酵母の有用な成分を自己消化、酵素、熱水などの処理を行うことにより抽出したエキスのことを指し、その主成分として、アミノ酸、核酸関連物質、ミネラル、ビタミン類などを含んでいる。酵母エキスの含有量は、0.10質量%以上0.40質量%以下に設定される。酵母エキスの含有量が上記範囲内であると、他の条件(即ち、所定量の加工卵黄及び所定量の高甘味度甘味料)が揃った場合に、ごま風味、焙煎感、まろやかさの強化が確実に達成されやすくなるからである。
また、本発明のごま含有乳化液状調味料は、常温(20℃)にてB型粘度計(ローターNo.3、回転数:30rpmの条件)で測定した粘度が、400mPa・S以上2000mPa・S以下であることがよく、さらには600mPa・S以上1800mPa・S以下であることがよく、特には700mPa・S以上1600mPa・S以下であることがよい。その理由は、粘度をこのような範囲内とすることで、ごま風味、焙煎感、まろやかさの強化が達成されやすくなるからである。
本発明のごま含有乳化液状調味料には、醤油、味噌、出汁抽出液、糖類、柑橘類、調味料類、増粘剤、香料などが配合されていてもよい。醤油としては、例えば、濃口醤油、淡口醤油、たまり醤油、再仕込醤油、白醤油等が挙げられる。味噌としては、例えば、白味噌、赤味噌、麦味噌、仙台味噌、八丁味噌、米味噌等が挙げられる。出汁抽出液としては、肉類、魚介類、野菜類、キノコ類、海藻類などに含まれる旨味成分を抽出した液体のことを指すものであって、好適例としては魚節から抽出した液体などがある。糖類としては、例えば、果糖ぶどう糖液糖、グラニュー糖、上白糖、三温糖、中白糖、白ザラ糖、中ザラ糖、水あめ等が挙げられる。柑橘類としては、例えば、ゆず、すだち、レモン、ミカン、カボス等が挙げられる。調味料類としては、例えば、グルタミン酸ナトリウム、イノシン酸ナトリウム等が挙げられる。増粘剤としては、例えば、グアガム、キサンタンガム、ローカストビーンガム、タマリンドシードガム、ジェランガム、アラビアガム、モナトウガム、トラガントガム等といった増粘多糖類が挙げられる。香料としては、ごまの香気を強化するごま香料や前記柑橘類の香気を付与する目的の香料など、必要に応じて種々のものが使用できる。ごま香料を使用した場合には、ごま風味、焙煎感、まろやかさの強化という観点から、加工卵黄と高甘味度甘味料と酵母エキスとを使用したこととの相乗効果を期待することができる。
以下、実施形態のごま含有乳化液状調味料をより具体化して行ったいくつかの試験について説明する。
(1)試験1(酢酸含有量、酸度、pHを決める試験)
この試験では、表1の配合量に従い以下の手順でごま含有乳化液状調味料(ごま含有乳化たれ)を作製した。まず、撹拌タンクに、水、醤油、旨味調味料、砂糖、食酢、食塩、増粘剤、加工卵黄、食用油脂原料、酸味料を投入した後、これらを均一に混合して増粘し、さらに乳化処理を行い、その後、すりごま(焙煎したごまの粉砕物)を添加して、ごま含有液状調味料を作製した。そして、この試験では、酢酸含有量、酸度及びpHが様々な値をとるように、食酢及び酸味料の配合量を変更することで複数のサンプル(1A〜1Eの5種類)を得た。なお、本試験に用いた加工卵黄は粉末に加工されたものであり、加工卵黄重量あたりの卵黄含有量は200%として換算できる。
具体的にいうと、食酢の配合量を2.04質量%とし、酸味料の配合量を0質量%としたものを「試験例1A」のサンプルとした。食酢の配合量を2.72質量%とし、酸味料の配合量を0質量%としたものを「試験例1B」のサンプルとした。食酢の配合量を5.0質量%とし、酸味料の配合量を0質量%としたものを「試験例1C」のサンプルとした。食酢の配合量を7.5質量%とし、酸味料の配合量を0.2質量%としたものを「試験例1D」のサンプルとした。食酢の配合量を7.5質量%とし、酸味料の配合量を0.4質量%としたものを「試験例1E」のサンプルとした。
そしてこれら5種類のサンプルについてそれぞれ従来公知の分析を行い、酢酸(質量%)、酸度(%)、塩分(質量%)及びpHの値を調査した。また、各サンプルについて、B型粘度計による20℃での粘度(mPa・s)も測定した。表1にその結果を示す。
表1に示すように、酢酸の含有量は、試験例1A〜1Eの順に、0.31質量%、0.40質量%、0.74質量%、1.10質量%、1.10質量%となった。また、酸度に関しては、食酢及び酸味料の含有量が多くなるほど高くなることがわかった。pHに関しては、食酢及び酸味料の含有量が多くなるほど低くなることがわかった。一方、塩分はいずれも5.0質量%であり、粘度はいずれも1300mPa・Sであった。
次にこれら5種類のサンプルについて下記の官能検査による評価を行った。具体的には、製造直後の各サンプルに関して、「焙煎感」、「ごま感」及び「まろやかさ」の3項目につき、5名の官能検査官による官能検査を行って評価した。なお、各評価項目について、◎(非常に好ましい)、○(好ましい)、△(やや好ましくない)、×(好ましくない)の4段階の絶対評価を行った。その結果を同じく表1に示す。
表1に示されるように、「焙煎感」に関しては、試験例1C及び1Dの2つのサンプルにて「好ましい(〇)」という評価となった。「ごま感」に関しては、試験例1A、1B、1C及び1Dの4つのサンプルにて「好ましい(〇)」という評価となった。「まろやかさ」に関しては、試験例1B及び1Cの2つのサンプルにて「好ましい(〇)」という評価となった。以上の結果、試験例1B、1C及び1Dについて総合評価が良好(即ち◎か〇)となることがわかった。つまり、上記の評価結果から、「焙煎感」、「ごま感」及び「まろやかさ」の向上を達成するうえで、酢酸の含有量を0.4質量%以上1.1質量%以下、酸度を0.45質量%以上1.30質量%以下、pHを3.9以上4.5以下とすべきであることが実証された。
Figure 0006150634
(2)試験2(塩分含有量を決める試験)
この試験では、基本的に上記試験1の手順に準拠して、表2の配合量に従いごま含有乳化液状調味料(ごま含有乳化たれ)を作製した。この試験では、塩分含有量が様々な値をとるように、食塩の配合量のみを変更することで複数のサンプル(2A〜2Eの5種類)を得た。具体的にいうと、食塩の配合量を1.51質量%としたものを「試験例2A」のサンプルとし、食塩の配合量を1.72質量%としたものを「試験例2B」のサンプルとし、食塩の配合量を3.57質量%としたものを「試験例2C」のサンプルとし、食塩の配合量を4.71質量%としたものを「試験例2D」のサンプルとし、食塩の配合量を5.23質量%としたものを「試験例2E」のサンプルとした。
そしてこれら5種類のサンプルについて、上記試験1と同様の分析を行った結果を表2に示す。酢酸の含有量はいずれも0.74質量%であり、酸度はいずれも0.79%であった。pHは試験例2A〜2Dについて4.3となり、2Eについてのみ4.2となった。塩分含有量は、試験例2A〜2Eの順に、3.0質量%、3.2質量%、5.0質量%、6.1質量%、6.6質量%となった。粘度は試験例2A〜2Bについて1400mPa・Sとなり、2C〜2Eについて1300mPa・Sとなった。
次にこれら5種類のサンプルについて、上記試験1と同様の官能試験による評価を行った結果を表2に示す。即ち、表2に示されるように、「焙煎感」に関しては、試験例2B〜2Eの4つのサンプルにて「好ましい(〇)」という評価となった。「ごま感」に関しては、試験例2B〜2Dの3つのサンプルにて「好ましい(〇)」という評価となった。「まろやかさ」に関しては、試験例2A〜2Cの3つのサンプルにて「好ましい(〇)」という評価となった。以上の結果、試験例2B、2C及び2Dについて総合評価が良好(即ち◎か〇)となることがわかった。つまり、上記の評価結果から、「焙煎感」、「ごま感」及び「まろやかさ」の強化を達成するうえで、塩分の含有量を3.2質量%以上6.1質量%以下とすべきであることが実証された。
Figure 0006150634
(3)試験3(粘度を決める試験)
この試験では、基本的に上記試験1の手順に準拠して、表3の配合量に従いごま含有乳化液状調味料(ごま含有乳化たれ)を作製した。この試験では、粘度が様々な値をとるように、増粘剤の配合量のみを変更することで複数のサンプル(3A〜3Fの6種類)を得た。具体的にいうと、増粘剤の配合量を0.08質量%としたものを「試験例3A」のサンプルとし、増粘剤の配合量を0.12質量%としたものを「試験例3B」のサンプルとし、増粘剤の配合量を0.26質量%としたものを「試験例3C」のサンプルとし、増粘剤の配合量を0.33質量%としたものを「試験例3D」のサンプルとし、増粘剤の配合量を0.44質量%としたものを「試験例3E」のサンプルとし、増粘剤の配合量を0.46質量%としたものを「試験例3F」のサンプルとした。
そしてこれら6種類のサンプルについて、上記試験1と同様の分析を行った結果を表3に示す。酢酸の含有量はいずれも0.74質量%であり、酸度はいずれも0.79%であり、pHはいずれも4.3であり、塩分の含有量はいずれも5.0質量%であった。粘度は、試験例3A〜3Fの順に、200mPa・S、400mPa・S、1100mPa・S、1300mPa・S、2000mPa・S、2500mPa・Sとなった。
次にこれら6種類のサンプルについて、上記試験1と同様の官能試験による評価を行った結果を表3に示す。即ち、表3に示されるように、「焙煎感」に関しては、各試験例3A〜3Eの5つのサンプルにて「好ましい(〇)」という評価となり、特に差はなかった。「ごま感」に関しては、試験例3B〜3Dの3つのサンプルにて「好ましい(〇)」という評価となった。「まろやかさ」に関しては、試験例3C〜3Fの4つのサンプルにて「好ましい(〇)」という評価となった。以上の結果、試験例3B、3C、3D及び3Eについて総合評価が良好(即ち◎か〇)となることがわかった。つまり、上記の評価結果から、「焙煎感」、「ごま感」及び「まろやかさ」の強化を達成するうえで、粘度を400mPa・S以上2000mPa・S以下とすべきであることが実証された。
Figure 0006150634
(4)試験4(食用油脂の含有量を決める試験)
この試験では、基本的に上記試験1の手順に準拠して、表4の配合量に従いごま含有乳化液状調味料(ごま含有乳化たれ)を作製した。この試験では、食用油脂の含有量が様々な値をとるように、食用油脂原料の配合量と増粘剤の配合量とを変更することで複数のサンプル(4A〜4Cの3種類)を得た。具体的にいうと、食用油脂原料の配合量を5.0質量%とし、増粘剤の配合量を0.51質量%としたものを「試験例4A」のサンプルとした。食用油脂原料の配合量を20.0質量%とし、増粘剤の配合量を0.33質量%としたものを「試験例4B」のサンプルとした。食用油脂原料の配合量を40.0質量%とし、増粘剤の配合量を0.10質量%としたものを「試験例4C」のサンプルとした。
そしてこれら3種類のサンプルについて、上記試験1と同様の分析を行った結果を表4に示す。酢酸の含有量はいずれも0.74質量%であり、酸度はいずれも0.79%であり、pHはいずれも4.3であり、塩分の含有量はいずれも5.0質量%であった。粘度は、試験例4A、4B、4Cの順に、1400mPa・S、1300mPa・S、1900mPa・Sとなった。
次にこれら3種類のサンプルについて、上記試験1と同様の官能試験による評価を行った結果を表4に示す。即ち、表4に示されるように、「焙煎感」及び「ごま感」に関しては、各試験例4A〜4Cの3つのサンプルにて「好ましい(〇)」という評価となり、特に差はなかった。「まろやかさ」に関しては、試験例4B〜4Cの2つのサンプルにて「好ましい(〇)」という評価となった。以上の結果、試験例4A、4B及び4Cについて総合評価が良好(即ち◎か〇)となることがわかった。つまり、上記の評価結果から、「焙煎感」、「ごま感」及び「まろやかさ」の強化を達成するうえで、食用油脂原料の配合量を5.0質量%以上40.0質量%以下とすべきであることが実証された。
Figure 0006150634
(5)試験5(加工卵黄の含有量を決める試験)
この試験では、基本的に上記試験1の手順に準拠して、表5の配合量に従いごま含有乳化液状調味料(ごま含有乳化たれ)を作製した。この試験では、加工卵黄の含有量が様々な値をとるように、加工卵黄の配合量と増粘剤の配合量とを変更することで複数のサンプル(5A〜5Eの5種類)を得た。具体的にいうと、加工卵黄の配合量を0.3質量%とし、増粘剤の配合量を0.33質量%としたものを「試験例5A」のサンプルとした。加工卵黄の配合量を0.4質量%とし、増粘剤の配合量を0.33質量%としたものを「試験例5B」のサンプルとした。加工卵黄の配合量を0.6質量%とし、増粘剤の配合量を0.32質量%としたものを「試験例5C」のサンプルとした。加工卵黄の配合量を1.1質量%とし、増粘剤の配合量を0.30質量%としたものを「試験例5D」のサンプルとした。加工卵黄の配合量を1.3質量%とし、増粘剤の配合量を0.30質量%としたものを「試験例5E」のサンプルとした。
そしてこれら5種類のサンプルについて、上記試験1と同様の分析を行った結果を表5に示す。酢酸の含有量はいずれも0.74質量%であり、酸度はいずれも0.79%であり、pHはいずれも4.3であった。塩分含有量は試験例5A〜5Dにて5.0質量%となり、試験例5Eにて5.1質量%となった。粘度は試験例5A〜5Eの順に、1200mPa・S、1300mPa・S、1400mPa・S、1400mPa・S、1500mPa・Sとなった。
次にこれら5種類のサンプルについて、上記試験1と同様の官能試験による評価を行った。ただし、◎(非常に好ましい)、○(好ましい)、△(やや好ましくない)、×(好ましくない)というこれまでの評価に、以下の評価も追加した。即ち、◎(非常に好ましい)という評価を相対評価の基準とし、これと同等であれば「◎」、◎よりもまあ良いというレベルであれば「◎2」、◎よりも良いというレベルであれば「◎3」、◎よりかなり良いというレベルであれば「◎4」、◎よりも非常に良いというレベルであれば「◎5」、というようにした。その結果を同じく表5に示す。
表5に示されるように、「焙煎感」に関しては、試験例5A〜5Dの4つのサンプルにて「好ましい(〇)」という評価となった。従って、上記試験1〜4の結果と比較して「焙煎感」が増強されるとは言えないことがわかった。「ごま感」に関しては、試験例5B、5C、5Dのサンプルにて「好ましい(〇)」という評価となった。「まろやかさ」に関しては、試験例5C、5Dのサンプルにて「非常に好ましい(◎)」という評価となり、試験例5B、5Eのサンプルにて「好ましい(〇)」という評価となった。以上の結果、試験例5B、5C及び5Dについて総合評価が◎(非常に好ましい)以上の評価となり、特に試験例5C及び5Dに到っては、上記試験1〜4にて◎(非常に好ましい)と評価されたものを超えるレベル(◎2)となることがわかった。つまり、上記の評価結果から、「焙煎感」、「ごま感」及び「まろやかさ」の強化を達成するうえで、加工卵黄の添加は有効であり、その含有量を0.4質量%以上1.1質量%以下とすること、さらには0.6質量%以上1.1質量%以下とすることが有効であることが実証された。なお、この試験5にて適用した加工卵黄は、加工卵黄重量あたり200%の卵黄含有量として換算できるため、換言すると当該液体調味料における卵黄の含有量として、0.8質量%以上2.2質量%以下とすること、1.2質量%以上2.2質量%以下とすることが有効であることが実証されたこととなる。
Figure 0006150634
(6)試験6(高甘味度甘味料及び酵母エキスの添加試験)
この試験では、基本的に上記試験1の手順に準拠して、表6の配合量に従いごま含有乳化液状調味料(ごま含有乳化たれ)を作製した。この試験では、加工卵黄の含有量を0.6質量%に固定するとともに、高甘味度甘味料の一種であるスクラロースや、酵母エキス(あるいは鰹エキス)を適宜組み合わせて添加するようにして、複数のサンプル(6A〜6Hの8種類)を得た。具体的にいうと、酵母エキスを配合せずスクラロースの配合量を0.005質量%、0.01質量%、0.02質量%、0.04質量%としたものを、それぞれ「試験例6A」、「試験例6B」、「試験例6C」及び「試験例6D」のサンプルとした。また、スクラロースの配合量を0.02質量%とし、酵母エキスの配合量を0.1質量%、0.2質量%、0.4質量%としたものを、それぞれ「試験例6E」「試験例6F」及び「試験例6G」のサンプルとした。なお、スクラロースの配合量を0.02質量%とする一方、酵母エキスを鰹エキスに変更して、その配合量を0.2質量%としたものを「試験例6H」のサンプルとした。
そしてこれら8種類のサンプル(6A〜6H)について、上記試験1と同様の分析を行った結果を表6に示す。酢酸の含有量はいずれも0.74質量%であり、酸度はいずれも0.79%であり、pHはいずれも4.3であった。塩分含有量はいずれも5.0質量%となり、粘度はいずれも1200mPa・Sとなった。
次にこれら8種類のサンプルについて、上記試験1と同様の官能試験による評価を行った。なお、ここでは上記試験4と同様に「◎2」、「◎3」、「◎4」及び「◎5」という評価も追加した。その結果を同じく表6に示す。
表6に示されるように、「焙煎感」に関しては、試験例6A〜6C、6E〜6Hの7つのサンプルにて「非常に好ましい(◎)」という評価となり、6Dのサンプルについて「好ましい(〇)」という評価となった。従って、加工卵黄の添加のみでは達成できなかった「焙煎感」の増強が達成可能であることがわかった。「ごま感」に関しては、試験例6A〜6Hの8つのサンプル全てにて「非常に好ましい(◎)」という評価となった。「まろやかさ」に関しては、全ての試験例6A〜6Hのサンプルにて「非常に好ましい(◎)」という評価となった。
以上の結果、全ての試験例6A〜6Hについて総合評価が上記試験5の評価レベル(◎2)を超えるものとなることがわかった。なかでも試験例6E、6F、6Gのサンプルのように、加工卵黄、スクラロース及び酵母エキスを所定量ずつ組み合わせて用いることで、評価レベルが「◎5」という最良の結果が得られることがわかった。ちなみに、加工卵黄、スクラロース及び鰹エキスを所定量ずつ組み合わせて用いた場合や、加工卵黄及びスクラロースを所定量ずつ組み合わせて用いた場合では、「◎5」という評価レベルを超えることができなかった。つまり、「焙煎感」、「ごま感」及び「まろやかさ」の強化を確実に達成するうえで、加工卵黄を0.4質量%以上添加するとともに、0.005質量%以上0.04質量%以下のスクラロースと、0.10質量%以上0.40質量%以下の酵母エキスとを添加することが非常に有効であることが実証された。また、試験例6E、6F、6Gのサンプルは、「焙煎感」、「ごま感」及び「まろやかさ」が強化されているばかりでなく、全体としての風味バランスも優れていた。
Figure 0006150634

(4)まとめ
上述したように、本実施形態によると、ごまを増量しないにも関わらず、ごま風味、焙煎感、まろやかさを強化し、全体として風味バランスの良いごま含有乳化液状調味料を提供することができる。また、ごまを増量しないにも関わらず、ごま含有乳化液状調味料のごま風味を確実に増強しうる方法を提供することができる。
なお、本発明の実施形態は発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて以下のように変更してもよい。例えば、上記実施形態では本発明のごま含有乳化液状調味料をごま含有乳化たれとして具体化したが、これをごま含有乳化液状のドレッシング、ぽん酢、ソース、つゆ等として具体化することも可能である。

Claims (9)

  1. 焙煎ごま粉砕物、食用油脂、酢酸、塩分、加工卵黄、高甘味度甘味料及び酵母エキスを含有する乳化液状の調味料であって、
    食用油脂の含有量が1質量%以上50質量%以下であり、酢酸の含有量が0.4質量%以上1.1質量%以下であり、塩分の含有量が3.2質量%以上6.1質量%以下であり、酸度が0.45質量%以上1.30質量%以下に設定され、pHが3.9以上4.5以下に設定され、卵黄の含有量が0.80質量%以上2.2質量%以下であり、0.005質量%以上0.04質量%以下の甘味度が100以上2500以下である高甘味度甘味料と、0.10質量%以上0.40質量%以下の酵母エキスとを含有する
    ことを特徴とするごま含有乳化液状調味料。
  2. 常温にてB型粘度計で測定した粘度が、400mPa・S以上2000mPa・S以下であることを特徴とする請求項1に記載のごま含有乳化液状調味料。
  3. 前記高甘味度甘味料が、スクラロース、ステビア、アセスルファームK、アスパルテーム及びソーマチンから選ばれる1種または2種以上であることを特徴とする請求項1または2に記載のごま含有乳化液状調味料。
  4. 前記焙煎ごま粉砕物の含有量が1.0質量%以上20質量%以下であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のごま含有乳化液状調味料。
  5. 前記ごま含有乳化液状調味料が、たれ、ドレッシングまたはソースであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のごま含有乳化液状調味料。
  6. 焙煎ごま粉砕物、食用油脂、酢酸、塩分、加工卵黄、高甘味度甘味料及び酵母エキスを含有する乳化液状の調味料における食用油脂の含有量を1質量%以上50質量%以下とし、酢酸の含有量を0.4質量%以上1.1質量%以下とし、塩分の含有量を3.2質量%以上6.1質量%以下とすることで、酸度を0.45質量%以上1.30質量%以下に設定し、pHを3.9以上4.5以下に設定するとともに、卵黄の含有量が0.80質量%以上2.2質量%以下であり、0.005質量%以上0.04質量%以下の甘味度が100以上2500以下である高甘味度甘味料と、0.10質量%以上0.40質量%以下の酵母エキスとを含有させて乳化する工程を行うことにより、ごま含有乳化液状調味料のごま風味を増強させることを特徴とするごま含有乳化液状調味料のごま風味増強方法。
  7. 前記焙煎ごま粉砕物の含有量を1.0質量%以上20質量%以下とすることを特徴とする請求項6に記載のごま含有乳化液状調味料のごま風味増強方法。
  8. 焙煎ごま粉砕物、食用油脂、酢酸、塩分、加工卵黄、高甘味度甘味料及び酵母エキスを含有する乳化液状の調味料における食用油脂の含有量を1質量%以上50質量%以下とし、酢酸の含有量を0.4質量%以上1.1質量%以下とし、塩分の含有量を3.2質量%以上6.1質量%以下とすることで、酸度を0.45質量%以上1.30質量%以下に設定し、pHを3.9以上4.5以下に設定するとともに、卵黄の含有量が0.80質量%以上2.2質量%以下であり、0.005質量%以上0.04質量%以下の甘味度が100以上2500以下である高甘味度甘味料と、0.10質量%以上0.40質量%以下の酵母エキスとを含有させて乳化する工程を行うことにより、ごま含有乳化液状調味料のごま風味、焙煎感、まろやかさを強化させることを特徴とするごま含有乳化液状調味料のごま風味、焙煎感及びまろやかさの強化方法。
  9. 前記焙煎ごま粉砕物の含有量を1.0質量%以上20質量%以下とすることを特徴とする請求項8に記載のごま含有乳化液状調味料のごま風味、焙煎感及びまろやかさの強化方法。
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