JP5796296B2 - 焙煎ごま含有食品 - Google Patents
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Description
即ち、本発明は以下の通りである。
(1)該食品100g中に含有される焙煎ごま粉砕物の臭気指数が22以上かつ32以下であり、
(2)該食品100g中に含有される香辛料の臭気指数が25以上かつ38以下であり、
(3)食品全体に対する油相の含有割合が15重量%以上かつ65重量%以下であることを特徴とする、食品。
[2]焙煎ごま粉砕物が、すりごま及び/又はねりごまである、上記[1]記載の食品。
[3]香辛料が、香味野菜である、上記[1]又は[2]記載の食品。
[4]香味野菜が、生姜及び/又はにんにくである、上記[3]記載の食品。
[5]食品100g中に含有される焙煎ごま粉砕物の臭気指数が、23以上かつ31以下である、上記[1]〜[4]のいずれかに記載の食品。
[6]食品100g中に含有される香辛料の臭気指数が、26以上かつ37以下である、上記[1]〜[5]のいずれかに記載の食品。
[7]食品全体に対する油相の含有割合が、20重量%以上かつ60重量%以下である、上記[1]〜[6]のいずれかに記載の食品。
[8]焙煎ごま粉砕物及び香辛料を含有する食品における風味の改善方法であって、
(1)該食品100g中に含有される焙煎ごま粉砕物の臭気指数が22以上かつ32以下となるように焙煎ごま粉砕物を配合し、かつ(2)該食品100g中に含有される香辛料の臭気指数が25以上かつ38以下となるように香辛料を配合した水相と、
(3)食品全体に対する含有割合が15重量%以上かつ65重量%以下である油相とを、
乳化して、水中油型乳化物とすることを含む、方法。
胡椒としては、例えば、黒胡椒、白胡椒または青胡椒(グリーンペッパー)の粉砕物等が挙げられる。
ここで臭気指数とは、臭気濃度の常用対数に10を乗じた値をいい、以下の式により算出される。なお、臭気濃度とは、臭いのついた気体や液体をその臭いが感じられなくなるまで無臭の空気や無臭の液体(水)で希釈した時の希釈倍率をいう。
臭気指数=10×Log(臭気濃度)
(1)ニオイセンサの吸気部分にテフロンチューブを装着する。
(2)本発明の食品100g中に含まれる量の焙煎ごま粉砕物及び香辛料をそれぞれ容量1Lのガラス瓶に投入し(例えば、焙煎ごま粉砕物の含有量が本発明の食品に対して4重量%である場合は、ガラス瓶に焙煎ごま粉砕物を4g投入する)、投入直後にキャップを閉めて1分間密封する。
(3)キャップを外し、その直後に、ガラス瓶の口部に穴の開いたゴム栓を取り付ける。
(4)ゴム栓の取り付け後、即座にその穴にテフロンチューブを通す。その際、テフロンチューブの先端がガラス瓶の底部より20cmの高さに位置するよう設置する。
(5)テフロンチューブを設置して1分後のニオイセンサの臭気指数を読み取る。尚、嗅覚とニオイセンサの感度特性の全てが同じではないため、種類の異なる臭気について、それぞれ臭気指数とニオイセンサのレベル値とを対応させた値を求める必要があるが、本発明においては、ニオイセンサの製造者が提供する「惣菜工場の排気ガスにおけるにんにく臭」について作成された臭気指数とニオイセンサのレベル値との対応表に従って、ニオイセンサのレベル値から換算される臭気指数の数値を、焙煎ごま粉砕物及びにんにく以外の香辛料についても、臭気指数として適用するものとする。
一方、本発明の食品100g中に含有される香辛料の臭気指数は、通常25以上、好ましくは26以上、より好ましくは28以上、特に好ましくは30以上である。香辛料の臭気指数が25未満であれば、香辛料の風味が弱くバランスに劣る。また、香辛料の臭気指数は、通常38以下、好ましくは37以下、より好ましくは36以下である。香辛料の臭気指数が38より高いと、香辛料の風味が強くバランスに劣る。
香辛料の含有量は、香辛料の種類に応じて異なるが、例えば、香辛料がにんにくである場合は、食品全体に対して、通常0.03重量%以上、好ましくは0.05重量%以上、より好ましくは0.07重量%以上、特に好ましくは0.1重量%以上である。また、にんにくの含有量は、食品全体に対して、通常2重量%以下、好ましくは1.5重量%以下、より好ましくは1.2重量%以下である。一方、香辛料が生姜である場合は、生姜の含有量は、食品全体に対して、通常0.3重量%以上、好ましくは0.4重量%以上、より好ましくは0.5重量%以上、特に好ましくは0.7重量%以上である。また、生姜の含有量は、食品全体に対して、通常8重量%以下、好ましくは7重量%以下、より好ましくは5重量%以下である。
本発明の食品の製造には、通常の乳化食品の製造に使われる装置を用いることができ、特に制限はないが、例えばスティックミキサーなどの攪拌機、ディスパーミキサー、ホモミキサー、ホモジナイザー、コロイドミル等が挙げられる。
焙煎ごま粉砕物(すりごま)及び香辛料(にんにく、生姜)の配合割合と臭気指数との関係を、新コスモス電機株式会社製「ポータブル型ニオイセンサ XP-329IIIR」(以下、単に「ニオイセンサ」と略記する場合がある)を用いて測定した。具体的には、20〜24℃の環境にて、下記(1)〜(5)のとおりに実施した。
(1)ニオイセンサの吸気部分にテフロンチューブを装着した。
(2)食品100g中に含まれる量のすりごま、にんにく又は生姜を容量1Lのガラス瓶に投入し、投入直後にキャップを閉めて1分間密封した。
(3)キャップを外し、その直後に、ガラス瓶の口部に穴の開いたゴム栓を取り付けた。
(4)ゴム栓の取り付け後、即座にその穴にテフロンチューブを通した。その際、テフロンチューブの先端がガラス瓶の底部より20cmの高さに位置するよう設置した。
(5)テフロンチューブを設置して1分後のニオイセンサの臭気指数を読み取った。ただし、にんにくの臭気を基準とした臭気指数を、すりごま及び生姜にも適用した。
すりごま、にんにく及び生姜のそれぞれの配合割合と臭気指数との関係を表1に示す。
下記表2に示す配合割合で、水相原料(2)〜(11)をスティックミキサー(エスゲー社製 BAMIX M250)で均一に混合して水相を調製した後、これを攪拌しながら油相原料(1)を徐々に添加し、全量添加した後に3分間攪拌を継続することによって、実施例1〜15の水中油型乳化ドレッシングをそれぞれ製造した。尚、焙煎ごま粉砕物には、すりごま(白ごまを焙煎した後、粉粒状に擂ったもの)を用い、香辛料には、生にんにくをすりおろしたものの冷凍品又は生姜を2mmダイス状に切断したものの冷凍品を用いた。それぞれの焙煎ごま粉砕物及び香辛料の臭気指数は、表2に示すとおりであった。
下記表3に示す配合割合で、水相原料(2)〜(11)をスティックミキサー(エスゲー社製 BAMIX M250)で均一に混合して水相を調製した後、これを攪拌しながら油相原料(1)を徐々に添加し、全量添加した後に3分間攪拌を継続することによって、比較例1〜12の水中油型乳化ドレッシングをそれぞれ製造した。尚、焙煎ごま粉砕物には、すりごま(白ごまを焙煎した後、粉粒状に擂ったもの)を用い、香辛料には、生姜を2mmダイス状に切断したものの冷凍品又は生にんにくをすりおろしたものの冷凍品を用いた。それぞれの焙煎ごま粉砕物及び香辛料の臭気指数は、表3に示すとおりであった。
実施例1〜15及び比較例1〜12の水中油型乳化ドレッシングについて、専門パネラー3名により味覚評価を行った。評価基準は以下の基準に従った。結果を表4に示す。
[評価基準]
◎:非常に好ましい
○:好ましい
×:好ましくない
これに対し、比較例1、5、6の水中油型乳化ドレッシングは、焙煎ごまの風味が弱く、比較例2、5、7、9〜11の水中油型乳化ドレッシングは、香辛料の風味が弱く、比較例4、12の水中油型乳化ドレッシングは、焙煎ごまの風味が強すぎ、また、比較例3、8の水中油型乳化ドレッシングは、香辛料の風味が強すぎ、いずれも好ましくないものであった。
下記表5に示す配合割合で、水相原料(2)〜(11)をスティックミキサー(エスゲー社製 BAMIX M250)で均一に混合して水相を調製した後、これを攪拌しながら油相原料(1)を徐々に添加し、全量添加した後に3分間攪拌を継続することによって、実施例16〜20、比較例13及び14の水中油型乳化ドレッシングをそれぞれ製造した。尚、焙煎ごま粉砕物には、すりごま(白ごまを焙煎した後、粉粒状に擂ったもの)を用い、香辛料には、生姜を2mmダイス状に切断したものの冷凍品を用いた。得られた実施例16〜20、比較例13及び14の水中油型乳化ドレッシングはいずれも、焙煎ごま粉砕物の臭気指数は30、香辛料の臭気指数は31であった。
下記表5に示す配合割合で、水相原料(3)〜(11)をスティックミキサー(エスゲー社製 BAMIX M250)で均一に混合して水相を調製した後、これの上に油相原料(1)を加えて、比較例15〜17の分離ドレッシングをそれぞれ製造した。尚、焙煎ごま粉砕物には、すりごま(白ごまを焙煎した後、粉粒状に擂ったもの)を用い、香辛料には、生姜を2mmダイス状に切断したものの冷凍品を用いた。得られた比較例15〜17の分離ドレッシングはいずれも、焙煎ごま粉砕物の臭気指数は30、香辛料の臭気指数は31であった。
実施例16〜20、比較例13及び14の水中油型乳化ドレッシング並びに比較例15〜17の分離ドレッシングについて、専門パネラー3名により味覚評価を行った。評価基準は上述の基準に従った。結果を表5に示す。
これに対し、比較例13及び14の水中油型乳化ドレッシング並びに比較例15〜17の分離ドレッシングは、コク味がなく、焙煎ごまのまろやかな風味を感じにくく、好ましくないものであった。
下記表6に示す配合割合で、水相原料(2)〜(12)をスティックミキサー(エスゲー社製 BAMIX M250)で均一に混合して水相を調製した後、これを攪拌しながら油相原料(1)を徐々に添加し、全量添加した後に3分間攪拌を継続することによって、実施例21の水中油型乳化ドレッシングを製造した。尚、焙煎ごま粉砕物には、すりごま(白ごまを焙煎した後、粉粒状に擂ったもの)及びねりごま(白ごまを焙煎した後、ペースト状になるまで擂ったもの)を用い、香辛料には、生姜を2mmダイス状に切断したものの冷凍品を用いた。得られた実施例21の水中油型乳化ドレッシングの焙煎ごま粉砕物(すりごま及びねりごま)の臭気指数は31、香辛料の臭気指数は31であった。
実施例21の水中油型乳化ドレッシングについて、専門パネラー3名により味覚評価を行った。評価基準は上述の基準に従った。結果を表6に示す。
Claims (6)
- 焙煎ごま粉砕物及び香辛料を含有する水中油型乳化食品であって、
(1)該食品100g中に含有される焙煎ごま粉砕物の臭気指数が22以上かつ32以下であり、
(2)該食品100g中に含有される香辛料の臭気指数が25以上かつ38以下であり、
(3)食品全体に対する油相の含有割合が15重量%以上かつ65重量%以下であり、
香辛料が生姜であることを特徴とする、食品。 - 焙煎ごま粉砕物が、すりごま及び/又はねりごまである、請求項1記載の食品。
- 食品100g中に含有される焙煎ごま粉砕物の臭気指数が、23以上かつ31以下である、請求項1又は2記載の食品。
- 食品100g中に含有される香辛料の臭気指数が、26以上かつ37以下である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の食品。
- 食品全体に対する油相の含有割合が、20重量%以上かつ60重量%以下である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の食品。
- 焙煎ごま粉砕物及び香辛料を含有する食品における風味の改善方法であって、
(1)該食品100g中に含有される焙煎ごま粉砕物の臭気指数が22以上かつ32以下となるように焙煎ごま粉砕物を配合し、かつ(2)該食品100g中に含有される香辛料の臭気指数が25以上かつ38以下となるように香辛料を配合した水相と、
(3)食品全体に対する含有割合が15重量%以上かつ65重量%以下である油相とを、
乳化して、水中油型乳化物とすることを含み、香辛料が生姜である、方法。
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