JP6981308B2 - 水中油型乳化食品 - Google Patents
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Description
また本発明は、コク味が向上した水中油型乳化食品の製造方法の提供を目的とする。特に本発明は、風味のバランスが良く、コク味が向上した水中油型乳化食品の製造方法の提供を目的とする。
また本発明は、水中油型乳化食品のコク味向上方法の提供を目的とする。特に本発明は、水中油型乳化食品の風味のバランスが良くなり、コク味を向上させ得る方法の提供を目的とする。
また本発明者は、揮発性を有する炭素原子数3〜7の飽和脂肪族モノカルボン酸及び炭素原子数3〜9の飽和脂肪族モノアルデヒドに、ジアセチル、アリルイソチアシアネートを併用することによって、水中油型乳化食品の風味のバランスがより良くなり、製品価値が更に向上し得ることを見出した。
本発明者は、これらの知見に基づき、さらに研究を重ねることによって、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は以下の通りである。
(1)(A)の濃度が、0.3重量ppm以上2重量ppm未満であり、かつ(B)の濃度が、0.3重量ppm以上3重量ppm以下である。
(2)(A)の濃度が、2重量ppm以上7重量ppm以下であり、かつ(B)の濃度が、0.3重量ppm以上7重量ppm以下である。
[2](C)ジアセチル及び(D)アリルイソチアシアネートからなる群より選択される少なくとも一つを更に含有する、[1]記載の水中油型乳化食品。
[3](C)の濃度が、0.05重量ppm以上1重量ppm以下である、[2]記載の水中油型乳化食品。
[4](D)の濃度が、1重量ppm以上200重量ppm以下である、[2]又は[3]記載の水中油型乳化食品。
[5](A)揮発性を有する炭素原子数3〜7の飽和脂肪族モノカルボン酸が、イソ吉草酸である、[1]〜[4]のいずれか一つに記載の水中油型乳化食品。
[6](B)炭素原子数3〜9の飽和脂肪族モノアルデヒドが、ヘキサナールである、[1]〜[5]のいずれか一つに記載の水中油型乳化食品。
[7]水中油型乳化食品が、酸性水中油型乳化食品である、[1]〜[6]のいずれか一つに記載の水中油型乳化食品。
[8](A)揮発性を有する炭素原子数3〜7の飽和脂肪族モノカルボン酸及び(B)炭素原子数3〜9の飽和脂肪族モノアルデヒドを、下記(1)又は(2)に記載の濃度で含有するように添加することを含む、水中油型乳化食品の製造方法。
(1)(A)の濃度が、0.3重量ppm以上2重量ppm未満であり、かつ(B)の濃度が、0.3重量ppm以上3重量ppm以下である。
(2)(A)の濃度が、2重量ppm以上7重量ppm以下であり、かつ(B)の濃度が、0.3重量ppm以上7重量ppm以下である。
[9](C)ジアセチル及び(D)アリルイソチアシアネートからなる群より選択される少なくとも一つを添加することを更に含む、[8]記載の製造方法。
[10](C)の添加が、(C)の濃度が0.05重量ppm以上1重量ppm以下となるよう行われる、[9]記載の製造方法。
[11](D)の添加が、(D)の濃度が1重量ppm以上200重量ppm以下となるように行われる、[9]又は[10]記載の製造方法。
[12](A)揮発性を有する炭素原子数3〜7の飽和脂肪族モノカルボン酸が、イソ吉草酸である、[8]〜[11]のいずれか一つに記載の製造方法。
[13](B)炭素原子数3〜9の飽和脂肪族モノアルデヒドが、ヘキサナールである、[8]〜[12]のいずれか一つに記載の製造方法。
[14]水中油型乳化食品が、酸性水中油型乳化食品である、[8]〜[13]のいずれか一つに記載の製造方法。
[15]水中油型乳化食品に、(A)揮発性を有する炭素原子数3〜7の飽和脂肪族モノカルボン酸及び(B)炭素原子数3〜9の飽和脂肪族モノアルデヒドを、下記(1)又は(2)に記載の濃度で含有するように添加することを含む、水中油型乳化食品のコク味向上方法。
(1)(A)の濃度が、0.3重量ppm以上2重量ppm未満であり、かつ(B)の濃度が、0.3重量ppm以上3重量ppm以下である。
(2)(A)の濃度が、2重量ppm以上7重量ppm以下であり、かつ(B)の濃度が、0.3重量ppm以上7重量ppm以下である。
[16](C)ジアセチル及び(D)アリルイソチアシアネートからなる群より選択される少なくとも一つを添加することを更に含む、[15]記載のコク味向上方法。
[17](C)の添加が、(C)の濃度が0.05重量ppm以上1重量ppm以下となるよう行われる、[16]記載のコク味向上方法。
[18](D)の添加が、(D)の濃度が1重量ppm以上200重量ppm以下となるように行われる、[16]又は[17]記載のコク味向上方法。
[19](A)揮発性を有する炭素原子数3〜7の飽和脂肪族モノカルボン酸が、イソ吉草酸である、[15]〜[18]のいずれか一つに記載のコク味向上方法。
[20](B)炭素原子数3〜9の飽和脂肪族モノアルデヒドが、ヘキサナールである、[15]〜[19]のいずれか一つに記載のコク味向上方法。
[21]水中油型乳化食品が、酸性水中油型乳化食品である、[15]〜[20]のいずれか一つに記載のコク味向上方法。
また本発明の水中油型乳化食品の製造方法によれば、コク味が向上した水中油型乳化食品を製造でき、特に風味のバランスが良く、コク味が向上した水中油型乳化食品を製造できる。
また本発明の水中油型乳化食品のコク味向上方法によれば、水中油型乳化食品のコク味を向上させることができ、特に水中油型乳化食品の風味のバランスが良くなり、コク味を向上させることができる。
本発明の水中油型乳化食品は、(A)揮発性を有する炭素原子数3〜7の飽和脂肪族モノカルボン酸(本明細書中、単に「(A)」と称する場合がある)及び(B)炭素原子数3〜9の飽和脂肪族モノアルデヒド(本明細書中、単に「(B)」と称する場合がある)を含有することを特徴の一つとする。
本発明において「揮発性を有する」とは、常温、常圧下で揮発し得る性質を有することを意味し、具体的には、常圧下での沸点が250℃以下であることを意味する。
(1)(A)の濃度が、水中油型乳化食品の総重量に対して、0.3重量ppm以上(風味のバランス及びコク味向上効果の観点から、より好ましくは0.35重量ppm以上、更に好ましくは0.4重量ppm以上、より一層好ましくは0.45重量ppm以上、特に好ましくは1重量ppm以上、最も好ましくは1.2重量ppm以上)2重量ppm未満であり、かつ(B)の濃度が、水中油型乳化食品の総重量に対して、0.3重量ppm以上(風味のバランス及びコク味向上効果の観点から、より好ましくは0.35重量ppm以上、更に好ましくは0.4重量ppm以上、特に好ましくは0.45重量ppm以上)3重量ppm以下(風味のバランス及びコク味向上効果の観点から、より好ましくは2.5重量ppm以下)である。
(2)(A)の濃度が、水中油型乳化食品の総重量に対して、2重量ppm以上7重量ppm以下(風味のバランス及びコク味向上効果の観点から、より好ましくは6.5重量ppm以下、更に好ましくは6重量ppm以下、特に好ましくは5.5重量ppm以下)であり、かつ(B)の濃度が、水中油型乳化食品の総重量に対して、0.3重量ppm以上(風味のバランス及びコク味向上効果の観点から、より好ましくは0.35重量ppm以上、更に好ましくは0.4重量、特に好ましくは0.45重量ppm以上)7重量ppm以下(風味のバランス及びコク味向上効果の観点から、より好ましくは6重量ppm以下、更に好ましくは5重量ppm以下、より一層好ましくは4.5重量ppm以下、特に好ましくは3重量ppm以下、最も好ましくは2.5重量ppm以下)である。
(a1)試料1〜2gに水60mL、9mol/L硫酸0.6mL、ジエチルエーテル100mL及び塩化ナトリウム24gを加え、15分間振とう抽出する。
(a2)遠心分離処理(1600×g、5分間)を行った後、ジエチルエーテル層を分取する。
(a3)分取したジエチルエーテル層を脱水ろ過し、減圧濃縮した後、ジエチルエーテルで10mLに定容して測定サンプルとし、ガスクロマトグラフ−質量分析計により下記の操作条件で測定を行う。
<ガスクロマトグラフ−質量分析計操作条件>
・機種:6890/5973N(アジレント・テクノロジー株式会社製)
・カラム:IntertCap Pure WAX(内径0.25mm、長さ30m、膜厚0.25μm)(ジーエルサイエンス株式会社製)
・導入系:スプリット5:1
・温度:試料注入口220℃
・カラム昇温条件:60℃(1分保持)→10℃/分で昇温→200℃
・ガス流量:ヘリウム(キャリヤーガス)1mL/分
・イオン源温度:230℃
・イオン化法:電子イオン化法(EI)
・設定質量数:m/Z 87,60
(b1)試料2〜4gに水150mL及びヘキサン4mLを加え、精油定量用蒸留装置にて90分間蒸留を行う。
(b2)ヘキサン層を分取した後、ヘキサンで4mLに定容して測定サンプルとし、ガスクロマトグラフ−質量分析計により下記の操作条件で測定を行う。
<ガスクロマトグラフ−質量分析計操作条件>
・機種:7890B/5977A(アジレント・テクノロジー株式会社製)
・カラム:DB−WAX(内径0.25mm、長さ60m、膜厚0.5μm)(アジレント・テクノロジー株式会社製)
・導入系:スプリット3:1
・注入量:1μL
・温度:試料注入口220℃
・カラム昇温条件:40℃(1分保持)→10℃/分で昇温→220℃
・ガス流量:ヘリウム(キャリヤーガス)1mL/分
・イオン源温度:230℃
・イオン化法:電子イオン化法(EI)
・設定質量数:m/Z 82,72
(c1)試料2〜4gを水で20mLに定容する。
(c2)ジエチルエーテル10mL及び塩化ナトリウム8gを加え、10分間振とうする。
(c3)遠心分離処理(1600×g、5分間)を行った後、ジエチルエーテル層を分取して測定サンプルとし、ガスクロマトグラフ−質量分析計により下記の操作条件で測定を行う。
<ガスクロマトグラフ−質量分析計操作条件>
・機種:7890B/5977B(アジレント・テクノロジー株式会社製)
・カラム:DB−WAX(内径0.25mm、長さ60m、膜厚0.5μm)(アジレント・テクノロジー株式会社製)
・導入系:スプリット10:1
・温度:試料注入口220℃
・カラム昇温条件:50℃(1分保持)→10℃/分で昇温→200℃
・ガス流量:ヘリウム(キャリヤーガス)1mL/分
・イオン源温度:230℃
・イオン化法:電子イオン化法(EI)
・設定質量数:m/Z 86,43
(d1)試料0.4gにリン酸緩衝液(pH5.5)3mLを加え、37℃で30分間加温する。
(d2)冷却後、内標準物質溶液(シクロペンタノール)5mL及びエタノール1mLを加え、10分間振とうする。
(d3)遠心分離処理(2000×g、5分間)を行った後、分取した上清をメンブレンフィルター(孔径0.45μm)でろ過して測定サンプルとし、ガスクロマトグラフにより下記の操作条件で測定を行う。
<ガスクロマトグラフ操作条件>
・検出器:水素炎イオン化型検出器(FID)
・カラム:DB−1(内径0.53mm、長さ30m、膜厚1.5μm)(アジレント・テクノロジー株式会社製)
・温度:注入口180℃、試料注入口320℃
・カラム昇温条件:60℃(1分保持)→10℃/分で昇温→150℃→30℃/分で昇温→320℃
・キャリヤーガス:ヘリウム
・圧力:26.3kPa
本発明は、水中油型乳化食品に、(A)及び(B)を添加することを含む、水中油型乳化食品のコク味向上方法も提供する。
本発明のコク味向上方法は、特に断りのない限り、本発明の水中油型乳化食品の製造方法と同様に実施し得、好ましい態様も同様である。
(基準サンプルIの製造)
下表1に示す配合割合で、食用植物油脂以外の原料を均一に混合した後、当該混合物をホモミキサー(特殊機工業株式会社製、T.K.HOMOMIXER MARK II)を用い、回転数4000〜10000rpmで混合物の流動性を保つよう撹拌しながら食用植物油脂を1分間かけて徐々に添加し、全量の添加後も混合物が流動する状態で1分間撹拌を続け、水中油型乳化食品(基準サンプルI)を1kg製造した。
食用植物油脂にイソ吉草酸、ヘキサナールを添加したこと以外は、基準サンプルIと同様の手順で、水中油型乳化食品(評価サンプル)を製造した。食用植物油脂へのイソ吉草酸の添加は、下表2に示すように、水中油型乳化食品におけるイソ吉草酸の濃度が、水中油型乳化食品の総重量に対して0.5重量ppm、1.5重量ppm、3.0重量ppm、5.0重量ppm、10重量ppm又は20重量ppmとなるように行った。また食用植物油脂へのヘキサナールの添加は、下表2に示すように、水中油型乳化食品におけるヘキサナールの濃度が、水中油型乳化食品の総重量に対して0.5重量ppm、1.0重量ppm、2.0重量ppm、4.0重量ppm又は10重量ppmとなるように行った。
尚、基準サンプルIと同様の手順で製造した水中油型乳化食品が、イソ吉草酸、ヘキサナールの添加前から含有する、揮発性を有する炭素原子数3〜7の飽和脂肪族モノカルボン酸及び炭素原子数3〜9の飽和脂肪族モノアルデヒドの量は、イソ吉草酸、ヘキサナールの添加量と比較して無視できる程、極少量である。
訓練されたパネル8名で、評価サンプルの「コク味の強さ」、「風味のバランス」及び「総合評価」について、官能評価を実施した。官能評価は、各パネルが評価サンプルを、イソ吉草酸及びヘキサナールを添加していない基準サンプルI(評点:0点)と比較し、「コク味の強さ」、「風味のバランス」及び「総合評価」について下記の基準に基づき、0.1点刻みで評点付けした後、8名のパネルの平均点を算出(小数点以下第2位を四捨五入)し、当該平均点が2.0〜1.1点の場合を「◎」とし、1.0〜0.3点の場合を「○」とし、0.2〜−0.2点の場合を「△」とし、−0.3〜−2.0点の場合を「×」とすることにより行った。
尚、8名のパネルは、「コク味の強さ」、「風味のバランス」及び「総合評価」の各評価基準について、評点が0.1点変動するには、コク味が強さ、風味のバランス、製品価値がどの程度変動すればよいのか等をパネラー間で共通となるよう予め訓練された。
<コク味の強さ>
2.0〜1.1点:基準サンプルに比べ、コク味がとても強い
1.0〜0.3点:基準サンプルに比べ、コク味が強い
0.2〜−0.2点:基準サンプルと同等
−0.3〜−2.0点:基準サンプルに比べ、コク味が弱い
<風味のバランス>
2.0〜1.1点:基準サンプルに比べ、風味のバランスがとても良い
1.0〜0.3点:基準サンプルに比べ、風味のバランスが良い
0.2〜−0.2点:基準サンプルと同等
−0.3〜−2.0点:基準サンプルに比べ、風味のバランスが悪い
<総合評価>
2.0〜1.1点:基準サンプルに比べ、とても優れた製品価値を有する
1.0〜0.3点:基準サンプルに比べ、優れた製品価値を有する
0.2〜−0.2点:基準サンプルと同等
−0.3〜−2.0点:基準サンプルに比べ、製品価値が劣る
一方、イソ吉草酸及びヘキサナールを、それぞれ単独で使用した場合は、風味のバランスが悪く、製品価値は向上しなかったか、又は低下した。
(評価サンプルの製造)
食用植物油脂にイソ吉草酸、ヘキサナール及びジアセチルを添加したこと以外は、基準サンプルIと同様の手順で、水中油型乳化食品(評価サンプル)を製造した。食用植物油脂へのイソ吉草酸の添加は、下表3に示すように、水中油型乳化食品におけるイソ吉草酸の濃度(最終濃度)が、水中油型乳化食品の総重量に対して0.5重量ppm又は3.0重量ppmとなるように行った。食用植物油脂へのヘキサナールの添加は、下表3に示すように、水中油型乳化食品におけるヘキサナールの濃度が、水中油型乳化食品の総重量に対して0.5重量ppm又は4.0重量ppmとなるように行った。また食用植物油脂へのジアセチルの添加は、下表3に示すように、水中油型乳化食品におけるジアセチルの濃度が、水中油型乳化食品の総重量に対して0.2重量ppm又は0.6重量ppmとなるように行った。
尚、基準サンプルIと同様の手順で製造した水中油型乳化食品が、イソ吉草酸、ヘキサナール及びジアセチルの添加前から含有する、揮発性を有する炭素原子数3〜7の飽和脂肪族モノカルボン酸、炭素原子数3〜9の飽和脂肪族モノアルデヒド及びジアセチルの量は、イソ吉草酸、ヘキサナール及びジアセチルの添加量と比較して無視できる程、極少量である。
訓練されたパネル8名で、評価サンプルの「コク味の強さ」、「風味のバランス」及び「総合評価」について、官能評価を実施した。官能評価は、試験例1と同様に行った。
結果を表3に示す。
(評価サンプルの製造)
食用植物油脂にイソ吉草酸、ヘキサナール及びアリルイソチオシアネートを添加したこと以外は、基準サンプルIと同様の手順で、水中油型乳化食品(評価サンプル)を製造した。食用植物油脂へのイソ吉草酸の添加は、下表4に示すように、水中油型乳化食品におけるイソ吉草酸の濃度が、水中油型乳化食品の総重量に対して0.5重量ppm又は3.0重量ppmとなるように行った。食用植物油脂へのヘキサナールの添加は、下表4に示すように、水中油型乳化食品におけるヘキサナールの濃度が、水中油型乳化食品の総重量に対して0.5重量ppm又は4.0重量ppmとなるように行った。また食用植物油脂へのアリルイソチオシアネートの添加は、下表4に示すように、水中油型乳化食品におけるジアセチルの濃度が、水中油型乳化食品の総重量に対して10重量ppm又は130重量ppmとなるように行った。
尚、基準サンプルIと同様の手順で製造した水中油型乳化食品が、イソ吉草酸、ヘキサナール及びアリルイソチオシアネートの添加前から含有する、揮発性を有する炭素原子数3〜7の飽和脂肪族モノカルボン酸、炭素原子数3〜9の飽和脂肪族モノアルデヒド及びアリルイソチオシアネートの量は、イソ吉草酸、ヘキサナール及びアリルイソチオシアネートの添加量と比較して無視できる程、極少量である。
訓練されたパネル8名で、評価サンプルの「コク味の強さ」、「風味のバランス」及び「総合評価」について、官能評価を実施した。官能評価は、試験例1と同様に行った。
結果を表4に示す。
[試験例4]
(基準サンプルII、III及びIVの製造)
下表5に示す配合割合で、食用植物油脂以外の原料を均一に混合した後、当該混合物をホモミキサー(特殊機工業株式会社製、T.K.HOMOMIXER MARK II)を用い、回転数4000〜10000rpmで混合物の流動性を保つよう撹拌しながら食用植物油脂を1分間かけて徐々に添加し、全量の添加後も混合物が流動する状態で1分間撹拌を続け、基準サンプルII、III、IVとして水中油型乳化食品を、それぞれ1kg製造した。
食用植物油脂にイソ吉草酸、ヘキサナールを添加したこと以外は、基準サンプルII、III、IVと同様の手順で、各水中油型乳化食品(評価サンプル)を製造した。食用植物油脂へのイソ吉草酸の添加は、水中油型乳化食品におけるイソ吉草酸の濃度が、水中油型乳化食品の総重量に対して1.5重量ppmとなるように行った。また食用植物油脂へのヘキサナールの添加は、水中油型乳化食品におけるヘキサナールの濃度が、水中油型乳化食品の総重量に対して1.0重量ppmとなるように行った。
尚、基準サンプルII、III、IVと同様の手順で製造した各水中油型乳化食品が、イソ吉草酸及びヘキサナールの添加前から含有する、揮発性を有する炭素原子数3〜7の飽和脂肪族モノカルボン酸及び炭素原子数3〜9の飽和脂肪族モノアルデヒドの量は、イソ吉草酸及びヘキサナールの添加量と比較して無視できる程、極少量である。
訓練されたパネル8名で、評価サンプルの「コク味の強さ」、「風味のバランス」及び「総合評価」について、官能評価を実施した。官能評価は、各評価サンプルを、対応するイソ吉草酸及びヘキサナールを添加していない基準サンプルと比較し、試験例1と同様に行った。
結果を表6に示す。
また本発明の水中油型乳化食品の製造方法によれば、コク味が向上した水中油型乳化食品を製造でき、特に風味のバランスが良く、コク味が向上した水中油型乳化食品を製造できる。
また本発明の水中油型乳化食品のコク味向上方法によれば、水中油型乳化食品のコク味を向上させることができ、特に水中油型乳化食品の風味のバランスが良くなり、コク味を向上させることができる。
Claims (7)
- (A)イソ吉草酸及び(B)ヘキサナールを、下記(1)又は(2)に記載の濃度で含有する、水中油型乳化食品。
(1)(A)の濃度が、0.3重量ppm以上2重量ppm未満であり、かつ(B)の濃度が、0.3重量ppm以上3重量ppm以下である。
(2)(A)の濃度が、2重量ppm以上7重量ppm以下であり、かつ(B)の濃度が、0.3重量ppm以上7重量ppm以下である。 - (C)ジアセチル及び(D)アリルイソチアシアネートからなる群より選択される少なくとも一つを更に含有する、請求項1記載の水中油型乳化食品。
- (C)の濃度が、0.05重量ppm以上1重量ppm以下である、請求項2記載の水中油型乳化食品。
- (D)の濃度が、1重量ppm以上200重量ppm以下である、請求項2又は3記載の水中油型乳化食品。
- 水中油型乳化食品が、酸性水中油型乳化食品である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の水中油型乳化食品。
- (A)イソ吉草酸及び(B)ヘキサナールを、下記(1)又は(2)に記載の濃度で含有するように添加することを含む、水中油型乳化食品の製造方法。
(1)(A)の濃度が、0.3重量ppm以上2重量ppm未満であり、かつ(B)の濃度が、0.3重量ppm以上3重量ppm以下である。
(2)(A)の濃度が、2重量ppm以上7重量ppm以下であり、かつ(B)の濃度が、0.3重量ppm以上7重量ppm以下である。 - 水中油型乳化食品に、(A)イソ吉草酸及び(B)ヘキサナールを、下記(1)又は(2)に記載の濃度で含有するように添加することを含む、水中油型乳化食品のコク味向上方法。
(1)(A)の濃度が、0.3重量ppm以上2重量ppm未満であり、かつ(B)の濃度が、0.3重量ppm以上3重量ppm以下である。
(2)(A)の濃度が、2重量ppm以上7重量ppm以下であり、かつ(B)の濃度が、0.3重量ppm以上7重量ppm以下である。
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