JP2005143308A - 辛味発現調節剤 - Google Patents
辛味発現調節剤 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2005143308A JP2005143308A JP2003381059A JP2003381059A JP2005143308A JP 2005143308 A JP2005143308 A JP 2005143308A JP 2003381059 A JP2003381059 A JP 2003381059A JP 2003381059 A JP2003381059 A JP 2003381059A JP 2005143308 A JP2005143308 A JP 2005143308A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- pungent
- food
- expression
- expression regulator
- taste
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Seasonings (AREA)
Abstract
【課題】
トウガラシを食した後の辛味発現をコントロールできる辛味発現調節剤を提供すること。
【解決手段】
スペアミント、ショウガ、クローブ、トウガラシ、ピーマン及びパプリカからなる群より選ばれる1種以上の植物体から分離された揮発性成分を含む辛味発現調節剤、及び/又は、l−カルボン、2−メトキシ−3−イソブチルピラジン、β−ヨノン、4−ビニルグアヤコール、β−シクロシトラール、β−カリオフィレン、シス−3−ヘキセノール、サフラナール、フェニル酢酸、オイゲノール及び酢酸からなる群より選ばれる1種以上の成分を含む辛味発現調節剤により、上記課題を解決する。
【選択図】 なし
トウガラシを食した後の辛味発現をコントロールできる辛味発現調節剤を提供すること。
【解決手段】
スペアミント、ショウガ、クローブ、トウガラシ、ピーマン及びパプリカからなる群より選ばれる1種以上の植物体から分離された揮発性成分を含む辛味発現調節剤、及び/又は、l−カルボン、2−メトキシ−3−イソブチルピラジン、β−ヨノン、4−ビニルグアヤコール、β−シクロシトラール、β−カリオフィレン、シス−3−ヘキセノール、サフラナール、フェニル酢酸、オイゲノール及び酢酸からなる群より選ばれる1種以上の成分を含む辛味発現調節剤により、上記課題を解決する。
【選択図】 なし
Description
本発明は、辛味の発現調節剤に関する。
食品の味には5つの基本味(甘味、塩味、うま味、酸味、苦味)以外に、辛味、渋み、こく味などの風味に関するものが知られており、食生活をいっそう豊かなものにしている。その中でも辛味は消化を促進する重要な要素である。
辛味を示す食品の中でトウガラシは用途が広く、日本人の食生活に浸透している。トウガラシの辛味物質であるカプサイシン類の辛味は、食した直後に発現するのではなく、食後しばらくしてから発現する性質を示す。しかしながら、食品によっては食後すぐに辛味が発現した方がおいしく感じられるものも多く、カプサイシンの辛味の発現を調節する素材の提供が求められてきた。また最近は辛味の強い食品の需要も多いが、単にトウガラシの量を多くすると不要な雑味も増えてくるので、辛味のみを強くする素材の提供も求められてきた。
しかし、従来、このような効果を持つ素材の報告はほとんどない。たとえば、特開平8−242805号公報(特許文献1)には、甘味料であるシュクラロースを加えてわさびやトウガラシの辛味を増強する方法が報告されており、特開昭62−100258号公報(特許文献2)には、C8〜C18の脂肪酸を加えることでワサビや辛子の辛味を増強し、持続させる方法が報告されているが、辛味の立ち上がりについてはいずれの文献にも何ら報告がなされていない。
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、トウガラシを食した後の辛味発現をコントロールできる辛味発現調節剤の提供を課題とする。
また、本発明はこの辛味発現調節剤を含む香料を提供することも課題とするものである。
更に、本発明は食後すぐにトウガラシの辛味が発現する食品、および不要な雑味がなく、辛味のみが強い食品を提供することも課題とするものである。
また、本発明はこの辛味発現調節剤を含む香料を提供することも課題とするものである。
更に、本発明は食後すぐにトウガラシの辛味が発現する食品、および不要な雑味がなく、辛味のみが強い食品を提供することも課題とするものである。
本発明者らは、カプサイシンによる辛味発現をコントロールできる剤について、研究を重ねた結果、l−カルボン、2−メトキシ−3−イソブチルピラジン、β−ヨノン、4−ビニルグアヤコール、β−シクロシトラール、β−カリオフィレン、シス−3−ヘキセノール、サフラナール、フェニル酢酸、オイゲノール及び酢酸からなる群より選ばれる1種以上の成分を含む辛味発現調節剤、及び/又は、スペアミント、ショウガ、クローブ、トウガラシ、ピーマン及びパプリカからなる群より選ばれる1種以上の植物体から分離された揮発性成分を含む辛味発現調節剤を見出し、本発明を完成させた。
即ち、本発明の一側面では、l−カルボン、2−メトキシ−3−イソブチルピラジン、β−ヨノン、4−ビニルグアヤコール、β−シクロシトラール、β−カリオフィレン、シス−3−ヘキセノール、サフラナール、フェニル酢酸、オイゲノール及び酢酸からなる群より選ばれる1種以上の成分を含む辛味発現調節剤が提供される。
また、本発明の別の側面では、スペアミント、ショウガ、クローブ、トウガラシ、ピーマン及びパプリカからなる群より選ばれる1種以上の植物体から分離された揮発性成分を含む辛味発現調節剤が提供される。ここで、前記植物体から揮発性成分を分離する方法が、水との共沸による蒸留、水蒸気蒸留、分子蒸留、液状二酸化炭素抽出又は超臨界流体抽出であることが好ましく、水との共沸による蒸留であることがより好ましい。
また、本発明の他の側面では、本発明にかかる上記辛味発現調節剤を含むことを特徴とする、食品香料組成物が提供される。また、当該食品香料組成物を含むことを特徴とする、辛味成分を含む飲食品が提供される。この場合、前記辛味成分がカプサイシンであることが好ましい。
また、本発明のその他の側面では、本発明にかかる上記辛味発現調節剤とカプサイシンを含むことを特徴とする、食品香料組成物が提供される。また、当該食品香料組成物を含むことを特徴とする飲食品が提供される。
また、本発明のその他の側面では、本発明に係る上記辛味発現調節剤を、辛味成分を含む飲食品に添加することにより辛味の発現及び/又は強度を調節する方法が提供される。
本発明によれば、トウガラシの辛味の発現及び/又は強度を調節することが可能となり、食後すぐにトウガラシの辛味が発現する食品、および不要な雑味がなく辛味のみが強い食品を提供することができる。
以下に本発明を詳しく説明する。
本発明の辛味発現調節剤の一の側面では、l−カルボン、2−メトキシ−3−イソブチルピラジン、β−ヨノン、4−ビニルグアヤコール、β−シクロシトラール、β−カリオフィレン、シス−3−ヘキセノール、サフラナール、フェニル酢酸、オイゲノール及び酢酸からなる群より選ばれる1種以上の成分を含む。これら化合物は市販のものを特に処理をすることなく使用することができる。
本発明の辛味発現調節剤の一の側面では、l−カルボン、2−メトキシ−3−イソブチルピラジン、β−ヨノン、4−ビニルグアヤコール、β−シクロシトラール、β−カリオフィレン、シス−3−ヘキセノール、サフラナール、フェニル酢酸、オイゲノール及び酢酸からなる群より選ばれる1種以上の成分を含む。これら化合物は市販のものを特に処理をすることなく使用することができる。
本発明の辛味発現調節剤の別の側面では、スペアミント、ショウガ、クローブ、トウガラシ、ピーマン及びパプリカからなる群より選ばれる1種以上の植物体から分離された揮発性成分を含む。
本明細書において、「辛味発現調節剤」とは、カプサイシンの辛味の発現を速くする、及び/又はカプサイシンの辛味を強く感じさせる組成物のことをいう。
本発明において、植物体としては、スペアミント、ショウガ、クローブ、トウガラシ、ピーマン、パプリカを用いる。これら植物体を任意に乾燥させ、適宜の大きさに裁断・破砕して、揮発性成分を分離する。
植物体からの揮発性成分の分離方法としては、特に制限されないが、たとえば、水との共沸による蒸留、水蒸気蒸留、分子蒸留、液状二酸化炭素抽出又は超臨界流体抽出といった方法で得ることができる。
水との共沸による蒸留によって揮発性成分を分離する場合には、まず、原料破砕物を水、低級アルコールおよび含水低級アルコール等を用いて常圧で蒸留する方法を挙げることができる。
本明細書において、「低級アルコール」とは、炭素数が1ないし4のアルコール、すなわち、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノールをいい、とくにエタノール等が好ましい。また、「含水低級アルコール」としては、たとえば、水含量が5重量%〜95重量%のものを使用可能である。
また、水蒸気蒸留、分子蒸留、液状二酸化炭素抽出又は超臨界流体抽出によって揮発性成分を分離する場合には、公知の方法、たとえば、「特許庁公報 周知・慣用技術集 (香料) 第I部 香料一般」に記載されている方法が適用できる。
本発明において、簡便に揮発性成分を得られる観点から、水との共沸による蒸留によって揮発性成分を得ることが望ましい。
本発明の辛味発現調節剤は、上記揮発性成分の他に、揮発性成分の効果を妨げない範囲で任意の液体又は固体の賦形剤や希釈剤を使用することができる。
液体の賦形剤又は希釈剤としては、例えば、水、エタノール等のアルコール類;グリセリン及びプロピレングリコール等の多価アルコール類;グリセリン、ポリグリセリン、ソルビタン、ポリオキシエチレン、プロピレングリコール及びショ糖等の脂肪酸エステル類;及びレシチン等の乳化剤、アセトン等の親水性有機溶媒等が挙げられる。
固体の賦形剤又は希釈剤としては、例えば、デンプン、コーンスターチ、乳糖等が挙げられる。
液体の賦形剤又は希釈剤としては、例えば、水、エタノール等のアルコール類;グリセリン及びプロピレングリコール等の多価アルコール類;グリセリン、ポリグリセリン、ソルビタン、ポリオキシエチレン、プロピレングリコール及びショ糖等の脂肪酸エステル類;及びレシチン等の乳化剤、アセトン等の親水性有機溶媒等が挙げられる。
固体の賦形剤又は希釈剤としては、例えば、デンプン、コーンスターチ、乳糖等が挙げられる。
本発明の辛味発現調節剤において、l−カルボン、2−メトキシ−3−イソブチルピラジン、β−ヨノン、4−ビニルグアヤコール、β−シクロシトラール、β−カリオフィレン、シス−3−ヘキセノール、サフラナール、フェニル酢酸、オイゲノール及び酢酸からなる群より選ばれる1種以上の成分と、スペアミント、ショウガ、クローブ、トウガラシ、ピーマン及びパプリカからなる群より選ばれる1種以上の植物体から分離された揮発性成分とを併用してもよい。
本発明では、食品香料組成物(フレーバー組成物)の第1態様として、上記本発明にかかる辛味発現調節剤を含む食品香料組成物が提供される。また、食品香料組成物の第2態様として、上記本発明にかかる辛味発現調節剤とカプサイシンとを含む食品香料組成物が提供される。
本発明の第1態様及び第2態様にかかる食品香料組成物は、本発明の香料の性質を損なわないものであれば、何れの食品香料をも特に限定せずに更に含めることができる。例えば、食品香料ハンドブック(日本香料工業会編、(株)食品化学新聞社;初版第1刷、平成2年(1990)2月15日発行)や合成香料(印藤元一著、化学工業日報社;初版第1刷、1996年3月6日発行)に記載されている香料で、フレーバーとして使用可能なものを挙げることができる。
本発明の第1態様にかかる食品香料組成物において、辛味発現調節剤と食品香料とを混合する方法は特に限定されない。たとえば、辛味発現調節剤を製造するに際して、その主原料及び副原料とともに、食品香料を、そのまま、液状又は固体状で添加してもよいし、あるいは、得られた辛味発現調節剤に食品香料を添加、混和させてもよい。
また、本発明の第2態様にかかる食品香料組成物においても、辛味発現調節剤とカプサイシンと食品香料とを混合する方法は特に限定されない。たとえば、辛味発現調節剤を製造するに際して、その主原料及び副原料とともに、カプサイシン及び食品香料を、そのまま、液状又は固体状で添加してもよいし、あるいは、得られた辛味発現調節剤にカプサイシン及び食品香料を添加、混和させてもよい。
また、本発明の第2態様にかかる食品香料組成物においても、辛味発現調節剤とカプサイシンと食品香料とを混合する方法は特に限定されない。たとえば、辛味発現調節剤を製造するに際して、その主原料及び副原料とともに、カプサイシン及び食品香料を、そのまま、液状又は固体状で添加してもよいし、あるいは、得られた辛味発現調節剤にカプサイシン及び食品香料を添加、混和させてもよい。
また、本発明では、飲食品の第1態様として、本発明の第1態様にかかる食品香料組成物を含む、辛味成分を含有する飲食品が提供される。
ここで、辛味成分とはトウガラシの辛味成分を指し、たとえば、カプサイシンを挙げることができる。
ここで、辛味成分とはトウガラシの辛味成分を指し、たとえば、カプサイシンを挙げることができる。
本発明の第1態様にかかる食品香料組成物は辛味発現調節剤を含有するため、これを辛味成分を含む第1態様にかかる飲食品に添加することにより、飲食品の辛味の発現を調節することができる。あるいは、本発明の第1態様にかかる食品香料組成物を辛味成分を含む飲食品に添加することにより、不要な雑味を増やすことなく、飲食品の辛味のみを調節することができる。
辛味成分を含有する第1態様にかかる飲食品としては、トウガラシの辛味成分を含む飲食品を特に制限なく挙げることができ、たとえば、カレー粉、七味などの調合スパイス類;カレールー、豆板醤、キムチの素、サルサソース、トマトソース、ピザソースなどのペースト状辛味料;ラー油、ドレッシング、スナック等の菓子類、即席麺を挙げることができる。
また、本発明では、飲食品の第2態様として、本発明の第2態様にかかる食品香料組成物を含む飲食品が提供される。
本発明の第2態様にかかる飲食品によれば、第2態様にかかる食品香料組成物自体が、当該食品香料組成物中のカプサイシンの辛味の発現を調節するため、それを飲食品に含ませることにより、本発明の第2態様にかかる食品香料組成物を含ませる前の飲食品中に辛味成分が存在しなくとも、本発明の第2態様にかかる飲食品の辛味の発現の調節が可能となる。あるいは、本発明の第2態様にかかる食品香料組成物自体が、不要な雑味を増やすことなく当該食品香料組成物中のカプサイシンの辛味のみを調節するため、それを飲食品に含ませることにより、本発明の第2態様にかかる食品香料組成物を含ませる前の飲食品中に辛味成分が存在しなくとも、不要な雑味を増やすことなく本発明の第2態様にかかる飲食品の辛味のみを調節することができる。
第2態様にかかる飲食品としては、本発明の第1態様にかかる飲食品として挙げられたトウガラシの辛味成分を含む飲食品のほか、調理済み食品、冷凍食品、チルド食品、缶詰食品、インスタント食品、スープ類、ソース類、スナック等の菓子類、即席麺、調味料、ふりかけ等の他食品一般を挙げることができる。
本発明の第1態様及び第2態様にかかる飲食品において、食品香料組成物と飲食品の配合比率は、食品香料組成物:飲食品が、重量比で、1:50〜1:100000であることが好ましく、1:200〜1:10000であることが更に好ましい。
本発明の第1態様及び第2態様にかかる飲食品において、食品香料組成物と食品香料とを混合する方法は特に限定されない。たとえば、飲食品を製造するに際して、その主原料及び副原料とともに、食品香料組成物を、そのまま添加してもよいし、あるいは、できあがった飲食品に食品香料組成物を添加、混和、溶解させてもよい。
以下に実施例および比較例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
韓国産トウガラシ100g、エタノール60g、イオン交換水840gを常圧で蒸留し、101gの留出液を得た。
トウガラシオレオレジン10ppm水溶液(カプサイシン0.15ppm配合)に上記留出液を0.03重量%添加したものを調製し、蒸留物無添加のものと、専門パネリスト9名により官能評価により比較したところ、全員が蒸留物を添加したものは無添加のものに比べて雑味がなく、辛味の強度が強く、また辛味の立ち上がりを早く感じられるとした。
トウガラシオレオレジン10ppm水溶液(カプサイシン0.15ppm配合)に上記留出液を0.03重量%添加したものを調製し、蒸留物無添加のものと、専門パネリスト9名により官能評価により比較したところ、全員が蒸留物を添加したものは無添加のものに比べて雑味がなく、辛味の強度が強く、また辛味の立ち上がりを早く感じられるとした。
インドネシア産クローブ100g、イオン交換水1000gを常圧で蒸留したのち分液し、オイル18gを得た。実施例1で用いたものと同様のトウガラシオレオレジン10ppm水溶液に得られた蒸留物10ppb添加したものを調製し、蒸留物無添加のものと、専門パネリスト9名により官能評価により比較したところ、8名が蒸留物を添加したものは無添加のものに比べて雑味がなく、辛味の強度が強く、また辛味の立ち上がりを早く感じられるとした。
インド産ショウガ100g、イオン交換水1000gを常圧で蒸留したのち分液し、オイル2gを得た。実施例1で用いたものと同様のトウガラシオレオレジン10ppm水溶液に得られた蒸留物10ppb添加したものを調製し、蒸留物無添加のものと、専門パネリスト9名により官能評価により比較したところ、8名が蒸留物を添加したものは無添加のものに比べて雑味がなく、辛味の強度が強く、また辛味の立ち上がりを早く感じられるとした。
アメリカ産スペアミント100g、イオン交換水1000gを常圧で蒸留したのち分液し、オイル0.3gを得た。実施例1で用いたものと同様のトウガラシオレオレジン10ppm水溶液に得られた蒸留物10ppb添加したものを調製し、蒸留物無添加のものと、専門パネリスト9名により官能評価により比較したところ、8名が蒸留物を添加したものは無添加のものに比べて雑味がなく、辛味の強度が強く、また辛味の立ち上がりを早く感じられるとした。
実施例1で用いたものと同様のトウガラシオレオレジン10ppm水溶液にサフラナールを10ppb添加したものを調製し、無添加のものと、専門パネリスト9名により官能評価により比較したところ、8名が蒸留物を添加したものは無添加のものに比べて、雑味がなく、辛味の強度が強く、また辛味の立ち上がりを早く感じられるとした。
同様に、l−カルボン、β−シクロシトラール、β−カリオフィレン、β−ヨノン、シス−3−ヘキセノール、オイゲノール、酢酸、2−メトキシ−3−イソブチルピラジン、4−ビニルグアヤコールおよびフェニル酢酸についても、専門パネラー9名により官能評価を行い、無添加の場合と比較した。評価結果を表1に示す。数値は9名中で効果があるとした人数である。
同様に、l−カルボン、β−シクロシトラール、β−カリオフィレン、β−ヨノン、シス−3−ヘキセノール、オイゲノール、酢酸、2−メトキシ−3−イソブチルピラジン、4−ビニルグアヤコールおよびフェニル酢酸についても、専門パネラー9名により官能評価を行い、無添加の場合と比較した。評価結果を表1に示す。数値は9名中で効果があるとした人数である。
t−アネトール、d−リモネン、リナロールについても、実施例5同様に専門パネラー9名により官能評価を行い、無添加の場合と比較した。評価結果を表2に示す。数値は9名中で効果があるとした人数である。
下記組成を有するカレーフレーバー組成物を調製した。
「カレーフレーバー組成物」
成分 重量部
カレーオレオレジン 7.2
カレーオイル 0.3
サフラナール 0.00008
実施例1で得られた蒸留物 2.0
グリセリン 4.0
エタノール 86.49992
100
[比較例2]
成分 重量部
カレーオレオレジン 7.2
カレーオイル 0.3
サフラナール 0.00008
実施例1で得られた蒸留物 2.0
グリセリン 4.0
エタノール 86.49992
100
[比較例2]
実施例6の処方から実施例1で得られた蒸留物とサフラナールを除いたカレーフレーバーを調合した。
<比較試験>
上記実施例6で得られたカレーフレーバー組成物と比較例2で得られたカレーフレーバー組成物について官能評価を行ったところ、実施例6のカレーフレーバーは辛味が強く、また辛さの立ち上がりの速いものであった。
上記実施例6で得られたカレーフレーバー組成物と比較例2で得られたカレーフレーバー組成物について官能評価を行ったところ、実施例6のカレーフレーバーは辛味が強く、また辛さの立ち上がりの速いものであった。
実施例6で調製したカレーフレーバー組成物を用いて、下記組成を有するカレールー組成物を調製した。
「カレールー組成物」
成分 重量部
牛脂 17.0
ラード 6.0
カレー粉 10.0
実施例6で調製したカレーフレーバー組成物 1.5
上白糖 20.0
精製塩 8.0
MSG 1.5
ビーフエキス 1.7
オニオンパウダー 1.0
ガーリックパウダー 0.3
酵母エキス 1.0
脱脂粉乳 2.0
小麦粉 30.0
100.0
成分 重量部
牛脂 17.0
ラード 6.0
カレー粉 10.0
実施例6で調製したカレーフレーバー組成物 1.5
上白糖 20.0
精製塩 8.0
MSG 1.5
ビーフエキス 1.7
オニオンパウダー 1.0
ガーリックパウダー 0.3
酵母エキス 1.0
脱脂粉乳 2.0
小麦粉 30.0
100.0
以上詳述したように、本発明の辛味発現調節剤によれば、例えばトウガラシの辛味の発現を調節することが可能となり、カレー、キムチの素、サルサソース等のトウガラシを含む食品の分野において、食後すぐにトウガラシの辛味が発現する食品、及び/又は不要な雑味がなく辛味のみが強い食品を提供することに有用な辛味発現調節剤として利用される。
Claims (10)
- l−カルボン、2−メトキシ−3−イソブチルピラジン、β−ヨノン、4−ビニルグアヤコール、β−シクロシトラール、β−カリオフィレン、シス−3−ヘキセノール、サフラナール、フェニル酢酸、オイゲノール及び酢酸からなる群より選ばれる1種以上の成分を含む辛味発現調節剤。
- スペアミント、ショウガ、クローブ、トウガラシ、ピーマン及びパプリカからなる群より選ばれる1種以上の植物体から分離された揮発性成分を含む辛味発現調節剤。
- 前記植物体から揮発性成分を分離する方法が、水との共沸による蒸留、水蒸気蒸留、分子蒸留、液状二酸化炭素抽出又は超臨界流体抽出であることを特徴とする、請求項2記載の辛味発現調節剤。
- 前記植物体から揮発性成分を分離する方法が、水との共沸による蒸留であることを特徴とする、請求項3記載の辛味発現調節剤。
- 請求項1〜4のいずれかに記載の辛味発現調節剤を含むことを特徴とする、食品香料組成物。
- 請求項1〜4のいずれかに記載の辛味発現調節剤とカプサイシンを含むことを特徴とする、食品香料組成物。
- 請求項5記載の食品香料組成物を含むことを特徴とする、辛味成分を含む飲食品。
- 前記辛味成分がカプサイシンであることを特徴とする、請求項7記載の飲食品。
- 請求項6記載の食品香料組成物を含むことを特徴とする飲食品。
- 請求項1〜4のいずれかに記載の辛味発現調節剤を、辛味成分を含む飲食品に添加することにより辛味の発現及び/又は強度を調節する方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003381059A JP2005143308A (ja) | 2003-11-11 | 2003-11-11 | 辛味発現調節剤 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003381059A JP2005143308A (ja) | 2003-11-11 | 2003-11-11 | 辛味発現調節剤 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2005143308A true JP2005143308A (ja) | 2005-06-09 |
Family
ID=34690554
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003381059A Pending JP2005143308A (ja) | 2003-11-11 | 2003-11-11 | 辛味発現調節剤 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2005143308A (ja) |
Cited By (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010094081A (ja) * | 2008-10-17 | 2010-04-30 | Kao Corp | 飲食品組成物 |
JP2010162009A (ja) * | 2009-01-13 | 2010-07-29 | Sato Shokuhin Kogyo Kk | 辛味調味料 |
CN102894335A (zh) * | 2012-11-07 | 2013-01-30 | 成都大帝汉克生物科技有限公司 | 一种具有豆瓣酱香的香精及其制备方法 |
WO2013021635A1 (ja) * | 2011-08-11 | 2013-02-14 | 株式会社ロッテ | 香辛料抽出物を配合した口腔用組成物 |
CN102965190A (zh) * | 2012-12-04 | 2013-03-13 | 师宗红盈食品有限公司 | 姜精油提取方法 |
JP2015130853A (ja) * | 2013-12-03 | 2015-07-23 | ジボダン エス エー | 飲料 |
CN104970329A (zh) * | 2015-06-30 | 2015-10-14 | 南阳汇萃植物制品有限公司 | 一种可调配风味油及其制备方法 |
JP2019050774A (ja) * | 2017-09-15 | 2019-04-04 | 味の素株式会社 | 味質向上剤 |
WO2022196825A1 (ja) * | 2021-03-19 | 2022-09-22 | 三栄源エフ・エフ・アイ株式会社 | 辛味増強剤 |
-
2003
- 2003-11-11 JP JP2003381059A patent/JP2005143308A/ja active Pending
Cited By (18)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010094081A (ja) * | 2008-10-17 | 2010-04-30 | Kao Corp | 飲食品組成物 |
JP2010162009A (ja) * | 2009-01-13 | 2010-07-29 | Sato Shokuhin Kogyo Kk | 辛味調味料 |
CN103874424B (zh) * | 2011-08-11 | 2016-05-04 | 罗蒂株式会社 | 掺合香辛料提取物的口腔用组合物 |
WO2013021635A1 (ja) * | 2011-08-11 | 2013-02-14 | 株式会社ロッテ | 香辛料抽出物を配合した口腔用組成物 |
JP2013034460A (ja) * | 2011-08-11 | 2013-02-21 | Lotte Co Ltd | 香辛料抽出物を配合した口腔用組成物 |
CN103874424A (zh) * | 2011-08-11 | 2014-06-18 | 罗蒂株式会社 | 掺合香辛料提取物的口腔用组合物 |
CN102894335A (zh) * | 2012-11-07 | 2013-01-30 | 成都大帝汉克生物科技有限公司 | 一种具有豆瓣酱香的香精及其制备方法 |
CN102894335B (zh) * | 2012-11-07 | 2013-09-04 | 成都大帝汉克生物科技有限公司 | 一种具有豆瓣酱香的香精及其制备方法 |
CN102965190A (zh) * | 2012-12-04 | 2013-03-13 | 师宗红盈食品有限公司 | 姜精油提取方法 |
JP2015130853A (ja) * | 2013-12-03 | 2015-07-23 | ジボダン エス エー | 飲料 |
CN104970329A (zh) * | 2015-06-30 | 2015-10-14 | 南阳汇萃植物制品有限公司 | 一种可调配风味油及其制备方法 |
JP2019050774A (ja) * | 2017-09-15 | 2019-04-04 | 味の素株式会社 | 味質向上剤 |
JP7056048B2 (ja) | 2017-09-15 | 2022-04-19 | 味の素株式会社 | 味質向上剤 |
JP2022082686A (ja) * | 2017-09-15 | 2022-06-02 | 味の素株式会社 | 味質向上剤 |
JP2022082685A (ja) * | 2017-09-15 | 2022-06-02 | 味の素株式会社 | 味質向上剤 |
JP7388469B2 (ja) | 2017-09-15 | 2023-11-29 | 味の素株式会社 | 味質向上剤 |
JP7388468B2 (ja) | 2017-09-15 | 2023-11-29 | 味の素株式会社 | 味質向上剤 |
WO2022196825A1 (ja) * | 2021-03-19 | 2022-09-22 | 三栄源エフ・エフ・アイ株式会社 | 辛味増強剤 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5954176B2 (ja) | 香気・風味付与組成物 | |
EP2529632A1 (de) | Zimtsäureamide als würzige Geschmacksstoffe | |
JP5872187B2 (ja) | 塩味増強剤 | |
JP5465479B2 (ja) | タマネギ抽出物およびその製造方法 | |
JP5236598B2 (ja) | 容器詰しょうゆ含有液体調味料 | |
JP2005143308A (ja) | 辛味発現調節剤 | |
JPWO2017065240A1 (ja) | マヨネーズ様調味料 | |
JP6985331B2 (ja) | ドデセン酸を有効成分とする飲食品の塩味増強剤 | |
JP6801209B2 (ja) | 香料組成物 | |
JP2011103774A (ja) | 甘味含有飲食品の甘味改善剤 | |
EP2918271A1 (de) | Aromatische Alkensäurederivate als Würzstoffe | |
WO2020027252A1 (ja) | 塩味増強剤 | |
JP2001078700A (ja) | 酸性調味料の香味のマイルド化法 | |
JP2001095525A (ja) | 酸性調味料 | |
JP2000069934A (ja) | ドレッシング | |
KR20160026665A (ko) | 풍미 조성물 및 정미(呈味) 증강 방법 | |
JP7179433B2 (ja) | ロタンドンを有効成分とする飲食品の塩味増強剤 | |
JPH02135069A (ja) | 香辛料エキスの製造方法 | |
JP4478065B2 (ja) | 食品の塩なれ方法 | |
JP6436570B2 (ja) | トマト調味料 | |
JP5867661B1 (ja) | 香料組成物 | |
JP6981308B2 (ja) | 水中油型乳化食品 | |
JP5841350B2 (ja) | 塩味の増強方法 | |
JP3652451B2 (ja) | 脱臭剤 | |
JP7554570B2 (ja) | 植物性蛋白質含有食品の風味改良剤、植物性蛋白質含有食品の風味改良方法、及び植物性蛋白質含有食品の製造方法 |