JP4368272B2 - 水中油型乳化香味調味料およびその製造方法 - Google Patents

水中油型乳化香味調味料およびその製造方法 Download PDF

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本発明は、香味油脂由来の風味を発現し易くした風味に優れた水中油型乳化香味調味料およびその製造方法に関する。詳しくは、一般的に水中油型乳化調味料は、コク味を付与する食用油脂を配合し、これを乳化した調味料である。本発明は、通常用いられている食用油脂に加え風味を付与する香味油脂を配合し、特定の乳化材である蛋白質系乳化材を用いた水中油型乳化香味調味料である。更に、本発明は、前記蛋白質系乳化材で乳化した食用油脂の乳化物と、これとは別に前記蛋白質系乳化材で乳化した香味油脂の乳化物とが含有された状態で存在させることにより香味油脂由来の風味を発現し易くした風味に優れた水中油型乳化香味調味料およびその製造方法に関する。特に、ゴマ風味に優れた水中油型乳化香味調味料に好適である。
従来より、生野菜、焼肉、しゃぶしゃぶ、豆腐等の食べ物は、ドレッシングやたれ等の調味料をかけたり、あるいは付けて喫食されている。これらの調味料は、従来、和風、中華、マヨネーズタイプ等、基本的配合物が中心であったが、近年、嗜好の多様化により例えば、ゴマ、生姜、ニンニク、ねぎ、玉葱、柑橘類等、種々の風味を特徴とした調味料が市販されている。これらの風味を特徴とした調味料の多くは、上記風味を付与する香味食材の粉砕物、例えば、香味食材を卸したもの、ペースト化したもの、あるいは刻んだもの等を配合している。例えば、特開平11−290036号公報(特許文献1)には、ゴマの風味に優れた調味料とするために製品に対し20〜45%、好ましくは30〜45%の練りゴマを配合したものが提案されている。
しかしながら、上記特許文献1で提案されているように香味食材の粉砕物のみで風味を付与するには、調味料に多量の粉砕物を配合させる必要があった。そのため、特許文献1のような種子の粉砕物を用いた場合は、得られる調味料の食感が粉っぽくなり、また、生姜、ニンニク、ねぎ、玉葱、柑橘類等、香味野菜や果実等の粉砕物を用いた場合は、食材の繊維質により得られる調味料の食感が繊維っぽくなり、いずれにせよ香味食材の粉砕物のみで風味を付与すると得られる調味料は、食感が好ましくないという問題があった。
一方、調味料に風味を付与する方法としては、風味に優れた香味油脂を配合する方法がある。例えば、特開平9−197号公報(特許文献2)には、ゴマ風味を付与するためゴマ油を配合した水中油型乳化調味料が提案されている。前記ゴマ油は、通常、香味食材であるゴマを圧搾した後油脂中の不溶性物質を濾過や遠心分離等で除去して製せられ、一般的な食用油脂と異なりその後の精製工程を経ていない圧搾油脂である。また、風味に優れた香味油脂としては、上記ゴマ油のような圧搾油脂以外に次に示す香味油脂が知られ種々の製造方法が提案されている。例えば、特開2001−112432号公報(特許文献3)には、焙煎ゴマを水蒸気蒸留して得られる留出物中の香気成分を食用油脂に含有させた水蒸気蒸留留出物含有油脂、特開平6−125707号公報(特許文献4)には、香味食材を超臨界状態の二酸化炭素に接触させて得られる香気成分を食用油脂に含有させた超臨界二酸化炭素抽出物含有油脂、特開2003−135000号公報(特許文献5)には、香味野菜ジュースに食用油脂を添加し抽出する食用油脂抽出油等の製造方法がそれぞれ提案されている。
しかしながら、上記香味食材の粉砕物を配合した調味料にこれらの香味油脂を添加した場合、当該粉砕物の配合量を少なくすることが可能であることから、香味食材の粉砕物のみで風味を付与した調味料に比べ食感が改善されるものの、水中油型乳化調味料においては、以下のような問題があった。
つまり、ドレッシングやたれ等の調味料は、調味料にコク味を付与するため、一般的にサラダ油等の食用油脂を配合している。このような食用油脂を配合した調味料は、食用油脂等の油性成分からなる油相と水や食酢等の水性成分からなる水相の状態より、油相が水相中に分散した水中油型乳化調味料と、油相が水相の上に積層した分離型調味料に分けられる。そして、香味油脂は、従来、上記特許文献2の実施例に開示されているように香味油脂以外の一般的な食用油脂と共に配合され、香味油脂が食用油脂と混合した混合油脂の状態で調味料に含有されている。
一方、分離型調味料は、軽く振って油相を水相に分散させた後、油相と水相とが分離する前に直ちにサラダ等の食べ物にかけて使用する。このように分離型調味料の場合は、油相を水相に分散させたとしても、分離し易いものであることから、喫食の際には、油相と水相とが既に分離した状態となる。そのため、喫食の際に、香味油脂を含有した上記混合油脂を直接味わうことができ、混合油脂を用いたとしても香味油脂の配合量に応じた香味油脂の風味を味わうことができる。
しかしながら、水中油型乳化調味料の場合は、乳化された油相の個々の油滴が乳化材で覆われた状態で当該乳化物中に存在し、喫食の際もその状態が維持されている。したがって、喫食の際、上記混合油脂を直接味わうことができないためか、香味油脂の配合量に応じた香味油脂の風味が発現し難く、香味油脂の風味に優れた水中油型乳化調味料を得るには、香味油脂を過剰に配合する必要があるという問題があった。
また、調味料で使用されているサラダ油等の一般的な食用油脂は、プラントで多量に製せられることから安価なものである。これに対し香味油脂は、風味に優れた油脂とするために上述した何らかの処理を施したり、あるいは歩留まり(収率)が悪い方法で製せられていることから、一般的な食用油脂に比べ高価なものである。そのため、香味油脂を過剰に配合しなければ香味油脂の風味に優れた調味料が得られないとすると、当該調味料が高価なものとなり市場性に欠けるという問題があった。
特開平11−290036号公報 特開平9−197号公報 特開2001−112432号公報 特開平6−125707号公報 特開2003−135000号公報
そこで、本発明の目的は、香味油脂および食用油脂を配合した水中油型乳化香味調味料であって、香味油脂の風味を発現し易くし香味油脂の風味に優れた水中油型乳化香味調味料およびその製造方法を提供するものである。
本発明者等は、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、特定の乳化材である蛋白質系乳化材を用い、前記蛋白質系乳化材で乳化した食用油脂の乳化物と、これとは別に前記蛋白質系乳化材で乳化した香味油脂の乳化物とが分散された状態で存在させるならば以外にも香味油脂の風味が発現し易く、香味油脂由来の風味に優れた水中油型乳化香味調味料となることを見出し本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
(1) 香味油脂、食用油脂(但し、前記香味油脂を除く)および蛋白質系乳化材を配合した水中油型乳化香味調味料であって、蛋白質系乳化材で香味油脂を乳化した乳化物と、蛋白質系乳化材で食用油脂を乳化した乳化物とが含有されてなり、前記蛋白質系乳化材で香味油脂を乳化した乳化物は、香味油脂100部に対して0.5〜20部の蛋白質系乳化材で乳化した乳化物である水中油型乳化香味調味料、
(2) 香味油脂が、香味食材の、圧搾油脂(但し、精製油脂を除く)、水蒸気蒸留留出物含有油脂、超臨界二酸化炭素抽出物含有油脂および食用油脂抽出油から選択される1種または2種以上の油脂である(1)の水中油型乳化香味調味料、
(3) 香味油脂が、香味食材の、水蒸気蒸留留出物含有油脂、超臨界二酸化炭素抽出物含有油脂および加熱食用油脂抽出油から選択される1種または2種以上の油脂である(1)の水中油型乳化香味調味料、
(4) 香味油脂に用いる香味食材が、ゴマ、ニンニク、生姜、ねぎ、玉葱、柑橘類の果皮から選択される1種または2種以上の食材である(2)または(3)の水中油型乳化香味調味料、
(5) 香味油脂に用いる香味食材が、焙煎ゴマである(2)または(3)の水中油型乳化香味調味料、
(6) 蛋白質系乳化材が、卵黄、ラクトアルブミン、カゼインカルシウムおよびカゼインナトリウムから選択される1種または2種以上の乳化材である(1)乃至(5)のいずれかの水中油型乳化香味調味料、
(7) 蛋白質系乳化材が、卵黄である(1)乃至(5)のいずれかの水中油型乳化香味調味料、
(8) 製品に対し香味油脂の配合量が0.1〜20%、食用油脂の配合量が5〜80%である(1)乃至(7)のいずれかの水中油型乳化香味調味料、
) 製品に対し香味食材の粉砕物の配合量が0.5〜18%である(1)乃至(8)のいずれかの水中油型乳化香味調味料、
10) (1)の水中油型乳化香味調味料の製造方法であって、蛋白質系乳化材で香味油脂を乳化した乳化物と、蛋白質系乳化材で食用油脂を乳化した乳化物とをそれぞれ製した後、前記両乳化物を混合する水中油型乳化香味調味料の製造方法、
11) (1)の水中油型乳化香味調味料の製造方法であって、蛋白質系乳化材で香味油脂を乳化して乳化物を製した後、該乳化物で食用油脂を乳化する水中油型乳化香味調味料の製造方法、
である。
本発明の香味油脂を配合した水中油型乳化香味調味料およびその製造方法は、コク味を付与する食用油脂を配合した水中油型乳化調味料であるにも拘らず、香味油脂と食用油脂との混合油脂を用いた従来の乳化調味料に比べ、香味油脂由来の風味が発現し易い特徴を有していることから、香味油脂由来の風味に優れた水中油型乳化香味調味料を提供できる。また、香味油脂は、サラダ油等一般的な食用油脂に比べ高価なものであるが、本発明は、香味油脂由来の風味が発現し易い特徴を有していることから、混合油脂を用いた従来の乳化調味料に比べ高価な香味油脂を過剰に配合する必要がなく、安価な市場性のある水中油型乳化香味調味料を提供できる。
以下本発明を詳細に説明する。なお、本発明において「%」は「質量%」を、「部」は「質量部」をそれぞれ意味する。
本発明の水中油型乳化香味調味料は、風味を付与するための香味油脂、および食用油脂(但し、前記香味油脂を除く)を配合し、乳化材として特定の乳化材である蛋白質系乳化材を用いたものである。更に、本発明の調味料は、前記蛋白質系乳化材で乳化した食用油脂の乳化物と、これとは別に前記蛋白質系乳化材で乳化した香味油脂の乳化物とが分散された状態で存在することを特徴とする。
ここで水中油型乳化香味調味料とは、香味油脂や食用油脂等の油性成分からなる油相が水相中に分散した状態で維持され、配合原料である香味油脂由来の風味を有した調味料のことである。例えば、ゴマ風味の香味油脂を配合したゴマ風味の乳化型のドレッシングやたれ、生姜風味の香味油脂を配合した生姜風味の乳化型のドレッシングやたれ等が挙げられる。また、本発明の水中油型乳化香味調味料は、何れのpHのものでも良いが、pHが4.6以下のほうが常温流通可能な製品とするための、レトルト処理等の過度の熱処理や水分活性を0.94以下とする必要がなく、本発明の風味に優れた乳化状態を維持し易いことから好ましい。
本発明において香味油脂とは、サラダ油等の一般的な食用油脂と異なり香味食材の香味成分を含有しフレーバー的に使用可能な風味に優れた油脂である。このような風味に優れた油脂を得るための香味食材としては、例えば、ゴマまたはその焙煎品、生姜、ニンニク、ねぎ、玉葱、しそ、ミツバ、ミョウガ、パセリ、ピーマン等の香味野菜、柚子、カボス、スダチ、レモン等の柑橘類またはその果皮等が挙げられる。これらの香味食材の中でも特に、風味に優れた香味油脂が得られ易いゴマまたはその焙煎品、生姜、ニンニク、ねぎ、玉葱、柑橘類の果皮が好ましく、更にベースノート的風味に優れた香味油脂が得られ易い焙煎ゴマがより好ましい。
また、香味油脂としては、上記香味食材の香味成分を含有しフレーバー的に使用可能な風味に優れた油脂であればいずれの方法に得られたものでもよいが、例えば、圧搾油脂、水蒸気蒸留留出物含有油脂、超臨界二酸化炭素抽出物含有油脂、食用油脂抽出油等が挙げられ、これらの1種または2種以上を選択し用いるとよい。これらの香味油脂の中でも、水蒸気蒸留留出物含有油脂、超臨界二酸化炭素抽出物含有油脂および加熱した食用油脂で抽出する加熱食用油脂抽出油は、特に風味に優れ好ましい。
ここで圧搾油脂とは、香味食材中の油分を圧搾により採取した風味に優れた油脂のことであり、一般的な食用油脂と異なり、その後の精製工程である脱ガム、脱酸、脱色および脱臭等の精製処理を施していない油脂である。代表的な製造方法としては、香味食材をそのまま、または必要に応じ粉砕処理、焙煎処理、酵素処理等の前処理を施したものを圧搾した後、油脂中の不溶性物質を濾過や遠心分離等で除去して圧搾油脂を製する方法等が挙げられる。代表的な圧搾油脂としては、例えば、ゴマ油、オリーブ油等が挙げられる。
また、水蒸気蒸留留出物含有油脂とは、香味食材を水蒸気蒸留して得られる留出物中香気成分を含有した風味に優れた油脂のことである。代表的な製造法としては、例えば、香味食材をそのまま、または必要に応じ粉砕処理、焙煎処理、酵素処理等の前処理を施したものに加熱水蒸気を吹き込みながら香気成分が得られ易い温度で水蒸気蒸留を行なう。水蒸気蒸留法は、加圧水蒸気蒸留、常圧水蒸気蒸留、減圧水蒸気蒸留のいずれの方法でもよい。次に水蒸気に伴われて留出してくる香気成分を冷却により水蒸気とともに凝縮させ液状の留出物を得る。当該留出物100部に食用油脂1〜50部程度を添加して留出物中の香気成分を抽出し、例えば、デカンテーション、遠心分離等の分離方法で油脂部を採取して水蒸気蒸留留出物含有油脂を製する方法等が挙げられる。
また、超臨界二酸化炭素抽出物含有油脂とは、香気食材を超臨界状態の二酸化炭素に接触させて得られる香気成分を含有した風味に優れた油脂のことである。代表的な製造方法としては、例えば、香味食材の粉砕物、または必要に応じ焙煎処理、酵素処理等の前処理を施したものを耐圧容器に充填し、例えば、20〜70℃の温度で50〜500kg/cmの圧力下で超臨界状態の二酸化炭素に接触させて香気成分を二酸化炭素中に溶解・移行される。得られた香気成分含有二酸化炭素を気化させた後、食用油脂に接触させて超臨界二酸化炭素抽出物含有油脂を製する方法等が挙げられる。
そして、食用油脂抽出油とは、香味食材から食用油脂を用いて香味食材中の香味成分を抽出した風味に優れた油脂のことであり、加熱食用油脂抽出油とは、抽出の際に80〜250℃、好ましくは100〜220℃の食用油脂で抽出した香味油脂である。代表的な製造方法としては、例えば、香味食材の粉砕物、または必要に応じ焙煎処理、酵素処理、加水等の前処理を施したものに食用油脂を香味食材10部に対し1〜100部添加し、攪拌しながら20〜250℃で香味成分を抽出し、例えば、デカンテーション、遠心分離等の分離方法で油脂部を採取して食用油脂抽出油を製する方法、あるいはゴマのような粒状の香味食材の場合は、そのまま用いて、上記抽出工程の際に食用油脂で粉砕しながら抽出する方法等が挙げられる。また、上記方法は、分離工程で油脂部を採取し抽出後の香味食材粉砕物を除いているが、本発明では、当該粉砕物を残した状態のものを使用してもよい。
上記水蒸気蒸留留出物含有油脂、超臨界二酸化炭素抽出物含有油脂若しくは食用油脂抽出油の製造の際に用いる食用油脂、および本発明の調味料で用いるの香味油脂以外の食用油脂としては、食品に供され一般的に香味油脂として利用されていない油脂であればいずれのものでもよい。このような食用油脂としては例えば、、菜種油、コーン油、綿実油、サフラワー油、紅花油、大豆油、パーム油、魚油等の動植物油又はこれらの精製油(サラダ油)、MCT(中鎖脂肪酸トリグリセリド)、ジグリセリド、硬化油、エステル交換油等のような化学的あるいは酵素的処理等を施して得られる油脂等が挙げられ、これらの1種または2種以上を選択し用いるとよい。
本発明において蛋白質系乳化材とは、蛋白質を主成分とした乳化能力を有した乳化材をいい、食品の乳化材として使用されるものであればいずれのものでもよい。このような蛋白質系乳化材としては、例えば、卵黄、卵白、全卵またはこれらの乾燥物、ラクトアルブミン、カゼインカルシウムまたはカゼインナトリウム等が挙げられ、本発明は、これらの蛋白質系乳化材の1種または2種以上を選択し使用する。特に、上記蛋白質系乳化材の内、乳化力に優れ本発明の香味調味料の風味が長期に渡り維持され易いことから、卵黄、ラクトアルブミン、カゼインカルシウムまたはカゼインナトリウムが好ましく、卵黄がより好ましい。なお、本発明の蛋白質系乳化材には、乳化能力を損なわない範囲で蛋白分解酵素で処理したものも含まれ、上記卵黄および全卵には、これらの構成成分であるリン脂質をリン脂質分解酵素であるホスフォリパーゼA、ホスフォリパーゼA、ホスフォリパーゼC若しくはホスフォリパーゼDで酵素処理したものも含まれる。
以上、本発明の水中油型乳化香味調味料に配合する香味油脂、食用油脂および蛋白質系乳化材について説明したが、これらの配合原料以外に本発明の効果を損なわない範囲で各種原料を適宜選択し含有させることが出来る。例えば、食酢、グルタミン酸ナトリウム、食塩、砂糖、醤油、味噌等の各種調味料、各種エキス、キサンタンガム、タマリンドシードガム、ジェランガム、アラビアガム、馬鈴薯澱粉、トウモロコシ澱粉、うるち米澱粉、小麦澱粉、タピオカ澱粉、ワキシコーンスターチ、もち米澱粉、湿熱処理澱粉、化工澱粉等の増粘材、卵黄、モノグリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、レシチン、リゾレシチン等の乳化材、アスコルビン酸又はその塩、ビタミンE等の酸化防止剤、色素、香味食材や各種野菜の卸し、ペースト状物、裁断物等の具材の粉砕物等が挙げられる。
本発明は、水中油型乳化香味調味料およびその製造方法に係る発明であるが、本発明は、水中油型乳化香味調味料の製造方法に特徴を有することから、説明上、当該製造方法を中心に詳述する。なお、以下の製造方法は、本発明の代表的な製造方法であり、これらに限定するものではない。
本発明の製造方法の1つとしては、蛋白質系乳化材で香味油脂を乳化した乳化物と、蛋白質系乳化材で食用油脂を乳化した乳化物をそれぞれ製した後、前記両乳化物を混合する製造方法が挙げられる。具体的には、まず、香味油脂、食用油脂(但し、前記香味油脂を除く)および蛋白質系乳化材、並びにその他の使用原料を準備する。香味油脂の配合量は、製品に対し好ましくは0.1〜20%、より好ましくは0.5〜20%である。香味油脂の配合量が前記範囲より少ないと香味油脂由来の風味に優れた調味料が得られ難く、一方、前記範囲より配合量を多くしたとしても配合量に応じた風味が得られ難く経済的でなく好ましくないからである。また、食用油脂の配合量は、製品に対し好ましくは5〜80%、より好ましくは5〜70%である。食用油脂の配合量が前記範囲より少ないと本発明の効果が発現し難く、一方、前記範囲より多いと安定な水中油型乳化物が得られ難く好ましくないからである。また、蛋白質系乳化材の配合量は、本発明の乳化調味料に配合する香味油脂および食用油脂の総量にも依るが、安定な乳化物を得るために前記総量100部に対して、好ましくは0.5〜20部、より好ましくは0.75〜20部である。
次に、香味油脂100部に対し好ましくは0.5〜20部、より好ましくは0.75〜20部の蛋白質系乳化材を一部の水相部に均一に分散させた後、常法に則りホモミキサー、ファインミキサー、高圧ホモミキサー等の乳化装置で香味油脂を前記蛋白質系乳化材を分散させた水相中に乳化させ香味油脂の乳化物を製する。またこれとは別に食用油脂100部に対し好ましくは0.5〜20部、より好ましくは0.75〜20部の蛋白質系乳化材を残りの水相部に均一に分散させた後、前記乳化装置等で食用油脂を前記蛋白質系乳化材を分散させた水相中に乳化させ食用油脂の乳化物を製する。次に、得られた両乳化物を均一に混合し本発明の水中油型乳化香味調味料を製する。
また、本発明の別の製造方法としては、蛋白質系乳化材で香味油脂を乳化して乳化物を製した後、当該乳化物で食用油脂を乳化する製造方法が挙げられる。
具体的には、上記製造方法と同様、まず、香味油脂、食用油脂(但し、前記香味油脂を除く)および蛋白質系乳化材、並びにその他の使用原料を準備する。香味油脂、食用油脂および蛋白質系乳化材の配合量は、上記製造方法で説明したとおりである。
次に、香味油脂100部に対し好ましくは0.5〜20部、より好ましくは0.75〜20部の蛋白質系乳化材を水相部に均一に分散させた後、常法に則りホモミキサー、ファインミキサー、高圧ホモミキサー等の乳化装置で香味油脂を前記蛋白質系乳化材を分散させた水相中に乳化させ香味油脂の乳化物を製する。次に、前記乳化装置等を用い前記香味油脂の乳化物を乳化材として食用油脂を乳化し本発明の水中油型乳化香味調味料を製する。
後述の試験例で示しているとおり、比較例として香味油脂の乳化物または食用油脂の乳化物のいずれか一方を蛋白質系乳化材以外の乳化材で乳化した後、両乳化物を混合した水中油型乳化香味調味料、あるいは蛋白質系乳化材以外の乳化材で香味油脂を乳化させた後、当該乳化物で食用油脂を乳化した水中油型乳化香味調味料は、従来の水中油型乳化香味調味料である香味油脂と食用油脂との混合油脂を乳化した乳化調味料と同程度の香味油脂由来の風味しか有しておらず風味に優れた水中油型乳化香味調味料とは言い難い。これに対し、上記方法により製した本発明の水中油型乳化香味調味料は、香味油脂を同量配合しているにも拘らず従来の水中油型乳化香味調味料に比べ、香味油脂由来の風味に優れ、香味油脂の風味が発現し易いものであった。これは、上記比較例の乳化調味料は、香味油脂の乳化物または食用油脂の乳化物のいずれか一方を蛋白質系乳化材以外の乳化材で乳化しているため、両乳化物を混合する際、あるいは食用油脂を乳化する際に合一現象を生じ、結果的に従来の乳化調味料である香味油脂と食用油脂との混合油脂を用いたものと同様な状態となっているものと推定される。これにに対し、本発明の乳化調味料は、従来の乳化調味料である香味油脂と食用油脂との混合油脂を用いたものに比べ香味油脂由来の風味に優れていることから、香味油脂の乳化物と食用油脂の乳化物とが含有された状態で安定的に存在し、その結果、香味油脂中の香味成分を濃い状態で味覚でき香味油脂の風味に優れたものが得られたと推定される。
なお、上記本発明の製造方法において、香味油脂および食用油脂を乳化する際に、本発明の効果を損なわない範囲で、香味油脂に食用油脂やビタミンE等の他の油分を加配してもよく、食用油脂に香味油脂や他の油分を加配してもよい。また、本発明の水中油型乳化香味調味料に香味食材の卸し、ペースト状物または裁断物等の香味食材の粉砕物を加配するとより風味に優れた乳化調味料が得られ好ましい。香味食材の粉砕物の配合量としては、製品に対して好ましくは0.5〜18%、より好ましくは1〜15%である。香味食材の粉砕物の配合量が前記範囲より少ないと、当該粉砕物による風味増強が期待し難く、一方、前記範囲より多いと食感が粉っぽくなったり繊維っぽくなり好ましくないからである。
以下、本発明の酸性水中油型乳化食品について、実施例、比較例および試験例に基づき具体的に説明する。
[実施例1:ゴマ風味の水蒸気蒸留留出物含有油脂を配合]
下記の配合原料を準備し、まず、香味油脂の乳化物を製した。つまり、香味油脂以外の蛋白質系乳化材である卵黄およびその他の水相原料をホモミキサーを用いて均一に分散させた後、当該分散液を攪拌させながら香味油脂を添加して乳化させ、水中油型の香味油脂の乳化物を製した。次に、食用油脂の乳化物を製した。つまり、食用油脂以外の蛋白質系乳化材である卵黄およびその他の水相原料をホモミキサーを用いて均一に分散させた後、当該分散液を攪拌させながら食用油脂であるサラダ油を添加して乳化させ、水中油型の食用油脂の乳化物を製した。そして、両乳化物および切りゴマを均一に混合して水中油型乳化香味調味料を製した。得られた水中油型乳化香味調味料は、喫食したところ、香味油脂由来のゴマ風味に優れたものであった。
<配合割合>
(1)香味油脂の乳化物の配合割合
香味油脂 2.0%
(水蒸気蒸留留出物含有油脂:香味食材として焙煎ゴマ使用)
卵黄(蛋白質系乳化材) 0.5%
食酢(酸度:4%) 1.5%
醤油 1.5%
砂糖 0.5%
食塩 0.5%
グルタミン酸ナトリウム 0.1%
かつおエキス 0.1%
清水 3.3%
――――――――――――――――――――――――
小計 10.0%
(2)食用油脂の乳化物の配合割合
サラダ油 20.0%
卵黄(蛋白質系乳化材) 1.0%
食酢(酸度:4%) 15.0%
醤油 13.5%
砂糖 2.5%
食塩 2.5%
グルタミン酸ナトリウム 0.5%
かつおエキス 0.5%
キサンタンガム 0.2%
辛子粉 0.1%
清水 24.2%
――――――――――――――――――――――――
小計 80.0%
(3)最終の配合割合
香味油脂の乳化物 10.0%
食用油脂の乳化物 80.0%
切りゴマ 10.0%
――――――――――――――――――――――――
合計 100.0%
[実施例2:ゴマ風味の水蒸気蒸留留出物含有油脂を配合]
下記の配合原料を準備し、まず、香味油脂の乳化物を製した。つまり、食用油脂であるサラダ油および香味油脂以外の蛋白質系乳化材である卵黄およびその他の水相原料をホモミキサーを用いて均一に分散させた後、当該分散分を攪拌させながら香味油脂を添加して乳化させ、水中油型の香味油脂の乳化物を製した。次に、前記香味油脂の乳化物を攪拌させながらサラダ油を添加して乳化させた後、切りゴマを均一に混合して水中油型乳化香味調味料を製した。得られた水中油型乳化香味調味料は、喫食したところ、香味油脂由来のゴマ風味に優れたものであった。
<配合割合>
サラダ油 20.0%
香味油脂 2.0%
(水蒸気蒸留留出物含有油脂:香味食材として焙煎ゴマ使用)
卵黄(蛋白質系乳化材) 1.5%
切りゴマ 10.0%
食酢(酸度:4%) 17.5%
醤油 15.0%
砂糖 3.0%
食塩 3.0%
グルタミン酸ナトリウム 0.5%
かつおエキス 0.5%
キサンタンガム 0.2%
辛子粉 0.1%
清水 26.7%
――――――――――――――――――――――――
合計 100.0%
[実施例3:圧搾油脂であるゴマ油を配合]
下記の配合原料および配合割合で製した以外は、実施例1の製造方法に準じて水中油型乳化香味調味料を製した。得られた水中油型乳化香味調味料は、喫食したところ、香味油脂由来のゴマ風味に優れたものであった。
<配合割合>
(1)香味油脂の乳化物の配合割合
香味油脂 10.0%
(圧搾油脂:香味食材として焙煎ゴマ使用したゴマ油)
ラクトアルブミン 0.4%
(蛋白質系乳化材)
カゼインカルシウム 0.4%
(蛋白質系乳化材)
カゼインナトリウム 0.2%
(蛋白質系乳化材)
食酢(酸度:4%) 1.5%
醤油 1.5%
砂糖 0.5%
食塩 0.5%
グルタミン酸ナトリウム 0.1%
かつおエキス 0.1%
清水 9.8%
――――――――――――――――――――――――
小計 25.0%
(2)食用油脂の乳化物の配合割合
サラダ油 20.0%
ラクトアルブミン 0.8%
(蛋白質系乳化材)
カゼインカルシウム 0.8%
(蛋白質系乳化材)
カゼインナトリウム 0.4%
(蛋白質系乳化材)
食酢(酸度:4%) 15.0%
醤油 13.5%
砂糖 2.5%
食塩 2.5%
グルタミン酸ナトリウム 0.5%
かつおエキス 0.5%
キサンタンガム 0.2%
辛子粉 0.1%
清水 8.2%
――――――――――――――――――――――――
小計 65.0%
(3)最終の配合割合
香味油脂の乳化物 25.0%
食用油脂の乳化物 65.0%
切りゴマ 10.0%
――――――――――――――――――――――――
合計 100.0%
[実施例4:レモン風味の超臨界二酸化炭素抽出物含有油脂を配合]
実施例2において、香味油脂として水蒸気蒸留留出物含有油脂(香味食材として焙煎ゴマ使用)の代わりに超臨界二酸化炭素抽出物含有油脂(香味食材としてレモン果皮の乾燥粉を使用)を使用し、また切りゴマ10%の代わりにレモンの裁断物2%を使用し、その減少分を清水を増加して補った。そして実施例2の製造方法に準じて水中油型乳化香味調味料を製した。得られた水中油型乳化香味調味料は、喫食したところ、香味油脂由来のレモン風味に優れたものであった。
[実施例5:ねぎ風味の超臨界二酸化炭素抽出物含有油脂を配合]
実施例1において、香味油脂として水蒸気蒸留留出物含有油脂(香味食材として焙煎ゴマ使用)の代わりに超臨界二酸化炭素抽出物含有油脂(香味食材として乾燥したねぎ粉末を使用)を使用し、また切りゴマ10%の代わりにねぎ裁断物5%を使用し、その減少分を食用油脂の乳化物で使用した清水を増加して補った。そして実施例1の製造方法に準じて水中油型乳化香味調味料を製した。得られた水中油型乳化香味調味料は、喫食したところ、香味油脂由来のねぎ風味に優れたものであった。
[実施例6:生姜風味の超臨界二酸化炭素抽出物含有油脂を配合]
実施例1において、香味油脂として水蒸気蒸留留出物含有油脂(香味食材として焙煎ゴマ使用)の代わりに超臨界二酸化炭素抽出物含有油脂(香味食材として乾燥した生姜粉末を使用)を使用し、また切りゴマ10%の代わりに生姜の卸し1%を使用し、その減少分を食用油脂の乳化物で使用した清水を増加して補った。そして実施例1の製造方法に準じて水中油型乳化香味調味料を製した。得られた水中油型乳化香味調味料は、喫食したところ、香味油脂由来の生姜風味に優れたものであった。
[実施例7:ニンニク風味の加熱食用油脂抽出油を配合]
実施例1において、香味油脂として水蒸気蒸留留出物含有油脂(香味食材として焙煎ゴマ使用)の代わりに加熱食用油脂抽出油(香味食材としてニンニクの裁断物を使用し、当該裁断物を約180℃のサラダ油で炒めて得られる油脂)を使用し、また切りゴマ10%の代わりに前記炒めた後のニンニク裁断物1%を使用し、その減少分を食用油脂の乳化物で使用した清水を増加して補った。そして実施例1の製造方法に準じて水中油型乳化香味調味料を製した。得られた水中油型乳化香味調味料は、喫食したところ、香味油脂由来のニンニク風味に優れたものであった。
[実施例8:玉葱風味の加熱食用油脂抽出油を配合]
実施例2において、香味油脂として水蒸気蒸留留出物含有油脂(香味食材として焙煎ゴマ使用)の代わりに加熱食用油脂抽出油(香味食材として玉葱の裁断物を使用し、当該裁断物を約180℃のサラダ油で炒めて得られる油脂)を使用し、また切りゴマの代わりに玉葱の卸しを使用した。そして実施例2の製造方法に準じて水中油型乳化香味調味料を製した。得られた水中油型乳化香味調味料は、喫食したところ、香味油脂由来の玉葱風味に優れたものであった。
以上、本発明の実施例を示したが、香味油脂として水蒸気蒸留留出物、超臨界二酸化炭素抽出物含有油脂および加熱食用油脂抽出物を使用した実施例1〜2、および実施例4〜8の水中油型乳化香味調味料は、特に香味油脂由来の風味に優れ好ましいものであった。
[比較例1:ゴマ風味の水蒸気蒸留留出物含有油脂を配合]
実施例2の配合割合で以下に示す従来行なわれている製造方法で水中油型乳化香味調味料を製した。つまり、食用油脂であるサラダ油および香味油脂以外の蛋白質系乳化材である卵黄およびその他の水相原料をホモミキサーを用いて均一に分散させた。次に、当該分散液を攪拌させながらサラダ油と香味油脂の混合油脂を添加して乳化させた後、切りゴマを均一に混合して水中油型乳化香味調味料を製した。得られた水中油型乳化香味調味料は、喫食したとこり、香味油脂由来のゴマ風味に優れているとは言い難いものであった。
[比較例2:ゴマ風味の水蒸気蒸留留出物含有油脂を配合]
実施例1の香味油脂の乳化物の配合割合において、蛋白質系乳化材である卵黄の代わりに酵素処理レシチンを使用した。そして実施例1の製造方法に準じて水中油型乳化香味調味料を製した。得られた水中油型乳化香味調味料は、喫食したとこり、香味油脂由来のゴマ風味に優れているとは言い難いものであった。
[比較例3:ゴマ風味の水蒸気蒸留留出物含有油脂を配合]
実施例1の食用油脂の乳化物の配合割合において、蛋白質系乳化材である卵黄の代わりに酵素処理レシチンを使用した。そして実施例1の製造方法に準じて水中油型乳化香味調味料を製した。得られた水中油型乳化香味調味料は、喫食したとこり、香味油脂由来のゴマ風味に優れているとは言い難いものであった。
[比較例4:ゴマ風味の水蒸気蒸留留出物含有油脂を配合]
実施例2の配合割合において、蛋白質系乳化材である卵黄の代わりに酵素処理レシチンを使用した。そして実施例2の製造方法に準じて水中油型乳化香味調味料を製した。得られた水中油型乳化香味調味料は、喫食したとこり、香味油脂由来のゴマ風味に優れているとは言い難いものであった。
[試験例]
実施例1〜2、および比較例2〜4で得られた水中油型乳化香味調味料において、従来行なわれている方法で製した比較例1の水中油型乳化香味調味料を対照として、香味油脂由来の風味の強さに付いて評価した。つまり、各調味料を喫食して、下記評価基準により評価した。
Figure 0004368272
表1より、香味油脂の乳化物および食用油脂の乳化物の両乳化物とも蛋白質系乳化材で乳化した後、両乳化物を混合した実施例1の水中油型乳化香味調味料、並びに蛋白質系乳化材で香味油脂を乳化させた後、当該乳化物で食用油脂を乳化した実施例2の水中油型乳化香味調味料は、いずれか一方の乳化物を蛋白質系乳化材以外の乳化材で乳化した比較例2または3の水中油型乳化香味調味料、並びに蛋白質系乳化材以外の乳化材で乳化した香味油脂の乳化物を用いて食用油脂を乳化した比較例4の水中油型乳化香味調味料に比べ、香味油脂由来の風味に優れ、当該風味を発現し易いことが理解される。
また、表1より、比較例のいずれの水中油型乳化香味調味料も従来の方法で製した比較例1の調味料と同程度の風味を有しており、一方、実施例の水中油型乳化香味調味料は比較例1より優れている。このような結果から、比較例の調味料は、香味油脂の乳化物および食用油脂の乳化物の両乳化物を混合する際、あるいは香味油脂の乳化物で食用油脂を乳化する際に合一現象を生じるのに対し、実施例の調味料は、そのような現象が起き難く、両乳化物が含有された状態で安定的に存在するものと推定される。
なお、ここでは示していないが、上記他の実施例についても試験を行なったとこと、実施例1および2と同様の結果が得られた。

Claims (11)

  1. 香味食材の粉砕物、前記香味食材の香味成分を含有した香味油脂、食用油脂(但し、前記香味油脂を除く)および蛋白質系乳化材を配合した水中油型乳化香味調味料であって、蛋白質系乳化材で香味油脂を乳化した乳化物と、蛋白質系乳化材で食用油脂を乳化した乳化物とが含有されてなり、前記蛋白質系乳化材で香味油脂を乳化した乳化物は、香味油脂100部に対して0.5〜20部の蛋白質系乳化材で乳化した乳化物であることを特徴とする水中油型乳化香味調味料。
  2. 香味油脂が、香味食材の、圧搾油脂(但し、精製油脂を除く)、水蒸気蒸留留出物含有油脂、超臨界二酸化炭素抽出物含有油脂および食用油脂抽出油から選択される1種または2種以上の油脂である請求項1記載の水中油型乳化香味調味料。
  3. 香味油脂が、香味食材の、水蒸気蒸留留出物含有油脂、超臨界二酸化炭素抽出物含有油脂および加熱食用油脂抽出油から選択される1種または2種以上の油脂である請求項1記載の水中油型乳化香味調味料。
  4. 香味油脂に用いる香味食材が、ゴマ、ニンニク、生姜、ねぎ、玉葱、柑橘類の果皮から選択される1種または2種以上の食材である請求項2または3記載の水中油型乳化香味調味料。
  5. 香味油脂に用いる香味食材が、焙煎ゴマである請求項2または3記載の水中油型乳化香味調味料。
  6. 蛋白質系乳化材が、卵黄、ラクトアルブミン、カゼインカルシウムおよびカゼインナトリウムから選択される1種または2種以上の乳化材である請求項1乃至5のいずれかに記載の水中油型乳化香味調味料。
  7. 蛋白質系乳化材が、卵黄である請求項1乃至5のいずれかに記載の水中油型乳化香味調味料。
  8. 製品に対し香味油脂の配合量が0.1〜20%、食用油脂の配合量が5〜80%である請求項1乃至7のいずれかに記載の水中油型乳化香味調味料。
  9. 製品に対し香味食材の粉砕物の配合量が0.5〜18%である請求項1乃至8のいずれかに記載の水中油型乳化香味調味料。
  10. 請求項1記載の水中油型乳化香味調味料の製造方法であって、蛋白質系乳化材で香味油脂を乳化した乳化物と、蛋白質系乳化材で食用油脂を乳化した乳化物とをそれぞれ製した後、前記両乳化物を混合することを特徴とする水中油型乳化香味調味料の製造方法。
  11. 請求項1記載の水中油型乳化香味調味料の製造方法であって、蛋白質系乳化材で香味油脂を乳化して乳化物を製した後、該乳化物で食用油脂を乳化することを特徴とする水中油型乳化香味調味料の製造方法。
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