JP2010051259A - 分離型液状調味料 - Google Patents

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Abstract

【課題】 本発明は、油相と水相の界面での白濁が生じにくい(振盪後でも油相と水相の界面が清澄になりやすい)分離型液状調味料を提供することを目的とするものである。
【解決手段】 本発明は、全窒素含有量が0.02w/w%以上である、油相と水相とからなる分離型液状調味料において、チアミンラウリル硫酸塩を、全窒素1重量部当たり0.00009重量部以上含有し、且つ分離型液体調味料全重量当たり0.1w/w%以下含有することを特徴とする分離型液状調味料を提供するものである。
【選択図】 なし

Description

本発明は分離型液状調味料に関し、詳しくは油相と水相とからなる分離型液状調味料において、油相と水相の界面(以下、単に界面ということもある。)での白濁が生じにくい、分離型液状調味料に関する。
油相と水相とからなる分離型液状調味料としては、例えばドレッシング、たれ、ソース、中華風調味料等があり、静置時に両相の界面が清澄であるものが商品価値が高い。
しかし、該液体調味料の原料とその使用量等によっては界面の清澄性が得られず、商品価値を著しく損うことがある。例えば、しょう油、果汁、ワインビネガー、米酢、ガム質、ごま加工品、味噌、梅肉などを使用した液体調味料は、振盪した後、静置しても2層にきれいに分離せず、界面が白濁することが多い。
そこで、従来から、分離型液状調味料について振とう後の界面の清澄性を得るために種々の方法が提案されている。例えば、柑橘オイルを添加する方法(特許文献1参照)、セロリシードを添加する方法(特許文献2参照)などがあり、これらは特定の原料との組合せにおいては効果をあげている。
しかし、これらの方法によると、界面の白濁を生じにくいレベルまで柑橘オイル等の素材を添加すると該素材特有の風味(味や香り)を感じるようになるため、調味料の種類によっては好ましくない場合があり、未だ改善の余地を多く残していた。
特公平6−57124号公報 特開平1−181765号公報
本発明は、上記従来技術の課題を解決し、「油相と水相の界面での白濁が生じにくい(振盪後でも油相と水相の界面が清澄になりやすい)」分離型液状調味料を提供することを目的とするものである。
さらに本発明は、油相と水相の界面での白濁が生じにくく(振盪後でも油相と水相の界面が清澄になりやすく)、しかも「調味料の風味に悪影響がなく」、「調味料の種類に制限されない」、分離型液状調味料を提供することを目的とするものである。
本発明者らは、上記課題を解消すべく鋭意検討を重ねた結果、通常は栄養強化目的や静菌目的で用いられる食品添加物のチアミンラウリル硫酸塩を、分離型液体調味料に添加することによって、振盪後(輸送による振動や手による振盪を受けた後)でも静置することで、油相と水相がきれいに分離し、界面が清澄になりやすい(界面での白濁が生じにくい)、分離型液体調味料が得られることを見出した。
さらに本発明者らは、分離型液状調味料全量に対する全窒素含有量が多い場合に、振盪後に界面に白濁が生じること、そして、全窒素含有量に対するチアミンラウリル硫酸塩含有量の割合が、白濁の生じにくさに顕著に影響すること、加えて、チアミンラウリル硫酸塩を入れ過ぎると、却って白濁の程度が大きくなることを見出し、チアミンラウリル硫酸塩の最適量を見出した。
即ち、本発明は以下のものである。
請求項1に記載の発明は、全窒素含有量が0.02w/w%以上である、油相と水相とからなる分離型液状調味料において、チアミンラウリル硫酸塩を、全窒素1重量部当たり0.00009重量部以上含有し、且つ、分離型液体調味料全重量当たり0.1w/w%以下含有することを特徴とする分離型液状調味料に関するものである。
請求項2に記載の発明は、前記油相と前記水相の界面での白濁が生じにくい、請求項1に記載の分離型液状調味料に関するものである。
本発明によれば、「油相と水相の界面での白濁が生じにくい(振盪後でも油相と水相の界面が清澄になりやすい)」分離型液状調味料を提供することが可能となる。
さらに本発明によれば、油相と水相の界面での白濁が生じにくく、しかも「調味料の風味に悪影響がなく」、かつ、「調味料の種類に制限されない」、分離型液状調味料、を提供することが可能となる。
本発明は、全窒素含有量が0.02w/w%以上である、油相と水相とからなる分離型液状調味料において、チアミンラウリル硫酸塩を、全窒素1重量部当たり0.00009重量部以上含有し、且つ、分離型液体調味料全重量当たり0.1w/w%以下含有することを特徴とする、界面での白濁が生じにくい分離型液状調味料、に関するものである。
本発明において分離型液状調味料とは、「油相」と「水相」とからなる調味料であり、静置時には油相と水相がほぼ分離しており、使用時に手で振盪するなどして混ぜ合わせて用いられるものである。
具体的にはドレッシング、たれ、ソース、中華風調味料等が挙げられる。
油相と水相を構成する成分としては、液状調味料の使用目的等に応じて、通常使用されている成分の中から選択して用いればよく、特に制限されることはない。
ただし、本発明は、「全窒素含有量が0.02w/w%以上である」分離型液状調味料を対象にするものである。
本発明において、分離型液状調味料の全窒素含有量を上記範囲に限定している理由は、全窒素含有量がこの範囲にある分離型液状調味料は、振盪後に界面での白濁が生じ易く、界面が清澄になりにくいものだからである。
なお、分離型液状調味料の全窒素含有量が前記範囲より少ない場合には、振盪後の界面での白濁がほとんど生じないものとなるため、チアミンラウリル硫酸塩を含有させる必要はない。
なお、ここでの『界面での白濁が生じにくい』とは、「振盪後でも静置することで油相と水相がきれいに分離し、両者の界面が清澄になりやすい性質」を指すものである。この性質は、振盪後でも界面での‘白濁がほとんど生じない性質’と‘生じた白濁もすぐに消える性質’とによって、奏されるものである。
具体的には、振盪静置後に、界面がすぐに清澄になるものから、一定時間(例えば1時間程度)の静置を要するものまでを指す。
また、ここでの「振盪」とは、輸送による振動、手による振盪、攪拌、懸濁、など、油相と水相の界面が乱れる程度の物理的な衝撃を与えることを指す。
本発明では、分離型液状調味料に、界面での白濁が生じにくい性質を付与するために、チアミンラウリル硫酸塩を含有させるものである。
なお、チアミンラウリル硫酸塩は、少量であれば「調味料の風味に悪影響を与えるものではない」ため、「調味料の種類に制限されず」に、含有させることが可能である。
本発明における『チアミンラウリル硫酸塩』とは、食品添加物公定書第7版に記載されたチアミンラウリル硫酸塩を指すものである。
本発明において含有させるチアミンラウリル硫酸塩は、特に無臭化処理の有無は問わないものであるが、特には、無臭化されたものを用いることが、調味料の味に悪影響を及ぼし難いことからより好適である。チアミンラウリル硫酸塩として具体的には例えば、田辺製薬株式会社製「ビダゲンAS5号」などが好適である。
また、チアミンラウリル硫酸塩を無臭化する方法としては特に限定されず、濾過や高分子による吸着などの従来周知の手法を採用すればよい。
本発明の分離型液状調味料を製造するにあたり、チアミンラウリル硫酸塩の添加方法は特に限定されない。例えば、一旦液体原料に溶解してから他の水相原料とブレンドする方法や、一旦粉末原料に混合した状態で他の水相原料とブレンドする方法、又は直接添加して他の水相原料とブレンドする方法などを採用することができる。
しかし、チアミンラウリル硫酸塩は、通常は水に難溶性であるため、例えば、お湯、アルコール、酢酸に溶解した状態で添加したり、また、砂糖など水溶性の粉末原料などと混合した状態で添加することが好ましい。具体的には、60〜80℃程度のお湯に溶解した状態で添加することが好ましい。
チアミンラウリル硫酸塩の含有量の下限値としては、目的とする分離型液体調味料の種類により原料の種類、配合量などが異なるので一概には定め難いが、分離型液体調味料中の全窒素含有量1重量部当たりチアミンラウリル硫酸塩を0.00009重量部以上含有することが必要である。
さらに好ましくは、全窒素含有量1重量部当たりチアミンラウリル硫酸塩を0.00019重量部以上含有することが好適である。また、界面での白濁が生じにくくなる効果を安定して得ることを考慮すると、最も好ましくは0.00049重量部以上、を含有することが特に好適である。
チアミンラウリル硫酸塩の含有量が少なすぎると、分離型液体調味料の界面での白濁が生じにくくならないため(振盪後の界面が清澄になりやすくならないため)、好適でない。
なお、ここで、「全窒素含有量」とは、無機性窒素と有機性窒素の総含有量を表したものである。食品である本発明においては、主にタンパク質やアミノ酸に含まれる窒素の含有量を表す。例えば、ケルダール法や燃焼法(改良デュマ法)やガスクロマトグラフィーによって測定することができる。
チアミンラウリル硫酸塩の含有量の上限値としては、分離型液状調味料当たり0.1w/w%以下の割合で含有することが必要である。好ましくは、0.05w/w%以下の割合で含有することが好適である。
チアミンラウリル硫酸塩の含有量が多すぎると、却って振盪後の界面での白濁の程度が大きくなる(白濁を生じにくくする効果が弱まる)傾向があり、好適でない。これは、チアミンラウリル硫酸塩の界面活性効果により油相と水相が混ざりやすくなることで、却って界面での白濁を生じさせてしまうためと推察される。
また、極端にチアミンラウリル硫酸塩の含有量が多すぎる場合(例えば、0.1w/w%より多い)、分離型液状調味料の種類によっては風味にも悪影響を及ぼす可能性があり、特に好ましくはない。
上記のように、本発明は、一般的に界面での白濁の程度を強める効果を有すると考えられる「界面活性剤」を用い、その種類と量を工夫することにより、逆に界面での白濁を生じにくくする(界面が清澄になりやすくする)、という思いも寄らない効果を見出して完成した発明である。
なお、他の種類である界面活性剤、具体的にはグリセリン脂肪酸エステルやショ糖脂肪酸エステル、を用いた場合は、(たとえ上記好適な範囲を含有させたとしても)本発明の効果を得ることはできない。
なお、チアミンラウリル硫酸塩は、一般に栄養強化の目的で食品に用いられることが多い。また、静菌の目的で所定量(例えば、0.02〜0.1w/w%)添加することもある。
しかしながら、本発明の分離型液状調味料に含有させるチアミンラウリル硫酸塩は、栄養強化や静菌効果を目的としたものではない。
分離型液体調味料は、一般的には水相当たりの「有機酸」(主に酢酸やクエン酸)濃度が高く、また「pH」が低いため静菌されていることが多い。また、加熱や濾過などによって殺菌や除菌をすることも多いため微生物汚染の心配は少なく、チアミンラウリル硫酸塩による静菌効果を必要としないものである。
つまり従来、分離型液状調味料にチアミンラウリル硫酸塩を用いる動機は存在しなかった。
従って現在までに、「チアミンラウリル硫酸塩を含有した分離型液状調味料」は、存在せず、当然に「調味料の風味に悪影響がなく、また調味料の種類に制限されず、界面での白濁が生じにくい分離型液状調味料」は、存在しなかった。
なお、静菌性(防腐効果)という観点からすれば、分離型液状調味料の有機酸濃度は高い方が好ましく、pHは低い方が好ましい。例えば、分離型液状調味料の水相重量当たり、有機酸を酢酸換算で0.5w/w%以上含有することが好ましい。また、分離型液状調味料の水相のpHが5.0以下であることが好ましく、4.5以下であることがさらに好ましい。
しかし、風味の観点からすると、例えば、水相重量当たり、有機酸を酢酸換算で10w/w%以下とすることが好ましく、また水相のpHは2.0以上であることが好ましい。
ここで、有機酸としては、酢酸、クエン酸、リンゴ酸、乳酸、グルコン酸などの有機酸類が該当する。また、有機酸の由来としては、醸造酢、穀物酢、米酢、果実酢、黒酢などの食酢や果汁類などの原料が挙げられる。
有機酸の濃度は、例えば、滴定や高速液体クロマトグラフィーによって測定することができる。
pHの調整は、上記の有機酸などによっても調整できるし、クエン酸ナトリウムなどのpH調整剤によっても調整することができる。pHは、例えば市販のpHメーターによって測定することができる。
また、殺菌や除菌の方法は、特に限定されるものではないが、例えば、低温殺菌、高温短時間殺菌、高温殺菌、超高温瞬間殺菌、マイクロ波加熱殺菌、赤外線加熱殺菌、紫外線殺菌、超音波殺菌、濾過除菌、電気的除菌などから適宜選択して用いることができる。
殺菌方法の具体例を挙げると、高温殺菌としては、高温殺菌装置(レトルト)を用いて110〜125℃で数秒〜数分間加熱する方法などがある。低温殺菌は、熱交換器などを用いて55〜95℃で数秒〜数分間加熱する方法などがある。高温短時間殺菌としては、短時間調理殺菌装置を用いて120〜125℃で数秒間加熱する方法などがある。
なお、殺菌や除菌の工程は、水相単独で殺菌しても良いし、油相と混合してから殺菌してもよい。また、容器に水相、油相を充填して密栓した後、容器ごと熱水あるいは水蒸気等で殺菌しても良い。もちろん、容器自体を単独で殺菌することも除外されない。
分離型液体調味料の原料については、目的に応じて、従来より用いられている種々の原料を使い分ければよい。
例えば、「油相原料」は、食用植物油脂や精製魚油等の液状食用油脂であればよく、必要に応じてパプリカオレオレジン、マスタードオイル等を適宜添加すれば良い。
「水相原料」についても、味噌、しょう油、果汁、みりん、食酢(例えばワインビネガー,米酢など)、塩、ガム質、等が用いられる。
また、水相または油相に、野菜、胡麻、香辛料、梅肉、などの固形状の具材等を含有させてもよい。
なお、特には、窒素含量の高い原料である、味噌、しょう油、果汁、食酢、ガム質、胡麻、梅肉などを用いた分離型液体調味料を、本発明の対象とすることが好適である。
また、本発明における分離型液状調味料としては、油相と水相の比率が特に制限されることはないが、特には水相を40〜97w/w%程度含むものを対象とするものである。
本発明に係る分離型液状調味料の製造は、その製造に際してチアミンラウリル硫酸塩を添加して含有させること以外は、従来より一般的に行なわれている方法を採用すればよい。
例えば、所定の容器に調味した水相を添加し、次いで調味した油相を添加するという方法で製造することができる。
ここで、チアミンラウリル硫酸塩を含有した分離型液体調味料の製造方法の一例を挙げる。まず、しょうゆ、砂糖、食酢、香辛料、ガム類、水等をブレンドする(これを調味酢と呼ぶ。)。チアミンラウリル硫酸塩を予めお湯(例えば60〜80℃)で希釈して前記調味酢にブレンドして「水相」を調製する(これをチアミンラウリル硫酸塩入り調味酢と呼ぶ。)。
これとは別に、菜種油、香味油(マスタードオイル等)などの原料をブレンドして「油相」を調製する(これを調味油と呼ぶ。)。
上記水相(チアミンラウリル硫酸塩入り調味酢)を必要に応じて殺菌(例えば70〜100℃で1〜30分間加熱)して、容器に必要量充填する(例えば、容器の5〜9割)。次いで、上記油相(調味油)を充填し、栓もしくは密封をする。
以下、本発明を実施例によって詳細に説明するが、これらは本発明を限定するものではない。
なお、ここで示した「%」は、全て分離型液体調味料当たりの割合「w/w%」を表す。
実施例1(チアミンラウリル硫酸塩の効果)
(1)分離型液状調味料の製造
表1の処方の原料を混合することにより水相原料及び油相原料を調製した。
なお、チアミンラウリル硫酸塩は、予めお湯(原料としての水の一部)に希釈したものを0.001〜1%程度の希釈倍率になるように数種類用意しておき、最終的なチアミンラウリル硫酸塩の使用割合に応じて適宜選択しながら調製した。
調製した水相原料を容器に入れ、続いて油相原料を加えて分離型液状調味料(調味料1〜4)を製造した(各調味料は300gずつ製造した。また、300mL用のプラスチック容器を用いた)。
(2)白濁の生じにくさの評価
製造した調味料1〜5について、手で上下に激しく10回振盪した。そして、1時間静置した後における界面の状態を肉眼で観察した。
評価は、「×:界面が不鮮明であり、白濁が認められる。△:界面に僅かに白濁が認められる。○:界面が清澄で白濁がない。」として結果を表1に示す。
なお、本実施例で製造した調味料の全窒素含有量としては、醤油の全窒素含有量(ケルダール法にて測定)から換算した値を用いた。ただし、調味料1については実際にケルダール法にて全窒素含有量を測定し、醤油量からの換算値にほとんど誤差がないことを確認した。
さらに、「全窒素含有量(TN)1重量部当たりの、チアミンラウリル硫酸塩(THI)の含有量の割合」(=THI/TN)を算出した。結果を表1に示す。
表1の結果(界面状態)より、全窒素含有量が0.51w/w%の分離型液状調味料においても、チアミンラウリル硫酸塩を含有することで(調味料2〜4)、振盪後の界面での白濁が生じず、界面が清澄になることが示された。
実施例2(チアミンラウリル硫酸塩と全窒素含有量の関係)
(1)分離型液状調味料の製造
処方を表2〜6のようにした以外は、実施例1と同様にして、分離型液状調味料(調味料5〜34)を製造した。
本実施例は、全窒素含有量の主要因である醤油、水、界面活性剤、食酢、砂糖、油のみの簡易的な処方の分離型液状調味料を製造して行った。
なお、本実施例においては、醤油量を79%(表2:全窒素含有量1.73%)、67%(表3:全窒素含有量1.36%)、50%(表4:全窒素含有量1.02%)、26%(表5:全窒素含有量0.53%)、6%(表6:全窒素含有量0.12%)の5段階に変化させ、そしてさらに、チアミンラウリル硫酸塩の濃度を0〜0.01%の間で6段階に変化させたものを、製造した。
(2)白濁の生じにくさの評価
製造した調味料5〜34について、実施例1と同様にして振盪静置し、界面の状態を肉眼で観察して評価した。また、実施例1と同様にして、全窒素含有量およびTHI/TNを算出した。結果を表2〜6に示す。
なお、調味料23,27については、振盪静置後の状態を図1,2に示す。
表2〜6の結果から、全窒素含有量が0.12%以上の液体分離型液状調味料は、振盪後に界面に白濁が生じることが示されたが、所定量のチアミンラウリル硫酸塩を添加することで白濁が生じにくくなることがわかった。
そこで、表2〜6の調味料の結果を、「全窒素含有量(TN)1重量部当たりの、チアミンラウリル硫酸塩(THI)の含有量の割合」(=THI/TN)を基準として並べなおした結果を表7に示す。
その結果、表7が示すように、白濁を抑えるためにはチアミンラウリル硫酸塩の絶対量ではなく、「全窒素含有量1重量部当たりの、チアミンラウリル硫酸塩の含有量の割合」(=THI/TN)が影響していることがわかった。
つまり、全窒素1重量部当たりチアミンラウリル硫酸塩を0.00009重量部含有することで白濁が生じにくくなる効果が出始めることが分かった。そして、0.00019重量部以上含有することで、白濁が生じにくくなる効果が調味料に十分に付与されることがわかった。
実施例3(チアミンラウリル硫酸塩の含有量の上限量の検討)
実施例2より、分離型液状調味料へのチアミンラウリル硫酸塩の含有量として、適切な下限値は定まった。そこで、本実施例では、チアミンラウリル硫酸塩の添加量を増やしていき、上限値について検討した。
(1)分離型液状調味料の製造
処方を表8〜10のようにした以外は実施例1と同様にして、分離型液状調味料(調味料35〜46)を製造した。
本実施例は、全窒素含有量の主要因である醤油、水、界面活性剤、食酢、砂糖、油のみの簡易的な処方の分離型液状調味料を製造して行った。
なお、本実施例においては、醤油量を67%(表8:全窒素含有量1.36%)、26%(表9:全窒素含有量0.53%)、6%(表10:全窒素含有量0.12%)の3段階に変化させ、そしてさらに、チアミンラウリル硫酸塩の濃度を0.03〜0.5%の間で4段階に変化させたものを、製造した。
(2)白濁の生じにくさの評価
製造した調味料35〜46について、実施例1と同様にして振盪静置し、界面の状態を肉眼で観察して評価した。また、評価に当たり、特筆すべきことがある場合は備考欄に記載した。また、実施例1と同様にして、全窒素含有量およびTHI/TNを算出した。結果を表2〜6に示す。結果を表8〜10に示す。
なお、調味料42については、振盪静置後の状態を図3に示す。
また、表8〜10の調味料の結果を、チアミンラウリル硫酸塩の含有量を基準として並べなおした結果を表11に示す。
表8〜10および11が示すように、分離型液状調味料に含有するチアミンラウリル硫酸塩を、0.1%含有させた場合に「若干の白濁」が認められた。そして、0.5%含有させた場合には、界面が不鮮明となって「かなりの白濁」が認められた。そして、白濁の量と比例するように泡立ちが認められた。
また、上限値に関しては、「全窒素含有量1重量部当たりの、チアミンラウリル硫酸塩の含有量の割合」(=THI/TN)の値と、白濁の発生状況との間に、関連が認められなかった。
このことから、上限値に関しては、チアミンラウリル硫酸塩の含有量の割合(=THI/TN)ではなく、チアミンラウリル硫酸塩の「絶対量」が影響していることがわかった。
この結果は、チアミンラウリル硫酸塩の含有量が増えると界面活性効果により泡立ちを生じてしまい、油相と水相が混ざりやすくなることで白濁を生じてしまうと推察される。
以上より、分離型液状調味料の全重量当たりチアミンラウリル硫酸塩を0.1w/w%以下で含有しないと、却って「界面での白濁が生じにくくなる」効果を発揮しにくいことがわかった。
比較例1(他の界面活性剤による界面白濁の検証)
次に、チアミンラウリル硫酸塩以外の界面活性剤について、分離型液状調味料の「界面での白濁を生じにくくする」効果を調べた。
(1)分離型液状調味料の製造
処方を表12、表13のようにした以外は実施例1と同様にして、分離型液状調味料(調味料47〜58)を作製した。
本実施例は、全窒素含有量の主要因である醤油、水、界面活性剤、食酢、砂糖、油のみの簡易的な処方の分離型液状調味料を製造して行った。
界面活性剤としては、食品への添加において安全性の高い素材として知られる「グリセリン脂肪酸エステル」(表12)と「ショ糖脂肪酸エステル」(表13)を選定した。
(2)白濁の生じにくさの評価
製造した調味料47〜58について、実施例1と同様にして界面の状態を肉眼で観察した。また、評価に当たり、特筆すべきことがある場合は備考欄に記載した。また、実施例1と同様にして、全窒素含有量を算出した。なお、上記実施例1〜4における「THI/TN」に相当する値として、「全窒素含有量(TN)1重量部当たりの、界面活性剤(SA)の含有量の割合」(=SA/TN)を算出した。結果を表12、表13に示す。
表12、表13の結果より、界面活性剤のグリセリン脂肪酸エステル又はショ糖脂肪酸エステルを用いても、界面の白濁を抑えることはできなかった。
なお、グリセリン脂肪酸エステル又はショ糖脂肪酸エステルを0.5%より多く含有させる実験は行っていないが、これ以上含有したとしても泡立ちが激しくなるため「界面での白濁を生じにくくする」効果は発揮されないと予想された。
以上の実施例および比較例より、チアミンラウリル硫酸塩による白濁を生じにくくする効果(界面清澄の効果)は、界面活性剤特有の効果ではなく、チアミンラウリル硫酸塩特有の効果であることがわかった。
本発明によれば、分離型液状調味料の風味等に悪影響を与えず、また、調味料の種類に制限されずに、界面での白濁を生じにくくした(振盪後でも界面が清澄になりやすい)分離型液状調味料を提供することが可能となる。
従って本発明によれば、界面の清澄性が優れた商品価値の高い、様々な種類の分離型液状調味料を提供することが可能となる。
振盪後1時間静置した調味料23(全窒素含有量:0.53%、チアミンラウリル硫酸塩含量:0%、THI/TN:0重量部)の状態を示す写真像図である。 振盪後1時間静置した調味料27(全窒素含有量:0.53%、チアミンラウリル硫酸塩含量:0.001%、THI/TN:0.00189重量部)の状態を示す写真像図である。 振盪後1時間静置した調味料42(全窒素含有量:0.53%、チアミンラウリル硫酸塩含量:0.5%、THI/TN:0.9434重量部)の状態を示す写真像図である。

Claims (2)

  1. 全窒素含有量が0.02w/w%以上である、油相と水相とからなる分離型液状調味料において、チアミンラウリル硫酸塩を、全窒素1重量部当たり0.00009重量部以上含有し、且つ、分離型液体調味料全重量当たり0.1w/w%以下含有することを特徴とする分離型液状調味料。
  2. 前記油相と前記水相の界面での白濁が生じにくい、請求項1に記載の分離型液状調味料。
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