JP2005168477A - 緑茶微粉末組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】 天然のビタミンE(d−トコフェロール)を配合した抹茶を点てたとき、泡立ちが非常に悪いという問題がある。このビタミンEに起因する泡立ちの問題を解決し、ビタミンE等、緑茶に含まれる栄養素類、さらには乳酸菌やオリゴ糖を配合した、泡立ちが良好で、かつ生活習慣病の予防等、健康づくりに大きく寄与しうる、高機能性の緑茶微粉末組成物を提供することにある。
【解決手段】 緑茶微粉末(A)、天然のビタミンEを水溶性界面活性剤および水溶性乃至水に易分散性の食品添加物に含浸させて粉末に加工処理した、水に易分散性のビタミンE粉末(B)、ビタミンCおよび天然のビタミンE(該B成分)を含む、緑茶に含まれる少なくとも2種以上の栄養素粉末(C)、および水溶性界面活性剤粉末(D)の配合物からなる緑茶微粉末組成物。さらに、該緑茶微粉末組成物と増粘剤、有胞子性乳酸菌、オリゴ糖等との配合物からなる緑茶微粉末組成物。

Description

発明の詳細な説明
本発明は緑茶微粉末組成物に関するものである。
緑茶は周知のように、古くから薬用や嗜好品として用いられてきた。近代科学の発展によって、緑茶にはカテキン類、カフェイン;ビタミンC、ビタミンE、β−カロテン、葉酸などのビタミン類;カリウム、カルシウム、マグネシウム、鉄、亜鉛、銅などのミネラル類、食物繊維、このほかテアニン、グルタミン酸などのアミノ酸類、クロロフィル、サポニン、香気成分など数多くの水に可溶性、不溶性の成分が含まれていることが明らかにされてきた。同時に、それらの成分の生理機能も解明されてきた。
その結果、最近の健康ブーム、特に生活習慣病の予防の観点から、緑茶の健康への大いなる寄与が再認識され注目されている。すなわち、緑茶にはカテキン類やビタミン類を中心として、抗がん作用、抗酸化作用、動脈硬化抑制作用、血圧上昇抑制作用、血糖値上昇抑制作用、脳卒中予防作用、心臓病予防作用、抗糖尿病作用、肝機能保護作用、抗肥満作用、抗菌作用、抗う蝕(虫歯)、抗歯周病作用、抗アレルギー作用、抗ウイルス作用、ダイオキシン排泄作用、美肌効果、消臭効果など、多様な作用効果のあることが実証されている。(たとえば、村松敬一郎ほか編:「茶の機能−生体機能の新たな可能性−」、学会出版センター(2002)および村松敬一郎編:「茶の科学」、朝倉書店(2000)など)
このように生活習慣病の予防あるいは健康を維持、増進するためには、上記のような各種の栄養素等をバランスよく摂取することが必要である。
このため、日常不足するビタミン類やミネラル類を補給するために、従来これらの栄養素のみを、1日の摂取基準をはるかに超える量で人工的に配合し、錠剤やカプセルに加工した多種多様な栄養補助食品が販売されている。これらの中には緑茶から抽出したカテキンを添加したものも見うけられる。
前記のように、緑茶には数多くの水に可溶性(カテキン、ビタミンCなど)および不溶性(β−カロテン、ビタミンEなど)の有効成分がバランスよく含まれている。特に注目すべきは、緑茶には4種類の抗酸化性栄養素といわれているβ−カロテン、ビタミンC、ビタミンEおよび葉酸が豊富に含まれていることでる。さらにこれらに加えて、緑茶には他の植物と比較して、特異的に強力な抗酸化物質であるカテキン類が多く含まれていることである。
この緑茶の飲用法として、一般に茶葉を熱湯で浸出した、主として水溶性成分のみを飲む場合が多い。現在、この緑茶浸出液にビタミンCや難消化性デキストリンを添加したものなどが、数多くの飲料メーカーから市販されている。しかし、これらには有効なβ−カロテンやビタミンEなどの脂溶性成分が含まれていないことは誠に勿体ないことである。
一方、抹茶等の緑茶粉末の配合物に関しては、次のようなものが提案され、あるいは販売されている。
例えば、粉末茶を含有する飲料の褐変を防止するために、ビタミンCを該飲料に添加する方法(特開2001−61412)、粉末状緑茶、麦芽糖およびトレハロースからなる成形体(特開2002−10737)、抹茶等の天然の抗酸化性物質30〜70%と抗酸化性ビタミン30〜70%の配合物(特許公報第2903318号)、茶葉微粉末及び抹茶にオリゴ糖、食物繊維を混合したもの(特開平11−276073)、植物茶葉微粉末、抹茶及び茶エキス、又は、アミノ酸、ビタミン類、オリゴ糖を混合した洗顔料や石鹸(特開平11−139959)などがある。
また、抹茶配合物として、多量のグラニュー糖に10%程度の少量の抹茶を配合したものや大量のグラニュー糖と脱脂粉乳に少量の抹茶加えたものなどが販売されている。これらはいずれも抹茶風味のある砂糖水の飲料であって、決して抹茶を主成分とする飲料ではない。また、これらの糖類の過剰摂取は健康面からは好ましくはない。健康や栄養面からは緑茶そのもの、または緑茶の含有量の高い食品を「まるごと食べる」ことによって効果が発揮されるのであって、その必要性を十分に認識しなければならない。
ここで、緑茶(抹茶、煎茶)そのものと、煎茶浸出液および緑茶と同じように飲用されているコーヒーの成分を比較した結果を表1に示す。この表から、相対的にコーヒーよりも煎茶浸出液の方が成分の多いこと、さらに緑茶そのものが格段に栄養バランスに優れていることは明らかである。したがって、緑茶そのものを、まるごと摂取することが望ましい。
Figure 2005168477
上記のような、生活習慣病の主な原因が、体内で生成された過酸化物に基づく「活性酸素」(パーオキシラジカル、ヒドロキシラジカルなど)に起因することが明らかにされている。これに対して、4種類の抗酸化性ビタミンであるβ−カロテン、ビタミンC、ビタミンEおよび葉酸と、これに加えてカテキン類は、生活習慣病の要因となる過酸化物の生成の抑制、あるいは発生した活性酸素の消滅に効果が大きいと言われている。また、これらのビタミン類やミネラル類、カテキン類などを適切に組み合わせることにより、それらの相互作用によって効果が高まることが数多く実証されている。例えば、水溶性のビタミンCと脂溶性のビタミンEが共存すると、体内で脂質の過酸化を抑える相補的抗酸化作用のあること。ビタミンCやビタミンEとカテキンが共存すると抗酸化に対して相乗作用を示すこと。ビタミンCはカルシウムやマグネシウムが共存するときに、最も効率よく作用すること。カルシウムとマグネシウムの相互作用で心筋梗塞が予防されることなどが解明されている。
このように、栄養素やその他の有効成分が相互に作用しあうことによって健康効果が発現される。その観点から、緑茶は栄養バランスに優れた理想的な機能性食品である。
ところで、緑茶には上記のように数多くの栄養素が含まれているが、1日に飲用する量には限度がある。抹茶に代表される緑茶粉末の飲用法として、一般に茶碗に入れた抹茶に熱湯を注ぎ、茶筅でかきまぜて水中に分散させた懸濁液が飲まれている。その一杯分の抹茶の量は、通常1〜2g程度である。健康のためには1日に2〜3杯飲むことが推奨されるが、この場合の抹茶の量は3〜6g程度である。
ここで、1日あたりのビタミンおよびミネラルの摂取基準を表2に示す。
Figure 2005168477
表2からわかるように、上記の抹茶の1日の飲用量からみれば、ビタミンE、ビタミンC、葉酸などのビタミン類、その他ミネラルなど、抹茶に含まれる栄養素の分量だけでは不十分なものが多い。この不足分の栄養素は勿論、他の食品から摂取することもできる。しかしながら、緑茶に含まれる抗酸化物質であるカテキンやうま味成分であるテアニン、グルタミン酸などのアミノ酸類、香気成分であるアルコール類、エステル類、アルデヒド類、その他の有効成分や風味を保持させながら、緑茶が本来含有している自然指向型の栄養素類を人体に適合するように調整して強化したものが望まれる。
特に、最近では上記のような単なる健康補助食品や栄養補助食品ではなく、よりいっそう自然の理にかなった新時代の新規な食品として、自然指向型の栄養バランスに富む保健機能食品(栄養機能食品)に対してのニーズが高まっている。
上記のように、毎日飲用する緑茶の量には限度がある。したがって、その飲用量に対して不足する栄養素を添加して強化し、かつ自然の恵みである緑茶の特性を生かしたものを飲用に供することは健康にとって大きな意義がある。
このことに着眼して、本発明者らは、緑茶に含まれる栄養素類を添加配合して強化した緑茶粉末組成物に関する特許を出願した。(特願2003−92729)これは、特に茶に携わる業界にとっては、極めて画期的な発想である。
ここで問題となったのは、栄養素類を強化した抹茶に湯を注いで茶筅でかき混ぜたところ、泡立ちが非常に悪く、また泡の保持性も悪いという問題が生じた。この抹茶の泡立ちは、茶に0.1%程度含まれているサポニンの乳化作用によるものとされている。
抹茶は一般に、味、香り、色、泡立ちなどによって評価されるが、抹茶を点てた場合、キメの細かい鮮やかな若草色の泡が好まれている。この泡立ちは、抹茶の審美的要素の一つであり、特性でもある。このように、抹茶の一つの良否は、その泡立ちによっても高く評価される。
したがって、泡立ちの悪い抹茶では茶の愛好家、特に茶道(茶道裏千家など)に携わる人に対しては、イメージが極めて悪く、その商品価値が著しく低下する。
発明が解決しようとする課題
上記の泡立ちの悪い原因について調べた結果、抹茶の栄養素の1成分として添加した脂溶性である天然のビタミンE(d−トコフェロール)の影響であることが判った。このビタミンEは特定のシリコーンオイル系や鉱油系、エチレンオキサイド−プロピレンオキサイド系共重合体、高級アルコール類などの消泡剤のような消泡作用を示した。さらに、ビタミンEとアスコルビン酸(ビタミンC)やクエン酸、酒石酸などの酸類が共存すると、著しい消泡作用を示した。なお、ビタミンEは熱や酸には安定とされている。また、アスコルビン酸やクエン酸など有機酸である酸性物質のみを添加した場合の、抹茶の泡立ち性について調べたが、これらの影響は認められなかった。
このような現象に関しては、ほとんど未解明で今後の研究に委ねられるが、これらの詳細に関しては、以下の参考例で説明する。
本発明は、上記のビタミンEに起因する泡立ちの問題を解決し、ビタミンEをはじめ、緑茶に含まれる栄養素を強化した、泡立ち性の良好な緑茶微粉末組成物を提供することにある。さらに、これに加えて、乳酸菌やオリゴ糖などの糖類を配合することによって、生活習慣病の予防等、健康づくりに大きく寄与しうる、高機能性の緑茶微粉末組成物を提供することにある。
一般に、水に不溶性の油状物質や固体の微粒子を水中に安定に分散させるためには、水溶性界面活性剤と総称されている乳化剤や懸濁剤が使用されている。この水溶性界面活性剤の特に優れたものとして、例えば、オレイン酸ナトリウムなどの高級脂肪酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ポリビニールアルコールなどがある。しかし、これらは食品衛生法によって食品には添加できない。このため、限られた食品添加物の中から、ビタミンEの消泡作用を打ち消す性能のある、界面活性と起泡性を示す、効果的な水溶性界面活性剤を探索する必要が生じた。
課題を解決するための手段
本発明者らは天然のビタミンEの存在下に、指定された食品添加物の中から、水溶液が界面活性と起泡性を示す添加物、すなわち、一般には、水溶性界面活性剤と称される添加物を見出すべく鋭意検討した。この結果、数種類の添加物が有効であること見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、緑茶微粉末(A)、天然のビタミンEを水溶性界面活性剤および水溶性乃至水に易分散性の食品添加物に含浸させて粉末に加工処理した、水に易分散性のビタミンE粉末(B)、ビタミンCおよび天然のビタミンE(本項記載の該(B)成分)を含む、緑茶に含まれる少なくとも2種以上の栄養素粉末(C)、および水溶液性界面活性剤粉末(D)の配合物からなる緑茶微粉末組成物に関するものである。また、この組成物に増粘剤粉末が配合された緑茶微粉末組成物に関するものである。
さらに、これに加えて、有胞子性乳酸菌などの乳酸菌やオリゴ糖などの糖類の粉末が配合されたものからなる、緑茶微粉末組成物に関するものである。
これによって、栄養素を強化した抹茶等を点てた場合、泡立ち性および泡の安定性に優れ、さらに乳酸菌やオリゴ糖を加えることによって、生活習慣病の予防は勿論のこと、健康効果にいっそう優れた、高機能性の緑茶微粉末組成物を提供することができる。すなわち、保健機能食品(栄養機能食品)として提供できる。
先ず、本発明の緑茶微粉末組成物の詳細について説明する。
本発明の主要課題である効果的な水溶性界面活性剤粉末(D)として、次のようなものが挙げられる。
すなわち、ショ糖脂肪酸エステル、メチルセルロース、チアミンラウリル硫酸塩、カゼインナトリウム、乳蛋白、アラビアガムおよびサポニンなどである。これらは1種または2種以上のものを組み合わせて使用できる。これらのうち特に、HLB値(Hydrophile Lipophile Balance)が10以上のショ糖脂肪酸エステルが効果的である。これらの界面活性剤の添加量はその種類およびビタミンEの量によって異なる。また緑茶は天然品であるために、その産地や種類等によっても多少異なる。さらに、緑茶微粉末を水に分散させる際に用いる水の量、すなわち水溶液中の界面活性剤の濃度によっても異なる。通常、緑茶微粉末1〜2gを水40〜100mlに分散させた懸濁液が飲用に供されている。この場合、水溶性界面活性剤粉末の添加量は、ビタミンE粉末(純分換算量)1重量部に対して、1〜20重量部程度である。これによって、抹茶をはじめ、緑茶微粉末の泡立ちの良好な水性懸濁液が得られる。
さらに、これらの水溶性界面活性剤と、それ自体起泡性はないが、デキストリン類やカルボキシメチルセルロースナトリウムなどの増粘剤を併用すると、泡立ち性に優れ、しかも泡の保持性に優れたものが得られる。これらのうち、特にデキストリン類が好ましい。この増粘剤の添加量は、水溶性界面活性剤1重量部あたり、0.2〜3重量部程度である。
緑茶微粉末(A)の原料である緑茶の茶葉は、その産地には限定はないが、特に抹茶の原料である碾茶が好ましく使用される。
ビタミンE粉末(B)は次の方法で製造されたものである。
ビタミンEは緑茶、大豆、菜種、ひまわりなどの植物から抽出した天然品(d−トコフェロール)が用いられる。このビタミンEには、α、β、γ、δなどの同族体があるが、これらのうちd−α−トコフェロールは抗酸化力および生理活性が最も高いと言われている。したがって、d−α−トコフェロールを主成分とする天然品が好ましく使用される。このビタミンEそのものは粘い油状物である。しかもその添加量は微量である。したがって、これを緑茶微粉末との混合性および水への分散性を改良する必要がある。このため、油状のビタミンEに少量の前記の水溶性界面活性剤粉末(例えば、HLB値10以上のショ糖脂肪酸エステル、アラビアガム、サポニンなど)および水溶性(例えば、デキストリン類、食物繊維、単糖類、多糖類など)乃至水に易分散性の食品添加物粉末(例えば、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、燐酸三カルシウムなど)を加えて、ビタミンEの含有量を20%程度の粉末に加工処理した、水に易分散性のビタミンE粉末(B)が用いられる。(以下、この水に易分散性の粉末に加工処理したビタミンE粉末を、単にビタミンE粉末と略記する)
ビタミンCおよび天然のビタミンEを含む、緑茶に含まれる少なくとも2種以上の栄養素粉末(C)としては、この2種類のビタミンのほか、ビタミン類として、β−カロテン、ビタミンC、ビタミンK、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンB12、葉酸、パントテン酸、ナイアシンなどが挙げられる。ミネラル類は、カリウム、カルシウム、マグネシウム、リン、鉄、亜鉛、銅、マンガンなどである。食物繊維は水溶性のものである。アミノ酸類はテアニン、グルタミン酸ナトリウム、アスパラギン酸ナトリウムなどである。
なお、上記のビタミンCとして、アスコルビン酸を用いた場合、抹茶を点てたときに泡立ちが悪くなることに加え、その添加量が多くなると酸味が強くなり、抹茶特有の風味やうま味が損なわれていく傾向がある。したがって、これらに影響の少ない、アスコルビン酸ナトリウムを用いることが望ましい。また、ビタミンB1のうち、チアミンラウリル硫酸塩は界面活性と起泡性を示すので、これが都合よく用いられる。なお、ビタミンB1として、チアミン塩酸塩があるが、これは酸味が強く、かつ抹茶を点てたとき、泡立ち性が悪くなるので使用は好ましくない。
ここで、ビタミン類のうちでも、前述したように4種類の抗酸化栄養素と呼ばれているβ−カロテン、ビタミンC、ビタミンEおよび葉酸は、特に生活習慣病の予防に優れた効果があるので、これらを添加して強化したものが望ましい。特に、水溶性のビタミンCと脂溶性のビタミンEは人体内での脂質の酸化防止に対して相補的効果があるために、これらは必須成分として併用することが望ましい。このほか、ビタミンとビタミン、ビタミンとミネラル、ミネラルとミネラルなどの組み合わせによる各種の作用効果が解明されているので、それに基づいて、適切な組み合わせを選定すればよい。
これらの栄養素類の配合量は、緑茶に含まれる栄養素の量および1日の緑茶微粉末の飲用量によるが、これらを考慮して、1日あたりの栄養素の摂取基準の50〜150%もしくは栄養機能食品の規格基準に適合するように調整することが望ましい。
ここで、緑茶微粉末の飲用量とこれに補充すべき栄養素の量について説明する。
通常、抹茶に代表される緑茶微粉末を茶碗に入れ、これに湯を注いで茶筅でかき混ぜて飲まれている薄茶は、一杯あたり1〜2g程度の抹茶が使用されている。
また、必須ビタミンと呼ばれているビタミンCは、3時間程度で体外に排泄されてしまう。このビタミンCの血液中の濃度は常に一定して高レベルに保っていることが重要である。このため、最も望ましい効果を得るにはタイム・リリースに摂取しなければならない。ただし、このビタミンCをはじめ、他の栄養素類は、ほかの食物からも摂取できるので、必ずしもその所要量のすべてを、満足すべき量に設定する必要はない。これらを勘案して、1回1〜2g、1日に2〜3杯を基準にすることが適当と考えられる。したがって、1日3〜6gの抹茶に対応した不足分の栄養素の補充量を設定すればよい。これによって、緑茶に含まれる栄養素類から発揮される健康効果は確保されると考えられる。
さらに、本発明の緑茶微粉末組成物に、健康効果をいっそう高めるため、整腸作用に優れた乳酸菌粉末を配合することができる。この乳酸菌として、特に有胞子性乳酸菌が好ましく使用される。この有胞子性乳酸菌は、一定の条件下では乾燥にも、熱や酸にも非常に強く、腸内でも活発に増殖する。現在販売されているものに、有胞子性乳酸菌数50億個/gのものがある。その1日あたりに摂取する推奨菌数は、5千万個〜2億個とされている。したがって、その推奨量を配合することが望ましい。
また、抹茶の苦味や渋味で抹茶を敬遠する人に対しては、その味を緩和して飲み易くするために、ブドウ糖、蔗糖、果糖、乳糖、麦芽糖、還元麦芽糖、オリゴ糖などの糖類粉末を配合することができる。しかし、健康面を配慮した場合、特にオリゴ糖類が推奨される。
オリゴ糖類としては、乳果オリゴ糖、イソマルトオリゴ糖、大豆オリゴ糖、フラクトオリゴ糖、ガラクトオリゴ糖などがある。これらのうち、特に乳果オリゴ糖が好ましく使用される。この乳果オリゴ糖は、腸内で効率よくビフィズス菌の栄養源となり、ビフィズス菌の増殖効果が非常に高いことが知られている。また、小腸内でもほとんど消化されないため、乳果オリゴ糖を摂取したあと、血糖値やインシュリン濃度がほとんど上昇しないことが明らかにされている。また、乳果オリゴ糖のカロリーは砂糖に比べて約40%、甘さは砂糖の50〜80%である。このように、特に乳果オリゴ糖は美容と健康にとって極めて有効である。その配合量は、人の好みにもよるが、一般に緑茶微粉末100重量部に対して、50〜500重量部程度である。
さらに、本発明の緑茶微粉末組成物の製造工程または製造後に、必要に応じて、他の栄養素や緑茶に含まれる他の有効成分、pH調整剤、緩衝剤など各種の添加物を添加することができる。
つぎに、緑茶微粉末組成物の製造方法について説明する。
緑茶の茶葉を、ビタミンC粉末およびビタミンE粉末を含む、緑茶に含まれる少なくとも2種以上の栄養素粉末および水溶性界面活性剤粉末の存在下に、微粉末に粉砕して緑茶微粉末組成物を製造する方法である。
具体的には、緑茶の茶葉、ビタミンC粉末およびビタミンE粉末、ならびにその他緑茶に含まれる栄養素粉末および水溶性界面活性剤粉末の混合物を、茶臼、ボールミルあるいはジェットミルなどの粉砕機で連続的または回分的に微粉末にする方法である。
また、粉砕機として茶臼を用いた場合には、緑茶の茶葉を粉砕する速度と同調させて、添加物粉末を添加しながら粉砕することもできる。添加物の添加量が少ない場合には、添加精度を上げるため、添加物を適当量の緑茶微粉末で希釈したものを添加するとよい。
ボールミルを用いた場合には、緑茶の茶葉と添加物を一括添加して粉砕するか、あるいは緑茶の茶葉の粉砕過程または粉砕後に、各種の添加物を添加して配合することもできる。
また、緑茶微粉末と、上記の各種添加物を粉末混合機を用いて混合して緑茶微粉末組成物を製造することもできる。
なお、緑茶微粉末は、平均粒子径20μm以下、好ましくは10μm以下の微粉末に粉砕したものが好ましい。また、各種の添加物粉末は、100メッシュの篩を通過したもの、特に150メッシュの篩を通過した粉末を用いることが望ましい。
製造された緑茶微粉末組成物は篩にかけ粗粒を除去したのち、必要に応じてガスバリヤー性、耐水性、光遮断性等を有する各種の包装容器に、真空包装方法や窒素ガス充填方法によって充填される。この場合、一回の飲用量分ごとに分包詰めとすれば便利である。また製造された緑茶微粉末組成物は、顆粒や錠剤にして使用することもできる。
また、本発明の緑茶微粉末組成物は、各種の食品加工分野において、緑茶の風味があり、かつ健康に寄与しうる食品素材としても、幅広く利用できる。
本発明の実施の形態を実施例、比較例および参考例で説明する。
なお、以下の実施例、比較例および参考例で用いたビタミンE粉末は、緑茶から抽出したd−α−トコフェロールを50%含有するトコフェロール油状物20重量部、水溶性ショ糖脂肪酸エステル粉末3重量部、アラビアガム粉末5重量部、シクロデキストリン粉末50重量部およびカルボキシメチルセルロースカルシウム粉末22重量部をホモジナイザー混合して粉末に加工処理し、緑茶微粉末との混合性および水への分散性を改良したものである。以下、ビタミンEを粉末に加工処理したものを、単にビタミンE粉末と略記する。
また、ビタミンCとして、アスコルビン酸と特記しない限り、アスコルビン酸ナトリウムを用いた。
各種の添加物は、150メッシュの篩を通過した粉末を用いた。ここで、各種の添加物の添加部数およびパーセントは、すべて重量基準によるものである。また、緑茶微粉末の平均粒子径は、レーザー回折型粒度分布測定装置で測定した。
参考例
抹茶の泡立ち性について、前述したように、特にビタミンEおよびビタミンCに注目し、その影響について調べた。また、その泡立ち性に関連すると考えられる添加物の影響についても調べた。
実験方法
抹茶(香岳園製茶(株)製、祥瑞の昔)1gに、表3に示した添加物を加え、熱湯(水のpH、7.0)40mlを注いで茶筅でかき混ぜたときの懸濁液の泡立ち状態、およびこの懸濁液に表3に示した添加物を加え、再び茶筅でかきまぜたときの、泡立ちに及ぼす影響について調べた。
ここで、界面活性剤として、ショ糖脂肪酸エステル(第一工業製薬(株)製DKエステル、SS、HLB値、約19)を用いた。なお、表3において、上記のビタミンE粉末はV−E、アスコルビン酸はV−C、アスコルビン酸ナトリウ厶はV−CNaと略記する。
この実験結果を表3に示す。
Figure 2005168477
表3に示した結果から、抹茶の泡立ち性について、次のことがわかった。
(1)ビタミンEが存在し、その量が多くなるほど、泡立ちが悪くなる。
すなわち、ビタミンEは、強い消泡作用を示す。(実験番号M−2、M−3)
(2)アスコルビン酸やクエン酸の酸のみの存在では、泡立ちには影響がない。しかし、これらの酸とビタミンEが共存すると、著しい消泡作用を示す。この泡の消失した懸濁液のpHを7近辺に上げると、泡立ちはある程度回復する。(実験番号M−4、M−5)
(3)一方、アスコルビン酸ナトリウ厶は、ビタミンEが存在しても泡立ちには影響しない。(実験番号M−6)
(4)これに対して、ビタミンEおよびアスコルビン酸が共存すると、これらの添加方法に関係なく、実験番号M−4と同様に著しい消泡作用を示す。この泡が消失した懸濁液を、元の良好な泡立ち状態に戻すには、ビタミンEの量(純分換算量)に比べてかなり多量(約10倍量)の界面活性剤の添加が必要である。(実験番号M−7)
(5)モデル実験的に、抹茶のない条件下に、水溶性界面活性剤であるショ糖脂肪酸エステルの水溶液に、ビタミンEを添加したところ、実験番号M−2と同様に消泡作用を示した。(実験番号M−8)
(6)モデル実験的に、抹茶のない条件下に、水溶性界面活性剤であるショ糖脂肪酸エステルの水溶液に、ビタミンEおよびアスコルビン酸を添加した影響について調べた。この結果、上記の抹茶の存在下での実験番号M−4およびM−7の結果とほぼ同様の消泡現象を示した。この泡の消失した溶液を元の泡立ち状態に回復させるには、添加したビタミンE(純分換算量)の約10倍量の界面活性剤の添加が必要である。(実験番号M−9)
(7)なお、参考のためにこれに関連して、成分は異なるが植物油である、大豆油、菜種油およびオリーブ油そのものを、実験番号M−1の方法によって、抹茶にそれぞれ200mgを添加して泡立ちに対する影響を調べた。この結果、泡立ちは良好でこれらの植物油の添加の影響は認められなかった。
以上の実験結果から、ビタミンEは強い消泡作用を示すこと、さらにアスコルビン酸やクエン酸などの酸が共存すると、さらに著しい消泡作用を示すことがわかった。
これらの結果に基づき、以下の実施例で示したような、緑茶微粉末組成物の配合処方を確立した。
実施例および比較例
実施例1
碾茶100gにビタミンE粉末1.1g、アスコルビン酸粉末2.3g、葉酸3.2mgおよびショ糖脂肪酸エステル粉末(第一工業製薬(株)製、DKエステル、F−160、HLB値15)1.0gを加えて混合したのち、茶臼で3時間かけて挽いた。この粉末を篩にかけ、平均粒子径5μmの緑茶微粉末組成物(抹茶組成物)を得た。
この組成物1.5gを茶碗に入れ、熱湯60mlを注いだのち、茶筅でかき混ぜた。この結果、泡立ちは非常に良好で、キメの細かい鮮やかな若草色の泡が立った。泡たて直後の茶碗をゆすっても、泡は消失せず、また、放置してから10分間経過後も、泡はほとんど元の状態を保持していた。
なお、本実施例で添加したビタミンの量は、抹茶1日あたりの飲用量を1.5g/回、3回/日(4.5g/日)とした場合、その中に含まれるビタミンE、ビタミンCおよび葉酸の量が、それぞれほぼ摂取基準の所要量(所要量:ビタミンE10mg、アスコルビン酸100mg、葉酸200μg)になるように配合したものである。また、これらのビタミン類の量は、いずれも保健機能食品(栄養機能食品)の規格基準に適合するものである。(規格基準:ビタミンE3〜150mg、ビタミンC35〜1,000mg、葉酸70〜200μg)
比較例1
実施例1において、ショ糖脂肪酸エステルを添加しなかった以外は、実施例1と同様にして、平均粒子径6μmの緑茶微粉末組成物(抹茶組成物)を得た。
この組成物の泡立ち性を、実施例1と同様にして調べた。この結果、茶筅でかきまぜている間は、やや大きな泡立ちは認められたが、茶碗をゆすると泡はほとんど瞬時に消失した。再度茶筅でかきまぜて放置したところ、泡は数秒間でほとんど消失した。
実施例2
実施例1の処方において、さらにシクロデキストリン粉末(日本食品加工(株)製、セルデックスTB−50)1gを添加した以外は、実施例1と同様にして緑茶微粉末組成物を得た。
この組成物の泡立ち性を、実施例1と同様にして調べた。この結果、泡立ちは非常に良好で、キメの細かい鮮やかな若草色の泡が立った。また、泡の安定性は実施例1よりもかなり良好で、30分間経過後も、ほとんど元の状態を保持していた。
比較例2
実施例2において、ショ糖脂肪酸エステルを添加しなかった以外は、実施例2と同様にして緑茶微粉末組成物(抹茶組成物)を得た。
この組成物の泡立ち性を、実施例1と同様にして調べた。この結果、茶筅でかきまぜている間は、大きな泡立ちは認められたが、放置すると大部分の泡は数秒間でほとんど消失した。
実施例3
実施例1の処方において、さらにカルボキシメチルセルロースナトリウム粉末(第一工業製薬(株)製、セロゲン、F−5A)1gを添加した以外は、実施例1と同様にして緑茶微粉末組成物を得た。
この組成物の泡立ち性を、実施例1と同様にして調べた。この結果、泡立ちは非常に良好で、キメの細かい鮮やかな若草色の泡が立った。また、泡の安定性は実施例1よりも良好で、30分間経過後も、ほとんど元の状態を保持していた。
比較例3
実施例3において、ショ糖脂肪酸エステルを添加しなかった以外は、実施例3と同様にして、緑茶微粉末組成物(抹茶組成物)を得た。
この組成物の泡立ち性を、実施例1と同様にして調べた。この結果、茶筅でかきまぜている間は、大きな泡立ちは認められたが、放置すると大部分の泡は数秒間でほとんど消失した。
実施例4
碾茶100gにビタミンE粉末1.1g、ビタミンC粉末2.5g、葉酸3mgおよび実施例1で用いたショ糖脂肪酸エステル粉末0.6gを加えて混合したのち、茶臼で3時間かけて挽いた。この粉末を篩にかけ、平均粒子径6μmの緑茶微粉末組成物(抹茶組成物)を得た。
この組成物の泡立ち性を、実施例1と同様にして調べた。この結果、泡立ちは非常に良好で、界面活性剤の添加量を実施例1よりも少なくしても、キメの細かい鮮やかな若草色の泡が立った。また、泡の安定性は良好で、実施例1と同等以上であった。
比較例4
実施例4において、ショ糖脂肪酸エステルを添加しなかった以外は、実施例4と同様にして、平均粒子径6μmの緑茶微粉末組成物(抹茶組成物)を得た。
この組成物の泡立ち性を、実施例1と同様にして調べた。この結果、やや大きな泡立ちとなった。放置すると大部分の泡は数分間でほとんど消失したが、泡の安定性は比較例1よりは、かなり良好であった。
実施例5
碾茶100gに抽出ビタミンE粉末1.1g、ビタミンC粉末2.5g、葉酸3mg、実施例1で用いたショ糖脂肪酸エステル粉末0.7g、実施例2で用いたシクロデキストリン粉末1gおよび有胞子性乳酸菌粉末(三共ライフステック(株)製、ラクリス−S、菌数50億個/g含有)0.5部を加えて混合したのち、茶臼で3時間かけて挽いた。この粉末を篩にかけ、平均粒子径6μmの緑茶微粉末組成物を得た。
この組成物の泡立ち性を、実施例1と同様にして調べた。この結果、キメの細かい鮮やかな若草色の泡が立った。また、泡の安定性は実施例1よりも非常に良好で、30分間経過後も、ほとんど元の状態を保持していた。
比較例5
実施例5において、ショ糖脂肪酸エステルを添加しなかった以外は、実施例5と同様にして、平均粒子径6μmの緑茶微粉末組成物(抹茶組成物)を得た。
この組成物の泡立ち性を、実施例1と同様にして調べた。この結果、やや大きな泡立ちは認められたが、放置すると大部分の泡は数分間でほとんど消失した。
実施例6
碾茶100gに、ビタミンE粉末1.6g、ビタミンC粉末3.7g、β−カロテン粉末13mg、葉酸粉末4.5mg、メチルセルロース粉末(信越化学工業(株)製、メトローズSM−15)1.5g、実施例2で用いたシクロデキストリン粉末1gおよび実施例5で用いた有胞子性乳酸菌粉末0.7gからなる混合物を加え、混合した。これを茶臼で3時間かけて挽いた。この粉末を篩にかけ、平均粒子径7μmの緑茶微粉末組成物(抹茶組成物)を得た。なお、本処方は、抹茶の飲用量を1.5g/回、2回/日(3g/日)とした場合、該ビタミン類の1日あたりの摂取量が、ほぼ摂取基準の所要量および保健機能食品(栄養機能食品)の規格基準に適合するように設定したものである。
この組成物の泡立ち性を、実施例1と同様にして調べた。この結果、泡立ちは非常に良好で、キメの細かい鮮やかな若草色の泡が立った。また、30分間経過後も、泡はほとんど元の状態を保持していた。
実施例7
碾茶100gに、ビタミンE粉末1.1g、ビタミンCの粉末2.5g、β−カロテン粉末8mg、葉酸粉末4mg、チアミンラウリル硫酸塩粉末(ビタミンB1)70mg、ビタミンB2粉末(三菱ウェルファーマ(株)製、ハイボン細粒10%、ビタミンB2含有量10%)500mg、パントテン酸カルシウム粉末120mg、クエン酸鉄粉末650mg、グルコン酸亜鉛粉末1,700mg、グルコン酸銅粉末300mg、テアニン粉末150mg、実施例5で用いた有胞子性乳酸菌粉末0.5g、カゼインナトリウ厶粉末1.2g、および実施例2で用いたシクロデキストリン1gからなる混合物を加え、混合した。これを茶臼で3時間かけて挽いた。この粉末を篩にかけ、平均粒子径5μmの緑茶微粉末組成物(抹茶組成物)を得た。
この組成物の泡立ち性を、実施例1と同様にして調べた。この結果、泡立ちは非常に良好で、キメの細かい鮮やかな若草色の泡が立った。また、10分間経過後も、泡はほとんど元の状態を保持していた。
実施例8
碾茶100gに、抽出ビタミンE粉末1.2g、ビタミンC粉末2.7g、葉酸粉末3.2mg、β−カロテン粉末8mg、チアミンラウリル硫酸塩粉末(ビタミンB1)60mg、実施例7で用いたビタミンB2粉末500mg、実施例5で用いた有胞子性乳酸菌粉末0.5g、実施例5で用いた有胞子性乳酸菌粉末0.5g、およびショ糖脂肪酸エステル粉末(第一工業製薬(株)製、DKエステル、SS、HLB値、約19)0.6gからなる混合物を加え、混合した。これを茶臼で3時間かけて挽いた。この粉末を篩にかけ、平均粒子径5μmの緑茶微粉末組成物(抹茶組成物)を得た。
この組成物の泡立ち性を、実施例1と同様にして調べた。この結果、泡立ちは非常に良好で、キメの細かい鮮やかな若草色の泡が立った。また、10分間経過後も、泡はほとんど元の状態を保持していた。
実施例9
煎茶の茶葉100g、に抽出ビタミンE粉末1.2g、ビタミンC粉末2.7g、葉酸粉末4mg、チアミンラウリル硫酸塩粉末(ビタミンB1)60mg、実施例7で用いたビタミンB2粉末500mg、実施例5で用いた有胞子性乳酸菌粉末0.5g、実施例8で用いたショ糖脂肪酸エステル粉末0.5g、アラビアガム粉末0.2g、および実施例2で用いたシクロデキストリン0.7gからなる混合物を加え、混合した。これを茶臼で3時間かけて挽いた。この粉末を篩にかけ、平均粒子径6μmの緑茶微粉末組成物(抹茶組成物)を得た。
この組成物の泡立ち性を、実施例1と同様にして調べた。この結果、泡立ちは非常に良好で、キメの細かい鮮やかな若草色の泡が立った。また、10分間経過後も、泡はほとんど元の状態を保持していた。
実施例10
煎茶の茶葉50gと碾茶50gの混合物に、抽出ビタミンE粉末1.5g、ビタミンC粉末3.0g、葉酸粉末4mg、チアミンラウリル硫酸塩粉末(ビタミンB1)60mg、実施例7で用いたビタミンB2粉末500mg、実施例7で用いたショ糖脂肪酸エステル粉末0.5gおよび大豆サポニン粉末0.2gからなる混合物を加え、混合した。これを茶臼で3時間かけて挽いた。この粉末を篩にかけ、平均粒子径5μmの緑茶微粉末組成物(抹茶組成物)を得た。
この組成物の泡立ち性を、実施例1と同様にして調べた。この結果、泡立ち性は非常に良好で、キメの細かい鮮やかな若草色の泡が立った。また、10分間経過後も、泡はほとんど元の状態を保持していた。
実施例11
ボールミルに碾茶60部および煎茶30部を入れ、7時間かけて粉砕し、平均粒子径15μmの緑茶微粉末を得た。これにビタミンE粉末1.2部、ビタミンC粉末2.5部、葉酸粉末0.004部、実施例5で用いた有胞子性乳酸菌粉末0.5部、実施例8で用いたショ糖脂肪酸エステル粉末0.5部、および乳蛋白0.2部からなる混合物を加えて30分間混合し、緑茶微粉末組成物を製造した。
この組成物の泡立ち性を、実施例1と同様にして調べた。この結果、泡立ちは非常に良好で、キメの細かい鮮やかな若草色の泡が立った。また、10分間経過後も、泡はほとんど元の状態を保持していた。
実施例12
ボールミルに碾茶100部を入れ、9時間かけて粉砕し、平均粒子径13μmの抹茶を得た。これにビタミンE粉末1.8部、ビタミンC粉末3.7部、β−カロテン粉末15mg、葉酸粉末0.005部、実施例5で用いた有胞子性乳酸菌粉末0.8部、実施例8で用いたショ糖脂肪酸エステル粉末1.1部およびシクロデキストリン粉末(日本食品加工(株)製、セルデックスB−100)0.5部からなる混合物、ならびに乳果オリゴ糖粉末300部を加えて30分間混合し、緑茶微粉末組成物を製造した。
この組成物の泡立ち性を、実施例1と同様にして調べた。この結果、泡立ちは非常に良好で、キメの細かい鮮やかな若草色の泡が立った。また、10分間経過後も、泡はほとんど元の状態を保持していた。また、この組成物の冷水への分散性は非常に良好で、スティックで簡単にかきまぜる程度で容易に泡立ちのある懸濁液が得られた。また、味もまろやかであった。
得られた緑茶微粉末組成物をアルミ箔ラミネートフィルム(表面から、ポリエステル/アルミ箔/ポリエチレンで構成)のパックに4gずつ入れ、真空チャンバー内で空気を除去したのち、窒素ガスを充填してシールした。
実施例13
抹茶100部に、抽出ビタミンE粉末2.5部、ビタミンC粉末5.0部、葉酸粉末0.01部、実施例5で用いた有胞子性乳酸菌粉末1.0部、実施例1で用いたショ糖脂肪酸エステル粉末1.5部および実施例12で用いたシクロデキストリン粉末1.0部からなる混合物、ならびに乳果オリゴ糖粉末200部および水溶性食物繊維粉末200部を加え、V形粉末混合機で30分間混合し、緑茶微粉末組成物を製造した。
この組成物の泡立ち性を、実施例1と同様にして調べた。この結果、泡立ちは非常に良好で、キメの細かい鮮やかな若草色の泡が立った。また、10分間経過後も、泡はほとんど元の状態を保持していた。また、この組成物の水に対する分散性は良好であり、味もまろやかであった。
得られた緑茶微粉末組成物をアルミ箔ラミネートフィルム(表面から、ポリエステル/アルミ箔/ポリエチレンで構成)のパックに5gずつ入れ、真空チャンバー内で空気を除去したのち、窒素ガスを充填してシールした。
比較例6〜13
実施例6〜13において、界面活性剤を添加しなかった以外は、それぞれの実施例の処方によって緑茶微粉末組成物を製造した。この組成物の泡立ち性を、実施例1と同様にして調べた。この結果、いずれの場合も泡立ちは悪く、泡立て後の茶碗をゆすると泡は数秒以内にほとんど消失した。また、泡立て後、放置すると泡は数分以内でほとんど消失した。
発明の効果
抹茶等の緑茶微粉末に、緑茶に含まれる栄養素類を配合した抹茶を点てたとき、泡立ちが非常に悪いという問題が生じた。この原因は天然のビタミンEによること、さらに天然のビタミンEとアスコルビン酸(ビタミンC)が共存すると著しい消泡作用示した。この泡立ちは、抹茶の一つの審美的特性であり、その良否は、泡立ちによっても評価される。
この泡立ち問題を解決しうる効果的な水溶性界面活性剤を食品添加物の中から見出した。これによって、抹茶を点てた場合、抹茶特有のキメ細やかで、鮮やかな若草色をした泡立ちの良好な、栄養素強化緑茶微粉末組成物が得られる。また、この組成物に増粘安定剤を配合すると、泡立ち性および泡の安定性が向上したものが得られる。
特に、4種類の抗酸化栄養素であるβ−カロテン、ビタミンC、ビタミンEおよび葉酸を強化した抹茶等に、さらに整腸作用に優れる有胞子性乳酸菌やオリゴ糖を配合することによって、生活習慣病の予防等、健康づくりに大きく寄与しうる、高機能性の緑茶微粉末組成物を提供することができる。すなわち、栄養素摂取基準もしくは保健機能食品(栄養機能食品)の規格基準に適合する食品として提供でき、その利用価値は極めて高い。

Claims (10)

  1. 緑茶微粉末(A)、天然のビタミンEを水溶性界面活性剤および水溶性乃至水に易分散性の食品添加物に含浸させて粉末に加工処理した、水に易分散性のビタミンE粉末(B)、ビタミンCおよび天然のビタミンE(本請求項記載の該(B)成分)を含む、緑茶に含まれる少なくとも2種以上の栄養素粉末(C)、および水溶性界面活性剤粉末(D)の配合物からなることを特徴とする緑茶微粉末組成物。
  2. ビタミンCがアスコルビン酸ナトリウムであり、かつ天然のビタミンEがd−α−トコフェロールを主成分とするものである請求項1に記載の緑茶微粉末組成物。
  3. ビタミンE粉末(B)と水溶性界面活性剤粉末(D)の配合比率が、ビタミンE(純分換算量)1重量部あたり、水溶性界面活性剤1〜20重量部である請求項1または2に記載の緑茶微粉末組成物。
  4. ビタミンCおよび天然のビタミンEを含む、緑茶に含まれる少なくとも2種以上の栄養素粉末(C)がビタミン類、ミネラル類、アミノ酸類および水溶性食物繊維からなる群より選ばれる栄養素であり、かつ1日あたりの摂取量が摂取基準の50〜150%もしくは栄養機能食品の規格基準に適合するように配合されたものである請求項1から3のいずれかに記載の緑茶微粉末組成物。
  5. 水溶性界面活性剤粉末(D)として、ショ糖脂肪酸エステル、メチルセルロース、チアミンラウリル硫酸塩、カゼインナトリウム、乳蛋白、アラビアガ厶およびサポニンからなる群より選ばれる1種以上のものが配合されたものである請求項1から4のいずれかに記載の緑茶微粉末組成物。
  6. 増粘剤粉末として、デキストリン類および/またはカルボキシメチルセルロースナトリウムが配合されたものである請求項1から5のいずれかに記載の緑茶微粉末組成物。
  7. 乳酸菌粉末が配合されたものである請求項1から6のいずれかに記載の緑茶微粉末組成物。
  8. 乳酸菌粉末として、有胞子性乳酸菌粉末が配合されたものである請求項1から7のいずれかに記載の緑茶微粉末組成物。
  9. 糖類粉末が配合されたものである請求項1から8のいずれかに記載の緑茶微粉末組成物。
  10. 糖類粉末として、オリゴ糖粉末が配合されたものである請求項1から9のいずれかに記載の緑茶微粉末組成物。
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