JP2004248659A - 栄養素強化緑茶粉末 - Google Patents
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Abstract
【課題】緑茶は優れた栄養バランスを有している。その緑茶に注目し、緑茶に含まれる栄養素を強化した緑茶粉末を、毎日適量を飲むことで、一日に必要とされる栄養素摂取量が補充できるように調整して、生活習慣病の予防など、健康づくりに大きく寄与する栄養素強化緑茶粉末とその製造方法を提供することにある。
【解決手段】緑茶粉末が、緑茶に含まれる栄養素類より選ばれる1種または2種以上の栄養素を添加して補充したものを含有する栄養素強化緑茶粉末である。
その栄養素強化緑茶粉末の製造方法は、緑茶の茶葉に、緑茶に含まれる栄養素類より選ばれる栄養素を添加して混合したものを粉砕機で粉末にする方法、または緑茶粉末に緑茶に含まれる栄養素類より選ばれる1種または2種以上の栄養素を添加して混合する方法である。
【解決手段】緑茶粉末が、緑茶に含まれる栄養素類より選ばれる1種または2種以上の栄養素を添加して補充したものを含有する栄養素強化緑茶粉末である。
その栄養素強化緑茶粉末の製造方法は、緑茶の茶葉に、緑茶に含まれる栄養素類より選ばれる栄養素を添加して混合したものを粉砕機で粉末にする方法、または緑茶粉末に緑茶に含まれる栄養素類より選ばれる1種または2種以上の栄養素を添加して混合する方法である。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は栄養素強化緑茶粉末とその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
栄養素の強化による緑茶の高機能化の必要性とその背景について述べる。
分子生物学は、生命現象の法則性を分子のレベルで解明しようという先端科学であるが、この分子生物学のめざましい進歩によって、人間の健康度は、個々の細胞の健康度によって決定されていることがわかってきた。
人間の体は60兆もの細胞で成り立っているが、個々の細胞は、まるでミクロの人間のように食物を摂取し、老廃物を排泄し、増殖している。その細胞のひとつひとつは、すべて栄養素によってつくられている。そのひとつひとつの細胞が必要とする栄養素を十分に摂取できていることが人の健康の大前提である。逆に、ひとつひとつの細胞が必要とする栄養素を十分に摂取できていなければ、細胞は衰え、人の健康や若さを失うこととなる。その結果、日々の生活の中で体の回復力は衰え、病気になりやすくなり、寿命を縮めてしまうことになりかねない。つまり、人が若々しさを保ち元気でいるためには、健康的な細胞をできる限り減らさないことが必要である。そのためには、細胞が必要としている栄養素を十分に摂取することが必須条件となる。
人間は対外から栄養素を取り入れてエネルギーとしたり、血や肉、骨を作らなければ生きていくことができない。また、生きていく限り、体の古い細胞は新しい細胞と入れ替えなければならないし、日々のエネルギーを消費しているから、それを補う必要がある。こうした人間の体をつくったり、活動のエネルギーになるのが、炭水化物、たんぱく質、脂肪の三大栄養素である。
これらの三大栄養素は、細胞が摂取しやすい形になるまで消化され、数百種類もの酵素の働きによって炭水化物はブドウ糖などの単糖類に、タンパク質はアミノ酸に、脂肪は脂肪酸とグリセリンに分解される。こうして吸収されやすい形となった栄養素が各細胞に送られ、それぞれ与えられた役割をはたしていく。しかし、これだけの栄養素では決定的に栄養不足である。これら三大栄養素の働きをスムーズに働かせるための重要な潤滑油の役割を担っているのがビタミンとミネラルである。また、食物繊維も健康に欠かせない栄養素のひとつである。
さらに最近の医学では成人病や老化の主な原因は「活性酸素」によるものであり、この「活性酸素」が体の細胞を攻撃し、一つ一つの細胞をだめにしてしまっているという説が一般的になっている。
活性酸素は人間が呼吸する限り体内に発生するが、普通の呼吸によって発生する活性酸素は、体が作りだす抗酸化物質によって消去される。しかし、現代生活を取り巻く放射線や電磁波、車の排気ガス、食品添加物、医薬品、農薬などの化学物質による環境の悪化や酒、だばこ、ストレス、紫外線などによって大量に発生する活性酸素は、強力な抗酸化物質であるビタミンA、C、Eやミネラルなどの食物を通じて体の外から、たえず摂取しなければならない。
地球上で活性酸素の影響を一番受けながら、たくましくて生きている生物は「植物」である。植物は否応なしに紫外線を全身に浴び、そのために当然体内には大量の活性酸素が発生し、これとたえず戦っている。もし植物が体内に発生する活性酸素によって傷ついてしまえば、その植物はたちまち枯れてしまうことになる。こう考えていけば、「植物の中にこそ、ビタミンA、C、E、葉酸、さらにはミネラルなどの活性酸素を防ぐ物質がたくさん含まれている」ということが容易に理解できる。しかし、成人病を予防し若さと健康を保つために必要な栄養素は、本来ならば毎日の食生活で取る野菜や果物、肉・魚類などの中から自然に体の中へ取り込まなければならないが、現代のように、バランスの悪い食生活を営み、ましてや環境的に汚染され栄養分の少なくなった食物を食べていたのでは、一日に必要なビタミン、ミネラル、食物繊維を摂取できるはずもない。
例えば、表1に「日本食品標準成分表」(科学技術庁資源調査会編、二・三・四および五訂版)の中で、ホウレン草100gの中に含まれているビタミンCの含有量の経年変化を比較した結果を示す。それによると、1950年には150mgあったものが、次第に減少し、2000年には35mgしか含まれていない。1950年当時と比べると、実に4分の1の栄養分しかない。一方、表2に示されているように、成人一人、一日あたりのビタミンCの摂取基準は100mgとされている。したがって、ホウレン草のみから所要量のビタミンCを摂取しょうとすれば、300gも必要となる。
食物自体の栄養不足の原因は、化学肥料の普及によって自然破壊された土壌によるミネラル含有量の激減や食品の生成段階で多くの栄養素が破壊されるなどが考えられている。
幸いなことに日本人には古くから、一日中たえず緑茶を飲む習慣があった。茶は周知のように、古くから薬用や嗜好品として用いられてきた。表2に示したように、近代科学の発展によって、茶にはカテキン類、カフェイン、ビタミンC、ビタミンE、β−カロテン、葉酸;カリウム、カルシウム、マグネシウムなどのミネラル類、食物繊維、このほかテアニンなどのアミノ酸類、クロロフィル、サポニン、香気成分など数多くの水に可溶性、不溶性の成分が含まれていることが明らかにされてきた。同時に、それらの成分の生理機能も解明されてきた。
その結果、最近の健康ブーム、特に生活習慣病の予防と相俟って、茶の健康への大いなる寄与が再認識され注目されている。すなわち、茶にはカテキン類やビタミン類を中心として、抗がん作用、抗酸化作用、動脈硬化抑制作用、血圧上昇抑制作用、血糖値上昇抑制作用、脳卒中予防作用、心臓病予防作用、抗糖尿病作用、肝機能保護作用、抗肥満作用、抗菌作用、抗う蝕(虫歯)、抗歯周病作用、抗アレルギー作用、抗ウイルス作用、ダイオキシン排泄作用、美肌効果、消臭効果など、多様な作用効果のあることが実証されている。(たとえば、村松敬一郎ほか編:「茶の機能−生体機能の新たな可能性−」、学会出版センター(2002);村松敬一郎編:「茶の科学」、朝倉書店(2000)など)
その茶の有効性については、次のような統計がある。(厚生省編:[人口動態統計]1969〜1982年)
それによれば、がんの部位別の標準化死亡比(SMR)によると、静岡県のがん死亡率は、男女とも全国平均に比べて非常に低い。SMRとは、がんのような成人病の場合、年齢構成の影響を強く受けるので、市町村の人口の年齢構成を補正して死亡率を算出するものである。これによると、静岡県中・西部で胃がんのSMRが極めて低い。さらにこれらの地域の中でも、緑茶生産地ほどこの傾向が強い。例えば、緑茶生産地として全国的にも知られている中川根町では、胃がんのSMRが男 20.8、女29.2と著しく低く、全国値の約5分の1(男性)となっている。これに対して、同じ静岡県内でも東部に位置する非生産地の胃がんSMRは、男女とも全国平均かそれ以上となっている。また、同地域の35歳以上、70歳未満の住民を対象に行われた、性別、年齢別の緑茶摂取状況の調査では、SMRの低い地域の住民の方が、男女とも緑茶を良く飲み、茶葉を繁茂に取り替え、やや濃いめのものを飲んでいる傾向があった。
しかし、今日私たち日本人は、欧米型の食生活が普及するにつれて飲茶に接する機会が減少してきている。私たちが自分の健康に関心を持つ時、気になるコレステロール、あるいはそれによって誘発される動脈硬化、高血圧、狭心症、心筋梗塞、糖尿病など生活習慣病と呼ばれる現代的な病気は、欧米型食生活の普及とともに私たちの間に大きな問題として広がってしまった。この欧米型症状の増加と、飲茶に接する機会が減少していることは、私たちが健康を維持、増進していく上で大きな関連があると考えられる。
このため、日常不足するビタミン類やミネラル類を補給するために、従来これらを人工的に配合した数多くの栄養補助食品なるものが用いられている。これらの中には緑茶から抽出したカテキンを添加したものも見うけられる。
ここで、緑茶には上記のように数多くの栄養素が含まれているが、例えば1日の飲用量を5〜10gとした場合、ビタミンCや葉酸などのビタミン類、その他ミネラルなど、その中に含まれる栄養素の分量だけでは不十分なものが多い。この不足分の栄養素は勿論、他の食品から摂取することもできる。
しかしながら、緑茶に含まれるカテキンやテアニンなど他の薬効成分や風味を保持させながら、緑茶が本来含有している自然指向型の栄養素を強化したものが望まれる。
特に4種類の抗酸化栄養素と呼ばれているβ−カロテン、ビタミンC、ビタミンE、および葉酸は、上記のような生活習慣病の予防に効果があることで専門家の意見が一致している。(米国カリフォルニア州立大学バークレー校出版、「ウェルネス・レター」1994年1月号)。これらの有効成分はすべて緑茶に含まれている。
また、ビタミンとミネラルは、互いに協力しあうことで体に作用する。ビタミンだけでもミネラルだけでも何の役にも立たない。ビタミンが役割を果たすためにはミネラルの助けが必要で、ミネラルが役割を果たすためにはビタミンが不可欠であることが明らかにされている。また、例えば水溶性のビタミンCと脂溶性のビタミンEが体内で脂質の過酸化を抑える相補的抗酸化作用のあること、カルシウムとマグネシウムの相互作用で心筋梗塞が予防されることなどが解明されている。
このように、栄養素が相互に作用しあうことによって健康効果が発現される。その観点から、緑茶は栄養バランスに優れた理想的な機能性食品である。
緑茶には前記のように、水に可溶性、不溶性の数多くの成分が含まれている。これらを総合して、一般には緑茶には薬効成分が多いという固定観念的な考えが定着していることは下記の例からも否めない。
一般には緑茶を熱湯で浸出した、主として水溶性成分のみを飲む場合が多い。現在、この緑茶浸出液にビタミンCやさらにこれに難消化性デキストリンを添加したものなどが、数多くの飲料メーカーから市販されている。しかし、これらには有効なβ−カロテンやビタミンEなどの脂溶性成分が含まれていないことは誠に勿体ないことである。また、多量の砂糖と少量の抹茶を混合したものや、多量の脱脂粉乳とグラニュー糖に抹茶加えたものが、泡立つ抹茶として「抹茶はビタミンCを多く含み、食物繊維をそのままとることができる健康飲料」なる表示のもとで販売されている。これらはいずれも抹茶風味のある飲料であって、決して抹茶飲料そのものではなく、誤解を招きやすい。栄養面からは緑茶そのものを、「まるごと食べる」ことによって効果が発揮されるのであって、その必要性を十分に認識しなければならない。
例えば、緑茶(抹茶や煎茶)と同じように飲用されているコーヒーの成分を比較した結果を表3に示す。これからも、緑茶そのものが非常に栄養バランスに優れていることは明らかである。しかし、毎日飲用する量には限度がある。その飲用量に対して不足する栄養素を添加して強化し、かつ自然の恵みである緑茶の特性を生かしたものを飲用に供すことは健康にとって大きな意義がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記のような欧米型食生活による栄養の偏りから生じる問題を解決すべく、栄養バランスに優れた緑茶に注目して鋭意検討がなされたものである。
すなわち、緑茶に含まれる栄養素を強化した緑茶粉末を、毎日適量を飲むことで、一日に必要とされる栄養素摂取量が補充できるように調整して、生活習慣病の予防など、健康づくりに大きく寄与する栄養素強化緑茶粉末とその製造方法を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
緑茶粉末が、緑茶に含まれる栄養素より選ばれる1種または2種以上の栄養素を添加して補充したものを含有するものである栄養素強化緑茶粉末とその製造方法を提供することにある。
緑茶粉末は、緑茶の茶葉を茶臼やボールミルなどの粉砕機で微粉末に粉砕したものである。一般には、碾茶(てん茶)を微粉末にした抹茶が好ましく使用される。
添加される栄養素は、緑茶に含まれるものである。例えば、ビタミン類として、β−カロテン、ビタミンC、ビタミンE、ビタミンK、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンB12、葉酸、パントテン酸、ナイアシンなどが挙げられる。ミネラル類は、カリウム、カルシウム、マグネシウム、リン、鉄、亜鉛、銅、マンガンなどである。食物繊維は、特に水溶性のものである。このほか、テアニンやグルタミン酸などのアミノ酸類も添加できる。ここで、ビタミン類のうちでも、前述したように4種類の抗酸化栄養素と呼ばれているβ−カロテン、ビタミンC、ビタミンEおよび葉酸は、特に生活習慣病の予防に効果があるので、これらを添加して強化したものが望ましい。これらのうち、β−カロテンは脂溶性成分として、その必要量は緑茶粉末に含まれているので、通常は添加する必要はない。また、ビタミンCとビタミンEは人体内で相補的効果のあること、および緑茶自体の変質を抑制させる効果があるために、これらを併用して使用することが望ましい。このほか、ビタミンとビタミン、ビタミンとミネラル、ミネラルとミネラルなどの組み合わせによる各種の作用効果が解明されているので、それに基づいて、適切な組み合わせを選定すればよい。
これらの栄養素の添加量は、一日に飲食する緑茶粉末の量と、一日あたりの栄養素の摂取基準によって、調整すればよい。ただし、摂取基準に上限値のあるものは、その値を超えないように、十分配慮すべきである。また、これらの栄養素は、日常飲食する他の食物からも摂取できることも考慮する必要がある。したがって、すべての栄養素の所要量を緑茶粉末のみから摂取する必要はない。
ここで、抹茶の飲用量とこれに補充すべき栄養素の量について説明する
通常、抹茶に湯を注いで茶筅でかき混ぜて飲まれている薄茶は、一碗あたり2g程度の抹茶が使用されている。また、必須ビタミンと呼ばれているビタミンCは、2〜3時間で体外に排泄されてしまう。このビタミンCの血液中の濃度は常に一定して高レベルに保っていることが重要である。このため、最も望ましい効果を得るにはタイム・リリースに摂取しなければならない。
これらを勘案すれば、一般に抹茶の飲用量は、一回2g、一日3杯を基準にすることが適当と考えられる。したがって、一日6gの抹茶に対応した不足分の栄養素の補充量を設定すればよい。これによって、緑茶に含まれる栄養素類から発現される健康効果は確保されると考えられる。
さらに、本発明の栄養素強化緑茶粉末の製造工程または製造後に、必要に応じて甘味料、界面活性剤、乳化剤、分散安定剤、pH調整剤、酸味料、調味料、他栄養素などを添加することができる。
ここで、特に緑茶粉末を冷水に分散させて飲む場合、少量の界面活性剤、乳化剤、分散安定剤などを加えておくと分散が容易で、粉末の凝集物であるダマもできない。
つぎに、栄養素強化緑茶粉末の製造方法について説明する。
その1
緑茶の茶葉に、緑茶に含まれる栄養素類より選ばれる1種または2種以上の栄養素を添加して混合したものを、粉砕機で粉末にする方法である。粉砕機としては、一般に茶臼またはボールミルが使用され、連続的または回分的に製造する方法である。
その2
緑茶の茶葉に、緑茶に含まれる栄養素類より選ばれる1種または2種以上の栄養素と少量の緑茶粉末を添加して混合したものを、粉砕機で粉末にする方法である。粉砕機としては、上記その1と同じものが使用される。
その3
緑茶の茶葉に、緑茶に含まれる栄養素類より選ばれる1種または2種以上の栄養素と少量の緑茶粉末との混合物を添加して混合したものを、粉砕機で粉末にする方法である。粉砕機としては、上記その1と同じものが使用される。
その4
緑茶粉末に、緑茶に含まれる栄養素類より選ばれる1種または2種以上の栄養素を添加して混合する方法である。
これらの製造方法のうち、茶臼で挽く場合、特にその3の方法が均一な製品を製造する方法として推奨される。
製造された緑茶粉末は篩にかけたのち、必要に応じてガスバリヤー性、耐水性、光遮断性等を有する各種の包装容器に、真空包装方法や窒素ガス充填方法によって充填される。例えば、6gの緑茶粉末に1日分の栄養素を添加したものを3回に分けて摂取する場合、2g入りの分包詰めとすれば便利である。また、カプセルに封入したものを服用することもできる。
【0005】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を実施例で説明する。
実施例1
碾茶100gにビタミンCの微粉末1,700mgを加えて混合したのち、茶臼で3時間かけて挽いた。得られた抹茶をアルミ箔ラミネートフィルム(表面から、ポリエステル/アルミ箔/ポリエチレンで構成)のパックに2gずつ入れ、真空チャンバー内で空気を除去したのち、窒素ガスを充填してシールした。
実施例2
抹茶10gにビタミンCの粉末3,500mg、ビタミンE1,700mg(酢酸トコフェロール20%およびデキストリン80%含有粉末)、デキストリン(日本食品加工(株)製、クラスターデキストリン)1gおよびメチルセルロース(信越化学工業(株)製、メトローズSM−15)0.5gを加えて混合した。これを碾茶90gと混合したのち、茶臼で3時間かけて挽いた。得られた抹茶をアルミ箔ラミネートフィルム(表面から、ポリエステル/アルミ箔/ポリエチレンで構成)のパックに2gずつ入れ、真空チャンバー内で空気を除去したのち、窒素ガスを充填してシールした。得られた抹茶は冷水にもよく分散した。
実施例3
碾茶100g、ビタミンCの粉末3,500mg、葉酸の粉末5,000μgおよびビタミンE5,500mg(酢酸トコフェロール20%およびデキストリン80%含有粉末)をボールミルに入れ、7時間かけて粉砕した。得られた緑茶粉末を篩にかけた。これをアルミ箔ラミネートフィルム(表面から、ポリエステル/アルミ箔/ポリエチレンで構成)のパックに2gずつ入れ、真空チャンバー内で空気を除去したのち、窒素ガスを充填してシールした。
実施例4
抹茶10gにビタミンCの粉末3,000mg、葉酸の粉末9,000μg、ビタミンE3,500mg(酢酸トコフェロール20%およびデキストリン80%含有粉末)、クエン酸鉄700mg、グルコン酸亜鉛1,400mgおよびグルコン酸銅140mgを加えて混合した。これを碾茶90gと混合したのち、茶臼で3時間かけて挽いた。得られた抹茶をアルミ箔ラミネートフィルム(表面から、ポリエステル/アルミ箔/ポリエチレンで構成)のパックに2gずつ入れ、真空チャンバー内で空気を除去したのち、窒素ガスを充填してシールした。
実施例5
碾茶60g、煎茶30g、抹茶10g、ビタミンCの粉末4,500mg、葉酸の粉末7,000μg、およびビタミンE2,700mg(酢酸トコフェロール20%およびデキストリン80%含有粉末)を混合した。これを茶臼で3時間かけて挽いた。得られた緑茶粉末をアルミ箔ラミネートフィルム(表面から、ポリエステル/アルミ箔/ポリエチレンで構成)のパックに各2g入れ、真空チャンバー内で空気を除去したのち、窒素ガスを充填してシールした。
実施例6
オリゴ糖7gとビタミンCの粉末3gを混合した。これを抹茶50gに加えて混合した。得られた緑茶粉末をアルミ箔ラミネートフィルム(表面から、ポリエステル/アルミ箔/ポリエチレンで構成)のパックに各2g入れ、真空チャンバー内で空気を除去したのち、窒素ガスを充填してシールした。
【表2】
【表3】
【0006】
【発明の効果】
緑茶には、カテキン類、ビタミン類、ミネラル類、アミノ酸類、食物繊維など、数多くの水に可溶な成分と不溶な成分がバランスよく含まれている。特に、カテキン類および4種類の抗酸化栄養素と呼ばれているβ−カロテン、ビタミンC、ビタミンEおよび葉酸は、生活習慣病の予防に大きな効果があることが実証されている。したがって、緑茶に含まれる成分のすべてを、まるごと摂取してこそ、その効果が発揮される。しかし、緑茶の一日の飲用量には限度があり、それだけでは栄養素量が不足する。
本発明の栄養素強化緑茶粉末は、緑茶に含まれる栄養素を添加して補充し、高機能化させたものである。これを健康食品として、毎日適量を飲むことによって、生活習慣病の予防等、健康づくりに大きく寄与しうるものである。
【発明の属する技術分野】
本発明は栄養素強化緑茶粉末とその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
栄養素の強化による緑茶の高機能化の必要性とその背景について述べる。
分子生物学は、生命現象の法則性を分子のレベルで解明しようという先端科学であるが、この分子生物学のめざましい進歩によって、人間の健康度は、個々の細胞の健康度によって決定されていることがわかってきた。
人間の体は60兆もの細胞で成り立っているが、個々の細胞は、まるでミクロの人間のように食物を摂取し、老廃物を排泄し、増殖している。その細胞のひとつひとつは、すべて栄養素によってつくられている。そのひとつひとつの細胞が必要とする栄養素を十分に摂取できていることが人の健康の大前提である。逆に、ひとつひとつの細胞が必要とする栄養素を十分に摂取できていなければ、細胞は衰え、人の健康や若さを失うこととなる。その結果、日々の生活の中で体の回復力は衰え、病気になりやすくなり、寿命を縮めてしまうことになりかねない。つまり、人が若々しさを保ち元気でいるためには、健康的な細胞をできる限り減らさないことが必要である。そのためには、細胞が必要としている栄養素を十分に摂取することが必須条件となる。
人間は対外から栄養素を取り入れてエネルギーとしたり、血や肉、骨を作らなければ生きていくことができない。また、生きていく限り、体の古い細胞は新しい細胞と入れ替えなければならないし、日々のエネルギーを消費しているから、それを補う必要がある。こうした人間の体をつくったり、活動のエネルギーになるのが、炭水化物、たんぱく質、脂肪の三大栄養素である。
これらの三大栄養素は、細胞が摂取しやすい形になるまで消化され、数百種類もの酵素の働きによって炭水化物はブドウ糖などの単糖類に、タンパク質はアミノ酸に、脂肪は脂肪酸とグリセリンに分解される。こうして吸収されやすい形となった栄養素が各細胞に送られ、それぞれ与えられた役割をはたしていく。しかし、これだけの栄養素では決定的に栄養不足である。これら三大栄養素の働きをスムーズに働かせるための重要な潤滑油の役割を担っているのがビタミンとミネラルである。また、食物繊維も健康に欠かせない栄養素のひとつである。
さらに最近の医学では成人病や老化の主な原因は「活性酸素」によるものであり、この「活性酸素」が体の細胞を攻撃し、一つ一つの細胞をだめにしてしまっているという説が一般的になっている。
活性酸素は人間が呼吸する限り体内に発生するが、普通の呼吸によって発生する活性酸素は、体が作りだす抗酸化物質によって消去される。しかし、現代生活を取り巻く放射線や電磁波、車の排気ガス、食品添加物、医薬品、農薬などの化学物質による環境の悪化や酒、だばこ、ストレス、紫外線などによって大量に発生する活性酸素は、強力な抗酸化物質であるビタミンA、C、Eやミネラルなどの食物を通じて体の外から、たえず摂取しなければならない。
地球上で活性酸素の影響を一番受けながら、たくましくて生きている生物は「植物」である。植物は否応なしに紫外線を全身に浴び、そのために当然体内には大量の活性酸素が発生し、これとたえず戦っている。もし植物が体内に発生する活性酸素によって傷ついてしまえば、その植物はたちまち枯れてしまうことになる。こう考えていけば、「植物の中にこそ、ビタミンA、C、E、葉酸、さらにはミネラルなどの活性酸素を防ぐ物質がたくさん含まれている」ということが容易に理解できる。しかし、成人病を予防し若さと健康を保つために必要な栄養素は、本来ならば毎日の食生活で取る野菜や果物、肉・魚類などの中から自然に体の中へ取り込まなければならないが、現代のように、バランスの悪い食生活を営み、ましてや環境的に汚染され栄養分の少なくなった食物を食べていたのでは、一日に必要なビタミン、ミネラル、食物繊維を摂取できるはずもない。
例えば、表1に「日本食品標準成分表」(科学技術庁資源調査会編、二・三・四および五訂版)の中で、ホウレン草100gの中に含まれているビタミンCの含有量の経年変化を比較した結果を示す。それによると、1950年には150mgあったものが、次第に減少し、2000年には35mgしか含まれていない。1950年当時と比べると、実に4分の1の栄養分しかない。一方、表2に示されているように、成人一人、一日あたりのビタミンCの摂取基準は100mgとされている。したがって、ホウレン草のみから所要量のビタミンCを摂取しょうとすれば、300gも必要となる。
食物自体の栄養不足の原因は、化学肥料の普及によって自然破壊された土壌によるミネラル含有量の激減や食品の生成段階で多くの栄養素が破壊されるなどが考えられている。
幸いなことに日本人には古くから、一日中たえず緑茶を飲む習慣があった。茶は周知のように、古くから薬用や嗜好品として用いられてきた。表2に示したように、近代科学の発展によって、茶にはカテキン類、カフェイン、ビタミンC、ビタミンE、β−カロテン、葉酸;カリウム、カルシウム、マグネシウムなどのミネラル類、食物繊維、このほかテアニンなどのアミノ酸類、クロロフィル、サポニン、香気成分など数多くの水に可溶性、不溶性の成分が含まれていることが明らかにされてきた。同時に、それらの成分の生理機能も解明されてきた。
その結果、最近の健康ブーム、特に生活習慣病の予防と相俟って、茶の健康への大いなる寄与が再認識され注目されている。すなわち、茶にはカテキン類やビタミン類を中心として、抗がん作用、抗酸化作用、動脈硬化抑制作用、血圧上昇抑制作用、血糖値上昇抑制作用、脳卒中予防作用、心臓病予防作用、抗糖尿病作用、肝機能保護作用、抗肥満作用、抗菌作用、抗う蝕(虫歯)、抗歯周病作用、抗アレルギー作用、抗ウイルス作用、ダイオキシン排泄作用、美肌効果、消臭効果など、多様な作用効果のあることが実証されている。(たとえば、村松敬一郎ほか編:「茶の機能−生体機能の新たな可能性−」、学会出版センター(2002);村松敬一郎編:「茶の科学」、朝倉書店(2000)など)
その茶の有効性については、次のような統計がある。(厚生省編:[人口動態統計]1969〜1982年)
それによれば、がんの部位別の標準化死亡比(SMR)によると、静岡県のがん死亡率は、男女とも全国平均に比べて非常に低い。SMRとは、がんのような成人病の場合、年齢構成の影響を強く受けるので、市町村の人口の年齢構成を補正して死亡率を算出するものである。これによると、静岡県中・西部で胃がんのSMRが極めて低い。さらにこれらの地域の中でも、緑茶生産地ほどこの傾向が強い。例えば、緑茶生産地として全国的にも知られている中川根町では、胃がんのSMRが男 20.8、女29.2と著しく低く、全国値の約5分の1(男性)となっている。これに対して、同じ静岡県内でも東部に位置する非生産地の胃がんSMRは、男女とも全国平均かそれ以上となっている。また、同地域の35歳以上、70歳未満の住民を対象に行われた、性別、年齢別の緑茶摂取状況の調査では、SMRの低い地域の住民の方が、男女とも緑茶を良く飲み、茶葉を繁茂に取り替え、やや濃いめのものを飲んでいる傾向があった。
しかし、今日私たち日本人は、欧米型の食生活が普及するにつれて飲茶に接する機会が減少してきている。私たちが自分の健康に関心を持つ時、気になるコレステロール、あるいはそれによって誘発される動脈硬化、高血圧、狭心症、心筋梗塞、糖尿病など生活習慣病と呼ばれる現代的な病気は、欧米型食生活の普及とともに私たちの間に大きな問題として広がってしまった。この欧米型症状の増加と、飲茶に接する機会が減少していることは、私たちが健康を維持、増進していく上で大きな関連があると考えられる。
このため、日常不足するビタミン類やミネラル類を補給するために、従来これらを人工的に配合した数多くの栄養補助食品なるものが用いられている。これらの中には緑茶から抽出したカテキンを添加したものも見うけられる。
ここで、緑茶には上記のように数多くの栄養素が含まれているが、例えば1日の飲用量を5〜10gとした場合、ビタミンCや葉酸などのビタミン類、その他ミネラルなど、その中に含まれる栄養素の分量だけでは不十分なものが多い。この不足分の栄養素は勿論、他の食品から摂取することもできる。
しかしながら、緑茶に含まれるカテキンやテアニンなど他の薬効成分や風味を保持させながら、緑茶が本来含有している自然指向型の栄養素を強化したものが望まれる。
特に4種類の抗酸化栄養素と呼ばれているβ−カロテン、ビタミンC、ビタミンE、および葉酸は、上記のような生活習慣病の予防に効果があることで専門家の意見が一致している。(米国カリフォルニア州立大学バークレー校出版、「ウェルネス・レター」1994年1月号)。これらの有効成分はすべて緑茶に含まれている。
また、ビタミンとミネラルは、互いに協力しあうことで体に作用する。ビタミンだけでもミネラルだけでも何の役にも立たない。ビタミンが役割を果たすためにはミネラルの助けが必要で、ミネラルが役割を果たすためにはビタミンが不可欠であることが明らかにされている。また、例えば水溶性のビタミンCと脂溶性のビタミンEが体内で脂質の過酸化を抑える相補的抗酸化作用のあること、カルシウムとマグネシウムの相互作用で心筋梗塞が予防されることなどが解明されている。
このように、栄養素が相互に作用しあうことによって健康効果が発現される。その観点から、緑茶は栄養バランスに優れた理想的な機能性食品である。
緑茶には前記のように、水に可溶性、不溶性の数多くの成分が含まれている。これらを総合して、一般には緑茶には薬効成分が多いという固定観念的な考えが定着していることは下記の例からも否めない。
一般には緑茶を熱湯で浸出した、主として水溶性成分のみを飲む場合が多い。現在、この緑茶浸出液にビタミンCやさらにこれに難消化性デキストリンを添加したものなどが、数多くの飲料メーカーから市販されている。しかし、これらには有効なβ−カロテンやビタミンEなどの脂溶性成分が含まれていないことは誠に勿体ないことである。また、多量の砂糖と少量の抹茶を混合したものや、多量の脱脂粉乳とグラニュー糖に抹茶加えたものが、泡立つ抹茶として「抹茶はビタミンCを多く含み、食物繊維をそのままとることができる健康飲料」なる表示のもとで販売されている。これらはいずれも抹茶風味のある飲料であって、決して抹茶飲料そのものではなく、誤解を招きやすい。栄養面からは緑茶そのものを、「まるごと食べる」ことによって効果が発揮されるのであって、その必要性を十分に認識しなければならない。
例えば、緑茶(抹茶や煎茶)と同じように飲用されているコーヒーの成分を比較した結果を表3に示す。これからも、緑茶そのものが非常に栄養バランスに優れていることは明らかである。しかし、毎日飲用する量には限度がある。その飲用量に対して不足する栄養素を添加して強化し、かつ自然の恵みである緑茶の特性を生かしたものを飲用に供すことは健康にとって大きな意義がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記のような欧米型食生活による栄養の偏りから生じる問題を解決すべく、栄養バランスに優れた緑茶に注目して鋭意検討がなされたものである。
すなわち、緑茶に含まれる栄養素を強化した緑茶粉末を、毎日適量を飲むことで、一日に必要とされる栄養素摂取量が補充できるように調整して、生活習慣病の予防など、健康づくりに大きく寄与する栄養素強化緑茶粉末とその製造方法を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
緑茶粉末が、緑茶に含まれる栄養素より選ばれる1種または2種以上の栄養素を添加して補充したものを含有するものである栄養素強化緑茶粉末とその製造方法を提供することにある。
緑茶粉末は、緑茶の茶葉を茶臼やボールミルなどの粉砕機で微粉末に粉砕したものである。一般には、碾茶(てん茶)を微粉末にした抹茶が好ましく使用される。
添加される栄養素は、緑茶に含まれるものである。例えば、ビタミン類として、β−カロテン、ビタミンC、ビタミンE、ビタミンK、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンB12、葉酸、パントテン酸、ナイアシンなどが挙げられる。ミネラル類は、カリウム、カルシウム、マグネシウム、リン、鉄、亜鉛、銅、マンガンなどである。食物繊維は、特に水溶性のものである。このほか、テアニンやグルタミン酸などのアミノ酸類も添加できる。ここで、ビタミン類のうちでも、前述したように4種類の抗酸化栄養素と呼ばれているβ−カロテン、ビタミンC、ビタミンEおよび葉酸は、特に生活習慣病の予防に効果があるので、これらを添加して強化したものが望ましい。これらのうち、β−カロテンは脂溶性成分として、その必要量は緑茶粉末に含まれているので、通常は添加する必要はない。また、ビタミンCとビタミンEは人体内で相補的効果のあること、および緑茶自体の変質を抑制させる効果があるために、これらを併用して使用することが望ましい。このほか、ビタミンとビタミン、ビタミンとミネラル、ミネラルとミネラルなどの組み合わせによる各種の作用効果が解明されているので、それに基づいて、適切な組み合わせを選定すればよい。
これらの栄養素の添加量は、一日に飲食する緑茶粉末の量と、一日あたりの栄養素の摂取基準によって、調整すればよい。ただし、摂取基準に上限値のあるものは、その値を超えないように、十分配慮すべきである。また、これらの栄養素は、日常飲食する他の食物からも摂取できることも考慮する必要がある。したがって、すべての栄養素の所要量を緑茶粉末のみから摂取する必要はない。
ここで、抹茶の飲用量とこれに補充すべき栄養素の量について説明する
通常、抹茶に湯を注いで茶筅でかき混ぜて飲まれている薄茶は、一碗あたり2g程度の抹茶が使用されている。また、必須ビタミンと呼ばれているビタミンCは、2〜3時間で体外に排泄されてしまう。このビタミンCの血液中の濃度は常に一定して高レベルに保っていることが重要である。このため、最も望ましい効果を得るにはタイム・リリースに摂取しなければならない。
これらを勘案すれば、一般に抹茶の飲用量は、一回2g、一日3杯を基準にすることが適当と考えられる。したがって、一日6gの抹茶に対応した不足分の栄養素の補充量を設定すればよい。これによって、緑茶に含まれる栄養素類から発現される健康効果は確保されると考えられる。
さらに、本発明の栄養素強化緑茶粉末の製造工程または製造後に、必要に応じて甘味料、界面活性剤、乳化剤、分散安定剤、pH調整剤、酸味料、調味料、他栄養素などを添加することができる。
ここで、特に緑茶粉末を冷水に分散させて飲む場合、少量の界面活性剤、乳化剤、分散安定剤などを加えておくと分散が容易で、粉末の凝集物であるダマもできない。
つぎに、栄養素強化緑茶粉末の製造方法について説明する。
その1
緑茶の茶葉に、緑茶に含まれる栄養素類より選ばれる1種または2種以上の栄養素を添加して混合したものを、粉砕機で粉末にする方法である。粉砕機としては、一般に茶臼またはボールミルが使用され、連続的または回分的に製造する方法である。
その2
緑茶の茶葉に、緑茶に含まれる栄養素類より選ばれる1種または2種以上の栄養素と少量の緑茶粉末を添加して混合したものを、粉砕機で粉末にする方法である。粉砕機としては、上記その1と同じものが使用される。
その3
緑茶の茶葉に、緑茶に含まれる栄養素類より選ばれる1種または2種以上の栄養素と少量の緑茶粉末との混合物を添加して混合したものを、粉砕機で粉末にする方法である。粉砕機としては、上記その1と同じものが使用される。
その4
緑茶粉末に、緑茶に含まれる栄養素類より選ばれる1種または2種以上の栄養素を添加して混合する方法である。
これらの製造方法のうち、茶臼で挽く場合、特にその3の方法が均一な製品を製造する方法として推奨される。
製造された緑茶粉末は篩にかけたのち、必要に応じてガスバリヤー性、耐水性、光遮断性等を有する各種の包装容器に、真空包装方法や窒素ガス充填方法によって充填される。例えば、6gの緑茶粉末に1日分の栄養素を添加したものを3回に分けて摂取する場合、2g入りの分包詰めとすれば便利である。また、カプセルに封入したものを服用することもできる。
【0005】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を実施例で説明する。
実施例1
碾茶100gにビタミンCの微粉末1,700mgを加えて混合したのち、茶臼で3時間かけて挽いた。得られた抹茶をアルミ箔ラミネートフィルム(表面から、ポリエステル/アルミ箔/ポリエチレンで構成)のパックに2gずつ入れ、真空チャンバー内で空気を除去したのち、窒素ガスを充填してシールした。
実施例2
抹茶10gにビタミンCの粉末3,500mg、ビタミンE1,700mg(酢酸トコフェロール20%およびデキストリン80%含有粉末)、デキストリン(日本食品加工(株)製、クラスターデキストリン)1gおよびメチルセルロース(信越化学工業(株)製、メトローズSM−15)0.5gを加えて混合した。これを碾茶90gと混合したのち、茶臼で3時間かけて挽いた。得られた抹茶をアルミ箔ラミネートフィルム(表面から、ポリエステル/アルミ箔/ポリエチレンで構成)のパックに2gずつ入れ、真空チャンバー内で空気を除去したのち、窒素ガスを充填してシールした。得られた抹茶は冷水にもよく分散した。
実施例3
碾茶100g、ビタミンCの粉末3,500mg、葉酸の粉末5,000μgおよびビタミンE5,500mg(酢酸トコフェロール20%およびデキストリン80%含有粉末)をボールミルに入れ、7時間かけて粉砕した。得られた緑茶粉末を篩にかけた。これをアルミ箔ラミネートフィルム(表面から、ポリエステル/アルミ箔/ポリエチレンで構成)のパックに2gずつ入れ、真空チャンバー内で空気を除去したのち、窒素ガスを充填してシールした。
実施例4
抹茶10gにビタミンCの粉末3,000mg、葉酸の粉末9,000μg、ビタミンE3,500mg(酢酸トコフェロール20%およびデキストリン80%含有粉末)、クエン酸鉄700mg、グルコン酸亜鉛1,400mgおよびグルコン酸銅140mgを加えて混合した。これを碾茶90gと混合したのち、茶臼で3時間かけて挽いた。得られた抹茶をアルミ箔ラミネートフィルム(表面から、ポリエステル/アルミ箔/ポリエチレンで構成)のパックに2gずつ入れ、真空チャンバー内で空気を除去したのち、窒素ガスを充填してシールした。
実施例5
碾茶60g、煎茶30g、抹茶10g、ビタミンCの粉末4,500mg、葉酸の粉末7,000μg、およびビタミンE2,700mg(酢酸トコフェロール20%およびデキストリン80%含有粉末)を混合した。これを茶臼で3時間かけて挽いた。得られた緑茶粉末をアルミ箔ラミネートフィルム(表面から、ポリエステル/アルミ箔/ポリエチレンで構成)のパックに各2g入れ、真空チャンバー内で空気を除去したのち、窒素ガスを充填してシールした。
実施例6
オリゴ糖7gとビタミンCの粉末3gを混合した。これを抹茶50gに加えて混合した。得られた緑茶粉末をアルミ箔ラミネートフィルム(表面から、ポリエステル/アルミ箔/ポリエチレンで構成)のパックに各2g入れ、真空チャンバー内で空気を除去したのち、窒素ガスを充填してシールした。
【表2】
【表3】
【0006】
【発明の効果】
緑茶には、カテキン類、ビタミン類、ミネラル類、アミノ酸類、食物繊維など、数多くの水に可溶な成分と不溶な成分がバランスよく含まれている。特に、カテキン類および4種類の抗酸化栄養素と呼ばれているβ−カロテン、ビタミンC、ビタミンEおよび葉酸は、生活習慣病の予防に大きな効果があることが実証されている。したがって、緑茶に含まれる成分のすべてを、まるごと摂取してこそ、その効果が発揮される。しかし、緑茶の一日の飲用量には限度があり、それだけでは栄養素量が不足する。
本発明の栄養素強化緑茶粉末は、緑茶に含まれる栄養素を添加して補充し、高機能化させたものである。これを健康食品として、毎日適量を飲むことによって、生活習慣病の予防等、健康づくりに大きく寄与しうるものである。
Claims (6)
- 緑茶粉末が、緑茶に含まれる栄養素類より選ばれる1種または2種以上の栄養素を添加して補充したものを含有することを特徴とする栄養素強化緑茶粉末。
- 緑茶粉末が、添加して補充したビタミン類、ミネラル類および食物繊維より選ばれる1種または2種以上の栄養素を含有するものである請求項1に記載の栄養素強化緑茶粉末。
- 緑茶の茶葉に、緑茶に含まれる栄養素類より選ばれる1種または2種以上の栄養素を添加して混合したものを粉砕機で粉末にすることを特徴とする栄養素強化緑茶粉末の製造方法。
- 緑茶の茶葉に、緑茶に含まれる栄養素類より選ばれる1種または2種以上の栄養素と少量の緑茶粉末を添加して混合したものを粉砕機で粉末にすることを特徴とする請求項3に記載の栄養素強化緑茶粉末の製造方法。
- 緑茶の茶葉に、緑茶に含まれる栄養素類より選ばれる1種または2種以上の栄養素と少量の緑茶粉末との混合物を添加して混合したものを粉砕機で粉末にすることを特徴とする請求項3に記載の栄養素強化緑茶粉末の製造方法。
- 緑茶粉末に、緑茶に含まれる栄養素類より選ばれる1種または2種以上の栄養素を添加して混合することを特徴とする栄養素強化緑茶粉末の製造方法。
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