JP6583666B2 - 煮込み食品及びその製造方法 - Google Patents
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Description
例えば、レトルトカレーの場合、ルウ、野菜・果実ピューレ、香辛料、調味液等の液体原料の混合物と、粉末調味料、粉末酸味料等の粉体原料の混合物とを組み合わせて煮込み、必要に応じて野菜・牛肉等の具材を加えて容器に充填し、加熱殺菌処理を行うことにより製造される。
各種調味材を用いた煮込み食品の製造方法としては、主にコクや煮込み感及びまろやかさを有する煮込み食品を得ることを目的とした特開2013−135618号公報、特開2015−9号公報及び特開2014−100122号公報に開示される方法や、果物類及び/又は果菜類が有するフルーツ感をバランスよく付加させた加熱殺菌済み食品を得ることを目的とした特開2015−34号公報に開示される方法が知られている。
本発明は、具体的には以下のものを提供する。
本発明は、穀物発酵物及び/又は発酵乳製品と、糖類と、油脂と、水とを含む混合物に、加熱処理及び乳化処理を施して調味材を調製する工程と、調味材に酢酸発酵物、アルコール発酵物及び発酵乳製品から選択される1種以上を添加する工程とを含む煮込み食品の製造方法に関する。
本発明は、調味材と、酢酸発酵物、アルコール発酵物及び発酵乳製品から選択される1種以上とを含む煮込み食品であって、穀物発酵物及び/又は発酵乳製品と、糖類と、油脂と、水とを含む混合物に、加熱処理及び乳化処理を施すことにより調製された調味材に、酢酸発酵物、アルコール発酵物及び発酵乳製品から選択される1種以上を添加した煮込み食品に関する。
本発明の煮込み食品は、穀物発酵物及び/又は発酵乳製品と、糖類と、油脂と、水とを含む混合物に、加熱処理及び乳化処理を施して調製した調味材を用いることにより調製される。
(穀物発酵物)
穀物発酵物は、穀類、豆類等の穀物を微生物により発酵することにより得られ、穀物に麹と塩を加えて混合したものを樽等に入れて熟成発酵させたもの等であり、特に限定されるものではないが、具体的には穀類、豆類等の味噌を挙げることができる。穀類としては、米、麦、ひえ、あわ等が挙げられる。豆類としては、大豆、小豆、そらまめ等が挙げられる。穀物発酵物の形態は、特に限定されず、液状、ペースト状、粉末状、顆粒状のいずれであってもよい。本発明においては、穀物発酵物は乾燥、顆粒化等の2次加工を施したものでもよいが、生の穀物発酵物、例えば生味噌を使用することが好ましい。これらの穀物発酵物は、必要に応じて、単独で用いても2種以上を併用してもよい。
本発明においては、調味材を調製する際に穀物発酵物を用いることが好ましく、穀物発酵物として味噌を用いることが好ましい。
なお、穀物発酵物の粒子が比較的大きく、喫食時にざらつき等の食感をなくしたい場合は、穀物発酵物を予めコミトロール(商品名、アーシェルジャパン社製)等によって処理して微粒子化しておくか、穀物発酵物を添加した混合物や調味材を、コミトロール等によって処理して微粒子化することが好ましい。
本発明においては、穀物発酵物の含有量は、混合物中のタンパク質含量で0.01質量%以上20質量%以下であることが好ましく、0.05質量%以上10質量%以下であることがさらに好ましく、0.05質量%以上5質量%以下であることが最も好ましい。このような範囲で穀物発酵物を用いることにより、得られる煮込み食品に濃厚さと煮込み感を付与し、さらに後に添加する酢酸発酵物、アルコール発酵物又は発酵乳製品の香りや風味を引き立てることが可能な調味材を調製することができる。
(発酵乳製品)
発酵乳製品は、乳原料を乳酸菌等により発酵させることにより得られるもので、発酵バター、サワークリーム、ヨーグルト及びチーズ等が挙げられる。発酵乳製品の原料となる乳原料は、特に限定されず、牛乳、山羊乳、羊乳、水牛乳、馬乳等が挙げられる。本発明においては、発酵乳製品としてヨーグルト及びチーズを用いることが好ましい。チーズとしては、特に限定されるものではなく、目的とされる風味に応じて、適宜選択すればよいが、発酵熟成工程を経たナチュラルチーズ、プロセスチーズ、具体的には、パルミジャーノチーズ、ゴーダチーズ、チェダーチーズ等を挙げることができる。これらの発酵乳製品は、必要に応じて、単独で用いても2種以上を併用してもよい。発酵乳製品の形態は、特に限定されず、液状、ペースト状、粉末状、顆粒状のいずれであってもよい。
本発明においては、発酵乳製品の含有量は、混合物中のタンパク質含量で0.01質量%以上20質量%以下であることが好ましく、0.1質量%以上10質量%以下であることがさらに好ましい。このような範囲で発酵乳製品を用いることにより、得られる煮込み食品に濃厚さと煮込み感を付与し、さらに後に添加する酢酸発酵物、アルコール発酵物又は発酵乳製品の香りや風味を引き立てることが可能な調味材を調製することができる。
穀物発酵物及び/又は発酵乳製品は、各々これらの発酵物を含む原料として用いることができる。
調味材の調製に用いる糖類としては、特に限定されるものではなく、任意の糖類を用いることができる。具体的には、ショ糖、ブドウ糖、ハチミツ、果糖、液糖等を挙げることができる他、野菜及び/又は果物の細断物等の糖類を含む原料を用いてもよい。糖類としては、特にショ糖が好ましい。これらの糖類は単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
調味材を調製する際の糖類の含有量は、混合物中0.05質量%以上80質量%以下であることが好ましく、0.5質量%以上40質量%以下であることがさらに好ましい。糖類を含む原料を用いる場合は、糖類の含有量が上記の範囲となるように用いればよい。このような含有量で糖類を配合することにより、煮込み食品に好適な風味を付与可能な調味材を調製することができる。
(油脂)
調味材の調製に用いる油脂としては、特に限定されるものではなく、任意の油脂を用いることができ、天然油脂、加工油脂、植物油脂、動物油脂及びこれらの混合物のいずれをも用いることができる。具体的には、菜種油、大豆油、パーム油及びマーガリン等の植物油脂、豚脂、牛脂及びバター等の動物油脂、ならびにこれらの2種以上の混合物から選択される油脂を用いることができる。
調味材を調製する際の油脂の含有量は、混合物中0.1質量%以上90質量%以下であることが好ましく、0.3質量%以上49質量%以下であることがさらに好ましく、0.3質量%以上40質量%以下であることが最も好ましい。
(水)
調味材の調製に用いることができる水の含有量は、混合物中1質量%以上95質量%以下であることが好ましく、10質量%以上85質量%以下であることがさらに好ましい。
本発明においては、混合物が0.1質量%以上90質量%以下の油脂及び1質量%以上95質量%以下の水分を含むことが好ましい。
(乳化剤)
本発明においては、穀物発酵物及び/又は発酵乳製品、糖類、油脂及び水を含む混合物に、さらに乳化剤を含めて調味材を調製することが好ましい。乳化剤としては、食品分野で常用される乳化剤を用いることができ、その種類は特に限定されないが、例えばグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ステアロイル乳酸カルシウム、及びレシチンからなる群から選択される少なくとも1種以上を用いることができる。乳化剤を用いることにより、乳化処理を施した調味材中の油脂と水とをより安定させた状態で保持することができ、煮込み食品により好適な香りと風味を付与することができる。
乳化剤の含有量は、混合物中0.001質量%以上2質量%以下であることが好ましく、0.01%以上1質量%以下であることがさらに好ましい。
(他の原料)
調味材を調製する際の原料として、求める食品に応じて上記以外の他の原料を用いてもよい。他の原料は特に限定されない。本発明においては、調味材を調製する際の混合物は、香辛料及びカレーパウダー等の混合した香辛料を含まないようにすることができる。これにより、穀物発酵物及び/又は発酵乳製品の自然な香りと風味を有する調味材を調製することができ、煮込み食品に各種発酵物のより自然な香りと風味が付与可能となる。
上記原料を含む混合物を加熱処理及び乳化処理して調味材を調製する。
加熱処理は、穀物発酵物及び/又は発酵乳製品と糖類等の加熱反応が促進される条件で行えばよく、例えば穀物発酵物及び/又は発酵乳製品、糖類、油脂及び水を含む混合物の品温を85℃以上とし、90℃以上160℃以下とすることが好ましく、95℃以上125℃以下とすることがさらに好ましい。上記品温での加熱処理の時間は20分以上とし、20分以上120分以下とすることが好ましい。
乳化処理は、混合物中の水と油が十分均等に混合されれば、いかなる手段を用いてもよく、混合物に剪断力が働く手段が望ましく、例えば、ミキサー等の混合手段、ホモジナイザー等の均質化処理手段、コロイドミル、微粒摩砕機又はコミトロールなどの微粉砕又は摩砕手段を用いて行うことが好ましい。本発明においては、コミトロールを使用して乳化処理を行うことがより好ましい。
本発明においては、穀物発酵物及び/又は発酵乳製品、糖類、油脂及び水を含む混合物に加熱処理を施した後乳化処理を施すか、又は混合物に加熱処理及び乳化処理を同時に施して調味材を調製することが好ましい。混合物に乳化処理を施した後加熱処理を施してもよいが、これは混合物中の油脂の含有量が低い場合、例えば0.5質量%以下である場合に適する。本発明においては、上記混合物に加熱処理を施した後に乳化処理を施すことが最も好ましい。なお、加熱処理と乳化処理を同時に行う場合には、加熱機能と乳化機能とを兼備した装置等により行うことができる。
このようにして穀物発酵物及び/又は発酵乳製品、糖類、油脂及び水を含む混合物に加熱処理及び乳化処理を施すことにより、濃厚な乳化組成物が得られると共に、水の存在下での穀物発酵物及び/又は発酵乳製品と糖類等の加熱反応が促進され、より優れた濃厚さと煮込み感を有し、各種発酵物の香りと風味を付与可能な調味材を調製することができる。つまり、このようにして調製した調味材は、後に添加する酢酸発酵物、アルコール発酵物又は発酵乳製品の芳潤で華やかな香りや風味を引き立てて、煮込み食品を喫食した際にこれらの香りや風味を感じやすくさせ、かつこれらの香りや風味を持続させることができる。
本発明の煮込み食品には、このようにして調製した調味材を5質量%以上70質量%以下含めることが好ましい。
ルウは、小麦粉及び/又は澱粉と、食用油脂とを含む原料を常法により加熱処理して得られたものを用いることができる。
調味料としては、特に限定されるものではなく、従来公知の調味料を使用することができる。例えば、エキス類(畜肉エキス、魚介エキス、野菜エキス、酵母エキス)、食塩等の無機塩、糖類、アスコルビン酸、リンゴ酸、クエン酸、脂肪酸等のカルボン酸等の酸、グルタミン酸ナトリウム、グリシン、アラニン等のアミノ酸系調味料、イノシン酸ナトリウム、グアニル酸ナトリウム等の核酸系調味料、コハク酸ナトリウム等の有機酸系調味料等が挙げられる。
香辛料としては、例えば、カルダモン、クローブ、ナツメグ、フェヌグリーク、ローレル、フェンネル、コリアンダー、クミン、キャラウェー、タイム、セージ、陳皮、胡椒、唐辛子、マスタード、ジンジャー、ターメリック、パプリカ等から選択される1種類を用いることができる。複数種の香辛料を混合した香辛料としては、例えばカレーパウダーを挙げることができ、上記の香辛料から選ばれる2種以上、好ましくは5種以上を含むものを用いることができる。
本発明においては、上記のようにして調味材を調製した後、調味材に酢酸発酵物、アルコール発酵物及び発酵乳製品から選択される1種以上を添加する。すなわち、上記の調味材と酢酸発酵物等と必要により他の材料とを合わせて煮込み食品を製造する。
酢酸発酵物としては、酢酸菌の作用によりアルコールから酢酸を生じさせたもので、ビネガー、特にワインビネガー及びバルサミコ酢等が挙げられる。アルコール発酵物としては、糖を分解してアルコールを生じさせたもので、洋酒、ワイン等が挙げられる。発酵乳製品としては、調味材を調製する際に用いたものと同じもので、発酵バター、サワークリーム、ヨーグルト及びチーズ等が挙げられる。酢酸発酵物、アルコール発酵物及び発酵乳製品は各々これらの発酵物を含む原料として用いることができる。
本発明においては、ワインビネガー、バルサミコ酢、洋酒、ワイン、チーズを用いることが好ましく、バルサミコ酢を用いることがさらに好ましい。
上記調味材に酢酸発酵物、アルコール発酵物及び発酵乳製品から選択される1種以上と、必要により他の材料を合せて加熱混合する際は、例えば90℃以上100℃以下に達温させて行えばよい。
上記調味材に酢酸発酵物、アルコール発酵物及び発酵乳製品から選択される1種以上を添加することにより、得られる煮込み食品において、これらの発酵物が有する特有の芳潤で華やかな香りや風味を付与することができる。また、加熱殺菌処理済食品においては、加熱殺菌処理又は保存中に食品の香りや風味が損なわれやすい傾向にあるが、本発明によれば、本発明の煮込み食品をレトルト食品等の加熱殺菌処理済食品とした場合であっても、上記効果を達成することができる。
ここで、(a)調味材を調製する際に用いる穀物発酵物及び/又は発酵乳製品と、(b)これに添加する酢酸発酵物、アルコール発酵物又は発酵乳製品との関係について説明する。両者の好ましい組み合わせとしては次のものが挙げられる。
<(a)調味材に用いる発酵物+(b)調味材に添加する発酵物>
(1)穀物発酵物+酢酸発酵物
(2)穀物発酵物+アルコール発酵物
(3)穀物発酵物+発酵乳製品
(4)穀物発酵物+酢酸発酵物及びアルコール発酵物
(5)穀物発酵物+酢酸発酵物及び発酵乳製品
(6)穀物発酵物+アルコール発酵物及び発酵乳製品
(7)穀物発酵物+酢酸発酵物、アルコール発酵物及び発酵乳製品
(8)発酵乳製品+酢酸発酵物
(9)発酵乳製品+アルコール発酵物
(10)発酵乳製品+発酵乳製品
(11)発酵乳製品+酢酸発酵物及びアルコール発酵物
(12)発酵乳製品+酢酸発酵物及び発酵乳製品
(13)発酵乳製品+アルコール発酵物及び発酵乳製品
(14)発酵乳製品+酢酸発酵物、アルコール発酵物及び発酵乳製品
以上の組み合わせの中でも特に(1)、(4)、(7)、(8)、(11)、(12)及び(14)が好ましく、(1)、(4)及び(7)がさらに好ましい。
本発明においては、(b)調味材に添加する発酵物の含有量は、煮込み食品中0.1質量%以上25質量%以下であることが好ましく、0.5質量%以上15質量%以下であることがさらに好ましい。
さらに、(a)調味材に用いる発酵物と(b)調味材に添加する発酵物との質量の比率は、(a)1に対して(b)0.005以上250以下とすることが好ましい。
以上の構成によって、得られる煮込み食品において、それぞれの発酵物が有する特有の芳潤で華やかな香りや風味を好適に付与することができる。
本発明の煮込み食品は、さらに各種の具材を含んでいてもよい。
具材は、動物性のものであっても、植物性のものであってもよいが、動物性の具材としては、鶏肉、豚肉、牛肉、シーフード、卵、チーズ等、植物性の具材としては、ジャガイモ、ニンジン、ゴボウ、ダイコン等の根菜類;チェーチ、枝豆等の豆類;レンコン、アスパラ等の茎菜類;ホウレンソウ、ハクサイ、キャベツ等の葉菜類;ナス、トマト、オクラ等の果菜類;ブロッコリー、カリフラワー等の花菜類;ワカメ、ヒジキ、コンブ等の藻類;シメジ、マッシュルーム、マイタケ等のきのこ類;パイナップル、リンゴ等の果実類;及びアーモンド、ゴマ等の種子類を挙げることができる。
本発明の煮込み食品は、以上の材料を含んで、適宜調理して調製されるものを含む。本発明における煮込み食品は、カレー、シチュー、デミグラスソース、ハヤシ、パスタソース等の各種ソース、トマトスープ等の各種スープ、トマトペースト、調味材、飲料が挙げられ、カレーソースが最も好ましい。また流動状食品が望ましく、小麦粉等で粘性を付けたものが特に望ましい。
加熱殺菌は、例えば蒸気、熱水等を用いた方法により行うことができる。その条件は、求める食品の形態に応じて、殺菌を十分なものとし、食品の保存性を十分なものとするように設定すればよく、例えば、食品の温度(中心温度)が60℃以上100℃以下となるように加熱殺菌処理を行うことができる。加熱殺菌処理がホットパック殺菌の場合には、食品を予め加熱しておき、容器に充填後に上記温度を5秒以上5分以下の間保持することが好ましい。加圧加熱殺菌を行う場合には、100℃を越える温度で3分以上60分以下加熱する。また、本発明の加熱殺菌処理済食品がレトルト食品である場合、レトルト処理は常法により行うことができる。例えば120℃以上125℃以下の温度で、3分以上60分以下加熱することにより、レトルト処理することができる。
<煮込み食品の調製>
(実施例1〜7)
表1に示す原料(配合量は質量%を示し、全ての原料の総量100質量%に対する比率を示す)のうち、大豆味噌(生味噌、タンパク質含量10質量%、水分40質量%)、砂糖、油脂、乳化剤及び水を加熱釜に入れ、撹拌しながら98℃の達温で30分間加熱処理を行った。加熱処理を行った混合物をコミトロールに投入して乳化処理を行った。このようにして得られた調味材を、小麦粉ルウ、調味料、香辛料及び水と合わせて95℃に達温させて加熱混合し、バルサミコ酢を添加してカレーソースを調製した。カレーソースをパウチに充填密閉し、レトルト殺菌処理を施した。
(実施例8)
加熱処理と乳化処理を、加熱機能と乳化機能とを兼備した装置を用いて同時に行ったこと以外は、実施例1と同様にレトルトカレーを調製した。
(実施例9)
加熱釜に入れる前の原料をコミトロールに投入して乳化処理を行った後加熱釜に入れ、同様に加熱処理を行って得られた調味材を用いたこと以外は、実施例1と同様にレトルトカレーを調製した。すなわち、乳化処理の後加熱処理を行ったこと以外は実施例1と同様にレトルトカレーを調製した。
(実施例10)
大豆味噌及びバルサミコ酢の代わりにそれぞれそら豆味噌(生味噌、タンパク質含量17質量%、水分45質量%)及びワインを用い、カレーパウダーを含まない香辛料を用い、表1に示す原料を用いたこと以外は、実施例1の方法に準じてレトルトハヤシソースを調製した。
(実施例11)
大豆味噌及びバルサミコ酢の代わりにそれぞれ粉チーズ(タンパク質含量44質量%、水分15質量%)を用い、カレーパウダーを含まない香辛料を用い、小麦粉ルウを配合しないで、表1に示す原料を用いたこと以外は、実施例1の方法に準じてレトルトパスタソースを調製した。
(比較例1)
調味材を調製する際に乳化処理を行わなかったこと以外は実施例1と同様にレトルトカレーを調製した。
(比較例2)
調味材を調製する際に加熱処理を行わなかったこと以外は実施例1と同様にレトルトカレーを調製した。
(比較例3)
調味材を調製する際に大豆味噌を用いず、大豆味噌2.5質量%を調味料に含めて調味材と合わせたこと以外は、実施例1と同様にレトルトカレーを調製した。
(比較例4)
調味材を調製する際に油脂及び乳化剤を用いず、乳化処理を行わなかったことと、油脂2.5質量%を調味料に含めて調味材と合わせたこと以外は、実施例1と同様にレトルトカレーを調製した。
(比較例5)
バルサミコ酢の代わりにブドウ果汁5質量%を用いたこと以外は、実施例1と同様にレトルトカレーを調製した。
実施例及び比較例で調製した煮込み食品を喫食温度まで温め、「トップの発酵物の香り・風味」、「発酵物の香り・風味の持続」、「濃厚さと煮込み感」及び「一体感」について、以下の基準を用いて10名のパネリストの官能評価により5段階で評価した。
[トップの発酵物の香り・風味]
5:口にいれた瞬間に、発酵物の芳潤な香りと風味を感じる。
4:口にいれた瞬間に、発酵物の芳潤な香りと風味を感じるが、程度が5より弱い。
3:発酵物の香りと風味は感じるが、香り立ちがやや遅く、程度もやや弱い。
2:発酵物の香りと風味を感じにくく、香り立ちがやや遅い。
1:発酵物の香りと風味を感じない。
[発酵物の香り・風味の持続]
5:発酵物の芳潤な香りと風味が口の中で持続し、余韻として残る。
4:発酵物の芳潤な香りと風味は口の中で持続し、余韻として残るが5より弱い。
3:発酵物の芳潤な香りと風味がある程度続くが、余韻が弱い。
2:発酵物の芳潤な香りと風味の消失が早く、余韻として残らない。
1:発酵物の芳潤な香りと風味が即座に消失する。
[濃厚さと煮込み感]
5:加熱反応による複雑な香味を有し、深いコクを感じる。
4:加熱反応による複雑な香味を有し、深いコクを感じるが5より弱い。
3:加熱反応による複雑な香味が弱く、コクもやや弱い。
2:加熱反応による複雑な香味がなく、コクも感じにくい。
1:加熱反応による複雑な香味がなく、コクも感じない。
[一体感]
5:発酵物以外の原料の風味の突出がなく、全体的にまとまりがある。
4:発酵物以外の原料の風味の突出は小さいが、5ほどまとまりがない。
3:発酵物以外の原料の風味がやや突出しており、まとまりにやや欠ける。
2:発酵物以外の原料の風味が突出しており、まとまりが弱い。
1:発酵物以外の原料の風味を強く感じ、まとまりが全くない。
実施例及び比較例の評価結果を表1及び表2に示す。
Claims (5)
- 味噌と、糖類と、油脂と、水とを含む混合物に、加熱処理及び乳化処理を施して調味材を調製する工程と、
前記調味材に、酢酸発酵物、アルコール発酵物及び発酵乳製品から選択される1種以上を添加して煮込み食品を調製する工程と、
前記煮込み食品を加熱殺菌処理する工程と
を含む加熱殺菌処理済煮込み食品の製造方法。 - 前記混合物がさらに乳化剤を含む請求項1に記載の加熱殺菌処理済煮込み食品の製造方法。
- 前記混合物が0.1質量%以上90質量%以下の油脂及び1質量%以上95質量%以下の水分を含む請求項1又は2に記載の加熱殺菌処理済煮込み食品の製造方法。
- 前記混合物に加熱処理を施した後乳化処理を施すか、又は混合物に加熱処理及び乳化処理を同時に施して調味材を調製する請求項1から3のいずれか1項に記載の加熱殺菌処理済煮込み食品の製造方法。
- 煮込み食品がカレーである請求項1から4のいずれか1項に記載の加熱殺菌処理済煮込み食品の製造方法。
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