JP2020000184A - 水中油型乳化酸性調味料 - Google Patents

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Abstract

【課題】卵黄のみでなく卵白も含有する水中油型乳化酸性調味料において、酸臭が低減され、かつ調味料全体の風味のバランスのよい水中油型乳化酸性調味料を提供する。【解決手段】卵黄の含有量が10重量%以下でかつ卵白を含有する水中油型乳化酸性調味料において、エタノールを0.8ppm〜60ppm含有させる。【選択図】なし

Description

本発明は、酸臭の低減された水中油型乳化酸性調味料に関する。
ドレッシングは、食用植物油脂と食酢または柑橘類の果汁を主原材料として、食塩、砂糖類、香辛料等を加えて調製される調味料であり、水中油型に乳化した乳化液状ドレッシング、マヨネーズ等の半固体状の乳化調味料等の食酢を含有する水中油型乳化酸性調味料は人気が高く、種々の製品が上市されている。
かかる水中油型乳化酸性調味料では、酸度を制御して微生物の増殖を抑制するという観点からも、食酢が主原料として含有されるが、食酢として一般的に用いられる醸造酢は刺激的な酸臭を有し、かかる酸臭が酸味を強く感じさせるため、酸味が苦手な消費者には受け入れられない傾向がある。
それゆえ、水中油型乳化酸性調味料の酸臭を低減させるべく、その主原料である食酢について、刺激臭を低減する技術が提案されている。
たとえば、特許文献1では、アルコール濃度が低く、ひいては酢酸エチル濃度を低下させることができて、刺激性の小さいマイルドな高酸度食酢を提供すべく、酸度が10%以上でアルコール濃度が0.1容量%未満に低下する時までに、生酸速度を0.002%〜0.080%/時間の範囲となるように低下させて、アルコール濃度が0.1容量%未満まで発酵させることを特徴とする深部培養法による高酸度食酢の製造方法が提案されている。
また、特許文献2では、品温が40℃〜70℃の原料食酢を、加熱することなく、60mmHg〜160mmHgの減圧気相に接触させて蒸発物を除去することにより、酢酸エチル臭のしない食酢を製造する方法が提案されている。
さらに、特許文献3では、刺激臭が弱く、かつ刺激味が低減された高酸度のホワイトビネガーとして、酸度が10(w/v)%〜25(w/v)%であり、かつ、酢酸100重量部あたり、0.04容量部〜0.4容量部の酢酸エチル、0.01容量部〜1.33容量部のエタノールおよび0.00007重量部〜0.007重量部のクエン酸を含有するホワイトビネガーが提案され、該ホワイトビネガーを用いたマヨネーズが例示されている。
しかしながら、食酢の酸臭が低減され過ぎると、食酢を調味料に含有させた際の酸臭が弱くなり過ぎて、調味料の全体の風味のバランスが悪くなってしまうことがある。特に、卵黄のみでなく卵白も含有するマヨネーズ等の水中油型乳化酸性調味料は、まろやかな風味を有するが、かかる調味料では、卵黄のみを用いた水中油型乳化酸性調味料に比べて酸味を感じにくく、上記特許文献等に開示される技術を応用しても、風味の良い水中油型乳化酸性調味料を得ることは困難である。
特開2004−248620号公報 特開平7−075543号公報 特開平11−178565号公報
そこで、本発明は、卵黄のみでなく卵白も含有する水中油型乳化酸性調味料において、酸臭が低減され、かつ調味料全体の風味のバランスのよい水中油型乳化酸性調味料を提供することを目的とした。
本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、卵黄の含有量が10重量%以下でかつ卵白を含有する水中油型乳化酸性調味料において、エタノール含有量を0.8ppm〜60ppmとすることにより、酸臭(刺激臭)が低減され、かつ全体の風味のバランスもよい水中油型乳化酸性調味料を得ることができることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下に関する。
[1]卵黄の含有量が10重量%以下でかつ卵白を含有する水中油型乳化酸性調味料であって、エタノールを0.8ppm〜60ppm含有する、水中油型乳化酸性調味料。
[2]さらに、酢酸エチルを0.2ppm〜30ppm含有する、[1]に記載の水中油型乳化酸性調味料。
[3]半固体状ドレッシングである、[1]または[2]に記載の水中油型乳化酸性調味料。
[4]半固体状ドレッシングがマヨネーズである、[3]に記載の水中油型乳化酸性調味料。
[5]卵黄の含有量が10重量%以下でかつ卵白を含有する水中油型乳化酸性調味料において、エタノールを0.8ppm〜60ppmの濃度範囲で含有させることを含む、水中油型乳化酸性調味料の製造方法。
[6]さらに酢酸エチルを0.2ppm〜30ppmの濃度範囲で含有させることを含む、[5]に記載の製造方法。
[7]水中油型乳化酸性調味料が半固体状ドレッシングである、[5]または[6]に記載の製造方法。
[8]半固体状ドレッシングがマヨネーズである、[7]に記載の製造方法。
[9]卵黄の含有量が10重量%以下でかつ卵白を含有する水中油型乳化酸性調味料において、エタノールを0.8ppm〜60ppmの濃度範囲で含有させることを含む、水中油型乳化型酸性調味料の酸臭の低減方法。
[10]さらに酢酸エチルを0.2ppm〜30ppmの濃度範囲で含有させることを含む、[9]に記載の低減方法。
[11]水中油型乳化酸性調味料が半固体状ドレッシングである、[9]または[10]に記載の低減方法。
[12]半固体状ドレッシングがマヨネーズである、[11]に記載の低減方法。
本発明により、卵黄のみでなく、卵白も含有する水中油型乳化酸性調味料において、酸臭が低減され、かつ全体の風味のバランスのよい水中油型乳化酸性調味料を提供することができる。
本発明は、卵黄のみでなく、卵白も含有する水中油型乳化酸性調味料において、酸臭が低減され、かつ全体の風味のバランスのよい水中油型乳化酸性調味料(以下、本明細書において「本発明の調味料」ともいう)を提供する。
本発明の調味料は、卵黄の含有量が10重量%以下でかつ卵白を含有する水中油型乳化酸性調味料であって、エタノールを0.8ppm〜60ppm含有する。
ここで、「水中油型乳化酸性調味料」とは、食用油脂と食酢を含有するドレッシング等の酸性の調味料であって、食用油脂が食酢を含有する水相成分中に乳化分散された水中油型乳化組成物である調味料をいい、マヨネーズ、サラダクリーミードレッシング等の半固体状ドレッシング、乳化液状ドレッシング等として提供される。
本発明の調味料は、卵黄のみでなく、卵白も含有する。本発明の調味料における卵黄の含有量は通常10重量%以下であり、好ましくは8重量%以下であり、6重量%以下であることがより好ましい。さらに、本発明の調味料における卵黄の含有量は、通常1重量%以上であり、好ましくは2重量%以上であり、4重量%以上であることがより好ましい。
また、本発明の調味料における卵白の含有量は、通常0.5重量%以上であり、20重量%以下であることが好ましい。本発明の調味料における卵白の含有量は、より好ましくは2重量%〜10重量%であり、さらに好ましくは2重量%〜6重量%である。
本発明においては、ニワトリ、アヒル、ガチョウ等の家禽類の卵の卵黄および卵白を用いることができるが、ニワトリの卵、すなわち鶏卵の卵黄および卵白が好ましく用いられる。なお、鶏卵等家禽類の卵の全卵、乾燥卵(乾燥卵黄、乾燥卵白、乾燥全卵)、酵素処理卵等の加工卵を用いることもできる。
本発明の調味料は、エタノールを0.8ppm〜60ppmの濃度範囲で含有する。本発明の調味料におけるエタノールの含有量は、好ましくは1ppm〜50ppmであり、より好ましくは1ppm〜30ppmである。
また、本発明の調味料は、上記濃度範囲のエタノールに加えて、酢酸エチルを0.2ppm〜30ppmの範囲で含有することが好ましい。本発明の調味料における酢酸エチルの含有量は、より好ましくは0.24ppm〜25ppmであり、さらに好ましくは0.24ppm〜21ppmである。
本発明の調味料におけるエタノールおよび酢酸エチルの含有量は、本発明の調味料に含有される食酢を、たとえば90℃〜100℃で0.5時間〜6時間加熱処理する等して、食酢に含有されるエタノールおよび酢酸エチルを、それぞれ加熱処理前の含有量の1重量%〜90重量%程度に低減させた後、エタノール及び酢酸エチルを、それぞれ所望の含有量となるように添加することにより、調整することができる。
なお、上記加熱処理を行った後の食酢中のエタノール含有量および酢酸エチル含有量は、ガスクロマトグラフ法を用いて測定することができる。
本発明の調味料は、油相成分として通常食用油脂を含有する。
食用油脂としては、可食性の油脂であればいずれも使用できるが、常温で液状の植物性油脂が好ましく用いられ、例えば、菜種油、大豆油、ベニ花油(サフラワー油)、ヒマワリ油、トウモロコシ油、コメ油、ゴマ油、綿実油、これらの精製油(サラダ油)、パーム油、パーム核油、オリーブ油、ヤシ油、アマニ油等が挙げられ、食品用として市販されている製品を利用することができる。これら食用油脂は、1種を単独で、または2種以上を混合して使用することができる。2種以上を混合して用いる場合、それらの混合比は、通常使用される場合に準じて適宜定めることができる。
本発明の調味料における食用油脂の含有量は、通常10重量%〜80重量%であり、好ましくは50重量%〜80重量%であり、より好ましくは65重量%〜80重量%である。
また、本発明の調味料は、水相成分として通常食酢を含有する。
食酢としては、醸造酢および合成酢のいずれも用いることができ、醸造酢としては、米酢、米黒酢、黒酢、粕酢、大麦黒酢、麦芽酢、穀物酢(ハトムギ酢等)等の穀物酢;りんご酢、ぶどう酢(バルサミコ酢等)、柿酢等の果実酢等が挙げられ、合成酢としては、蒸留酢、濃縮酢等が挙げられる。
本発明の調味料においては、米酢、麦芽酢、ぶどう酢等が好ましく用いられる。
また、本発明の調味料においては、酸度が3重量%〜20重量%程度のものが好ましく用いられる。
なお、食酢の酸度は、中和滴定法(定量式)、中和滴定法(電量式)等の一般的な測定方法により測定することができ、各社より提供されている市販の食品用酸度計を用いて測定することもできる。
本発明においては、上記したように、加熱処理(90℃〜100℃、0.5時間〜6時間)等を行って、エタノールおよび酢酸エチルの含有量を、それぞれ加熱処理前の含有量の1重量%〜90重量%に低減させた食酢が好ましく用いられる。なお、エタノールおよび酢酸エチルの含有量の低減方法は、前記加熱処理による方法に限定されない。
本発明の調味料における食酢の含有量は、使用する食酢の酸度により異なり、食酢由来の有機酸の含有量にして、通常0.2重量%〜1重量%となる量であり、好ましくは0.4重量%〜0.8重量%となる量であり、より好ましくは0.6重量%〜0.8重量%となる量である。
従って、たとえば酸度が20重量%の食酢を用いる場合、当該食酢の含有量は通常1重量%〜5重量%であり、好ましくは2重量%〜4重量%であり、より好ましくは3重量%〜4重量%である。
本発明の調味料は、上記した食用油脂を含有する油相成分を、食酢を含有する水相成分に乳化分散させた水中油型乳化組成物として調製される。
かかる乳化分散は、卵黄中に含有される卵黄レシチンにより良好に行わせることができるが、本発明の特徴を損なわない範囲で、食品の製造に用いられる一般的な乳化剤をさらに含有させてもよい。
かかる乳化剤としては、たとえば、グリセリンモノ脂肪酸エステル(グリセリンモノステアリン酸エステル、グリセリンモノオレイン酸エステル等)、有機酸モノグリセリド(酢酸モノグリセリド、乳酸モノグリセリド、クエン酸モノグリセリド、ジアセチル酒石酸モノグリセリド、コハク酸モノグリセリド等)、ジグリセリン脂肪酸エステル(ジグリセリンモノパルミチン酸エステル、ジグリセリンモノステアリン酸エステル、ジグリセリンモノオレイン酸エステル、ジグリセリンジパルミチン酸エステル、ジグリセリンジステアリン酸エステル、ジグリセリンジオレイン酸エステル等)、ポリグリセリン脂肪酸エステル(テトラグルセリンステアリン酸エステル、デカグリセリンラウリン酸エステル、デカグリセリンステアリン酸エステル、デカグリセリンオレイン酸エステル等)等のグリセリン脂肪酸エステル;ショ糖酢酸イソ酪酸エステル、ショ糖パルミチン酸エステル、ショ糖ステアリン酸エステル、ショ糖オレイン酸エステル等のショ糖脂肪酸エステル;ソルビタンモノラウリン酸エステル、ソルビタンモノパルミチン酸エステル、ソルビタンモノステアリン酸エステル、ソルビタンモノオレイン酸エステル、ソルビタントリオレイン酸エステル等のソルビタン脂肪酸エステル;プロピレングリコールモノステアリン酸エステル等のプロピレングリコール脂肪酸エステル;ステアロイル乳酸ナトリウム、ステアロイル乳酸カルシウム等のステアロイル乳酸塩;ポリオキシエチレンソルビタンモノラウリン酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアリン酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタントリステアリン酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレイン酸エステル等のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル;大豆レシチン等の卵黄レシチン以外のレシチン;キラヤ抽出物、大豆サポニン、チャ種子サポニン等のサポニン等が挙げられ、食品用として市販されている製品を利用することができる。これらは1種を単独で、または2種以上を混合して用いることができる。
本発明の調味料における上記乳化剤の含有量は、必要に応じて適宜定めることができる。
本発明の調味料には、本発明の特徴を損なわない範囲で、糖類(ショ糖等);食塩、アミノ酸系調味料(L−グルタミン酸ナトリウム等)、核酸系調味料(5’−イノシン酸二ナトリウム、5’−グアニル酸二ナトリウム等);酸味料(クエン酸、DL−酒石酸、L−酒石酸、DL−リンゴ酸等);香辛料;着色料(β−カロテン、トウガラシ色素等);増粘多糖類(カラギーナン、キサンタンガム、グァーガム、タマリンドシードガム、ペクチン等);酸化防止剤(L−アスコルビン酸、トコフェロール等);香料等の食品添加物を含有させることができる。
本発明の調味料は、通常の水中油型乳化組成物の製造方法に従って製造することができ、たとえば、卵黄、卵白、食酢および塩、その他必要に応じて他の親水性の添加物等の水性原材料を水に添加し、ミキサー等で均一に混合して調製した水相に、食用油脂に必要に応じて親油性添加物等の他の油性原材料を添加して均一に混合して調製した油相を徐々に加えて、乳化して製造することができる。
水相に油相を添加して乳化分散するに際し、ホモミキサー、コロイドミル、マイクロフルイダイザー等の一般的な乳化機器および乳化装置を用いることができる。
なお、水としては、蒸留水、イオン交換水等の精製水、水道水等、食品製造用水として適合する水が用いられる。
上記したように、本発明の調味料は、水中油型乳化組成物の形態で提供することができ、マヨネーズ、サラダクリーミードレッシング等の半固体状ドレッシング、乳化液状ドレッシング等として提供することができ、好ましくは、マヨネーズ、サラダクリーミードレッシング等の半固体状ドレッシングとして、提供することができる。
なお、本発明の調味料が半固体状ドレッシングとして提供される場合、単一円筒型回転粘度計により23℃〜25℃にて測定される粘度が、通常30Pa・s〜200Pa・sであり、好ましくは50Pa・s〜150Pa・sである。
本発明の調味料は、酸臭(刺激臭)が低減され、かつ全体の風味のバランスがよく、さわやかな酸味を有するため、酸味が苦手な消費者にも受け入れられやすい。
本発明はまた、酸臭が低減され、かつ全体の風味のバランスのよい水中油型乳化酸性調味料の製造方法(以下、本明細書にて「本発明の製造方法」ともいう)を提供する。
本発明の製造方法は、卵黄の含有量が10重量%以下でかつ卵白を含有する水中油型乳化酸性調味料において、エタノールを0.8ppm〜60ppmの濃度範囲で含有させることを含む。
本発明の製造方法において、エタノールを0.8ppm〜60ppmの濃度範囲で含有させる方法としては、本発明において水中油型乳化酸性調味料に含有される食酢に対し、上記したように加熱処理等を行って、エタノール含有量を低減させた後、0.8ppm〜60ppmの濃度範囲となるように、エタノールを添加することが挙げられる。
なお、エタノールの好ましい濃度範囲およびより好ましい濃度範囲、ならびに水中油型乳化酸性調味料の調製等については、本発明の調味料について上記した通りである。
本発明の製造方法は、好ましくは、さらに酢酸エチルを0.2ppm〜30ppmの濃度範囲で含有させることを含む。
本発明の製造方法において、酢酸エチルを0.2ppm〜30ppmの濃度範囲で含有させる方法としては、本発明において水中油型乳化酸性調味料に含有される食酢に対し、上記したように加熱処理等を行って、酢酸エチル含有量を低減させた後、0.2ppm〜30ppmの濃度範囲となるように、酢酸エチルを添加することが挙げられる。
酢酸エチルのより好ましい濃度範囲およびさらに好ましい濃度範囲については、本発明の調味料について上記した通りである。
なお、本発明の製造方法における食酢中のエタノール含有量および酢酸エチル含有量の測定方法についても、上記した通りである。
本発明の製造方法により、酸臭(刺激臭)が低減され、かつ全体の風味のバランスがよく、さわやかな酸味を有し、酸味の苦手な消費者にも受け入れられやすい水中油型乳化酸性調味料を提供することができる。
さらに本発明は、水中油型乳化酸性調味料の酸臭の低減方法(以下、本明細書において「本発明の低減方法」ともいう)を提供する。
本発明の低減方法は、卵黄の含有量が10重量%以下でかつ卵白を含有する水中油型乳化酸性調味料において、エタノールを0.8ppm〜60ppmの濃度範囲で含有させることを含む。
本発明の低減方法において、エタノールを0.8ppm〜60ppmの濃度範囲で含有させる方法としては、本発明において水中油型乳化酸性調味料に含有される食酢に対し、上記したように加熱処理等を行って、エタノール含有量を低減させた後、0.8ppm〜60ppmの濃度範囲となるように、エタノールを添加することが含まれる。
なお、エタノールの好ましい濃度範囲およびより好ましい濃度範囲、ならびに水中油型乳化酸性調味料の調製等については、本発明の調味料について上記した通りである。
本発明の低減方法は、好ましくは、さらに酢酸エチルを0.2ppm〜30ppmの濃度範囲で含有させることを含む。
本発明の低減方法において、酢酸エチルを0.2ppm〜30ppmの濃度範囲で含有させる方法としては、本発明において水中油型乳化酸性調味料に含有される食酢に対し、上記したように加熱処理等を行って、酢酸エチル含有量を低減させた後、0.2ppm〜30ppmの濃度範囲となるように、酢酸エチルを添加することが挙げられる。
酢酸エチルのより好ましい濃度範囲およびさらに好ましい濃度範囲については、本発明の調味料について上記した通りである。
なお、本発明の低減方法における食酢中のエタノール含有量および酢酸エチル含有量の測定方法についても、上記した通りである。
本発明の低減方法により、水中油型乳化酸性調味料における酸臭(刺激臭)を、全体の風味のバランスを悪化させることなく良好に低減することができ、さわやかな酸味を有し、酸味の苦手な消費者にも受け入れられやすい水中油型乳化酸性調味料を提供することができる。
以下に本発明について、実施例によりさらに詳細に説明する。
[実施例1〜6、比較例1〜5]水中油型乳化酸性調味料
表1中、(1)〜(5)、(7)、(8)の原材料を混合して調製した水相に、(6)を徐々に添加して乳化し、水中油型乳化酸性調味料(以下、単に「調味料」と略す場合がある)を調製した。なお、(4)の醸造酢は、醸造酢中のエタノール含有量が加熱処理前の含有量の55重量%〜65重量%以下、酢酸エチル含有量が加熱処理前の含有量の75重量%〜85重量%以下になるまで、90℃〜100℃で加熱処理した後に用いた。また、比較例1、2および実施例1、2の調味料については、(4)の醸造酢の代わりに酢酸水溶液(試薬、純正化学株式会社)を用いた。各調味料の調製に際し、調味料中のエタノールおよび酢酸エチルの含有量が表2に示す量となるように、エタノールおよび酢酸エチルを添加した。
なお、表1中の(1)〜(4)および(6)〜(8)の原材料としては、食品用として市販されている製品を用いた。(5)の水としては、水道水を浄水器に通したものを用いた。
Figure 2020000184
Figure 2020000184
[試験例1]水中油型乳化酸性調味料の酸臭および風味の評価
上記した実施例および比較例の各調味料について、酸臭(刺激臭)および調味料全体の風味のバランスの評価を行い、さらに、水中油型乳化酸性調味料として良好であるかどうかについて、総合評価を行った。
上記評価は、下記評価基準により、訓練された評価者4名にて行った。
<評価基準>
(1)酸臭(刺激臭)
○;刺激臭はない
△;やや刺激臭がある
×;刺激臭がある
(2)調味料全体の風味のバランス
○;よい
△;やや悪い
×;悪い
(3)総合評価
○;水中油型乳化酸性調味料として良好である
△;水中油型乳化酸性調味料としてはやや悪い
×;水中油型乳化酸性調味料としては悪い
また、実施例および比較例の各調味料について、単一円筒型回転粘度計(ブルックフィールド(Brookfield)社)により23℃〜25℃で粘度を測定した。
上記の評価結果を、粘度の測定結果とともに表3に示した。
Figure 2020000184
表3に示されるように、調味料中におけるエタノール含有量を1ppm〜50ppmの範囲内とし、酢酸エチル含有量を0.24ppm〜21.3ppmの範囲内として調製した実施例1〜6の調味料では、酸臭(刺激臭)がなく、調味料全体のバランスがよく、水中油型乳化酸性調味料としての総合評価も良好であった。
一方、エタノールおよび酢酸エチルを含有しない比較例1の調味料では、酸臭(刺激臭)はないと評価されたが、酸臭が弱過ぎるため、調味料全体の風味のバランスが悪いと評価され、総合評価もよくなかった。
エタノール含有量が0.5ppmであり、酢酸エチル含有量が0.12ppmである比較例2の調味料では、調味料全体の風味のバランスがやや悪く、総合評価もやや悪いと評価された。
また、エタノール含有量が60ppmを超えており、酢酸エチル含有量も30ppmを超えている比較例3〜5の各調味料では、酸臭(刺激臭)があり、調味料全体のバランスが悪いと評価され、総合評価も悪いと評価された。
なお、表3に示されるように、実施例および比較例の各調味料は、56Pa・s〜70Pa・sの粘度を示した。
上記試験例1の結果により、エタノールの含有量が1ppm〜50ppm、酢酸エチルの含有量が0.24ppm〜21.3ppmの範囲に調整された水中油型乳化酸性調味料では、酸臭(刺激臭)が低減され、かつ調味料全体の風味のバランスがよく、総合的にも良好であると評価されるものであることが確認された。
以上、詳述したように、本発明により、卵黄のみでなく、卵白も含有する水中油型乳化酸性調味料において、酸臭が低減され、かつ全体の風味のバランスのよい水中油型乳化酸性調味料を提供することができる。

Claims (12)

  1. 卵黄の含有量が10重量%以下でかつ卵白を含有する水中油型乳化酸性調味料であって、エタノールを0.8ppm〜60ppm含有する、水中油型乳化酸性調味料。
  2. さらに、酢酸エチルを0.2ppm〜30ppm含有する、請求項1に記載の水中油型乳化酸性調味料。
  3. 半固体状ドレッシングである、請求項1または2に記載の水中油型乳化酸性調味料。
  4. 半固体状ドレッシングがマヨネーズである、請求項3に記載の水中油型乳化酸性調味料。
  5. 卵黄の含有量が10重量%以下でかつ卵白を含有する水中油型乳化酸性調味料において、エタノールを0.8ppm〜60ppmの濃度範囲で含有させることを含む、水中油型乳化酸性調味料の製造方法。
  6. さらに酢酸エチルを0.2ppm〜30ppmの濃度範囲で含有させることを含む、請求項5に記載の製造方法。
  7. 水中油型乳化酸性調味料が半固体状ドレッシングである、請求項5または6に記載の製造方法。
  8. 半固体状ドレッシングがマヨネーズである、請求項7に記載の製造方法。
  9. 卵黄の含有量が10重量%以下でかつ卵白を含有する水中油型乳化酸性調味料において、エタノールを0.8ppm〜60ppmの濃度範囲で含有させることを含む、水中油型乳化型酸性調味料の酸臭の低減方法。
  10. さらに酢酸エチルを0.2ppm〜30ppmの濃度範囲で含有させることを含む、請求項9に記載の低減方法。
  11. 水中油型乳化酸性調味料が半固体状ドレッシングである、請求項9または10に記載の低減方法。
  12. 半固体状ドレッシングがマヨネーズである、請求項11に記載の低減方法。
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Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS59125866A (ja) * 1982-12-29 1984-07-20 Asahi Denka Kogyo Kk 水中油型乳化食品の製造方法
JPH09271354A (ja) * 1996-04-08 1997-10-21 Kunoole Shokuhin Kk マヨネーズの製造方法
JPH11178565A (ja) * 1997-12-19 1999-07-06 Nakano Vinegar Co Ltd マイルドホワイトビネガー

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