JP7137432B2 - 酸性液状調味料 - Google Patents

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特許法第30条第2項適用 平成29年12月22、23日 販売 ヤオコー 飯能店(埼玉県飯能市東町32番1号) 狭山店(埼玉県狭山市広瀬東ニ丁目41番1号) 入間仏子店(埼玉県入間市大字仏子785―1) 入間下藤沢店(埼玉県入間市下藤沢900番地1) 北入曽店(埼玉県狭山市大字北入曽720番地の1) 入曽店(埼玉県狭山市水野482―1) 川越南古谷店(埼玉県川越市泉町4番地3) 青梅今寺店(東京都青梅市今寺5―14―1) 八王子並木町店(東京都八王子市並木町35―1) 東大和店(東京都東大和市立野三丁目1344番地の1) 西武立川駅前店(東京都昭島市美堀町一丁目1番1号) 日野南平店(東京都日野市南平7丁目7番地の22) 船橋三咲店(千葉県船橋市三咲5丁目33番1号) 稲毛海岸店(千葉県千葉市美浜区稲毛海岸5丁目3番1号) 八千代大和田店(千葉県八千代市大和田新田354番地205) 流山おおたかの森店(千葉県流山市市野谷505番地1) 立川若葉町店(東京都立川市若葉町1丁目12番地の1) 小平回田店(東京都小平市回田町340番地の1) ワカバウォーク店(埼玉県鶴ヶ島市富士見一丁目2番1号) 上里店(埼玉県児玉郡上里町大字七本木2272番1) 前橋日吉店(群馬県前橋市日吉町3丁目36番6号) 成城店(東京都調布市入間町1丁目35番地1)
本発明は、さわやかな酸味と乳化による油のコク味の両方をバランス良く有する酸性液状調味料に関する。
食用油脂を含有するドレッシング等の酸性液状調味料では、食用油脂を乳化することにより油のコク味を増し、油の美味しさを最大限味わうことができる。
一方で、食用油脂を高含有する酸性液状乳化調味料は、乳化粒子の形成によって、味がこもり酸味がぼやける傾向があり、さわやかな酸味を感じにくくなる問題があった。
酸性液状調味料の酸味を改善する課題に関連して、酸味の強さと持続性が改善された米酢(特許文献1)や、酸発酵乳を使用することにより、さっぱりした風味を有し、乳化安定性及び保存性に優れたドレッシング(特許文献2)等が提案されている。
しかしながら、これらの方法では、風味の相性の良い食品素材が限られるため、多様な風味の酸性液状調味料においてさわやかな酸味を改善する方法については未だ改善の余地があった。
国際公開2009/066514号 特開平11-146769号公報
そこで、本発明の目的は、さわやかな酸味と乳化による油のコク味の両方をバランス良く有する酸性液状調味料を提供するものである。
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた。その結果、水中油型乳化相に油相を積層し、食用油脂を40質量%以上、すりおろしタマネギ、ガム類を含有し、食用油脂全体の20%以上85%以下を水中油型乳化相に含有し、すりおろしタマネギ1質量部に対する水中油型乳化相の食用油脂の配合部が1質量部以上10質量部以下であり、水中油型乳化相の油滴の平均粒子径を20μm以上60μm以下とすることによって、意外にも、さわやかな酸味と乳化による油のコク味の両方をバランス良く有する酸性液状調味料が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
水中油型乳化相に油相が積層された酸性液状調味料であって、
食用油脂を40質量%以上、すりおろしタマネギ、ガム類を含有し、
食用油脂全体の20%以上85%以下を水中油型乳化相に含有し、
すりおろしタマネギ1質量部に対する水中油型乳化相中の食用油脂の配合部が1質量部以上10質量部以下であり、
水中油型乳化相の平均粒子径が20μm以上60μm以下であることを特徴とする、
酸性液状調味料、
である。
本発明によれば、さわやかな酸味と乳化による油のコク味の両方をバランス良く有する酸性液状調味料を提供することができる。
以下本発明を詳細に説明する。なお、本発明において特に規定しない限り、「%」は「質量%」を、「部」は「質量部」を意味する。
<本発明の特徴>
本発明は、水中油型乳化相に油相が積層された酸性液状調味料であって、食用油脂を40%以上、すりおろしタマネギ、ガム類を含有し、前記食用油脂全体の20%以上85%以下を水中油型乳化相に含有し、すりおろしタマネギ1部に対する水中油型乳化相の食用油脂の配合部が1部以上10部以下であり、水中油型乳化相の平均粒子径が20μm以上60μm以下であることによって、さわやかな酸味と乳化による油のコク味の両方をバランスよく有する酸性液状調味料を提供することに特徴を有する。
本発明の酸性液状調味料は、喫食時に油相と水中油型乳化相を軽く混和し全体を乳化状としたうえで使用するものであるが、すりおろしタマネギを使用して水中油型乳化相の平均粒子径を特定の範囲とすることによって味がこもらずさわやかな酸味を有し、さらに積層した油相を喫食時に乳化することによって乳化による油のコクを十分に有することができる。
<酸性液状調味料>
本発明の酸性液状調味料は、食用油脂を40%以上含有し、水中油型乳化相に油相が積層された液状の調味料である。このような酸性液状調味料としては、ドレッシング、ソース、たれ等が挙げられる。本発明の酸性液状調味料は、pH4.6以下、好ましくはpH2.5以上、4.2以下とすることができる。
<食用油脂>
本発明の酸性液状調味料は食用油脂を40%以上含有する。本発明の酸性液状調味料に用いる食用油脂としては、例えば、菜種油、コーン油、綿実油、サフラワー油、オリーブ油、紅花油、大豆油、パーム油等の植物油の精製油、並びにMCT(中鎖脂肪酸トリグリセリド)、ジグリセリド等の化学的若しくは酵素的処理を施したもの等を使用することができ、これらの1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。乳化による油のコクを十分に有することができる観点から食用油脂の含有量は下限値を好ましくは45%以上、50%以上、55%以上、上限値を好ましくは90%以下、80%以下、とすることができる。
<食用油脂の水中油型乳化相に含有する割合>
本発明の酸性液状調味料は水中油型乳化相を含有する。また、酸性液状調味料中の食用油脂全体の20%以上85%以下を水中油型乳化相に含有する。水中油型乳化相に含有する食用油脂の含有量が前記範囲よりも少ない場合には乳化による油のコク味が乏しいものとなり、一方前記範囲よりも多い場合には味がこもりさわやかな酸味が乏しいものとなってしまう。水中油型乳化相に含有する食用油脂の割合は、さわやかな酸味と乳化による油のコク味の両方をバランス良く有する観点から、好ましくは下限値を30%以上、40%以上、45%以上、上限値を好ましくは80%以下とすることができる。
<水中油型乳化相の割合>
本発明の酸性液状調味料における乳化相の割合は、前述の食用油脂全体の水中油型乳化相に含有する割合を満たすように調整すればよいが、水中油型乳化相が酸性液状調味料全体の30%以上とすると酸味と乳化による油のコク味のバランスがよい。さらに下限値を40%以上、50%以上、60%以上、65%以上とすることができ、上限値を90%以下とすることができる。
<すりおろしタマネギ>
本発明の酸性液状調味料はすりおろしタマネギを含有する。すりおろしタマネギを含有することによって、平均粒子径が20μm以上60μm以下という大きな粒子径の乳化状態であっても、水中油型乳化相の食用油脂を均一な白濁状に安定的に乳化することができ乳化による油のコク味を付与することができる。さらに、さわやかな酸味を有する酸性液状調味料を得ることができる。すりおろしタマネギを含有しない場合は、水中油型乳化相の油分離や離水が起きてしまうため乳化状態が悪くなり、さわやかな酸味と乳化による油のコク味の両方をバランス良く有する酸性液状調味料を得ることができない。すりおろしタマネギは外観上タマネギをすりおろしたように見えるものをいい、具体的処理としては例えばおろし金等でおろしたものや、コミットロールやサイレントカッター等の裁断装置を用いて長辺3mm以下、好ましくは1mm以下に細かく砕いたもの等を用いることができる。すりおろしタマネギの含有量は、乳化状態が安定する程度に添加すればよいが、好ましくは酸性液状調味料全体に対して5%以上40%以下であり、下限値を8%以上、10%以上、上限値を30%以下、25%以下、20%以下とすることができる。
<ガム類>
本発明の酸性液状調味料はガム類を含有する。例えば、キサンタンガム、グアーガム、ローカストビーンガム、タマリンドシードガム、タラガム、カラギーナン等が挙げられる。ガム類を含有しない場合は平均粒子径が20μm以上60μm以下という大きな粒子径の乳化状態であるために水中油型乳化相の油分離や離水が起きてしまうため乳化状態が悪くなり、さわやかな酸味と乳化による油のコク味の両方をバランス良く有する酸性液状調味料を得ることができない。さわやかな酸味を阻害しない観点からキサンタンガムが好ましい。ガム類の含有量は、乳化状態が安定する程度に添加すればよいが、好ましくは酸性液状調味料全体に対して0.01%以上1%以下であり、下限値を0.05%以上、0.08%以上、上限値を0.5%以下、0.3%以下とすることができる。
<平均粒子径>
本発明の酸性液状調味料における水中油型乳化相の油滴の平均粒子径は20μm以上60μm以下である。本発明において、乳化状態でありながらもさわやかな酸味を有するために、平均粒子径を前記範囲とすることが肝要である。平均粒子径が前記範囲よりも小さいと味がこもりさわやかな酸味が乏しいものとなってしまい、一方前記範囲よりも大きいと、保存中に水中油型乳化相の油分離や離水が起きてしまい乳化による油のコク味が乏しいものとなってしまう。
本発明の酸性液状調味料の平均粒子径は体積平均粒子径を指し、レーザー回析式粒度分布測定装置を用いて測定したものである。
<すりおろしタマネギ1部に対する水中油型乳化相中の食用油脂の配合部>
本発明の酸性液状調味料において、すりおろしタマネギ1部に対する水中油型乳化相中の食用油脂の配合部は1部以上10部以下である。前述のとおり本発明の酸性液状調味料における水中油型乳化相の油滴の平均粒子径は20μm以上60μm以下であり、そのような粒子径でありつつも水中油型乳化相の食用油脂を均一な白濁状に安定的に乳化し、乳化による油のコク味を付与することができる点で、すりおろしタマネギ1部に対する水中油型乳化相中の食用油脂の配合部を前記割合とする必要がある。すりおろしタマネギ1部に対する水中油型乳化相中の食用油脂の配合部が前記範囲よりも小さくても大きくても、安定な乳化粒子を形成することが難しい。すりおろしタマネギ1部に対する水中油型乳化相中の食用油脂の配合部は、好ましくは下限値を2以上、上限値を6以下、さらに好ましくは5以下、さらには4.5以下、3.5以下とするとよい。
<粘度>
本発明の酸性液状調味料は水中油型乳化相の粘度を0.7Pa・s以上10Pa・s以下とすることができる。粘度を前記範囲内とすることによって味がこもりにくく、さわやかな酸味を有する酸性液状調味料を得やすい。さらに好ましくは下限値を1Pa・s以上、2Pa・s以上、上限値を8Pa・s以下、6Pa・s以下とするとよい。
粘度の測定方法は、BH形粘度計を使用し、品温25℃、回転数10rpmの条件で、粘度が0.7Pa・s未満のとき:ローターNo.1、0.7Pa・s以上2.8Pa・s未満のとき:ローターNo.2、2.8Pa・s以上7Pa・s未満のとき:ローターNo.3、7Pa・s以上のとき:ローターNo.4を使用し、測定開始後ローターが2回転した時の示度により算出した値である。
<他の原料>
本発明の酸性液状調味料には、本発明の効果を損なわない範囲で種々の原料を適宜選択し、配合することができる。具体的には、例えば、醤油、砂糖、食塩、食酢、核酸系旨味調味料、柑橘果汁、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸等の有機酸又はその塩、アスコルビン酸、ビタミンE等の酸化防止剤、各種ペプチド、胡椒、山椒等の香辛料、香料、色素などが挙げられる。なお、本発明の酸性液状調味料には、卵黄等の乳化剤を配合することができるが、平均粒子径を20μm以上60μm以下に調整しやすい観点から、卵黄の配合量を0.1%以下とするとよい。また、さわやかな酸味を有しやすい観点からマスタード等の香辛料を含有するとよい。
<酸性液状調味料の製造方法>
次に、本発明の酸性液状調味料の代表的な製造方法について下記に記載するが、これらは本発明を特に限定するものではない。
まず、すりおろしタマネギ、ガム類及び清水等をミキサーで均一に混合し水相原料混合液を調製する。次いで、当該水相原料混合液に対し、食用油脂を注加しミキサー等で乳化を行い、水中油型乳化相を調製する。さらに当該水中油型乳化相を容器に充填し、その上に油相である食用油脂を積層充填し、本発明の酸性液状調味料を得ることができる。
以下、本発明について、実施例、比較例、及び試験例に基づき具体的に説明する。なお、本発明は、これらに限定するものではない。
[実施例1~5、比較例1~2]
表1に記載の配合に基づき、実施例1~5、比較例1~2の酸性液状調味料を調製した。具体体には、まず、撹拌羽付きタンクに水、すりおろしタマネギ(1mm以下に砕いたもの)、食塩、キサンタンガム、食酢(酸度4%)、イエローマスタードを投入し、均一に混合することにより水相を調製した。次に、撹拌をしながら食用油脂(菜種油)を注加して乳化処理を行い、水中油型乳化相を調製した。さらに150mL容の瓶容器に水中油型乳化相を充填したあと、上に油相の食用油脂(菜種油)を積層充填し、本発明の酸性液状調味料を調製した。
各酸性液状調味料の調味料全体に対する食用油脂の割合、乳化相の割合、乳化相に存在する食用油脂の割合、すりおろしタマネギ1部に対する水中油型乳化相中の食用油脂の配合部も表1に示した。
Figure 0007137432000001
表1の実施例1~5、比較例1~2の乳化相の油滴の平均粒子径について、酸性液状調味料の乳化相を5%SDS溶液で10倍希釈したものをサンプルとして、粒度分布計MT3300EXII(日機装株式会社製)を用いて非球形、屈折率1.6の条件で測定を行った結果、いずれも20μm以上60μm以下の範囲内であった。また、水中油型乳化相の粘度について、BH形粘度計を使用し、品温25℃、回転数10rpmの条件で測定した結果、いずれも2Pa・s以上6Pa・s以下であった。またpHはいずれも2.5以上、4.2以下であった。
[比較例3]
卵黄を0.5%配合し、その分量の水を減らした以外は実施例1と同様にして比較例3の酸性液状調味料を調製した。比較例3の乳化相の油滴の平均粒子径を実施例1と同様の方法で測定したところ15μmであった。なお、酸性液状調味料の調味料全体に対する食用油脂の割合、乳化相の割合、乳化相に存在する食用油脂の割合、すりおろしタマネギ1部に対する水中油型乳化相中の食用油脂の配合部は実施例1と同様である。
[試験例]
実施例1~5及び比較例1~3の酸性液状調味料について風味試験を行った。風味試験は以下の評価方法にしたがって行った。結果を表2に示す。
<評価方法>
「さわやかな酸味」および「乳化による油のコク」について、比較例1を×(好ましくない)とし、×(比較例1と同等)、△(やや良いが十分ではない)、〇(好ましい)、◎(大変好ましい)の基準で比較評価した。
Figure 0007137432000002
表2の結果より、食用油脂を40%以上、すりおろしタマネギ、ガム類を含有し、食用油脂全体の20%以上85%以下を水中油型乳化相に含有し、すりおろしタマネギ1部に対する水中油型乳化相の食用油脂の配合部が1部以上10部以下であり、水中油型乳化相の油滴の平均粒子径が20μm以上60μm以下である実施例1~5の酸性液状調味料は、さわやかな酸味と乳化による油のコク味の両方をバランスよく有していた。一方、食用油脂を全体の85%よりも多い割合で水中油型乳化相に含有する比較例1や、すりおろしタマネギ1部に対する水中油型乳化相の食用油脂の配合部が10部を超える比較例2、水中油型乳化相の油滴の平均粒子径が20μm未満である比較例3は、さわやかな酸味と乳化による油のコク味の両方あるいはいずれかが好ましいものではなかった。

Claims (1)

  1. 水中油型乳化相に油相が積層された酸性液状調味料であって、
    食用油脂を40質量%以上、すりおろしタマネギ、ガム類を含有し、
    食用油脂全体の20%以上85%以下を水中油型乳化相に含有し、
    前記すりおろしタマネギを5質量%以上40質量%以下含有し、
    すりおろしタマネギ1質量部に対する水中油型乳化相中の食用油脂の配合部が1質量部以
    上10質量部以下であり、
    水中油型乳化相の平均粒子径が20μm以上60μm以下であることを特徴とする、
    酸性液状調味料。
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