JP2005343799A - 水分散性植物ステロース製剤と油脂含有水分散性植物ステロール製剤 - Google Patents

水分散性植物ステロース製剤と油脂含有水分散性植物ステロール製剤 Download PDF

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Abstract

【課題】 植物ステロールを水又は水溶性成分含有水溶液に安定的に均一分散することができる水分散性植物ステロール製剤、油脂含有水分散性植物ステロール製剤、植物ステロール分散水溶液、植物ステロール含有水中油型乳化物並びに植物ステロール含有飲食物を提供。
【解決手段】
植物ステロールを0.1〜30質量%、乳化剤として1種又は2種以上のポリグリセリン脂肪酸エステルを69〜98.9質量%含有する水分散性植物ステロール製剤であって、該水分散性植物ステロール製剤の系全体における乳化剤のHLB値が、7〜13である。植物ステロールを0.1〜30質量%、乳化剤として1種又は2種以上のポリグリセリン脂肪酸エステルを69〜98.9質量%、油脂を0.01〜20質量%含有する油脂含有水分散性植物ステロール製剤であって、該油脂含有水分散性植物ステロール製剤の系全体におけるHLB値が、7〜13である。
【選択図】 なし

Description

本発明は、水分散性植物ステロール製剤と油脂含有水分散性植物ステロール製剤及び植物ステロール分散水溶液、植物ステロール含有水中油型乳化物並びにこれらを含有する飲食物に関するものである。
詳しくは、植物ステロールを0.1〜30質量%含有し、長期間保存後も植物ステロールの沈殿や浮遊が生じない水分散性植物ステロール製剤と油脂含有水分散性植物ステロール製剤、植物ステロール分散水溶液、植物ステロール含有水中油型乳化物に関するもので、さらに、これらの植物ステロール製剤等を飲料懸濁用に用いることや飲食物へ使用することにより得られる植物ステロールの入った飲食物に関するものである。
植物ステロールには、古くから血漿コレステロール濃度低下作用等があることが知られており、最近では大腸ガンや前立腺肥大に対する作用についても研究されている。このような観点から、栄養強化や健康増進のために、植物ステロールを含有する飲食物が消費者から求められている。
この植物ステロールは、穀類、野菜、果実、きのこ類等の植物に含まれており、主に、細胞膜の構成成分として広く植物界に存在している。植物ステロールとは、植物由来の様々なステロール及びそれらの混合物の総称であり、原料の種類によって植物ステロール中のステロールの成分は異なっている。代表的なステロールとしては、β−シトステロール、スチグマステロール、カンペステロール、及びブラシカステロールの4種類が挙げられる。
この植物ステロールは、油及び水に溶けにくく、結晶性が強く、融点が130〜150℃と高いという性質を有している。したがって、水又は水溶性成分含有水溶液に均一分散させることが難しく、食品へ添加する場合には、油に懸濁させた又は油溶化させた製剤や、粉末化・顆粒化した形のものを使用していた。
このようなものとしては、例えば、植物ステロールを油に可溶化させた製剤として、植物ステロール、ビタミンE、及び乳化剤からなる植物ステロール油溶化液が報告されている(例えば、特許文献1参照)。
また、飲料分野においては、栄養を強化する物質以外に、飲料を安定的に懸濁させる物質が求められている。その理由は、消費者は透明な飲料よりも、混濁した飲料の方を好む傾向があるからであり、また飲料を懸濁させることにより、見た目の美味しさが向上するからである。
従来は、飲料懸濁させるために、水との屈折率の差の大きいショ糖酢酸イソ酪酸エステル(以下、「SAIB」という。)が一般的に用いられてきた。
特開平10−179086号公報
しかしながら、特許文献1に係る油溶化液とは、油に溶解しにくい植物ステロールを油溶化させることを目的としたものであった。したがって、この植物ステロール油溶化液では、油に溶解しにくい植物ステロールを油に溶解させることは可能であるが、植物ステロールを水に均一分散させることはできないという問題があった。
また、飲料懸濁用に用いられるSAIBは、室温で約2万Pa・sという非常に高い粘度を有するため、そのままでは取り扱いが難しく、計量時の作業性を低下させる原因にもなっていた。
このSAIBに代えて、飲料懸濁用途に植物ステロール含有物を使用することについては、今まで何ら検討がなされていなかった。
本発明の目的は、上記従来技術の問題点に鑑み、植物ステロールを水又は水溶性成分含有水溶液に安定的に均一分散することができる水分散性植物ステロール製剤及び油脂含有水分散性植物ステロール製剤を提供することである。
また、本発明の目的は、水又は水溶性成分含有水溶液に安定的に均一分散した植物ステロール分散水溶液及び植物ステロール含有水中油型乳化物を提供することである。
また、本発明の目的は、水又は水溶性成分含有水溶液に安定的に均一分散することができる水分散性植物ステロール製剤又は油脂含有水分散性植物ステロール製剤を飲食物に使用することにより、植物ステロールを栄養成分として含有する飲食物を提供することである。
本発明者は、鋭意検討した結果、植物ステロールと特定のポリグリセリン脂肪酸エステルを特定量含有させることにより、植物ステロールを水又は水溶性成分含有水溶液に均一分散させることができる製剤を開発し、上記目的を達成した。
すなわち、本発明の第1の発明は、植物ステロールを0.1〜30質量%、乳化剤として1種又は2種以上のポリグリセリン脂肪酸エステルを69〜98.9質量%含有する水分散性植物ステロール製剤であって、該水分散性植物ステロール製剤の系全体における乳化剤のHLB値が、7〜13であることを特徴とする水分散性植物ステロール製剤である。
本発明の第2の発明は、前記水分散性植物ステロール製剤の系全体における乳化剤のHLB値が、7以上12未満であることを特徴とする第1の発明に記載の水分散性植物ステロール製剤である。
本発明の第3の発明は、前記2種以上のポリグリセリン脂肪酸エステルの少なくとも1種が、HLB値6〜10のポリグリセリン脂肪酸エステル(A)であって、他の少なくとも1種が、HLB値11〜16のポリグリセリン脂肪酸エステル(B)であることを特徴とする第1の発明又は第2の発明に記載の水分散性植物ステロール製剤である。
本発明の第4の発明は、さらに、香料を0.0001〜10質量%含有することを特徴とする第1の発明から第3の発明のいずれか一つに記載の水分散性植物ステロール製剤である。
本発明の第5の発明は、さらに、前記ポリグリセリン脂肪酸エステル以外の乳化剤を含有することを特徴とする第1の発明から第4の発明のいずれか一つに記載の水分散性植物ステロール製剤である。
本発明の第6の発明は、比重が、0.95〜1.10であることを特徴とする第1の発明から第5の発明のいずれか一つに記載の水分散性植物ステロール製剤である。
本発明の第7の発明は、前記水分散性植物ステロール製剤が、液晶構造をなすことを特徴とする第1の発明から第6の発明のいずれか一つに記載の水分散性植物ステロール製剤である。
本発明の第8の発明は、飲料懸濁用であることを特徴とする第1の発明から第7の発明のいずれか一つに記載の水分散性植物ステロール製剤である。
本発明の第9の発明は、第1の発明から第8の発明のいずれか一つに記載の水分散性植物ステロール製剤を含有することを特徴とする植物ステロール含有飲食物である。
本発明の第10の発明は、第1の発明から第8の発明のいずれか一つに記載の水分散性植物ステロール製剤を、水又は水溶性成分含有水溶液に添加して得られることを特徴とする植物ステロール分散水溶液である。
本発明の第11の発明は、前記植物ステロール分散水溶液中に分散している植物ステロールの平均粒子径が、0.5〜50μmであることを特徴とする第10の発明に記載の植物ステロール分散水溶液である。
本発明の第12の発明は、飲料懸濁用であることを特徴とする第10の発明又は第11の発明に記載の植物ステロール分散水溶液である。
本発明の第13の発明は、第10の発明から第12の発明のいずれか一つに記載の植物ステロール分散水溶液を含有することを特徴とする植物ステロール含有飲食物である。
本発明の第14の発明は、植物ステロールを0.1〜30質量%、乳化剤として1種又は2種以上のポリグリセリン脂肪酸エステルを69〜98.9質量%、油脂を0.01〜20質量%含有する油脂含有水分散性植物ステロール製剤であって、該油脂含有水分散性植物ステロール製剤の系全体におけるHLB値が、7〜13であることを特徴とする油脂含有水分散性植物ステロール製剤である。
本発明の第15の発明は、前記油脂含有水分散性植物ステロール製剤の系全体におけるHLB値が、7以上12未満であることを特徴とする第14の発明に記載の油脂含有水分散性植物ステロール製剤である。
本発明の第16の発明は、前記2種以上のポリグリセリン脂肪酸エステルの少なくとも1種が、HLB値6〜10のポリグリセリン脂肪酸エステル(A)であって、他の少なくとも1種が、HLB値11〜16のポリグリセリン脂肪酸エステル(B)であることを特徴とする第14の発明又は第15の発明に記載の油脂含有水分散性植物ステロール製剤である。
本発明の第17の発明は、さらに、香料を0.0001〜10質量%含有することを特徴とする第14の発明から第16の発明のいずれか一つに記載の油脂含有水分散性植物ステロール製剤である。
本発明の第18の発明は、さらに、前記ポリグリセリン脂肪酸エステル以外の乳化剤を含有することを特徴とする第14の発明から第17の発明のいずれか一つに記載の油脂含有水分散性植物ステロール製剤である。
本発明の第19の発明は、比重が、0.95〜1.10であることを特徴とする第14の発明から第18の発明のいずれか一つに記載の油脂含有水分散性植物ステロール製剤である。
本発明の第20の発明は、前記油脂含有水分散性植物ステロール製剤が、液晶構造をなすことを特徴とする第14の発明から第19の発明のいずれか一つに記載の油脂含有水分散性植物ステロール製剤である。
本発明の第21の発明は、飲料懸濁用であることを特徴とする第14の発明から第20の発明のいずれか一つに記載の油脂含有水分散性植物ステロール製剤である。
本発明の第22の発明は、第14の発明から第21の発明のいずれか一つに記載の油脂含有水分散性植物ステロール製剤を含有することを特徴とする植物ステロール含有飲食物である。
本発明の第23の発明は、第14の発明から第21の発明のいずれか一つに記載の油脂含有水分散性植物ステロール製剤を、水又は水溶性成分含有水溶液に添加して得られることを特徴とする植物ステロール含有水中油型乳化物である。
本発明の第24の発明は、前記植物ステロール含有水中油型乳化物中の乳化粒子の平均粒子径が、0.5〜50μmであることを特徴とする第23の発明に記載の植物ステロール含有水中油型乳化物である。
本発明の第25の発明は、飲料懸濁用であることを特徴とする第23の発明又は第24の発明に記載の植物ステロール含有水中油型乳化物である。
本発明の第26の発明は、第23の発明から第25の発明のいずれか一つに記載の植物ステロール含有水中油型乳化物を含有することを特徴とする植物ステロール含有飲食物である。
本発明によれば、製剤中に含有される水の量が著しく少ない水分散性植物ステロール製剤及び油脂含有水分散性植物ステロール製剤が得られる。このため、この水分散性植物ステロール製剤及び油脂含有水分散性植物ステロール製剤を、水又は水溶性成分含有水溶液に添加した際に、植物ステロールを安定に水又は水溶性成分含有水溶液に均一分散させることができる。さらに、各種飲料に使われている塩や酸性下であっても、これらの製剤は耐塩性及び耐酸性に優れているため、植物ステロールを安定に分散させることができる。
また、本発明の水分散性植物ステロール製剤及び油脂含有水分散性植物ステロール製剤は、耐塩性及び耐酸性に優れているため、各種飲食物に使用することができ、植物ステロールを栄養成分として含有する飲食物が得られる。
また、本発明の水分散性植物ステロール製剤及び油脂含有水分散性植物ステロール製剤は、飲料の懸濁用として使用することができる。飲料の懸濁用として使用する場合、飲料の比重に植物ステロール製剤の比重を調整したものを使用することで、飲料を長期間保存してもクリーミングやオイルリングを生じることがなく、また、植物ステロールの沈殿や浮遊を生じない。
以下、本発明を詳細に説明する。
〈水分散性植物ステロール製剤〉
本発明に用いる植物ステロールは、穀類、野菜、果実、きのこ類等の植物に含まれているものである。例えば、大豆、菜種、綿実等の植物油脂から抽出、精製されたもので、β−シトステロール、スチグマステロール、カンペステロール、ブラシカステロール等を主要成分とする混合物が挙げられる。
本発明において、植物ステロールの含有量は、0.1〜30質量%、好ましくは1〜20質量%、より好ましくは5〜17質量%である。植物ステロールの含有量が0.1質量%未満であると、植物ステロールとしての強化剤の機能の効果が少なくなり、30質量%を超えると、製剤にした際にステロールが析出し、水又は水溶性成分含有水溶液への分散性が低下するため好ましくないからである。
本発明において乳化剤として用いるポリグリセリン脂肪酸エステルは、平均重合度2以上のポリグリセリンと、炭素数8〜18の脂肪酸とのエステルであることが好ましい。このポリグリセリン脂肪酸エステルを、1種又は2種以上使用することができる。
平均重合度2以上のポリグリセリンとしては、例えば、ジグリセリン、トリグリセリン、テトラグリセリン、ペンタグリセリン、ヘキサグリセリン、デカグリセリン等が挙げられる。
炭素数8〜18の脂肪酸としては、例えば、オクタン酸、デカン酸、ドデカン酸、テトラデカン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、及びリノール酸等が挙げられる。
脂肪酸とのエステルとしては、例えば、モノエステル、ジエステル、トリエステル、ペンタエステル、ヘキサエステル等が挙げられる。
本発明において、ポリグリセリン脂肪酸エステルの含有量は、69〜98.9質量%、好ましくは79〜98質量%、より好ましくは82〜90質量%である。ポリグリセリン脂肪酸エステルの含有量が69質量%以上であると、植物ステロールを可溶化することができるが、69質量%未満であると、植物ステロールがポリグリセリン脂肪酸エステルに溶解しにくくなり、製剤にした際に植物ステロールが析出し、これを水又は水溶性成分含有水溶液に添加すると、植物ステロールの水又は水溶性成分含有水溶液への分散性が低下するため好ましくないからである。
本発明の水分散性植物ステロール製剤は、系全体における乳化剤のHLB値が7〜13、好ましく7以上12未満、より好ましくは8以上12未満、最も好ましくは9以上12未満である。
このHLB値は、通常界面活性剤の分野で使用される親水性−疎水性のバランスをいい、一般的に用いられている計算式を使用して算出することができる。例えば、Griffinによって、提唱され、改良された算出式(アトラス法)、HLB=20(1−S/A)、[式中、Sはエステルのケン化価、Aは脂肪酸の中和価を表す。]を用いることができる。
また、J.T.Davisにより疎水基と親水基の各原子団の総和として算出した式、HLB=Σ(親水基)−Σ(疎水基)+7等が挙げられる。また、市販品のカタログ等に記載されているHLB値の数値を使用してもよい。
本発明の水分散性植物ステロール製剤は、系全体における乳化剤のHLB値が上記範囲内になるのであれば、乳化剤として使用するポリグリセリン脂肪酸エステルのHLB値が、7〜13を外れるものであっても使用することができる。具体的には、HLB値が3〜17のポリグリセリン脂肪酸エステルを使用することができる。
HLB値が7〜13を外れるポリグリセリン脂肪酸エステルとしては、デカグリセリンデカオレイン酸エステル(HLB値:3.5)、ヘキサグリセリンペンタオレイン酸エステル(HLB値:4.9)、テトラグリセリントリステアリン酸エステル(HLB値:4.5)、デカグリセリンモノカプリル酸エステル(HLB値:16)、デカグリセリンモノカプリン酸エステル(HLB値:15)、及びデカグリセリンモノラウリン酸エステル(HLB値:14.8)等が挙げられる。
また、HLB値が7〜13のポリグリセリン脂肪酸エステルとしては、例えば、ジグリセリンモノオレイン酸エステル(HLB値:7.4)、デカグリセリントリステアリン酸エステル(HLB値:9.8)、ヘキサグリセリンモノステアリン酸エステル(HLB値:11.6)、ペンタグリセリンミリスチン酸エステル(HLB値:13.0)等が挙げられる。
水分散性植物ステロール製剤の系全体における乳化剤のHLB値が、7〜13の範囲であると、製剤を水又は水溶性成分含有水溶液に添加した際に、植物ステロールを水又は水溶性成分含有水溶液に安定に均一分散させることができ、さらに、塩や酸性下でも耐塩性、耐酸性に優れ、植物ステロールを安定に均一分散させることができるからである。
さらに、2種以上のポリグリセリン脂肪酸エステルを使用する場合には、少なくとも1種が、HLB値6〜10のポリグリセリン脂肪酸エステル(A)であって、他の少なくとも1種が、HLB値11〜16のポリグリセリン脂肪酸エステル(B)であることが好ましい。
そのなかでも、少なくとも1種のポリグリセリン脂肪酸エステル(A)のHLB値は、6〜10であり、6〜9であるのが好ましく、6〜8であるのが最も好ましい。また、他の少なくとも1種のポリグリセリン脂肪酸エステル(B)のHLB値は、11〜16であり、11〜15であるのが好ましく、12〜15であるのが最も好ましい。
このようなポリグリセリン脂肪酸エステル(A)としては、ジグリセリンモノオレイン酸エステル(HLB値:7.4)、デカグリセリントリステアリン酸エステル(HLB値:9.8)が挙げられ、ポリグリセリン脂肪酸エステル(B)としては、ペンタグリセリンモノテトラデカン酸エステル(HLB値:13.0)、デカグリセリンモノオレイン酸エステル(HLB値:14.0)、デカグリセリンモノステアリン酸エステル(HLB値:14.9)等が挙げられる。
ポリグリセリン脂肪酸エステル(A)とポリグリセリン脂肪酸エステル(B)を組み合わせ、製剤の系全体における乳化剤のHLB値を上記範囲内とすることで、この製剤を水又は水溶性成分含有水溶液に添加した場合の植物ステロール分散性を、さらに向上させることができる。
この理由としては、本発明の水分散性植物ステロール製剤が、ポリグリセリン脂肪酸エステルである乳化剤と、植物ステロールとを混合溶解したもので、乳化剤であるポリグリセリン脂肪酸エステルが液晶構造をなしており、そこに植物ステロールが配向しているためと考えられる。
そして、1種のポリグリセリン脂肪酸エステルを乳化剤として用いるよりも、HLB値の異なった2種類のポリグリセリン脂肪酸エステルを含有させることにより、液晶構造がより密になり、植物ステロールの配向性が向上すると考えられる。このため、2種類のポリグリセリン脂肪酸エステルを含有した製剤を水又は水溶性成分含有水溶液に添加した場合、植物ステロールの分散性安定性が、さらに向上すると考えられる。
また、本発明の水分散性植物ステロール製剤には、香料を添加することができる。このような香料としては、天然香料又は合成香料が挙げられる。
天然香料としては、例えば、バラ油、ジャスミン油、ネロリ油、ラベンダー油、イランイラン油、チュベローズ油、クラリセージ油、クローブ油、ペパーミント油、ゼラニウム油、パッチュリー油、サンダルウッド油、シンナモン油、コリアンダー油、ナツメグ油、ペパー油、レモン油、オレンジ油、ベルガモット油、オポポナックス油、ベチバー油、オリス油、オークモス油、ムスク油、シベット油、カストリウム油、アンバーグリス油等が挙げられる。
また、合成香料としては、例えば、リモネン、β−カリオフィレン、シス−3−ヘキセノール、リナロール、ファルネソール、β−フェニルエチルアルコール、2,6−ナノジエナール、シトラール、α−ヘキシルシンナミックアルデヒド、β−イオノン、l−カルボン、シクロペンタデカノン、リナリルアセテート、ベンルベンゾエート、γ−ウンデカラクトン、オイゲノール、ローズオキサイド、インドール、フェニルアセトアルデヒドジメチルアセタール、オーランチオール、ゲラニオール、シトロネロール、ターピネオール、メントール、サンタロール、バクダノール、ブラマノール、リラール、リリアール、ダマスコン、メチルイオノン、イロン、イソイースーパー、アセチルセドレイン、ムスコン、ベンジルアセテート、メチルジヒドロジャスモネート、ジャスミンラクトン、シクロペンタデカノリッド、エチレンブラシレート、ガラクソリッド、アンブロキサン等が挙げられる。
本発明において、香料の含有量は、好ましくは0.0001〜10質量%であり、より好ましくは0.0001〜5質量%、特に好ましくは0.001〜3質量%、最も好ましくは0.01〜1質量%である。
また、本発明の水分散性植物ステロール製剤には、本発明の効果を損なわない範囲で、通常知られている食品添加物を加えてもよい。このような食品添加物としては、安定剤、調味料、香料、酸、及び塩等が挙げられる。
また、前記ポリグリセリン脂肪酸エステル以外の他の乳化剤を1種以上添加してもよい。このような乳化剤としては、例えば、レシチン、サポニン、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル等が挙げられる。そのなかでも、レシチンは、この製剤の水又は水溶性成分含有水溶液への分散を向上させるため好ましい。
本発明の水分散性植物ステロール製剤は、前記ポリグリセリン脂肪酸エステルに、さらに上記他の乳化剤を添加した場合であっても、系全体における乳化剤のHLB値は、前述したように、7〜13、好ましく7以上12未満、より好ましくは8以上12未満、最も好ましくは9以上12未満である。系全体における乳化剤のHLB値を上記範囲内にすることにより、前述したように、製剤を水又は水溶性成分含有水溶液に添加した際に、植物ステロールを水又は水溶性成分含有水溶液に安定に均一分散させることができ、さらに、塩や酸性下でも耐塩性、耐酸性に優れ、植物ステロールを安定に均一分散させることができる。
また、本発明の水分散性植物ステロール製剤は、水の含有量が5%質量以下であるのが好ましく、0〜1質量%であるのがより好ましく、水を含有しないのが最も好ましい。製剤中に含有する水の量を著しく少なくすることにより、この製剤を水又は水溶性成分含有水溶液に添加した際の植物ステロール分散性をより高めることができる。
この水分散性植物ステロール製剤の比重は、0.95〜1.10であり、好ましくは、0.97〜1.07より好ましくは0.98〜1.05、最も好ましくは0.98〜1.04である。比重が上記範囲内であると、この製剤の保存安定性がより向上し、この製剤を水又は水溶性成分含有水溶液に添加した際に、植物ステロールを水又は水溶性成分含有水溶液に安定に均一分散させることができるからである。
本発明の水分散性植物ステロール製剤は、液晶構造をなすのが好ましい。この水分散性植物ステロール製剤は、ポリグリセリン脂肪酸エステルである乳化剤と、植物ステロールとを混合溶解したものである。この場合、乳化剤であるポリグリセリン脂肪酸エステルは液晶構造をなしており、そこに植物ステロールが配向していると考えられる。このように本発明の水分散性植物ステロール製剤は、植物ステロールが乳化剤(ポリグリセリン脂肪酸エステル)中に配向していることから、水又は水溶性成分含有水溶液に添加すると、均一に安定分散させることができると考えられる。したがって、製剤の状態としては、最初から液晶構造をなすのが好ましい。
液晶構造をなしているか否かの確認方法は、偏光板による偏光を目視もしくは偏向顕微鏡による観察により行うことができる。例えば、スライドガラスに製剤を2〜3mmの厚さになるように塗布し、室温にて偏光板により製剤全体が偏光することを目視で観察することで、液晶構造を確認することができる。
さらに、本発明の水分散性植物ステロール製剤は、粘度が、好ましくは5万mPa・s以上、より好ましくは10万〜100万mPa・s、最も好ましくは10万〜50万mPa・sのペースト状態であることが望ましい。
また、本発明の水分散性植物ステロール製剤は、飲料懸濁用として有効なものである。飲料懸濁用に用いる場合、飲料の比重と水分散性植物ステロール製剤の比重を調整することにより、飲料を長期間保存してもクリーミングやオイルリングを生じることがなく、また、植物ステロールの沈殿や浮遊を抑制することができる。
本発明の水分散性植物ステロール製剤は、1種又は2種以上のポリグリセリン脂肪酸エステルと、植物ステロールとを混合溶解して製造することができる。このとき、製剤の系全体における乳化剤のHLB値が7〜13の範囲になるように、使用するポリグリセリン脂肪酸エステルを選択する必要がある。
また、2種以上のポリグリセリン脂肪酸エステルを含有させる場合、1種のポリグリセリン脂肪酸エステルと、植物ステロールとを混合した後、他のポリグリセリン脂肪酸エステルを添加して混合溶解し、製造することもできる。
上記のように製造することで、乳化剤であるポリグリセリン脂肪酸エステルが液晶構造を形成し、そこに植物ステロールが配向すると考えられる。
また、製剤に含有する水分量を少なくすることで、製剤の水分散性を高めることができる。具体的には、上述したように製剤中の水の含有量を5%質量以下にするのが好ましく、0〜1質量%にするのがより好ましく、水を含有させないのが最も好ましい。
また、系全体における乳化剤のHLB値が7〜13となるように製造することで、製剤を水又は水溶性成分含有水溶液に添加した際に、植物ステロールを水又は水溶性成分含有水溶液に安定に均一分散させることができ、さらに、塩や酸性下でも耐塩性、耐酸性に優れ、植物ステロールを安定に均一分散させることができる。
具体的には、植物ステロールと1種又は2種以上のポリグリセリン脂肪酸エステルを、ステンレスビーカーに入れ、80〜95℃で加温した後、撹拌(1000〜5000rpm)して製造する。撹拌には、ホモミキサー、プロペラ等を使用することができる。撹拌時間に特に限定はなく、また、使用する製造装置にもよるが、小スケールでの製造では5〜30分撹拌するのが好ましく、10リットル以上の大スケールで製造を行う場合には、30分〜2時間撹拌するのが好ましい。
〈植物ステロール含有飲食物〉
本発明の水分散性植物ステロール製剤は、他の飲食物に含有させて植物ステロール含有飲食物とすることができる。このような植物ステロール含有飲食物としては、食品や飲料が挙げられる。
食品としては、例えば、パン、ビスケット、キャンディー、ゼリー等のパン・菓子類;ヨーグルト、ハム等の乳肉加工食品;味噌、ソース、タレ、ドレッシング等の調味料;豆腐、めん類等の加工食品;マーガリン、ファットスプレッド、ショートニング等の油脂加工食品;粉末飲料、粉末スープ等の粉末食品;カプセル状、タブレット状、粉末状、顆粒状等にした健康食品等を挙げることができる。
また、飲料としては、例えば、食塩等のミネラル、酸味料、甘味料、アルコール、ビタミン、フレーバー、及び果汁の中から選ばれる少なくとも1種以上を含む飲料が挙げられ、具体的にはスポーツ飲料、炭酸飲料、果汁飲料、乳酸菌飲料、アルコール飲料、ビタミン・ミネラル飲料等のほか、加工乳、豆乳、及び体質改善のための飲料等を挙げることができる。
この植物ステロール含有飲食物中の水分散性植物ステロール製剤の含有量は、好ましくは0.01〜20質量%であり、より好ましくは0.1〜10質量%であり、最も好ましくは0.1〜5質量%である。水分散性植物ステロール製剤の含有量が0.01〜20質量%の範囲内であると、水分散性植物ステロール製剤の水又は水溶性成分含有水溶液に対する分散安定性が良いからである。
この植物ステロール含有飲食物は、本発明の水分散性植物ステロール製剤を、飲食物の原材料にそのまま添加混合し、その後、公知の製造方法により製造することもできるが、飲食物の原料として使用する水又は水溶性成分含有水溶液に、本発明の水分散性植物ステロール製剤を添加分散させ、その後、公知の製造方法により製造することが、より好ましい。
次に、水分散性植物ステロール製剤を使用した植物ステロール含有飲料の製造例を、具体的に説明する。
水に、砂糖、食塩、異性化液糖、ブドウ糖、果糖、D−ソルビトール、アスパルテーム、アスコルビン酸、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸等の水溶性成分を添加し、80〜95℃で攪拌溶解させて水溶性成分含有水溶液とした後、本発明の水分散性植物ステロール製剤を添加し、1000〜5000rpmで攪拌することにより製造することができる。
また、後に詳細に説明するが、水分散性植物ステロール製剤を水又は水溶性成分含有水溶液に添加して製造した植物ステロール分散水溶液を使用して製造することもできる。すなわち、植物ステロール分散水溶液を、水溶性成分を溶解させた水溶液(水溶性成分含有水溶液)と混合し、80〜95℃で1000〜5000rpm攪拌することにより製造することもできる。
撹拌には、ホモミキサー、プロペラ攪拌機等の装置を使用することができる。また、撹拌時間は、各成分が均一になる時間攪拌すれば良く、特に限定しないが、例えば、小スケールでの製造では5〜30分撹拌することが好ましく、10リットル以上の大スケールで製造を行う場合には、30分〜2時間撹拌するのが好ましい。
〈植物ステロール分散水溶液〉
また、本発明の水分散性植物ステロール製剤を、水又は水溶性成分含有水溶液に添加して、植物ステロール分散水溶液とすることができる。この植物ステロール分散水溶液中の水分散性植物ステロール製剤の含有量は、好ましくは0.01〜20質量%であり、より好ましくは0.1〜10質量%であり、最も好ましくは0.1〜5質量%である。水分散性植物ステロール製剤の含有量を0.01〜20質量%とすることにより、水又は水溶性成分含有水溶液への植物ステロールの分散安定性を良好にすることができる。
この植物ステロール分散水溶液の水は、通常の飲料水や精製水、イオン交換水等の水であれば何でも良く、特に限定はしない。
また、水溶性成分とは、例えば、砂糖、食塩、異性化液糖、ブドウ糖、果糖、D−ソルビトール、アスパルテーム、アスコルビン酸、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸等の水に溶解する成分のことをいい、水溶性成分含有水溶液とは、これらの水溶性成分を含有する水のことをいう。
また、本発明の植物ステロール分散水溶液は、この水溶液中に分散している植物ステロールの平均粒子径が、0.5〜50μmであることが好ましく、1〜40μmであることがより好ましく、1〜30μmであることが最も好ましい。植物ステロールの平均粒子径を0.5〜50μmとすることにより、植物ステロールを水溶液に安定して分散させることができ、また濁度を高くすることができる。
また、この植物ステロール分散水溶液は、飲料懸濁用として有効なものである。飲料懸濁用に用いる場合、飲料の比重と植物ステロール分散水溶液の比重を調整することにより、飲料を長期間保存してもクリーミングやオイルリングを生じることがなく、また、植物ステロールの沈殿や浮遊を抑制することができる。
本発明の植物ステロール分散水溶液の製造方法は、植物ステロール分散水溶液中の水分散性植物ステロール製剤の含有量が、好ましくは0.01〜20質量%、より好ましくは0.1〜10質量%、最も好ましくは0.1〜5質量%となるように、水分散性植物ステロール製剤を、水又は水溶性成分含有水溶液に添加して得られる。具体的には、本発明の水分散性植物ステロール製剤を、80〜95℃の水又は水溶性成分含有水溶液に添加し、撹拌(1000〜5000rpm)をして製造する。撹拌には、ホモミキサー、プロペラ等を使用することができる。撹拌時間に特に限定はなく、また、使用する製造装置にもよるが、小スケールでの製造では5〜30分撹拌するのが好ましく、10リットル以上の大スケールで製造を行う場合には、30分〜2時間撹拌するのが好ましい。
本発明の植物ステロール分散水溶液は、植物ステロール分散水溶液中の水分散性植物ステロール製剤の含有量が、好ましくは0.01〜20質量%となるように、水分散性植物ステロール製剤を、水又は水溶性成分含有水溶液に添加して製造することにより得られるものであるため、保存安定性が高いものである。本発明の水分散性植物ステロール製剤を使用せずに、例えば、植物ステロール、ポリグリセリン脂肪酸エステル、及び水又は水溶性成分含有水溶液を同時に混合して製造したり、ポリグリセリン脂肪酸エステルを混合溶解した水又は水溶性成分含有水溶液に、植物ステロールを添加して製造しても、保存安定性の高い植物ステロール分散水溶液を得ることはできない。
この植物ステロール分散水溶液は、他の飲食物に含有させて植物ステロール含有飲食物とすることができる。この植物ステロール含有飲食物中の植物ステロール分散水溶液の含有量は、好ましくは0.01〜40質量%であり、より好ましくは0.1〜20質量%であり、最も好ましくは0.1〜10質量%である。植物ステロール分散水溶液の含有量が0.01〜40質量%の範囲内であると、水又は水溶性成分含有水溶液に対する植物ステロールの分散安定性が良好だからである。
この植物ステロール含有飲食物は、本発明の植物ステロール分散水溶液を、飲食物の原材料にそのまま添加混合し、その後、公知の製造方法により製造することができる。
次に、植物ステロール分散水溶液を使用した植物ステロール含有飲料の製造例を、具体的に説明する。
植物ステロール分散水溶液を、砂糖、食塩、異性化液糖、ブドウ糖、果糖、D−ソルビトール、アスパルテーム、アスコルビン酸、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸等の水溶性成分を溶解させた水溶液(水溶性成分含有水溶液)と混合し、80〜95℃で1000〜5000rpm攪拌することにより製造することができる。
撹拌には、ホモミキサー、プロペラ攪拌機等の装置を使用することができる。また、撹拌時間は、各成分が均一になる時間攪拌すれば良く、特に限定しないが、例えば、小スケールでの製造では5〜30分撹拌することが好ましく、10リットル以上の大スケールで製造を行う場合には、30分〜2時間撹拌するのが好ましい。
〈油脂含有水分散性植物ステロール製剤〉
本発明の油脂含有水分散性植物ステロール製剤は、植物ステロールを0.1〜30質量%、乳化剤として1種又は2種以上のポリグリセリン脂肪酸エステルを69〜98.9質量%、油脂を0.01〜20質量%含有するものであって、製剤の系全体におけるHLB値が、7〜13である。この植物ステロールやポリグリセリン脂肪酸エステルは、上述したものと同様のものを使用することができる。
本発明に用いる油脂は、食用油類として、例えば、動物、植物、微生物を原料とする油脂又は合成油が挙げられる。具体的には、豚脂、牛脂、鶏油、スクワレン、鯨油、マグロ油、イワシ油、サバ油、サンマ油、カツオ油、ニシン油、肝油、大豆油、綿実油、サフラワー油、米油、コーン油、ナタネ油、パーム油、シソ油、エゴマ油、カカオ脂、落花生油、ヤシ油、月見草油、ボラージ油、ホホバ油等、及び合成や酵素による中鎖脂肪酸トリグリセリド等の合成トリグリセリド、その他ジグリセリド等が挙げられる。前記の油脂類は、これらを単独で、又は適宜組み合わせて用いることができる。
また、食用油のみであってもよいし、食品添加物等を添加したものであってもよい。
本発明において、油脂の含有量は、製剤調製時のポリグリセリン脂肪酸エステルの泡立ちを抑えたり、飲料に配合した際の泡立ちを抑えるために、20質量%以下が適当である。油脂の含有量が20質量%を超えると、ポリグリセリン脂肪酸エステルに植物ステロールを安定的に混合溶解させることが難しくなるからであり、また、この製剤を水又は水溶性成分含有水溶液へ分散させた際、クリーミングにより安定性が落ちるからである。
また、植物ステロールの含有量は、0.1〜30質量%、好ましくは1〜20質量%、より好ましくは5〜17質量%である。植物ステロールの含有量が0.1質量%未満であると、植物ステロールとしての強化剤の機能の効果が少なくなり、30質量%を超えると、製剤にした際にステロールが析出し、水又は水溶性成分含有水溶液への植物ステロール分散性が低下するため好ましくないからである。
また、ポリグリセリン脂肪酸エステルの含有量は、69〜98.9質量%、好ましくは79〜98質量%、より好ましくは82〜90質量%である。ポリグリセリン脂肪酸エステルの含有量が69質量%以上であると、植物ステロールを可溶化することができるが、69質量%未満であると、植物ステロールがポリグリセリン脂肪酸エステルに溶解しにくくなり、製剤にした際に植物ステロールが析出し、これを水又は水溶性成分含有水溶液に添加すると、植物ステロールの分散性が低下するため好ましくないからである。
本発明の油脂含有水分散性植物ステロール製剤は、系全体における乳化剤のHLB値が7〜13、好ましく7以上12未満、より好ましくは8以上12未満、最も好ましくは9以上12未満である。
油脂含有水分散性植物ステロール製剤は、系全体における乳化剤のHLB値が上記範囲内になるのであれば、使用するポリグリセリン脂肪酸エステルのHLB値が、7〜13を外れるものであっても使用することができる。具体的には、HLB値が3〜17のポリグリセリン脂肪酸エステルを使用することができる。
HLB値が7〜13を外れるポリグリセリン脂肪酸エステルとしては、デカグリセリンデカオレイン酸エステル(HLB値:3.5)、ヘキサグリセリンペンタオレイン酸エステル(HLB値:4.9)、テトラグリセリントリステアリン酸エステル(HLB値:4.5)、デカグリセリンモノカプリル酸エステル(HLB値:16)、デカグリセリンモノカプリン酸エステル(HLB値:15)、及びデカグリセリンモノラウリン酸エステル(HLB値:14.8)等が挙げられる。
また、HLB値が7〜13のポリグリセリン脂肪酸エステルとしては、例えば、ジグリセリンモノオレイン酸エステル(HLB値:7.4)、デカグリセリントリステアリン酸エステル(HLB値:9.8)、ヘキサグリセリンモノステアリン酸エステル(HLB値:11.6)、ペンタグリセリンミリスチン酸エステル(HLB値:13.0)等が挙げられる。
油脂含有水分散性植物ステロール製剤の系全体における乳化剤のHLB値が、7〜13の範囲であると、製剤を水又は水溶性成分含有水溶液に添加した際に、植物ステロールを水又は水溶性成分含有水溶液に安定に均一分散させることができ、さらに、塩や酸性下でも耐塩性、耐酸性に優れ、植物ステロールを安定に均一分散させることができるからである。
さらに、2種以上のポリグリセリン脂肪酸エステルを使用する場合には、少なくとも1種が、HLB値6〜10のポリグリセリン脂肪酸エステル(A)であって、他の少なくとも1種が、HLB値11〜16のポリグリセリン脂肪酸エステル(B)であることが好ましい。
そのなかでも、少なくとも1種のポリグリセリン脂肪酸エステル(A)のHLB値は、6〜10であり、6〜9であるのが好ましく、6〜8であるのが最も好ましい。また、他の少なくとも1種のポリグリセリン脂肪酸エステル(B)のHLB値は、11〜16であり、11〜15であるのが好ましく、12〜15であるのが最も好ましい。
このようなポリグリセリン脂肪酸エステル(A)としては、ジグリセリンモノオレイン酸エステル(HLB値:7.4)、デカグリセリントリステアリン酸エステル(HLB値:9.8)が挙げられ、ポリグリセリン脂肪酸エステル(B)としては、ペンタグリセリンモノテトラデカン酸エステル(HLB値:13.0)、デカグリセリンモノオレイン酸エステル(HLB値:14.0)、デカグリセリンモノステアリン酸エステル(HLB値:14.9)等が挙げられる。
ポリグリセリン脂肪酸エステル(A)とポリグリセリン脂肪酸エステル(B)を組み合わせ、製剤の系全体における乳化剤のHLB値を上記範囲内とすることで、この製剤を水又は水溶性成分含有水溶液に添加した場合の植物ステロール分散性を、さらに向上させることができる。
この理由としては、本発明の油脂含有水分散性植物ステロール製剤が、ポリグリセリン脂肪酸エステルの乳化剤と、植物ステロール及び油脂とを混合溶解したもので、乳化剤であるポリグリセリン脂肪酸エステルが液晶構造をなしており、そこに植物ステロール及び油脂が配向しているためと考えられる。
そして、1種のポリグリセリン脂肪酸エステルを乳化剤として用いるよりも、HLB値の異なった2種類のポリグリセリン脂肪酸エステルを含有させることにより、液晶構造がより密になり、植物ステロールの配向性が向上すると考えられる。このため、2種類のポリグリセリン脂肪酸エステルを含有した製剤を、水又は水溶性成分含有水溶液に添加した際、植物ステロールの分散性安定性がさらに向上すると考えられる。
また、本発明の油脂含有水分散性植物ステロール製剤には、水分散性植物ステロール製剤の場合と同様の香料を添加することができる。香料の含有量は、好ましくは0.0001〜10質量%でありより好ましくは0.0001〜5質量%、特に好ましくは0.001〜3質量%、最も好ましくは0.01〜1質量%である。
また、本発明の油脂含有水分散性植物ステロール製剤には、水分散性植物ステロール製剤の場合と同様に安定剤、調味料、香料、酸、及び塩等の食品添加物を加えてもよい。また、同様に前記ポリグリセリン脂肪酸エステル以外の他の乳化剤、例えば、レシチン、サポニン、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル等を1種以上添加してもよい。そのなかでも、レシチンは、この製剤の水又は水溶性成分含有水溶液への分散を向上させるため好ましい。
本発明の油脂含有水分散性植物ステロール製剤は、前記ポリグリセリン脂肪酸エステルに、さらに上記他の乳化剤を添加した場合であっても、系全体における乳化剤のHLB値は、前述したように、7〜13、好ましく7以上12未満、より好ましくは8以上12未満、最も好ましくは9以上12未満である。系全体における乳化剤のHLB値を上記範囲内にすることにより、前述したように、製剤を水又は水溶性成分含有水溶液に添加した際に、植物ステロールを水又は水溶性成分含有水溶液に安定に均一分散させることができ、さらに、塩や酸性下でも耐塩性、耐酸性に優れ、植物ステロールを安定に均一分散させることができる。
また、本発明の油脂含有水分散性植物ステロール製剤は、水の含有量が5%質量以下であるのが好ましく、0〜1質量%であるのがより好ましく、水を含有しないのが最も好ましい。製剤中に含有する水の量を著しく少なくすることにより、この製剤を水又は水溶性成分含有水溶液に添加した際の植物ステロール分散性をより高めることができる。
この油脂含有水分散性植物ステロール製剤の比重は、0.95〜1.10であり、好ましくは、0.97〜1.07より好ましくは0.98〜1.05、最も好ましくは0.98〜1.04である。比重が上記範囲内であると、この製剤の保存安定性がより向上し、この製剤を水又は水溶性成分含有水溶液に添加した際に、植物ステロールを水又は水溶性成分含有水溶液に安定に均一分散させることができるからである。
本発明の油脂含有水分散性植物ステロール製剤は、液晶構造をなすのが好ましい。この油脂含有水分散性植物ステロール製剤は、ポリグリセリン脂肪酸エステルである乳化剤と、植物ステロール、及び油脂とを混合溶解したものである。この場合、乳化剤であるポリグリセリン脂肪酸エステルは液晶構造をなしており、そこに植物ステロール及び油脂が配向していると考えられる。このように本発明の油脂含有水分散性植物ステロール製剤は、植物ステロール及び油脂が乳化剤(ポリグリセリン脂肪酸エステル)中に配向していることから、水又は水溶性成分含有水溶液に添加すると、均一に安定分散させることができると考えられる。したがって、製剤の状態としては、最初から液晶構造をなすのが好ましい。
液晶構造をなしているか否かの確認方法は、偏光板による偏光を目視もしくは偏向顕微鏡による観察により行うことができる。例えば、スライドガラスに製剤を2〜3mmの厚さになるように塗布し、室温にて偏光板により製剤全体が偏光することを目視で観察することで、液晶構造を確認することができる。
本発明の油脂含有水分散性植物ステロール製剤は、粘度が、好ましくは5万mPa・s以上、より好ましくは10万〜100万mPa・s、最も好ましくは10万〜50万mPa・sのペースト状態であることが望ましい。
また、本発明の油脂含有水分散性植物ステロール製剤は、飲料懸濁用として有効なものである。飲料懸濁用に用いる場合、飲料の比重と油脂含有水分散性植物ステロール製剤の比重を調整することにより、飲料を長期間保存してもクリーミングやオイルリングを生じることがなく、また、植物ステロールの沈殿や浮遊を抑制することができる。
本発明の油脂含有水分散性植物ステロール製剤は、1種又は2種以上のポリグリセリン脂肪酸エステルと、植物ステロール及び油脂とを混合溶解して製造することができる。このとき、製剤の系全体における乳化剤のHLB値が7〜13の範囲になるように、使用するポリグリセリン脂肪酸エステルを選択する必要がある。
また、ポリグリセリン脂肪酸エステル、植物ステロール、及び油脂の三成分は、同時に添加混合して製造してもよく、また、植物ステロールとポリグリセリン脂肪酸エステルとを混合溶解して、ポリグリセリン脂肪酸エステルの液晶構造に植物ステロールを配向させ、次いで油脂を添加し混合溶解してもよい。
さらに、2種以上のポリグリセリン脂肪酸エステルを含有させる場合、1種のポリグリセリン脂肪酸エステルと、植物ステロール及び油脂とを混合した後、他のポリグリセリン脂肪酸エステルを添加して混合溶解し、製造することもできる。
このように製造することで、乳化剤であるポリグリセリン脂肪酸エステルが液晶構造を形成し、そこに植物ステロールが配向すると考えられる。
この時、製剤に含有する水分量を少なくすることで、製剤の水分散性を高めることができる。具体的には、上述したように製剤中の水の含有量を5%質量以下にするのが好ましく、0〜1質量%にするのがより好ましく、水を含有させないのが最も好ましい。
また、系全体における乳化剤のHLB値が7〜13となるように製造することで、製剤を水又は水溶性成分含有水溶液に添加した際に、植物ステロールを水又は水溶性成分含有水溶液に安定に均一分散させることができ、さらに、塩や酸性下でも耐塩性、耐酸性に優れ、植物ステロールを安定に均一分散させることができる。
具体的には、植物ステロールと、1種又は2種以上のポリグリセリン脂肪酸エステルと、油脂とを80〜95℃で加温し、均一に攪拌して製造する。撹拌装置、攪拌時間等については、水分散性植物ステロール製剤の製造と同様である。
〈植物ステロール含有飲食物〉
また、水分散性植物ステロール製剤と同様に、本発明の油脂含有水分散性植物ステロール製剤を含有する植物ステロール含有飲食物とすることができる。植物ステロール含有飲食物中の油脂含有水分散性植物ステロール製剤の含有量は、好ましくは0.01〜20質量%であり、より好ましくは0.1〜10質量%であり、最も好ましくは0.1〜5質量%である。油脂含有水分散性植物ステロール製剤の含有量が0.01〜20質量%の範囲内であると、油脂含有水分散性植物ステロール製剤の水又は水溶性成分含有水溶液に対する分散安定性が良いからである。
この植物ステロール含有飲食物の製造は、水分散性植物ステロール製剤の場合と同様に行うことができる。
〈植物ステロール含有水中油型乳化物〉
また、本発明の油脂含有水分散性植物ステロール製剤を水又は水溶性成分含有水溶液に添加して、植物ステロール含有水中油型乳化物とすることができる。この植物ステロール含有水中油型乳化物中の油脂含有水分散性植物ステロール製剤の含有量は、好ましくは0.01〜20質量%であり、より好ましくは0.1〜10質量%であり、最も好ましくは0.1〜5質量%である。油脂含有水分散性植物ステロール製剤の含有量を0.01〜20質量%とすることにより、水又は水溶性成分含有水溶液への分散安定性を良好にすることができる。また、この植物ステロール含有水中油型乳化物の水又は水溶性成分含有水溶液は、植物ステロール分散水溶液の場合と同様のものを用いることができる。
本発明の植物ステロール含有水中油型乳化物は、乳化粒子の平均粒子径が、0.5〜50μmであることが好ましく、1〜40μmであることがより好ましく、1〜30μmであることが最も好ましい。乳化粒子の平均粒子径を0.5〜50μmとすることにより、植物ステロールを乳化物に安定して分散させることができ、また濁度を高くすることができる。
また、本発明の植物ステロール含有水中油型乳化物は、飲料懸濁用として有効なものである。飲料懸濁用に用いる場合、飲料の比重と植物ステロール含有水中油型乳化物の比重を調整することにより、飲料を長期間保存してもクリーミングやオイルリングを生じることがなく、また、植物ステロールの沈殿や浮遊を抑制することができる。
本発明の植物ステロール含有水中油型乳化物の製造方法は、植物ステロール含有水中油型乳化物中の油脂含有水分散性植物ステロール製剤の含有量が、好ましくは0.01〜20質量%、より好ましくは0.1〜10質量%、最も好ましくは0.1〜5質量%となるように、油脂含有水分散性植物ステロール製剤を、水又は水溶性成分含有水溶液に添加して得られる。具体的には、本発明の油脂含有水分散性植物ステロール製剤を、80〜95℃の水又は水溶性成分含有水溶液に添加し、撹拌(1000〜5000rpm)をして製造する。撹拌には、ホモミキサー、プロペラ等を使用することができる。撹拌時間に特に限定はなく、また、使用する製造装置にもよるが、小スケールでの製造では5〜30分撹拌するのが好ましく、10リットル以上の大スケールで製造を行う場合には、30分〜2時間撹拌するのが好ましい。
本発明の植物ステロール含有水中油型乳化物は、植物ステロール含有水中油型乳化物中の油脂含有水分散性植物ステロール製剤の含有量が、好ましくは0.01〜20質量%となるように、油脂含有水分散性植物ステロール製剤を、水又は水溶性成分含有水溶液に添加して製造することにより得られるものであるため、保存安定性が高いものである。本発明の油脂含有水分散性植物ステロール製剤を使用せずに、例えば、植物ステロール、ポリグリセリン脂肪酸エステル、油脂、及び水又は水溶性成分含有水溶液を同時に混合して製造したり、ポリグリセリン脂肪酸エステルを混合溶解した水又は水溶性成分含有水溶液に、植物ステロールを添加して製造しても、保存安定性の高い植物ステロール含有水中油型乳化物を得ることはできない。
本発明の植物ステロール含有水中油型乳化物は、他の飲食物に含有させて植物ステロール含有飲食物とすることができる。この植物ステロール含有飲食物中の植物ステロール含有水中油型乳化物の含有量は、好ましくは0.01〜40質量%であり、より好ましくは0.1〜20質量%であり、最も好ましくは0.1〜10質量%である。植物ステロール含有水中油型乳化物の含有量が0.01〜40質量%の範囲内であると、水又は水溶性成分含有水溶液に対する分散安定性が良好だからである。
この植物ステロール含有飲食物は、先に説明した植物ステロール分散水溶液を用いた方法と同様の方法で製造することができる。
以下、実施例により、本発明をさらに詳しく説明する。本発明は、下記実施例に何ら制限されるものではない。
〈水分散性植物ステロール製剤の製造〉
[実施例1−a〜6−a]
実施例1−a〜6−aの水分散性植物ステロール製剤500gを、以下のように製造した。
まず、表1に示す含有量の各成分をステンレスビーカーに入れ、90℃で30分間、ホモミキサー(3000rpm)で撹拌し、混合溶解させた。各成分が均一に溶解した後、室温まで冷却し、実施例1−a〜6−aの水分散性植物ステロール製剤を得た。なお、原料はすべて市販品を使用した。植物ステロールは、タマ生化学(株)製の商品:フィトステロール−FKを使用した。
表1に、各原料の含有量と得られた水分散性植物ステロール製剤の比重、製剤の系全体における乳化剤のHLB値、製剤の液晶構造の有無について示す。
Figure 2005343799
[比較例1−a〜5−a]
比較例1−a〜5−aの植物ステロール製剤を、表2に示す含有量で実施例1−a〜6−aと同様の方法で製造した。
表2に、各原料の含有量と得られた植物ステロール製剤の比重、製剤の系全体における乳化剤のHLB値、製剤の液晶構造の有無について示す。
Figure 2005343799
〈油脂含有水分散性植物ステロール製剤の製造〉
[実施例7−a〜10−a]
実施例7−a〜10−aの油脂含有水分散性植物ステロール製剤500gを、以下のように製造した。
まず、表3に示す含有量の各成分をステンレスビーカーに入れ、90℃で30分間、ホモミキサー(4000rpm)で撹拌し、混合溶解させた。各成分が均一に溶解した後、室温まで冷却し、実施例7−a〜10−aの油脂含有水分散性植物ステロール製剤を得た。なお、原料はすべて市販品を使用した。植物ステロールは、タマ生化学(株)製の商品:フィトステロール−FK、大豆油は日清オイリオ(株)製の商品:ユニエース(登録商標)S、中鎖脂肪酸トリグリセリドは日清オイリオ(株)製の商品:ODO(登録商標)を使用した。
表3に、各原料の含有量と得られた油脂含有水分散性植物ステロール製剤の比重、製剤の系全体における乳化剤のHLB値、製剤の液晶構造の有無について示す。
Figure 2005343799
[比較例6−a〜8−a]
比較例6−a〜8−aの植物ステロール製剤を、表4に示す含有量で実施例7−a〜10−aと同様の方法で製造した。
表4に、各原料の含有量と得られた植物ステロール製剤の比重、製剤の系全体における乳化剤のHLB値、製剤の液晶構造の有無について示す。
Figure 2005343799
〈各植物ステロール製剤の保存安定性試験〉
得られた実施例1−a〜6−aの水分散性植物ステロール製剤、実施例7−a〜10−aの油脂含有水分散性植物ステロール製剤、比較例1−a〜8−aの植物ステロール製剤の保存安定試験を、以下の方法で行った。
製造した各植物ステロール製剤を、50℃、40℃、25℃、5℃で1ヶ月間及び2ヶ月間保存し、保存後の状態を目視により観察し、表5に示す評価基準を用いて評価した。
Figure 2005343799
実施例1−a〜6−aの水分散性植物ステロール製剤の評価結果を表6に、比較例1−a〜5−aの植物ステロール製剤の評価結果を表7に、実施例7−a〜10−aの油脂含有水分散性植物ステロール製剤の評価結果を表8に、比較例6−a〜8−aの植物ステロール製剤の評価結果を表9に、各々示す。
Figure 2005343799
Figure 2005343799
Figure 2005343799
Figure 2005343799
表6〜表9に示した各植物ステロール製剤の保存安定性試験の結果から、実施例1−a〜6−aの水分散性植物ステロール製剤及び実施例7−a〜10−aの油脂含有水分散性植物ステロール製剤は、比較例1−a〜8−aの植物ステロール製剤に比べて、保存安定性に優れていることがわかった。
〈植物ステロール分散水溶液(精製水)の製造〉
[実施例1−b〜6−b]
実施例1−a〜6−aの水分散性植物ステロール製剤を、それぞれ1g、80℃の精製水99gへ添加した後、10分間プロペラ撹拌することにより、実施例1−b〜6−bの植物ステロール分散水溶液(精製水)各100gを得た。
[比較例1−b〜5−b]
比較例1−a〜5−aの植物ステロール製剤を用いて、実施例1−b〜6−bと同様の方法で比較例1−b〜5−bの植物ステロール分散水溶液(精製水)を製造した。
〈各植物ステロール分散水溶液(精製水)の平均粒子径及び保存安定性試験〉
実施例1−b〜6−bの植物ステロール分散水溶液(精製水)及び比較例1−b〜5−bの植物ステロール分散水溶液(精製水)の植物ステロールの平均粒子径を、粒度分布測定装置(株式会社堀場製作所製 LA−300)を用いて測定した。
また、各植物ステロール分散水溶液(精製水)を、製造直後25℃で、さらに50℃、40℃、25℃、5℃で1ヶ月間及び2ヶ月間保存し、保存後の状態を目視により観察し、表10に示す評価基準を用いて評価した。なお、製造直後に×評価であったものについては、1ヶ月間及び2ヶ月間の保存試験は行わなかった。
Figure 2005343799
実施例1−b〜6−bの植物ステロール分散水溶液(精製水)の植物ステロールの平均粒子径及び保存安定性試験結果を表11に、比較例1−b〜5−bの植物ステロール分散水溶液(精製水)の植物ステロールの平均粒子径及び保存安定性試験結果を表12に、各々示す。
Figure 2005343799
Figure 2005343799
表11及び表12に示した各植物ステロール分散水溶液(精製水)の植物ステロールの平均粒子径及び保存安定性試験の結果から、実施例1−b〜6−bの植物ステロール分散水溶液(精製水)は、比較例1−b〜5−bのそれと比べて、平均粒子径が14μm以下と小さく、また、保存安定性に優れていることがわかった。
〈植物ステロール含有水中油型乳化物(精製水)の製造〉
[実施例7−b〜10−b]
実施例7−a〜10−aの油脂含有水分散性植物ステロール製剤を用いて、実施例1−b〜6−bと同様の方法で実施例7−b〜10−bの植物ステロール含有水中油型乳化物(精製水)を製造した。
[比較例6−b〜8−b]
比較例6−a〜8−aの植物ステロール製剤を用いて、実施例1−b〜6−bと同様の方法で比較例6−b〜8−bの植物ステロール含有水中油型乳化物(精製水)を製造した。
〈各植物ステロール含有水中油型乳化物(精製水)の平均粒子径及び保存安定性試験〉
実施例7−b〜10−bの植物ステロール含有水中油型乳化物(精製水)及び比較例6−b〜8−bの植物ステロール含有水中油型乳化物(精製水)の乳化物の平均粒子径を、実施例1−b〜6−bと同様の方法で測定した。
また、各植物ステロール含有水中油型乳化物(精製水)を、実施例1−b〜6−bと同様の方法で保存安定性試験を行い評価した。なお、製造直後に×評価であったものについては、1ヶ月間及び2ヶ月間の保存試験は行わなかった。
実施例7−b〜10−bの植物ステロール含有水中油型乳化物(精製水)の乳化物の平均粒子径及び保存安定性試験結果を表13に、比較例6−b〜8−bの植物ステロール含有水中油型乳化物(精製水)の乳化物の平均粒子径及び保存安定性試験結果を表14に、各々示す。
Figure 2005343799
Figure 2005343799
表13及び表14に示した各植物ステロール含有水中油型乳化物(精製水)の乳化物の平均粒子径及び保存安定性試験の結果から、実施例7−b〜10−bの植物ステロール含有水中油型乳化物(精製水)は、比較例6−b〜8−bのそれと比べて、平均粒子径が8μm以下と小さく、また、保存安定性に優れていることがわかった。
〈植物ステロール分散水溶液(クエン酸水溶液)の製造〉
[実施例1−c〜6−c]
実施例1−a〜6−aの水分散性植物ステロール製剤を、それぞれ1g、pH3に調整した80℃クエン酸水溶液99gへ添加した後、10分間プロペラ撹拌することにより、実施例1−c〜6−cの植物ステロール分散水溶液(クエン酸水溶液)各100g得た。
[比較例1−c〜5−c]
比較例1−a〜5−aの植物ステロール製剤を用いて、実施例1−c〜6−cと同様の方法で比較例1−c〜5−cの植物ステロール分散水溶液(クエン酸水溶液)を製造した。
〈各植物ステロール分散水溶液(クエン酸水溶液)の平均粒子径及び保存安定性試験〉
実施例1−c〜6−cの植物ステロール分散水溶液(クエン酸水溶液)及び比較例1−c〜5−cの植物ステロール分散水溶液(クエン酸水溶液)の植物ステロールの平均粒子径を、実施例1−b〜6−bと同様の方法で測定した。
また、実施例1−c〜6−cの植物ステロール分散水溶液(クエン酸水溶液)及び比較例1−c〜5−cの植物ステロール分散水溶液(クエン酸水溶液)を、実施例1−b〜6−bと同様の方法で保存安定性試験を行い評価した。なお、製造直後に×評価であったものについては、1ヶ月間及び2ヶ月間の保存試験は行わなかった。
実施例1−c〜6−cの植物ステロール分散水溶液(クエン酸水溶液)の植物ステロールの平均粒子径、保存安定性試験結果を表15に、比較例1−c〜5−cの植物ステロール分散水溶液(クエン酸水溶液)の植物ステロールの平均粒子径、保存安定性試験結果を表16に、各々示す。
Figure 2005343799
Figure 2005343799
表15及び表16に示した各植物ステロール分散水溶液(クエン酸水溶液)の植物ステロールの平均粒子径、保存安定性試験の結果から、実施例1−c〜6−cの植物ステロール分散水溶液(クエン酸水溶液)は、比較例1−c〜5−cのそれと比べて、平均粒子径が25μm以下と小さく、また、保存安定性と耐酸性に優れていることがわかった。
〈植物ステロール含有水中油型乳化物(クエン酸水溶液)の製造〉
[実施例7−c〜10−c]
実施例7−a〜10−aの油脂含有水分散性植物ステロール製剤を用いて、実施例1−c〜6−cと同様の方法で実施例7−c〜10−cの植物ステロール含有水中油型乳化物(クエン酸水溶液)を製造した。
[比較例6−c〜8−c]
比較例6−a〜8−aの植物ステロール製剤を用いて、実施例1−c〜6−cと同様の方法で比較例6−c〜8−cの植物ステロール含有水中油型乳化物(クエン酸水溶液)を製造した。
〈各植物ステロール含有水中油型乳化物(クエン酸水溶液)の平均粒子径及び保存安定性試験〉
実施例7−c〜10−cの植物ステロール含有水中油型乳化物(クエン酸水溶液)及び比較例6−c〜8−cの植物ステロール含有水中油型乳化物(クエン酸水溶液)の乳化物の平均粒子径を、実施例1−b〜6−bと同様の方法で測定した。
また、実施例7−c〜10−cの植物ステロール含有水中油型乳化物(クエン酸水溶液)及び比較例6−c〜8−cの植物ステロール含有水中油型乳化物(クエン酸水溶液)を、実施例1−b〜6−bと同様の方法で保存安定性試験を行い評価した。なお、製造直後に×評価であったものについては、1ヶ月間及び2ヶ月間の保存試験は行わなかった。
実施例7−c〜10−cの植物ステロール含有水中油型乳化物(クエン酸水溶液)の乳化物の平均粒子径、保存安定性試験結果を表17に、比較例6−c〜8−cの植物ステロール含有水中油型乳化物(クエン酸水溶液)の乳化物の平均粒子径、保存安定性試験結果を表18に、各々示す。
Figure 2005343799
Figure 2005343799
表17及び表18に示した各植物ステロール含有水中油型乳化物(クエン酸水溶液)の乳化物の平均粒子径、保存安定性試験の結果から、実施例7−c〜10−cの植物ステロール含有水中油型乳化物(クエン酸水溶液)は、比較例6−c〜8−cのそれと比べて、平均粒子径が32μm以下と小さく、また、保存安定性と耐酸性に優れていることがわかった。
〈植物ステロール分散水溶液(食塩水)の製造〉
[実施例1−d〜6−d]
実施例1−a〜6−aの水分散性植物ステロール製剤を、それぞれ1g、80℃の1質量%食塩水99gへ添加した後、10分間プロペラ撹拌することにより、実施例1−d〜6−dの植物ステロール分散水溶液(食塩水)各100g得た。
[比較例1−d〜5−d]
比較例1−a〜5−aの植物ステロール製剤を用いて、実施例1−d〜6−dと同様の方法で比較例1−d〜5−dの植物ステロール分散水溶液(食塩水)を製造した。
〈植物ステロール分散水溶液(食塩水)の平均粒子径及び保存安定性試験〉
実施例1−d〜6−dの植物ステロール分散水溶液(食塩水)及び比較例1−d〜5−dの植物ステロール分散水溶液(食塩水)の植物ステロールの平均粒子径を、実施例1−b〜6−bと同様の方法で測定した。
また、実施例1−d〜6−dの植物ステロール分散水溶液(食塩水)及び比較例1−d〜5−dの植物ステロール分散水溶液(食塩水)を、実施例1−b〜6−bと同様の方法で保存安定性試験を行い評価した。なお、製造直後に×評価であったものについては、1ヶ月間及び2ヶ月間の保存試験は行わなかった。
実施例1−d〜6−dの植物ステロール分散水溶液(食塩水)の植物ステロールの平均粒子径、保存安定性試験結果を表19に、比較例1−d〜5−dの植物ステロール分散水溶液(食塩水)の植物ステロールの平均粒子径、保存安定性試験結果を表20に、各々示す。
Figure 2005343799
Figure 2005343799
表19及び表20に示した各植物ステロール分散水溶液(食塩水)の植物ステロールの平均粒子径、保存安定性試験の結果から、実施例1−d〜6−dの植物ステロール分散水溶液(食塩水)は、比較例1−d〜5−dのそれと比べて、平均粒子径が24μm以下と小さく、また、保存安定性と耐塩性に優れていることがわかった。
〈植物ステロール含有水中油型乳化物(食塩水)の製造〉
[実施例7−d〜10−d]
実施例7−a〜10−aの油脂含有水分散性植物ステロール製剤を用いて、実施例1−d〜6−dと同様の方法で実施例7−d〜10−dの植物ステロール含有水中油型乳化物(食塩水)を製造した。
[比較例6−d〜8−d]
比較例6−a〜8−aの植物ステロール製剤を用いて、実施例1−d〜6−dと同様の方法で比較例6−d〜8−dの植物ステロール含有水中油型乳化物(食塩水)を製造した。
〈各植物ステロール含有水中油型乳化物(食塩水)の平均粒子径及び保存安定性試験〉
実施例7−d〜10−dの植物ステロール含有水中油型乳化物(食塩水)及び比較例6−d〜8−dの植物ステロール含有水中油型乳化物(食塩水)の乳化物の平均粒子径を、実施例1−b〜6−bと同様の方法で測定した。
また、実施例7−d〜10−dの植物ステロール含有水中油型乳化物(食塩水)及び比較例6−d〜8−dの植物ステロール含有水中油型乳化物(食塩水)を、実施例1−b〜6−bと同様の方法で保存安定性試験を行い評価した。なお、製造直後に×評価であったものについては、1ヶ月間及び2ヶ月間の保存試験は行わなかった。
実施例7−d〜10−dの植物ステロール含有水中油型乳化物(食塩水)の乳化物の平均粒子径、保存安定性試験結果を表21に、比較例6−d〜8−dの植物ステロール含有水中油型乳化物(食塩水)の乳化物の平均粒子径、保存安定性試験結果を表22に、各々示す。
Figure 2005343799
Figure 2005343799
表21及び表22に示した各植物ステロール含有水中油型乳化物(食塩水)の乳化物の平均粒子径、保存安定性試験の結果から、実施例7−d〜10−dの植物ステロール含有水中油型乳化物(食塩水)は、比較例6−d〜8−dのそれと比べて、平均粒子径が26μm以下と小さく、また、保存安定性と耐塩性に優れていることがわかった。
〈植物ステロール含有飲食物の製造〉
[実施例11]
実施例2−aの水分散性植物ステロール製剤を用いて、各原料を表23に示す含有量で植物ステロール含有飲料を製造した。
表23に示す水分散性植物ステロール製剤を除く各成分を80℃加温溶解させた後、水分散性植物ステロール製剤を添加して、10分間プロペラで攪拌することで、植物ステロール含有飲料を得た。
Figure 2005343799
[比較例9]
比較例3−aの植物ステロール製剤を用いて、各原料を表23に示す含有量で植物ステロール含有飲料を製造した。
表23に示す水分散性植物ステロール製剤を除く各成分を80℃加温溶解させた後、水分散性植物ステロール製剤を添加して、10分間プロペラで攪拌することで、植物ステロール含有飲料を得た。
〈各植物ステロール含有飲料の保存安定性試験〉
実施例11及び比較例9の植物ステロール含有飲料を、実施例1−b〜6−bと同様の方法で保存安定性試験を行い評価した。
実施例11及び比較例9の植物ステロール含有飲料の保存安定性試験結果を、表24に示す。
Figure 2005343799
表24に示した各植物ステロール含有飲料の保存安定性試験の結果から、実施例11の植物ステロール含有飲料は、比較例9のそれと比べて、オイルリングがなく、各温度(50、40、25、5℃)での保存安定性に優れていることがわかった。
以上の結果から、本発明の水分散性植物ステロール製剤及び油脂含有水分散性植物ステロール製剤は、保存安定性、耐酸性、耐塩性に優れていることが確認された。
本発明の水分散性植物ステロール製剤及び油脂含有水分散性植物ステロール製剤は、水又は水溶性成分含有水溶液への分散性に優れ、耐酸性や耐塩性にも優れており、また、懸濁用としても優れているため、広く食品及び化粧品、医薬品の分野に使用することができる。

Claims (26)

  1. 植物ステロールを0.1〜30質量%、乳化剤として1種又は2種以上のポリグリセリン脂肪酸エステルを69〜98.9質量%含有する水分散性植物ステロール製剤であって、該水分散性植物ステロール製剤の系全体における乳化剤のHLB値が、7〜13であることを特徴とする水分散性植物ステロール製剤。
  2. 前記水分散性植物ステロール製剤の系全体における乳化剤のHLB値が、7以上12未満であることを特徴とする請求項1に記載の水分散性植物ステロール製剤。
  3. 前記2種以上のポリグリセリン脂肪酸エステルの少なくとも1種が、HLB値6〜10のポリグリセリン脂肪酸エステル(A)であって、他の少なくとも1種が、HLB値11〜16のポリグリセリン脂肪酸エステル(B)であることを特徴とする請求項1又は2に記載の水分散性植物ステロール製剤。
  4. さらに、香料を0.0001〜10質量%含有することを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の水分散性植物ステロール製剤。
  5. さらに、前記ポリグリセリン脂肪酸エステル以外の乳化剤を含有することを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の水分散性植物ステロール製剤。
  6. 比重が、0.95〜1.10であることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の水分散性植物ステロール製剤。
  7. 前記水分散性植物ステロール製剤が、液晶構造をなすことを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の水分散性植物ステロール製剤。
  8. 飲料懸濁用であることを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の水分散性植物ステロール製剤。
  9. 請求項1から8のいずれか一項に記載の水分散性植物ステロール製剤を含有することを特徴とする植物ステロール含有飲食物。
  10. 請求項1から8のいずれか一項に記載の水分散性植物ステロール製剤を、水又は水溶性成分含有水溶液に添加して得られることを特徴とする植物ステロール分散水溶液。
  11. 前記植物ステロール分散水溶液中に分散している植物ステロールの平均粒子径が、0.5〜50μmであることを特徴とする請求項10に記載の植物ステロール分散水溶液。
  12. 飲料懸濁用であることを特徴とする請求項10又は11に記載の植物ステロール分散水溶液。
  13. 請求項10から12のいずれか一項に記載の植物ステロール分散水溶液を含有することを特徴とする植物ステロール含有飲食物。
  14. 植物ステロールを0.1〜30質量%、乳化剤として1種又は2種以上のポリグリセリン脂肪酸エステルを69〜98.9質量%、油脂を0.01〜20質量%含有する油脂含有水分散性植物ステロール製剤であって、該油脂含有水分散性植物ステロール製剤の系全体におけるHLB値が、7〜13であることを特徴とする油脂含有水分散性植物ステロール製剤。
  15. 前記油脂含有水分散性植物ステロール製剤の系全体におけるHLB値が、7以上12未満であることを特徴とする請求項14に記載の油脂含有水分散性植物ステロール製剤。
  16. 前記2種以上のポリグリセリン脂肪酸エステルの少なくとも1種が、HLB値6〜10のポリグリセリン脂肪酸エステル(A)であって、他の少なくとも1種が、HLB値11〜16のポリグリセリン脂肪酸エステル(B)であることを特徴とする請求項14又は15に記載の油脂含有水分散性植物ステロール製剤。
  17. さらに、香料を0.0001〜10質量%含有することを特徴とする請求項14から16のいずれか一項に記載の油脂含有水分散性植物ステロール製剤。
  18. さらに、前記ポリグリセリン脂肪酸エステル以外の乳化剤を含有することを特徴とする請求項14から17のいずれか一項に記載の油脂含有水分散性植物ステロール製剤。
  19. 比重が、0.95〜1.10であることを特徴とする請求項14から18のいずれか一項に記載の油脂含有水分散性植物ステロール製剤。
  20. 前記油脂含有水分散性植物ステロール製剤が、液晶構造をなすことを特徴とする請求項14から19のいずれか一項に記載の油脂含有水分散性植物ステロール製剤。
  21. 飲料懸濁用であることを特徴とする請求項14から20のいずれか一項に記載の油脂含有水分散性植物ステロール製剤。
  22. 請求項14から21のいずれか一項に記載の油脂含有水分散性植物ステロール製剤を含有することを特徴とする植物ステロール含有飲食物。
  23. 請求項14から21のいずれか一項に記載の油脂含有水分散性植物ステロール製剤を、水又は水溶性成分含有水溶液に添加して得られることを特徴とする植物ステロール含有水中油型乳化物。
  24. 前記植物ステロール含有水中油型乳化物中の乳化粒子の平均粒子径が、0.5〜50μmであることを特徴とする請求項23に記載の植物ステロール含有水中油型乳化物。
  25. 飲料懸濁用であることを特徴とする請求項23又は24に記載の植物ステロール含有水中油型乳化物。
  26. 請求項23から25のいずれか一項に記載の植物ステロール含有水中油型乳化物を含有することを特徴とする植物ステロール含有飲食物。


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