JP6297230B2 - ゲル状乳化食品 - Google Patents

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Description

本発明は、オイルオフが起きず、安定した品質のゲル状乳化食品であり、かつ、高齢者や嚥下困難者にとって摂食し易いゲル状乳化食品に関するものである。特に、構成脂肪酸中に中鎖脂肪酸を含む油脂を含有するゲル状乳化食品に関するものである。
高齢者や入院患者は、嚥下機能の低下により通常の食事を十分に摂ることが困難な場合があり、低栄養状態に陥る場合がある。こうした問題に対処するべく、嚥下しやすく、少量の摂取で十分な栄養が摂取できるような食品が種々開発されている。
特に、エネルギー(カロリー)の補給が目的の場合、脂質含量を高めた方が摂取効率がよい。そして、このような食品に使用される脂質としては構成脂肪酸に中鎖脂肪酸を含むトリグリセリドが知られている。
通常、脂質含量を高めた栄養補給用の食品は、乳化物を調製した後に粘度を付けたり、ゲル化したりして、高齢者や入院患者が摂取し易い形態で提供される。このようなゲル状の乳化物を工業的に製造する場合、1製造単位(1バッチ)の調合液を乳化処理し、得られた乳化調合液の全量をタンク中でゲル化温度以上の品温に保持し、連続充填を行い、充填後に冷却してゲル化させるのが一般的である。
しかし、乳化調合液の充填時間が2〜3時間と長時間に亘る場合は、タンク中で経時的に乳化調合液の乳化状態が不安定になり、充填後期のゲル状乳化食品にオイルオフ(ゲルから油が分離する状態)が起きる問題がある。また、乳化調合液の乳化安定性を高めるために乳化粒子を細かくし過ぎると、高油分を含有する乳化調合液のゲルは、クリーム状の物性となるため、摂食時に口腔・咽頭での付着感が強まり、高齢者や嚥下困難者にとって摂食しにくい物性となる。したがって、過度の乳化処理を行わずに、製造時の充填の最後まで乳化調合液の乳化状態が安定で、オイルオフが発生しない安定した品質のゲル状乳化食品が求められていた。
これまで、脂質含量を高めた栄養補給用のゲル(ゼリー)状食品として、水、植物性油脂、ショ糖脂肪酸エステル、及びゲル化剤を含む嚥下困難者用高栄養ゼリー食品(特許文献1)や、ブリックス糖度35〜60となる量の糖質、油脂、及び寒天を含むエネルギー補給用ゲル状食品(特許文献2)等が報告されているが、これらの技術は、上記の課題については検討されていなかった。
特開2011−182785号公報 特開2013−85508号公報
本発明の目的は、ゲル状乳化食品の製造において、乳化調合液の充填が長時間に亘る場合でも、充填後期に製造されたゲル状乳化食品のオイルオフが起きず、かつ、高齢者や嚥下困難者にとって摂食し易いゲル状乳化食品を提供することであり、特に、構成脂肪酸中に中鎖脂肪酸を含む油脂を含有するゲル状乳化食品を提供することである。
ここで、本発明において、長時間の充填とは、具体的には、充填開始から2〜5時間継続して充填を行う状況を指す。
本発明は、上記の目的を達成するために、下記[1]〜[4]のゲル状乳化食品を提供する。
[1]油脂を15〜50質量%、平均HLBが6.5〜11であるポリグリセリン脂肪酸エステルを0.3〜0.6質量%、ゲル化剤、及び水を含有し、該ポリグリセリン脂肪酸エステルがHLB9未満のポリグリセリン脂肪酸エステルと、HLB9以上のポリグリセリン脂肪酸エステルとを含有することを特徴とする、ゲル状乳化食品。
[2]前記油脂は、全構成脂肪酸中に中鎖脂肪酸を60質量%以上含有することを特徴とする[1]に記載のゲル状乳化食品。
[3]前記ゲル状乳化食品は、前記ゲル化剤を1〜4質量%含有することを特徴とする[1]又は[2]に記載のゲル状乳化食品。
[4]前記ゲル化剤は、ゲル化剤全体中に寒天を5〜30質量%含有することを特徴とする[1]〜[3]のいずれか1つに記載のゲル状乳化食品。
[5]前記中鎖脂肪酸は、中鎖脂肪酸全体中に炭素数10以上の中鎖脂肪酸を50質量%以上含有することを特徴とする[1]〜[4]のいずれか1つに記載のゲル状乳化食品。
本発明によると、ゲル状乳化食品の製造において、乳化調合液の充填時間が長時間に亘る場合でも、継時的に乳化調合液の乳化状態が不安定にならず、充填後期に製造されたゲル状乳化食品のオイルオフが起きず、かつ、高齢者や嚥下困難者にとって摂食し易いゲル状乳化食品を提供することができる。
〔ゲル状乳化食品〕
本発明のゲル状乳化食品は、油脂、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ゲル化剤、及び水を含む水中油型乳化物をゲル化したものであり、具体的には、ゼリー、プリン、ゼリー飲料等、及びそれらと類似の態様である食品が挙げられる。
また、本発明の実施の形態に係るゲル状乳化食品の包装形態は、特に限定されるものではなく、ゼリー、プリン、ゼリー飲料等に通常用いられるものであれば目的に応じて任意に選択することができる。例えば、カップ、缶、紙容器、アルミパウチ、瓶等が挙げられる。
本発明のゲル状乳化食品は、カロリーが100g当たり150kcal以上であることが好ましい。また、少量の食事で十分な栄養を摂取する点から、カロリーは100g当たり200kcal以上であることがより好ましい。カロリーの上限は特に規定されないが、食べやすさの面から、100g当たり600kcal以下であることが好ましく、400kcal以下であることがより好ましい。なお、カロリーは、栄養表示基準(平成8年5月20日厚生省告示第146号)別表第1の第3欄記載の修正アトウォーター法に準じて測定される。
〔油脂〕
本発明のゲル状乳化食品は、油脂を15〜50質量%含有する。また、前記油脂の含有量は15〜40質量%が好ましく、17〜30質量%がより好ましく、20〜25質量%が最も好ましい。油脂の含有量が上記の範囲にあると、充填後期のゲル状乳化食品のオイルオフを抑制することができ、かつ、十分なカロリーが摂取できる。
本発明における油脂は、食用油脂であれば特に限定されないが、例えば、大豆油、菜種油、コーン油、ゴマ油、ゴマサラダ油、シソ油、亜麻仁油、落花生油、紅花油、ひまわり油、綿実油、ブドウ種子油、マカデミアナッツ油、ヘーゼルナッツ油、かぼちゃ種子油、クルミ油、椿油、茶実油、エゴマ油、ボラージ油、オリーブ油、米油、米糠油、小麦胚芽油、パーム油、パーム核油、魚油、及びこれらの混合油脂、分別油脂、エステル交換油脂等が挙げられる。
また、本発明のゲル状乳化食品は、前記油脂が、全構成脂肪酸中に中鎖脂肪酸を60質量%以上含む油脂であることが好ましい。ここで、前記全構成脂肪酸中に中鎖脂肪酸を60質量%以上含む油脂とは、具体的には、構成脂肪酸が全て中鎖脂肪酸である中鎖脂肪酸トリグリセリド(以下、MCTともいう)、MCTとMCT以外の食用油脂との混合油脂、前記混合油脂をエステル交換したエステル交換油脂、グリセリンと中鎖脂肪酸と長鎖脂肪酸とのエステル合成油脂等を挙げることができる。
前記油脂は、全構成脂肪酸中の中鎖脂肪酸含有量が、60〜95質量%が好ましく、65〜90質量%がより好ましく、70〜80質量%が最も好ましい。中鎖脂肪酸含有量が上記の範囲にあると、体内で速やかにエネルギー化されるため、エネルギー効率の点で好ましい。ここで、中鎖脂肪酸とは炭素数が6〜12である脂肪酸を指す。特に、炭素数が8であるn−オクタン酸や炭素数が10であるn−デカン酸が好ましい。また、前記中鎖脂肪酸は、多量に摂取することによる胃への負担を軽減するために、中鎖脂肪酸全体に占める炭素数10以上の中鎖脂肪酸の含有量が50質量%以上であることが好ましく、60〜100質量%であることがより好ましい。
油脂の全構成脂肪酸中の中鎖脂肪酸含有量は、ガスクロマトグラフィー分析により求めることができる。
また、本発明における油脂が、全構成脂肪酸中に中鎖脂肪酸を60質量%以上含む油脂である場合、該油脂は、本発明のゲル状乳化食品に、15〜35質量%含有することが好ましく、17〜28質量%がより好ましく、20〜24質量%が最も好ましい。油脂の構成脂肪酸として含まれる中鎖脂肪酸は、本発明における乳化調合液の乳化を不安定にするため、油脂の含有量が上記の範囲にあると、充填後期のゲル状乳化食品のオイルオフを抑制することができ、かつ、エネルギー効率が良く、十分なカロリーが摂取できる。
〔ポリグリセリン脂肪酸エステル〕
本発明のゲル状乳化食品は、平均HLBが6.5〜11であるポリグリセリン脂肪酸エステルを0.3〜0.6質量%含有し、該ポリグリセリン脂肪酸エステルはHLB9未満のポリグリセリン脂肪酸エステルと、HLB9以上のポリグリセリン脂肪酸エステルとを含有する。前記平均HLBが6.5〜11であるポリグリセリン脂肪酸エステルの含有量は、0.35〜0.55質量%が好ましく、0.4〜0.5質量%がより好ましい。ポリグリセリン脂肪酸エステルの含有量が上記の範囲にあると、製造時に調合液の乳化が容易になる。なお、ポリグリセリン脂肪酸エステルのHLBはグリフィン法により求めることができる。
本発明における平均HLBは、各ポリグリセリン脂肪酸エステルのHLB値を加重平均した数値を指し、7〜10.5が好ましく、7.5〜10.5がより好ましく、8〜10が最も好ましい。平均HLBが上記の範囲にあると、製造時に乳化した調合液の乳化状態が長時間安定し、充填後期のゲル状乳化食品のオイルオフを抑制することができる。
本発明におけるポリグリセリン脂肪酸エステルは、市販のポリグリセリン脂肪酸エステルを用いてもよいし、従来公知の方法により製造したポリグリセリン脂肪酸エステルを用いてもよい。ポリグリセリン脂肪酸エステルの製造方法は、特に限定されるものではなく、例えば、グリセリンと脂肪酸とのエステル化やグリセリンと油脂とのエステル交換といった従来公知の方法が挙げられる。以下に、ポリグリセリン脂肪酸エステルの製造方法の一例を示すが、これに限定されるものではない。まず、グリセリンと、水酸化ナトリウム(触媒)とを混合し、90℃以上で減圧しながら乾燥させた後、200〜270℃にて重合反応させて、ポリグリセリンを得る。得られたポリグリセリンと、脂肪酸とを、適当な比率で反応容器に仕込み、触媒として水酸化ナトリウム溶液を添加する。次いで、窒素気流下で、200℃以上の温度に加熱し、1〜3時間程度反応させた後、更に内温を250℃以上とし、3〜5時間反応させる。その後、常温まで冷却し、常法により精製し、ポリグリセリン脂肪酸エステルを得ることができる。なお、ポリグリセリン脂肪酸エステルのHLB値は、常法により調整することができる。
また、ポリグリセリン脂肪酸エステルを構成するポリグリセリンとしては、特に限定されないが、平均重合度が2〜20であれば良く、平均重合度が4〜20であるとより好ましい。例えば、ジグリセリン(平均重合度2)、トリグリセリン(平均重合度3)、テトラグリセリン(平均重合度4)、ヘキサグリセリン(平均重合度6)、デカグリセリン(平均重合度10)等が挙げられる。
本発明におけるポリグリセリン脂肪酸エステルは、HLB9未満のポリグリセリン脂肪酸エステルと、HLB9以上のポリグリセリン脂肪酸エステルとを含有するが、該HLB9未満のポリグリセリン脂肪酸エステルは、HLB2〜8が好ましく、HLB3〜6がより好ましく、3.5〜4.5が最も好ましい。他方、前記HLB9以上のポリグリセリン脂肪酸エステルは、HLB9〜18が好ましく、HLB10〜16がより好ましく、HLB11〜15が最も好ましい。ポリグリセリン脂肪酸エステルのHLBが上記の範囲にあると、製造時に乳化した調合液の乳化状態が長時間安定し、充填後期のゲル状乳化食品のオイルオフを抑制することができる。
〔ゲル化剤〕
本発明におけるゲル化剤は、特に限定されないが、タマリンドシードガム、グアーガム、ローカストビーンガム、カラギーナン、アラビアガム、アルギン酸類、ペクチン、プルラン、サイリウムシードガム、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、結晶セルロース、寒天、又はグルコマンナン等、及びこれらのうちの2種以上の組み合わせが挙げられる。
本発明のゲル状乳化食品は、前記ゲル化剤を1〜4質量%含有することが好ましく、1.5〜3質量%含有することがより好ましく、2〜2.5質量%含有することが最も好ましい。ゲル化剤の含有量が上記の範囲にあると、ゲル状乳化食品が高齢者や嚥下困難者にとって摂食し易い物性になる。
また、本発明におけるゲル化剤は、該ゲル化剤全体中に寒天を5〜30質量%含有することが好ましく、7〜20質量%含有することがより好ましく、10〜15質量%含有することが最も好ましい。ゲル化剤全体中の寒天の含有量が上記の範囲にあると、付着感を抑え、高齢者や嚥下困難者にとって摂食し易い物性になる。
〔水〕
本発明における水は、特に限定されないが、水道水、井戸水、精製水、イオン交換水等を用いることができる。
本発明のゲル状乳化食品は、前記水を35〜65質量%含有することが好ましく、40〜60質量%含有することがより好ましい。
〔その他の原料〕
本発明のゲル状乳化食品は、本発明の効果を損なわない範囲において、目的に応じて、糖質、ビタミン、ミネラル等の各種栄養成分、安定剤、香料等の食品添加物を含んでもよい。
〔ゲル状乳化食品の製造方法〕
本発明のゲル状乳化食品の製造は、70℃以上の温水に油脂以外の原料を溶解し、混合して均一な調製液とし、その後、油脂を投入してホモミキサーで予備乳化し、さらにホモジナイザーで均質化(10〜20Mpa)して乳化調合液とする。次に、前記乳化調合液の温度を70℃以上に保持しながら容器に充填し、密封した後、加熱殺菌(85〜125℃)し、冷却してゲル化する。
次に、諸例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
〔ゲル状乳化食品の製造−1〕
表1に記載の比率に従い各種ゲル状乳化食品を製造した。なお、使用した原材料は下記の通りである。
MCT:日清オイリオグループ株式会社製、商品名:MCT C10R(n−オクタン酸:n−デカン酸=3:7)
菜種油:日清オイリオグループ株式会社製、商品名:日清キャノーラ油
乳化剤1:太陽化学株式会社製、商品名:サンソフトA−186E(ヘキサステアリン酸ペンタグリセリン、HLB4.0)
乳化剤2:太陽化学株式会社製、商品名:サンソフトA−121E(モノラウリン酸ペンタグリセリン、HLB14.0)
ゲル化製剤:三栄源エフ・エフ・アイ株式会社製、商品名:ゲルアップPI(寒天を含まず)
寒天:伊那食品株式会社製、商品名:ウルトラ寒天
リンゴピューレ:株式会社果香製、商品名:アップルピューレ
砂糖:三井製糖株式会社製、商品名:グラニュー糖
デキストリン:株式会社林原製、商品名:らん
トレハロース:株式会社林原製、商品名:トレハ
表1に記載の配合に従い、原料を調製・秤量し、以下に記載した手順でゲル状食品を製造した。
最初に沸騰した水に寒天を溶解させ、その後75℃以下とならないように品温を保持し、リンゴピューレと油脂以外の原料を投入し、撹拌溶解した。その後、リンゴピューレを投入し、混合して均一な調合液とした後、油脂を投入してホモミキサーで予備乳化し、さらに、ホモジナイザーで均質化した。このようにして、品温が75℃の乳化調合液を1000g得た。その後、乳化調合液を0.5時間以内に充填する群と、緩やかに攪拌しながら品温を75℃に保持して2.5時間後に充填する群との2群に分け、各群の調合液をアルミパウチ袋に100g充填・密封した後、レトルト殺菌し、その後冷却してゲル状乳化食品を得た(実施例1及び2、比較例1及び2)。
〔ゲル状乳化食品の特性値〕
(カロリー)
ゲル状乳化食品のカロリーは、修正アトウォーター法を用いて算出した。結果を表1のカロリーの欄に示す。
(油脂の全構成脂肪酸中の中鎖脂肪酸含有量)
油脂の全構成脂肪酸中の中鎖脂肪酸含有量は、油脂(MCTと菜種油との混合油)をガスクロマトグラフィーにより分析することで求めた。結果を表1の中鎖脂肪酸含有量の欄に示す。
(乳化剤の平均HLB)
乳化剤の平均HLBは、乳化剤1及び乳化剤2のHLB値を加重平均して求めた。結果を表1の平均HLBの欄に示す。
(最小粒子径及び最大粒子径)
ゲル状乳化食品の乳化粒子の最小粒子径及び最大粒子径は、乳化調合液を調製から2.5時間後に充填して製造したものについて測定した。すなわち、ゲルの切片を透過型デジタル顕微鏡(VHX−5000、KEYENCE社製)用いて500倍に拡大し、ゲルの異なる3ケ所について乳化粒子を撮影した。つぎに、撮影した3ケ所の画像から最小粒子と最大粒子とを選定し、それぞれの粒子径を求めた。結果を表1の最小粒子径と最大粒子径の欄に示す。
〔ゲル状乳化食品の評価〕
(ゲル状乳化食品のオイルオフ)
ゲル状乳化食品のオイルオフは、乳化調合液を調製後0.5時間以内に充填したものと、2.5時間後に充填して製造したものについて、ゲル表面のオイルオフ(油の分離)を目視で観察して、下記の評価基準に従い評価した。なお、評価は3名の評価者の総意とした。結果を表1のオイルオフの欄に示す。
○:ゲル表面に油滴が認められない
×:ゲル表面に油滴が認められる
(官能評価)
ゲル状乳化食品の官能評価は、乳化調合液を調製から2.5時間後に充填して製造したものについて、食した時の付着感を下記の評価基準に従い評価した。なお、評価は3名の評価者の総意とした。結果を表1の官能評価の欄に示す。
○:付着感がなく、スムーズに飲み込むことができ、高齢者や嚥下困難者にも適する
×:付着感があり、スムーズに飲み込めず、高齢者や嚥下困難者には適さない
Figure 0006297230
表1の結果より、HLB4及びHLB14の乳化剤を含み、平均HLBが8又は10である乳化剤を含有するゲル状乳化食品(実施例1及び2)は、乳化調合液の調製から2.5時間後に充填して得られたものでも、オイルオフが発生せず、また、官能評価でも付着感がなく高齢者や嚥下困難者にも適するものであった。これは、乳化調合液の乳化粒子が細かくなり過ぎず、かつ、乳化が経時的に安定であることに起因していると考えられた。
他方、平均HLBが6である乳化剤を含有するゲル状乳化食品(比較例1)は、乳化調合液の調製から2.5時間後に充填して得られたものにオイルオフが発生した。これは、乳化調合液の乳化が経時的に不安定になることに起因していると考えられた。
また、平均HLBが12である乳化剤を含有するゲル状乳化食品(比較例2)は、乳化調合液の調製から2.5時間後に充填して得られたものでも、オイルオフが発生しなかったが、官能評価では付着感があり、高齢者や嚥下困難者に適さないものであった。これは、乳化調合液の乳化粒子が細かくなり過ぎたことに起因していると考えられた。
〔ゲル状乳化食品の製造−2〕
表2に記載の比率に従い、上記実施例1及び2並びに比較例1及び2と同様にゲル状乳化食品を製造した。なお、乳化剤以外の原料は、上記実施例1及び2並びに比較例1及び2の製造において使用した原料と同様のものを使用した。また、上記の製造において使用した原料に加えて、乳化剤3(阪本薬品工業株式会社製、商品名:SYグリスターTS−7S(デカグリセリントリエステル、HLB10.0))を使用した。
Figure 0006297230
表2のゲル状乳化食品の特性値及び評価は、上記「ゲル状乳化食品の製造−1」と同様に行った。
表2の結果より、HLB10の1種の乳化剤のみを含有するゲル状乳化食品(比較例3)は、乳化調合液の調製から0.5時間以内に充填して得られたものにオイルオフが発生した。また、乳化調合液の調製から2.5時間後に充填して得られたものは、オイルオフが進行し、商品として許容できないものであったので、官能評価は実施しなかった。
表1及び2の結果より、乳化の程度(乳化粒子径)が同等で、乳化剤のHLBが10であっても、1種のみを使用して調製した乳化調合液(比較例3)では、乳化安定性が悪く、他方、HLB4及びHLB14の乳化剤を含み、平均HLBが10である乳化剤を使用して調製した乳化調合液(実施例2)では、乳化安定性に優れることが分かる。

Claims (5)

  1. 油脂を15〜50質量%、平均HLBが6.5〜11であるポリグリセリン脂肪酸エステルを0.3〜0.6質量%、ゲル化剤、及び水を含有し、該ポリグリセリン脂肪酸エステルがHLB9未満のポリグリセリン脂肪酸エステルと、HLB9以上のポリグリセリン脂肪酸エステルとを含有することを特徴とするゲル状乳化食品。
  2. 前記油脂は、全構成脂肪酸中に中鎖脂肪酸を60質量%以上含有することを特徴とする請求項1に記載のゲル状乳化食品。
  3. 前記ゲル状乳化食品は、前記ゲル化剤を1〜4質量%含有することを特徴とする請求項1又は2に記載のゲル状乳化食品。
  4. 前記ゲル化剤は、ゲル化剤全体中に寒天を5〜30質量%含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のゲル状乳化食品。
  5. 前記中鎖脂肪酸は、中鎖脂肪酸全体中に炭素数10以上の中鎖脂肪酸を50質量%以上含有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のゲル状乳化食品。
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