JP2011182785A - 嚥下困難者用高栄養ゼリー食品 - Google Patents

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【課題】嚥下困難者の摂食に適した形状およびゼリー状のテクスチャーを有し、高い栄養価を有すると共に、離水等の問題の生じにくい嚥下困難者用高栄養ゼリー食品を提供する。
【解決手段】(a)水:20〜36重量%、(b)植物性油脂:50〜74重量%、(c)ショ糖脂肪酸エステル(乳化剤):0.5〜3.0重量%、(d)ゲル化剤:0.5〜1.5重量%、および(e)甘味料、香味料および栄養補助成分からなる群より選択される1または複数:残部を含む混合物を起泡させないように混合しゲル化させて得られ、例えば、幅15〜35mm、長さ80〜150mm、厚さ1〜10mmの板状の形状を有し、100gあたりの熱量が530〜640kcalであることを特徴とする嚥下困難者用高栄養ゼリー食品。
【選択図】なし

Description

本発明は、嚥下困難者の摂食に適した形状およびテクスチャーを有する嚥下困難者用高栄養ゼリー食品に関する。
高齢化の進展等に伴い、飲食物の咀嚼や嚥下の動作に困難を伴う嚥下困難者が増加しつつある。このような嚥下困難者は、通常の食事を十分に摂ることが困難であるために十分な量の栄養を摂取できず、健康を害してしまう場合がある。また、咀嚼機能や嚥下機能の低下に伴い、食物を喉に詰まらせたり、誤嚥により肺炎等の疾患を引き起こしたりするおそれもある。
このような嚥下困難者のために、種々のゲル状食品や液状食品のゲル化剤が開発されている。これらに求められる性質としては、(1)軟口蓋ですりつぶすことができる程度の適度の硬さ、(2)適度な食塊形成能、(3)口腔および咽頭への付着しにくさ、(4)保水性(離水しにくさ)等が挙げられる。また、栄養状態の改善や、QOLの向上等の観点から、栄養価が高いことや、食感および食味に優れている等の性質を併せ持つことが望まれる。ゲル状食品にこれらの性質を付与するためには、ゲル化する液状食品が油脂を含んでいることが好ましい。
ゼラチンおよびテングサ(アガロース)等のゲル化剤を用いたゲル状食品が古くから知られている。これらのゲル化剤がゲル化できるのは主に水溶液であり、これらのみを用いて油脂をゲル化することは非常に困難である。油脂と水との混合物をゲル化したゲル状食品および液状食品用ゲル化剤の例として、特許文献1には、ゲル化剤(ペクチン、タマリンドガム、寒天等)に起泡性タンパク質、キサンタンガム及びトラガントガムのうち1種又は複数種を0.01重量%以上、油脂量として10〜75重量%に相当する油脂性食品(バター、クリーム、ピーナツバター、カカオマス等)を乳化分散させることを特徴とする、風味及び栄養価に優れたゲル状食品を製造する方法が開示されている。
特許文献2には、タンパク質・エネルギー低栄養状態を改善するために、油脂を全体の1〜80重量%含有し、全構成脂肪酸の5〜100重量%の割合で中鎖脂肪酸を含有し、ゲル状またはとろみ状のタンパク質・エネルギー低栄養状態改善用食品が開示されている。
特開昭56−113263号公報 国際公開第02/94039号パンフレット
しかしながら、特許文献1記載のゲル状食品は、風味の改善や多量の油脂を含む食品についても乳化分散を容易にすることを目的としており、必ずしも嚥下困難者の摂食を容易にすることを目的としていない。また、特許文献2記載のタンパク質・エネルギー低栄養状態改善用食品においても嚥下困難者の摂食を容易にすることについては必ずしも考慮されておらず、ゲル状またはとろみ状の性状を有する場合には、好ましい油脂含有量が1〜30重量%とされており(国際公開第02/94039号パンフレット第10頁11〜14行目)、油脂含有量の高い液状食品をゲル化することについては想定されていない。
一般に、油脂含量の高い液状食品をゲル化する場合、離水が発生すると共に、撹拌に伴う気泡の混入によりムース状となったり、固形油脂状を呈して風味や食感が損なわれたりするおそれがあり、嚥下困難者の摂取に適したゲル状食品を得ることが困難である。
本発明はかかる事情に鑑みてなされたもので、嚥下困難者の摂食に適した形状およびゼリー状のテクスチャーを有し、高い栄養価を有すると共に、離水等の問題の生じにくい嚥下困難者用高栄養ゼリー食品を提供することを目的とする。
前記目的に沿う本発明は、下記の成分
(a)水:20〜36重量%
(b)植物性油脂:50〜74重量%
(c)ショ糖脂肪酸エステル(乳化剤):0.5〜3.0重量%
(d)ゲル化剤:0.5〜1.5重量%
(e)甘味料、香味料および栄養補助成分からなる群より選択される1または複数:残部
を含む混合物を起泡させないように混合しゲル化させたゼリー状食品であって、
100gあたりの熱量が530〜640kcalであることを特徴とする嚥下困難者用高栄養ゼリー食品を提供することにより上記課題を解決するものである。
上記の割合で水および植物性油脂を配合することにより、嚥下困難者の摂食に好適なゼリー状のテクスチャーを生成させることができると共に、少量の摂取で十分な量のエネルギーを摂取でき、しかもすべりがよいため口腔および咽頭に付着しにくいゲル状食品を提供することができる。また、上記割合でショ糖脂肪酸エステルを配合することにより、乳化分散状態を改善し、離水を防止できる。
本発明に係る嚥下困難者用高栄養ゼリー食品は、幅15〜35mm、長さ80〜150mm、厚さ1〜10mmの板状の形状を有していてもよい。
予め上記のような形状とすることにより、嚥下困難者による摂食をさらに容易にできる。
上記のような形状を有する本発明に係る嚥下困難者用高栄養ゼリー食品は個別包装されていてもよい。
本発明に係る嚥下困難者用高栄養ゼリー食品において、前記ゲル化剤が、ローカストビーンガム、カラギナン、マンナン、キサンタンガム、グアーガムからなる群より選択される1または複数の多糖類を含むことが好ましい。
上記のゲル化剤は、油脂を高い割合で含む液状食品についても、少ない使用量でゲル化させることができると共に、得られるゲル状食品の性状を嚥下困難者の摂食に適したものとすることができる。
本発明によると、嚥下困難者の摂食に適した形状およびゼリー状のテクスチャーを有し、高い栄養価を有すると共に、離水等の問題の生じにくい嚥下困難者用高栄養ゼリー食品が提供できる。
嚥下内視鏡検査により観測した高栄養ゼリー食品の嚥下前の咽頭部の写真である。 嚥下内視鏡検査により観測した高栄養ゼリー食品の嚥下後の咽頭部の写真である。 嚥下造影法により撮影した高栄養ゼリー食品嚥下時の咽頭部および食道のX線写真である。 嚥下造影法により撮影した高栄養ゼリー食品嚥下時の咽頭部および食道のX線写真である。 嚥下造影法により撮影した高栄養ゼリー食品嚥下時の咽頭部および食道のX線写真である。 嚥下造影法により撮影した高栄養ゼリー食品嚥下時の咽頭部および食道のX線写真である。
本発明の一実施の形態に係る嚥下困難者用高栄養ゼリー食品(以下「高栄養ゼリー食品」と略称する場合がある。)は、下記の成分
(a)水:20〜36重量%
(b)植物性油脂:50〜74重量%
(c)ショ糖脂肪酸エステル(乳化剤):0.5〜3.0重量%
(d)ゲル化剤:0.5〜1.5重量%
(e)甘味料、香味料および栄養補助成分からなる群より選択される1または複数:残部
を含む混合物を起泡させないように混合しゲル化させたゼリー状食品である。
組成物に含まれる水の量は、組成物全体の20から36重量%である。水の含有量が組成物の20重量%を下回ると植物性油脂と混合した際に安定な乳化物が得られず、ゼリー状のテクスチャーを有する高栄養ゼリー食品が得られない。一方、水の含有量が組成物の36重量%を超えると、植物性油脂の含有量が低くなり過ぎ、単位重量あたりの熱量が不十分となる。
植物性油脂としては、大豆油、綿実油、オリーブ油、コーン油、ゴマ油、サフラワー油等の任意の植物性油脂を用いることができるが、必須脂肪酸であるリノール酸、αリノレン酸を多く含むものが好ましい。植物性油脂としては、1種類の油脂を単独で用いてもよく、任意の2種以上を任意の割合で混合して用いてもよい。
組成物に含まれる植物性油脂の量は、組成物全体の50〜74重量%である。植物性油脂の含有量が組成物の74重量%を超えると、水と混合した際に安定な乳化物が得られず、ゼリー状のテクスチャーを有する高栄養ゼリー食品が得られない。一方、植物性油脂の含有量が組成物の50重量%を下回ると、植物性油脂の含有量が低くなり過ぎ、単位重量あたりの熱量が不十分となる。
乳化剤として組成物に添加されるショ糖脂肪酸エステルとしては、食品および医薬品製造に用いられる任意の1種類または複数種類のショ糖脂肪酸エステルを用いることができる。組成物全体に含まれるショ糖脂肪酸エステルの量は、水と植物性油脂の含有量の割合、用いられる植物性油脂の種類等に応じて適宜調整されるが、組成物全体の0.5〜3.0重量%である。ショ糖脂肪酸エステルの含有量が組成物全体の0.5重量%を下回ると、安定な乳化物が得られず、ショ糖脂肪酸エステルの含有量が組成物全体の3.0重量%を超えると、苦みが生じる等の問題が生じるおそれがある。
ゲル化剤としては、上記(a)〜(c)のような割合で、水、植物性油脂および乳化剤を含む組成物をゲル化させ、ゼリー状のテクスチャーを有するゲルを形成できる限りにおいて任意のゲル化剤を用いることができるが、ローカストビーンガム、カラギナン、マンナン、キサンタンガム、グアーガムからなる群より選択される1または複数の多糖類を含むゲル化剤が好ましい。ゲル化剤の含有量は、組成物全体の0.5〜1.5重量%である。ゲル化剤の含有量が組成物全体の0.5重量%を下回るとゼリー状のテクスチャーが形成できなくなり、ゲル化剤の含有量が組成物全体の1.5重量%を上回ると、得られる高栄養ゼリー食品の強度が高くなり過ぎ、嚥下困難者の摂食に適しなくなるおそれがある。
組成物は、風味の調節および栄養強化等の目的で、甘味料、香味料および栄養補助成分からなる群より選択される1または複数をさらに含んでいる。甘味料としては、ブトウ糖、ショ糖、ブドウ糖果糖液糖等の糖質、サッカリン、アスパルテーム(登録商標)、アセスルファムK(登録商標)、スクラロース(登録商標)等の人工甘味料等の任意の甘味料を用いることができる。香味料(フレーバー)としては、食品および医薬品の製造に用いられる各種天然および人工香味料を適宜用いることができる。栄養補助成分としては、アミノ酸、脂溶性および水溶性ビタミン、ミネラル類(カルシウム、鉄等に加え、亜鉛、銅等の微量必須元素を含む)等を用いることができる。
上記の各成分(a)〜(e)を、プロペラミキサー等の空気を巻き込まない撹拌または混合手段を用いて起泡させないように混合することにより混合物を得る。各成分の添加の順序および混合方法については特に制限されないが、混合物の調製は、例えば、下記のような工程(1)から(3)を含む方法で行われる。(1)加熱した水にゲル化剤を溶解、(2)ゲル化剤水溶液を撹拌しながら乳化剤を添加、(3)得られた水溶液を撹拌しながら、加温した植物性油脂を添加し乳化した混合物を得る。甘味料、香味料、および栄養補助成分は、工程(1)と(2)の間、工程(2)と(3)の間、および工程(3)の後のいずれかにおいて添加される。これらの成分(e)は一度にすべてを添加してもよいが、各成分ごとに分けて添加してもよい。なお、混合物を得る工程は、ゲル化温度以上の高温(例えば60℃以上、好ましくは70℃以上、より好ましくは80℃以上)で行う必要がある。なお、植物性油脂の酸化を防止するために、混合物の調製を、例えば、窒素雰囲気下で行ってもよい。
得られた液体状の混合物を加熱条件下で型に充填し、必要に応じて滅菌処理を行った後、冷却してゲル化させることにより、ゼリー状のテクスチャーを有する高栄養ゼリー食品が得られる。
このようにして得られる高栄養ゼリー食品は、例えば、幅15〜35mm、長さ80〜150mm、厚さ1〜10mmの板状(スティック状)の形状を有するように成型される。カップ等に充填した状態のものをスプーンですくい取った山形の形状を有するゼリーを嚥下困難者が摂食する場合、飲み込みにくく、小さく砕けることにより口や咽頭に残りやすくなる。そのため、喉につかえたり、窒息や誤嚥を起こしたりするおそれがある。一般に、ゼリーのような食品は、スムーズな表面を有する板状(スライス状)の形状にすると、咽頭の通過がスムーズなため飲み込みやすく、誤嚥や窒息のリスクを低減できるとされている。しかし、カップ等に充填したゼリーをスプーン等で切り出して上記のような形状のゼリー片を作ることは困難であり、どうしても端切れが生じてしまう。
そこで、高栄養ゼリー食品を、咽頭をスムーズに通過して飲み込みやすいとされる上記のような板状あるいはスライス状の形状に予め成型しておくことにより、十分な喉頭挙上が得られなくても咽頭を通過することができる。さらに植物性油脂を多く含むことに起因する滑りのよさと相まって、前記のような嚥下障害の生じるおそれを大幅に低減できる。また、上記のような板状またはスティック状の形状とすることにより、一度に摂食する分のみ個別包装することもでき、あるいは、ひと口分ごとにスプーン等で切り分けることが容易になるため、医療、介護等の現場での取り扱いや衛生面においても優れた嚥下困難者用食品とすることができる。
高栄養ゼリー食品は、植物性油脂を多く含むため単位重量あたりの熱量が大きく、100gあたり530〜640kcalの熱量を含んでいる。そのため、少量の摂食で十分なエネルギーを摂取できる。また、植物性油脂含有量が高いにも関わらずゼリー状のテクスチャーを有しており、油っぽさ等を伴わずに快適に摂食することができる。さらに、高栄養ゼリー食品は、タンパク質を必須の構成成分としないため、誤嚥性肺炎の原因となるおそれのあるタンパク質を含まないようにすることも容易である。
高栄養ゼリー食品の嚥下動態の評価は、任意の公知の方法を用いて行うことができ、その具体例としては、嚥下内視鏡検査(VE)、嚥下造影法(VF)、嚥下に関与する筋肉の筋電図検査(EMG)、頸部聴診法等が挙げられる。比較のために、嚥下訓練食について同様の測定を行い、得られた結果を比較してもよい。
実施例1:高栄養ゼリー食品の製造
ローカストビーンガム、カラギナン、マンナン、キサンタンガムを主成分とするゲル化剤0.68重量部を水33.23重量部に添加し、95℃の浴槽中、プロペラ型撹拌器(1300rpm)を用いて泡立てないよう45分間撹拌し、ゲル化剤水溶液を調製した。ゲル化剤水溶液を撹拌しながらショ糖脂肪酸エステル系乳化剤1.0重量部を添加し、2分間撹拌した。次いで、グラニュー糖3.0重量部、アセスルファムK0.11重量部、L-グルタミン酸ナトリウム0.1重量部を加えた後、クエン酸ナトリウム0.1重量部を加えた。このようにして得られた混合物に、75℃に加温した大豆白絞油61.0重量部を少しずつ注ぎ乳化させる。乳化した混合物に、クエン酸−リンゴ酸1:1水溶液を少しずつ加えてpHを3.8程度に調整し、微量のグルコン酸亜鉛およびグルコン酸銅を加えた後、ヨーグルトフレーバー0.5重量部を加えて5分間程度撹拌した。このようにして得られた混合物(ゼリー液)を85℃に加温した型(20mm×137mm×10mm)に充填し、冷却しゲル化させた。
比較例1
上記のゲル化剤の代わりに、市販の寒天系のゲル化剤を用いた以外は実施例1と同様の操作を行い、ゼリー食品の製造を試みたが、固形油状となり、ゼリー状のテクスチャーは発現しなかった。
比較例2
ホイップミキサーで撹拌を行う以外は実施例1と同様の操作を行い、ゼリー食品の製造を試みたが、ムース状となり、ゼリー状のテクスチャーは発現しなかった。
実施例2:嚥下内視鏡検査による高栄養ゼリー食品の嚥下動態の検討
開始食から嚥下食IIの対象である嚥下困難者(ゼリーの摂食が可能であることを確認の上、インフォームドコンセントを得た。)に、実施例1で製造したスティック状の高栄養ゼリー食品をスプーンで長さ方向に3等分したものを丸のみ嚥下してもらい、咽頭部を内視鏡観察した。図1および図2に、それぞれ、嚥下前および嚥下後の咽頭部の写真を示す。図2において明らかなように、咽頭、喉頭蓋谷、梨状窩、食道入口部等への残渣の付着は観測されなかった。
実施例3:嚥下造影法による高栄養ゼリー食品の嚥下動態の検討
開始食から嚥下食IIの対象である嚥下困難者(ゼリーの摂食が可能であることを確認の上、インフォームドコンセントを得た。)に、実施例1で製造したスティック状の高栄養ゼリー食品をスプーンで長さ方向に3等分し、硫酸バリウムをまぶしたものを丸のみ嚥下してもらい、咽頭部および食道をX線撮影した。結果を図3〜6に示す。図中、硫酸バリウムでまぶされた高栄養ゼリー食品の位置を矢印で示している。これらの図より明らかなように、高栄養ゼリー食品はスムーズに咽頭および食道を通過しており、咽頭蓋谷や咽頭への高栄養ゼリー食品の付着は観測されなかった。
実施例4:筋電図検査および頸部聴診検査
開始食から嚥下食IIの対象である嚥下困難者(ゼリーの摂食が可能であることを確認の上、インフォームドコンセントを得た。)に、実施例1で製造したスティック状の高栄養ゼリー食品をスプーンで長さ方向に3等分したものを丸のみ嚥下してもらい、その際の表面筋電図の測定、頸部に接触させた電子聴診器による嚥下産生音の測定および周波数解析を行った。併せて、コントロールとして市販の嚥下訓練用ゼリー2種類について同様の測定を行い、結果を比較したところ、実施例1で製造した高栄養ゼリー食品について、コントロールと有意差のない結果が得られた。

Claims (4)

  1. 下記の成分
    (a)水:20〜36重量%
    (b)植物性油脂:50〜74重量%
    (c)ショ糖脂肪酸エステル(乳化剤):0.5〜3.0重量%
    (d)ゲル化剤:0.5〜1.5重量%
    (e)甘味料、香味料および栄養補助成分からなる群より選択される1または複数:残部
    を含む混合物を起泡させないように混合しゲル化させたゼリー状食品であることを特徴とする嚥下困難者用高栄養ゼリー食品。
  2. 幅15〜35mm、長さ80〜150mm、厚さ1〜10mmの板状の形状を有することを特徴とする請求項1記載の嚥下困難者用高栄養ゼリー食品。
  3. 個別包装されていることを特徴とする請求項2記載の嚥下困難者用高栄養ゼリー食品。
  4. 前記ゲル化剤が、ローカストビーンガム、カラギナン、マンナン、キサンタンガム、グアーガムからなる群より選択される1または複数の多糖類を含むことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項記載の嚥下困難者用高栄養ゼリー食品。
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