JPH1084895A - 麺帯用水中油滴型乳化油脂組成物とその用途 - Google Patents
麺帯用水中油滴型乳化油脂組成物とその用途Info
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Abstract
ても調理直後と同様の食感を再現することができる麺帯
用水中油滴型乳化油脂の提供。 【解決手段】 食用油脂30〜60重量部、還元水飴1
5〜40重量部、HLB11〜16のショ糖脂肪酸エス
テル1〜6重量部およびHLB4〜7のモノグリセリン
脂肪酸エステル1〜6重量部からなることを特徴とする
麺帯用水中油滴型乳化油脂組成物。
Description
などの麺帯の製造に際し生地中に練り込むことにより、
澱粉老化による硬化を防止することができる麺帯用水中
油滴型乳化油脂組成物とその用途に関する。
は、小麦粉に水を加えて練り上げ薄く圧延し丸型で抜く
ことにより製造される。これに具材を包み成型した後焼
成した餃子を冷凍し、電子レンジで解凍するとみみの部
分が硬化しやすいという欠点が生じる。また、加熱調理
した餃子を数時間冷蔵保管した場合にも同様の問題が生
じていた。この問題点を解決するためには、(イ)生地
中への水分の分散を均一にし、かつ十分に浸透させるた
めに添加する水分を多くする、(ロ)生地中の澱粉の老
化を防ぐために乳化剤を添加する、(ハ)生地に油脂を
添加する、(ニ)生地に保湿性を与えるために糖類を添
加するなどの方法が提案されている。
は、生地の伸長性を増すには効果的であるが、生地が柔
らかくなりすぎて、生地が互いに付着しやすくなり機械
耐性が悪くなる。(ロ)の方法は、油溶性乳化剤を生地
中に均一分散することが困難である他、多量に入れると
えぐ味が出るなどのマイナス面がある。(ハ)の方法
は、油脂を生地中へ均一に分散させること自体が困難で
あり、そのためかえって生地が破れるといった問題が生
じる。(ニ)の方法は多量に添加すると甘味が強くな
り、風味を損なう。このように、これまでに提案された
方法は、いずれも作業性や風味の面で問題を抱えてい
る。また、その効果も不充分であり、焼成した餃子を冷
凍後、電子レンジで解凍するとみみの部分が硬化しやす
いという欠点は、解決できず実用化はされていない。一
方、生地中に油脂を添加して機械耐性を向上する方法と
して、食用油脂、多価アルコール水溶液、ポリグリセリ
ン脂肪酸エステル、有機酸グリセリン脂肪酸エステル、
天然食用ワックスおよびレシチンからなることを特徴と
する水中油滴型乳化油脂を麺生地に添加する方法(特開
昭62−282545号公報)が提案されている。しか
し、この方法では、圧延後の生地の状態は良好ではある
が、冷凍解凍後のみみの硬化防止には効果がなかった。
来の生地製法の欠点を解消し、作業性の向上および食感
の向上を目的として、鋭意研究を進めた結果、生地調製
時にあらかじめ還元水飴、食用油脂、および特定の乳化
剤からなる水中油滴型乳化油脂を加えることにより、上
記問題点を全て解決することができ、かつ食感に優れた
皮を得ることができることを見いだし、本発明を完成す
るに至った。すなわち、本発明は食用油脂30〜60重
量部、還元水飴15〜40重量部、HLB11〜16の
ショ糖脂肪酸エステル1〜6重量部およびHLB4〜7
のモノグリセリン脂肪酸エステル1〜6重量部からなる
ことを特徴とする麺帯用水中油滴型乳化油脂組成物およ
びその油脂組成物を含んでなる麺帯食品に関するもので
ある。
地を麺帯にしたもので、麺帯食品とはこれを調理し食品
にしたものであり、具体的に例えば、麺帯は餃子、シュ
ーマイ、ワンタンの皮、麺、スパゲッテイなどである。
本発明に使用する食用油脂は、例えば、ナタネ白絞油、
大豆油、コーン油などの植物油脂または牛脂、豚脂など
の動物油脂、あるいはそれらの水素添加油、エステル交
換油などの加工油脂である。そして、これらのうち1種
あるいは2種以上の混合物を用いることができるが、一
方、生地への分散性を考慮すると、本発明の水中油滴型
乳化油脂は、流動性を有することが望ましく、そのため
には用いられる食用油脂として常温で液体もしくは低融
点のものが好ましい。食用油脂の配合量は30〜60重
量部であり好ましくは40〜55重量部である。30重
量部未満であると冷凍耐性の効果が出ず、また、60重
量部を越えると水中油滴型乳化油脂自体の乳化安定性が
悪くなる。
飴のカルボニル基に水素を付加したもので生地の保湿性
を向上させることに加えて水中油滴型乳化油脂の保存安
定性向上にも効果を有する。還元水飴の配合量は15〜
40重量部であり、20〜30重量部であるとさらに好
ましい。還元水飴は一般に30%の含水物となっている
が、これを固形分が上記の範囲に入るように配合する。
固形分換算した配合量が15重量部未満では、還元水飴
の効果が不充分である。また、40重量部を超えると相
対的に食用油脂の配合量が低下するため、本発明の効果
が得られない。
は、HLB11〜16のものを使用する。脂肪酸部に用
いられる脂肪酸は、例えば、パルミチン酸、ステアリン
酸、オレイン酸などである。そのエステル化度は、水中
油滴型乳化油脂自体の乳化安定性、および澱粉との相互
作用の点からモノエステルが好ましい。さらに、その添
加量は1〜6重量部がよく、1重量部未満では本発明の
効果は不充分であり、また6重量部を超えても添加の効
果は増大しない。
ステルは、HLB4〜7のものを使用する。脂肪酸部に
用いられる脂肪酸は、例えば、パルミチン酸、ステアリ
ン酸、オレイン酸などである。そのエステル化度は、澱
粉との相互作用の点からモノエステルが好ましい。さら
に、その添加量は1〜6重量部がよく、1重量部未満で
は本発明の効果が不充分であり、また6重量部を超える
と水中油滴型乳化油脂の乳化安定性が悪い。
肪酸エステルおよびモノグリセリン脂肪酸エステルを特
定の比率で添加してなることを特徴とするものである
が、さらにその乳化安定性を補強するため、他の乳化
剤、例えば、レシチン、ポリグリセリン脂肪酸エステ
ル、グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エス
テルなどの乳化剤を併用してもよい。また、加工澱粉、
増粘多糖類、蛋白質などを適宜添加し分散することもで
きる。更には、水中油滴型乳化油脂の保存性を損なわな
い範囲で、水を添加しても構わない。本発明の水中油滴
型乳化油脂は、例えば65℃程度に加熱した食用油脂に
ショ糖脂肪酸エステル、モノグリセリン脂肪酸エステル
を添加し攪拌・溶解して、この油相部を還元水飴に徐々
に配合・攪拌して予備乳化を行い、その後、さらに、ホ
モミキサー、圧力式ホモジナイザー、コロイドミル等を
用いて完全に乳化して調製する。
麦生地である例えば餃子の皮の生地を混合する際、小麦
粉等の粉類100重量部に対し5〜20重量部、好まし
くは、7.5〜15重量部を添加する。5重量部未満で
は該水中油滴型乳化油脂の効果が不十分であり、20重
量部を越えても効果は平衡になり、また、生地の機械耐
性が低下する。
具体的に説明する。 実施例1 65℃に加熱したナタネ白絞油1650g(55量部)
に、モノグリセリンステアリン酸エステル(理研ビタミ
ン(株)製、商品名「エマルジーMS」HLB:4)6
0g(2.0重量部)、レシチン(日清製油(株)製、
商品名「レシチンDX」)6g(0.2重量部)、ショ
糖ステアリン酸エステル(三菱化学フーズ(株)製、商
品名「S−1570」モノエステル主体HLB:15)
60g(2.0重量部)を溶解して油相部とした。別
に、65℃に加熱した30%含水還元水飴(東和化成工
業(株)製、商品名「アマミール」)1290g(固形
分換算30重量部)に、ポリグリセリン脂肪酸エステル
(阪本薬品工業(株)製、商品名「SYグリスターMO
−750」HLB:13)39g(1.3重量部)を分
散させて水相部とした。次いで、この水相部を攪拌しな
がら先の油相部を徐々に加え粗乳化させた。さらに、こ
の粗乳化液を圧力式ホモジナイザーで均質化した後10
℃まで急速冷却して、水中油滴型乳化油脂を得た。これ
らの配合組成を表1に示した。
実施例1に準じた方法で調製し、実施例2〜5とした。
(30重量部)、実施例1で得た水中油滴型乳化油脂2
0g(10重量部)を配合し縦型捏和機を用いて10分
間混合した後、さらに麺帯ローラー(大成機械工業製)
にて4回圧延後、0.75mmの厚さにし、80mmの
円に型抜きして、餃子の皮とした。下記の生地状態の評
価基準により、餃子の生地圧延時の生地状態を観察した
結果を表2に示した。 [生地状態の評価基準] ○:圧延中に、生地荒れや生地が破れることがなく、滑
らかである。 △:やや生地は荒れているが、生地が破れることはな
い。 ×:圧延中に、生地荒れや生地が破れることがあった。
うが、塩、酒、ごま油、醤油片栗粉を用いて作った。上
記の餃子の皮1枚に具材を18gづつ包んだものを水に
くぐらせ霧ふきで水をかけ、4分30秒間蒸し、180
℃のホットプレートで1分30秒間加熱し、餃子のサン
プルとした。これをラップで1つづつ包み、−24℃で
1週間保存後、電子レンジで解凍し、みみの部分の軟ら
かさを官能評価した。下記の評価基準により、餃子のみ
みの部分の軟らかさを観察し、その結果を表2に示し
た。 [みみの部分の軟らかさの評価基準] ○:みみが軟らかい。歯切れが良い。 △:みみを噛み切る時、ひきがありやや硬い。 ×:みみが硬化している。
を評価した。つぎに実施例6と同様の方法でこの餃子の
皮を使用して餃子を調製し、冷凍後電子レンジで解凍
し、みみの部分の軟らかさを官能評価した。その結果を
表2に示した。
実施例1に準じた方法で調製し、比較例1〜5とした。
を評価した。つぎに実施例6と同様の方法でこの餃子の
皮を使用して餃子を調製し、冷凍後電子レンジで解凍
し、みみの部分の軟らかさを官能評価した。その結果を
表2に示した。
に、ナタネ白絞油のみを添加した比較例1およびナタネ
白絞油の配合の少ない比較例2の油脂組成物を使用した
比較例6および比較例7は、生地の表面に荒れが見ら
れ、また、電子レンジで解凍時に水分が蒸発し、みみが
硬化するなどの欠点があった。還元水飴の少ない比較例
3の油脂組成物を使用した比較例8は、生地状態に問題
は少なかったが、食感改良効果は不十分であった。また
モノグリセリン脂肪酸エステルまたはショ糖脂肪酸エス
テルの少ない比較例4および比較例5の油脂組成物を使
用した比較例9および比較例10は、比較例8同様食感
改良効果が不十分であった。また、比較例4の油脂組成
物を3重量部添加した比較例11は生地物性も悪く、冷
凍・解凍後のみみが硬化するなどの欠点があり食感が悪
かった。これに対し、本発明の水中油滴型乳化油脂を特
定量添加した実施例6〜実施例10は、圧延直後の生地
の状態・機械耐性、焼成・冷凍・解凍後の餃子のみみの
軟らかさが固くならず食感がいずれも優れていた。
いることにより、生地中に食用油脂を容易にしかも短時
間で均一に分散させることができる。また、生地に油じ
み、油っぽさなどをまったく生じることなく、生地の破
れ、生地切れが防止され、機械耐性のある生地を得るこ
とができる。また、水中油滴型乳化油脂組成物中のショ
糖脂肪酸エステル、モノグリセリン脂肪酸エステルは、
生地を加熱する際に小麦澱粉と複合体を形成し、糊化粘
度を増加せしめるので、それにより生地を強化すること
ができると同時に、小麦澱粉の老化防止を抑制する働き
がある。それにより、電子レンジ解凍後も、みみの部分
の軟らかな餃子の皮を得ることが可能である。還元水飴
は、保湿性に優れているため、電子レンジ解凍時の水分
の蒸発を防ぎ、みみの軟らかな餃子の皮を作ることがで
きる。このように本発明の水中油滴型乳化油脂組成物
は、この乳化油脂を餃子、シューマイ、ワンタンの皮や
麺の生地中に添加することにより、生地の機械耐性を増
し、かつ皮の食感を向上させることができるという優れ
た効果が得られるものである。
Claims (2)
- 【請求項1】 食用油脂30〜60重量部、還元水飴1
5〜40重量部、HLB11〜16のショ糖脂肪酸エス
テル1〜6重量部およびHLB4〜7のモノグリセリン
脂肪酸エステル1〜6重量部からなることを特徴とする
麺帯用水中油滴型乳化油脂組成物。 - 【請求項2】 請求項1記載の麺帯用水中油滴型乳化油
脂組成物を含んでなる麺帯食品。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24279996A JP3644150B2 (ja) | 1996-09-13 | 1996-09-13 | 麺帯用水中油滴型乳化油脂組成物とその用途 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1084895A true JPH1084895A (ja) | 1998-04-07 |
JP3644150B2 JP3644150B2 (ja) | 2005-04-27 |
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ID=17094468
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP24279996A Expired - Lifetime JP3644150B2 (ja) | 1996-09-13 | 1996-09-13 | 麺帯用水中油滴型乳化油脂組成物とその用途 |
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Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3644150B2 (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2000236830A (ja) * | 1999-02-23 | 2000-09-05 | Dai Ichi Kogyo Seiyaku Co Ltd | 冷凍保存用または冷蔵保存用ぎょうざの皮の改質剤組成物、及びこれを用いた冷凍保存用または冷蔵保存用ぎょうざの皮の製造方法 |
JP2001061422A (ja) * | 1999-08-24 | 2001-03-13 | Dai Ichi Kogyo Seiyaku Co Ltd | 生タイプ即席麺用の改質剤組成物、及びこれを用いた生タイプ即席麺の製造方法 |
JP2002199851A (ja) * | 2000-12-28 | 2002-07-16 | Dai Ichi Kogyo Seiyaku Co Ltd | 麺類改質剤、及びこれを用いた麺類の製造方法 |
JP2014158464A (ja) * | 2013-01-23 | 2014-09-04 | Kao Corp | 麺帯用水中油型乳化組成物 |
WO2015093401A1 (ja) * | 2013-12-19 | 2015-06-25 | 花王株式会社 | 麺帯用水中油型乳化組成物 |
-
1996
- 1996-09-13 JP JP24279996A patent/JP3644150B2/ja not_active Expired - Lifetime
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WO2015093401A1 (ja) * | 2013-12-19 | 2015-06-25 | 花王株式会社 | 麺帯用水中油型乳化組成物 |
JP2015133953A (ja) * | 2013-12-19 | 2015-07-27 | 花王株式会社 | 麺帯用水中油型乳化組成物 |
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Publication number | Publication date |
---|---|
JP3644150B2 (ja) | 2005-04-27 |
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